JP2018003654A - 改質還元剤供給装置 - Google Patents

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暁琳 郭
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由晴 野々山
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良彦 松井
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Abstract

【課題】改質率の向上を図った改質還元剤供給装置を提供する。
【解決手段】改質還元剤供給装置は、内燃機関の排気に含まれるNOxの還元を促進させる還元触媒を有した還元装置11へ、還元剤を改質して供給するものである。この改質還元剤供給装置は、還元剤添加装置40およびガス供給装置60を備える。還元剤添加装置40は、還元装置11の排気流れ上流側に配置され、排気が流通するサブ流通路20aへ還元剤を添加する。ガス供給装置60は、サブ流通路20aのうち還元剤添加装置40の下流側部分へ、その下流側部分へ流入してくる排気に比べて低温かつ高酸素濃度である低温高酸素ガスを供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、還元剤を改質して還元装置へ供給する、改質還元剤供給装置に関する。
特許文献1に記載のNOx浄化システムでは、還元剤として用いられる燃料を改質して還元装置へ供給する。具体的には、放電する一対の電極間に、ヒータで加熱された燃料を通過させることで、燃料を部分的に酸化させてアルデヒドやオレフィン等を生成する。つまり、炭化水素化合物である燃料をアルデヒド等の部分酸化物に改質する。このように改質された燃料は反応性が高いため、NOxを還元する能力が向上し、NOx浄化率が向上する。
特開2015−129505号公報
さて、NOx浄化率を向上させるには、還元装置へ供給する還元剤の全てを改質することが理想的ではあるが、現実的には、供給した燃料に対する改質された燃料の割合(改質率)を100%にすることは困難であり、改質率を向上させることが要求されている。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、その目的は、改質率の向上を図った改質還元剤供給装置を提供することにある。
ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示される発明のひとつは、内燃機関の排気に含まれるNOxの還元を促進させる還元触媒を有した還元装置(11)へ、還元剤を改質して供給する改質還元剤供給装置において、還元装置の排気流れ上流側に配置され、排気が流通する流通路(20a)へ還元剤を添加する還元剤添加装置(40)と、流通路のうち還元剤添加装置の下流側部分へ、その下流側部分へ流入してくる排気に比べて低温かつ高酸素濃度である低温高酸素ガスを供給するガス供給装置(60)と、を備える改質還元剤供給装置である。
ここで、改質時の雰囲気温度や酸素濃度といった改質条件に応じて、改質率は異なってくる。また、改質により生成される炭化水素化合物(以下、改質HC)には様々な種類のものが存在し、その種類毎に、改質率が最大となる改質条件は異なってくる。具体的には、二重結合を有する鎖状の改質HC(例えばオレフィン)は、高温かつ低酸素濃度といった改質条件で改質率が最大となる。これに対し、アルデヒド基を有する改質HC(例えばアルデヒド)は、オレフィンに比べて低温かつ高酸素濃度といった改質条件で改質率が最大となる。
この知見を鑑み、上記発明では、排気が流通する流通路へ還元剤を添加し、かつ、その添加部分よりも下流側へ低温高酸素ガスを供給する。そのため、流通路のうち、還元剤が添加される部分から低温高酸素ガスが供給される部分までの領域(上流領域)と、低温高酸素ガスが供給される部分から下流側の領域(下流領域)とで、異なる改質条件を作り出すことができる。つまり、下流領域では、低温高酸素ガスを供給することにより、上流領域に比べて低温かつ高酸素濃度の改質条件にでき、上流領域では、下流領域に比べて高温かつ低酸素濃度の改質条件にできる。よって、上述した知見にしたがい、上流領域ではオレフィンの改質率を向上させることができ、下流領域ではアルデヒドの改質率を向上させることができる。したがって、最適改質条件が異なる複数種類の改質HCの改質率を、同時に向上させることができるので、供給される還元剤の全体について改質率の向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る改質還元剤供給装置が、車両に搭載された状態を示す概略図。 第1実施形態において、改質還元剤供給装置の作動を制御する処理手順を示すフローチャート。 図2において目標還元剤添加量の算出に用いるマップ。 図2において目標排気流入量の算出に用いるマップ。 オレフィン改質率と温度との関係を表した試験結果の図。 アルデヒド改質率と温度との関係を表した試験結果の図。 本発明の第2実施形態に係る改質還元剤供給装置が、車両に搭載された状態を示す概略図。 図7に示す改質還元剤供給装置において、排気管、配管および放熱フィンを排気流れ上流側から見た模式図。 本発明の第3実施形態に係る改質還元剤供給装置が、車両に搭載された状態を示す概略図。 本発明の第4実施形態に係る改質還元剤供給装置が、車両に搭載された状態を示す概略図。 本発明の第5実施形態に係る改質還元剤供給装置が、車両に搭載された状態を示す概略図。 図11に示す改質還元剤供給装置において、排気管および仕切板を排気流れ上流側から見た模式図。 本発明の第6実施形態に係る改質還元剤供給装置が、車両に搭載された状態を示す概略図。
以下、図面を参照しながら発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
(第1実施形態)
図1に示す燃焼システムは車両に搭載されたものであり、当該車両は、図示しない内燃機関の出力を駆動源として走行する。内燃機関(エンジン)は、圧縮自着火式のディーゼルエンジンであり、燃焼に用いる燃料には、炭化水素化合物である軽油を用いている。内燃機関は、基本的にはリーン状態で燃焼させるように作動する。つまり、燃焼室に噴射された燃料と燃焼室に吸入される空気との比率である空燃比が、空気過剰に設定された状態で燃焼(つまり、リーン燃焼)させている。さらに上記車両には、内燃機関の排気に含まれる窒素酸化物(NOx)の還元を促進させる還元触媒を有した還元装置11と、還元剤を改質して還元装置11へ供給する改質還元剤供給装置と、が搭載されている。
還元装置11は、排気管10に取り付けられたケースと、ケース内に収容された基材と、基材にコーティングされた触媒担体と、触媒担体に担持された還元触媒と、を有する。ケース内には、改質還元剤供給装置から供給された還元剤が排気とともに流入する。還元触媒は、流入してきた排気中のNOxと還元剤との還元反応を促進させるものである。
基材は、例えばコージェライト等でハニカム状に形成されている。触媒担体の材質の具体例としては、例えば酸化アルミニウム(以下、アルミナ)、ゼオライト、シリカ、チタニア、セリア、及びジルコニア等が挙げられる。還元触媒の材質の具体例としては、銀、銅、プラチナ、パラジウム、ニッケル、イリジウム、ラジウム、コバルト、オスミウム、ルテニウム、鉄、レニウム、テクネチウム、マンガン、チタン等が挙げられる。加えて還元触媒に用いられる金属は、酸化物の状態で触媒担体に担持されていてもよい。
排気管10の内部のうち還元装置11の上流側部分には、回転することで排気を撹拌して還元剤と排気の混合性を高めるフィン12が配置されている。
排気管10の内部のうちフィン12の上流側部分には、排気を流通させる流通路を内部に形成する配管20が取り付けられている。配管20の上流側に位置する流入口20bには、排気管10を流通する排気の一部が流入する。排気管10の流出口20cからは、改質された還元剤を含む排気(改質混合排気)が流出する。
要するに、排気管10により形成される流通路をメイン流通路10aと呼び、配管20により形成される流通路をサブ流通路20aと呼ぶ場合において、メイン流通路10a内に配管20が配置されている。そして、配管20のうちメイン流通路10aに露出する部分の壁部が、メイン流通路10aとサブ流通路20aとを仕切る仕切板21として機能する。また、メイン流通路10aのうちサブ流通路20aと平行する部分、つまり仕切板21により仕切られている部分は、サブ流通路20aをバイパスして排気を還元装置11へ導くバイパス通路10bとして機能する。
排気管10の内壁面には、メイン流通路10aの通路断面積を小さくさせる絞り部材13が取り付けられており、これにより、バイパス通路10bおよびサブ流通路20aを流通する排気の流速を上昇させている。
配管20の流入口20bには、メイン流通路10aからサブ流通路20aへ流入する排気の流入量を調整する排気流入量調整装置30が設けられている。排気流入量調整装置30は、流入口20bの開度を調整する流入バルブ31と、流入バルブ31を開閉作動させるアクチュエータである電動モータ32と、を有する。電子制御装置(以下、ECU90と記載)は、電動モータ32の作動を制御することで、流入バルブ31による開度を制御して、サブ流通路20aへの排気の流入量を制御する。
配管20には、排気流れの上流側から順に、還元剤添加装置40、ヒータ50、ガス供給装置60が設けられている。
還元剤添加装置40は、所定圧以上に加圧された液体の還元剤を、サブ流通路20aへ霧状に噴射するものである。具体的には、還元剤添加装置40は、噴孔を形成するボデーと、噴孔を開閉する弁体と、弁体を開閉作動させる電気アクチュエータとを有する。ECU90が電気アクチュエータへ通電すると、電気アクチュエータは弁体を開弁作動させ、これにより噴孔から還元剤が噴射される。したがって、ECU90による通電時間を長くするほど、1回の開弁で噴射される還元剤の噴射量が多くなる。つまり、ECU90は、電気アクチュエータへの通電時間を制御することで還元剤の噴射量を制御する。還元剤には炭化水素化合物が用いられ、具体的には、内燃機関の燃焼に用いられる燃料(つまり軽油)が用いられている。
ヒータ50は、通電により発熱する電気発熱体を有する。電気発熱体は、複数の流通路を内部に形成するハニカム形状に形成されている。そして、これらの流通路を通過する排気が電気発熱体により加熱される。ヒータ50へ流入する排気には、還元剤添加装置40から噴射された還元剤が含まれている。したがって、噴射された還元剤は、排気中の酸素と酸化反応するにあたり、ヒータ50で加熱された高温環境下で酸化する。そのため、酸化反応が促進される。
この酸化では、炭化水素化合物である還元剤が完全に酸化して消失することのないよう、炭化水素化合物を部分的に酸化させるように炭化水素化合物の分子構造を変化させることが望ましい。部分的な酸化の具体例としては、炭化水素化合物が有する置換基を変化させる等が挙げられる。改質後の分子構造の具体例としては、直鎖パラフィン、側鎖パラフィン、ナフテン、アロマ、オレフィン、アルデヒド等が挙げられる。本実施形態では、改質後の還元剤のうち、アルデヒド基を有する改質HC(例えばアルデヒド)をアルデヒド系HCと呼び、二重結合を有する鎖状の改質HC(例えばオレフィン)をオレフィン系HCと呼ぶ。
そして、このような部分酸化は、サブ流通路20a内における還元剤濃度と酸素濃度との比率(還元剤濃度比)および雰囲気温度を調整することで実現される。還元剤濃度比は、流入バルブ31の開度および還元剤添加装置40の噴射量をECU90が制御することで調整される。雰囲気温度は、ヒータ50への電力供給量をECU90が制御することで調整される。
ガス供給装置60は、サブ流通路20aのうち還元剤添加装置40の下流側部分へ外気を供給する。この外気は、排気管10の外部の空気であり、以下、低温高酸素ガスと呼ぶ場合もある。サブ流通路20aへ供給される低温高酸素ガスは、その供給部分へ流入する排気、つまりヒータ50から流出する排気に比べて、低温かつ高酸素濃度である。
ガス供給装置60は、排気管10に取り付けられた外気配管61を有する。外気配管61の流入口61aは、排気管10の外部に配置されて大気に開放されている。外気配管61の流出口61bは、サブ流通路20aのうちヒータ50の下流側部分に配置されて外気を供給する。外気配管61には、通路面積の開度を調整する外気バルブ62と、外気バルブ62を開閉作動させるアクチュエータである電動モータ63と、流入口61aから外気を吸入して流出口61bへ圧送するエアポンプ64と、が取り付けられている。
ECU90は、電動モータ63の作動を制御することで、外気バルブ62による開度を制御し、かつ、エアポンプ64の作動を制御することで、サブ流通路20aへの低温高酸素ガスの供給量を制御する。外気バルブ62および電動モータ63は、サブ流通路20aへ供給する低温高酸素ガスの供給量を調整するガス供給量調整装置を提供する。以下の説明では、サブ流通路20aのうち、還元剤が添加される位置から低温高酸素ガスが供給される位置までの領域を上流領域A1と呼び、低温高酸素ガスが供給される位置から流出口20cまでの領域を下流領域A2と呼ぶ。
ヒータ50へ流入する排気の温度は200℃〜300℃を想定しており、ヒータ50による加熱温度は450℃〜550℃に調整される。したがって、上流領域A1はバイパス通路10bに比べて高温の状態に調整されていると言える。また、ガス供給装置60により供給される低温高酸素ガス(外気)の温度は−30℃〜50℃を想定しており、下流領域A2へ流入する排気の温度は概略450℃〜550℃となっている。したがって、下流領域A2へ流入する排気に比べて供給される低温高酸素ガスの方が低温である。よって、下流領域A2は上流領域A1に比べて低温の状態に調整されていると言える。具体的には、下流領域A2の温度が250℃〜400℃となるように、低温高酸素ガスの供給量は制御される。
ECU90は、所定のプログラムが記憶されたメモリ91と、そのプログラムにしたがって演算処理するプロセッサ92と、車両に搭載された他のECUと通信する通信回路と、入力処理回路と、出力処理回路と、を有する。入力処理回路には、上流領域A1の温度を検出する上流温度センサ95、および下流領域A2の温度を検出する下流温度センサ96の各々で検出された信号が入力される。通信回路は、内燃機関の作動を制御するECUから、エンジン運転状態を示す情報を取得する。
エンジン運転状態の具体例としては、エンジンの出力軸の所定時間当りのエンジン回転数や、エンジン負荷、燃料噴射量Qfuel、噴射タイミング、燃焼室温度の変化、燃焼室圧力の変化等のパラメータが挙げられる。加えて、燃焼室へ吸入される空気(吸気)の流量である吸気流量Qin、燃焼室から排出される排気に含まれるNOxの濃度であるNOx濃度CNOx、燃焼室から排出される排気の温度である排気温度Tout、外気温度Tair等のパラメータが挙げられる。外気温度Tairは、外の空気の温度である。外の空気(外気)は、排気に比べると低温高酸素ガスであると言える。
本実施形態に係る改質還元剤供給装置は、以上に説明した配管20、排気流入量調整装置30、還元剤添加装置40、ヒータ50、ガス供給装置60、およびECU90を備える。ECU90は、排気流入量調整装置30、還元剤添加装置40、ヒータ50およびガス供給装置60の作動を制御する。
この制御はプロセッサ92により実行され、その実行手順について、以下、図2を用いて説明する。図2の処理は、内燃機関の運転期間中、所定の演算周期で繰り返し実行される処理である。
先ず図2のステップS10では、エンジン運転状態の情報を取得する。具体的には、先述した燃料噴射量Qfuel、吸気流量Qin、NOx濃度CNOx、排気温度Toutおよび外気温度Tairの値を取得する。
続くステップS11では、還元剤添加装置40からサブ流通路20aへ添加される還元剤の単位時間当りに添加される量の目標値である目標還元剤添加量Qinjを、ステップS10で取得した吸気流量QinおよびNOx濃度CNOxに基づき算出する。
具体的には、エンジンから排出されたNOxの量であって還元装置11へ流入するNOx量が多いほど、そのNOxを還元するのに必要な還元剤を多く必要とするので、目標還元剤添加量Qinjを大きい値に算出する。上記NOx量は、NOx濃度CNOxと吸気流量Qinとを乗算した値に基づき算出される。
例えば、NOx濃度CNOxと吸気流量Qinとを乗算した値に対して、目標還元剤添加量Qinjを予め設定しておき、図3に示すマップM1としてメモリ91に記憶させておく。そして、取得したNOx濃度CNOxおよび吸気流量Qinに基づき、マップM1を参照して目標還元剤添加量Qinjを算出する。或いは、マップM1で特定される値を、NOx濃度CNOxおよび吸気流量Qinを変数とした関数Fで表し、その関数Fをメモリ91に記憶させておく。そして、取得したNOx濃度CNOxおよび吸気流量Qinを関数Fに代入して目標還元剤添加量Qinjを算出する。
なお、ステップS11の処理を実行している時のプロセッサ92は、内燃機関から排出されるNOx量に応じて還元剤の供給量を制御する還元剤供給量制御部91a(図1参照)に相当する。
続くステップS12では、流入口20bからサブ流通路20aへ流入させる排気量の目標値である目標排気流入量Vdivを、ステップS10、S11で取得した燃料噴射量Qfuel、吸気流量Qinおよび目標還元剤添加量Qinjに基づき算出する。
具体的には、目標還元剤添加量Qinjが多いほど、その量の還元剤を酸化して改質するのに必要な酸素を多く必要とするので、目標排気流入量Vdivを大きい値に算出して、サブ流通路20aへ流入する酸素量を多くする。メイン流通路10aにおける排気に含まれる酸素量(排気酸素量)は、吸気流量Qinに含まれる酸素量から、燃料噴射量Qfuelに完全燃焼に消費した酸素量を減算した値に基づき算出される。流入口20bから流入する酸素量は、流入バルブ31の開度と排気酸素量とを乗算した値に基づき算出される。そして、還元剤濃度と酸素濃度との比率、つまり先述した還元剤濃度比に関し、還元剤を部分酸化させるための還元剤濃度比の最適値(以下、上流最適濃度比)は、予め実施された試験等により確認されている。その確認された上流最適濃度比となるように目標排気流入量Vdivは算出される。ここで設定される上流最適濃度比は、先述したオレフィン系HCの生成が最大となる値に設定されている。
例えば、上流最適濃度比となるように、目標還元剤添加量Qinjと燃料噴射量Qfuelとの積算値を吸気流量Qinで除算した値に対して、目標排気流入量Vdivを予め設定しておき、図4に示すマップM2としてメモリ91に記憶させておく。そして、取得した吸気流量QinおよびステップS11で算出した目標還元剤添加量Qinjに基づき、マップM2を参照して目標排気流入量Vdivを算出する。或いは、マップM2で特定される値、つまり上流最適濃度比にするための目標排気流入量Vdivの値を、目標還元剤添加量Qinjおよび吸気流量Qinを変数とした関数Eで表し、その関数Eをメモリ91に記憶させておく。そして、取得した吸気流量Qinおよび目標還元剤添加量Qinjを関数Eに代入して目標排気流入量Vdivを算出する。以上により、上流領域A1は上流最適濃度比に制御される。
要するに、燃料噴射量Qfuelが多いほど、先述した排気酸素量は少なくなるので、上流領域A1での還元剤の酸化に要する酸素を確保するべく、目標排気流入量Vdivを大きくする。また、吸気流量Qinが多いほど、排気酸素量は多くなるので、目標排気流入量Vdivを小さくする。
なお、ステップS12の処理を実行している時のプロセッサ92は、還元剤供給量制御部91aにより制御される還元剤の供給量に応じて、排気流入量調整装置30の作動を制御する排気流入量制御部91b(図1参照)に相当する。
続くステップS13では、ヒータ50へ供給する電力量の目標値である目標ヒータ電力Wを算出する。上流領域A1における還元剤の雰囲気温度に関し、還元剤を部分酸化させるための雰囲気温度の最適値(以下、上流最適温度)は、予め実施された試験等により確認されている。その確認された上流最適温度となるように目標ヒータ電力Wは算出される。ここで設定される上流最適温度は、先述したオレフィン系HCの生成が最大となる値に設定されている。この目標ヒータ電力Wは、ステップS11で算出した目標還元剤添加量Qinj、ステップS12で算出した目標排気流入量Vdiv、および排気温度Toutに基づき算出される。
具体的には、目標還元剤添加量Qinjが多いほど、添加された液体の還元剤を気化するのに必要な熱量を多く必要とするので、目標ヒータ電力Wを大きい値に算出する。また、目標排気流入量Vdivの値が大きいほど、流入口20bからの排気流入量が多くなる。そして、その排気流入量が多いほど、排気の加熱に要する熱量を多く必要とするので、目標ヒータ電力Wを大きい値に算出する。また、排気温度Toutが低いほど、排気の加熱に要する熱量を多く必要とするので、目標ヒータ電力Wを大きい値に算出する。
例えば、上流最適温度となるように、目標還元剤添加量Qinj、目標排気流入量Vdiv、および排気温度Toutの各パラメータの組合せに対して、目標ヒータ電力Wを予め設定しておき、図示しないマップとしてメモリ91に記憶させておく。そして、取得した上記各パラメータに基づき、上記マップを参照して目標ヒータ電力Wを算出する。或いは、上記マップで特定される値、つまり上流最適温度にするための目標ヒータ電力Wの値を、上記各パラメータを変数とした関数Rで表し、その関数Rをメモリ91に記憶させておく。そして、取得した上記各パラメータを関数Rに代入して目標ヒータ電力Wを算出する。以上により、上流領域A1は上流最適温度に制御される。
続くステップS14では、ガス供給装置60がサブ流通路20aへ供給する低温高酸素ガスの供給量である目標エア供給量Vairを算出する。下流領域A2における還元剤の雰囲気温度に関し、還元剤を部分酸化させるための雰囲気温度の最適値(以下、下流最適温度)は、予め実施された試験等により確認されている。さらに、下流領域A2における還元剤濃度比に関し、還元剤を部分酸化させるための還元剤濃度比の最適値(以下、下流最適濃度比)は、予め実施された試験等により確認されている。ここで設定される下流最適温度および下流最適濃度比は、先述したアルデヒド系HCの生成が最大となる値に設定されている。そして、これらの確認された下流最適温度および下流最適濃度比に近づけるように、目標エア供給量Vairは算出される。この目標エア供給量Vairは、ステップS11、S12、S13の各々で算出した目標還元剤添加量Qinj、目標排気流入量Vdivおよび目標ヒータ電力Wと、ステップS10で取得した外気温度Tairに基づき算出される。
具体的には、目標還元剤添加量Qinjが多いほど、その量の還元剤に対して高酸素濃度の雰囲気を生成するために必要な酸素が多くなるので、目標エア供給量Vairを大きい値に算出して、低温高酸素ガスのサブ流通路20aへの供給量を多くする。また、目標排気流入量Vdivの値が大きいほど、排気の冷却に用いる低温高酸素ガスの量を多く必要とするので、目標エア供給量Vairを大きい値に算出する。また、外気温度Tairおよび目標ヒータ電力Wが高いほど、排気の冷却に用いる低温高酸素ガスの量を多く必要とするので、目標エア供給量Vairを大きい値に算出する。
以上により、図2の処理によれば、上流最適濃度比および上流最適温度は、オレフィン系HCの生成が最大となる値に設定されている。つまり、上流領域A1では、オレフィン系HCの生成が最大となる改質条件となる。一方、下流最適濃度比および下流最適温度は、アルデヒド系HCの生成が最大となる値に設定されている。つまり、下流領域A2では、アルデヒド系HCの生成が最大となる改質条件となる。要するに、サブ流通路20aのうち、上流領域A1と下流領域A2とで異なる改質条件が作り出される。そして、上流領域A1にてオレフィン系HCが主に生成され、下流領域A2にてアルデヒド系HCが主に生成されるといった、改質条件を異にする2段階で改質されることとなる。
本発明者らは、オレフィン系HCの生成が最大となる上流最適温度について、以下の試験を実施している。すなわち、ヒータ50による加熱温度を異ならせて、その異ならせた温度毎に、上流領域A1の前後におけるオレフィンの改質率を計測した。この試験では、加熱温度以外の試験条件は同一としている。この試験の結果、図5に示すように、450℃以上550℃未満の温度範囲で改質率が十分に大きい値になり、530℃で改質率が最大になることが分かった。この知見を鑑みて、本実施形態では、上流最適温度を、オレフィンの改質率が最大になる値、つまり530℃に設定している。
同様にして、アルデヒド系HCの生成が最大となる下流最適温度について、以下の試験を実施している。すなわち、ヒータ50による加熱温度を異ならせて、その異ならせた温度毎に、上流領域A1の前後におけるアルデヒドの改質率を計測した。この試験では、加熱温度以外の試験条件は同一としている。この試験の結果、図6に示すように、250℃以上400℃未満の温度範囲で改質率が十分に大きい値になり、350℃で改質率が最大になることが分かった。この知見を鑑みて、本実施形態では、下流最適温度を、アルデヒドの改質率が最大になる値、つまり350℃に設定している。
さらに本発明者らは、還元剤の雰囲気の酸素濃度を異ならせて、その異ならせた酸素濃度毎に、上流領域A1の前後におけるオレフィンの改質率およびアルデヒドの改質率の各々を計測した。その結果、オレフィンの改質率が最大になる酸素濃度は、アルデヒドの改質率が最大になる酸素よりも低いことが分かった。
以上により、本実施形態では、排気が流通するサブ流通路20aへ還元剤を添加する還元剤添加装置40と、その添加部分よりも下流側へ低温高酸素ガスを供給するガス供給装置60と、を備える。よって、サブ流通路20aの上流領域A1と下流領域A2とで異なる改質条件を作り出すことができる。つまり、下流領域A2では、低温高酸素ガスを供給することにより、上流領域A1に比べて低温かつ高酸素濃度の改質条件にでき、上流領域A1では、下流領域A2に比べて高温かつ低酸素濃度の改質条件にできる。よって、上流領域A1では、高温の改質条件で改質率が高くなる成分(例えばオレフィン)の生成量を増大でき、下流領域A2では、低温の改質条件で改質率が高くなる成分(例えばアルデヒド)の生成量を増大できる。よって、最適改質条件が異なる複数種類の改質HCの改質率を、同時に向上させることができるので、供給される還元剤の全体について改質率の向上を図ることができる。
さらに本実施形態では、サブ流通路20aのうちガス供給装置60の上流側部分に配置されて排気を加熱するヒータ50を備える。そのため、上流領域A1で所望する温度(例えば上流最適温度)に比べて、サブ流通路20aへ流入する排気温度が低い場合には、ヒータ50で排気を加熱することで所望の温度にできる。しかも、添加された液体の還元剤を気化するための気化熱をも考慮すると、ヒータ50を備える本実施形態によれば、上流領域A1を所望の温度にすることの確実性を向上できる。
さらに本実施形態では、ガス供給装置60は、サブ流通路20aへ供給する低温高酸素ガスの供給量を調整するガス供給量調整装置、つまり外気バルブ62および電動モータ63を有する。これによれば、低温高酸素ガスの供給量を増やすように調整すれば、下流領域A2の雰囲気温度を低下でき、下流領域A2の酸素濃度を大きくできる。一方、低温高酸素ガスの供給量を減らすように調整すれば、下流領域A2の雰囲気温度を上昇でき、下流領域A2の酸素濃度を小さくできる。よって、下流領域A2を所望する温度(例えば下流最適温度)や還元剤濃度比(例えば下流最適濃度比)にすることを、高精度で実現できる。
さらに本実施形態では、排気管10の内部に配置され、サブ流通路20aをバイパスして排気を還元装置11へ導くバイパス通路10bとサブ流通路20aとを仕切る仕切板21を備える。そのため、還元剤が添加されて改質されるサブ流通路20aが、排気管10の内部に設けられることになるので、排気管10の外部に設けられる場合に比べて、排気管10の外部に要求される搭載スペースを小さくできる。
さらに本実施形態では、サブ流通路20aへ流入する排気の流入量を調整する排気流入量調整装置30を備える。これによれば、排気流入量を増やすように調整すれば、上流領域A1の酸素濃度を多くできる。一方、排気流入量を減らすように調整すれば、上流領域A1の酸素濃度を少なくできる。よって、上流領域A1で所望する還元剤濃度比(例えば上流最適濃度比)にすることを、高精度で実現できる。
さらに本実施形態では、内燃機関から排出されるNOx量に応じて還元剤の供給量を制御する還元剤供給量制御部91aを備えるので、NOx量に対する還元剤の過不足を抑制できる。さらに本実施形態では、還元剤供給量制御部91aにより制御される還元剤の供給量に応じて排気流入量調整装置30の作動を制御する排気流入量制御部91bを備える。そのため、NOx量に応じた還元剤供給量に応じて、排気流入量調整装置30の作動を制御するので、上流領域A1における還元剤濃度比を上流最適濃度比にすることを、還元剤の過不足を抑制しつつ実現可能となる。
(第2実施形態)
図7に示すように、本実施形態では配管20に放熱フィン22を設けている。それ以外の構成および制御の内容については、図1に示す第1実施形態と本実施形態とは同じである。詳細には、放熱フィン22は、配管20のうちヒータ50よりも排気流れ下流側、かつガス供給装置60よりも上流側に設けられている。
図8に示すように、放熱フィン22は金属製の板形状であり、複数枚の放熱フィン22が配管20を貫通するように設けられている。放熱フィン22のうち配管20内部に位置する部分は、サブ流通路20aを流通する排気から吸熱する吸熱部22aとして機能する。放熱フィン22のうち配管20外部に位置する部分は、排気管10および配管20の外部の雰囲気(つまり外気)へ放熱する放熱部22bとして機能する。したがって、サブ流通路20aを流通する排気は、放熱フィン22により冷却され、下流領域A2の排気温度を低下させる。
以上により、本実施形態では、サブ流通路20aを形成する配管20のうちガス供給装置60の上流側部分に設けられ、配管20の外気と熱交換する放熱フィン22を備える。そのため、下流領域A2の排気温度を十分に低下させることができる。よって、例えば上流最適温度と下流最適温度との温度差が大きい場合であっても、下流領域A2の排気温度が十分に低下するので、上流領域A1を上流最適温度に近づけることと下流領域A2を下流最適温度に近づけることとの両立の実現性を向上できる。また、低温高酸素ガスの供給による温度低下を放熱フィン22でアシストできるので、低温高酸素ガスの供給量を少なくしても下流最適温度にできる場合がある。よって、下流最適濃度比以上に酸素濃度を高くしてでも温度を低下させるために低温高酸素ガスの供給量を増大させる、といった事態を回避できる場合がある。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、メイン流通路10aを流通する排気を配管20へ流入させている。これに対し、図9に示す本実施形態では、過給機のタービン上流側の排気を配管20へ流入させる排気供給装置300を備えている。それ以外の構成および制御の内容については、図1に示す第1実施形態と本実施形態とは同じである。
排気供給装置300は、配管20のうち上流領域A1の上流側に接続された接続配管330と、接続配管330に取り付けられた流入バルブ310と、流入バルブ310を開閉作動させるアクチュエータである電動モータ320と、を有する。接続配管330の上流端は、排気通路のうちタービン上流側部分に接続されている。ECU90は、電動モータ320の作動を制御することで、流入バルブ310による開度を制御して、サブ流通路20aへの排気の流入量を制御する。
なお、上記第1実施形態では、配管20の全体を排気管10の内部に配置させているのに対し、本実施形態では、配管20のうちヒータ50が設けられる部分、つまり上流領域A1の部分を、排気管10の外部に配置させている。
以上により、本実施形態によれば、過給機のタービン上流側の排気をサブ流通路20aへ流入させるので、タービン下流側の排気を流入させる場合に比べて、高温高圧の排気を流入させることができる。
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、配管20の上流領域A1の部分を排気管10の外部に配置させるとともに、過給機のタービン上流側の排気を配管20へ流入させている。これに対し、図10に示す本実施形態では、配管20の上流領域A1の部分を排気管10の外部に配置させるとともに、タービン下流側の排気、つまり第1実施形態と同様にしてメイン流通路10aの排気をサブ流通路20aへ流入させている。それ以外の構成および制御の内容については、図1に示す第1実施形態と本実施形態とは同じである。このような構成の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が発揮される。
(第5実施形態)
上記第1実施形態では、排気管10の内部に配管20を設けている。これに対し、図11および図12に示す本実施形態では、排気管10の内部に仕切板200を設けている。この仕切板200は、サブ流通路20aをバイパスして排気を還元装置11へ導くバイパス通路10bと、サブ流通路20aとを仕切る。
また、上記第1実施形態に係るサブ流通路20aの、流通方向に対して垂直な面(通路断面)の形状は円形である。これに対し、本実施形態に係るサブ流通路20aの通路断面の形状は、図12に示す如く、排気管10による円弧と仕切板200による直線とで囲まれた形状(部分円形状)である。したがって、本実施形態に係るヒータ50および流入バルブ31の形状も、サブ流通路20aに合わせた部分円形状である。
以上に説明した以外の構成および制御の内容については、図1に示す第1実施形態と本実施形態とは同じである。このような構成の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が発揮される。
(第6実施形態)
図13に示すように、本実施形態に係るガス供給装置60は、オゾンを生成するオゾン生成装置65を有する。オゾン生成装置65は、外気配管61のうちエアポンプ64の下流側かつ外気バルブ62の上流側に取り付けられている。したがって、外気バルブ62を開弁させた状態でエアポンプ64を作動させると、外気がオゾン生成装置65へ流入する。オゾン生成装置65は、一対の放電電極を有し、ECU90により放電電極への電圧印加が制御される。放電電極間で放電が為された状態で外気をオゾン生成装置65へ流入させると、流入した外気中の酸素の一部が放電によりオゾンに変化して、オゾンが生成される。これにより、オゾンを含んだ外気が低温高酸素ガスとしてサブ流通路20aへ供給されることとなる。なお、オゾン生成装置65以外の構成および制御の内容については、図1に示す第1実施形態と本実施形態とは同じである。
以上により、本実施形態によれば、下流領域A2にオゾンが供給されるので、下流領域A2での改質条件を上流領域A1での改質条件に対して大きく異ならせることができる。具体的には、下流領域A2ではオゾンによりHCが酸化されやすい条件になる。特に、アルデヒド系HCは、オゾン環境下で生成されやすいので、より一層の改質率向上を図ることができる。
(第7実施形態)
上記第1実施形態では、サブ流通路20aのうちヒータ50により加熱される部分、つまり上流領域A1の排気温度を、上流最適温度となるように制御しており、この上流最適温度を、オレフィンの改質率が最大になる値(例えば530℃)に設定している。これに対し本実施形態では、上流領域A1の排気温度が所定の温度範囲(以下、上流温度範囲)となるようにECU90はヒータ50を制御する。この上流温度範囲は、オレフィンの改質率が最大になる値を含む450〜500℃の範囲に設定されている。この範囲は、図5の試験結果に示すようにオレフィンの改質率が顕著に高くなる範囲である。
以上により、本実施形態によれば、図5の試験結果に基づき上流領域A1の排気温度を450〜500℃の範囲に制御するので、オレフィン系HCの改質率を向上できる。しかも、改質率が最大になる温度で制御するのではなく、目標温度に450〜500℃といった幅を持たせて目標ヒータ電力Wを制御することができる。そのため、目標還元剤添加量Qinj、目標排気流入量Vdiv、目標エア供給量Vairといった、目標ヒータ電力W以外の制御量を目標値にすることを、容易に実現できるようになる。
(第8実施形態)
上記第1実施形態では、サブ流通路20aのうち低温高酸素ガスが供給される部分、つまり下流領域A2の排気温度を、下流最適温度となるように制御しており、この下流最適温度を、アルデヒドの改質率が最大になる値(例えば350℃)に設定している。これに対し本実施形態では、下流領域A2の排気温度が所定の温度範囲(以下、下流温度範囲)となるようにヒータ50を制御する。この下流温度範囲は、アルデヒドの改質率が最大になる値を含む250〜400℃の範囲に設定されている。この範囲は、図6の試験結果に示すようにアルデヒドの改質率が顕著に高くなる範囲である。
以上により、本実施形態によれば、図6の試験結果に基づき下流領域A2の排気温度を250〜400℃の範囲に制御するので、アルデヒド系HCの改質率を向上できる。しかも、改質率が最大になる温度で制御するのではなく、目標温度に250〜400℃といった幅を持たせて低温高酸素ガス供給量を制御することができる。そのため、目標還元剤添加量Qinj、目標排気流入量Vdiv、目標ヒータ電力Wといった、目標エア供給量Vair以外の制御量を目標値にすることを、容易に実現できるようになる。
(他の実施形態)
以上、発明の好ましい実施形態について説明したが、発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、以下に例示するように種々変形して実施することが可能である。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
図2に示す制御では、各種の制御量を算出するにあたり、目標還元剤添加量Qinj、目標排気流入量Vdiv、目標ヒータ電力W、目標エア供給量Vairの順に算出している。換言すれば、この順を優先順位として算出している。例えば、NOx量に対して過不足のない還元剤供給量となるように目標還元剤添加量Qinjを算出することを、他の制御量の算出に優先する。これに対し、上記優先順位を入れ替えて上記制御量を算出してもよい。
上記各実施形態では、サブ流通路20aのうちガス供給装置60の上流側かつ還元剤添加装置40の下流側の部分に、排気を加熱するヒータ50を配置している。これに対し、サブ流通路20aのうち還元剤添加装置40の上流側部分にヒータ50を配置してもよい。また、これらのヒータ50を廃止してもよい。
上記第7実施形態では、上流領域A1が上流温度範囲となるようにヒータ50を制御している。これに対し、ヒータ50を備えていない改質還元剤供給装置の場合には、流入バルブ31の制御によりサブ流通路20aへの排気流入量を制御することで、上流温度範囲となるようにしてもよい。
上記各実施形態では、仕切板21、200により仕切られたサブ流通路20aへ、還元剤および低温高酸素ガスを供給している。これに対し、仕切板21、200を廃止して、還元剤および低温高酸素ガスを排気管10へ直接供給してもよい。
ECU90(制御装置)が提供する手段および/または機能は、実体的な記憶媒体に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
11…還元装置、20a…サブ流通路(流通路)、40…還元剤添加装置、60…ガス供給装置。

Claims (10)

  1. 内燃機関の排気に含まれるNOxの還元を促進させる還元触媒を有した還元装置(11)へ、還元剤を改質して供給する改質還元剤供給装置において、
    前記還元装置の排気流れ上流側に配置され、排気が流通する流通路(20a)へ還元剤を添加する還元剤添加装置(40)と、
    前記流通路のうち前記還元剤添加装置の下流側部分へ、その下流側部分へ流入してくる排気に比べて低温かつ高酸素濃度である低温高酸素ガスを供給するガス供給装置(60)と、
    を備える改質還元剤供給装置。
  2. 前記流通路のうち前記ガス供給装置の上流側部分に配置されて排気を加熱するヒータ(50)を備える請求項1に記載の改質還元剤供給装置。
  3. 前記ヒータにより加熱される部分の排気の温度が450〜500℃の範囲内となるよう、前記ヒータの作動を制御する請求項2に記載の改質還元剤供給装置。
  4. 前記ガス供給装置は、前記流通路へ供給する低温高酸素ガスの供給量を調整するガス供給量調整装置(62、63)を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の改質還元剤供給装置。
  5. 前記流通路のうち前記低温高酸素ガスが供給される部分の排気の温度が250〜400℃の範囲内となるよう、前記ガス供給装置の作動を制御する請求項4に記載の改質還元剤供給装置。
  6. 排気を流通させる排気管(10)の内部に配置され、前記流通路をバイパスして排気を前記還元装置へ導くバイパス通路(10b)と、前記流通路とを仕切る仕切板(21、200)を備える請求項1〜5のいずれか1つに記載の改質還元剤供給装置。
  7. 前記流通路へ流入する排気の流入量を調整する排気流入量調整装置(30、300)を備える請求項1〜6のいずれか1つに記載の改質還元剤供給装置。
  8. 前記内燃機関から排出されるNOx量に応じて、前記還元剤添加装置からの還元剤の供給量を制御する還元剤供給量制御部(91a)と、
    前記還元剤供給量制御部により制御される還元剤の供給量に応じて、前記排気流入量調整装置の作動を制御する排気流入量制御部(91b)と、
    を備える請求項7に記載の改質還元剤供給装置。
  9. 前記ガス供給装置は、オゾンを生成するオゾン生成装置(65)を有し、生成したオゾンを前記低温高酸素ガスとして供給する請求項1〜8のいずれか1つに記載の改質還元剤供給装置。
  10. 前記流通路を形成する配管(20)のうち前記ガス供給装置の上流側部分に設けられ、前記配管の外気と熱交換する放熱フィン(22)を備える請求項1〜9のいずれか1つに記載の改質還元剤供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019183756A (ja) * 2018-04-11 2019-10-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置

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