JP2018012871A - 接合材、接合材の製造方法、及び接合体 - Google Patents

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隆之 藤本
Takayuki Fujimoto
隆之 藤本
五十嵐 弘
Hiroshi Igarashi
弘 五十嵐
裕二 櫻本
Yuji Sakuramoto
裕二 櫻本
健太朗 三好
Kentaro Miyoshi
健太朗 三好
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Abstract

【課題】2以上の被接合部材を不活性雰囲気中で接合した場合であっても高い接合力を有する、銅ナノ粒子を原料とする接合材を提供する。【解決手段】平均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子の焼結体を含む、板状又はシート状の接合材であって、比抵抗値が1×10−5Ω・m以下である、接合材を選択する。【選択図】なし

Description

本発明は、接合材、接合材の製造方法、及び接合体に関する。
従来、電子部品の接合材として、半田の材料が広く用いられていた。しかしながら、半田の材料は、耐熱性に乏しいという問題があった。そのため、例えば、150℃以上の高温が見込まれるSiC素子を用いたパワーデバイス(以下、「SiCパワーデバイス」という)では、接合材として半田の材料の使用が困難であった。
そのため、SiCパワーデバイス向けの接合材として、耐熱性を有する銀もしくは銀合金を主成分として含む接合材が用いられるようになった(特許文献1)。しかしながら、銀もしくは銀合金を主成分として含む接合材では、イオンマイグレーションの発生など、物性的な問題があった。
そこで、銀もしくは銀合金を主成分として含む接合材の代替として、銅を主成分として含む接合材が検討されるようになった。特許文献2には、ペースト状の銅ナノ粒子を原料とする接合材が開示されている。
しかしながら、通常、ペースト状の接合材には、粘度を調整するために有機溶媒が用いられており、被接合材の接合時の焼成温度が有機成分の分解温度に依存してしまうという問題があった。また、銅ナノ粒子の表面などに有機成分が残存することで、ボイドやクラックの原因となるため、接合力の低下の要因となるという問題があった。このため、ペースト状の接合材を利用するためには、予備乾燥など、有機成分を除去する工程が必要となるという課題があった。
また、ペースト状の接合材には、被接合材の接合面に均一に塗布することが困難であり、扱いにくいという問題もあった。さらに、ペースト状の接合材には、長期間保存する場合、銅ナノ粒子の分散性の維持が困難であり、冷凍して保存したり、あるいは銅ナノ粒子の分散剤を過大に混合したりする必要があるという問題もあった。これらは、いずれも接合後の品質の悪化を引き起こす要因となるという課題があった。
そこで、近年、銅ナノ粒子を原料とするシート状の接合材(以下、「接合用シート」という)が用いられるようになった(特許文献2〜5)。ここで、銅ナノ粒子を原料とする接合用シートは、銅箔や銅ナノ粒子単体(集合体)と異なり、強い接合力を有している。また、シート状であることから、接合の際に扱いやすいという利点を有している。
特開2011−071301号公報 特開2014−167145号公報 特開2013−039580号公報 特開2013−236090号公報 特開2015−104748号公報
ところで、特許文献2〜5に開示された接合用シートを用いて2以上の被接合部材を接合して高い接合力を得ようとする場合、これらを還元性雰囲気中で接合する必要があった。すなわち、特許文献2〜5に開示された接合用シートを用いて2以上の被接合部材を接合する場合、不活性雰囲気中では接合用シートの接合力が大幅に低下してしまうという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、2以上の被接合部材を不活性雰囲気中で接合した場合であっても高い接合力を有する、銅ナノ粒子を原料とする接合材を提供することを課題とする。
また、上記接合材の製造方法を提供すること、並びに、上記接合材を用いて2以上の被接合部材を接合した接合体を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(1) 平均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子の焼結体を含む、板状又はシート状の接合材であって、
比抵抗値が1×10−5Ω・m以下である、接合材。
(2) 厚さが、200μm以下である、前項1に記載の接合材。
(3) 平均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子を準備する第1工程と、前記微粒子を還元性雰囲気中で加圧しながら焼結して、板状又はシート状に形成する第2工程と、を含む、接合材の製造方法。
(4) 前記還元性雰囲気が、水素ガスを含む、前項3に記載の接合材の製造方法。
(5) 前記第2工程において、20MPa以上に加圧する、前項3または4に記載の接合材の製造方法。
(6) 前項1に記載の接合材と、第1被接合部材と、第2被接合部材と、を備え、前記第1被接合部材と、前記第2被接合部材との間に前記接合材が設けられた、接合体。
(7) 平均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子を還元性雰囲気中で加圧しながら焼結して、板状又はシート状の接合材を形成する工程と、
第1被接合部材と第2被接合部材との間に前記接合材が設けられた状態で加圧して、前記第1被接合部材と前記第2被接合部材とを接合して接合体を形成する工程と、を含み、
前記接合体を形成する際の圧力を、前記接合材を形成する際の圧力の1/2以下とする、接合体の製造方法。
本発明の接合材は、平均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子同士が焼結して結合した、板状又はシート状の接合材であって、比抵抗値が1×10−5Ω・m以下であるため、不活性雰囲気中での接合に用いた場合であっても高い接合力を有する。
本発明の接合材の製造方法は、均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子を還元性雰囲気中で加圧しながら焼結して、板状又はシート状に形成するため、上述した接合材を簡便に製造することができる。
本発明の接合体は、第1及び第2被接合部材の間に、上述した接合材が設けられているため、第1及び第2被接合部材が高い接合力で接合された接合体を提供することができる。
本発明の検証試験に用いた接合材を製造するための冶具の構成の一例を示す斜視図である。 本発明の検証試験に用いた接合材の構成の一例を示す写真である。 本発明の検証試験に用いた接合材の断面のSEM観察の結果を示す図である。 本発明の検証試験に用いた接合体の構成を説明するための斜視図である。 本発明の検証試験に用いた接合材の比抵抗値と、この接合材を用いて接合した接合体のせん断強度との関係を示す図である。 本発明の接合体の接合時の各圧力において、接合する際に用いた接合材の加圧成型時の圧力と、この接合材を用いて接合した接合体のせん断強度との関係を示す図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である接合材、及びその製造方法について、この接合材を用いた接合体と併せて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<接合材>
先ず、本発明を適用した一実施形態である接合材の構成の一例について説明する。
本実施形態の接合材は、銅を主成分とする微粒子(以下、単に「銅ナノ粒子」ともいう)が還元性雰囲気中で焼結されて焼結体となり、板状又はシート状の形態をなしたものである。
銅を主成分とする微粒子(銅ナノ粒子)としては、成分中に銅(Cu)を含むものであれば特に限定されるものではないが、微粒子全体に対して銅元素を95質量%以上含むことが好ましく、97質量%以上含むことがより好ましい。
微粒子の平均粒子径としては、300nm以下であることが好ましい。
微粒子の粒子径としては、粒子径5nm以上、500nm以下であることが好ましい。微粒子の粒子径を揃えてもよいが、粒子径が平均粒子径を中心に分布していてもよい。
なお、微粒子の粒子径とは、球形の場合は球の直径をいうが、楕円球形の場合は長径方向の長さをいう。また、粒子径の測定方法は、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて測定する。
本実施形態の接合材は、後述するように、上記微粒子を所要の還元性雰囲気中で加圧しながら焼結して、板状又はシート状に形成したものである。ここで、接合材の厚さ(加圧方向の厚さ)としては、特に限定されるものではなく、板状やシート状等の接合材の態様に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えば、200μm以下とすることが好ましく、50〜100μmの範囲とすることがより好ましい。
また、接合材を平面視した際の形状は、特に限定されるものではなく、被接合部材の接合面の形状等に応じて、適宜選択することができる。また、後述するように、上述した微粒子を所要の圧力で加圧しながら焼結して、板状又はシート状に形成する際の加圧面の形状としてもよい。具体的には、例えば、矩形や円形等が挙げられる。
また、本実施形態の接合材は、後述するように、上述した微粒子を所要の圧力および温度条件で焼結して得られた焼結体を板状又はシート状に形成したものであり、比抵抗値が1×10−5Ω・m以下となるように、上述した銅ナノ粒子の焼結体を板状又はシート状とした接合材であるため、高い接合力を実現することができる。
本実施形態の接合材は、比抵抗値が1×10−5Ω・m以下であることが好ましく、これを用いて接合した接合体において、高いせん断強度(すなわち、高い接合力)を得るために2×10−6Ω・m以下であることがより好ましい。接合材の比抵抗値が1×10−5Ω・m以下であることにより、十分に微粒子同士が焼結して結合していることを示し、この接合材を用いて不活性ガス中で接合しても接合材として変質や変形が生じず、強い接合力が得られる。なお、接合材の比抵抗値は、市販の低抵抗測定器(例えば、三菱化学アナリテック社製、「ロレスターGXMCP−T700」、「QP2プローブ」等)を用いて測定することができる。
<接合材の製造方法>
次に、上述した接合材の製造方法の一例について説明する。
本実施形態の接合材の製造方法は、上述した微粒子(銅ナノ粒子)を準備する工程(第1工程)と、微粒子を還元性雰囲気中で加圧しながら焼結して、板状又はシート状に形成する工程(第2工程)と、を備えて概略構成されている。
(第1工程)
先ず、所要の平均粒子径を有する、銅を主成分とする微粒子(銅ナノ粒子)を原料として準備する。ここで、原料となる銅ナノ粒子としては、保護剤、分散剤などを必要としないものを用いる事が望ましい。このような銅ナノ粒子としては、例えば、特許文献(特許第4304221号公報)に記載された製造方法によって得られるものが挙げられる。
なお、原料となる銅ナノ粒子には、有機溶媒を用いないことが望ましい。ただし、粒子の均一化や形状調整のため、揮発性の高いアルコール(例えば、エタノール、2−プロパノール等)などを、銅ナノ粒子を分散させる程度の量を用いてもよい。また、使用したアルコールなどは、第2工程までに揮発させておくことが好ましい。
このようにして、所要の平均粒子径を有する、銅ナノ粒子を準備する。
(第2工程)
次に、上記第1工程で準備した銅ナノ粒子を還元性雰囲気中で加圧しながら焼結して、板状又はシート状の接合材を加圧成型(加圧焼成)する。ここで、加圧成型に用いる装置としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属製の冶具、圧縮成型機等を用いることができる。
加圧成型の際の圧力は、特に限定されるものではないが、20MPa以上とすることが好ましく、圧力が高いほどより好ましい。これにより、比抵抗値が1×10−5Ω・m以下である接合材を成型することができる。
加圧成型の際の温度は、150℃以上、500℃以下であることが好ましく、250℃以上、450℃以下であることがより好ましい。特に、350℃で加圧成型することで、最も効率よく成型することができる。
加圧成型の際の加圧時間は、2分以上、60分以下であることが好ましく、10分以上、30分以下であることがより好ましい。
加圧成型の際の雰囲気は、還元性雰囲気中で行う。ここで、還元性雰囲気としては、特に限定されるものではないが、例えば、不活性ガスである窒素ガス中に還元性物質として水素ガス等を含むものが挙げられる。
より具体的には、還元性物質として水素ガスを用いた場合、還元性雰囲気中の水素ガスの濃度としては、0体積%超、5体積%以下であることがより好ましく、2体積%以上、4体積%以下であることがより好ましい。
以上より、被接合部材を不活性雰囲気中で接合した場合であっても、十分な接合力を有する本実施形態の接合材を成型することができる。
<接合体>
次に、上述した接合材を用いて接合した接合体の構成の一例について説明する。
本実施形態の接合体は、上述した接合材と、第1被接合部材と、第2被接合部材と、を備えており、第1及び第2被接合部材の間に設けられた接合材によって第1被接合部材と第2被接合部材とが接合されたものである。
接合対象となる第1及び第2被接合部材の材質としては、例えば、銅、シリコン、アルミニウム、酸化銅、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素等、あるいはそれらの合金、混合物等が挙げられる。なお、第1及び第2被接合部材は、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
本実施形態の接合体は、上述した接合材によって接合された第1被接合部材と第2被接合部材とのせん断強度が、還元性雰囲気中で接合した場合に対して、不活性雰囲気中で接合した場合であっても10%未満の減少にとどまる。換言すると、上述した接合材は、当該接合材を用いて2以上の被接合部材を接合する際、不活性雰囲気中での接合であっても高い接合強度を奏するものである。
本実施形態の接合体のせん断強度は、市販のボンドテスター装置(例えば、デイジ社製、「400Plus」等)によって測定することができる。
本実施形態の接合体の製造方法は、上述したように、板状又はシート状の接合材を形成する工程と、第1被接合部材と第2被接合部材との間に上記接合材が設けられた状態で加圧して、第1被接合部材と第2被接合部材とを接合して接合体を形成する工程と、を含むものである。
本実施形態の接合体の製造方法において、接合条件は、特に限定されるものではなく、被接合部材の材質や組合せ等によって適宜選択することができる。具体的には、例えば、水素ガスを3体積%添加した窒素ガス雰囲気中において、圧力:10MPa、温度:300℃、時間:10分間とすることができる。
なお、本実施形態の接合体の製造方法では、接合体を形成する際の圧力を、前記接合材を形成する際の圧力の1/2以下とすることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態の接合材によれば、平均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子の焼結体を含む、板状又はシート状の接合材であり、比抵抗値が1×10−5Ω・m以下であるため、これを用いて複数の部材を不活性雰囲気中で接合した場合でも高い接合力を奏する。
本実施形態の接合材の製造方法によれば、均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子を還元性雰囲気中で加圧しながら焼結して、板状又はシート状に形成するため、上述した接合材を容易に製造することができる。
本実施形態の接合体によれば、上述した接合材によって接合された第1被接合部材と第2被接合部材とのせん断強度が、還元性雰囲気中で接合した場合に対して、不活性雰囲気中で接合した場合であっても10%未満の減少にとどまる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
以下、本発明の効果を検証試験によって詳細に説明する。なお、本発明は、以下の検証試験の内容に限定されるものではない。
<検証試験1>
図1に示す冶具を用いて、シート状の接合材(接合用シート)を製造した。
具体的には、先ず、特許文献(特許第4304221号公報)に記載された製造方法によって得られる銅ナノ粒子を原料として準備した。銅ナノ粒子の平均粒子径を算出した結果、300nm以下であった。
次に、図1に示すように、中心に直径6mmの穴が開いた、炭化タングステン製の長さ50mmの円筒状の冶具の中心穴に、原料として準備した粉末の銅ナノ粒子を添加した。次いで、冶具の中心穴の両端から、直径6mmの炭化タングステン製の円柱を中心穴に対して垂直に差込み、加圧成型を行った。
加圧成型は、窒素ガスに3体積%の水素ガスを混合した還元性雰囲気中で、圧力20MPa、温度300℃、10分間行った。これにより、図2に示すような、直径が6mm、厚さが50μm、比抵抗値が2×10−6Ω・mの接合用シートが得られた。なお、比抵抗率は、低抵抗測定器(三菱化学アナリテック社製、「ロレスターGXMCP−T700」、「QP2プローブ」等)によって測定した。
図3に、得られた接合用シートの断面のSEM(走査型電子顕微鏡)画像を示す。図3に示すように、接合用シートの断面を目視で確認したところ、接合用シート中の銅ナノ粒子の粒子径が約5nmから300nmであり、平均粒子径が300nm以下であるとともに、銅ナノ粒子同士が焼結して結合した状態を保っていることが確認できた。
<検証試験2>
次に、銅板と銅円柱とを接合材(接合用シート)を用いて接合して接合体を製造し、接合体のせん断強度(すなわち、接合材の接合強度)を比較検証した。
(接合材)
上述した検証試験1において、水素ガスを3体積%添加した窒素雰囲気(還元性雰囲気)中、温度を300℃、時間を10分間とし、圧力を5、10、20、40、70MPaの条件で加圧成型を行って、直径が6mm、厚さが50μmの接合材1〜5を製造した。
また、上述した検証試験1において、100体積%窒素雰囲気(不活性雰囲気)中、温度を300℃、時間を10分間、圧力を20MPaの条件で加圧成型を行って、直径が6mm、厚さが50μmの接合材6を製造した。
なお、接合材1〜6の比抵抗率は、下記の表1に示す。
(接合体)
図4に示すように、直径6mmの銅円柱(第1被接合部材)と、18mm四方の銅板(第2被接合部材)とを、上述のように準備した接合材1〜6を用いて接合し、接合体を形成(製造)した。なお、接合体は、下記の2つの接合条件で、それぞれ製造した。
「接合条件1」
雰囲気:水素ガスを3体積%添加した窒素ガス雰囲気(還元性雰囲気)、圧力:10MPa、温度:300℃、時間:10分間
「接合条件2」
雰囲気:100体積%窒素ガス雰囲気(不活性雰囲気)、圧力:10MPa、温度:300℃、時間:10分間
(せん断強度)
上述した接合材1〜6を用い、上記2つの接合条件で接合した接合体のせん断強度を、ボンドテスター(デイジ社製、「4000Plus」)を用いて測定した。結果を下記の表1に示す。
表1に示すように、還元性雰囲気中で加圧成型した、本発明の接合材1〜5を用いて接合した接合体は、接合時に不活性雰囲気であっても、接合時に還元性雰囲気としたものに対して、せん断強度の減少率はいずれも10%未満であることを確認した。
これに対して、不活性雰囲気中で加圧成型して得られた接合材6を用いて接合した接合体では、接合時に還元性雰囲気としたものに対して、不活性雰囲気としたもののせん断強度の減少率が80%を超えることを確認した。
<検証試験3>
次に、本発明の接合材(接合用シート)の比抵抗値と、図4に示すように2つの被接合部材の間に当該接合材を設けて接合した接合体のせん断強度との関係を検証した。
接合材(接合用シート)を製造する際の加圧成型条件は、水素ガスを0.3〜3.0体積%添加した窒素雰囲気(還元性雰囲気)中、圧力を20MPa以上、温度を200〜350℃、時間を2〜60分間とした。
また、接合体を製造する際の接合条件は、100%窒素雰囲気中において、圧力を10MPa、温度を300℃、時間を10分間とした。
図5に、接合用シートの比抵抗値と、この接合用シートを用いて接合した接合体のせん断強度との関係を示す。
図5に示すように、比抵抗値が1×10−5Ω・m以下の接合材では、これを用いて接合した接合体において、高いせん断強度(すなわち、高い接合力)が得られることを確認できた。
<検証試験4>
次に、本発明の接合材の加圧成型(加圧焼成)時の圧力条件、及び、この接合材を用いて得られる接合体の接合時の圧力条件と、本発明の接合体のせん断強度との関係を検証した。具体的には、上述した検証試験2の接合材1〜5(加圧成型時の圧力が5条件:5、10、20、40、70MPa)を用い、接合体を接合する際の圧力を3水準(10,20,40MPa)として、図4に示す接合体を製造し、これらのせん断強度を測定した。結果を図6に示す。
ところで、従来の接合用シート(例えば、銀シート)を用いて接合した場合、接合時の圧力が高いほど、得られた接合体は高いせん断強度(つまり高い接合力)を示すことが一般的であった。
しかしながら、図6に示すように、本発明の接合材では、接合材を加圧成型する際の圧力が低い場合、この接合用シートを用いて接合体を製造する際、接合時の圧力を高くしても、十分なせん断強度(つまり十分な接合力)が得られないことが確認できた。
したがって、接合体を製造する際、接合時に高い圧力で接合する場合、高い圧力条件で加圧成型した接合用シートを用いることが望ましいことが示唆された。具体的には、図6に示すように、接合材を加圧成型する際の圧力が、接合時の圧力の約2倍で頭打ちであることから、本実施形態に係る接合材は、加圧成型工程の圧力が、接合時の圧力の2倍以上とすることがより望ましいといえる。
一方で、本発明の接合材を用いて接合する場合、接合材の加圧成型工程の圧力の1/2以下の圧力で接合することが望ましいといえる。
本発明の接合材、接合材の製造方法、及び接合体は、電子部品を接合する用途、より具体的には、パワーデバイスと呼ばれる電子デバイス内など、半田などの接合材では使用が困難である高温環境において、基盤や素子などの部品の接合用途に利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. 平均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子の焼結体を含む、板状又はシート状の接合材であって、
    比抵抗値が1×10−5Ω・m以下である、接合材。
  2. 厚さが、200μm以下である、請求項1に記載の接合材。
  3. 平均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子を準備する第1工程と、
    前記微粒子を還元性雰囲気中で加圧しながら焼結して、板状又はシート状に形成する第2工程と、を含む、接合材の製造方法。
  4. 前記還元性雰囲気が、水素ガスを含む、請求項3に記載の接合材の製造方法。
  5. 前記第2工程において、20MPa以上に加圧する、請求項3又は4に記載の接合材の製造方法。
  6. 請求項1に記載の接合材と、第1被接合部材と、第2被接合部材と、を備え、
    前記第1被接合部材と、前記第2被接合部材との間に前記接合材が設けられた、接合体。
  7. 平均粒子径が300nm以下の銅を主成分とする微粒子を還元性雰囲気中で加圧しながら焼結して、板状又はシート状の接合材を形成する工程と、
    第1被接合部材と第2被接合部材との間に前記接合材が設けられた状態で加圧して、前記第1被接合部材と前記第2被接合部材とを接合して接合体を形成する工程と、を含み、
    前記接合体を形成する際の圧力を、前記接合材を形成する際の圧力の1/2以下とする、接合体の製造方法。
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