JP2018011465A - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】逆潮流も考慮して熱電併給装置を運転するか又は停止するかを判定できるコージェネレーションシステムを提供する。【解決手段】コージェネレーションシステムが、予測電力需要及び予測熱需要を予測する需要予測部5Aaと、逆潮流可能時間帯を設定する逆潮流可能時間帯設定部5Adと、予測電力需要及び予測熱需要を賄うことに対する運転評価値を、対象時間帯が逆潮流可能時間帯であるか否かについての情報、及び、予測電力需要及び予測熱需要についての情報に基づいて、対象時間帯毎に導出する運転評価値算出部5Aeと、現時点の対象時間帯での運転評価値と将来の対象時間帯での運転評価値とを比較して、現時点の対象時間帯に熱電併給装置1を運転するか又は停止するかを決定する起動停止決定部5Afとを備える。【選択図】図3
Description
本発明は、電力と熱とを発生する熱電併給装置と、熱電併給装置で発生した電力を熱に変換できる電気ヒーター装置と、熱電併給装置で発生した熱及び電気ヒーター装置での電熱変換により発生した熱を蓄えることができる蓄熱装置とを備えるコージェネレーションシステムに関する。
特許文献1には、省エネルギー性を達成することを目的としたコージェネレーションシステムの出力制御技術が記載されている。具体的には、特許文献1に記載の発明では、熱電併給装置が出力する電気及び熱のうち、電力負荷及び熱負荷に利用可能な電力量及び熱量である有効消費エネルギーを算出し、その有効消費エネルギーを商用電源又は通常の給湯器により賄った場合に必要となる一次消費エネルギーとその有効消費エネルギーとの差である省エネ量等を算出して、発電計画策定期間内における省エネ量等の総和が最大となるように、各時間帯において熱電併給装置が発電する電力量を決定することが行われる。
特許文献1に記載の出力制御技術では、有効に消費されたと見なされるのは、熱電併給装置が出力する電気及び熱のうち、電力負荷及び熱負荷で利用される電気及び熱だけである。また、特許文献1では、電力系統への電力の逆潮流を行わないことを前提としている。
ところが、熱電併給装置で発生した電気を電力系統に逆潮流させた場合、その電気も電力系統で有効に消費されるはずである。そのため、電力系統への電力の逆潮流を行わないことを前提とした特許文献1では、熱電併給装置で発生した電気を電力系統へ逆潮流させることができる場合に、熱電併給装置をどのように運転・停止すれば良いのかを評価できない。
ところが、熱電併給装置で発生した電気を電力系統に逆潮流させた場合、その電気も電力系統で有効に消費されるはずである。そのため、電力系統への電力の逆潮流を行わないことを前提とした特許文献1では、熱電併給装置で発生した電気を電力系統へ逆潮流させることができる場合に、熱電併給装置をどのように運転・停止すれば良いのかを評価できない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、逆潮流も考慮して熱電併給装置を運転するか又は停止するかを判定できるコージェネレーションシステムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係るコージェネレーションシステムの特徴構成は、電力と熱とを発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置で発生した電力を熱に変換できる電気ヒーター装置と、前記熱電併給装置で発生した熱及び前記電気ヒーター装置での電熱変換により発生した熱を蓄えることができる蓄熱装置とを備え、
前記熱電併給装置は最小発電電力と最大発電電力との間に設定される所定の目標発電電力を出力するように動作し、
前記熱電併給装置で発生した電力を電力消費装置で消費させることができ、及び、前記熱電併給装置で発生した熱及び前記電気ヒーター装置で発生した熱を熱消費装置で消費させることができるコージェネレーションシステムであって、
前記電力消費装置での将来の予測電力需要及び前記熱消費装置での将来の予測熱需要を予測する需要予測部と、
前記熱電併給装置で発生した電力を電力系統へ逆潮流させることができる逆潮流可能時間帯を設定する逆潮流可能時間帯設定部と、
運転評価の対象とする所定の対象時間帯に前記熱電併給装置が発生する電力及び熱を用いて前記予測電力需要及び前記予測熱需要を賄うことに対する運転評価値を、前記対象時間帯が前記逆潮流可能時間帯であるか否かについての情報、及び、前記予測電力需要及び前記予測熱需要についての情報に基づいて、前記対象時間帯毎に導出する運転評価値算出部と、
現時点の前記対象時間帯での前記運転評価値と将来の前記対象時間帯での前記運転評価値とを比較して、現時点の前記対象時間帯に前記熱電併給装置を運転するか又は停止するかを決定する起動停止決定部とを備え、
前記運転評価値算出部は、
前記予測電力需要が前記最大発電電力よりも大きいとき、前記熱電併給装置が前記最大発電電力を前記目標発電電力に設定して動作するという運転条件下で、並びに、
前記予測電力需要が前記最大発電電力以下且つ前記最小発電電力以上であるとき、前記熱電併給装置が前記予測電力需要を前記目標発電電力に設定して動作するという運転条件下で、並びに、
前記予測電力需要が前記最小発電電力よりも小さいとき、前記逆潮流可能時間帯でなければ前記熱電併給装置が前記最小発電電力を前記目標発電電力に設定して動作すると共に余剰電力を前記電気ヒーター装置で電熱変換させ、及び、前記逆潮流可能時間帯であれば前記熱電併給装置が前記最小発電電力を前記目標発電電力に設定して動作すると共に余剰電力を前記電力系統へ逆潮流させるように動作するという運転条件下で、前記運転評価値を導出する点にある。
前記熱電併給装置は最小発電電力と最大発電電力との間に設定される所定の目標発電電力を出力するように動作し、
前記熱電併給装置で発生した電力を電力消費装置で消費させることができ、及び、前記熱電併給装置で発生した熱及び前記電気ヒーター装置で発生した熱を熱消費装置で消費させることができるコージェネレーションシステムであって、
前記電力消費装置での将来の予測電力需要及び前記熱消費装置での将来の予測熱需要を予測する需要予測部と、
前記熱電併給装置で発生した電力を電力系統へ逆潮流させることができる逆潮流可能時間帯を設定する逆潮流可能時間帯設定部と、
運転評価の対象とする所定の対象時間帯に前記熱電併給装置が発生する電力及び熱を用いて前記予測電力需要及び前記予測熱需要を賄うことに対する運転評価値を、前記対象時間帯が前記逆潮流可能時間帯であるか否かについての情報、及び、前記予測電力需要及び前記予測熱需要についての情報に基づいて、前記対象時間帯毎に導出する運転評価値算出部と、
現時点の前記対象時間帯での前記運転評価値と将来の前記対象時間帯での前記運転評価値とを比較して、現時点の前記対象時間帯に前記熱電併給装置を運転するか又は停止するかを決定する起動停止決定部とを備え、
前記運転評価値算出部は、
前記予測電力需要が前記最大発電電力よりも大きいとき、前記熱電併給装置が前記最大発電電力を前記目標発電電力に設定して動作するという運転条件下で、並びに、
前記予測電力需要が前記最大発電電力以下且つ前記最小発電電力以上であるとき、前記熱電併給装置が前記予測電力需要を前記目標発電電力に設定して動作するという運転条件下で、並びに、
前記予測電力需要が前記最小発電電力よりも小さいとき、前記逆潮流可能時間帯でなければ前記熱電併給装置が前記最小発電電力を前記目標発電電力に設定して動作すると共に余剰電力を前記電気ヒーター装置で電熱変換させ、及び、前記逆潮流可能時間帯であれば前記熱電併給装置が前記最小発電電力を前記目標発電電力に設定して動作すると共に余剰電力を前記電力系統へ逆潮流させるように動作するという運転条件下で、前記運転評価値を導出する点にある。
上記特徴構成によれば、運転評価値算出部が、熱電併給装置が発生する電力及び熱を用いて予測電力需要及び予測熱需要を賄うことに対する運転評価値を対象時間帯毎に導出し、起動停止決定部が、現時点の対象時間帯での運転評価値と将来の対象時間帯での運転評価値とを比較して、現時点の対象時間帯に熱電併給装置を運転するか又は停止するかを決定する。このとき、逆潮流可能時間帯設定部は、熱電併給装置で発生した電力を電力系統へ逆潮流させることができる逆潮流可能時間帯を設定し、運転評価値算出部は、予測電力需要が最小発電電力よりも小さいとき、逆潮流可能時間帯でなければ熱電併給装置が最小発電電力を目標発電電力に設定して動作すると共に余剰電力を電気ヒーター装置で電熱変換させ、並びに、逆潮流可能時間帯であれば熱電併給装置が最小発電電力を目標発電電力に設定して動作すると共に余剰電力を電力系統へ逆潮流させるように動作するという運転条件下で、運転評価値を導出する。つまり、熱電併給装置が発生した電力を電力系統に逆潮流できるか否かを考慮して運転評価値が算出されるので、起動停止決定部は、熱電併給装置で発生した電力を電力系統へ逆潮流させることを考慮した上で、現時点の対象時間帯に熱電併給装置を運転するか又は停止するかを決定できる。
従って、逆潮流も考慮して熱電併給装置を運転するか又は停止するかを判定できるコージェネレーションシステムを提供できる。
従って、逆潮流も考慮して熱電併給装置を運転するか又は停止するかを判定できるコージェネレーションシステムを提供できる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの別の特徴構成は、前記運転評価値算出部は、
前記対象時間帯が前記逆潮流可能時間帯ではないとき、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した電力を前記電力消費装置で消費する分の電力を有効消費電力とし、及び、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した熱を前記熱消費装置で消費する分の熱量及び前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した余剰電力を前記電気ヒーター装置で電熱変換することで発生した熱を前記熱消費装置で消費する分の熱量の合計を有効消費熱量とし、
前記対象時間帯が前記逆潮流可能時間帯であるとき、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した電力を前記電力消費装置で消費する分の電力及び前記電力系統に逆潮流する分の余剰電力の合計を有効消費電力とし、及び、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した熱を前記熱消費装置で消費する分の熱量を有効消費熱量として、
前記有効消費電力及び前記有効消費熱量を用いて前記運転評価値を算出する点にある。
前記対象時間帯が前記逆潮流可能時間帯ではないとき、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した電力を前記電力消費装置で消費する分の電力を有効消費電力とし、及び、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した熱を前記熱消費装置で消費する分の熱量及び前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した余剰電力を前記電気ヒーター装置で電熱変換することで発生した熱を前記熱消費装置で消費する分の熱量の合計を有効消費熱量とし、
前記対象時間帯が前記逆潮流可能時間帯であるとき、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した電力を前記電力消費装置で消費する分の電力及び前記電力系統に逆潮流する分の余剰電力の合計を有効消費電力とし、及び、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した熱を前記熱消費装置で消費する分の熱量を有効消費熱量として、
前記有効消費電力及び前記有効消費熱量を用いて前記運転評価値を算出する点にある。
上記特徴構成によれば、運転評価値算出部が運転評価値を算出するときに用いる有効消費電力には、対象時間帯が逆潮流可能時間帯ではないとき、熱電併給装置で発生した電力を電力消費装置で消費する分の電力が含まれ、対象時間帯が逆潮流可能時間帯であるとき、熱電併給装置で発生した電力を電力消費装置で消費する分の電力及び電力系統に逆潮流する分の余剰電力の合計が含まれる。また、運転評価値算出部が運転評価値を算出するときに用いる有効消費熱量には、対象時間帯が逆潮流可能時間帯ではないとき、熱電併給装置で発生した熱を熱消費装置で消費する分の熱量及び熱電併給装置で発生した余剰電力を電気ヒーター装置で電熱変換することで発生した熱を熱消費装置で消費する分の熱量の合計が含まれ、対象時間帯が逆潮流可能時間帯であるとき、熱電併給装置で発生した熱を熱消費装置で消費する分の熱量が含まれる。
このように、対象時間帯が逆潮流可能時間帯である場合とそうでない場合とで算出方法を変えて有効消費電力及び有効消費熱量を算出し、更に、そのように算出した有効消費電力及び有効消費熱量を用いて運転評価値を算出することで、運転評価値には、熱電併給装置で発生した電力を逆潮流させる場合の影響を適切に含めることができる。
このように、対象時間帯が逆潮流可能時間帯である場合とそうでない場合とで算出方法を変えて有効消費電力及び有効消費熱量を算出し、更に、そのように算出した有効消費電力及び有効消費熱量を用いて運転評価値を算出することで、運転評価値には、熱電併給装置で発生した電力を逆潮流させる場合の影響を適切に含めることができる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの更に別の特徴構成は、前記逆潮流可能時間帯設定部は、売電価格が基準価格より高い時間帯を前記逆潮流可能時間帯として設定する点にある。
上記特徴構成によれば、熱電併給装置で発生した電力を、売電価格の高い時間帯に電力系統へ逆潮流できる。その結果、コージェネレーションシステムの売電収入を増やすことができる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの更に別の特徴構成は、前記熱消費装置は、熱を給湯用途で消費する装置、及び、熱を暖房用途で消費する装置、及び、熱を風呂の追焚用途で消費する装置の少なくとも一つを含む点にある。
上記特徴構成によれば、給湯用途及び暖房用途及び風呂追焚用途の少なくとも一つに対して熱を供給できるコージェネレーションシステムを提供できる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの更に別の特徴構成は、前記運転評価値算出部は、前記需要予測部で導出した前記対象時間帯毎の前記予測熱需要を現時点の前記対象時間帯から積算し、その積算値が前記蓄熱装置の上限蓄熱量になる前記対象時間帯までを評価対象期間に含めて、当該評価対象期間に含まれる前記対象時間帯毎の前記運転評価値を算出する点にある。
上記特徴構成によれば、蓄熱装置で蓄えることができる上限となる熱量が予測熱需要で使い切られるまでの期間が評価対象期間に設定されて、その評価対象期間に含まれる対象時間帯毎の運転評価値が算出される。つまり、評価対象期間が過度に長くなることを回避できる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの更に別の特徴構成は、前記起動停止決定部は、
現時点の前記対象時間帯での前記運転評価値が、将来の前記対象時間帯での前記運転評価値と同じ又はそれよりも良いときは、現時点の前記対象時間帯に前記熱電併給装置を運転すると決定し、
現時点の前記対象時間帯での前記運転評価値が、将来の前記対象時間帯での前記運転評価値に対して所定値差を超えて悪いときは、現時点の前記対象時間帯に前記熱電併給装置を停止すると決定する点にある。
現時点の前記対象時間帯での前記運転評価値が、将来の前記対象時間帯での前記運転評価値と同じ又はそれよりも良いときは、現時点の前記対象時間帯に前記熱電併給装置を運転すると決定し、
現時点の前記対象時間帯での前記運転評価値が、将来の前記対象時間帯での前記運転評価値に対して所定値差を超えて悪いときは、現時点の前記対象時間帯に前記熱電併給装置を停止すると決定する点にある。
上記特徴構成によれば、運転評価値が相対的に良い時間帯に熱電併給装置が運転され、運転評価値が相対的に悪い時間帯に熱電併給装置が停止される。その結果、熱電併給装置を効果的に運用できるコージェネレーションシステムを提供できる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの更に別の特徴構成は、前記運転評価値は、前記熱電併給装置を運転するときの消費一次エネルギー量又はエネルギーコスト量又は排出二酸化炭素量、或いは、それらの内の何れか二つ又は三つに基づいて算出される値である点にある。
上記特徴構成によれば、運転評価値が熱電併給装置を運転するときの消費一次エネルギー量に基づいて算出される値である場合、熱電併給装置を運転するときの消費一次エネルギーが少なくなるのが良いという観点で熱電併給装置を運転するか又は停止するかが決定される。運転評価値が熱電併給装置を運転するときのエネルギーコスト量に基づいて算出される値である場合、熱電併給装置を運転するときのエネルギーコスト量が少なくなるのが良いという観点で熱電併給装置を運転するか又は停止するかが決定される。運転評価値が熱電併給装置を運転するときの排出二酸化炭素量に基づいて算出される値である場合、熱電併給装置を運転するときの排出二酸化炭素量が少なくなるのが良いという観点で熱電併給装置を運転するか又は停止するかが決定される。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係るコージェネレーションシステムについて説明する。
図1は、コージェネレーションシステムの構成を示す図である。図2は、制御構成を示すブロック図である。図示するように、コージェネレーションシステムは、電力と熱とを発生する熱電併給装置1と、熱電併給装置1で発生した電力を熱に変換できる電気ヒーター装置12と、熱電併給装置1で発生した熱及び電気ヒーター装置12での電熱変換により発生した熱を蓄えることができる蓄熱装置(貯湯タンク)2とを備える。また、コージェネレーションシステムは、システムの動作を制御する運転制御装置5を備える。運転制御装置5は、後述するように、運転可否判定手段5Aの機能と、運転制御手段5Bの機能と、現在蓄熱量確認手段5Cの機能とを有する。
図1は、コージェネレーションシステムの構成を示す図である。図2は、制御構成を示すブロック図である。図示するように、コージェネレーションシステムは、電力と熱とを発生する熱電併給装置1と、熱電併給装置1で発生した電力を熱に変換できる電気ヒーター装置12と、熱電併給装置1で発生した熱及び電気ヒーター装置12での電熱変換により発生した熱を蓄えることができる蓄熱装置(貯湯タンク)2とを備える。また、コージェネレーションシステムは、システムの動作を制御する運転制御装置5を備える。運転制御装置5は、後述するように、運転可否判定手段5Aの機能と、運転制御手段5Bの機能と、現在蓄熱量確認手段5Cの機能とを有する。
熱電併給装置1は、電力と熱とを併せて発生させることのできる装置であれば、どのような構成のものでも構わない。例えば、燃料電池や、エンジンとそのエンジンによって駆動される発電機とを備えてエンジンの排熱と発電機の発電電力とを利用するような装置などを熱電併給装置1として利用できる。熱電併給装置1は最小発電電力と最大発電電力との間に設定される所定の目標発電電力を出力するように動作する。例えば、最小発電電力が700Wであり、最大発電電力が1000Wである場合、運転制御装置5は、熱電併給装置1の目標発電電力を700W以上1000W以下に設定してその動作を制御する。
熱電併給装置1の電力の出力側には、系統連系用のインバータ6が設けられる。インバータ6は、熱電併給装置1の発電電力を電力系統7から受電する受電電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されている。電力系統7は、受電電力供給ライン8を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの様々な電力消費装置9に電気的に接続されている。また、インバータ6は、発電電力供給ライン10を介して受電電力供給ライン8に電気的に接続され、熱電併給装置1からの発電電力がインバータ6及び発電電力供給ライン10を介して電力消費装置9に供給されるように構成されている。つまり、電力消費装置9には、電力系統7からの受電電力及び熱電併給装置1の発電電力の少なくとも何れか一方が供給される。
受電電力供給ライン8に設けられる受電電力計測手段11aは、電力系統7からの受電電力を計測する。発電電力供給ライン10に設けられる発電電力計測手段11bは、熱電併給装置1の発電電力を計測する。例えば、受電電力計測手段11aが計測する受電電力がプラスの値のとき、熱電併給装置1の発電電力に余剰電力は発生しておらず、電力消費装置9の動作のために電力系統7からの受電電力が利用されていることを示している。これに対して、例えば、受電電力計測手段11aが計測する受電電力がマイナスの値のとき、熱電併給装置1の発電電力に余剰電力が発生しており、その余剰電力が電力系統7へと供給されている、即ち、逆潮流が発生していることを示している。
受電電力計測手段11aの計測結果及び発電電力計測手段11bの計測結果は、運転制御装置5に伝達される。
受電電力計測手段11aの計測結果及び発電電力計測手段11bの計測結果は、運転制御装置5に伝達される。
電気ヒーター装置12は、複数のヒーター部から構成される。それら複数のヒーター部は、作動スイッチ14を介して発電電力供給ライン10に接続される。そして、作動スイッチ14のON/OFFが切り換えられることで、電気ヒーター装置12を構成する複数のヒーター部の消費電力が調節される。例えば、熱電併給装置1で発生した電力を電力系統7へ逆潮流させることができない時間帯では、逆潮流が生じないように、即ち、受電電力計測手段11aで計測される受電電力がマイナスの値にならないように、作動スイッチ14の動作を制御して電気ヒーター装置12の消費電力が調節される。電気ヒーター装置12での電熱変換により発生した熱は、冷却水循環ポンプ15の作動により冷却水循環路13を通流する熱電併給装置1の冷却水にて回収される。
作動スイッチ14の動作は運転制御装置5が制御する。つまり、運転制御装置5は、電気ヒーター装置12の消費電力を把握できる。従って、発電電力計測手段11bで計測される発電電力と電気ヒーター装置12の消費電力との合計が、インバータ6から出力される熱電併給装置1の発電電力になる。
作動スイッチ14の動作は運転制御装置5が制御する。つまり、運転制御装置5は、電気ヒーター装置12の消費電力を把握できる。従って、発電電力計測手段11bで計測される発電電力と電気ヒーター装置12の消費電力との合計が、インバータ6から出力される熱電併給装置1の発電電力になる。
本実施形態では、湯水を熱媒体として熱を蓄える貯湯タンク2を蓄熱装置として用いている。従って、以下の説明で貯湯タンク2の貯湯量とは、蓄熱装置の蓄熱量のことを意味する。貯湯ユニット4は、熱電併給装置1で発生した熱を回収すると共に、熱消費装置3に熱を供給する機能を有している。本実施形態の熱消費装置3は、熱を給湯用途3aで消費する装置、及び、熱を暖房用途で消費する装置、及び、熱を風呂の追焚用途で消費する装置の少なくとも一つを含む。図1には、貯湯タンク2に貯えられている湯水自体を消費する給湯用途3aと、熱電併給装置1で発生した熱を消費する熱消費端末3bとを熱消費装置3の例として示す。熱消費端末3bの例としては、暖房用途(床暖房装置、浴室暖房装置など)及び風呂追焚用途などがある。本実施形態では、貯湯ユニット4は、貯湯タンク2、湯水循環路16を通して貯湯タンク2内の湯水を循環させる湯水循環ポンプ17、熱源用循環路20を通して熱源用湯水を循環させる熱源用循環ポンプ21、熱媒循環路22を通して熱媒を熱消費装置3に循環供給させる熱媒循環ポンプ23、湯水循環路16を通流する湯水を加熱する貯湯用熱交換器24、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱する熱源用熱交換器25、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器26、及び、貯湯タンク2から取り出されて給湯路27を通流する湯水及び熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱する補助加熱器28などを備えて構成されている。
貯湯ユニット4の動作は運転制御装置5が制御する。
貯湯ユニット4の動作は運転制御装置5が制御する。
湯水循環路16は、貯湯タンク2の底部と頂部とを接続する形態で設けられる。そして、湯水循環ポンプ17が動作すると、貯湯タンク2の底部から取り出された湯水が貯湯タンク2の頂部に戻る形態で、湯水循環路16を通して貯湯タンク2の湯水は循環される。そして、湯水循環路16を通して循環される湯水を貯湯用熱交換器24にて加熱することにより、貯湯タンク2に温度成層を形成する状態で湯水が貯湯、即ち、蓄熱される。
給湯路27は、湯水循環路16における貯湯用熱交換器24よりも下流側の流路部分を介して貯湯タンク2に接続されている。貯湯タンク2内の湯水が、給湯路27を通して、浴槽、給湯栓、シャワー等の給湯用途3aに給湯されるように構成される。また、この給湯に伴って、貯湯タンク2の底部に接続された給水路29を通して貯湯タンク2に給水される。
熱源用循環路20は、給湯路27の一部を共用する状態で循環経路を形成するように設けられる。熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁33が設けられている。
補助加熱器28は、給湯路27における熱源用循環路20との共用部分に設けられた補助加熱用熱交換器28a、その補助加熱用熱交換器28aを加熱するバーナ28b、そのバーナ28bに燃焼用空気を供給するファン28c、補助加熱器28の運転を制御する燃焼制御部(図示省略)等を備えて構成される。その燃焼制御部により、補助加熱用熱交換器28aに供給される湯水を目標出湯温度に加熱して出湯すべく、バーナ28bへのガス燃料の供給量が調節される。
冷却水循環路13は、貯湯用熱交換器24側と熱源用熱交換器25側とに分岐する形態で設けられ、その分岐箇所に、貯湯用熱交換器24側に通流させる冷却水の流量と熱源用熱交換器25側に通流させる冷却水の流量との割合を調整する分流弁30が設けられている。分流弁30は、冷却水循環路13の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態や、冷却水循環路13の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させる状態にも調節できるように構成されている。
貯湯用熱交換器24では、熱電併給装置1の発生熱(排熱)を回収して冷却水循環路13を流動する冷却水を通流させることにより、湯水循環路16を通流する湯水を加熱できる。熱源用熱交換器25では、熱電併給装置1の発生熱(排熱)を回収して冷却水循環路13を流動する冷却水を通流させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱できる。熱媒加熱用熱交換器26では、熱源用熱交換器25や補助加熱器28にて加熱された熱源用湯水を通流させることにより、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱できる。
給湯路27には、給湯用途3aに湯水を給湯するときの給湯熱需要を計測する給湯熱需要計測手段31が設けられる。熱消費端末3bに対応して、端末熱需要を計測する端末熱需要計測手段32が設けられている。尚、図示は省略するが、これら給湯熱需要計測手段31及び端末熱需要計測手段32は、通流する湯水や熱媒の温度を検出する温度センサと、湯水や熱媒の流量を検出する流量センサとを備えて構成され、温度センサの検出温度と流量センサの検出流量に基づいて熱需要を検出するように構成されている。
湯水循環路16における貯湯用熱交換器24よりも下流側の箇所に、貯湯用熱交換器24にて加熱されて貯湯タンク2に供給される湯水の温度を検出する貯湯温度センサShが設けられ、給水路29には、貯湯タンク2に供給される水の給水温度を検出する給水温度センサSiが設けられている。
貯湯タンク2には、その蓄熱量の検出用として、貯湯タンク2の上層部の上端位置の湯水の温度を検出する上端温度センサS1、貯湯タンク2の上層部と中層部との境界位置の湯水の温度を検出する中間上位温度センサS2、貯湯タンク2の中層部と下層部との境界位置の湯水の温度を検出する中間下位温度センサS3、及び、貯湯タンク2の下層部の下端位置の湯水の温度を検出する下端温度センサS4が設けられている。
運転制御装置5は、上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4夫々にて検出される貯湯タンク2の湯水の温度、及び、給水温度センサSiにて検出される給水温度に基づいて、貯湯タンク2の蓄熱量(貯湯量)を求めるように構成されている。つまり、運転制御装置5は、貯湯タンク2の現在蓄熱量(即ち、現在貯湯量)を求める現在蓄熱量確認手段5C(図3参照)として機能するように構成されている。
現在蓄熱量確認手段5Cは、貯湯タンク2の現在の蓄熱量を下記の演算方法にて求めるように構成されている。
上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、及び、下端温度センサS4夫々にて検出される貯湯タンク2の湯水の温度を、夫々、T1、T2、T3、T4とし、給水温度センサSiにて検出される給水温度をTiとし、上層部、中層部、下層部夫々の容量をV1、V2、V3(リットル)とする。上層部における重み係数をB1とし、中層部における重み係数をB2とし、下層部における重み係数をB3とすると、蓄熱量(貯湯量)(kcal)は、下記の(式1)にて演算することができる。
上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、及び、下端温度センサS4夫々にて検出される貯湯タンク2の湯水の温度を、夫々、T1、T2、T3、T4とし、給水温度センサSiにて検出される給水温度をTiとし、上層部、中層部、下層部夫々の容量をV1、V2、V3(リットル)とする。上層部における重み係数をB1とし、中層部における重み係数をB2とし、下層部における重み係数をB3とすると、蓄熱量(貯湯量)(kcal)は、下記の(式1)にて演算することができる。
蓄熱量=(B1×T1+(1−B1)×T2−Ti)×V1
+(B2×T2+(1−B2)×T3−Ti)×V2
+(B3×T3+(1−B3)×T4−Ti)×V3……(式1)
+(B2×T2+(1−B2)×T3−Ti)×V2
+(B3×T3+(1−B3)×T4−Ti)×V3……(式1)
重み係数B1、B2、B3は、貯湯タンク2の各層における過去の温度分布データを考慮した経験値である。ここで、B1、B2、B3としては、例えば、B1=B2=0.2、B3=0.5である。B1=B2=0.2とは、上層部においては温度T2の影響が温度T1の影響よりも大きいことを示す。これは、上層部の8割の部分は温度T2に近く、2割の部分は温度T1に近いことを示す。これは、中層部においても同様である。下層部においては、温度T3とT4の影響が同じであることを示す。
運転制御装置5は、熱電併給装置1の運転中においては、冷却水循環ポンプ15を作動させた状態で熱電併給装置1の運転を制御する。また、運転制御装置5は、湯水循環ポンプ17、熱源用循環ポンプ21、熱媒循環ポンプ23、分流弁30及び熱源用断続弁33夫々の作動を制御することによって、貯湯タンク2内に湯水を貯湯する貯湯運転や、熱消費装置3に熱媒を供給する熱媒供給運転を行うように構成されている。
運転制御装置5は、熱消費装置3用の端末用リモコン(図示省略)から運転の指令がされない状態では、貯湯運転を行い、その貯湯運転では、分流弁30を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換え且つ熱源用断続弁33を閉弁した状態で、貯湯温度センサShの検出情報に基づいて、貯湯タンク2に供給される湯水の温度が予め設定された目標貯湯温度(例えば60℃)になるように湯水循環量を調節すべく、湯水循環ポンプ17の作動を制御するように構成されている。そして、この貯湯運転により、目標貯湯温度の湯が貯湯タンク2に貯湯されることになる。
運転制御装置5は、端末用リモコンから運転が指令されると、熱媒供給運転を行い、その熱媒供給運転では、熱源用断続弁33を開弁し、熱源用循環ポンプ21を予め設定された設定回転速度で作動させる状態で、熱消費装置3での端末熱需要に応じた量の冷却水を熱源用熱交換器25に通流させるように分流弁30を制御するように構成され、そのように熱媒供給運転を行う状態で、分流弁30が貯湯用熱交換器24側にも冷却水を通流させる状態に制御するときは、前述のように湯水循環ポンプ17の作動を制御して、熱媒供給運転に並行して貯湯運転を実行するように構成されている。
運転制御装置5は、熱媒供給運転の実行中に端末用リモコンから運転の停止が指令されると、分流弁30を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換え、熱源用断続弁33を閉弁し、熱源用循環ポンプ21を停止させて、湯水循環ポンプ17を作動させることにより、熱媒供給運転から貯湯運転に切り換えるように構成されている。
給湯路27を通して貯湯タンク2の湯水を給湯用途3aに給湯する給湯運転の実行中や、熱媒供給運転の実行中においては、補助加熱器28の燃焼制御部が、補助加熱用熱交換器28aに供給される湯水の温度が目標出湯温度よりも低いときは、補助加熱用熱交換器28aに供給される湯水を目標出湯温度に加熱すべく、バーナ28bへのガス燃料の供給量を調節することになる。
以上のように、コージェネレーションシステムでは、熱電併給装置1で発生した電力を電力消費装置9で消費させることができ、及び、熱電併給装置1で発生した熱及び電気ヒーター装置12で発生した熱を熱消費装置3で消費させることができる。
次に、熱電併給装置1を運転するか又は停止するかを決定する運転可否判定処理について説明する。運転可否判定手段5Aは、設定タイミング(例えば、正時毎など)にこの運転可否判定処理を実行する。
図3は、運転制御装置5の機能ブロックを示す図である。運転制御装置5が備える運転可否判定手段5Aは、需要予測部5Aaと、逆潮流可能時間帯設定部5Adと、運転評価値算出部5Aeと、起動停止決定部5Afとを有する。加えて、運転可否判定手段5Aは、評価対象期間設定部5Abと、不足熱需要算出部5Acとを有する。
図3は、運転制御装置5の機能ブロックを示す図である。運転制御装置5が備える運転可否判定手段5Aは、需要予測部5Aaと、逆潮流可能時間帯設定部5Adと、運転評価値算出部5Aeと、起動停止決定部5Afとを有する。加えて、運転可否判定手段5Aは、評価対象期間設定部5Abと、不足熱需要算出部5Acとを有する。
需要予測部5Aaは、電力消費装置9での将来の予測電力需要及び熱消費装置3での将来の予測熱需要を予測する。具体的には、需要予測部5Aaは、記憶装置34に記憶された過去の電力需要情報と熱需要情報とを読み出して、例えば、1時間毎の予測電力需要及び予測熱需要を決定する。
逆潮流可能時間帯設定部5Adは、熱電併給装置1で発生した電力を電力系統7へ逆潮流させることができる逆潮流可能時間帯を設定する。例えば、逆潮流可能時間帯設定部5Adは、通信回線などを介して外部の装置から売電価格(例えば、売電時の電力単価)に関する情報を入手し、その売電価格が基準価格よりも高い時間帯を逆潮流可能時間帯として設定し、その他の時間帯は逆潮流可能時間帯に設定しないという決定を行うことができる。例えば、基準価格は、熱電併給装置1を運転するときの発電コスト(発電単価)などを考慮して決定される。
運転評価値算出部5Aeは、運転評価の対象とする所定の対象時間帯に熱電併給装置1が発生する電力及び熱を用いて予測電力需要及び予測熱需要を賄うことに対する運転評価値を、対象時間帯が逆潮流可能時間帯であるか否かについての情報、及び、予測電力需要及び予測熱需要についての情報に基づいて、対象時間帯毎に導出する。具体的には、運転評価値算出部5Aeは、予測電力需要が熱電併給装置1の最大発電電力よりも大きいとき、熱電併給装置1が最大発電電力を目標発電電力に設定して動作するという運転条件下で、並びに、予測電力需要が熱電併給装置1の最大発電電力以下且つ最小発電電力以上であるとき、熱電併給装置1が予測電力需要を目標発電電力に設定して動作するという運転条件下で、並びに、予測電力需要が熱電併給装置1の最小発電電力よりも小さいとき、逆潮流可能時間帯でなければ熱電併給装置1が最小発電電力を目標発電電力に設定して動作すると共に余剰電力を電気ヒーター装置12で電熱変換させ、及び、逆潮流可能時間帯であれば熱電併給装置1が最小発電電力を目標発電電力に設定して動作すると共に余剰電力を電力系統7へ逆潮流させるように動作するという運転条件下で、運転評価値を導出する。
更に、本実施形態において、運転評価値算出部5Aeは、対象時間帯が逆潮流可能時間帯ではないとき、熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した電力を電力消費装置9で消費する分の電力を有効消費電力とし、及び、熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した熱を熱消費装置3で消費する分の熱量及び熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した余剰電力を電気ヒーター装置12で電熱変換することで発生した熱を熱消費装置3で消費する分の熱量の合計を有効消費熱量とし、対象時間帯が逆潮流可能時間帯であるとき、熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した電力を電力消費装置9で消費する分の電力及び電力系統7に逆潮流する分の余剰電力の合計を有効消費電力とし、及び、熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した熱を熱消費装置3で消費する分の熱量を有効消費熱量として、有効消費電力及び有効消費熱量を用いて運転評価値を算出する。
起動停止決定部5Afは、現時点の対象時間帯での運転評価値と将来の対象時間帯での運転評価値とを比較して、現時点の対象時間帯に熱電併給装置1を運転するか又は停止するかを決定する。
評価対象期間設定部5Abは、需要予測部5Aaで導出した対象時間帯毎の予測熱需要を現時点の対象時間帯から積算し、その積算値が蓄熱装置の上限蓄熱量になる対象時間帯までを評価対象期間に含める。そして、運転評価値算出部5Aeは、その評価対象期間に含まれる対象時間帯毎の運転評価値を算出する。
不足熱需要算出部5Acは、将来の不足熱需要を求める。
不足熱需要算出部5Acは、将来の不足熱需要を求める。
次に、図3に示した運転可否判定処理の具体例として、現在時刻である16時に熱電併給装置1を運転するか又は停止するかを判定するときの例を説明する。図4は、運転可否判定処理を説明するフローチャートである。図5は、需要予測部5Aaが予測した1時間毎の予測電力需要の例であり、図6は、需要予測部5Aaが予測した1時間毎の予測熱需要(予測給湯熱需要)の例である。図7は、本発明の運転可否判定処理の具体例を示す図である。尚、本実施形態で電力の値を記載するとき、電力量についても「W」の単位を用いることがある。例えば、1時間の電力量を表す時に「700W」と記載することがある。これは、「700W」の瞬時電力が1時間連続するようなモデルを想定しているからである。また、本実施形態では、説明の簡略化のために、熱需要は、給湯熱需要のみが存在し、端末熱需要(暖房熱需要、風呂追焚熱需要)は存在しないものとして説明する。熱電併給装置1の運転中に熱媒供給運転が行われる場合には、熱電併給装置1の排熱のうちから熱媒供給運転にて消費された熱量を減算して、その残部分が、貯湯タンク2の貯湯に用いられるものとして演算する。
図7に示す例では、逆潮流可能時間帯設定部5Adによって全ての時間帯が逆潮流可能時間帯であると設定されている。
図7に示す例では、逆潮流可能時間帯設定部5Adによって全ての時間帯が逆潮流可能時間帯であると設定されている。
〔処理A〕
図4の工程#10において需要予測部5Aaは、現在時刻(16時)から48時間先までの電力需要と給湯熱需要を予測する(図7の「A」。以下、同様)。記憶装置34に記憶している過去の電力需要データ及び過去の熱需要データに基づいて、将来の1時間毎の予測電力需要及び予測熱需要を導出する。需要予測部5Aaが予測した予測電力需要及び予測熱需要の情報は、評価対象期間設定部5Ab及び不足熱需要算出部5Ac及び運転評価値算出部5Aeに伝達される。尚、この例では、給湯熱需要を熱需要として記載する。
図4の工程#10において需要予測部5Aaは、現在時刻(16時)から48時間先までの電力需要と給湯熱需要を予測する(図7の「A」。以下、同様)。記憶装置34に記憶している過去の電力需要データ及び過去の熱需要データに基づいて、将来の1時間毎の予測電力需要及び予測熱需要を導出する。需要予測部5Aaが予測した予測電力需要及び予測熱需要の情報は、評価対象期間設定部5Ab及び不足熱需要算出部5Ac及び運転評価値算出部5Aeに伝達される。尚、この例では、給湯熱需要を熱需要として記載する。
〔処理B〕
図4の工程#11において評価対象期間設定部5Abは、需要予測部5Aaで導出した1時間毎(対象時間帯毎)の予測熱需要を現時点の対象時間帯から積算し、その積算値が蓄熱装置の上限蓄熱量(貯湯タンク2の上限貯湯量)になる対象時間帯までを評価対象期間に含める。図7に示す例では、貯湯タンク2の上限蓄熱量が5220kcalであり、19時台に予測熱需要の積算値が上限蓄熱量になるので、評価対象期間は現在時刻(16時台)から19時台の間になる。
そして、後述する説明において、17時台〜19時台の運転評価値が予測運転評価値に該当し、16時台の運転評価値が現在運転評価値に該当する。
図4の工程#11において評価対象期間設定部5Abは、需要予測部5Aaで導出した1時間毎(対象時間帯毎)の予測熱需要を現時点の対象時間帯から積算し、その積算値が蓄熱装置の上限蓄熱量(貯湯タンク2の上限貯湯量)になる対象時間帯までを評価対象期間に含める。図7に示す例では、貯湯タンク2の上限蓄熱量が5220kcalであり、19時台に予測熱需要の積算値が上限蓄熱量になるので、評価対象期間は現在時刻(16時台)から19時台の間になる。
そして、後述する説明において、17時台〜19時台の運転評価値が予測運転評価値に該当し、16時台の運転評価値が現在運転評価値に該当する。
〔処理C〕
図4の工程#12において不足熱需要算出部5Acは、下記の演算を繰返して、48時間先までの不足熱需要を求める。尚、図7には、図面の簡略化のため、全ての不足熱需要は記載していない。
「16時台末の貯湯量(現在貯湯量)≧17時台の給湯熱需要」ならば、「17時台の不足熱需要=0」とし、「16時台末の貯湯量(現在貯湯量)<17時台の給湯熱需要」ならば、「17時台の不足熱需要=17時台の給湯熱需要−16時台末の貯湯量」として、「17時台末の貯湯量=(16時台末の貯湯量−17時台の給湯熱需要+17時台の不足熱需要)×(1−放熱ロス)」とする。
図7に示す例では、貯湯タンク2の現在貯湯量(現在蓄熱量)は1000kcalであり、貯湯タンク2で貯えられている湯水の1時間当たりの放熱ロス(放熱率)は1%である。「16時台末の貯湯量(1000kcal)≧17時台の給湯熱需要(0kcal)」より、「17時台の不足熱需要=0kcal」となり、17時台末の貯湯量は、「(1000−0+0)×(1−0.01)=990kcal」になる。「17時台末の貯湯量(990kcal)≧18時台の給湯熱需要(567kcal)」より、「18時台の不足熱需要=0kcal」となり、18時台末の貯湯量は、「(990−567+0)×(1−0.01)=419kcal」になる。「18時台末の貯湯量(419kcal)<19時台の給湯熱需要(4958kcal)」より、「19時台の不足熱需要=4958−419=4539kcal」となり、19時台末の貯湯量は、「(419−4958+4539)×(1−0.01)=0kcal」になる。
図4の工程#12において不足熱需要算出部5Acは、下記の演算を繰返して、48時間先までの不足熱需要を求める。尚、図7には、図面の簡略化のため、全ての不足熱需要は記載していない。
「16時台末の貯湯量(現在貯湯量)≧17時台の給湯熱需要」ならば、「17時台の不足熱需要=0」とし、「16時台末の貯湯量(現在貯湯量)<17時台の給湯熱需要」ならば、「17時台の不足熱需要=17時台の給湯熱需要−16時台末の貯湯量」として、「17時台末の貯湯量=(16時台末の貯湯量−17時台の給湯熱需要+17時台の不足熱需要)×(1−放熱ロス)」とする。
図7に示す例では、貯湯タンク2の現在貯湯量(現在蓄熱量)は1000kcalであり、貯湯タンク2で貯えられている湯水の1時間当たりの放熱ロス(放熱率)は1%である。「16時台末の貯湯量(1000kcal)≧17時台の給湯熱需要(0kcal)」より、「17時台の不足熱需要=0kcal」となり、17時台末の貯湯量は、「(1000−0+0)×(1−0.01)=990kcal」になる。「17時台末の貯湯量(990kcal)≧18時台の給湯熱需要(567kcal)」より、「18時台の不足熱需要=0kcal」となり、18時台末の貯湯量は、「(990−567+0)×(1−0.01)=419kcal」になる。「18時台末の貯湯量(419kcal)<19時台の給湯熱需要(4958kcal)」より、「19時台の不足熱需要=4958−419=4539kcal」となり、19時台末の貯湯量は、「(419−4958+4539)×(1−0.01)=0kcal」になる。
〔処理D〕
図4の工程#13において運転評価値算出部5Aeは、将来の各対象時間帯(17時台、18時台、19時台)で発電した時の、有効消費電力と有効消費熱量(合計タンク給湯)とを用いて省エネ率(運転評価値)を求める。ここで、熱電併給装置1は最小発電電力と最大発電電力との間の、予測電力需要(有効消費電力)に見合った所定の発電電力を発電するように動作する。但し、予測電力需要が最大発電電力よりも大きいとき、熱電併給装置1は最大発電電力を発電するように動作し、不足電力は電力系統7からの受電電力で賄う。予測電力需要が最小発電電力よりも小さいとき、逆潮流可能時間帯でなければ熱電併給装置1は最小発電電力を発電するように動作し、余剰電力は電気ヒーター装置12で消費して熱に変換し、並びに、逆潮流可能時間帯であれば熱電併給装置1は最小発電電力を発電するように動作し、余剰電力は電力系統7へ逆潮流させるように動作する。
図4の工程#13において運転評価値算出部5Aeは、将来の各対象時間帯(17時台、18時台、19時台)で発電した時の、有効消費電力と有効消費熱量(合計タンク給湯)とを用いて省エネ率(運転評価値)を求める。ここで、熱電併給装置1は最小発電電力と最大発電電力との間の、予測電力需要(有効消費電力)に見合った所定の発電電力を発電するように動作する。但し、予測電力需要が最大発電電力よりも大きいとき、熱電併給装置1は最大発電電力を発電するように動作し、不足電力は電力系統7からの受電電力で賄う。予測電力需要が最小発電電力よりも小さいとき、逆潮流可能時間帯でなければ熱電併給装置1は最小発電電力を発電するように動作し、余剰電力は電気ヒーター装置12で消費して熱に変換し、並びに、逆潮流可能時間帯であれば熱電併給装置1は最小発電電力を発電するように動作し、余剰電力は電力系統7へ逆潮流させるように動作する。
〔処理D1〕〔17時台の運転評価値〕
〔処理D1a〕
17時台の予測電力需要(有効消費電力)は708Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は708Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、17時台末の時点では2110kcalの熱量が発生する。尚、本実施形態において、熱電併給装置1の発電効率は20%であり、熱電併給装置1の排熱効率は70%であるとしている。また、電気ヒーター装置12の電熱変換効率は100%としている。
〔処理D1a〕
17時台の予測電力需要(有効消費電力)は708Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は708Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、17時台末の時点では2110kcalの熱量が発生する。尚、本実施形態において、熱電併給装置1の発電効率は20%であり、熱電併給装置1の排熱効率は70%であるとしている。また、電気ヒーター装置12の電熱変換効率は100%としている。
次に、17時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(18時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、17時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、18時台のタンク給湯は、17時台末の残熱量及び18時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(17時台末の残熱量、18時台の不足熱需要)」)になる。18時台の不足熱需要は0kcalなので、17時台に発生した熱量は18時台に利用されず、18時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、18時台末の残熱量は、「(17時台末の残熱量−18時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2089kcal」になる。
更に、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2089kcalであり、19時台の不足熱需要は4539kcalなので、18時台末の残熱量は全て19時台に利用されるため、19時台のタンク給湯は2089kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
例えば、18時台のタンク給湯は、17時台末の残熱量及び18時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(17時台末の残熱量、18時台の不足熱需要)」)になる。18時台の不足熱需要は0kcalなので、17時台に発生した熱量は18時台に利用されず、18時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、18時台末の残熱量は、「(17時台末の残熱量−18時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2089kcal」になる。
更に、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2089kcalであり、19時台の不足熱需要は4539kcalなので、18時台末の残熱量は全て19時台に利用されるため、19時台のタンク給湯は2089kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
〔処理D1b〕
17時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。本実施形態では、運転評価値算出部5Aeが、熱電併給装置1を運転するときの消費一次エネルギー量に基づいて運転評価値を算出する例を説明する。
「省エネ率=従来消費一次エネルギー量/熱電併給装置1の消費ガス量のエネルギー換算値」という式で導出できる。ここで、電力及び熱を賄うために熱電併給装置1を運転しなかった場合の従来消費一次エネルギー量は、「従来消費一次エネルギー量=有効消費電力/系統効率+合計タンク給湯/ボイラ効率」で導出できる。つまり、電力を電力系統7からの受電電力で賄い、熱を所定のボイラ装置で賄うことを想定している。尚、系統効率は0.37であり、ボイラ効率は0.75であるとしている。
この例では、有効消費電力が708Wで、17時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2089kcalが有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2089kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は5152Wとなる。また、17時台に708Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値(図7では「CGガス」と記載。以下、同様。)は3540Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は146%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1612W(=5152W−3540W)となり、この削減幅の値を運転評価値として用いることもできる。
17時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。本実施形態では、運転評価値算出部5Aeが、熱電併給装置1を運転するときの消費一次エネルギー量に基づいて運転評価値を算出する例を説明する。
「省エネ率=従来消費一次エネルギー量/熱電併給装置1の消費ガス量のエネルギー換算値」という式で導出できる。ここで、電力及び熱を賄うために熱電併給装置1を運転しなかった場合の従来消費一次エネルギー量は、「従来消費一次エネルギー量=有効消費電力/系統効率+合計タンク給湯/ボイラ効率」で導出できる。つまり、電力を電力系統7からの受電電力で賄い、熱を所定のボイラ装置で賄うことを想定している。尚、系統効率は0.37であり、ボイラ効率は0.75であるとしている。
この例では、有効消費電力が708Wで、17時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2089kcalが有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2089kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は5152Wとなる。また、17時台に708Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値(図7では「CGガス」と記載。以下、同様。)は3540Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は146%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1612W(=5152W−3540W)となり、この削減幅の値を運転評価値として用いることもできる。
このように、運転評価値である省エネ率を導出する「従来消費一次エネルギー量/熱電併給装置1の消費ガス量のエネルギー換算値」という式において、「熱電併給装置1の消費ガス量のエネルギー換算値」は、17時台の対象時間帯に熱電併給装置1を運転するのに要する指標値(ここでは、消費ガス量のエネルギー換算値)である。また、「従来消費一次エネルギー量」は、その17時台の対象時間帯に熱電併給装置1を運転することで発生した電力のうちの有効消費電力及び発生した熱のうちの有効消費熱量を、熱電併給装置1を運転せずに賄う場合に要する指標値(消費一次エネルギー量)である。
〔処理D2〕〔18時台の運転評価値〕
〔処理D2a〕
18時台の予測電力需要(有効消費電力)は887Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は887Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、18時台末の時点では2644kcalの熱量が発生する。
次に、18時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(19時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、18時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2644kcalであり、19時台の不足熱需要は4539kcalなので、18時台末の残熱量は全て19時台に利用されるため、19時台のタンク給湯は2644kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
〔処理D2a〕
18時台の予測電力需要(有効消費電力)は887Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は887Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、18時台末の時点では2644kcalの熱量が発生する。
次に、18時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(19時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、18時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2644kcalであり、19時台の不足熱需要は4539kcalなので、18時台末の残熱量は全て19時台に利用されるため、19時台のタンク給湯は2644kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
〔処理D2b〕
18時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が887Wで、18時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2644kcalが有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2644kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は6498Wとなる。また、18時台に887Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は4437Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は146%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、2061W(=6498W−4437W)となる。
18時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が887Wで、18時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2644kcalが有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2644kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は6498Wとなる。また、18時台に887Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は4437Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は146%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、2061W(=6498W−4437W)となる。
〔処理D3〕〔19時台の運転評価値〕
〔処理D3a〕
19時台の予測電力需要(有効消費電力)は832Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は832Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、19時台末の時点では2478kcalの熱量が発生する。
次に、19時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(20時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、19時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、20時台のタンク給湯は、19時台末の残熱量及び20時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(19時台末の残熱量、20時台の不足熱需要)」)になる。19時台末の残熱量は2478kcalであり、20時台の不足熱需要は1343kcalなので、20時台のタンク給湯は1343kcalになる。その結果、20時台末の残熱量は、「(19時台末の残熱量−20時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「1124kcal」になる。
更に、21時台のタンク給湯を、20時台末の残熱量及び21時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(20時台末の残熱量、21時台の不足熱需要)」)で導出する。20時台末の残熱量は1124kcalであり、21時台の不足熱需要は297kcalなので、21時台のタンク給湯は297kcalになる。その結果、21時台末の残熱量は、「(20時台末の残熱量−21時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「818kcal」になる。
また更に、22時台のタンク給湯を、21時台末の残熱量及び22時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(21時台末の残熱量、22時台の不足熱需要)」)で導出する。21時台末の残熱量は818kcalであり、22時台の不足熱需要は1883kcalなので、21時台末の残熱量は全て22時台に利用されるため、22時台のタンク給湯は818kcalになる。その結果、22時台末の残熱量は、「(21時台末の残熱量−22時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
〔処理D3a〕
19時台の予測電力需要(有効消費電力)は832Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は832Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、19時台末の時点では2478kcalの熱量が発生する。
次に、19時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(20時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、19時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、20時台のタンク給湯は、19時台末の残熱量及び20時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(19時台末の残熱量、20時台の不足熱需要)」)になる。19時台末の残熱量は2478kcalであり、20時台の不足熱需要は1343kcalなので、20時台のタンク給湯は1343kcalになる。その結果、20時台末の残熱量は、「(19時台末の残熱量−20時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「1124kcal」になる。
更に、21時台のタンク給湯を、20時台末の残熱量及び21時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(20時台末の残熱量、21時台の不足熱需要)」)で導出する。20時台末の残熱量は1124kcalであり、21時台の不足熱需要は297kcalなので、21時台のタンク給湯は297kcalになる。その結果、21時台末の残熱量は、「(20時台末の残熱量−21時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「818kcal」になる。
また更に、22時台のタンク給湯を、21時台末の残熱量及び22時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(21時台末の残熱量、22時台の不足熱需要)」)で導出する。21時台末の残熱量は818kcalであり、22時台の不足熱需要は1883kcalなので、21時台末の残熱量は全て22時台に利用されるため、22時台のタンク給湯は818kcalになる。その結果、22時台末の残熱量は、「(21時台末の残熱量−22時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
〔処理D3b〕
19時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が832Wで、19時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2458kcal(=1343kcal+297kcal+818kcal)が有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2458kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は6059Wとなる。また、19時台に832Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は4158Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は146%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1901W(=6059W−4158W)となる。
19時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が832Wで、19時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2458kcal(=1343kcal+297kcal+818kcal)が有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2458kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は6059Wとなる。また、19時台に832Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は4158Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は146%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1901W(=6059W−4158W)となる。
上記処理D1〜処理D3に記載したように、将来の各対象時間帯(17時台、18時台、19時台)で発電した時の省エネ率(運転評価値)を求めた。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅も運転評価値の一つとして求めた。その結果、省エネ率は何れも146%で同じであるが、消費一次エネルギー量の削減幅は18時台に発電を行った場合が最も良い結果を示した。従って、17時台〜19時台であれば、18時台に熱電併給装置1を発電することが最も好ましいと判定できる。
〔処理E〕
次に、図4の工程#12に戻って、不足熱需要算出部5Acは、運転評価値が最も良い対象時間帯である18時台に熱電併給装置1を運転したという前提で、上記処理Cと同様に、48時間先までの不足熱需要を求める。
図7に示す例では、18時台の不足熱需要は上記処理Cによる結果と同様である。「18時台末の貯湯量(2644kca)<上記処理Cの19時台の不足熱需要(4539kcal)」より、「19時台の不足熱需要=1895kcal(=4539−2644)」となり、19時台末の貯湯量は、「(2644−4539+1895)×(1−0.01)=0kcal」になる。また、20時台以降の不足熱需要は上記処理Cによる結果と同様である。
次に、図4の工程#12に戻って、不足熱需要算出部5Acは、運転評価値が最も良い対象時間帯である18時台に熱電併給装置1を運転したという前提で、上記処理Cと同様に、48時間先までの不足熱需要を求める。
図7に示す例では、18時台の不足熱需要は上記処理Cによる結果と同様である。「18時台末の貯湯量(2644kca)<上記処理Cの19時台の不足熱需要(4539kcal)」より、「19時台の不足熱需要=1895kcal(=4539−2644)」となり、19時台末の貯湯量は、「(2644−4539+1895)×(1−0.01)=0kcal」になる。また、20時台以降の不足熱需要は上記処理Cによる結果と同様である。
〔処理F〕
運転評価値算出部5Aeは、図4の工程#13において、運転するという前提の18時台を除いて、将来の各対象時間帯(17時台、19時台)で発電した時の、有効消費電力と有効消費熱量(タンク給湯量)とから、省エネ率(運転評価値)を求める。ここでの演算は上記処理Dと同様である。
運転評価値算出部5Aeは、図4の工程#13において、運転するという前提の18時台を除いて、将来の各対象時間帯(17時台、19時台)で発電した時の、有効消費電力と有効消費熱量(タンク給湯量)とから、省エネ率(運転評価値)を求める。ここでの演算は上記処理Dと同様である。
〔処理F1〕〔17時台の運転評価値〕
〔処理F1a〕
17時台の予測電力需要(有効消費電力)は708Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は708Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、17時台末の時点では2110kcalの熱量が発生する。
次に、17時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(18時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、17時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、18時台のタンク給湯は、17時台末の残熱量及び18時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(17時台末の残熱量、18時台の不足熱需要)」)になる。18時台の不足熱需要は0kcalなので、17時台に発生した熱量は18時台に利用されず、18時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、18時台末の残熱量は、「(17時台末の残熱量−18時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2089kcal」になる。
更に、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2089kcalであり、19時台の不足熱需要は1895kcalなので、19時台のタンク給湯は1895kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「192kcal」になる。
また更に、20時台のタンク給湯を、19時台末の残熱量及び20時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(19時台末の残熱量、20時台の不足熱需要)」)で導出する。19時台末の残熱量は192kcalであり、20時台の不足熱需要は1343kcalなので、19時台末の残熱量は全て20時台に利用されるため、20時台のタンク給湯は192kcalになる。その結果、20時台末の残熱量は、「(19時台末の残熱量−20時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
〔処理F1a〕
17時台の予測電力需要(有効消費電力)は708Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は708Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、17時台末の時点では2110kcalの熱量が発生する。
次に、17時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(18時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、17時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、18時台のタンク給湯は、17時台末の残熱量及び18時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(17時台末の残熱量、18時台の不足熱需要)」)になる。18時台の不足熱需要は0kcalなので、17時台に発生した熱量は18時台に利用されず、18時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、18時台末の残熱量は、「(17時台末の残熱量−18時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2089kcal」になる。
更に、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2089kcalであり、19時台の不足熱需要は1895kcalなので、19時台のタンク給湯は1895kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「192kcal」になる。
また更に、20時台のタンク給湯を、19時台末の残熱量及び20時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(19時台末の残熱量、20時台の不足熱需要)」)で導出する。19時台末の残熱量は192kcalであり、20時台の不足熱需要は1343kcalなので、19時台末の残熱量は全て20時台に利用されるため、20時台のタンク給湯は192kcalになる。その結果、20時台末の残熱量は、「(19時台末の残熱量−20時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
〔処理F1b〕
17時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が708Wで、17時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2087kcal(=1895kcal+192kcal)が有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2087kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は5149Wとなる。17時台に708Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は3540Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は145%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1609W(=5149W−3540W)となる。
17時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が708Wで、17時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2087kcal(=1895kcal+192kcal)が有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2087kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は5149Wとなる。17時台に708Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は3540Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は145%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1609W(=5149W−3540W)となる。
〔処理F2〕〔19時台の運転評価値〕
〔処理F2a〕
19時台の予測電力需要(有効消費電力)は832Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は832Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、19時台末の時点では2478kcalの熱量が発生する。
次に、19時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(20時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、19時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、20時台のタンク給湯は、19時台末の残熱量及び20時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(19時台末の残熱量、20時台の不足熱需要)」)になる。19時台末の残熱量は2478kcalであり、20時台の不足熱需要は1343kcalなので、20時台のタンク給湯は1343kcalになる。その結果、20時台末の残熱量は、「(19時台末の残熱量−20時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「1124kcal」になる。
更に、21時台のタンク給湯を、20時台末の残熱量及び21時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(20時台末の残熱量、21時台の不足熱需要)」)で導出する。20時台末の残熱量は1124kcalであり、21時台の不足熱需要は297kcalなので、21時台のタンク給湯は297kcalになる。その結果、21時台末の残熱量は、「(20時台末の残熱量−21時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「818kcal」になる。
また更に、22時台のタンク給湯を、21時台末の残熱量及び22時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(21時台末の残熱量、22時台の不足熱需要)」)で導出する。21時台末の残熱量は818kcalであり、22時台の不足熱需要は1883kcalなので、21時台末の残熱量は全て22時台に利用されるため、22時台のタンク給湯は818kcalになる。その結果、22時台末の残熱量は、「(21時台末の残熱量−22時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
〔処理F2a〕
19時台の予測電力需要(有効消費電力)は832Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は832Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、19時台末の時点では2478kcalの熱量が発生する。
次に、19時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(20時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、19時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、20時台のタンク給湯は、19時台末の残熱量及び20時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(19時台末の残熱量、20時台の不足熱需要)」)になる。19時台末の残熱量は2478kcalであり、20時台の不足熱需要は1343kcalなので、20時台のタンク給湯は1343kcalになる。その結果、20時台末の残熱量は、「(19時台末の残熱量−20時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「1124kcal」になる。
更に、21時台のタンク給湯を、20時台末の残熱量及び21時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(20時台末の残熱量、21時台の不足熱需要)」)で導出する。20時台末の残熱量は1124kcalであり、21時台の不足熱需要は297kcalなので、21時台のタンク給湯は297kcalになる。その結果、21時台末の残熱量は、「(20時台末の残熱量−21時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「818kcal」になる。
また更に、22時台のタンク給湯を、21時台末の残熱量及び22時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(21時台末の残熱量、22時台の不足熱需要)」)で導出する。21時台末の残熱量は818kcalであり、22時台の不足熱需要は1883kcalなので、21時台末の残熱量は全て22時台に利用されるため、22時台のタンク給湯は818kcalになる。その結果、22時台末の残熱量は、「(21時台末の残熱量−22時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
〔処理F2b〕
19時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が832Wで、19時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2458kcal(=1343kcal+297kcal+818kcal)が有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2458kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は6059Wとなる。19時台に832Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は4158Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は146%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1901W(=6059W−4158W)となる。
19時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が832Wで、19時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2458kcal(=1343kcal+297kcal+818kcal)が有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2458kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は6059Wとなる。19時台に832Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は4158Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は146%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1901W(=6059W−4158W)となる。
上記処理F1,処理F2に記載したように、将来の各対象時間帯(17時台、19時台)で発電した時の省エネ率(運転評価値)を求めた。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅も求めた。その結果、19時台に運転する方が省エネ率は良いという結果を示した。従って、17時台又は19時台であれば、19時台に熱電併給装置1を発電することが最も好ましいと判定できる。
〔処理G〕
次に、図4の工程#12に戻って、不足熱需要算出部5Acは、運転評価値が最も良い対象時間帯である19時台に熱電併給装置1を運転したという前提で、上記処理C,処理Eと同様に、48時間先までの不足熱需要を求める。
図7に示す例では、18時台から19時台までの不足熱需要は上記処理Eによる結果と同様である。「19時台末の貯湯量(2478kcal)≧上記処理Eの20時台の不足熱需要(1343kcal)」より、「20時台の不足熱需要=0kcal」となり、20時台末の貯湯量は、「(2478−1343+0)×(1−0.01)=1124kcal」になる。「20時台末の貯湯量(1124kcal)≧上記処理Eの21時台の不足熱需要(297kcal)」より、「21時台の不足熱需要=0kcal」となり、21時台末の貯湯量は、「(1124−297+0)×(1−0.01)=818kcal」になる。「21時台末の貯湯量(818kcal)<上記処理Eの22時台の不足熱需要(1883kcal)」より、「22時台の不足熱需要=1883−818=1065kcal」となり、22時台末の貯湯量は、「(818−1883+1065)×(1−0.01)=0kcal」になる。また、23時台以降の不足熱需要は上記処理Eによる結果と同様である。
次に、図4の工程#12に戻って、不足熱需要算出部5Acは、運転評価値が最も良い対象時間帯である19時台に熱電併給装置1を運転したという前提で、上記処理C,処理Eと同様に、48時間先までの不足熱需要を求める。
図7に示す例では、18時台から19時台までの不足熱需要は上記処理Eによる結果と同様である。「19時台末の貯湯量(2478kcal)≧上記処理Eの20時台の不足熱需要(1343kcal)」より、「20時台の不足熱需要=0kcal」となり、20時台末の貯湯量は、「(2478−1343+0)×(1−0.01)=1124kcal」になる。「20時台末の貯湯量(1124kcal)≧上記処理Eの21時台の不足熱需要(297kcal)」より、「21時台の不足熱需要=0kcal」となり、21時台末の貯湯量は、「(1124−297+0)×(1−0.01)=818kcal」になる。「21時台末の貯湯量(818kcal)<上記処理Eの22時台の不足熱需要(1883kcal)」より、「22時台の不足熱需要=1883−818=1065kcal」となり、22時台末の貯湯量は、「(818−1883+1065)×(1−0.01)=0kcal」になる。また、23時台以降の不足熱需要は上記処理Eによる結果と同様である。
〔処理H〕
運転評価値算出部5Aeは、図4の工程#13において、運転するという前提の18時台,19時台を除いて、将来の対象時間帯(17時台)で発電した時の、有効消費電力と有効消費熱量(タンク給湯量)とから、省エネ率(運転評価値)を求める。
運転評価値算出部5Aeは、図4の工程#13において、運転するという前提の18時台,19時台を除いて、将来の対象時間帯(17時台)で発電した時の、有効消費電力と有効消費熱量(タンク給湯量)とから、省エネ率(運転評価値)を求める。
〔処理H1〕〔17時台の運転評価値〕
〔処理H1a〕
17時台の予測電力需要(有効消費電力)は708Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は708Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、17時台末の時点では2110kcalの熱量が発生する。
次に、17時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(18時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、17時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、18時台のタンク給湯は、17時台末の残熱量及び18時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(17時台末の残熱量、18時台の不足熱需要)」)になる。18時台の不足熱需要は0kcalなので、17時台に発生した熱量は18時台に利用されず、18時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、18時台末の残熱量は、「(17時台末の残熱量−18時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2089kcal」になる。
更に、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2089kcalであり、19時台の不足熱需要は1895kcalなので、19時台のタンク給湯は1895kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「192kcal」になる。
また更に、20時台のタンク給湯を、19時台末の残熱量及び20時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(19時台末の残熱量、20時台の不足熱需要)」)で導出する。19時台末の残熱量は192kcalであり、20時台の不足熱需要は0kcalなので、20時台末の残熱量は、「(19時台末の残熱量−20時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「190kcal」になる。
また更に、21時台のタンク給湯を、20時台末の残熱量及び21時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(20時台末の残熱量、21時台の不足熱需要)」)で導出する。20時台末の残熱量は190kcalであり、21時台の不足熱需要は0kcalなので、21時台末の残熱量は、「(20時台末の残熱量−21時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「188kcal」になる。
また更に、22時台のタンク給湯を、21時台末の残熱量及び22時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(21時台末の残熱量、22時台の不足熱需要)」)で導出する。21時台末の残熱量は188kcalであり、22時台の不足熱需要は1065kcalなので、21時台末の残熱量はすべて22時台に利用されるため、22時台のタンク給湯は188kcalになり、22時台末の残熱量は「0kcal」になる。
〔処理H1a〕
17時台の予測電力需要(有効消費電力)は708Wである。この値は、最小発電電力(700W)以上、最大発電電力(1000W)以下の範囲内にあるので、熱電併給装置1は708Wを発電するように動作すると仮定する。この運転により、17時台末の時点では2110kcalの熱量が発生する。
次に、17時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(18時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、17時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、18時台のタンク給湯は、17時台末の残熱量及び18時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(17時台末の残熱量、18時台の不足熱需要)」)になる。18時台の不足熱需要は0kcalなので、17時台に発生した熱量は18時台に利用されず、18時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、18時台末の残熱量は、「(17時台末の残熱量−18時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2089kcal」になる。
更に、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2089kcalであり、19時台の不足熱需要は1895kcalなので、19時台のタンク給湯は1895kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「192kcal」になる。
また更に、20時台のタンク給湯を、19時台末の残熱量及び20時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(19時台末の残熱量、20時台の不足熱需要)」)で導出する。19時台末の残熱量は192kcalであり、20時台の不足熱需要は0kcalなので、20時台末の残熱量は、「(19時台末の残熱量−20時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「190kcal」になる。
また更に、21時台のタンク給湯を、20時台末の残熱量及び21時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(20時台末の残熱量、21時台の不足熱需要)」)で導出する。20時台末の残熱量は190kcalであり、21時台の不足熱需要は0kcalなので、21時台末の残熱量は、「(20時台末の残熱量−21時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「188kcal」になる。
また更に、22時台のタンク給湯を、21時台末の残熱量及び22時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(21時台末の残熱量、22時台の不足熱需要)」)で導出する。21時台末の残熱量は188kcalであり、22時台の不足熱需要は1065kcalなので、21時台末の残熱量はすべて22時台に利用されるため、22時台のタンク給湯は188kcalになり、22時台末の残熱量は「0kcal」になる。
〔処理H1b〕
17時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が708Wで、17時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2083kcal(=1895kcal+188kcalkcal)が有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2083kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は5143Wとなる。17時台に708Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は3540Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は145%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1603W(=5143W−3540W)となる。
17時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が708Wで、17時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2083kcal(=1895kcal+188kcalkcal)が有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2083kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は5143Wとなる。17時台に708Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は3540Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は145%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1603W(=5143W−3540W)となる。
〔処理I〕〔16時台の運転評価値〕
次に、現在時刻(16時)に発電した時の、有効消費電力と有効消費熱量(タンク給湯量)とから、省エネ率(運転評価値)を求める。本実施形態では、逆潮流可能時間帯設定部5Adによって16時台は逆潮流可能時間帯であると設定されている。従って、運転評価値算出部5Aeは、16時台の対象時間帯は逆潮流可能時間帯であるので、熱電併給装置1を16時台に運転することで発生した電力を電力消費装置9で消費する分の電力及び電力系統7に逆潮流する分の余剰電力の合計を有効消費電力とし、及び、熱電併給装置1を16時台に運転することで発生した熱を熱消費装置3で消費する分の熱量を有効消費熱量として、有効消費電力及び有効消費熱量を用いて運転評価値を算出する。
次に、現在時刻(16時)に発電した時の、有効消費電力と有効消費熱量(タンク給湯量)とから、省エネ率(運転評価値)を求める。本実施形態では、逆潮流可能時間帯設定部5Adによって16時台は逆潮流可能時間帯であると設定されている。従って、運転評価値算出部5Aeは、16時台の対象時間帯は逆潮流可能時間帯であるので、熱電併給装置1を16時台に運転することで発生した電力を電力消費装置9で消費する分の電力及び電力系統7に逆潮流する分の余剰電力の合計を有効消費電力とし、及び、熱電併給装置1を16時台に運転することで発生した熱を熱消費装置3で消費する分の熱量を有効消費熱量として、有効消費電力及び有効消費熱量を用いて運転評価値を算出する。
〔処理Ia〕
16時台の予測電力需要は427Wである。但し、予測電力需要(427W)が最小発電電力(700W)よりも小さく、且つ、16時台は逆潮流可能時間帯であるので、熱電併給装置1は最小発電電力(700W)を発電するように動作し、余剰電力(273W)は電力系統7へ逆潮流させるように動作する。この運転により、16時台末の時点では2086kcalの熱量が発生する。つまり、図7に示すように、16時台の対象時間帯が逆潮流可能時間帯であるので、熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した電力を電力消費装置9で消費する分の電力及び電力系統7に逆潮流する分の余剰電力の合計(700W)が有効消費電力となる。加えて、熱電併給装置1を16時台の対象時間帯に運転することで発生した熱を熱消費装置3で消費する分の熱量が有効消費熱量となる。
16時台の予測電力需要は427Wである。但し、予測電力需要(427W)が最小発電電力(700W)よりも小さく、且つ、16時台は逆潮流可能時間帯であるので、熱電併給装置1は最小発電電力(700W)を発電するように動作し、余剰電力(273W)は電力系統7へ逆潮流させるように動作する。この運転により、16時台末の時点では2086kcalの熱量が発生する。つまり、図7に示すように、16時台の対象時間帯が逆潮流可能時間帯であるので、熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した電力を電力消費装置9で消費する分の電力及び電力系統7に逆潮流する分の余剰電力の合計(700W)が有効消費電力となる。加えて、熱電併給装置1を16時台の対象時間帯に運転することで発生した熱を熱消費装置3で消費する分の熱量が有効消費熱量となる。
次に、16時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(17時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、16時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、17時台のタンク給湯は、16時台末の残熱量及び17時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(16時台末の残熱量、17時台の不足熱需要)」)になる。17時台の不足熱需要は0kcalなので、16時台に発生した熱量は17時台に利用されず、17時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、17時台末の残熱量は、「(16時台末の残熱量−17時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2065kcal」になる。
更に、18時台の不足熱需要は0kcalなので、18時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、18時台末の残熱量は、「(17時台末の残熱量−18時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2044kcal」になる。
また更に、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2044kcalであり、19時台の不足熱需要は4539kcalなので、18時台末の残熱量は全て19時台に利用されるため、19時台のタンク給湯は2044kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
例えば、17時台のタンク給湯は、16時台末の残熱量及び17時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(16時台末の残熱量、17時台の不足熱需要)」)になる。17時台の不足熱需要は0kcalなので、16時台に発生した熱量は17時台に利用されず、17時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、17時台末の残熱量は、「(16時台末の残熱量−17時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2065kcal」になる。
更に、18時台の不足熱需要は0kcalなので、18時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、18時台末の残熱量は、「(17時台末の残熱量−18時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2044kcal」になる。
また更に、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2044kcalであり、19時台の不足熱需要は4539kcalなので、18時台末の残熱量は全て19時台に利用されるため、19時台のタンク給湯は2044kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
〔処理Ib〕
16時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が700Wで、16時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2044kcalが有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2044kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は5062Wとなる。16時台に700Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は3500Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は145%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1562W(=5062W−3500W)となる。
16時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が700Wで、16時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2044kcalが有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2044kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は5062Wとなる。16時台に700Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は3500Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は145%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1562W(=5062W−3500W)となる。
図4の工程#14〜工程#18において起動停止決定部5Afは、現時点の対象時間帯での運転評価値と将来の対象時間帯での運転評価値とを比較して、現時点の対象時間帯に熱電併給装置1を運転するか又は停止するかを決定する。
具体的には、工程#14において起動停止決定部5fは、熱電併給装置1が運転中であるか否かを判定し、停止中であれば工程#15に移行し、運転中であれば工程#17に移行する。
具体的には、工程#14において起動停止決定部5fは、熱電併給装置1が運転中であるか否かを判定し、停止中であれば工程#15に移行し、運転中であれば工程#17に移行する。
工程#14において熱電併給装置1が停止中であると判定されたとき、工程#15において起動停止決定部5Afは、現時点の対象時間帯での運転評価値が、将来の対象時間帯での運転評価値と同じ又はそれよりも良いか否かを判定する。運転評価値が大きいほど「良い」と判定されるのであれば、図4の工程#15に示すように「現時点の運転評価値≧将来の運転評価値?」という判定が行われるが、運転評価値の種類によっては、運転評価値が小さいほど「良い」と判定される場合もあり得る。そして、起動停止決定部5Afは、現時点の対象時間帯での運転評価値が、将来の対象時間帯での運転評価値と同じ又はそれよりも良いときは、工程#16において現時点の対象時間帯に熱電併給装置1を運転すると決定する。従って、停止中である熱電併給装置1が起動される。これに対して、起動停止決定部5Afは、工程#15において現時点の対象時間帯での運転評価値が将来の対象時間帯での運転評価値よりも悪いと判定したときは、熱電併給装置1を停止中のままにする。そして、運転可否判定処理が終了する。
工程#14において熱電併給装置1が運転中であると判定されたとき、工程#17において起動停止決定部5Afは、現時点の対象時間帯での運転評価値が、将来の対象時間帯での運転評価値よりも所定値差を超えて悪いか否かを判定する。本例では、運転評価値が大きいほど「良い」(即ち、小さいほど「悪い」)と判定されるので、図4の工程#17に示すように「現時点の運転評価値<将来の運転評価値−所定値?」という判定が行われる。そして、起動停止決定部5Afは、現時点の対象時間帯での運転評価値が、将来の対象時間帯での運転評価値よりも所定値差を超えて悪いときは、工程#18において現時点の対象時間帯に熱電併給装置1を停止すると決定する。従って、運転中である熱電併給装置1が停止される。これに対して、起動停止決定部5Afは、工程#17において現時点の対象時間帯での運転評価値が将来の対象時間帯での運転評価値よりも所定値差を超えて悪くはないと判定したときは、熱電併給装置1を運転中のままにする。そして、運転可否判定処理が終了する。
図7に示した本発明の運転可否判定処理の例では、上記処理Iで導出した現在の運転評価値(省エネ率:145%)は、将来の運転評価値の最小値(17時台の省エネ率145%)以上であるので、起動停止決定部5Afは、工程#14において熱電併給装置1が停止中であると判定された場合、工程#15において「Yes」の判定を下し、工程#16において16時台に熱電併給装置1を運転するという決定を下す。
図8に示した運転可否判定処理の別の具体例では、逆潮流可能時間帯設定部5Adによって全ての時間帯が逆潮流可能時間帯ではないと設定されている。そして、この別の具体例において、運転評価値算出部5Aeは、16時台の対象時間帯は逆潮流可能時間帯ではないので、熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した電力を電力消費装置9で消費する分の電力を有効消費電力とし、及び、熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した熱を熱消費装置3で消費する分の熱量及び熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した余剰電力を電気ヒーター装置12で電熱変換することで発生した熱を熱消費装置3で消費する分の熱量の合計を有効消費熱量として、有効消費電力及び有効消費熱量を用いて運転評価値を算出する。その結果、以下の〔処理I’〕で説明するように、逆潮流を行うか否かが異なるのに伴って、図7の上記処理Iで説明した16時台の対象時間帯の運転評価値と、図8に示す16時台の対象時間帯の運転評価値とが異なっている。尚、他の対象時間帯の運転評価値は同じであるので詳細な説明は省略している。
〔処理I’〕
図8に示した例では、16時台の予測電力需要(427W)が最小発電電力(700W)よりも小さいので、熱電併給装置1は最小発電電力(700W)を発電するように動作し、余剰電力(273W)は電気ヒーター装置12で電熱変換して貯湯タンク2に蓄熱させるように動作する。この運転により、16時台末の時点では2319kcalの熱量が発生する。つまり、図8に示した例では、16時台の対象時間帯には逆潮流できないので、熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した電力を電力消費装置9で消費する分の電力(427W)のみが有効消費電力となる。
図8に示した例では、16時台の予測電力需要(427W)が最小発電電力(700W)よりも小さいので、熱電併給装置1は最小発電電力(700W)を発電するように動作し、余剰電力(273W)は電気ヒーター装置12で電熱変換して貯湯タンク2に蓄熱させるように動作する。この運転により、16時台末の時点では2319kcalの熱量が発生する。つまり、図8に示した例では、16時台の対象時間帯には逆潮流できないので、熱電併給装置1を対象時間帯に運転することで発生した電力を電力消費装置9で消費する分の電力(427W)のみが有効消費電力となる。
次に、16時台に発生した熱量のうち、その後の対象時間帯(17時台〜)に利用される熱量(タンク給湯)を、16時台に発生した熱量の残り(残熱量)が0になるまで導出する。
例えば、17時台のタンク給湯は、16時台末の残熱量及び17時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(16時台末の残熱量、17時台の不足熱需要)」)になる。17時台の不足熱需要は0kcalなので、16時台に発生した熱量は17時台に利用されず、17時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、17時台末の残熱量は、「(16時台末の残熱量−17時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2296kcal」になる。
更に、18時台の不足熱需要は0kcalなので、18時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、18時台末の残熱量は、「(17時台末の残熱量−18時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2273kcal」になる。
また更に、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2273kcalであり、19時台の不足熱需要は4539kcalなので、18時台末の残熱量は全て19時台に利用されるため、19時台のタンク給湯は2273kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
例えば、17時台のタンク給湯は、16時台末の残熱量及び17時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(16時台末の残熱量、17時台の不足熱需要)」)になる。17時台の不足熱需要は0kcalなので、16時台に発生した熱量は17時台に利用されず、17時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、17時台末の残熱量は、「(16時台末の残熱量−17時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2296kcal」になる。
更に、18時台の不足熱需要は0kcalなので、18時台のタンク給湯は0kcalになる。その結果、18時台末の残熱量は、「(17時台末の残熱量−18時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「2273kcal」になる。
また更に、19時台のタンク給湯を、18時台末の残熱量及び19時台の不足熱需要のうちの最小値(「min(18時台末の残熱量、19時台の不足熱需要)」)で導出する。18時台末の残熱量は2273kcalであり、19時台の不足熱需要は4539kcalなので、18時台末の残熱量は全て19時台に利用されるため、19時台のタンク給湯は2273kcalになる。その結果、19時台末の残熱量は、「(18時台末の残熱量−19時台のタンク給湯)×(1−放熱ロス)」という計算によって「0kcal」になる。
16時台に熱電併給装置1を運転することの省エネ率(運転評価値)を導出する。
この場合、有効消費電力が427Wで、16時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2273kcalが有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2273kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は4676Wとなる。16時台に700Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は3500Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は134%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1176W(=4676W−3500W)となる。
その結果、処理I’で導出した現在の運転評価値(省エネ率:134%)は、将来の運転評価値の最小値(17時台の省エネ率145%)に対して悪いので、起動停止決定部5Afは、図4の工程#14において熱電併給装置1が停止中であると判定された場合、工程#15において「No」の判定を下し、16時台に熱電併給装置1を運転しないという決定を下す。
この場合、有効消費電力が427Wで、16時台に熱電併給装置1を運転することで発生した熱の内の2273kcalが有効に消費されたので、合計タンク給湯(有効消費熱量)=2273kcalとなり、従来消費一次エネルギー量は4676Wとなる。16時台に700Wを熱電併給装置1で出力するのに消費するガス量のエネルギー換算値は3500Wとなる。従って、運転評価値としての省エネ率は134%となる。また、熱電併給装置1を運転することによる消費一次エネルギー量の削減幅は、1176W(=4676W−3500W)となる。
その結果、処理I’で導出した現在の運転評価値(省エネ率:134%)は、将来の運転評価値の最小値(17時台の省エネ率145%)に対して悪いので、起動停止決定部5Afは、図4の工程#14において熱電併給装置1が停止中であると判定された場合、工程#15において「No」の判定を下し、16時台に熱電併給装置1を運転しないという決定を下す。
以上のように、図7に示した運転可否判定処理と、図8に示した運転可否判定処理とは、逆潮流可能時間帯が異なる結果、16時台に熱電併給装置1が発生した電力のうちの余剰電力をどのように取り扱うのかが異なっている。その結果、16時台の対象時間帯での運転評価値が異なることになる。そして、16時台の対象時間帯での運転評価値が異なることで、各対象時間帯に熱電併給装置1を運転するかしないかの判定結果が異なることにもなる。このように、対象時間帯が逆潮流可能時間帯である場合とそうでない場合とで算出方法を変えて有効消費電力及び有効消費熱量を算出し、更に、そのように算出した有効消費電力及び有効消費熱量を用いて運転評価値を算出することで、運転評価値には、熱電併給装置1で発生した電力を逆潮流させる場合の影響を適切に含めることができる。
図9は、図7に示した運転可否判定処理に従って熱電併給装置1の運転・停止を行った場合の例を示す図である。図10は、図8に示した運転可否判定処理に従って熱電併給装置1の運転・停止を行った場合の例を示す図である。
言い換えると、逆潮流可能時間帯が存在するときの図7及び図9に示す結果は、逆潮流も考慮して熱電併給装置1を運転するか又は停止するかを判定できる本発明のコージェネレーションシステムの運用例であると言える。これに対して、逆潮流可能時間帯が存在しない図8及び図10に示す結果は、逆潮流しないことを前提とした従来型のコージェネレーションシステムの運用例であるとも言える。
言い換えると、逆潮流可能時間帯が存在するときの図7及び図9に示す結果は、逆潮流も考慮して熱電併給装置1を運転するか又は停止するかを判定できる本発明のコージェネレーションシステムの運用例であると言える。これに対して、逆潮流可能時間帯が存在しない図8及び図10に示す結果は、逆潮流しないことを前提とした従来型のコージェネレーションシステムの運用例であるとも言える。
具体的には、図9及び図10では。時刻3時から翌日の時刻3時までの24時間での、予測電力需要及び熱電併給装置1の発電電力及び電気ヒーター装置12で電熱変換される電力の例を示す。尚、図9及び図10では、1時間の電力量を、その1時間の平均電力として表示しているため、例えば最小発電電力である700Wで30分間発電した場合であれば、図9及び図10では発電電力(1時間の平均値)が350Wとして表示される。
図9に示すように、図7に示した運転可否判定処理に従って熱電併給装置1の運転・停止を行った場合、時刻3時から翌日の時刻3時までの24時間で、熱電併給装置1の発電電力は5.9kWhになり、電力系統7からの買電電力(受電電力)は6.6kWhになる。その結果、熱電併給装置1を運転しなかった場合に比べて14MJの省エネルギー効果を得ることができる。これに対して、図10に示すように、図8に示した運転可否判定処理に従って熱電併給装置1の運転・停止を行った場合、時刻3時から翌日の時刻3時までの24時間で、熱電併給装置1の発電電力は5.0kWhになり、電力系統7からの買電電力(受電電力)は7.1kWhになる。その結果、熱電併給装置1を運転しなかった場合に比べて10MJの省エネルギー効果しか得ることができない。このように、本発明の運転可否判定処理に従って熱電併給装置1の運転・停止を行うことで、大きな省エネルギー効果を得ることができると言える。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、本発明のコージェネレーションシステムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。例えば、冷却水、湯水、熱媒などの通流経路や、コージェネレーションシステムの装置構成などは適宜変更可能である。
<1>
上記実施形態では、本発明のコージェネレーションシステムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。例えば、冷却水、湯水、熱媒などの通流経路や、コージェネレーションシステムの装置構成などは適宜変更可能である。
<2>
上記実施形態では、予測電力需要が熱電併給装置1の最小発電電力より小さいとき、例えば、16時台の予測電力需要(427W)が最小発電電力(700W)よりも小さいとき、運転評価値算出部5Aeが行う処理によって、熱電併給装置1の目標発電電力がその最小発電電力(700W)へと補正される例を説明したが、そのような補正が他の処理部によって行われてもよい。例えば、需要予測部5Aaで予測された予測電力需要を、逆潮流可能時間帯のみ、熱電併給装置1の最小発電量以上になるように補正する需要予測補正部を運転可否判定手段5Aの内部などに設け、その補正された予測電力需要に基づいて運転評価値算出部5Aeが運転評価値を算出してもよい。
上記実施形態では、予測電力需要が熱電併給装置1の最小発電電力より小さいとき、例えば、16時台の予測電力需要(427W)が最小発電電力(700W)よりも小さいとき、運転評価値算出部5Aeが行う処理によって、熱電併給装置1の目標発電電力がその最小発電電力(700W)へと補正される例を説明したが、そのような補正が他の処理部によって行われてもよい。例えば、需要予測部5Aaで予測された予測電力需要を、逆潮流可能時間帯のみ、熱電併給装置1の最小発電量以上になるように補正する需要予測補正部を運転可否判定手段5Aの内部などに設け、その補正された予測電力需要に基づいて運転評価値算出部5Aeが運転評価値を算出してもよい。
<3>
上記実施形態では、需要予測部5Aaが、現在時刻から48時間先までの電力需要と給湯熱需要を予測する場合を例示したが、12時間先や36時間先等、その期間は種々の長さに設定することができる。
また、上記実施形態では、対象時間帯の長さが1時間である場合を例示したが、例えば、30分などの長さに設定する等、その長さは適宜変更できる。
他にも、上記実施形態では、需要予測部5Aaが、将来の1時間毎の予測電力需要及び予測熱需要を導出する場合を例示したが、例えば、30分毎の電力需要と熱需要とを予測する等、電力需要と熱需要とを予測する時間間隔は適宜変更できる。
上記実施形態では、需要予測部5Aaが、現在時刻から48時間先までの電力需要と給湯熱需要を予測する場合を例示したが、12時間先や36時間先等、その期間は種々の長さに設定することができる。
また、上記実施形態では、対象時間帯の長さが1時間である場合を例示したが、例えば、30分などの長さに設定する等、その長さは適宜変更できる。
他にも、上記実施形態では、需要予測部5Aaが、将来の1時間毎の予測電力需要及び予測熱需要を導出する場合を例示したが、例えば、30分毎の電力需要と熱需要とを予測する等、電力需要と熱需要とを予測する時間間隔は適宜変更できる。
<4>
上記実施形態において、逆潮流可能時間帯設定部5Adは、電力系統7への電力の逆潮流が許可されている時間帯をすべて逆潮流可能時間帯に設定し、電力系統7への電力の逆潮流が禁止されている時間帯を逆潮流可能時間帯に設定しないような決定を行ってもよい。
上記実施形態において、逆潮流可能時間帯設定部5Adは、電力系統7への電力の逆潮流が許可されている時間帯をすべて逆潮流可能時間帯に設定し、電力系統7への電力の逆潮流が禁止されている時間帯を逆潮流可能時間帯に設定しないような決定を行ってもよい。
<5>
上記実施形態では、運転評価値が、熱電併給装置1を運転するときの消費一次エネルギー量に基づいて算出される省エネ率、削減幅等である例を説明したが、他の値を運転評価値としてもよい。例えば、運転評価値は、熱電併給装置1を運転するときの消費一次エネルギー量又はエネルギーコスト量又は排出二酸化炭素量、或いは、それらの内の何れか二つ又は三つに基づいて算出される値であってもよい。
上記実施形態では、運転評価値が、熱電併給装置1を運転するときの消費一次エネルギー量に基づいて算出される省エネ率、削減幅等である例を説明したが、他の値を運転評価値としてもよい。例えば、運転評価値は、熱電併給装置1を運転するときの消費一次エネルギー量又はエネルギーコスト量又は排出二酸化炭素量、或いは、それらの内の何れか二つ又は三つに基づいて算出される値であってもよい。
例えば、エネルギーコスト量に基づいて運転評価値を算出する場合、運転評価値算出部5Aeが、熱電併給装置1を運転することの省コスト率(運転評価値)を、「省コスト率=従来エネルギーコスト量/熱電併給装置1の消費ガス量のエネルギーコスト量」という式で導出できる。この省コスト率を導出する「従来エネルギーコスト量/熱電併給装置1の消費ガス量のエネルギーコスト量」という式において、「熱電併給装置1の消費ガス量のエネルギーコスト量」は、対象時間帯に熱電併給装置1を運転するのに要する指標値(ここでは、消費ガス量のエネルギーコスト量)である。また、「従来エネルギーコスト量」は、その対象時間帯に熱電併給装置1を運転することで発生した電力のうちの有効消費電力及び発生した熱のうちの有効消費熱量を、熱電併給装置1を運転せずに、電力系統7からの受電電力と所定のボイラ装置からの熱で賄う場合に要する指標値(エネルギーコスト量)である。
また、排出二酸化炭素量に基づいて運転評価値を算出する場合、運転評価値算出部5Aeが、熱電併給装置1を運転することの省排出二酸化炭素率(運転評価値)を、「省排出二酸化炭素率=従来排出二酸化炭素量/熱電併給装置1の消費ガス量の排出二酸化炭素量換算値」という式で導出できる。この省排出二酸化炭素率を導出する「従来排出二酸化炭素量/熱電併給装置1の消費ガス量の排出二酸化炭素量換算値」という式において、「熱電併給装置1の消費ガス量の排出二酸化炭素量換算値」は、対象時間帯に熱電併給装置1を運転するのに要する指標値(ここでは、消費ガス量の排出二酸化炭素量換算値)である。また、「従来排出二酸化炭素量」は、その対象時間帯に熱電併給装置1を運転することで発生した電力のうちの有効消費電力及び発生した熱のうちの有効消費熱量を、熱電併給装置1を運転せずに、電力系統7からの受電電力と所定のボイラ装置からの熱で賄う場合に要する指標値(電力系統7での排出二酸化炭素量及び所定のボイラ装置での排出二酸化炭素量)である。
<6>
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用でき、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変できる。
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用でき、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変できる。
本発明は、逆潮流も考慮して熱電併給装置を運転するか又は停止するかを判定できるコージェネレーションシステムに利用できる。
1 熱電併給装置
2 貯湯タンク(蓄熱装置)
3 熱消費装置
5 運転制御装置
5Aa 需要予測部
5Ab 評価対象期間設定部
5Ac 不足熱需要算出部
5Ad 逆潮流可能時間帯設定部
5Ae 運転評価値算出部
5Af 起動停止決定部
7 電力系統
9 電力消費装置
12 電気ヒーター装置
2 貯湯タンク(蓄熱装置)
3 熱消費装置
5 運転制御装置
5Aa 需要予測部
5Ab 評価対象期間設定部
5Ac 不足熱需要算出部
5Ad 逆潮流可能時間帯設定部
5Ae 運転評価値算出部
5Af 起動停止決定部
7 電力系統
9 電力消費装置
12 電気ヒーター装置
Claims (7)
- 電力と熱とを発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置で発生した電力を熱に変換できる電気ヒーター装置と、前記熱電併給装置で発生した熱及び前記電気ヒーター装置での電熱変換により発生した熱を蓄えることができる蓄熱装置とを備え、
前記熱電併給装置は最小発電電力と最大発電電力との間に設定される所定の目標発電電力を出力するように動作し、
前記熱電併給装置で発生した電力を電力消費装置で消費させることができ、及び、前記熱電併給装置で発生した熱及び前記電気ヒーター装置で発生した熱を熱消費装置で消費させることができるコージェネレーションシステムであって、
前記電力消費装置での将来の予測電力需要及び前記熱消費装置での将来の予測熱需要を予測する需要予測部と、
前記熱電併給装置で発生した電力を電力系統へ逆潮流させることができる逆潮流可能時間帯を設定する逆潮流可能時間帯設定部と、
運転評価の対象とする所定の対象時間帯に前記熱電併給装置が発生する電力及び熱を用いて前記予測電力需要及び前記予測熱需要を賄うことに対する運転評価値を、前記対象時間帯が前記逆潮流可能時間帯であるか否かについての情報、及び、前記予測電力需要及び前記予測熱需要についての情報に基づいて、前記対象時間帯毎に導出する運転評価値算出部と、
現時点の前記対象時間帯での前記運転評価値と将来の前記対象時間帯での前記運転評価値とを比較して、現時点の前記対象時間帯に前記熱電併給装置を運転するか又は停止するかを決定する起動停止決定部とを備え、
前記運転評価値算出部は、
前記予測電力需要が前記最大発電電力よりも大きいとき、前記熱電併給装置が前記最大発電電力を前記目標発電電力に設定して動作するという運転条件下で、並びに、
前記予測電力需要が前記最大発電電力以下且つ前記最小発電電力以上であるとき、前記熱電併給装置が前記予測電力需要を前記目標発電電力に設定して動作するという運転条件下で、並びに、
前記予測電力需要が前記最小発電電力よりも小さいとき、前記逆潮流可能時間帯でなければ前記熱電併給装置が前記最小発電電力を前記目標発電電力に設定して動作すると共に余剰電力を前記電気ヒーター装置で電熱変換させ、及び、前記逆潮流可能時間帯であれば前記熱電併給装置が前記最小発電電力を前記目標発電電力に設定して動作すると共に余剰電力を前記電力系統へ逆潮流させるように動作するという運転条件下で、前記運転評価値を導出するコージェネレーションシステム。 - 前記運転評価値算出部は、
前記対象時間帯が前記逆潮流可能時間帯ではないとき、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した電力を前記電力消費装置で消費する分の電力を有効消費電力とし、及び、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した熱を前記熱消費装置で消費する分の熱量及び前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した余剰電力を前記電気ヒーター装置で電熱変換することで発生した熱を前記熱消費装置で消費する分の熱量の合計を有効消費熱量とし、
前記対象時間帯が前記逆潮流可能時間帯であるとき、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した電力を前記電力消費装置で消費する分の電力及び前記電力系統に逆潮流する分の余剰電力の合計を有効消費電力とし、及び、前記熱電併給装置を前記対象時間帯に運転することで発生した熱を前記熱消費装置で消費する分の熱量を有効消費熱量として、
前記有効消費電力及び前記有効消費熱量を用いて前記運転評価値を算出する請求項1に記載のコージェネレーションシステム。 - 前記逆潮流可能時間帯設定部は、売電価格が基準価格より高い時間帯を前記逆潮流可能時間帯として設定する請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記熱消費装置は、熱を給湯用途で消費する装置、及び、熱を暖房用途で消費する装置、及び、熱を風呂の追焚用途で消費する装置の少なくとも一つを含む請求項1〜3の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転評価値算出部は、前記需要予測部で導出した前記対象時間帯毎の前記予測熱需要を現時点の前記対象時間帯から積算し、その積算値が前記蓄熱装置の上限蓄熱量になる前記対象時間帯までを評価対象期間に含めて、当該評価対象期間に含まれる前記対象時間帯毎の前記運転評価値を算出する請求項1〜4の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記起動停止決定部は、
現時点の前記対象時間帯での前記運転評価値が、将来の前記対象時間帯での前記運転評価値と同じ又はそれよりも良いときは、現時点の前記対象時間帯に前記熱電併給装置を運転すると決定し、
現時点の前記対象時間帯での前記運転評価値が、将来の前記対象時間帯での前記運転評価値に対して所定値差を超えて悪いときは、現時点の前記対象時間帯に前記熱電併給装置を停止すると決定する請求項1〜5の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。 - 前記運転評価値は、前記熱電併給装置を運転するときの消費一次エネルギー量又はエネルギーコスト量又は排出二酸化炭素量、或いは、それらの内の何れか二つ又は三つに基づいて算出される値である請求項1〜6の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016139946A JP2018011465A (ja) | 2016-07-15 | 2016-07-15 | コージェネレーションシステム |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019173975A (ja) * | 2018-03-26 | 2019-10-10 | 株式会社ノーリツ | 貯湯給湯装置 |
CN112713588A (zh) * | 2020-12-16 | 2021-04-27 | 西安交通大学 | 一种可以减少弃光、弃风的计电价方法 |
JP2021188568A (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-13 | 株式会社Jij | 機械学習モデルを構築する装置、方法及びそのためのプログラム |
-
2016
- 2016-07-15 JP JP2016139946A patent/JP2018011465A/ja active Pending
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JP7125001B2 (ja) | 2018-03-26 | 2022-08-24 | 株式会社ノーリツ | 貯湯給湯装置 |
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