JP2018009844A - 質量分析データ解析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】組成が類似する2つの繰り返し構造を持つ試料の解析も可能にする質量分析データ解析方法を提供する。【解決手段】2つの基準化学構造A,Bが繰り返される組成を持つ被検試料を解析する質量分析データ解析方法であって、質量分析による被検試料の質量スペクトルの各ピークの精密質量情報を取得する工程、各ピークの精密質量情報にKendrick質量変換演算処理を行って取得した質量情報の小数部分を取り出した質量誤差情報DA,DBを取得する工程、基準化学構造A,BのAに基づいたB及びBに基づいたAの質量情報の小数部分を取り出した質量誤差情報dB,dAを取得する工程、DA,DB,dA,dBから、nA=DB/dA,nB=DA/dBを計算し、重合度情報nA,nBを求める工程、nA,nBを各軸とする2次元座標に各ピークに対応するプロットを表示する工程とからなる。【選択図】図2

Description

本発明は、質量分析データ解析方法に係わる。
質量分析において、繰り返し構造を1種類のみ有するポリマーは、横軸を質量電荷比m/zとして縦軸をイオン強度とするマススペクトル上で、図6Aに示すように、ピークの間隔が1種類しか現れない。そのため、図6Aに示すマススペクトルから、図6Bに示す重合度の分散状態を、比較的容易に読み取ることができる。
繰り返し構造を持つ試料の分布情報を可視化する手法の一つにKendrick Mass Plotがある(例えば、非特許文献1を参照。)。
このKendrick Mass Plotは、マススペクトルに出現した各ピークについてKendrick Mass Defect(KMD)を求め、横軸を質量、縦軸をKMDとした座標に各ピークを表すプロットを表示するものである。KMDは、C=12としたIUPACの定義とは異なる基準(一般的にはCH2=14)を採用して計算し直した質量であるKendrick Massから、整数部分を差し引きした残りを意味する。
即ち、KMDに基づく解析法は、メチレン基(CH2)単位の繰り返し構造を持つ飽和炭化水素の元素組成解析を行うためにKendrick氏等により提案されたもので、繰り返し単位であるCH2のIUPAC質量スケールの精密質量(理論値:14.01565)をKendrick Mass(KM)=14と定義し、マススペクトルに出現した各ピークの観測精密質量(観測IUPAC質量)は、次式に従ってKMに変換される。
KM=観測IUPAC質量×14.00000/14.01565
繰り返しの単位構造はCH2に限られず、例えば試料がポリマーの場合には、モノマーを単位構造とすることができる。従って上記式は、一般的には「KM=各ピークの観測IUPAC質量×単位構造の整数質量/単位構造のIUPAC質量・・・・(1)」と表される。
計算により求められたKMに最も近い整数(the nearest integer of KM)が整数KM(Nominal Kendrick Mass:NKM)であり、Kendrick Mass Defect(KMD)はNKMとKMの差、即ちKMD=NKM−KMと定義される。
Kendrick Mass Plotとしては、横軸を観測質量(m/z),KMあるいはNKMとし縦軸をKMDとした2次元座標に、各ピークを表す点を各ピークの強度情報に応じて点の大きさや色の種類、濃さなどを与えてプロットするのが一般的である。
例えば、図7Aに示すマススペクトルに対して、適宜な繰り返しの単位構造(例えばCH2)を適用し、その単位構造の整数質量及び精密質量を与えて各ピークのKMDを求め、求めたKMDに基づいて横軸を観測質量(m/z)、縦軸をKMDとした2次元座標に各ピークをプロットすることにより、図7Bに示すKendrick Mass Plotが得られる。図7BのKendrick Mass Plotでは、各ピークの強度情報をプロット上での各点の大きさで示している。
例えば、試料に(A)nXで表されるような、末端基(X)が同じで繰り返しの単位構造(A)の繰り返し数(n)が異なる構造がある場合、得られたマススペクトルの各ピークについて単位構造Aの精密質量を与えてKMDを求めると、(A)nXで表されるすべてのピークは同じKMDを持つため、Kendrick Mass Plot上でそれらのピークは水平な直線上に並んでプロットされる。
また、同じ(A)nの繰り返し構造で異なる末端基(X’)を持つピークが同じスペクトル中に存在する場合には、それらのピークは末端基がXの場合と異なるKMDを等しく持つため、Kendrick Mass Plot上でそれらのピークは末端基がXの場合と異なる垂直位置の水平な直線上に並んでプロットされる。
一方、同じマススペクトル中に異なる繰り返し構造(B)nのピークが存在する場合、Kendrick Mass Plot上でそれらのピークは水平ではなく傾斜を持った直線上に並んでプロットされる。
図7Bに示すKendrick Mass Plotでは、KMDを求めるために与えた繰り返しの単位構造を持つピークが無かったため水平な直線に沿ったプロットは存在せず、水平から傾斜した直線それも2本の直線上に分かれてピーク群がプロットされている。図7Aのマススペクトルの各ピークとの対応をみると、図7Bにおける上の直線上のピーク群はマススペクトルにおける短い繰り返し間隔のピーク群に対応し、下の直線上のピーク群は長い繰り返し間隔のピーク群に対応している。従って、図7BのKendrick Mass Plotから、繰り返し構造が異なる2種類の物質が含まれていることがわかる。
Anal. Chem., 2007, 79, p4074-4082
端構造が複数存在する場合や、繰り返し構造を2種類以上持つ共重合ポリマーでは、マススペクトルが複雑となり、重合度の分布の情報を得ることは難しい。
末端結合が複数存在する場合には、例えば図8に示すマススペクトルのように、同じピークの間隔ではあるが、末端構造の分ピークがシフトして観測されるため、マススペクトルから繰り返し構造の重合度の分布を読み取ることは難しい。
また、繰り返し構造を2種類以上持つ共重合ポリマーでは、各成分の重合度の分散にもよるが、例えば図9に示すマススペクトルのように、2種類以上の間隔のピークが観測されるため、非常に多くのピークが観測される。そのため、それぞれの繰り返し構造(図9の右図の繰り返しA及び繰り返しB)の重合度の分布を読み取ることが難しい。
これに対して、Kendrick Mass Plotでの解析方法を採用した場合、共重合ポリマーにおいても、2つの繰り返し構造のうち1つの繰り返し構造の重合度が同じで、もう1つの繰り返し構造の重合度が異なるイオンが、直線上に配置されるので、マススペクトルに比べると各成分の重合度の情報を把握しやすい。
即ち、共重合ポリマーの場合、図10Aに示すような複雑なマススペクトルを示していても、Kendrick Mass Plotでの解析方法を採用することにより、図10Bに示すように、それぞれの繰り返し構造の重合度が同じイオンが直線上に並ぶ。これにより、各成分の重合度の情報を容易に読み取ることができる。
しかしながら、2つの繰り返し構造の組成が類似している場合には、一方の繰り返し構造を基準にしても、2つの繰り返し構造のm/zに対するKendrick Mass Defectの変位が近くなる。そのため、例えば、図11に示すように、点が近接してしまい、結果の把握が困難となる。
上述した問題の解決のために、本発明は、組成が類似している2つの繰り返し構造を持つ試料も解析することを可能にする質量分析データ解析方法を提供するものである。
本発明の一の質量分析データ解析方法は、2つの異なる基準化学構造A,Bがそれぞれ繰り返される組成を持つ被検試料を解析するための質量分析データ解析方法であって、
(1)前記被検試料を精密質量情報が取得可能な質量分析計を用いて質量分析することにより質量スペクトルデータを取得し、質量スペクトルに出現する各ピークの精密質量情報を取得する質量分析工程と、
(2)前記質量分析工程で得られた各ピークの精密質量情報に対し、前記基準化学構造A,Bのそれぞれの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理をそれぞれ行って各ピークのKendrick質量情報をそれぞれ取得し、該それぞれのKendrick質量情報の小数部分を取り出すことにより各ピークのKendrick質量誤差情報D,Dをそれぞれ取得する第1Kendrick質量変換工程と、
(3)前記基準化学構造Bの精密質量理論値情報に対して前記基準化学構造Aの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理を行ってKendrick質量情報を取得し、得られたKendrick質量情報の小数部分を取り出すことによりKendrick質量誤差情報dを取得し、前記基準化学構造Aの精密質量理論値情報に対して前記基準化学構造Bの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理を行ってKendrick質量情報を取得し、得られたKendrick質量情報の小数部分を取り出すことによりKendrick質量誤差情報dを取得する第2Kendrick質量変換工程と、
(4)前記第1Kendrick質量変換工程により得られた各ピークのKendrick質量誤差情報D,Dに対して第2Kendrick質量変換工程により得られたKendrick質量誤差情報d,dを用いて以下の演算を行うことにより各ピークの重合度情報n,nを求める重合度情報取得工程と、
=D/d、n=D/d
(5) 前記重合度情報取得工程により得られた各ピークの重合度情報n,nに基づき、前記nを第1軸とし前記nを第2軸とする2次元座標に各ピークに対応するプロットを表示する表示工程と、
からなる。
本発明の他の質量分析データ解析方法は、2つの異なる基準化学構造A,Bがそれぞれ繰り返される組成を持つ被検試料を解析するための質量分析データ解析方法であって、
(1)前記被検試料を精密質量情報が取得可能な質量分析計を用いて質量分析することにより質量スペクトルデータを取得し、質量スペクトルに出現する各ピークの精密質量情報を取得する質量分析工程と、
(2)前記質量分析工程で得られた各ピークの精密質量情報に対し、前記基準化学構造A,Bのそれぞれの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理をそれぞれ行って各ピークのKendrick質量情報をそれぞれ取得し、該それぞれのKendrick質量情報の小数部分を取り出すことにより各ピークのKendrick質量誤差情報D,Dをそれぞれ取得する第1Kendrick質量変換工程と、
(3)前記基準化学構造Bの精密質量理論値情報に対して前記基準化学構造Aの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理を行ってKendrick質量情報を取得し、得られたKendrick質量情報の小数部分を取り出すことによりKendrick質量誤差情報dを取得し、前記基準化学構造Aの精密質量理論値情報に対して前記基準化学構造Bの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理を行ってKendrick質量情報を取得し、得られたKendrick質量情報の小数部分を取り出すことによりKendrick質量誤差情報dを取得する第2Kendrick質量変換工程と、
(4)前記第1Kendrick質量変換工程により得られた各ピークのKendrick質量誤差情報D,Dに対して第2Kendrick質量変換工程により得られたKendrick質量誤差情報d,dを用いて以下の演算を行うことにより各ピークの重合度情報n,nを求める重合度情報取得工程と、
=D/d、n=D/d
(5)各ピークの重合度情報nA,nBから小数部分dnA,dnBを取り出す工程と、
(6)各ピークについて取り出された小数部分dnA,dnBに基づき、dnAを第1軸としdnBを第2軸とする2次元座標に各ピークに対応するプロットを表示する表示工程と、
からなる。
上述の本発明の質量分析データ解析方法によれば、それぞれの繰り返し構造の重合度を等間隔にプロットできるため、繰り返し構造が類似しているか否かによらず、重合度の分布を明確に把握することが可能になる。これにより、複雑なポリマーの解析を容易に行えるようになる。
また、本発明によれば、従来は解析できなかった試料も解析できるようになることから、従来の質量分析装置及び質量分析方法と比較して、解析が可能な試料の範囲を拡げることができる。
本発明の質量分析データ解析方法を実施するための質量分析装置の一実施の形態の概略構成図(ブロック図)である。 図1の質量分析装置で実施する質量分析データ解析方法の一形態のフローチャートである。 A〜D 図2のステップS10からステップS16までの手順の流れを説明する図である。 図2のステップS17からステップS21までの手順の流れを説明する図である。 図2のステップS22において、点の間隔が1以外の間隔である場合を示した図である。 A 繰り返し構造を1種類有するポリマーのマススペクトルである。 B 繰り返し構造を1種類有するポリマーの重合度の分布である。 A、B マススペクトルからKendrick Mass Plotを作成する方法を説明する図である。 末端構造によりシフトしたピークを含むマススペクトルである。 繰り返し構造を2種類以上持つ共重合ポリマーのマススペクトルについて説明する図である。 A、B 繰り返し構造を2種類以上持つ共重合ポリマーのマススペクトルにKendrick Mass Plotでの解析方法を適用した場合の例を説明する図である。 共重合ポリマーの2つの繰り返し構造の組成が類似している場合のKendrick Mass Defectの分布を示す図である。 質量分析データ解析方法の変形例を説明する図である。 質量分析データ解析方法の変形例を示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下に説明されている構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.質量分析装置
本発明の質量分析データ解析方法を実施するための質量分析装置の概略構成図(ブロック図)を、図1に示す。
図1に示す質量分析装置10は、イオン源1、質量分析部2、検出部3、処理部4、操作部5、表示部6、記憶部7を有して構成されている。
イオン源1は、所定の方法で試料をイオン化し、生成された試料イオンは質量分析部2に導入される。
質量分析部2は、イオン源1で生成されたイオンを分離する。例えば、質量分析部2を飛行時間型質量分析部とする場合には、質量電荷比m/zに応じた飛行時間の違いに基づいて、イオンを分離する。
検出部3は、質量分析部2で分離されたイオンを検出する。具体的には、例えば、検出部3は、検出部3に入射するイオンの量(強度)に応じたアナログ信号を出力して、出力されたアナログ信号は処理部4へ送信される。
検出部3から得られた検出信号は処理部4へ送られ、デジタル信号に変換されて質量分析データとして記憶部7に格納される。処理部4は、プロセッサ等を含むハードウェアと、イオン源1、質量分析部2、検出部3を制御するための装置制御プログラム及び質量分析データを処理するためのデータ処理プログラムとから構成される。
操作部5は、ユーザーが情報を入力するためのもので、入力された情報を処理部4に出力する。
操作部5の機能は、各種のスイッチ(押しボタン等)、タッチパネル、キーボード等により実現できる。
表示部6は、各種の情報を、文字や画像により表示する。
例えば、操作部5に入力された情報(情報の確認用)、検出部3で検出した結果、処理部4における処理の条件、処理部4における処理の結果等を、表示部6に表示させることが可能である。
表示部6の機能は、各種のディスプレイにより実現できる。
次に、上記構成の質量分析装置10を用いて行われる質量スペクトルデータ解析方法を、図2に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS10において、2つの繰り返し構造A,Bを有する試料を、イオン源1に導入し、マススペクトルを測定する。
即ち、イオン源1で試料をイオン化し、質量分析部2でイオンを質量電荷比に応じて分離し、分離されたイオンを検出部3で検出し、得られた検出信号を処理部4を介してデジタル信号に変換して取り込むことにより、マススペクトルデータを取得する。
次に、ステップS11において、処理部4は、得られたマススペクトルデータに対してノイズと分離するための適宜な閾値を用いてピーク抽出処理を行い、抽出されたピークのリストを作成する。このピークのリストは、図3Bに示すように、低質量側から番号付けされた各ピーク毎に観測質量電荷比m/zの値と強度値(Intensity)を記載したリストである。図3Aはこのピークリストに基づいて表示部6に表示されたマススペクトルの一例を示す。
なお、このステップS11では、同位体のピークを1つにまとめる、Deisotope処理を行うことによりピークの本数を減少させることが好ましい。
次に、ステップS12において、オペレータは、予め知られている試料の組成情報に基づいて、2つの繰り返し構造A,Bに関する質量情報(A,Bの精密質量情報及び整数質量情報)を操作部5を介して処理部4に入力する。ここで、繰り返し構造AがC24O、繰り返し構造BがC36Oであることが既知であった場合、オペレータはC24Oの精密質量44.02621及び整数質量44を、繰り返し構造Aの精密質量情報として入力し、C36Oの精密質量58.04132及び整数質量58を繰り返し構造Bの精密質量情報として入力する。
繰り返し構造が既知でないものについては、図3Aのように表示されたマススペクトルからオペレータが2つの繰り返し構造を推定又は特定し、それぞれの精密質量情報を入力するようにしても良いし、オペレータが推定する代わりに、処理部4で前記ピークリストにおけるピーク間隔などの情報から2つの繰り返し構造A,Bを推測し、推測した繰り返し構造A,Bの質量情報を決定するようにコンピュータプログラムを構成しても良い。
次に、ステップS13において、ステップS12で入力された繰り返し構造A,Bの精密質量情報に基づき、処理部4は、ピークリストにあげられた各ピークについてKendrick Mass演算を行い、繰り返し構造Aに関するKendrick Mass DefectDA及び繰り返し構造Bに関するKendrick Mass DefectDBを求める。
即ち、処理部4は、繰り返し構造Aの精密質量情報に基づき「各ピークの精密質量×44.00000/44.02621」の演算を行うことにより各ピークのKendrick Mass値を求め、求めたKendrick Mass値に最も近い整数値を求めることにより整数(Nominal)Kendrick Mass値を求め、Kendrick Mass値と整数(Nominal)Kendrick Mass値の差分を求めることにより各ピークの繰り返し構造AについてのKendrick Mass DefectDAを求める。
更に、処理部4は、繰り返し構造Bの精密質量情報に基づき「各ピークの精密質量×58.00000/58.04132」の演算を行うことにより各ピークのKendrick Mass値を求め、求めたKendrick Mass値に最も近い整数値を求めることにより整数(Nominal)Kendrick Mass値を求め、Kendrick Mass値と整数(Nominal)Kendrick Mass値の差分を求めることにより各ピークの繰り返し構造BについてのKendrick Mass DefectDBを求める。
このようにして各ピークについて求められたKendrick Mass Defect値DA,DBの値は、例えば図3Cに示されるように、前記ピークリストの各ピークの精密質量情報とイオン強度情報のデータに追加される形で保存される。
次に、ステップS14において、処理部4は、第2のKendrick質量変換処理を行うことにより、繰り返し構造Bに基づく繰り返し構造AのKendrick質量誤差情報dA及び繰り返し構造Aに基づく繰り返し構造BのKendrick質量誤差情報dBを求める。
即ち、処理部4は、繰り返し構造Aの精密質量情報に対して、繰り返し構造Bの精密質量情報に基づくKendrick質量変換演算処理を行い、繰り返し構造Bに関する繰り返し構造AのKendrick質量誤差情報dAを取得し、前記繰り返し構造Bの精密質量情報に対して、繰り返し構造Aの精密質量情報に基づくKendrick質量変換演算処理を行い、繰り返し構造Aに関する繰り返し構造BのKendrick質量誤差情報dBを取得する。
Kendrick質量誤差情報dAの場合、処理部4は、「繰り返し構造Aの精密質量(=44.02621)×58.00000/58.04132−44」の演算を行うことにより、dA=-0.00513255を求める。
一方、Kendrick質量誤差情報dBの場合、処理部4は、「繰り返し構造Bの精密質量(=58.04132)×44.00000/44.02621−58」の演算を行うことにより、dB=0.006766424を求める
次に、ステップS15において、処理部4は、ステップS14で求めたdA、dBを用い、ステップS14で求めてピークリストに書き込まれている各ピークのKendrick質量誤差情報DA、DBに対してnA=DB/dA、nB=DA/dBの演算を行うことにより、各ピークにおける繰り返し構造Aの重合度情報nAと繰り返し構造Bの重合度情報nBを求める。このDB/dA、DA/dBなる演算により重合度の情報が得られる理由について、以下に説明する。
いま、質量スペクトルのあるピークを与えるイオンが、n1個の繰り返し構造Aと、n2個の繰り返し構造Bとから構成され(A)n1(B)n2と表されると仮定した場合、このイオンの精密質量m1は、以下のように表すことができる。
m1=(44.02621)×n1+(58.04132)×n2 ・・・(1)
この精密質量m1に対して前記第1Kendrick質量変換処理を施してKendrick質量誤差情報DA、DBを求めると、DA、DBは以下のように表される。
A=(44/44.02621)×((44.02621)×n1+(58.04132)×n2)−N(m1) ・・・(2A)
B=(58/58.04132)×((44.02621)×n1+(58.04132)×n2)−N(m1) ・・・(2B)
ここで、N(m1)は精密質量m1の整数質量を表す。
Aを整理すると、以下の通りとなるが、
A=44×n1+(44/44.02621)×58.04132×n2−N(m1)
Aは小数であるのに対し、上式における「44×n1」とN(m1)は共に整数であるので、DAは「(44/44.02621)×58.04132×n2」の項の小数部分を取り出したものである。
ここで、「(44/44.02621)」の値は1に極めて近いことを考慮すると、「(44/44.02621)×58.04132×n2」の項の小数部分を取り出すのは、「(44/44.02621)×58.04132×n2」から「58×n2」を差し引く演算を行うことに相当する。
そのように考えれば、DAは以下のように書き直すことができる。
A=(44/44.02621)×58.04132×n2−58×n2 ・・・(3A)
全く同様に、DBは以下のように書き直すことができる。
B=(58/58.04132)×44.02621×n1−44×n1 ・・・(3B)
一方、前述のようにdA、dBは以下のように表されるから、
A=(44.02621)×58.00000/58.04132−44
B=(58.04132)×44.00000/44.02621−58
B=DA/dBの演算結果は、以下の通りとなる。
B=DA/dB
=(44/44.02621×58.04132×n2−58×n2)/(58.04132×44/44.02621−58)
=n2 ・・・(4B)
従って、nBは繰り返し構造Bの繰り返し数n2の情報を持つことになる。
全く同様に、nA=DB/dAの演算結果は、以下の通りとなる。
A=DB/dA
=((58/58.04132)×44.02621×n1−44×n1)/(44.02621)×58/58.04132−44)
=n1 ・・・(4A)
従って、nAは繰り返し構造Aの繰り返し数n1の情報を持つことになる。
なお、上記説明では、イオンの精密質量m1を、(44.02621)×n1+(58.04132)×n2と仮定したが、実際には末端構造の質量が加わっているので、DA、DBにはその末端構造の部分に基づく数値が上乗せされ、nB、nAを求める際には、その上乗せされた数値もdB、dAで割り算することになるので、割り算結果は、純粋なn2、n1の整数情報だけでなく、末端構造の部分に基づく「ずれ」(1より小さい場合も大きい場合もある)が加わったものになる。
ただし、各ピーク毎に求めた重合度情報nB、nAは、末端構造が同一の場合には「ずれ」の値が同一で繰り返し数n2、n1の値だけが異なるので、各ピークの重合度情報nB、nA同士の差分(間隔)は、各ピークのn1,n2の違いに応じた整数となる。
また、繰り返し構造A,Bの双方を持たないピークについては、ピーク同士のnB、nAの間隔はバラバラで、整数にならない。
以上の考察から、DB/dA、DA/dBなる演算により求めた各ピークについてのnA、nBは、各ピークにおける繰り返し構造Aの重合度情報nAと繰り返し構造Bの重合度情報nBを含むことが明らかであり、処理部4での演算によって求められた各ピークについてのnA、nBの値は、図3Cに示すピークリストの各ピークのnA、nBの欄に書き込まれる。
次に、ステップS16において、処理部4は、ピークリストに書き込まれた各ピークのnA、nBの値に基づいて、nAをX軸、nBをY軸に割り当てた2次元座標に、各ピークのプロットを例えば図3Dに示すように表示部6の画面に表示させる。なお、各プロットの大きさは、各ピークの強度に対応させてある。
繰り返し構造A,Bの双方を持つピーク群と、持たないピーク群が混在している場合、先に述べたように、繰り返し構造A,Bの双方を持つピーク群のプロットは間隔が1で等間隔に整列展開されるが、持たないピーク群のプロットは間隔が1にならないので、識別が可能である。
また、繰り返し構造A,Bの双方を持つピーク群であっても末端構造が異なる2つのグループがある場合には、各グループに属するピーク群のプロットは間隔が1で等間隔に整列展開されるものの、グループ毎のプロットは末端構造の違いにより縦横にシフトしたものになる。
次に、ステップS17において、ステップS16で作成したプロット中に、X軸・Y軸の両方向で間隔が1で等間隔の点群があるかどうか判断する。例えば、図4の左上の図に示すプロットからは、図4の右上の図に示すように、間隔が1で等間隔である2種類の点群があることがわかる。
間隔が1で等間隔の点群がある場合には、ステップS18に進む。
間隔が1で等間隔の点群がない場合には、ステップS22に進む。
このステップS17は、作成したプロットを表示部6に表示する等してユーザーがプロットを見て判断するようにしても、作成したプロットから処理部4が判断するコンピュータプログラムを構成しても、どちらも可能である。
ステップS18においては、間隔が1で等間隔の点群を抽出して、ステップS19に進む。例えば、図4の右上の図に示すように、間隔が1で等間隔の点群が2つある場合には、それぞれの点群を抽出して、図4の左下の図のGroup1と図4の右下の図のGroup2とする。
このステップS18は、作成したプロットを表示部6に表示する等してユーザーがプロットから点群を抽出するようにしても、作成したプロットから処理部4が点群を抽出するコンピュータプログラムを構成しても、どちらも可能である。
ステップS19においては、ステップS18で抽出した点群の末端構造が判明しているか判断する。
ステップS18で抽出した点群の末端構造が判明している場合には、ステップS20に進む。
ステップS18で抽出した点群の末端構造が判明していない場合には、ステップS21に進む。
このステップS19は、例えば、末端構造が判明しているかどうか、判明している場合にはさらに判明している末端構造の名称を、操作部5からユーザーが入力するように構成することが可能である。
ステップS20においては、判明している末端構造に基づいて繰り返し構造A,Bのそれぞれの繰り返し数(前述のn1,n2)を決定し、決定したn1,n2に基づいてステップS18で抽出した点群をシフトさせて、nAをX軸、nBをY軸に割り当てた2次元座標に、プロットする。
1,n2の決定は、例えば以下のように行われる。前記式(4A)、(4B)に関する説明では、「イオンの精密質量m1を、(44.02621)×n1+(58.04132)×n2と仮定したが、実際には末端構造の質量が加わっているので、DA、DBにはその末端構造の部分に基づく数値が上乗せされ、nB、nAを求める際には、その上乗せされた数値もdB、dAで割り算することになるので、割り算結果は、純粋なn2、n1の整数情報だけでなく、末端構造の部分に基づく「ずれ」(1より小さい場合も大きい場合もある)が加わったものになる。」と述べた。
この「ずれ」について考察するため、質量スペクトルのあるピークを与えるイオンの構造が、末端構造Xを含めて(A)n1(B)n2(X)と表されるとし、このイオンの精密質量m1を、末端構造Xの質量mを含めて表すと以下のようになる。
1=(44.02621)×n1+(58.04132)×n2+m・・・(11)
この(11)式を前提として(2A)、(2B)式と同様にDA、DBを求め、更にnB=DA/dB、nA=DB/dAを求めると、詳細は省略するが以下の通りとなる。
B=n2+(dxA/dB) ・・・(14B)
A=n1+(dxB/dA) ・・・(14A)
上式の(dxA/dB)、(dxB/dA)の項が、先に、末端構造の部分に基づく「ずれ」と説明した部分に相当するものである。
ここで、「dxA」は末端構造Xの精密質量mに対して繰り返し構造Aに基づくKendrick質量変換処理を施すことにより求められるKendrick質量誤差情報であり、「dxB」は、同様に末端構造Xの精密質量mに対して繰り返し構造Bに基づくKendrick質量変換処理を施すことにより求められるKendrick質量誤差情報である。
末端構造Xとその精密質量mが既知の場合には、「dxA」、「dxB」は、
xA=(58/58.04132)×m−N(m)
xB=(44/44.02621)×m−N(m)
なる計算により求めることができ、dA、dBの値もステップS15において計算されピークリストに格納されて既知であるから、n2、n1の値が下式により求められることになる。
2=nB−(dxA/dB) ・・・(15B)
1=nA−(dxB/dA) ・・・(15A)
この(15A)、(15B)式に基づく繰り返し構造A,Bの繰り返し数n1,n2の計算は、例えば、抽出された各ピークすべてについて行われる。各ピークについて求められたn1,n2に基づいてnAをX軸、nBをY軸に割り当てた2次元座標に、各ピークのプロットを表示させる。例えば、各ピークのプロットは、図4の左下の図(Group1)と右下の図(Group2)における実線の円のように表示されることになる。点線で示されている抽出しただけの状態(プロット位置は(nA,nB)で決まっている)と比較すると、全体がシフトされ、n1,n2は整数となることから、各プロットは整数単位に区切られた格子点に位置することになる。
このように、末端構造の異なるグループ毎に、繰り返し構造A,Bの繰り返し数n1,n2に応じた位置に各ピークがプロットされるため、各繰り返し構造A,Bの重合度の分布を視覚により明確に把握することができる。
なお、上記例ではn1,n2の計算を抽出された各ピークすべてについて行うようにしたが、必ずしもその必要はない。例えば、特定の1つのピークについて(15A)式と(15B)式に基づきn1,n2の計算を行い、求めたn1,n2で決まる位置にそのピークのプロットを表示すると、そのプロットは、波線で示されている抽出しただけの状態(プロット位置は(nA,nB)からX,Y方向にシフトしており、そのシフト量は(15A)式と(15B)式からX方向が「−(dxB/dA)」、Y方向が「−(dxA/dB)」でそれぞれ与えられる。このシフト量は、抽出された同一グループのピークすべてに共通であるから、残りのピークについては、波線で示されている抽出しただけの状態(nA,nB)から上記共通のシフト量シフトさせてプロットを表示させれば、各ピークについて計算してプロットした場合と同じ位置にすべてのピークのプロットを表示させることができる。
ステップS21においては、まだ抽出されていない、等間隔の点群が、プロット中に残っているかどうか判断する。なお、等間隔ではない点は、ノイズとして無視する。
等間隔の点群が残っている場合には、ステップS17に戻り、残っている等間隔の点群がX軸・Y軸の両方向で間隔が1である点群かどうか判断する。そして、間隔が1の点群であれば、先に抽出した点群とは異なる末端構造を有する点群として扱い、ステップS18で残っていた間隔が1の点群を抽出する。
等間隔の点群が残っていない場合には、分析を終了する。
このステップS21は、ユーザーがプロットを見て判断するようにしても、作成したプロットから処理部4が判断するコンピュータプログラムを構成しても、どちらも可能である。
ステップS22においては、間隔が1以外である等間隔の点群があるかどうか判断する。
間隔が1以外である等間隔の点群がある場合には、最初に決めた繰り返し構造が合っていないので、ステップS13に戻り、繰り返し構造を決め直す。
例えば、図5に示すプロットは、nの間隔が1ではない点群があるので、繰り返し構造Aを違う構造に決め直す必要がある。
一方、等間隔の点群がない場合には、測定した試料に繰り返し構造が存在しないので、ステップS11に戻り、次の試料の測定に移る。
このステップS22は、ユーザーがプロットを見て判断するようにしても、作成したプロットから処理部4が判断するコンピュータプログラムを構成しても、どちらも可能である。
なお、上述した質量分析装置10の各構成要素のうち、一部の構成要素を省略した構成や、複数の構成要素を兼ねている構成要素を有する構成とすることも可能である。
上記実施例では、計算で求めた各ピークについてのnA,nBに基づいて、nA,nBを水平,垂直軸とする2次元座標に各ピークをプロットするようにした(図3D参照)が、これに限らず、nA,nBの小数部分dnA,dnBを各ピークについて取り出し、取り出したdnA,dnBに基づいて、dnA,dnBを水平,垂直軸とする2次元座標に各ピークをプロットするようにしても良い。図12Bは、このようなプロットの例を示している。図12Aは、元になったマススペクトルを示している。
図12Bのようなプロットを行うと、繰り返し構造A,Bを持ち同じ末端構造を持つピークは同じ位置に集まってプロットされ、違う末端構造を持つピークは別の位置に集まってプロットされるため、末端基に応じたピークのグループ分けが可能となる。
即ち、先に説明したように、重合度情報nA,nBは、それぞれ繰り返し構造A,Bの繰り返し数n1,n2の情報に加えて、末端構造に基づく「ずれ」の情報を有する。この「ずれ」の情報は1よりも小さい場合も大きい場合もある。従って、重合度情報nA,nBから小数部分dnA,dnBを取り出すことは、n1,n2の重合度の情報を消し去って、「ずれ」の情報のみを取り出すことになる。取り出された「ずれ」の情報の小数部分dnA,dnBの値は、末端構造の種類に応じて異なるので、図12BのようにdnA,dnBを水平,垂直軸とする2次元座標に各ピークをプロットすると、同じ末端構造を持つピークは同じ位置に集まってプロットされ、違う末端構造を持つピークは別の位置に集まってプロットされるわけである。
図12Cに示すように、このように一カ所に集まってプロットされた特定のグループのピークを、例えば枠指定などにより指定することができるようにし、指定されたこのグループに属するピークを他のピークと表示形態(例えば色)を異ならせて図12Dに示すようにマススペクトルを表示するようにすれば、マススペクトルに出現したピークの中で、繰り返し構造A,Bを持ち且つ特定の末端構造を持つピークがどれかを容易に見分けることができる。
図13は、上記のようなdnA,dnBを水平,垂直軸とする2次元座標に各ピークをプロットする際の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS10からS15までは、図2のフローチャートと同じであり、その後、ステップS30において各ピークについてdnA,dnBを求め(ステップS30)、求めたdnA,dnBに基づいてdnA,dnBを水平,垂直軸とする2次元座標に各ピークをプロットし(ステップS31)、プロット中の特定の点群を選択/抽出し(ステップS32)、選択/抽出された点群に基づき点群に該当するピークを他のピークと区別してスペクトル表示する(ステップS33)各ステップが付加されている。
1 イオン源、2 質量分析部、3 検出部、4 処理部、5 操作部、6 表示部、7 記憶部、10 質量分析装置

Claims (3)

  1. 2つの異なる基準化学構造A,Bがそれぞれ繰り返される組成を持つ被検試料を解析するための質量分析データ解析方法であって、
    (1)前記被検試料を精密質量情報が取得可能な質量分析計を用いて質量分析することにより質量スペクトルデータを取得し、質量スペクトルに出現する各ピークの精密質量情報を取得する質量分析工程と、
    (2)前記質量分析工程で得られた各ピークの精密質量情報に対し、前記基準化学構造A,Bのそれぞれの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理をそれぞれ行って各ピークのKendrick質量情報をそれぞれ取得し、該それぞれのKendrick質量情報の小数部分を取り出すことにより各ピークのKendrick質量誤差情報D,Dをそれぞれ取得する第1Kendrick質量変換工程と、
    (3)前記基準化学構造Bの精密質量理論値情報に対して前記基準化学構造Aの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理を行ってKendrick質量情報を取得し、得られたKendrick質量情報の小数部分を取り出すことによりKendrick質量誤差情報dを取得し、前記基準化学構造Aの精密質量理論値情報に対して前記基準化学構造Bの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理を行ってKendrick質量情報を取得し、得られたKendrick質量情報の小数部分を取り出すことによりKendrick質量誤差情報dを取得する第2Kendrick質量変換工程と、
    (4)前記第1Kendrick質量変換工程により得られた各ピークのKendrick質量誤差情報D,Dに対して第2Kendrick質量変換工程により得られたKendrick質量誤差情報d,dを用いて以下の演算を行うことにより各ピークの重合度情報n,nを求める重合度情報取得工程と、
    =D/d、n=D/d
    (5) 前記重合度情報取得工程により得られた各ピークの重合度情報n,nに基づき、前記nを第1軸とし前記nを第2軸とする2次元座標に各ピークに対応するプロットを表示する表示工程と、
    からなることを特徴とする質量分析データ解析方法。
  2. 請求項1記載の質量分析データ解析方法であって、前記被検試料の末端構造が既知である場合、前記プロットから間隔がn,nについて1で等間隔である点群を抽出し、末端構造の精密質量情報に基づいて前記抽出された点群に該当するピークの一部又は全てについて、繰り返し構造A,Bのそれぞれの繰り返し数n1,n2を決定し、決定した繰り返し数n1,n2に基づいて抽出された点群をシフトさせてnAを第1軸、nBを第2軸に割り当てた2次元座標にプロットすることを特徴とする質量分析データ解析方法。
  3. 2つの異なる基準化学構造A,Bがそれぞれ繰り返される組成を持つ被検試料を解析するための質量分析データ解析方法であって、
    (1)前記被検試料を精密質量情報が取得可能な質量分析計を用いて質量分析することにより質量スペクトルデータを取得し、質量スペクトルに出現する各ピークの精密質量情報を取得する質量分析工程と、
    (2)前記質量分析工程で得られた各ピークの精密質量情報に対し、前記基準化学構造A,Bのそれぞれの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理をそれぞれ行って各ピークのKendrick質量情報をそれぞれ取得し、該それぞれのKendrick質量情報の小数部分を取り出すことにより各ピークのKendrick質量誤差情報D,Dをそれぞれ取得する第1Kendrick質量変換工程と、
    (3)前記基準化学構造Bの精密質量理論値情報に対して前記基準化学構造Aの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理を行ってKendrick質量情報を取得し、得られたKendrick質量情報の小数部分を取り出すことによりKendrick質量誤差情報dを取得し、前記基準化学構造Aの精密質量理論値情報に対して前記基準化学構造Bの精密質量理論値情報及び整数質量情報に基づいてKendrick質量変換演算処理を行ってKendrick質量情報を取得し、得られたKendrick質量情報の小数部分を取り出すことによりKendrick質量誤差情報dを取得する第2Kendrick質量変換工程と、
    (4)前記第1Kendrick質量変換工程により得られた各ピークのKendrick質量誤差情報D,Dに対して第2Kendrick質量変換工程により得られたKendrick質量誤差情報d,dを用いて以下の演算を行うことにより各ピークの重合度情報n,nを求める重合度情報取得工程と、
    =D/d、n=D/d
    (5)各ピークの重合度情報nA,nBから小数部分dnA,dnBを取り出す工程と、
    (6)各ピークについて取り出された小数部分dnA,dnBに基づき、dnAを第1軸としdnBを第2軸とする2次元座標に各ピークに対応するプロットを表示する表示工程と、
    からなることを特徴とする質量分析データ解析方法。
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