JP7114527B2 - 組成推定装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、組成推定装置及び方法に関し、特に、組成推定条件の変更に関する。
質量分析システムは、例えば、ガスクロマトグラフ装置、質量分析装置、及び、情報処理装置により構成される。情報処理装置は、一般に、ガスクロマトグラフ装置及び質量分析装置の動作を制御し、また、質量分析により得られたデータを処理する装置である。典型的には、情報処理装置はマススペクトル処理装置として機能する。情報処理装置が質量分析装置内に組み込まれることもある。マススペクトル処理装置によれば、分子イオンピークに対応する質量(精密質量)から分子イオンの組成が推定される。その意味において、マススペクトル処理装置は組成推定装置である。
質量分析装置は、サンプルに含まれる化合物をイオン化するイオン源を有している。イオン源として様々なイオン化法に従う多様なイオン源が提供されている。イオン化法の内で、ハードなイオン化法として、例えば、電子イオン化(EI)法が知られている。電子イオン化法によると、分子イオンのフラグメンテーションが起こり易くなり、分子イオンが観測されにくくなる一方、フラグメントイオン(実際にはフラグメントイオン群)が観測され易くなる。一方、ソフトなイオン化法として、電界イオン化(FI)法、化学イオン化(CI)法、電界脱離イオン化(FD)法、光イオン化(PI)法、等が知られている。それらのイオン化法によると、分子イオンのフラグメンテーションがあまり生じない。
なお、分子イオンとフラグメントイオンの間の質量差(正確にはm/z差)はニュートラルロスと称されている。ニュートラルロスから脱離部分の組成を推定し得る。特許文献1には、組成推定技術が開示されているが、特許文献1には、分子イオンの組成を推定するための条件を変更する技術については記載されていない。
WO2006/049064号公報
分子イオンの組成推定に先立って組成推定条件が定められる。一般には、組成推定条件として、ユーザーにより組成探索範囲が指定される。組成探索範囲は、元素範囲及び原子数範囲で規定されるものである。組成探索範囲が広過ぎると、多数の組成が推定されてしまい、真の組成を特定することが困難となる。組成探索範囲が狭すぎると、真の組成を推定できない可能性が高まる。
ユーザーにより適切な組成推定条件を指定するには経験を要する。豊富な経験を有するユーザーであっても適切な組成推定条件を指定することは必ずしも容易ではない。なお、クロマトグラフ装置、質量分析装置、及び、情報処理装置により構成される質量分析システムにおいては、複数の化合物に対応した複数のマススペクトルが順次得られる。個々のマススペクトルごとに組成推定条件のユーザー指定が求められる場合、ユーザーに大きな負担が生じる。
本発明の目的は、組成推定に際して適切な組成推定条件を定められるようにすることにある。あるいは、本発明の目的は、組成推定条件の指定に際してユーザーの負担を軽減することにある。
本発明に係る組成推定装置は、分子イオンの一部分に相当する注目部分の質量に基づいて、前記注目部分の組成を部分組成として推定する部分組成推定手段と、前記部分組成に基づいて当初の組成推定条件を変更し、これにより変更後の組成推定条件を定める変更手段と、前記変更後の組成推定条件に従って、前記分子イオンの質量に基づき前記分子イオンの組成を全体組成として推定する全体組成推定手段と、を含むことを特徴とするものである。
上記構成は、分子イオンの一部分について推定された組成(部分組成)に基づいて、当初の組成推定条件を変更するものである。この構成によれば、例えば、組成推定条件を絞り込むことが可能となり、あるいは、組成推定条件を広げることが可能となる。すなわち、組成推定条件を優良化又は最適化することが可能となる。当初の組成推定条件は、変更前の組成推定条件であり、実施形態において、ユーザーにより指定された組成推定条件である。
実施形態において、前記当初の組成推定条件は、複数の元素に対応した複数の原子数範囲により規定される当初の組成探索範囲である。組成推定条件には、通常、精密質量に対する許容誤差範囲が含まれる。組成推定条件に、更に、電荷数、電子数、不飽和度、等が含まれてもよい。
実施形態において、前記変更手段は、前記部分組成に基づいて、前記複数の原子数範囲の内の少なくとも1つの原子数範囲を狭める絞り込み機能を有する。実施形態において、前記複数の原子数範囲は複数の下限及び複数の上限により規定され、前記絞り込み機能は前記複数の下限の内の少なくとも1つの下限を引き上げる機能である。この構成は、全体組成中に部分組成が含まれるという前提の下で、1又は複数の原子数範囲の下限を引き上げるものである。
実施形態において、前記変更手段は、前記部分組成に基づいて、前記複数の元素に対して新たな元素を追加すると共に、前記複数の原子数範囲に対して前記新たな元素に対応する新たな原子数範囲を追加する追加機能を有する。この構成によれば、当初の組成探索範囲を事後的に拡張又は適正化することが可能となる。
実施形態において、前記変更手段は、前記注目部分について複数の部分組成が推定された場合に、前記複数の部分組成から共通組成を抽出する抽出手段と、前記共通組成に基づいて前記組成探索範囲を変更する範囲変更手段と、を含む。この構成は、全体組成中に共通組成が含まれているということを前提とするものであり、変更後の組成探索範囲の妥当性又は信頼性を高められる。
実施形態において、前記変更手段は、前記分子イオンの複数の一部分に相当する複数の注目部分について複数の部分組成が推定された場合に、前記複数の部分組成から元素単位で最大原子数を特定する特定手段と、前記元素単位での最大原子数に基づいて前記組成探索範囲を変更する範囲変更手段と、を含む。この構成は、全体組成中に元素単位での最大原子数が含まれているということを前提とするものであり、変更後の組成探索範囲の妥当性又は信頼性を高められる。
実施形態において、前記注目部分は、前記分子イオンとフラグメントイオンの差に相当する部分、及び、前記フラグメントイオン、の少なくとも一方である。差に相当する部分は、ニュートラルロスに相当する部分であり、それは、フラグメントイオン同様、分子イオンの一部分とみなせるものである。
実施形態において、マススペクトルにおける分子イオンピーク及びフラグメントイオンピークに基づいて、前記差に相当する部分及び前記フラグメントイオンのいずれかを前記注目部分として選択する選択手段を含む。差に相当する部分の質量とフラグメントイオンの質量とを比較し、小さな質量を有する方を注目部分として選択してもよい。この構成によれば、部分組成の推定精度を高められ、ひいては全体組成の推定精度を高められる。差に相当する部分及びフラグメントイオンの両方を注目部分として選択することも考えられる。
実施形態において、前記マススペクトルは、第1イオン化法の適用によって生成された第1マススペクトル、及び、前記第1イオン化法とは異なる第2イオン化法の適用によって生成された第2マススペクトル、を含む。実施形態において、第1マススペクトル及び第2マススペクトルの内の一方はフラグメントイオンピークを明確に特定できるものであり、それらの内の他方は分子イオンピークを明確に特定できるものである。
本発明に係る組成推定方法は、分子イオンの一部分に相当する注目部分の質量に基づいて、前記注目部分の組成を部分組成として推定する工程と、前記部分組成に基づいて当初の組成推定条件を変更し、これにより変更後の組成推定条件を定める工程と、前記変更後の組成推定条件に従って、前記分子イオンの質量に基づき前記分子イオンの組成を全体組成として推定する工程と、を含むことを特徴とするものである。
上記組成推定方法は、ハードウエアの機能として又はソフトウエアの機能として実現され得る。後者の場合、組成推定方法を実行するプログラムが、可搬型記憶媒体又はネットワークを介して、情報処理装置へインストールされる。情報処理装置の概念には、コンピュータ、組成推定装置、マススペクトル処理装置、質量分析システム等が含まれる。
実施形態においては、試料から段階的に分離された複数の化合物に対応する複数のマススペクトルに基づいて、複数の分子イオンについての複数の注目部分の質量が特定され、前記複数の注目部分の質量に基づいて複数の部分組成が推定され、前記複数の部分組成に基づいて前記当初の組成推定条件が段階的に変更される。
本発明によれば、組成推定に際して適切な組成推定条件を定められる。あるいは、組成推定条件の指定に際してユーザーの負担を軽減できる。
実施形態に係る質量分析システムの構成例を示すブロック図である。 実施形態に係る組成推定方法を説明するための概念図である。 第1クロマトグラムと第1マススペクトルの関係を示す図である。 第2クロマトグラムと第2マススペクトルの関係を示す図である。 第1マススペクトルと第2マススペクトルの関係を示す図である。 組成探索範囲の変更方法の第1実施例を示す図である。 組成探索範囲の変更方法の第2実施例を示す図である。 組成探索範囲の変更方法の第3実施例を示す図である。 組成推定条件の段階的な変更を示す図である。 組成推定条件の段階的な変更の第1例を示す図である。 組成推定条件の段階的な変更の第2例を示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、実施形態に係る質量分析システムの構成例が示されている。質量分析システム10は、元試料に含まれる複数の化合物を時間的に分離した上で、個々の化合物に対して質量分析を実行するものである。図示された質量分析システム10は、具体的には、ガスクロマトグラフ装置12、質量分析装置14、及び、情報処理装置16により構成される。ガスクロマトグラフ装置12が除外されてもよい。ガスクロマトグラフ装置12に代えて液体クロマトグラフ装置等が利用されてもよい。
ガスクロマトグラフ装置12に対して元試料を導入すると、その出力側に、時間的に分離された複数の化合物が現れる。複数の化合物は、それぞれ、質量分析装置14から見て分析対象としてのサンプルである。分離された複数の化合物が質量分析装置14へ順次導入される。質量分析装置14は、図示の構成例において、イオン源ユニット20、質量分析部26、及び、検出部28を有している。なお、実施形態においては、同じ元試料に対して2回の測定(成分分離及び質量分析)が繰り返し実行される。もっとも、マススペクトルにおいて分子イオンピーク及びフラグメントイオンピークを明確に特定できる限りにおいて、1回の測定だけを行うようにしてもよい。
イオン源ユニット20は、実施形態において、選択的に利用される第1イオン源22及び第2イオン源24を有する。第1イオン源22は、ハードなイオン源であり、具体的には、それは電子イオン化法に従うイオン源である。第1イオン源22によれば、比較的に多くのフラグメントイオン(フラグメントイオン群)を生じさせることが可能である。
第2イオン源24は、ソフトなイオン源であり、具体的には、それは例えば電界イオン化法に従うイオン源である。第2イオン源24によれば、フラグメントイオンが生じ難く、その一方、分子イオンを明瞭に検出することが可能である。第2イオン化法として、電界イオン化法の他、化学イオン化法、電界脱離イオン化法、光イオン化法、等が挙げられる。2回の測定に際しては、電気的な切り換え、機械的な切り換え、あるいは、用手的な切り換えにより、実際に使用するイオン源が順次選択される。イオン源の選択順序は任意に定め得る。
選択されたイオン源において、そこに導入されたサンプルからイオンが生成される。そのイオンは、電界の作用により、質量分析部26へ導かれる。なお、2系統の質量分析サブシステムが並列配置されてもよい。その場合、2つのイオン源を並列動作させ得る。その場合、個々の質量分析サブシステムは、以下に説明する質量分析部及び検出部により構成される。
質量分析部26は、イオンが有する質量電荷比(m/z)に基づいて、イオンに対して質量分析を実行するものである。例えば、質量分析部26が飛行時間型質量分析部である場合、個々のイオンは、それが有する質量電荷比に応じた飛行時間を経て、検出部28で検出される。他のタイプの質量分析部(例えば、磁場セクター型質量分析部、四重極型質量分析部)が利用されてもよい。検出部28は、イオンを検出するものであり、それは具体的には電子増倍管を有する。検出部28から検出信号28Aが出力される。検出信号28Aは、図示されていない信号処理回路を経て、情報処理装置16へ送られている。
情報処理装置16は、プロセッサ18、メモリ30、入力部32、表示部34等を有する。プロセッサ18は例えばプログラムを実行するCPUで構成される。プロセッサ18に代えて、又は、プロセッサ18と共に、諸々の演算デバイスが利用されてもよい。情報処理装置16が複数のコンピュータによって構成されてもよい。その内で一部の機能がネットワーク上に存在していてもよい。
プロセッサ18は、演算部、制御部及び処理部として機能する。プロセッサ18が有するデータ処理機能が図1においてデータ処理部36として示されている。データ処理部36は、部分組成推定手段、変更手段、及び、全体組成推定手段として機能する。ここで、変更手段は、抽出手段、範囲変更手段、特定手段、等を含む。
メモリ30は、半導体メモリ、ハードディスク、等により構成される。メモリ30上には、CPUが実行する複数のプログラムが格納されている。それらの中には、スペクトル処理プログラム及び組成推定プログラムが含まれる。メモリ30上には、組成推定データベース37が構築されている。組成推定データベース37が、情報処理装置16に対してネットワークを介して接続されたストレージ上に構築されてもよい。組成推定データベース37は、分子イオンの組成(全体組成)、ニュートラルロスに相当する部分の組成(部分組成)、及び、フラグメントイオンの組成(部分組成)を推定する際に参照される情報を有する。
入力部32は、キーボード、ポインティングデバイス等によって構成される。入力部32を利用して、ユーザーにより、例えば、ピークが選択され、処理条件が入力される。実施形態においては、入力部32を利用して、ユーザーにより、組成推定条件としての組成探索範囲が指定される。組成探索範囲は、具体的には、複数の元素に対応する複数の原子数範囲を含むものである。各原子数範囲は下限及び上限により規定される。なお、入力された組成推定条件は、以下に説明する表示部34に表示され、また、メモリ30に登録される。後述するように組成推定条件が変更される場合、変更後の組成推定条件が表示部34に表示され、また、メモリ30に登録される。
表示部34は、表示手段として機能するものであり、それは、具体的には、液晶表示器、有機ELデバイス等によって構成される。その表示画面には、クロマトグラム、マススペクトル、組成探索範囲、差分情報(ニュートラルロス等)、部分組成推定結果、全体組成推定結果、等が表示される。
図2には、上記のデータ処理部によって実行される組成推定方法が概念図又は流れ図として示されている。ガスクロマトグラフ装置によって分離された化合物ごとに、以下の処理が実行される。
最初に、質量分析により生成されたスペクトルペア又は単一のスペクトルにおいて、分子イオンピーク及びフラグメントイオンピークが特定される(符号102を参照)。その特定は、ユーザーにより行われ、又は、自動的に実行される。スペクトルペアは、第1スペクトル及び第2スペクトルからなるものであり、ここで、第1スペクトルはソフトなイオン化法によって生成されたスペクトルであり、第2スペクトルはハードなイオン化法によって生成されたスペクトルである。スペクトルペアの利用に代えて、明瞭な分子イオンピーク及び明瞭なフラグメントイオンピークを含む単一のスペクトルが利用されてもよい。その場合には単一のイオン化法が利用されることになる。なお、コリジョンセル等を利用してフラグメントイオンを生じさせることも可能である。
続いて、分子イオンピークに基づいて分子イオンの質量(精密質量)が求められる(符号104を参照)。それと並行して、又は、その後に、分子イオンについての組成推定条件が指定され、具体的には、組成探索範囲(全体組成探索範囲)が指定される(符号100を参照)。組成推定範囲は、元素範囲及び原子数範囲により規定され、具体的には、複数の元素に対応する複数の原子数範囲により規定される。個々の原子数範囲は下限と上限とにより規定される。組成推定条件には、電子数条件、誤差許容範囲等が含まれ得る。組成推定条件はユーザーにより又は自動的に指定される。
一方、フラグメントイオンピークに基づいてフラグメントイオンの質量(精密質量)が求められる(符号106を参照)。分子イオンの質量からフラグメントイオンの質量を引くことにより、質量差分が求められる(符号108を参照)。質量差分は、ニュートラルロスとも称される。ニュートラルロスに相当する部分及びフラグメントイオンは、いずれも、分子イオンの一部分に相当する。
図示の例では、質量差分及びフラグメントイオン質量が比較されており、それらの内で小さい方が選択されている(符号110を参照)。小さい方を選択すれば以下に説明する部分組成の推定に際して推定精度を高めることが可能となる。もっとも、質量差分又はフラグメントイオン質量のいずれかを常に参照するようにしてもよい。あるいは、それらの両方を常に参照するようにしてもよい。複数の質量差分、及び/又は、複数のフラグメントイオン質量が参照されてもよい。
選択された質量に基づいて、注目部分(ニュートラルロスに相当する部分又はフラグメントイオン)の組成(部分組成)が推定される(符号112を参照)。ニュートラルロスに対する組成推定に際しては、電荷数として0が定められる。図示の例では、分子イオンについての組成探索範囲(全体組成探索範囲)に基づいて、注目部分についての組成探索範囲(部分組成探索範囲)が定められる(符号114を参照)。実施形態においては、前者が後者として援用されている。必要に応じて、前者を修正することにより(例えば元素を追加することにより)、後者が定められ得る。定められた部分組成探索範囲に従って、注目部分の質量に基づき注目部分の組成が推定される(符号112を参照)。その推定結果に基づいて、例えば、確度の高い推定を行えなかったことに基づいて、部分組成探索範囲が変更されてもよい(符号120を参照)。
以上により求められた注目部分の組成に基づいて、全体組成探索範囲が変更される(符号116を参照)。例えば、1又は複数の原子数範囲の下限が引き上げられ、あるいは、全体組成探索範囲に対して新たな元素が追加される(つまり新たな原子数範囲が追加される)。これにより全体組成探索範囲が優良化され又は最適化される。変更後の全体組成推定範囲に従って、分子イオンの質量に基づき分子イオンの組成が推定される(符号118を参照)。優良化された又は適切な全体組成推定範囲に従って全体組成を推定できるので、組成推定結果の信頼性を高められる。
実施形態においては、段階的に分離される複数の化合物のそれぞれに対して上記の一連の処理が段階的に適用される。その場合において、複数の化合物の間で、当初の全体組成探索範囲が共用される。そのような共用によっても、全体組成探索範囲が段階的にカスタマイズされるので、個々の化合物の推定精度を高められる。同時に、ユーザーの負担を大幅に軽減できる。
以下、図3以降の各図を参照しながら実施形態に係る組成推定方法をより詳しく説明する。
図3には、第1イオン源の利用によって生成された第1クロマトグラム64が示されている。縦軸はTIC(全イオン電流強度)の大きさを示している。横軸はRT(保持時間)を示している。第1クロマトグラム64は、図1に示したデータ処理部により、検出信号に基づいて生成される。以下に説明する第2クロマトグラムも同様である。第1クロマトグラム64において、保持時間軸上の異なる時間に複数の化合物ピーク67が生じている。複数の化合物ピーク67に対してウインドウ66,68,70,72が設定され、各ウインドウ66,68,70,72内においてマススペクトルが積算される。wはウインドウ66の幅を示している。wは事前に設定され、あるいは、個別的にあるいは動的に設定される。保持時間軸上における一定のタイミングで、図1に示したデータ処理部により、検出信号に基づいて、マススペクトルが繰り返し生成される。
ウインドウ66,68,70,72ごとに、その期間内で観測された複数のマススペクトルを積算することにより第1マススペクトルが生成される。図3においては、ウインドウ66内で観測された複数のマススペクトルを積算することによって生成された第1マススペクトル74が例示されている。第1マススペクトル74において、分子イオンピークは不明瞭であり、その一方、符号73で示すように、多数のフラグメントイオンピークが出現している。
図4には、第2イオン源の利用によって生成された第2クロマトグラム75が示されている。図3に示した第1クロマトグラム64と同様、第2クロマトグラム75においても、保持時間軸上の異なる時間に複数の化合物ピーク77が生じている。それらに対して、積算用のウインドウ76,78,80,82が設定される。もっとも、第1クロマトグラム64と第2クロマトグラム75との間では、複数の化合物ピーク67,77の発生位置が保持時間軸方向に若干ずれている。実施形態では、そのようなずれを考慮して、第1クロマトグラム64と第2クロマトグラム75との間で、化合物ピークペアごとに対応付けつまりペアリングが実行される。その場合には、例えば、一方のクロマトグラムにおけるピーク頂点を基準として、他方のクロマトグラムにおいて探索範囲を設定し、その探索範囲内においてピーク頂点が探索されてもよい。重心を利用する方法、波形フィッティングを利用する方法、等が用いられてもよい。
複数のウインドウ76,78,80,82内においてマススペクトルが積算されて複数の第2マススペクトルが生成される。図4においては、ウインドウ76内でのマススペクトルの積算により生成された第2マススペクトル84が例示されている。第2マススペクトル84においては、フラグメントイオンピークがほとんど認められないものの、分子イオンピーク85は明瞭である。
以上のように、2つのクロマトグラム間において、ペアリングされたピークペアごとに、マススペクトルペアが生成される。
図5には、別のマススペクトルペアが例示されている。図5においては、上段に示されているマススペクトル122は明瞭な分子イオンピーク126を含んでいる。図示の例では、マススペクトル122はフラグメントイオンピーク130も有している。一方、下段に示されているマススペクトル124は、明瞭な分子イオンピークを有せず、複数のフラグメントイオンピーク132,134を有している。なお、マススペクトル122には、分子イオンピークの近傍に同位体ピーク128が現れている。
実施形態においては、ユーザーにより又は自動的に分子イオンピーク126が特定される。その後、分子イオンピーク126を基準としてその下側に探索範囲が自動的に定められ、その探索範囲内において1又は複数のフラグメントイオンピーク130,132,134が自動的に探索される。フラグメントイオンピーク130,132,134がユーザーにより指定されてもよい。
続いて、分子イオンピーク126及びフラグメントイオンピーク130,132,134に基づいて、複数の質量差分M1,M2,M3が自動的に演算される。より詳しくは、質量差分M1は、分子イオンピーク126に対応する質量から、フラグメントイオンピーク130に対応する質量M4を減算することにより求められる。質量差分M2は、分子イオンピーク126に対応する質量から、フラグメントイオンピーク132に対応する質量M5を減算することにより求められる。質量差分M3は、分子イオンピーク126に対応する質量から、フラグメントイオンピーク134に対応する質量M6を減算することにより求められる。
実施形態においては、質量差分M1,M2,M3に基づく組成推定により、3つのニュートラルロスに相当する3つの部分の組成が自動的に推定される。具体的には、質量差分M1から組成としてC2H3Oが推定され、質量差分M2から組成としてCH2が推定され、質量差分M3から組成としてC3H4Sが推定されている。その場合、フラグメントイオンの質量M4,M5,M6から組成が推定されてもよい。なお、本明細書及び各図においては、元素記号の後に続く数字が便宜上大きく表現されており、また、その数字が1の場合にはその表記が原則として省略されている。
図6には、組成探索範囲の変更方法の第1実施例が示されている。上記のように推定された複数の組成(符号136を参照)から、共通組成が自動的に抽出される(符号137を参照)。具体的には、C2H3O、CH2及びC3H4Sの共通組成としてCH2が抽出される(符号138を参照)。その共通組成に基づいて、当初の組成探索範囲(符号140を参照)が変更され、絞り込み後の組成探索範囲(符号142を参照)が定められる。
上記の第1実施例は、複数の差分質量に対応する複数の組成が推定されていることを前提とし、全体組成の中に共通組成が含まれる可能性が高いという考え方に基づいて、組成探索範囲を絞り込むものである。例えば、Cの原子数範囲の下限が0から1へ引き上げられ、Hの原子数範囲の下限が0から2へ引き上げられる。絞り込み後の組成探索範囲に従って、分子イオンの質量に基づいて組成推定を行えば、推定精度を高められ、特に、推定結果として得られる組成の個数を少なくできる。なお、1つの差分質量に基づいて推定される1つの組成に従って、組成探索範囲が変更されてもよい。
図7には、組成探索範囲の変更方法の第2実施例が示されている。マススペクトルペアにおいて、分子イオンピーク及びフラグメントイオンピークが特定された上で、以下に説明する処理が自動的に実行される。すなわち、分子イオンピークに対応する質量から、フラグメントイオンピークに対応する質量を減算することにより、質量差分が求められる(符号144を参照)。その差分質量から複数の組成146,148,150が推定される。具体的には、図7に示す例においては、1つの差分質量から、3つの組成C3H4OF2、C6H3F、CH2N3F2が推定されている。それらの組成に基づいて、共通組成が抽出される(符号151を参照)。具体的には、CH2Fが抽出される(符号152を参照)。
続いて、第1実施例と同様、共通組成に基づいて、当初の組成探索範囲(符号140を参照)を変更することにより、絞り込み後の組成探索範囲(符号142を参照)が定められている。例えば、Cの原子数範囲の下限が0から1へ引き上げられ、Hの原子数範囲の下限が0から2へ引き上げられ、Fの原子数範囲の下限が0から1に引き上げられる。絞り込み後の組成探索範囲に従って、分子イオンの質量に基づいて組成推定を行えば、推定精度を高められ、特に、推定結果として得られる組成の個数を少なくできる。この第2実施例も、全体組成の中に共通組成が含まれる可能性が高いという考え方に基づいて、組成探索範囲を絞り込むものである。
図8には、組成探索範囲の変更方法の第3実施例が示されている。図8は、マススペクトルペアにおいて分子イオンピーク及び3つのフラグメントイオンピークが特定された上で自動的に実行される処理を示している。具体的には、分子イオンピークに対応する質量から、3つのフラグメントイオンピークに対応する質量を減算することにより、3つの質量差分が求められる。それらの差分質量から、複数の組成160,162,164が推定される。具体的には、3つの組成C2H3O、C3H4S、CH2が推定されている。それらの組成に基づいて、元素ごとに最大値が抽出される(符号165を参照)。具体的には、Cの最大値3、Hの最大値4、Oの最大値1、及び、Sの最大値1が抽出される(符号166を参照)。
一方、当初の組成探索範囲として、C,H,O,Sに対応する4つの原子数範囲が設定されている(符号168を参照)。具体的には、Cの原子数範囲として0-50が設定されており、Hの原子数範囲として0-100が設定されており、Oの原子数範囲として0-10が設定されており、Sの原子数範囲として0-5が設定されている。第3実施例では、上記の4つの元素の最大値に基づいて、4つの原子数範囲の下限が引き上げられている。具体的には、Cの原子数範囲の下限が0から3に引き上げられており、Hの原子数範囲の下限が0から4に引き上げられており、Oの原子数範囲の下限が0から1に引き上げられており、Sの原子数範囲の下限が0から1に引き上げられている(符号170を参照)。各原子数範囲の上限は維持されている。
絞り込み後の組成探索範囲に従って、分子イオンの質量に基づいて組成推定を行えば、推定精度を高められ、特に、推定結果として得られる組成の個数を少なくできる。この第3実施例は、全体組成の中に各最大値が含まれる可能性が高いという考え方に基づいて、組成探索範囲を絞り込むものである。
第4実施例について説明する。上記の第1実施例乃至第3実施例においては、注目部分の組成を推定するための組成探索範囲として、分子イオンの組成を推定するための組成探索範囲が援用されていたが、両者を同一とせずに、後者の組成探索範囲を拡大することにより前者の組成推定範囲を生成するようにしてもよい。例えば、元素範囲に新たな元素を追加し、すなわち、複数の原子数範囲に対して新たな原子数範囲を追加してもよい。具体的には、例えば、図8に示した例において、新たな元素Xを追加し、その原子数範囲として0-3を追加してもよい。追加する原子数範囲の下限を0としておけば、元素Xを有しない組成も推定対象となるので、元素Xの追加に伴う推定制限問題を回避することが可能となる。もっとも、各実施例において、元素Xの下限の変更により、その下限に0以外の数値が与えられる場合には、元素Xは推定上の必須元素として取り扱われる。
第5実施例について説明する。第5実施例は第4実施例の変形例に相当するものである。具体的には、第5実施例は、注目部分の組成を推定する場合において、まず、当初の組成探索範囲をそのまま援用するものである。そして、組成の推定を適切に行えなかった場合に、上記同様に、元素Xの追加(及びその原子数範囲の追加)を行うものである。例えば、分析対象試料が有機物であれば、基本的な元素であるC,H,N,Oについてはそれぞれ原子数範囲を常に定め、必要に応じて、1又は複数の他の元素について1又は複数の原子数範囲を追加するようにしてもよい。そのような元素として、B,F,Si,P,S,Cl,Br,I等が挙げられる。
次に、図9~図11に基づいて、組成探索範囲の段階的な変更について説明する。図9において、クロマトグラム172には、複数の化合物ピーク174A,174B,174Cが含まれる。それらに対応するマススペクトルの解析により各化合物の組成が推定される。その際には、化合物単位で得られるマススペクトルに基づいて注目部分の質量が特定され、その質量から推定される組成に基づいて当初の組成探索範囲176が変更される。図示の例では、当初の組成探索範囲176を段階的に変更することにより、化合物a用の組成探索範囲178、化合物b用の組成探索範囲180、及び、化合物c用の組成探索範囲182が生成されている。そのような段階的な変更は自動的に行われるので、ユーザーの負担を大幅に軽減できる。
図10には、組成探索範囲の段階的変更の第1例が示されている。当初の組成探索範囲190は、複数の項目192により構成され、個々の項目192は、元素ごとの原子数範囲(下限及び上限)を含んでいる。化合物aについて得られたマススペクトルに基づき、複数の部分組成194が推定されており、それらに基づいて、変更後の組成探索範囲196が生成されている。具体的には、元素C,H,N,Oの各下限が変更されている。続いて、化合物bについて得られたマススペクトルに基づき、複数の部分組成198が推定されており、それらに基づいて、変更後の組成探索範囲200が生成されている。具体的には、元素C,H,Nの各下限が変更されている。更に続いて、化合物cについて得られたマススペクトルに基づき、複数の部分組成202が推定されており、それらに基づいて、変更後の組成探索範囲204が生成されている。具体的には、元素C,H,Oの各下限が変更されている。必要に応じて、上記のような組成探索範囲の変更が繰り返される。
図11には、組成探索範囲の段階的変更の第2例が示されている。当初の組成探索範囲190は、分子イオンについてのものである。注目部分についての組成探索範囲206は、組成探索範囲190に対して加えられた2つの項目を含んでいる(符号208を参照)。具体的には、元素Fについての原子数範囲及び元素Sについての原子数範囲が追加されている。この追加により、変更後の組成探索範囲が元素Fの原子数範囲及び元素Sの原子数範囲を含み得ることになる。
化合物aについて得られたマススペクトルに基づき、複数の部分組成210が推定されており、それらに基づいて、変更後の組成探索範囲212が生成されている。具体的には、元素C,H,N,Oの各下限が変更されている。続いて、化合物bについて得られたマススペクトルに基づき、複数の部分組成214が推定されており、それらに基づいて、変更後の組成探索範囲216が生成されている。具体的には、元素C,H,の各下限が変更され、また、新たな元素としてSが加えられており、その原子数範囲が追加されている。その原子数範囲の下限は1である。更に続いて、化合物cについて得られたマススペクトルに基づき、複数の部分組成218が推定されており、それらに基づいて、変更後の組成探索範囲220が生成されている。具体的には、元素C,H,Oの各下限が変更されており、また、新たな元素としてFが加えられており、その原子数範囲が追加されている。必要に応じて、このような組成探索範囲の変更が繰り返される。
図11に示す例では、組成探索範囲206が組成探索範囲190に対して最初から異なっていたが、組成探索範囲190に基づいて注目部分についての組成推定を実行し、それが失敗した場合に、組成探索範囲206を採用するようにしてもよい。また、共通組成による組成探索範囲の変更を行わず、元素(及び原子数範囲)の追加のみによる組成探索範囲の変更を行うようにしてもよい。
いずれにしても、注目部分について推定された組成により当初の組成探索範囲を変更することにより、化合物についての組成の推定精度を高められる。また、当初の組成探索範囲を段階的に変更することにより、ユーザーの負担を大幅に軽減できる。
上記実施形態では、複数のイオン源が用いられていたが、単一のイオン源を用いるようにしてもよい。以上においては、もっぱら、質量差分に基づく組成の推定について説明したが、フラグメントイオンの質量に基づいて組成が推定されてもよい。情報処理装置が単体で利用されてもよい。下限の引き上げによる絞り込み方法及び元素の追加による拡張方法の内で一方の方法のみが採用されてもよい。状況に応じて複数の変更方法の中から自動的に変更方法が選択されてもよい。
10 質量分析システム、12 ガスクロマトグラフ装置、14 質量分析装置、16 情報処理装置、18 プロセッサ、36 データ処理部。

Claims (12)

  1. 元試料から段階的に分離された複数の化合物に対応する複数のマススペクトルに基づいて、前記化合物ごとに、分子イオンの質量及び前記分子イオンの一部分に相当する注目部分の質量を特定する手段と、
    前記化合物ごとに、前記注目部分の質量に基づいて、前記注目部分の組成を部分組成として推定する部分組成推定手段と、
    前記化合物ごとに、前記部分組成に基づいて前記複数の化合物間で共用される組成推定条件を変更し、これにより変更後の組成推定条件を定める変更手段と、
    前記化合物ごとに、前記変更後の組成推定条件に従って、前記分子イオンの質量に基づき前記分子イオンの組成を全体組成として推定する全体組成推定手段と、
    を含むことを特徴とする組成推定装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記共用される組成推定条件は、複数の元素に対応した複数の原子数範囲により規定される当初の組成探索範囲である、
    ことを特徴とする組成推定装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記変更手段は、前記部分組成に基づいて、前記複数の原子数範囲の内の少なくとも1つの原子数範囲を狭める絞り込み機能を有する、
    ことを特徴とする組成推定装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記複数の原子数範囲は複数の下限及び複数の上限により規定され、
    前記絞り込み機能は前記複数の下限の内の少なくとも1つの下限を引き上げる機能である、
    ことを特徴とする組成推定装置。
  5. 請求項2記載の装置において、
    前記変更手段は、前記部分組成に基づいて、前記複数の元素に対して新たな元素を追加すると共に、前記複数の原子数範囲に対して前記新たな元素に対応する新たな原子数範囲を追加する追加機能を有する、
    ことを特徴とする組成推定装置。
  6. 請求項2記載の装置において、
    前記変更手段は、
    前記注目部分について複数の部分組成が推定された場合に、前記複数の部分組成から共通組成を抽出する抽出手段と、
    前記共通組成に基づいて前記組成探索範囲を変更する範囲変更手段と、
    を含む、ことを特徴とする組成推定装置。
  7. 請求項2記載の装置において、
    前記変更手段は、
    前記分子イオンの複数の一部分に相当する複数の注目部分について複数の部分組成が推定された場合に、前記複数の部分組成から元素単位で最大原子数を特定する特定手段と、
    前記元素単位での最大原子数に基づいて前記組成探索範囲を変更する範囲変更手段と、
    を含む、ことを特徴とする組成推定装置。
  8. 請求項1記載の装置において、
    前記注目部分は、前記分子イオンとフラグメントイオンの差に相当する部分、及び、前記フラグメントイオン、の内の少なくとも一方である、
    ことを特徴とする組成推定装置。
  9. 請求項8記載の装置において、
    マススペクトルにおける分子イオンピーク及びフラグメントイオンピークに基づいて、前記差に相当する部分及び前記フラグメントイオンのいずれかを前記注目部分として選択する選択手段を含む、
    ことを特徴とする組成推定装置。
  10. 請求項8記載の装置において、
    前記マススペクトルは、第1イオン化法の適用によって生成された第1マススペクトル、及び、前記第1イオン化法とは異なる第2イオン化法の適用によって生成された第2マススペクトル、を含む、
    ことを特徴とする組成推定装置。
  11. 元試料から段階的に分離された複数の化合物に対応する複数のマススペクトルに基づいて、前記化合物ごとに、分子イオンの質量及び前記分子イオンの一部分に相当する注目部分の質量を特定する工程と、
    前記化合物ごとに、前記注目部分の質量に基づいて、前記注目部分の組成を部分組成として推定する工程と、
    前記化合物ごとに、前記部分組成に基づいて前記複数の化合物間で共用される組成推定条件を変更し、これにより変更後の組成推定条件を定める工程と、
    前記化合物ごとに、前記変更後の組成推定条件に従って、前記分子イオンの質量に基づき前記分子イオンの組成を全体組成として推定する工程と、
    を含むことを特徴とする組成推定方法。
  12. 情報処理装置において組成推定方法を実行するためのプログラムであって、
    元試料から段階的に分離された複数の化合物に対応する複数のマススペクトルに基づいて、前記化合物ごとに、分子イオンの質量及び前記分子イオンの一部分に相当する注目部分の質量を特定する機能と、
    前記化合物ごとに、前記注目部分の質量に基づいて、前記注目部分の組成を部分組成として推定する機能と、
    前記化合物ごとに、前記部分組成に基づいて前記複数の化合物間で共用される組成推定条件を変更し、これにより変更後の組成推定条件を定める機能と、
    前記化合物ごとに、前記変更後の組成推定条件に従って、前記分子イオンの質量に基づき前記分子イオンの組成を全体組成として推定する機能と、
    を含むことを特徴とするプログラム。
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