JP2018003905A - 等速自在継手用ブーツ、及びこのブーツを備えた動力伝達構造 - Google Patents

等速自在継手用ブーツ、及びこのブーツを備えた動力伝達構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2018003905A
JP2018003905A JP2016128839A JP2016128839A JP2018003905A JP 2018003905 A JP2018003905 A JP 2018003905A JP 2016128839 A JP2016128839 A JP 2016128839A JP 2016128839 A JP2016128839 A JP 2016128839A JP 2018003905 A JP2018003905 A JP 2018003905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boot
constant velocity
velocity universal
universal joint
flexible portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016128839A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6765231B2 (ja
Inventor
慎吾 吉永
Shingo Yoshinaga
慎吾 吉永
智茂 小林
Tomoshige Kobayashi
智茂 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2016128839A priority Critical patent/JP6765231B2/ja
Publication of JP2018003905A publication Critical patent/JP2018003905A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6765231B2 publication Critical patent/JP6765231B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Diaphragms And Bellows (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)

Abstract

【課題】所定の角度変位及び軸方向変位に追従して適正に変形可能としつつもドライブシャフトの全長を短くして、ドライブシャフト又はその周囲の設計自由度を高めることのできる新たなタイプのブーツを提供する。【解決手段】本発明に係る等速自在継手用ブーツ50は、アウトボード側等速自在継手20の継手部を覆う第一の可撓部51と、インボード側等速自在継手30の継手部を覆う第二の可撓部52と、第一の可撓部51を第二の可撓部52に連結する連結部53とを一体的に有する。連結部53は、第一の可撓部51と第二の可撓部52の何れに対しても小径で、第一の可撓部51のアウトボード側に、ブーツバンド57による第一の締め付け固定部54が設けられると共に、第二の可撓部52のインボード側に、ブーツバンド58による第二の締め付け固定部55が設けられ、かつ連結部53に、ブーツバンド59による第三の締め付け固定部56が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、等速自在継手用ブーツ、及びこのブーツを備えた動力伝達構造に関する。
例えば、自動車のトランスミッションから車輪に動力を伝達するドライブシャフトは、トランスミッションと車輪との相対的な位置関係の変化による角度変位と軸方向変位を許容する必要がある。そのため、ドライブシャフトは、一般的にトランスミッション側(インボード側)に摺動式等速自在継手を、車輪側(アウトボード側)に固定式等速自在継手を配設し、双方の等速自在継手を中間シャフトで連結した構造をなす。
また、摺動式等速自在継手又は固定式等速自在継手では、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物の侵入を防止するため、上記等速自在継手の外側継手部材と中間シャフトとの間にブーツが装着される。このブーツは、例えば金属製のブーツバンドを用いて、ブーツの大径側端部を外側継手部材に締め付け固定すると共に、小径側端部を中間シャフトに締め付け固定することにより各等速自在継手に取り付けられる(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、これら等速自在継手や中間シャフトの長手方向寸法(ドライブシャフトの幅方向寸法)は、車両に搭載されるトランスミッションなどのサイズに応じて適宜設計されるのが一般的である。そのため、例えば搭載されるべきトランスミッションの幅方向寸法が大きい場合、車両の幅方向寸法(車輪間距離)を所定の大きさに維持するために、ドライブシャフトの幅方向寸法を短くする必要がある。
詳述すると、図4に示すように、トランスミッション200が車両100のほぼ幅方向中央に位置している構成では、アウトボード側とインボード側ともに、現行サイズの等速自在継手120,130,160,170及び中間シャフト140,180を有するドライブシャフト110,150が適用される。この場合、アウトボード側の等速自在継手120,130と中間シャフト140との間にそれぞれ別個のブーツ151,152が取り付けられると共に、インボード側の等速自在継手160,170と中間シャフト180との間にそれぞれ別個のブーツ190,210が取り付けられる。これに対して、例えば図5に示すように、エンジン(図示は省略)など他の構成要素との兼ね合いで、トランスミッション200が車両100の幅方向一方に偏った位置に配設される構成をとる場合、トランスミッション200がオフセットした側(この図では、左側)に幅方向寸法が相対的に小さいドライブシャフト110(等速自在継手120,130又は中間シャフト140)を配置し、その反対側(図5の右側)に幅方向寸法が相対的に大きいドライブシャフト150(等速自在継手160,170又は中間シャフト180)を配置する必要が生じる。あるいは図6に示すように、トランスミッション200自体が車両100の幅方向に大型化する場合も考えられる。この場合には、図4に示す構成に比べて幅方向寸法が小さいドライブシャフト110,150(等速自在継手120,130,160,170又は中間シャフト140,180)をトランスミッション200の幅方向両側に配置する必要が生じる。
しかしながら、特許文献1に記載のように、ブーツの両端部をブーツバンドで締結した構造をとる場合には、各等速自在継手の外側継手部材だけでなく、中間シャフトにも、アウトボード側ブーツの小径側端部とインボード側ブーツの小径側端部をそれぞれ中間シャフトに締結するための部位(ブーツ締結部)が必要となる。そのため、幅方向寸法が小さい従来構成のブーツでは、中間シャフトにブーツ締結部二つ分の領域を確保しなければならず、結果として、中間シャフトの短小化を図ることができないといった問題があった。
一方、特許文献2には、各等速自在継手の継手部を覆う一対の可撓部と、一対の可撓部を連結し、各等速自在継手を連結するシャフトを覆うストレート部とを一体的に有するブーツが提案されている。
特開2016−17577号公報 特開2001−140849号公報
特許文献2に記載のブーツであれば、ストレート部に中間シャフトを挿入するだけで中間シャフトを覆うことができるので、中間シャフトにブーツ締結部を設けずに済む。よって、図5に示すように中間シャフトを短くするのに合わせて、ブーツのストレート部を短くすることで、ドライブシャフトの全長(幅方向寸法)が制限される場合であっても、各等速自在継手の継手部をブーツで覆うことができる。しかしながら、特許文献2に記載のブーツはその両端部(各可撓部の大径側端部)を外側継手部材と締結し、ストレート部を中間シャフトに固定しない取り付け構造をなすことから、各可撓部の伸縮状態が適正でない状態でブーツが外側継手部材に締結されるおそれがある。すなわち、このような一体型ブーツの取り付けに際しては、まずブーツのストレート部に中間シャフトを挿入した後、ブーツのアウトボード側端部を同じくアウトボード側の等速自在継手にブーツバンドで締結し、然る後、中間シャフトのインボード側端部をインボード側の等速自在継手に連結してブーツのインボード側端部を締結する。このように、ブーツのストレート部が中間シャフトに位置決め固定されていない状態で大径側端部を締結したのでは、蛇腹状をなす各可撓部の伸縮状態が安定しない。そのため、いわゆるアウトボード側でのブーツセット長さや、インボード側でのブーツ摺動長さが適正に得られないおそれがある。
以上の事情に鑑み、本明細書では、所定の角度変位及び軸方向変位に追従して適正に変形可能としつつもドライブシャフトの全長を短くして、ドライブシャフト又はその周囲の設計自由度を高めることのできる新たなタイプのブーツを提供することを、解決すべき技術的課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係る等速自在継手用ブーツにより達成される。すなわち、このブーツは、アウトボード側等速自在継手と、インボード側等速自在継手とをシャフトで連結してなる動力伝達構造に適用されるブーツであって、アウトボード側等速自在継手の継手部を覆う第一の可撓部と、インボード側等速自在継手の継手部を覆う第二の可撓部と、第一の可撓部を第二の可撓部に連結する連結部とを一体的に有し、連結部は、第一の可撓部と第二の可撓部の何れに対しても小径で、第一の可撓部のアウトボード側に、ブーツバンドによる第一の締め付け固定部が設けられると共に、第二の可撓部のインボード側に、ブーツバンドによる第二の締め付け固定部が設けられ、かつ連結部に、ブーツバンドによる第三の締め付け固定部が設けられている点をもって特徴付けられる。
このように、本発明では、従来のブーツバンド締結型のブーツ二つをその小径側端部で一体化した形状とし、これによりブーツの個数を一つとした。また、ブーツの大径側端部だけでなく、小径側端部としての連結部に、ブーツバンドによる締め付け固定部(第三の締め付け固定部)を設けるようにした。このようにブーツバンドによる締め付け固定部を連結部に設けることによって、アウトボード側等速自在継手とインボード側等速自在継手間の距離を短くできるだけでなく、これら継手を連結するシャフトにブーツの一部(連結部)を位置決め固定することができる。よって、上述したように可撓部の伸縮状態が安定しない事態を回避して、可撓部が適正な伸縮状態でブーツを取り付けることができる。もちろん、継手間距離を小さくすることで、省スペース化につながるので、これら継手周辺における動力伝達装置の設計自由度を高めることが可能となる。また、従来構成に比べて、ブーツの個数を二つから一つに減らすことができ、かつブーツバンドの数を四つ(小径側は二つ)から三つ(小径側は一つ)に減らすことができる。以上より計二つの部品を削減することができるので、部品コストだけでなく、管理コストを含めた製造コストの低減化を図ることが可能となる。さらに、連結部をブーツバンドでシャフトに締結可能としたので、当該締結部を境としてブーツの内側空間を二つに分割することができる。これにより、アウトボード側等速自在継手とインボード側等速自在継手それぞれに最適なグリース(潤滑剤)を選定し使用することが可能となる。従って、等速自在継手の更なる高性能化を図ることができ、あるいは所要の性能を維持しつつコストダウンを図ることが可能となる。
また、本発明に係る等速自在継手用ブーツは、第一の可撓部と第二の可撓部、及び連結部とが同一の材料で一体に成形されているものであってもよい。
このように、第一及び第二の可撓部と連結部を同一の材料で一体に成形することにより、各可撓部を別個に製作して相互に固定する手間が省ける。よって、このことによっても製造コストを低減することが可能となる。
また、本発明に係る等速自在継手用ブーツは、第一の可撓部と第二の可撓部、及び連結部とが何れも熱可塑性ポリエステル系エラストマーで形成されているものであってもよい。
このように上記構成の可撓部及び連結部を何れも熱可塑性ポリエステル系エラストマーで形成することによって、ブロー成形などの手段で上記構成のブーツを形成することができ、ブーツを作成する手段の自由度が高まる。
また、本発明に係る等速自在継手用ブーツは、連結部とシャフトとの接触領域の軸方向寸法が、第三の締め付け固定部の軸方向寸法の1.0倍以上でかつ1.5倍以下に設定されているものであってもよい。
このように連結部とシャフトとの接触領域の軸方向寸法を、第三の締め付け固定部の軸方向寸法との相対値で設定することによって、ブーツのうち、実質的に可撓部として機能する部分の長手方向寸法をできる限り大きくとることができる。これにより、シャフト又は等速自在継手が所定の作動角をとった場合にも、可撓部が抵抗なくスムーズに追従して変形することが可能となる。従って、等速自在継手の動力伝達挙動を阻害することなく優れたシール機能を発揮することが可能となる。もちろん、連結部とシャフトとの接触領域が小さいほど、シャフトを挿入する際の摺動抵抗も小さくなるため、ブーツの組付け作業も円滑に行うことができる。
また、前記課題の解決は、本発明に係る動力伝達機構によっても達成される。すなわち、この動力伝達機構は、アウトボード側等速自在継手と、インボード側等速自在継手と、アウトボード側等速自在継手とインボード側等速自在継手とを連結するシャフトと、ブーツと、アウトボード側等速自在継手とインボード側等速自在継手、及びシャフトにブーツを締め付け固定するための複数のブーツバンドとを備えたものにおいて、ブーツは、アウトボード側等速自在継手の継手部を覆う第一の可撓部と、インボード側等速自在継手の継手部を覆う第二の可撓部と、第一の可撓部を第二の可撓部に連結する連結部とを一体的に有し、この一体的に形成されたブーツは、第一の可撓部のアウトボード側がアウトボード側等速自在継手の外側継手部材の外周に第一のブーツバンドにより締め付け固定され、第二の可撓部のインボード側がインボード側等速自在継手の外側継手部材の外周に第二のブーツバンドにより締め付け固定され、かつ連結部がシャフトの外周に第三のブーツバンドにより締め付け固定されている点をもって特徴付けられる。
このように、本発明に係る動力伝達構造においても、ブーツバンドによる締め付け固定部を連結部に設けることによって、アウトボード側等速自在継手とインボード側等速自在継手間の距離を短くできるだけでなく、これら継手を連結するシャフトにブーツの一部(連結部)を位置決め固定することができる。よって、上述したように可撓部の伸縮状態が安定しない事態を回避して、可撓部が適正な伸縮状態でブーツを取り付けることができる。もちろん、継手間距離を小さくすることで、省スペース化につながるので、これら継手周辺における動力伝達装置の設計自由度を高めることが可能となる。また、従来構成に比べて、ブーツの個数並びにブーツバンドの数を減らすことができるので、部品コストだけでなく、管理コストを含めた製造コストの低減化を図ることが可能となる。さらに、連結部をブーツバンドでシャフトに締結可能としたので、当該締結部を境としてブーツの内側空間を二つに分割することができる。これにより、アウトボード側等速自在継手とインボード側等速自在継手それぞれに最適なグリース(潤滑剤)を選定し使用することが可能となる。従って、等速自在継手の更なる高性能化を図ることができ、あるいは所要の性能を維持しつつコストダウンを図ることが可能となる。
もちろん、この場合、上述した理由より、本発明に係る動力伝達構造は、第一の可撓部と第二の可撓部、及び連結部とが何れも熱可塑性ポリエステル系エラストマーで形成されていることが好ましい。
また、上述した理由より、本発明に係る動力伝達構造は、連結部とシャフトとの接触領域の軸方向寸法が、第三の締め付け固定部の軸方向寸法の1.0倍以上でかつ1.5倍以下に設定されていることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、所定の角度変位及び軸方向変位に追従して適正に変形可能としつつもドライブシャフトの全長を短くして、ドライブシャフト又はその周囲の設計自由度を高めることのできる新たなタイプのブーツ、又はこのブーツを備えた動力伝達構造を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るドライブシャフトを備えた前輪駆動系の要部の構成を模式的に示す図である。 図1に示すドライブシャフトの断面図である。 図2に示す等速自在継手用ブーツの断面図である。 従来の一形態に係る前輪駆動系の要部の構成を模式的に示す図である。 他形態に係る前輪駆動系の要部の構成を模式的に示す図である。 他形態に係る前輪駆動系の要部の構成を模式的に示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下の実施形態における等速自在継手としては、自動車のドライブシャフトに組み込まれ、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が如何なる作動角をとっても等速で回転トルクを伝達する構造を備えた固定式等速自在継手及び摺動式等速自在継手を例示する。
図1は、本発明の一実施形態に係る前輪駆動系の要部の構成を模式的に示す図である。図1にしめすように、この前輪駆動系は、車両100のエンジン(図示は省略)に隣接して配設されるトランスミッション200と、トランスミッション200の幅方向両側(ここでいう幅方向とは車両100の幅方向に一致し、図1でいえば左右方向に相当する)に配設されるドライブシャフト10,150とを備える。トランスミッション200が車両100の幅方向一方に偏って配置されているため、このトランスミッション200と連結されるドライブシャフト10,150の全長(幅方向寸法)を異ならせている。以下、本発明に係る幅方向左側(全長が相対的に短い側)のドライブシャフト10の詳細を説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るドライブシャフト10の一部断面図である。図2に示すように、このドライブシャフト10は本発明でいう動力伝達構造に相当するもので、アウトボード側(車輪側)の等速自在継手20と、インボード側(トランスミッション200側)の等速自在継手30と、アウトボード側等速自在継手20とインボード側等速自在継手30を連結する中間シャフト40、及びブーツ50を配設した構造をなす。本実施形態において、アウトボード側等速自在継手20は固定式等速自在継手、インボード側等速自在継手30は摺動式等速自在継手である。また、ここでいう中間シャフト40が、本発明でいうシャフトに相当する。アウトボード側等速自在継手20を構成する内側継手部材26には、中間シャフト40のアウトボード側端部40aが連結されると共に、インボード側等速自在継手30を構成する内側継手部材(ここではトリポード部材32のボス36)には、中間シャフト40のインボード側端部40bが連結されている。まず、アウトボード側等速自在継手20の構成を説明する。
アウトボード側等速自在継手20は、図2に示すように、軸方向に伸びる円弧状のトラック溝21が球面状内周面22の円周方向複数箇所に形成された外側継手部材23と、外側継手部材23のトラック溝21と対をなして軸方向に伸びる円弧状のトラック溝24が球面状外周面25の円周方向複数箇所に形成された内側継手部材26と、外側継手部材23のトラック溝21と内側継手部材26のトラック溝24との間に介在してトルクを伝達するボール27と、外側継手部材23の球面状内周面22と内側継手部材26の球面状外周面25との間に配設されてボール27を保持するケージ28とを備える。
インボード側等速自在継手30は、図3に示すように、いわゆるダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手であり、外側継手部材31と、トリポード部材32、及びローラユニット33とを主に備える。
外側継手部材31の内周面には、軸方向に伸びる三本の直線状トラック溝34(図2では一本のトラック溝34のみが表示されている。)が円周方向等間隔に形成される。各トラック溝34は、その内側両壁に互いに対向する一対のローラ案内面35(図3では一方のローラ案内面35のみが表示されている。)を有する。ローラ案内面35は円弧状断面を有し、外側継手部材31の軸線方向に直線状に延びる。
トリポード部材32は、図示は省略するが、円筒状をなすボス36の外周面に、ボス36の半径方向に伸びる三本の脚軸37が円周方向等間隔(120°間隔)で一体的に形成されたものである。脚軸37は、その先端がトラック溝34の底部付近まで半径方向に延在している。ボス36の軸孔には、中間シャフト40のインボード側端部40bがスプライン嵌合等により連結されている。
上記構成のインボード側等速自在継手30においては、トリポード部材32の脚軸37と外側継手部材31のローラ案内面35とがローラユニット33を介して二軸の回転方向に係合することにより、駆動側から従動側へ回転トルクが等速で伝達される。また、ローラユニット33が脚軸37に対して回転しながらローラ案内面35上を転動することにより、外側継手部材31とトリポード部材32との間の相対的な軸方向変位や角度変位が許容される。
ブーツ50は、図3に示すように、一対の可撓部51,52と、一対の可撓部51,52を連結する連結部53とを一体的に有する。ここで、第一の可撓部51は、図2に示すように、アウトボード側等速自在継手20の継手部(主に外側継手部材23の開口側)及び中間シャフト40のアウトボード側を覆うと共に、第二の可撓部52は、インボード側等速自在継手30の継手部(主に外側継手部材31の開口側)及び中間シャフト40のインボード側を覆っている。また、一対の可撓部51,52の間に配設される連結部53は、中間シャフト40のうち一対の可撓部51,52で覆われていない部分(幅方向中央)を覆っている。
各可撓部51,52は、図3に示すように、いわゆる蛇腹状をなすもので、複数の山部51a,52aと谷部51b,52bとが交互につながった形態をなしている。アウトボード側等速自在継手20の側を覆う第一の可撓部51の山部51aの外径寸法は、図2及び図3に示すように、ブーツ50の長手方向一端側(ここではアウトボード側)から長手方向中央側(インボード側)に向かうにつれて縮小している。インボード側等速自在継手30の側を覆う第二の可撓部52の山部52aの外径寸法は、図2及び図3に示すように、ブーツ50の長手方向他端側(ここではインボード側)から長手方向中央側(アウトボード側)に向かうにつれて縮小している。また、第一の可撓部51の谷部51bの内径寸法は、図2及び図3に示すように、ブーツ50の長手方向一端側(ここではアウトボード側)から長手方向中央側(インボード側)に向かうにつれて縮小している。第二の可撓部52の谷部52bの内径寸法は、図2及び図3に示すように、ブーツ50の長手方向他端側(ここではインボード側)から長手方向中央側(アウトボード側)に向かうにつれて縮小している。
また、連結部53との関係でいえば、上述した各可撓部51,52の山部51a,52aの外径寸法よりも小さくなるよう、連結部53の外径寸法が設定されている。
アウトボード側に位置する第一の可撓部51のアウトボード側端部には、図2に示すように、対応するブーツバンド(第一のブーツバンド57とする)による第一の締め付け固定部54が設けられている。インボード側に位置する第二の可撓部52のインボード側端部には、対応するブーツバンド(第二のブーツバンド58とする)による第二の締め付け固定部55が設けられている。また、一対の可撓部51,52の間に配設される連結部53には、対応するブーツバンド(第三のブーツバンド59とする)による第三の締め付け固定部56が設けられている。本実施形態では、図2に示すように、第一の締め付け固定部54は、第一のブーツバンド57の締め付けにより、アウトボード側等速自在継手20の外側継手部材23の外周面29のインボード側に固定されている。また、第二の締め付け固定部55は、第二のブーツバンド58の締め付けにより、インボード側等速自在継手30の外側継手部材31の外周面38のアウトボード側に固定されている。また、第三の締め付け固定部56は、第三のブーツバンド59の締め付けにより、中間シャフト40の長手方向中央に位置する大径部42の外周面41に固定されている。
また、この際、図3に示すように、第三の締め付け固定部56が第三のブーツバンド59(図2を参照)により中間シャフト40の大径部42に締め付け固定された状態(図3中、二点鎖線で示す状態)において、連結部53と中間シャフト40との接触領域の軸方向寸法L1は、例えば第三の締め付け固定部56の軸方向寸法L2の1.0倍以上でかつ1.5倍以下に設定されている。
なお、ここで使用されるブーツバンド57〜59については、公知の任意の構成をなすものが使用可能である。ただし、外径寸法が相対的に小さい連結部53(第三の締め付け固定部56)の締め付けに使用されるブーツバンド(第三のブーツバンド59)については、取り付け作業性の観点から、一端が開放された帯状(あるいは閉じていない環形状)に形成され、中間シャフト40の大径部42に対して、その長手方向に直交する向き(半径方向)からアプローチ可能な構造をなすものが好ましい。
ブーツ50は、各等速自在継手20,30が所定の作動角をとりながら回転する際、等速自在継手20,30の挙動(角度変位、軸方向変位)に追従できる程度の柔軟性を確保する必要があることから、例えばゴム又は樹脂で形成される。ゴム素材としては、表面硬さがHs50以上でかつHs70以下を示すものが好適である。具体例としてクロロプレンゴムあるいはシリコンゴム等が挙げられる。また、樹脂素材としては、表面硬さがHD38以上でかつHD50以下を示すものが好適である。具体例として熱可塑性ポリエステル系エラストマーまたは熱可塑性ポリエステル系エラストマーを含む組成物等が挙げられる。特に、上述の如き熱可塑性エラストマーであれば、その性質(熱可塑性)を利用することで、ゴムに比べて成形手段の自由度が比較的高いので、長手方向中央(連結部53)がその両端側(各可撓部51,52)よりも小径なブーツ50であっても、例えばブロー成形などで比較的容易に一体成形することが可能となる。
このように、本発明では、アウトボード側等速自在継手20の継手部を覆う第一の可撓部51と、インボード側等速自在継手30の継手部を覆う第二の可撓部52とを連結部53により一体化した形状とし、これによりブーツ50の個数を一つとした。また、ブーツ50の大径側端部に第一及び第二のブーツバンド57,58による第一及び第二の締め付け固定部54,55を設けると共に、ブーツ50の小径側端部としての連結部53に、第三のブーツバンド59による第三の締め付け固定部56を設けるようにした。このように第三のブーツバンド59による第三締め付け固定部56を連結部53に設けることによって、アウトボード側等速自在継手20とインボード側等速自在継手30間の距離を短くできるだけでなく、これら等速自在継手20,30を連結する中間シャフト40にブーツ50の一部(連結部53)を位置決め固定することができる。よって、上述したように可撓部51,52の伸縮状態が安定しない事態を回避して、可撓部51,52が適正な伸縮状態でブーツ50を取り付けることができる。もちろん、上記等速自在継手20,30間の距離を小さくすることで、省スペース化につながるので、これら等速自在継手20,30周辺における動力伝達装置(トランスミッション200、エンジンなど)の設計自由度を高めることが可能となる。また、従来構成に比べて、ブーツの数とブーツバンドの数をそれぞれ一つ減らすことができるので、部品コストだけでなく、管理コストを含めた製造コストの低減化を図ることが可能となる。さらに、連結部53を第三のブーツバンド59で中間シャフト40に締結可能としたので、当該締結部を境としてブーツ50の内側空間を二つに分割することができる(図2を参照)。これにより、アウトボード側等速自在継手20とインボード側等速自在継手30それぞれに最適なグリース(潤滑剤)を選定し使用することが可能となる。従って、各等速自在継手20,30の更なる高性能化を図ることができ、あるいは所要の性能を維持しつつコストダウンを図ることが可能となる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、もちろんブーツ50は、本発明の範囲内において、他の形態を採ることも可能である。
すなわち、上記実施形態では、一対の可撓部51,52と連結部53を同一の材料で一体成形してなるブーツ50を例示したが、もちろんこれ以外の構成をとることも可能である。例えば第一〜第三の締め付け固定部57〜59の一部又は全部を金属製のインサートとし、残部を上述した樹脂又はエラストマーで一体的に成形(インサート成形)することも可能である。
また、以上の説明では、本発明に係るアウトボード側等速自在継手20として、ツェッパ型等速自在継手を例示したが、もちろん、アンダーカットフリー型など他の形式の固定式等速自在継手に適用することも可能である。同様に、以上の説明では、本発明に係るインボード側等速自在継手30として、ダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手を例示したが、シングルローラタイプのトリポード型等速自在継手はもちろん、ダブルオフセット型等速自在継手やクロスグループ型等速自在継手など、トリポード型以外の形式の摺動式等速自在継手に適用することも可能である。
また、以上の説明では、ドライブシャフト10の一部をなす等速自在継手20,30に本発明に係るブーツを適用した場合を例示したが、本発明に係るブーツは、プロペラシャフトなど他の回転軸はもちろんのこと種々の動力伝達構造に適用することが可能である。
10,110,150 ドライブシャフト
20,120,160 アウトボード側等速自在継手
23 外側継手部材
30,130,170 インボード側等速自在継手
30 摺動式等速自在継手
31 外側継手部材
40,140,180 中間シャフト
50 ブーツ(本発明)
51,52 可撓部
53 連結部
54,55,56 締め付け固定部
57,58,59 ブーツバンド
100 車両
151,152,190,210 ブーツ(従来)
200 トランスミッション

Claims (7)

  1. アウトボード側等速自在継手と、インボード側等速自在継手とをシャフトで連結してなる動力伝達構造に適用されるブーツであって、
    前記アウトボード側等速自在継手の継手部を覆う第一の可撓部と、前記インボード側等速自在継手の継手部を覆う第二の可撓部と、前記第一の可撓部を前記第二の可撓部に連結する連結部とを一体的に有し、
    前記連結部は、前記第一の可撓部と前記第二の可撓部の何れに対しても小径で、
    前記第一の可撓部のアウトボード側に、ブーツバンドによる第一の締め付け固定部が設けられると共に、前記第二の可撓部のインボード側に、ブーツバンドによる第二の締め付け固定部が設けられ、かつ
    前記連結部に、ブーツバンドによる第三の締め付け固定部が設けられている等速自在継手用ブーツ。
  2. 前記第一の可撓部と前記第二の可撓部、及び前記連結部とが同一の材料で一体に成形されている請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
  3. 前記第一の可撓部と前記第二の可撓部、及び前記連結部とが何れも熱可塑性ポリエステル系エラストマーで形成されている請求項1又は2に記載の等速自在継手用ブーツ。
  4. 前記連結部と前記シャフトとの接触領域の軸方向寸法は、前記第三の締め付け固定部の軸方向寸法の1.0倍以上でかつ1.5倍以下に設定されている請求項1〜3の何れかに記載の等速自在継手用ブーツ。
  5. アウトボード側等速自在継手と、インボード側等速自在継手と、前記アウトボード側等速自在継手と前記インボード側等速自在継手とを連結するシャフトと、ブーツと、前記アウトボード側等速自在継手と前記インボード側等速自在継手、及び前記シャフトに前記ブーツを締め付け固定するための複数のブーツバンドとを備えた動力伝達構造において、
    前記ブーツは、前記アウトボード側等速自在継手の継手部を覆う第一の可撓部と、前記インボード側等速自在継手の継手部を覆う第二の可撓部と、前記第一の可撓部を前記第二の可撓部に連結する連結部とを一体的に有し、
    前記一体的に形成されたブーツは、前記第一の可撓部のアウトボード側が前記アウトボード側等速自在継手の外側継手部材の外周に第一のブーツバンドにより締め付け固定され、
    前記第二の可撓部のインボード側が前記インボード側等速自在継手の外側継手部材の外周に第二のブーツバンドにより締め付け固定され、かつ
    前記連結部が前記シャフトの外周に第三のブーツバンドにより締め付け固定されていることを特徴とする動力伝達構造。
  6. 前記第一の可撓部と前記第二の可撓部、及び前記連結部とが何れも熱可塑性ポリエステル系エラストマーで形成されている請求項5に記載の動力伝達構造。
  7. 前記連結部と前記シャフトとの接触領域の軸方向寸法は、前記第三の締め付け固定部の軸方向寸法の1.0倍以上でかつ1.5倍以下に設定されている請求項5又は6に記載の動力伝達構造。
JP2016128839A 2016-06-29 2016-06-29 等速自在継手用ブーツ、及びこのブーツを備えた動力伝達構造 Expired - Fee Related JP6765231B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016128839A JP6765231B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 等速自在継手用ブーツ、及びこのブーツを備えた動力伝達構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016128839A JP6765231B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 等速自在継手用ブーツ、及びこのブーツを備えた動力伝達構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018003905A true JP2018003905A (ja) 2018-01-11
JP6765231B2 JP6765231B2 (ja) 2020-10-07

Family

ID=60947740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016128839A Expired - Fee Related JP6765231B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 等速自在継手用ブーツ、及びこのブーツを備えた動力伝達構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6765231B2 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5471054U (ja) * 1977-10-27 1979-05-21
JPS61128424U (ja) * 1985-01-29 1986-08-12
JPH0768561A (ja) * 1994-05-23 1995-03-14 Kyoraku Co Ltd ベローズ製造用金型装置
JP2001140849A (ja) * 1999-11-17 2001-05-22 Ntn Corp ドライブシャフト
JP2004138175A (ja) * 2002-10-18 2004-05-13 Toyoda Gosei Co Ltd 等速ジョイント用ブーツ
JP2010151175A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Fukoku Co Ltd 等速ジョイント用樹脂製ブーツ
JP2013142465A (ja) * 2012-01-12 2013-07-22 Suzuki Motor Corp ステアリング用等速ジョイントのシール構造
JP2014031804A (ja) * 2012-08-01 2014-02-20 Nippon Soken Inc 車両用ドライブシャフト
JP2016038048A (ja) * 2014-08-08 2016-03-22 本田技研工業株式会社 等速ジョイント及びその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5471054U (ja) * 1977-10-27 1979-05-21
JPS61128424U (ja) * 1985-01-29 1986-08-12
JPH0768561A (ja) * 1994-05-23 1995-03-14 Kyoraku Co Ltd ベローズ製造用金型装置
JP2001140849A (ja) * 1999-11-17 2001-05-22 Ntn Corp ドライブシャフト
JP2004138175A (ja) * 2002-10-18 2004-05-13 Toyoda Gosei Co Ltd 等速ジョイント用ブーツ
JP2010151175A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Fukoku Co Ltd 等速ジョイント用樹脂製ブーツ
JP2013142465A (ja) * 2012-01-12 2013-07-22 Suzuki Motor Corp ステアリング用等速ジョイントのシール構造
JP2014031804A (ja) * 2012-08-01 2014-02-20 Nippon Soken Inc 車両用ドライブシャフト
JP2016038048A (ja) * 2014-08-08 2016-03-22 本田技研工業株式会社 等速ジョイント及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6765231B2 (ja) 2020-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2016136355A1 (ja) 等速自在継手
JP2008082393A (ja) 自動車用駆動軸
JP6765231B2 (ja) 等速自在継手用ブーツ、及びこのブーツを備えた動力伝達構造
JP6305744B2 (ja) 等速自在継手
JP2008309223A (ja) トリポード型等速自在継手用ブーツ
JP2012237333A (ja) ブーツバンド
JP2007146932A (ja) 等速自在継手用ブーツ
JP2013087915A (ja) 等速自在継手
JP2008002666A (ja) ドライブシャフト
JP2010025207A (ja) 等速自在継手
JP6253933B2 (ja) 等速自在継手
JP2018084306A (ja) 等速自在継手のシール構造
JP2013234733A (ja) 等速自在継手
WO2018221366A1 (ja) 樹脂ブーツ
JP4762790B2 (ja) 継手アッセンブリ体
JP2021143729A (ja) シール用弾性ブーツおよびこれを備えるシールアセンブリ
JP2018053926A (ja) 等速自在継手
JP2013083331A (ja) 等速自在継手
JP2018004018A (ja) 摺動式等速自在継手
JP2018105383A (ja) 等速自在継手
JP2012127369A (ja) 等速自在継手
JP2012163170A (ja) 等速自在継手
JP2020041662A (ja) 摺動式等速自在継手
JP2019124319A (ja) 等速自在継手
JP2012163171A (ja) 等速自在継手

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200327

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200902

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6765231

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees