JP2014031804A - 車両用ドライブシャフト - Google Patents

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Kentaro Yutani
健太郎 湯谷
Jun Iwade
純 岩出
Hiroyuki Takigami
広行 滝上
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Abstract

【課題】ブーツの内部温度が高温まで上昇した後に急低下しても、ブーツの内部圧力が負圧になることを防止できる車両用ドライブシャフトを提供する。
【解決手段】この車両用ドライブシャフト1は、一端部7aに開口部7bを有すると共に内部に開口部7bに連通する圧力調整室7cを有する中空ドライブシャフト7と、中空ドライブシャフト7の一端部7aに連結された等速自在継手9と、中空ドライブシャフト7と等速自在継手9との連結部を被覆すると共に内部にグリース19が充填されたブーツ13と、開口部7bを被覆して一端部7aに配設され、空気の通過を許容する一方、グリース19の通過を規制する通気性フィルタ17とを備え、ブーツ13の容積V1と圧力調整室7cの容積V2との間に、式2の関係が成立する。
【選択図】図1

Description

本発明は、中空ドライブシャフトと等速自在継手との連結部がブーツにより被覆された車両用ドライブシャフトに関する。
自動車等の車両では、デファレンシャルギヤと駆動輪との間には、デファレンシャルギヤの駆動力を駆動輪に伝達するドライブシャフトが連結されている(例えば特許文献1)。
特許文献1の車両用ドライブシャフトは、中空ドライブシャフトと、前記中空ドライブシャフトの両端にそれぞれ連結された等速自在継手と、中空ドライブシャフトと等速自在継手との連結部を被覆するブーツとを備えている。等速自在継手の内部には、潤滑剤が封入されている。また、ブーツの内表面には、気体の通過を許容するが潤滑剤の通過は阻止する通気性フィルタが配設されている。この車両用プロペラシャフトでは、通気性フィルタにより、潤滑剤がブーツから染み出すことを防止しつつ、ブーツの内部圧力を一定(大気厚)に保つことができる。
特開2008−232302号公報
しかしながら、特許文献1の車両用ドライブシャフトでは、ブーツの内部温度の高温状態が続くと、ブーツの内部の空気がブーツの外部に徐々に抜ける。そして、その後、ブーツの内部温度が急低下すると、ブーツの内部圧力が急低下するが、その際、その急低下に対し、ブーツの外部から内部への空気の流入が追い付かず、外部に抜けた空気の分だけ、ブーツの内部圧力が負圧になる。この負圧により、ブーツの蛇腹部分での摩耗およびブーツの不可逆的変形が発生する場合がある。
そこで、本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、ブーツの内部温度が高温まで上昇した後に急低下しても、ブーツの内部圧力が負圧になることを防止できる車両用ドライブシャフトを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のドライブシャフトは、一端部に開口部を有すると共に内部に前記開口部に連通する圧力調整室を有する中空ドライブシャフトと、前記中空ドライブシャフトの前記一端部に連結された等速自在継手と、前記中空ドライブシャフトと前記等速自在継手との連結部を被覆すると共に内部にグリースが充填されたブーツと、 前記開口部を被覆して前記一端部に配設され、空気の通過を許容する一方、前記グリースの通過を規制する通気性フィルタと、を備えた車両用ドライブシャフトにおいて、前記ブーツの容積V1と前記圧力調整室の容積V2との間に、式2の関係が成立することを特徴とする。
Figure 2014031804
上記の構成によれば、ブーツの容積V1と圧力調整室の容積V2との間に式2の関係が成立するので、ブーツの内部温度が高温まで上昇した後に急低下しても、ブーツの内部圧力が負圧になることを防止できる。
本発明の車両用ドライブシャフトによれば、ブーツの内部温度が高温まで上昇した後に急低下しても、ブーツの内部圧力が負圧になることを防止できる。
本発明の第1実施形態に係る車両用ドライブシャフトの断面概略図である。 車両用ドライブシャフトのブーツの内部温度の時間変化の一例および前記ブーツの内部圧力差の時間変化の一例を示した図である。 常温時および飽和温度時のブーツおよび圧力調整室の各々の内部圧力、容積および内部温度の一例を示す図である。 本発明の変形例1に係る車両用ドライブシャフトの断面概略図である。 本発明の変形例2に係る車両用ドライブシャフトの断面概略図である。 本発明の変形例3に係る車両用ドライブシャフトの断面概略図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
<構成説明>
図1は、この実施形態に係る車両用ドライブシャフトの断面概略図である。
この実施形態に係る車両用ドライブシャフト1は、図1に示すように、駆動輪3とデファレンシャルギヤ5との間に連結されて、デファレンシャルギヤ5の駆動力を駆動輪3に伝達するものであり、より詳細には、中空ドライブシャフト7の内部にブーツ13と通気可能な圧力調整室7cを設けて、ブーツ13の内部温度の高温時に、ブーツ13の内部から外部に空気が抜けることを防止することで、その後のブーツ13の常温時に、ブーツ13の内部圧力が負圧(即ち、外気圧未満の圧力)になることを防止したものである。
この車両用ドライブシャフト1は、中空ドライブシャフト7と、中空ドライブシャフト7の両端にそれぞれ連結された等速自在継手9,11と、中空ドライブシャフト7と各等速自在継手9,11との連結部を被覆する各弾性ブーツ13,15とを備えている。
中空ドライブシャフト7は、例えば円柱状に形成され、その一端部7aに開口部7bが形成されると共にその内部に開口部7bと連通した空洞状の圧力調整室7cが形成されている。また、中空ドライブシャフト7の一端部7aには、開口部7bを被覆するように通気性フィルタ17が配設される。この通気性フィルタ17は、空気の通過を許容する一方、等速自在継手13内に充填される後述のグリースの通過を規制(禁止)するフィルタである。なお、圧力調整室7cの容積は、後述のように、ブーツ13の内部温度の高温時に、ブーツ13の内部から外部に空気が抜けないように設定される。
等速自在継手9は、例えば固定式の等速自在継手として構成されており、外側継手部材としての外輪9aと、内側継手部材としての内輪9bと、外輪9aと内輪9bとの間に配置された複数のボール9cと、各ボール9cを保持するケージ9dとを備えている。
外輪9aは、例えば、開口部9mを有する中空の半球状に形成され、その外周面における開口部9mの反対側には、駆動輪3が連結される回転軸部9nが外輪9aの中心軸Q1方向に沿って外側に突出されて形成されている。また、外輪9aの内周面9eには、複数のトラック溝9fが中心軸Q1方向に沿って形成されている。
内輪9bは、例えば筒状に形成され、外輪9aの内部に配置される。内輪9bの外周面9gには、外輪9aのトラック溝9fと対をなす複数のトラック溝9hが内輪9bの中心軸Q2方向に沿って形成されている。内輪9bの中心孔9jには、中空ドライブシャフト7の端部7a側が同心軸状に嵌合固定されている。
各ボール9cは、外輪9aのトラック溝9fと内輪9bのトラック溝9hとの間に配置される。
ゲージ9dは、例えば筒状に形成され、その周壁に、各ボール9cを保持する複数のポケット9iが形成されている。ゲージ9dは、外輪9aの内周面9eと内輪9bの外周面9gとの間に配置され、各ポケット9i内にそれぞれ各ボール9cが配置されることで、ボール9cを保持する。
この構成により、この等速自在継手9では、外輪9aの中心軸Q1と内輪9bの中心軸Q2との斜交角度が所定の角度範囲内で角度変位自在となるように、内輪9bが外輪9aに取り付けられている。これにより、等速自在継手9は、中空ドライブシャフト7の回転軸と駆動輪3の回転軸との斜交角度が所定の角度範囲内で角度変位自在となるように、中空ドライブシャフト7と駆動輪3とを連結する。
等速自在継手11は、例えば摺動式の等速自在継手として構成されており、外側継手部材としての外輪11aと、内側継手部材としての内輪11bと、内輪11bに配設された複数のローラ11cとを備えている。
外輪11aは、例えば有底筒状に形成され、その底部には、デファレンシャルギヤ5が連結される回転軸部11eが外輪11aの中心軸Q3方向に沿って外側に突出されて形成されている。また、外輪11aの内周面11fには、複数のトラック溝11gが中心軸Q3方向に沿って形成されている。
内輪11bは、例えば筒状に形成され、外輪11aの内部に配置される。内輪11bの外周面11hには、外輪11aのトラック溝11fと対を成なす複数の回転軸部11iが内輪11bの径方向(即ち、内輪11bの中心軸Q4に直交する方向)に形成されている。内輪11bの中心孔11jには、中空ドライブシャフト7の端部7d側が同心軸状に嵌合固定されている。
各ローラ11cはそれぞれ、内輪11bの各回転軸部11iに回転自在に配設され、外輪11aのトラック溝11g内に配置される。
この構成により、この等速自在継手11では、外輪11aの中心軸Q3と内輪11bの中心軸Q4との斜交角度が所定の角度範囲内で角度変位自在となり、且つ外輪11aの中心軸Q3と内輪11bの中心軸Q4とが中心軸Q3方向に所定範囲内で互いに平行移動自在となるように、内輪11bが外輪11aに取り付けられている。これにより、等速自在継手11は、中空ドライブシャフト7の回転軸とデファレンシャルギヤ5の回転軸との斜交角度が所定の角度範囲内で角度変位自在となり、且つ中空ドライブシャフト7とデファレンシャルギヤ5とが中心軸Q3方向に所定範囲内で互いに平行移動自在となるように、中空ドライブシャフト7とデファレンシャルギヤ5とを連結する。
各ブーツ13,15は、弾性部材(例えばゴムまたは可撓性部材)により筒状に形成されている。ブーツ13(15)は、等速自動継手9(11)の外輪9a(11a)に外嵌状に固定される大径取付部13a(15a)と、中空ドライブシャフト7に外嵌状に固定される小径取付部13b(15b)と、両取付部13a,13b(15a,15b)を一体的に連結する筒状の蛇腹部13c(15c)とから構成される。以下の説明では、駆動輪3側のブーツ13をアウターブーツ13と呼び、デファレンシャルギヤ5側のブーツ15をインナーブーツ15と呼ぶ場合がある。
各等速自動継手9,11および各ブーツ13,15の各々の内部には、グリース19が充填されている。
この車両用ドライブシャフト1では、圧力調整室7cの内部は、等速自在継手9の内部の隙間を通じてブーツ13の内部と通気可能であるので、圧力調整室7cの内部圧力は、常に、ブーツ13の内部圧力と同じになる。
<圧力調整室7cの容積の設定方法>
まず、圧力調整室7cの容積の設定方法を説明する前に、従来の車両用ドライブシャフトのブーツの内部圧力が負圧になる現象について説明する。
図2(a)は、車両用ドライブシャフトのブーツの内部温度t1の時間変化の一例を示したグラフであり、この実施形態の車両用ドライブシャフト1と従来の車両用ドライブシャフトとで共通のグラフである。図2(b)は、車両用ドライブシャフトのブーツの内部圧力差psの時間変化の一例を示したブラフであり、実線20が、従来の車両用ドライブシャフトのブーツの内部圧力差psの時間変化を示し、点線21が、この実施形態の車両用ドライブシャフト1のブーツ13の内部圧力差psの時間変化を示す。
なお、内部圧力差psは、ブーツの内部圧力p1から外気圧P(P=例えば100〔kPa(キロパスカル)〕)を引いた圧力差(即ちps=p1−P)であり、ps>0の時は、ブーツの内部圧力p1は正圧(即ち、外気圧よりも大きい圧力)になり、ps<0の時は、ブーツの内部圧力p1は負圧になる。
従来の車両用ドライブシャフトでは、ブーツの内部圧力差psは、図2(b)の実線20のように、ブーツの内部温度t1の時間変化に伴って時間変化する。例えば、区間Aでは、当初、ブーツの内部温度t1は常温T(即ち、外気温と同じ温度、例えば27℃)であり、この常温Tでのブーツの内部圧力差psは値0になる。そして、ブーツの内部温度t1は、車両の高速走行時またはステアリングの切れ角が大きい時に、車両の駆動部品から発生する摩擦熱により、急上昇する。そして、ブーツの内部圧力差psは、ブーツ内部の密閉性によりブーツの内部温度t1の上昇に伴って増加する。そして、ブーツの内部圧力差psが閾値圧力差Pm(=例えば35kPa)以上になると、ブーツ内部の空気が外部に抜ける。
そして、区間Bでは、ブーツの内部温度t1が飽和温度T1(即ち、車両の駆動部品の発熱によるブーツの内部温度t1の取り得る最高温度、例えば150℃)に達して飽和すると、ブーツの内部圧力差psは飽和圧力差Pn(=例えば47〔kPa〕)に達してブーツ内部の空気の熱膨張は停止するが、ブーツの内部圧力差psが閾値圧力差Pm以上である間は、ブーツ内部の空気が外部に抜け続けるため、ブーツの内部圧力差psは低下する。
そして、区間Cでは、ブーツの内部圧力差psが閾値圧力差Pmまで低下すると、ブーツ内部の空気の外部への抜けが止まる。
そして、区間Dでは、車両の停止等により駆動部品の発熱が急低下して値0に収束すると、ブーツの内部温度t1が急低下して常温Tに収束する。これに伴って、ブーツの内部圧力差psも急低下する。その際、ブーツの内部温度t1の急低下により、ブーツの外部から内部への空気の吸入が間に合わず、ブーツの内部圧力差psは、区間Bで外部に抜けた空気による圧力差(=Pn−Pm)の分だけ、負値になって収束する(即ち、ブーツの内部圧力p1が負圧になる)。このようにして、従来の車両用ドライブシャフトのブーツの内部圧力p1が負圧になる。
次に、この実施形態の圧力調整室7cの容積の設定方法を説明する。
上述のように、従来の車両用ドライブシャフトでは、ブーツの内部温度t1が高温(即ち、閾値圧力差Pmに対応する閾値温度Tmを超える任意温度)の時に、ブーツの内部圧力差psが閾値圧力差Pmを超えて(即ち、ブーツの内部圧力p1が閾値圧力P’(=Pm+P)を超えて)ブーツ内部からの空気抜けが発生することで、その後、ブーツの内部温度t1が常温Tへと低下した時に、ブーツの内部圧力差psが負値になる(即ち、ブーツの内部圧力p1が負圧になる)。
これを踏まえて、この実施形態では、ブーツ13の内部圧力p1が負圧になることを防止するために、ブーツ13の内部温度t1が高温の時に、ブーツ13の内部圧力p1が閾値圧力P’を超えないように(即ち、ブーツ13の内部温度t1が飽和温度T1の時に、ブーツ13の内部圧力p1が閾値圧力P’を超えないように)、圧力調整室7cの容積が設定される。
ここで、計算便宜上、先ず、ブーツ13の内部温度t1が飽和温度T1の時に、ブーツ13の内部圧力p1が閾値圧力P’になるように、圧力調整室7cの容積が設定される場合を考える。
この場合は、図3に示すように、ブーツ13の容積をV1とし、圧力調整室7cの容積をV2とすると、ブーツ13の内部温度t1が常温Tの時は、圧力調整室7cの内部温度t2も常温Tとなり、ブーツ13の内部圧力p1および圧力調整室7cの内部圧力p2は共に大気圧Pに等しくなる。また、ブーツ13の内部温度t1が飽和温度T1の時は、圧力調整室7cの内部温度t2は温度T2となり、ブーツ13の内部圧力p1および圧力調整室7cの内部圧力p2は共に、閾値圧力P’になる。なお、図3は、ブーツ13の内部温度t1が常温Tの時および飽和温度T1の時のブーツ13および圧力調整室7cの各々の内部圧力、容積および内部温度の一例を示す図である。
そして、ブーツ13および圧力調整室7cの各々の内部の空気に対して、上記の常温時と飽和温度時との間で、ボイルシャルルの法則を適用すると、式1の関係が成立する。
Figure 2014031804
即ち、ブーツ13の内部温度t1が飽和温度T1の時にブーツ13の内部圧力p1が閾値圧力P’になるには、圧力調整室7cの容積V2は、ブーツ13の容積V1との間で式1の関係が成立するように設定されればよい。
よって、ブーツ13の内部温度t1が飽和温度T1の時にブーツ13の内部圧力p1が閾値圧力P’を超えないためには、圧力調整室7cの容積V2は、ブーツ13の容積V1との間で式2の関係が成立するように設定されればよい。
Figure 2014031804
式2において、例えば、T1=150+273〔K〕=423〔K〕、T=T2=27+273〔K〕=300〔K〕、P=100〔kPa〕(なお、大気圧Pは正確には101.3〔kPa〕であるが、簡易的に100〔kPa〕とする)、P’=135〔kPa〕と置くと、V2/V1≧0.121となる。即ち、圧力調整室7cの内部温度t2がt2=T2=300〔K〕(=27〔℃〕)の場合は、圧力調整室7cの容積V2がブーツ13の容積V1の12.1%以上の大きさに設定されれば、ブーツ13の内部温度t1が高温まで上昇した後に急低下しても、ブーツ13の内部圧力p1が負圧になることが防止される。
なお、上記の説明から分かるように、閾値圧力P’は、ブーツ13の内部からの空気抜けが発生するブーツ13の内部の閾値圧力である。また、常温Tは、ブーツ13の内部圧力p1が大気圧Pと等しくなる時のブーツ13の内部温度である。なお、常温Tは、例えば27℃であるが、この値に限定されず、ブーツ13の内部圧力p1が大気圧Pと等しくなる時のブーツ13の内部温度t1であれば、どのような値でもよい。また、飽和温度T1は、ブーツ13の内部の飽和温度である。なお、飽和温度T1は、車両用ドライブシャフト1の使用環境によって異なる温度となる。また、温度T2は、ブーツ13の内部温度t1が飽和温度T1の時の圧力調整室7cの内部温度t2である。
<主要な効果>
以上のように構成された車両用ドライブシャフト1によれば、ブーツ13の容積V1と圧力調整室7cの容積V2との間に式2の関係が成立するので、ブーツ13の内部温度t1が高温まで上昇した後に急低下しても、ブーツ13の内部圧力p1が負圧になることを防止できる。これにより、ブーツ13の内部圧力p1が負圧になることが原因となって、ブーツ13の蛇腹部分での摩耗およびブーツ13の不可逆的変形が発生することを防止できる。
≪変形例1≫
この変形例は、第1実施形態において、圧力調整室7cの形状が変更されたものである。以下、図4に基づいて、この変形例について、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同じ構成部分は同じ符号を付して説明を省略する。
図4は、この変形例に係る車両用ドライブシャフトの断面概略図である。
この変形例の圧力調整室7eの形状は、図4に示すように、圧力調整室7eのうち、等速自在継手9およびブーツ13と重なる部分(以後、小径部と呼ぶ)7gの径D2が、等速自在継手9およびブーツ13と重ならない部分(以後、大径部と呼ぶ)7fの径D1よりも小さくされて形成される。即ち、圧力調整室7eは、大径部7fと、大径部7fの径D1よりも小さい径D2を有し、大径部7fと開口部7bとを連通する小径部7gとから構成される。なお、この変形例の他の構成部分は、第1実施形態と同様に構成される。
なお、この変形例でも、第1実施形態の式1および式2は有効である。
以上のように構成された車両用ドライブシャフト1Bによれば、圧力調整室7eのうち、等速自在継手9およびブーツ13と重なる小径部7gの径D2が、等速自在継手9およびブーツ13と重ならない大径部7fの径D1よりも小さく形成されるので、(a)圧力調整室7eの内部温度が、等速自在継手9およびブーツ13からの熱の影響を受け難くできる。これにより、ブーツ13の内部温度の高温時でも、圧力調整室7eの内部温度を常温に維持し易くなる。(b)更に、中空ドライブシャフト7の端部7a側は、等速自在継手9およびブーツ13の配設のために若干縮径される場合があるが、このような場合でも、中空ドライブシャフト7において、小径部7gの周囲に十分な壁厚を確保して、圧力調整室7eを形成できる。
≪変形例2≫
第1実施形態では、ブーツ13(即ち、アウターブーツ13)の内部圧力が負圧になることが防止される場合で説明したが、この変形例では、ブーツ15(即ち、インナーブーツ15)の内部圧力が負圧になることが防止される場合で説明する。以下、図5に基づいて、この変形例について、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同じ構成部分は同じ符号を付して説明を省略する。
図5は、この変形例に係る車両用ドライブシャフトの断面概略図である。
第1実施形態では、図1に示すように、中空ドライブシャフト7の駆動輪3側の端部7aに開口部7bが形成され、圧力調整室7cは、その開口部7bと連通されて中空ドライブシャフト7に形成されるが、この変形例では、図5に示すように、中空ドライブシャフト7のデファレンシャルギヤ5側の端部7dに開口部7hが形成され、圧力調整室7iは、その開口部7hに連通されて中空ドライブシャフト7に形成される。
なお、この変形例でも、中空ドライブシャフト7の端部7dには、第1実施形態の通気性フィルタ17と同様の通気性フィルタ18が、開口部7hを被覆するように配設されている。なお、この変形例の他の構成部分は、第1実施形態と同様に構成される。
この変形例でも、ブーツ15の容積をV1’とすると、式2と同様に、式3の関係が成立する。即ち、圧力調整室7iの容積V2が、ブーツ15の容積V1’に対して式3を満たすように設定されれば、ブーツ15の内部温度が高温まで上昇した後に急低下しても、ブーツ15の内部圧力が負圧になることが防止される。
Figure 2014031804
以上のように構成された車両用ドライブシャフト1Cによれば、中空ドライブシャフト7の端部7dには、開口部7hが形成されると共に開口部7hを被覆して通気性フィルタ18が形成され、圧力調整室7iは、開口部7hに連通されて中空ドライブシャフト7に形成されるので、インナーブーツ15の内部圧力が負圧になることを防止できる。
≪変形例3≫
この変形例では、第1実施形態において、圧力調整室7cにより両方のブーツ13,15の内部温度が負圧になることが防止されるようにしたものである。以下、図6に基づいて、この変形例について、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同じ構成部分は同じ符号を付して説明を省略する。
図6は、この変形例に係る車両用ドライブシャフトの断面概略図である。
この変形例では、図6に示すように、中空ドライブシャフト7の端部7aには、第1実施形態と同様に、開口部7bが形成されると共に開口部7bを被覆するように通気性フィルタ17が配設される。また、中空ドライブシャフト7の端部7dには、開口部7hが形成されると共に開口部7hを被覆するように通気性フィルタ18が配設される。また、中空ドライブシャフト7には、各開口部7b,7hと連通するように、圧力調整室7jが形成される。なお、この変形例の他の構成部分は、第1実施形態と同様に構成される。
この変形例では、例えば、各ブーツ13,15の容積は、互いに同じ容積V1に設定され、また、各ブーツ13,15の内部温度の変化は、互いに同じように変化するものとする(従って、ブーツ13の内部温度が飽和温度T1の時はブーツ15の内部温度も飽和温度T1になる)。この場合は、第1実施形態の式2においてV1を2・V1に置換した式である式4が成立する。
Figure 2014031804
即ち、この場合、圧力調整室7jの容積V2が、各ブーツ13,15の容積V1に対して式4を満たすように設定されれば、各ブーツ13,15の内部温度が高温まで上昇した後に急低下しても、各ブーツ13,15の内部圧力が負圧になることが防止される。
以上のように構成された車両用ドライブシャフト1Dによれば、1つの圧力調整室7jにより、各ブーツ13,15の内部圧力が負圧になることを防止できる。
≪付帯事項≫
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は斯かる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
また、第1実施形態および第1〜第3変形例の何れかを組み合わせた発明についても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
本発明は、中空ドライブシャフトと等速自在継手との連結部がブーツにより被覆された車両用ドライブシャフトへの適用に最適である。
1 車両用ドライブシャフト
7 中空ドライブシャフト
7a 一端部
7b 開口部
7c 圧力調整室
9 等速自在継手
13 ブーツ
17 通気性フィルタ
19 グリース
P 外気圧
P’閾値圧力
T 常温
T1 飽和温度
T2 ブーツ13の内部温度が飽和温度Tの時の圧力調整室の内部温度

Claims (1)

  1. 一端部に開口部を有すると共に内部に前記開口部に連通する圧力調整室を有する中空ドライブシャフトと、
    前記中空ドライブシャフトの前記一端部に連結された等速自在継手と、
    前記中空ドライブシャフトと前記等速自在継手との連結部を被覆すると共に内部にグリースが充填されたブーツと、
    前記開口部を被覆して前記一端部に配設され、空気の通過を許容する一方、前記グリースの通過を規制する通気性フィルタと、
    を備えた車両用ドライブシャフトにおいて、
    前記ブーツの容積V1と前記圧力調整室の容積V2との間に、式2の関係が成立することを特徴とする車両用ドライブシャフト。
    Figure 2014031804
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