JP2018016569A - (1s)−1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニトリル蓚酸塩の製造方法 - Google Patents

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希恵 山田
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隆行 宮奥
芳樹 大庭
Yoshiki Oba
芳樹 大庭
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Abstract

【課題】光学純度が極めて高く、且つ残留溶媒の極めて少ない(1S)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-(4-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボニトリル(エスシタロプラム)蓚酸塩を提供することを目的とする。【解決手段】(1S)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-(4-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボニトリル蓚酸塩1質量部に対して、8容量部から15容量部のエタノールを含む有機溶媒に加熱溶解したのち、該溶液を少なくとも25℃/h以上の速度で冷却して晶析し、晶析体として該蓚酸塩を得ることを特徴とする、製造方法を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、(1S)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-(4-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボニトリル蓚酸塩の製造方法に関する。
(1S)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-(4-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボニトリル(以下、「エスシタロプラム」ともいう。)蓚酸塩は、以下の構造をもつ周知の抗うつ薬である。
Figure 2018016569
エスシタロプラム(6)は、以下の合成経路で製造する方法が知られており、前記エスシタプラム蓚酸塩(7)として単離されている。
Figure 2018016569
上記合成経路で得られたエスシタロプラム蓚酸塩の精製方法として再結晶による方法が知られている。例えば、エスシタロプラム:エタノール質量比率(1:2.5〜5の範囲、容量比率で1:3.2〜6.4)のエタノールに還流温度で溶解し、7〜15℃まで冷却(冷却速度:12〜30/h)し、生成した結晶を母液から単離する工程を含む、50〜200μmの範囲であるエスシタロプラム蓚酸塩の結晶性粒子の製造方法が開示されている(下記特許文献2参照)。
特許第3038204号公報 特許第4971477号公報
前記特許文献の方法によって、高純度でエスシタロプラム蓚酸塩を得ることができる。しかしながら、本発明者らが追試を行ったところ、得られた結晶中に溶媒が残留し、乾燥処理によって除去しきれないという課題があることが判明した。残留溶媒は、種類にもよるが、その毒性の点からできる限り残存量を減らすことが望ましく、かかる点でなお改善の余地があった。
したがって、本発明の課題は、純度が極めて高く、且つ残留溶媒の極めて少ないエスシタロプラム蓚酸塩を得る製造方法を提供することである。
本発明者らは、晶析条件について鋭意検討を行った結果、晶析の溶媒の使用量と溶解後の冷却速度を調整することによって、残留溶媒量が低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
[1]
(1S)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-(4-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボニトリル蓚酸塩の製造方法であって、
(1S)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-(4-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボニトリル蓚酸塩1質量部に対して、8容量部から15容量部のエタノールを含む有機溶媒に加熱溶解したのち、該溶液を少なくとも25℃/h以上の速度で冷却して晶析し、晶析体として該蓚酸塩を得ることを特徴とする方法、
である。
本発明によれば、光学純度が極めて高く、且つ残留溶媒の極めて少ないエスシタロプラム蓚酸塩を製造することができる。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。
4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4’-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル,(+)または(-)、を原料として(+)-ジ-p-トルオイル酒石酸と塩形成させることにより、(1S)-4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4’-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリルを選択的に取得する。次いで、閉環反応及び蓚酸塩化反応を行い、エスシタロプラム蓚酸塩を得ることができる(上記特許文献1参照)。
すなわち、本願発明におけるエスシタロプラム蓚酸塩(7)は、下記の合成経路により製造することができる。
Figure 2018016569
<酒石酸塩(4)の製造>
ラセミ体の4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリルヘミ(+)-ジ-(p-トルオイル)酒石酸塩の製造には、公知の方法を用いることができる。例えば、ラセミ体の4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリルの酸塩を有機溶媒と水の2層系の溶媒中で塩基を反応させて遊離体(3)を得た後に、該遊離体に(+)-ジ-(p-トルオイル)酒石酸を反応させて酒石酸塩を得ることができる。
ちなみに、前記ラセミ体の4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリルの酸塩は、例えば、以下のように製造することができる。すなわち、化合物(1)と4-ブロモフルオロベンゼンのグリニヤール反応を行い、得られた化合物(2)と塩化3,3-ジメチルアミノプロピルのグリニャール反応を行うことにより、当該酸塩を得ることができる。
前記酸塩における酸として、様々な酸を使用することができるが、例えば、臭化水素酸、酢酸などを挙げることができる。前記酸塩と反応させる前記塩基としては、様々な延期を使用することができるが、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムなどを挙げることができる。
前記遊離化の溶媒としては、例えば、酢酸エチル、ジエチルエーテル、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタンを使用することができ、好ましくは、クロロホルムを使用することができる。前記遊離化の溶媒の溶媒量としては、4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル100質量部に対して300〜2000質量部、好ましくは400〜800質量部の溶媒を使用することができる。前記遊離化の反応温度としては、0〜60℃の範囲で適宜決定することができる。
前記酒石酸塩化の際の溶媒としては、例えば、IPA、1-ブタノールなどを使用することができ、好ましくはIPAを用いることができる。酒石酸塩化の際の溶媒量としては4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル(3a)100質量部に対して300〜2000質量部の溶媒、好ましくは500〜1000質量部の溶媒を使用することができる。
前記酒石酸塩化に用いる(+)-ジ-(p-トルオイル)酒石酸の使用量としては、4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル(3)に対して0.25〜1.0当量の該酒石酸を使用し、好ましくは0.3〜0.5当量の該酒石酸を使用することができる。
前記酒石酸塩(4)の粗体を得る方法としては、4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル(3)を有機溶媒に溶解し、(+)-ジ-(p-トルオイル)酒石酸又は(-)-ジ-(p-トルオイル)酒石酸を溶解した溶液を加え、遊離体(3)を酒石酸塩化させて析出させた後、光学分割により得る方法を用いることができる。
前記酒石酸塩(4)の粗体をそのまま本発明にかかる製造方法における酒石酸塩(4)として用いることができるが、前記酒石酸塩(4)の粗体を再結晶等の公知の精製方法により、化学純度、及び光学純度を向上させることが好ましい。
<酒石酸塩の遊離体(5)の製造>
酒石酸塩の遊離体(5)の製造には、公知の方法を用いることができ、前記酒石酸塩(4)を塩基と反応させることにより遊離体(5)を得ることができる。前記酒石酸塩の遊離体(5)の製造において、例えば、少なくとも芳香族炭化水素及び/又はハロゲン化炭化水素から選ばれる難水溶性有機溶媒と水とを含む溶媒中で、塩基の存在下、前記酒石酸塩(4)から、光学純度と化学純度が共に極めて高い前記該酒石酸塩の遊離体(5)を得ることができる。
<エスシタロプラム(6)の製造>
前記遊離体(5)の閉環反応によりエスシタロプラム(6)を得ることができる。前記エスシタロプラム(6)製造方法としては、公知の方法を特に制限なく用いることができる。
前記遊離体(5)の閉環反応においては、例えば、前記遊離体にトルエン850質量部、トリエチルアミン1.1当量を加え、5℃で撹拌溶解させる。溶解後、塩化パラトルエンスルホニル1.1当量を滴下する。滴下後後5℃で1時間攪拌を行う。1時間撹拌後、水200質量部、アンモニア水1.1当量を加え、30分撹拌する。撹拌後、有機層と水層を分離し、分離後、有機層を60℃で濃縮して、エスシタロプラム(6)遊離体を得ることができる。
<エスシタロプラム蓚酸塩(7)の製造>
前記エスシタロプラム(6)に酸付加する塩化反応により、エスシタロプラムの塩を得ることができる。特に、個体として得るためにエスシタロプラム蓚酸塩(7)とすることが好ましい。この製造方法としては、公知の方法を特に制限なく用いることができる。
前記エスシタロプラムの蓚酸塩化においては、例えば、前記エスシタロプラム(6)遊離体にアセトン800質量部を加え、50℃で加熱溶解させる。加熱溶解後、シュウ酸1.1当量を添加し、結晶を析出させる。結晶化確認後20〜30℃/hrの速度で25℃まで冷却し、25℃で1時間熟成を行う。熟成後、ろ過により固液分離を行い、得られた結晶を40℃で6時間以上乾燥させて、エスシタロプラム(6)遊離体の析出体を得ることができる。
<本発明にかかるエスシタロプラム蓚酸塩(7)の晶析の方法>
本発明にかかるエスシタロプラム蓚酸塩(7)の晶析の方法においては、晶析の溶媒としてエタノールを含む溶媒を用い、エスシタロプラム蓚酸塩に対して当該溶媒を8容量部から15容量部の範囲とすることを特徴とする。
前記エタノールを含む溶媒は、エタノールのみ或いはエタノールと他の有機溶媒の混合溶媒が挙げられる。混合溶媒に用いる他の有機溶媒としては、メタノール、1-プロパノール及び2-プロパノールを含むアルコール系、酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸プロピルを含むエステル系が挙げられる。混合溶媒の調製方法としては、これらの溶媒の全部あるいは一部を予め混合したものを用いても良いし、当該溶液調製工程のなかで順次混合しても良い。残留溶媒を効率良く除去できる観点から、エタノールのみであることが好ましい。なお、混合溶媒とする場合の他の有機溶媒の混合割合としては、全溶媒量100容量部あたり、30容量部以下とすることが好ましい。
前記エスシタロプラム蓚酸塩(7)のエタノールを含む溶媒への溶解は、還流温度以下の加熱温度下で行うことができる。当該加熱温度としては、60℃〜80℃の温度範囲が好ましい。
また、本発明にかかるエスシタロプラム蓚酸塩(7)の晶析の方法においては、前記エタノールを含む溶媒で溶解して調製した溶液を、晶析のために、少なくとも25℃/h以上の冷却速度で冷却する。冷却後には、1時間以上の保持時間をとる。
前記冷却速度は、30〜60℃/hが好ましく、30〜50℃/hがより好ましく、30〜40℃/hrが特に好ましい。
前記晶析においては、種晶を加えても良く、加える温度は、使用する溶媒量にもよるが、過飽和の状態で加えることが好ましい。例えば、使用する溶媒量が10容量部のとき、添加温度は50℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましく、40℃以下が特に好ましい。また、種晶の化学純度及び光学純度は、99.9%以上であることが好ましく、加える量は粗体の0.1〜10wt%の範囲で適宜決定することが好ましい。
前記晶析により得られた晶析体は、加圧ろ過、減圧ろ過、遠心分離などの方法で単離することができる。
前記単離した晶析体は、例えば、60℃、12時間の乾燥条件で乾燥することができる。
<本発明にかかるエスシタロプラム蓚酸塩(7)の晶析の方法で製造した晶析体>
前記晶析の方法で製造したエスシタロプラム蓚酸塩の晶析体は、光学純度が極めて高く、且つ残留溶媒の極めて少ない。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
<光学純度の測定>
本願発明にかかる方法により製造したエスシタロプラム蓚酸塩(7)の光学純度の測定は、HPLC法を用いて以下の条件で行った。
エスシタロプラム蓚酸塩(7)の光学純度の評価
エスシタロプラム蓚酸塩(7)の光学純度の測定は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。HPLC測定に使用した装置、測定の条件は、以下のとおりである。なお、エスシタロプラム蓚酸塩(7)の光学純度とは、得られたクロマトグラムにおけるエスシタロプラム蓚酸塩(7)のピーク面積値の、S体とR体の面積値の合計に対する百分率で示した値である。また、該条件によるHPLC分析におけるエスシタロプラム蓚酸塩(7)の保持時間は19.3分付近である。また、R体のシタロプラムの保持時間は25.3分付近である。
装置:ウォーターズ社製2695
検出器:紫外吸光光度計(ウォーターズ社製2489)
検出波長:240nm
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmのオボムコイド共有結合したアミノ化シリカゲルが充填されたもの
移動相:緩衝液/アセトニトリル=85/15
流速:0.6mL/min
カラム温度:30℃付近の一定温度
注入量:15μL
サンプル濃度:0.125mg/mL
<残留溶媒の測定>
エスシタロプラム蓚酸塩(7)の残留溶媒の測定は、ガスクロマトグラフィー(GC)により測定した。GC測定に使用した装置、測定の条件は、以下のとおりである。なお、エスシタロプラム蓚酸塩(7)の残留溶媒量は、求められた溶媒のピーク面積値から、検量線法により算出した。ここで、残留溶媒量は、試料の質量に対する溶媒の質量の割合を示したものである。また、該条件によるGC分析におけるエタノールの保持時間は2.3分付近である。
装置:アジレントテクノロジー社製6890N
検出器:水素炎イオン化検出器
カラム:アジレントテクノロジー社製DB−WAX(30m、0.53mmI.D.、1.0μm)
カラム温度:注入後、40℃を5 分間、その後、毎分10℃で230℃まで昇温し、10分間保持した。
注入口温度:220℃
検出器温度:300℃
キャリヤーガス:ヘリウム
平均線速度:33cm/秒
本発明の以下の実施例、及び比較例にて用いるエスシタロプラム蓚酸塩(7)は、以下の方法により製造した。
<酒石酸塩(4)の製造>
温度計、撹拌羽をとりつけた2000mLの4口フラスコにラセミ体の4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル(3a)200g、イソプピルアルコール800mLを加え、35℃で撹拌溶解した。また、温度計、撹拌羽をとりつけた1000mLの4口フラスコに(+)-ジ-(p-トルオイル)88g、イソプピルアルコール700mLを加え、25℃で撹拌溶解した。溶解確認後、(+)-ジ-(p-トルオイル)酒石酸の溶液を2000mLの4口フラスコに加え、遊離体(3a)を酒石酸塩化させて析出させ、光学活性な粗体、すなわち(1S)-4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリルヘミ(+)-ジ-(p-トルオイル)酒石酸塩(4)の粗体80gを得た(化学純度:99.787%、光学純度:95.94%)。上記粗体を、メタノール5mL(前記酒石酸塩1質量部に対して0.8質量部)及びアセトニトリル45mL(前記酒石酸塩1質量部に対して7.1質量部)にて再結晶を行い、白色結晶として(前記酒石酸塩4.2g(7.8mmol)を得た(収率:25.6%、化学純度:99.882%、光学純度:99.91%)。
<遊離体(5)の製造>
撹拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、実施例1で取得した(酒石酸塩(4b)4.3g(8.0mmol、化学純度:99.925%、不純物1:未検出、不純物2:0.002%、光学純度:99.96%)、ジエチルエーテル25mL(酒石酸塩(4b)1質量部に対して4.2質量部)、精製水25mL(酒石酸塩(4b)1質量部に対して5.8質量部)、2M水酸化ナトリウム水溶液4mL(16.0mmol、2.0当量)を加え、攪拌した。得られた混合液を25℃で30分攪拌し、酒石酸塩(4b)が溶解したのを目視により確認した。撹拌後、200mL分液ロートにより、有機層と水層を分離し有機層に精製水4.3mL(酒石酸塩(4b)1質量部に対して1.0質量部)を加えて水洗した。水洗後、有機層と水層を分離し、有機層を減圧濃縮し、(1S)-4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル遊離体(5)2.7g(8mmol、収率100%)を取得した。
<エスシタロプラム(6)及びその塩の製造>
得られた(1S)-4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル遊離体(5)を撹拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに加え、トルエン24mL((1S)-4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル遊離体(5)1質量部に対して8.5質量部)、トリエチルアミン1.8g(8.8mmol、1.1当量)を加え、5℃で30分撹拌した。撹拌後、塩化パラトルエンスルホニル1.7g(8.8mmol、1.1当量)を加え、5℃で1時間撹拌した。撹拌後、精製水5mL((1S)-4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル遊離体(5)1質量部に対して2.0質量部)、25%アンモニア水1.4g(8.8mmol、1.1当量)を加え、25℃に加温し30分攪拌した。撹拌後、反応溶液を100mL分液ロートで有機層と水層に分液し、有機層を精製水5mL((1S)-4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4'-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリル遊離体(5)1質量部に対して2.0質量部)で水洗した。水洗後、有機層と水層を分離し、有機層を減圧濃縮し、エスシタロプラム(6)2.3g(7.2mmol、収率89%)を取得した。
<エスシタロプラム蓚酸塩(7)の製造>
得られたエスシタロプラム(6)を撹拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに加え、アセトン18mL(エスシタロプラム(6)1質量部に対して7.9質量部)を加え、45℃で30分撹拌した。撹拌後、シュウ酸0.7g(7.9mmol、1.1当量)を加え、結晶の析出を確認した。結晶の析出確認後、25℃まで冷却し、同温度で1時間熟成した。熟成後、減圧濾過により析出した結晶を濾別し、アセトン2.3mL(エスシタロプラム(6)1質量部に対して0.8質量部)により、濾別した結晶を2回洗浄した。得られた白色結晶を40℃で12時間減圧乾燥し、白色結晶としてエスシタロプラム蓚酸塩(7)2.5g(6.1mmol)を得た(収率:85%、化学純度:99.900%、光学純度:99.95%)。
<エスシタロプラム蓚酸塩(7)の晶析体の製造>
下記実施例1〜4及び比較例5〜10を、エタノール容量及び冷却温度をそれぞれ変化させて実施し、エタノール残留濃度及び光学純度を測定した。結果を下記表1に示す。
実施例1
撹拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、エスシタロプラム蓚酸塩(7)の粗体10.0g(24.1mmol)、エタノール100mL(エスシタロプラム蓚酸塩(7)1質量部に対して10質量部)を加え攪拌した。得られた混合液を70℃で15分攪拌し、エスシタロプラム蓚酸塩(7)が溶解したのを目視により確認した。冷却速度30℃/hで冷却開始後、50℃で結晶の析出を確認した。5℃に冷却し、同温度で1時間熟成した。熟成後、減圧濾過により析出した結晶を濾別し、エタノール10mL(エスシタロプラム蓚酸塩(7)1質量部に対して1質量部)により、濾別した結晶を2回洗浄した。得られた白色結晶を60℃で12時間減圧乾燥し、白色結晶として(エスシタロプラム蓚酸塩(7)9.4g(22.6mmol)を得た(収率:93.7%、化学純度:99.86%、光学純度:99.96%)。この結晶について残留溶媒量を測定し、その結果を表1に示した。
実施例2〜5、比較例1〜5
実施例1において、溶解溶媒量及び冷却速度を表1に示す値に変更した以外は同様の操作を行い、得られたエスシタロプラム蓚酸塩(7)の結晶について、残留溶媒量を測定した結果を表1に示した。
Figure 2018016569
表1の実施例と比較例から明らかなように、前記蓚酸塩(7)1質量部に対して、8容量部から15容量部のエタノールに加熱溶解し、且つ、該溶液を少なくとも25℃/h以上の速度で冷却して晶析した場合に、得られた前記蓚酸塩の晶析体の残留溶媒は極めて少ないことがわかった。また、これらの晶析体の光学純度が極めて高いことがわかった。

Claims (1)

  1. (1S)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-(4-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボニトリル蓚酸塩の製造方法であって、
    (1S)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-(4-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボニトリル蓚酸塩1質量部に対して、8容量部から15容量部のエタノールを含む有機溶媒に加熱溶解したのち、該溶液を少なくとも25℃/h以上の速度で冷却して晶析し、晶析体として該蓚酸塩を得ることを特徴とする方法。
JP2016146688A 2016-07-26 2016-07-26 (1s)−1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニトリル蓚酸塩の製造方法 Pending JP2018016569A (ja)

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