JP2018003648A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、燃料噴射の初期段階における筒内でのスモークの生成を抑制し、更に、燃料噴射の後期段階における冷却損失を可及的に小さくすることを目的とする。【解決手段】複数の燃料噴射弁と、複数の燃料噴射弁の夫々に設けられ、該燃料噴射弁の噴孔へ通じる燃料通路に接続された制御室と、複数の燃料噴射弁の夫々において、制御室内の燃料の圧力を該制御室に接続された燃料通路内の燃料の圧力よりも低下させる減圧手段と、第一圧力差が所定圧力差以上であるように減圧手段を作動させることで燃料噴射弁の噴孔を開く方向にニードルを移動させる開閉制御手段と、を備え、第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始から所定期間経過後に、第二噴射弁において、作動後の第一圧力差が所定圧力差よりも小さい値であるように該第二噴射弁に対応する減圧手段を作動させることで基準圧力を低下させる。【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
気筒内に燃料を直接噴射する圧縮着火内燃機関等では、燃料噴射率が気筒内に噴射された燃料の燃焼(例えば、拡散燃焼)に影響を与える。
そして、上記内燃機関において、燃料噴射中の燃料噴射率を一旦低下させた後に増加させる技術が開示されている(特許文献1参照)。当該技術は、燃料噴射弁のニードルのリフト量を変化させることにより燃料噴射率を変更するものである。
また、コモンレールから燃料噴射弁へ供給された高圧燃料を燃料系の低圧側へ溢流させる還流経路を開閉する電磁弁を備えた燃料噴射弁が知られている。この燃料噴射弁は、高圧燃料を燃料系の低圧側へ溢流させることでニードルを駆動させ燃料噴射を行うものである。ここで、ニードルが開弁するに至る時間幅よりも短い時間幅で開弁駆動する、電磁弁の空打ち駆動を行うことで、燃料噴射を行う前に、高圧燃料を燃料系の低圧側へ溢流させることが知られている(特許文献2参照)。
特開2009−156045号公報 特開2005−256703号公報
圧縮着火内燃機関等における燃焼において、燃料噴射の初期段階の燃料噴射率が低い場合には、筒内でのスモーク生成量が増大する虞がある。一方で、燃料噴射の後期段階の燃料噴射率が高い場合には、燃料噴霧が過拡散してしまい、気筒の壁面付近にまで広がった燃焼火炎により冷却損失が増加する虞がある。したがって、燃料噴射率は、燃料噴射の初期段階では比較的高くなり、後期段階では比較的低くなることが望ましい。このような燃料噴射率を、以下「初期高噴射率・後期低噴射率」と称する。
ここで、燃料噴射率を変更する従来技術(特許文献1)では、燃料噴射弁のニードルのリフト量を変化させることにより燃料噴射中の燃料噴射率を一旦低下させているものの、その後に増加させているため、燃料噴射の後期段階の燃料噴射率が比較的高くなってしまう。
また、燃料噴射弁のニードルリフト量の制御に依らない従来技術(特許文献2)は、燃料噴射開始時の燃料噴射圧力を調整可能とするものの、燃料噴射中、特にその後期段階の燃料噴射率を制御するものではない。
このように、従来技術では、本発明の発明者が見出したスモークの生成量抑制および冷却損失の低減のための燃料噴射率である初期高噴射率・後期低噴射率の燃料噴射を実現することができない。
本発明は、燃料噴射の初期段階における筒内でのスモークの生成を抑制し、更に、燃料噴射の後期段階における冷却損失を可及的に小さくすることを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る内燃機関の制御装置は、複数の気筒と、前記複数の気筒の夫々に設けられ、ニードルの移動により噴孔を開くことで該気筒内に燃料を直接噴射する複数の燃料噴射弁と、燃料を高圧化して圧送する高圧ポンプと、前記高圧ポンプによって高圧化された基準圧力の燃料を蓄えるコモンレールと、前記コモンレールから前記複数の燃料噴射弁の夫々の前記噴孔へ通じる互いに独立した複数の燃料通路と、前記複数の燃料噴射弁の夫々に設けられた制御室であって、該燃料噴射弁の前記噴孔へ通じる前記燃料通路に接続された制御室と、前記複数の燃料噴射弁の夫々において、前記制御室内の燃料の圧力を該制御室に接続された前記燃料通路内の燃料の圧力よりも低下させる減圧手段と、前記複数の燃料噴射弁の夫々において、前記制御室内の燃料の圧力と該制御室に接続された前記燃料通路内の燃料の圧力との圧力差である第一圧力差が所定圧力差以上であるように前記減圧手段を作動させることで、前記噴孔を開く方向に前記ニードルを移動させる開閉制御手段と、前記複数の燃料噴射弁のうち、現在に燃料を噴射している燃料噴射弁である第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始から所定期間経過後に、前記複数の燃料噴射弁のうち、該第一噴射弁とは異なる燃料噴射弁である第二噴射弁において、作動後の前記第一圧力差が前記所定圧力差よりも小さい値であるように該第二噴射弁に対応する前記減圧手段を作動させることで前記基準圧力を低下させる、基準圧力制御手段と、を備える。
ここで、燃料噴射弁において、減圧手段が作動していない状態では、制御室内の燃料の圧力と燃料通路内の燃料の圧力とが等しくなり、この状態ではニードルにより噴孔が閉じられる。このときには、ニードルに加わる開弁方向の力よりも閉弁方向の力のほうが大きい。そして、減圧手段が作動すると、燃料通路内の燃料の圧力よりも制御室内の燃料の圧力が低くなることにより、ニードルに加わる閉弁方向の力が低下する。そして、ニードルに加わる閉弁方向の力よりも開弁方向の力のほうが大きくなると、すなわち、第一圧力差が所定圧力差以上となるとニードルが移動して噴孔が開かれるため、燃料が噴射される。
ここで、減圧手段が作動した場合には、ニードルに加わる閉弁方向の力を低下させるために、制御室内の燃料の圧力が低下される。そして、制御室は燃料通路へ通じているため、制御室内の燃料の圧力低下は、その後に燃料通路内の燃料の圧力も低下させる。更に、燃料通路はコモンレールへ通じているため、燃料通路内の燃料の圧力低下は、その後にコモンレール内の燃料の圧力である基準圧力も低下させる。ここで、燃料通路内の燃料の圧力と制御室内の燃料の圧力との圧力差である第一圧力差が所定圧力差よりも小さい値であるように減圧手段を作動させることで、燃料噴射弁から実際に燃料を噴射させることなく制御室内の燃料の圧力を低下させることができる。そして、このように制御室内の燃料の圧力が低下すると、基準圧力が低下することになる。なお、前記所定圧力差は、ニードルが移動し始める圧力差ということができる。
そこで、前記基準圧力制御手段は、前記第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始から所定期間経過後に、前記第二噴射弁において、作動後の第一圧力差が所定圧力差よりも小さい値であるように該第二噴射弁に対応する前記減圧手段を作動させる。ここで、基準圧力制御手段によって行われる減圧手段の上記作動を、ニードルが移動しない範囲で制御室内の燃料の圧力を低下させることから「空打ち作動」と称する。そして、空打ち作動が行われると、第一噴射弁による燃料噴射中に、第二噴射弁に設けられた制御室内の燃料の圧力が低下する。その結果、第一噴射弁による燃料噴射中に、基準圧力が低下することになる。
そして、基準圧力と燃料噴射率とには、基準圧力が低下すると燃料噴射率が低下するという相関が成り立つため、第一噴射弁による燃料噴射中に基準圧力が低下すると、該第一
噴射弁による燃料噴射中の燃料噴射率が低下することになる。
また、第一噴射弁による燃料噴射中の所望の時期に燃料噴射率が低下するように、すなわち燃料噴射の後期段階における所望の時期に燃料噴射率が低下するように、空打ち作動は、第一噴射弁による燃料噴射の開始から所定期間経過後に行われる。言い換えれば、このように燃料噴射率を低下させ得る期間として、前記所定期間が定義される。
このように、本発明に係る内燃機関の制御装置は、燃料噴射の後期段階における所望の時期に燃料噴射率を低下させることを可能とするため、上述した初期高噴射率・後期低噴射率の燃料噴射を実現することを可能とする。よって、燃料噴射の初期段階における筒内でのスモークの生成を抑制し、更に、燃料噴射の後期段階における冷却損失を可及的に小さくすることができる。
また、第二噴射弁で空打ち作動が行われると、該第二噴射弁における制御室内の燃料の圧力と該制御室に接続された燃料通路内の燃料の圧力との間に第一圧力差が生じる。そして、この第一圧力差によって燃料通路内の燃料が制御室に流入し、該燃料通路内の燃料には該制御室への燃料の流出に起因して圧力低下が生じる。そして、この圧力低下は燃料通路内の燃料中を伝播し、更に、該燃料通路へ通じるコモンレール内の燃料中を伝播する。ここで、この圧力低下が、第一噴射弁へ通じる燃料通路とコモンレールとの接続部に到達すると、該接続部から該燃料通路を介して該第一噴射弁へ伝播し、その結果、該第一噴射弁による燃料噴射中の燃料噴射率が低下し始める。したがって、空打ち作動によって生じた圧力低下の前記接続部への到達が、早い場合は燃料噴射率の低下開始時期が早くなり、遅い場合は燃料噴射率の低下開始時期が遅くなる。なお、空打ち作動が行われた後、一定期間経過すると、制御室、燃料通路、およびコモンレール内の燃料の圧力は基準圧力よりも低い圧力で平衡状態となる。
そこで、本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記第一噴射弁の前記噴孔へ通じる前記燃料通路と前記コモンレールとの接続部である第一接続部と、前記第二噴射弁の前記噴孔へ通じる前記燃料通路と前記コモンレールとの接続部である第二接続部と、の距離に応じて前記第二噴射弁に対応する前記減圧手段の作動開始時期を制御する作動時期制御手段を、更に備えてもよい。そして、前記作動時期制御手段は、前記第一接続部と前記第二接続部との距離が短いときは長いときよりも前記減圧手段の作動開始時期を遅くすることができる。
このことにより、第一噴射弁による燃料噴射中の燃料噴射率の低下時期を、比較的高い精度で制御することが可能となる。
更に、本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記複数の燃料通路の夫々に設けられた増圧装置であって、前記コモンレールから前記複数の燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する増圧装置を、更に備えてもよい。
このような増圧装置を備えることによって、燃料噴射圧力を比較的高くすることができる。空打ち作動は燃料噴射率を低くすることができるものの高くすることはできないので、増圧装置を備えるときは備えないときよりも、特に燃料噴射の初期段階の燃料噴射率を高くすることができる(このとき、後期段階の燃料噴射率は空打ち作動によって低くされる。)。つまり、増圧装置は、燃料噴射の初期段階における筒内でのスモークの生成を好適に抑制することを可能とする。
本発明によれば、燃料噴射率を初期高噴射率・後期低噴射率に制御することが可能とな
る。よって、燃料噴射の初期段階における筒内でのスモークの生成を抑制し、更に、燃料噴射の後期段階における冷却損失を可及的に小さくすることができる。
本発明の実施例に係る内燃機関とその吸排気系およびその燃料系の概略構成を示す図である。 本発明の実施例に係る燃料噴射弁を含む燃料噴射装置の概略構成を示す図である。 本発明に係る初期高噴射率・後期低噴射率の概念を示す図である。 本発明の実施例1に係る空打ち作動が実行される場合のタイムチャートを示す図である。 本発明の実施例1に係る内燃機関の制御装置が実行する制御フローを示すフローチャートである。 本発明の変形例1に係る内燃機関の制御装置が実行する制御フローを示すフローチャートである。 本発明の変形例1に係る空打ち作動実行判定フラグの設定フローを示すフローチャートである。 本発明の変形例2に係る空打ち作動が実行される場合のタイムチャートを示す図である。 本発明の実施例2に係る燃料噴射弁、コモンレール、および燃料通路の位置関係を示す図である。 本発明の実施例2に係る空打ち作動が実行される場合のタイムチャートを示す図である。 本発明の実施例2に係る内燃機関の制御装置が実行する制御フローを示すフローチャートである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。図1は、本実施例に係る内燃機関とその吸排気系およびその燃料系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を備えた圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)である。各気筒2には該気筒2内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁3が設けられている。
内燃機関1には、吸気通路4および排気通路5が接続されている。吸気通路4には、エアフローメータ40およびスロットル弁41が設けられている。エアフローメータ40は、吸気通路4内を流れる吸気(空気)の量(質量)に応じた電気信号を出力する。スロットル弁41は、吸気通路4におけるエアフローメータ40よりも下流側に配置されている。スロットル弁41は、吸気通路4内の通路断面積を変更することで、内燃機関1の吸入空気量を調整する。また、排気通路5は、図示しない触媒や消音器を経由して大気中に開放されている。
内燃機関1には、高圧の燃料を蓄えるコモンレール31が設けられている。コモンレール31は、内燃機関1の駆動によって燃料を高圧化して圧送する高圧ポンプ32に接続されており、コモンレール31は高圧ポンプ32によって高圧化された基準圧力の燃料を蓄えている。また、コモンレール31には、各燃料噴射弁3へ通じる互いに独立した燃料通
路33が接続されている。そして、コモンレール31は、各燃料通路33を介して各燃料噴射弁3へ基準圧力の燃料を供給する。また、コモンレール31には、基準圧力を検出する圧力センサ34が設けられている。
また、高圧ポンプ32は、例えばプランジャ形式のポンプである。そして、内燃機関1に設けられている図示しないカムシャフトには、高圧ポンプ32を駆動させるためのカム山が設けられている。高圧ポンプ32は、内燃機関1の運転中にこのカム山によって駆動され、コモンレール31へ間欠的に燃料を圧送する。4つの気筒2を有する本実施例の内燃機関1においては、内燃機関1の1運転サイクル(クランク角度720°)中に4回、コモンレール31へ燃料を圧送する。ここで、燃料の流れに沿って高圧ポンプ32よりも上流側の図示しない燃料タンクおよび燃料経路を「燃料系の低圧側」と称する。
各燃料噴射弁3には、開閉機構310が設けられている。ここで、開閉機構310について、燃料噴射弁3を含む燃料噴射装置の概略構成を示す図2を用いて、以下に説明する。ここで、図2に示すように、燃料通路33は、第一燃料通路33A、第二燃料通路33B、および第三燃料通路33Cにより構成されている。第一燃料通路33Aは、逆止弁331を介して燃料噴射弁3へ通じている。また、第一燃料通路33Aには後述する増圧装置320が設けられ、該増圧装置320は第二燃料通路33Bにより該第一燃料通路33Aの逆止弁331よりも燃料噴射弁3側の通路(以下、「燃料噴射弁側の第一燃料通路33A」と称する場合もある。)と繋がれている。また、第三燃料通路33Cは、燃料噴射弁側の第一燃料通路33Aと開閉機構310とを繋いでいる。
燃料噴射弁3には、噴孔301が形成されたノズル302が設けられている。更に、燃料噴射弁3には、噴孔301を開閉するニードル303が備えられており、ノズル302内のニードル303の周囲には燃料溜まり304が形成されている。また、燃料噴射弁3には、後述する制御室311内の燃料の圧力を受けてニードル303を図2下方向(ニードル303が噴孔301へ向かう方向)に押すコマンドピストン305、およびコマンドピストン305とは独立してニードル303を閉弁方向に押す第一スプリング305Aが備わる。
コマンドピストン305の図1上方向(ニードル303が噴孔301から離れる方向)に隣接して制御室311が形成されている。制御室311は、第二オリフィス314が設けられている第三燃料通路33Cを介して、燃料噴射弁側の第一燃料通路33Aに接続されている。また、制御室311にはソレノイドアクチュエータ312Aを有する噴射制御弁312が設けられている。ここで、後述するECU10がソレノイドアクチュエータ312Aに指令信号を与えることで、噴射制御弁312がECU10により制御される。そして、ECU10が噴射制御弁312を作動させることにより、制御室311内の燃料が第一オリフィス313を介してドレーン配管313Aへ流れ、該燃料は燃料系の低圧側へ還流する。すなわち、噴射制御弁312が作動されることにより、制御室311内の燃料の圧力が低下する。その結果、制御室311内の燃料の圧力は、燃料噴射弁側の第一燃料通路33A内の燃料の圧力よりも低くなる。なお、制御室311、噴射制御弁312、ソレノイドアクチュエータ312A、第一オリフィス313、ドレーン配管313A、および第二オリフィス314により、開閉機構310が構成されている。そして、本実施例においては噴射制御弁312、ソレノイドアクチュエータ312A、およびECU10が、本発明における減圧手段として、制御室311内の燃料の圧力を該制御室311に接続された第一燃料通路33A内の燃料の圧力よりも低下させる。
また、第一燃料通路33Aは、ノズル302の燃料溜まり304に接続されている。そして、後述する増圧装置320の非作動時には、コモンレール31からの燃料が第一燃料通路33Aを流通して燃料溜まり304に供給される。ここで、燃料噴射圧力は、燃料溜
まり304における燃料の圧力であり、このとき、コモンレール31から燃料溜まり304へ基準圧力の燃料が供給されるので、基準圧力が燃料噴射圧力となる。一方、後述する増圧装置320の作動時には、該増圧装置320で増圧された燃料の圧力が燃料噴射圧力となる。
また、制御室311内の燃料圧力は、ニードル303に対して噴孔301を閉じる方向に加わる燃料圧力であり、燃料溜まり304内の燃料圧力は、ニードル303に対して噴孔301を開く方向に加わる燃料圧力である。制御室311と燃料溜まり304とは、第三燃料通路33Cに設けられている第二オリフィス314を介して連通されている。このため、噴射制御弁312の閉弁時には制御室311内の燃料圧力は燃料噴射弁側の第一燃料通路33A、第三燃料通路33C、および燃料溜まり304における燃料圧力とほぼ等しくなっている。この状態では、ニードル303は第一スプリング305Aに押され、ノズル302先端のシートに密着して噴孔301を閉じている。
一方、ソレノイドアクチュエータ312Aに通電され、噴射制御弁312が開弁すると、制御室311内の燃料は第一オリフィス313を通ってドレーン配管313Aに流出し、制御室311内の燃料圧力が低下する。これにより、制御室311内の燃料圧力は、燃料噴射弁側の第一燃料通路33A内の燃料圧力および燃料溜まり304における燃料圧力よりも低くなり、該制御室311内の燃料圧力と燃料溜まり304における燃料圧力との間に圧力差(以下、「第一圧力差」と称する場合もある。)が生じる。そして、この第一圧力差が、ニードル303を上昇させるのに十分な圧力差(以下、「所定圧力差」と称する場合もある。)以上になると、ニードル303は第一スプリング305Aが押す力に抗して噴孔301から離れる方向に移動する。このため、噴孔301が開かれて燃料溜まり304内の燃料が噴孔301から噴射される。
以上のような開閉機構310が設けられている燃料噴射弁3では、ソレノイドアクチュエータ312Aに通電され噴射制御弁312が開弁しても、第一圧力差が所定圧力差以上になるまでは、制御室311内の燃料圧力は低下するものの燃料噴射弁3からは燃料が噴射されない。このことは、燃料を噴射するために、後述するECU10からソレノイドアクチュエータ312Aへ入力される指令信号が入力されてから、ニードル303のリフト量が増加を始めるまでの応答遅れ(燃料噴射弁3の開弁遅れ)に相当する。そこで、このような応答遅れ期間中には制御室311内の燃料圧力は低下するものの燃料噴射弁3からは燃料が噴射されないことに着眼して、本実施例に係る燃料噴射弁3では、実際に燃料を噴射させることなく制御室311内の燃料圧力を低下させることができる。
そして、このようにして制御室311内の燃料圧力が低下すると、その後に第三燃料通路33Cおよび第一燃料通路33A内の燃料圧力も低下する(第三燃料通路33C、第一燃料通路33Aの順に燃料圧力が低下する)。その結果、第一燃料通路33A内の燃料圧力の低下後に、コモンレール31内の燃料圧力である基準圧力が低下することになる。
また、第一燃料通路33Aには、増圧装置320が設けられている。ここで、増圧装置320について、上記の図2を用いて以下に説明する。増圧装置320は、増圧ピストン321と収容室322とを備え、増圧ピストン321は収容室322内を摺動可能に保持されている。そして、増圧ピストン321は大径ピストン部321Aと小径ピストン部321Bとを有している。更に、大径ピストン部321Aおよび小径ピストン部321Bは一体となって収容室322内を摺動し、その摺動方向に沿って延在する概ね軸状に形成されている。ここで、大径ピストン部321Aは、小径ピストン部321B側の端部(以下、「第一端部」と称する。)321Aaと、該第一端部321Aaと反対側の端部(以下、「第二端部」と称する。)321Abと、を有する。また、小径ピストン部321Bは、一方の端部が第一端部321Aaと当接して大径ピストン部321Aと一体構造を成し
、他方の端部(以下、「第三端部」と称する。)321Baは第二端部321Abと概ね平行に形成されている。このように形成される増圧ピストン321は、第二端部321Abの面積(以下、「第二端部面積」と称する。)と、第三端部321Baの面積(以下、「第三端部面積」と称する。)と、が下記式1に示す一定の比率を有することになる。
Ar=A2/A3 ・・・式1
Ar:面積比
A2:第二端部面積
A3:第三端部面積
ここで、大径ピストン部321Aの径は小径ピストン部321Bの径よりも大きくて、第二端部面積A2は第三端部面積A3よりも大きくなるので、上記式1が示す面積比Arは1よりも大きな一定値となる。また、第二端部面積A2と、第一端部321Aaの面積と第三端部面積A3との和と、は概ね等しくなっている。
また、収容室322に増圧ピストン321が配置されることによって、該収容室322には圧力室322A、増圧制御室322B、および増圧室322Cが形成される。ここで、圧力室322Aは収容室322と第二端部321Abとによって形成され、増圧制御室322Bは収容室322と第一端部321Aaと小径ピストン部321Bとによって形成され、増圧室322Cは収容室322と第三端部321Baとによって形成される。そして、圧力室322Aは圧力室燃料路323を介してコモンレール31に連通している。また、増圧室322Cは第二燃料通路33Bに連通している。そして、第二燃料通路33Bは増圧室322Cを燃料噴射弁側の第一燃料通路33Aに接続している。
そして、増圧装置320には、増圧制御弁325が備わる。増圧制御弁325は増圧制御弁燃料路326を介してコモンレール31に連通している。また、増圧制御弁325は増圧制御室322Bに接続されている。そして、増圧制御弁325は、ソレノイド駆動の切換弁であり、増圧制御室322Bを、増圧制御弁燃料路326または還流通路327に選択的に接続する。ここで、増圧制御弁325は後述するECU10により制御される。また、還流通路327は、増圧制御室322Bから燃料を流出させ、該燃料は燃料系の低圧側へ還流する。
ここで、増圧装置320の非作動時には、増圧制御弁325のソレノイドの通電は停止されており、増圧制御室322Bは増圧制御弁325を介して増圧制御弁燃料路326に接続されているため、増圧制御室322B内には基準圧力が作用している。また、増圧装置320の圧力室322Aには、圧力室燃料路323を介して基準圧力が作用している。更に、増圧装置320の増圧室322Cには、後述するように基準圧力が作用している。このため、第二端部321Abに作用する燃料圧力による力と、第一端部321Aaおよび第三端部321Baに作用する燃料圧力による力と、は概ね等しくなる。
この状態では、増圧ピストン321は大径ピストン部321Aを圧力室322A側に向けて付勢する第二スプリング324に押されて図2の上方に移動しており、増圧室322C内には、第一燃料通路33A、逆止弁331、および第二燃料通路33Bを通ってコモンレール31から燃料が流入している。このため、増圧室322C、第二燃料通路33B、第一燃料通路33A、および燃料溜まり304における燃料圧力は基準圧力と等しくなっている。すなわち、増圧装置320の非作動時には、基準圧力が燃料噴射圧力となる。
一方、増圧制御弁325のソレノイドが通電されると増圧制御室322Bは増圧制御弁325を介して還流通路327に接続される。これにより、増圧制御室322B内の燃料が増圧制御弁325を介して還流通路327に流出し、増圧制御室322B内の圧力が低下する。このため、増圧ピストン321は第二端部321Abに作用する圧力室322A内の燃料圧力(すなわち、基準圧力)によって押され、増圧室322C内の燃料は小径ピ
ストン部321Bにより加圧される。これにより、増圧室322C内の燃料圧力は、圧力室322A内の基準圧力に上記式1が示す面積比Arを乗じた値に増圧される。
すなわち、増圧装置320の作動時には、増圧室322C、第二燃料通路33B、燃料噴射弁側の第一燃料通路33A、および燃料溜まり304における燃料圧力が、基準圧力に上記式1が示す面積比Arを乗じた値に増圧される。なお、上記式1が示す面積比Arを以下では、「増圧比」と称する。この増圧比は増圧ピストン321の形状によって定まる所定値である。したがって、増圧装置320の作動時には、燃料溜まり304における燃料圧力が基準圧力に増圧比を乗じた圧力(以下、「増圧比乗算圧力」と称する場合もある。)となり、この増圧比乗算圧力が燃料噴射圧力となる。
また、内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)10が併設されている。ECU10は、内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。ECU10には、上記の圧力センサ34、エアフローメータ40に加え、アクセルポジションセンサ6、およびクランクポジションセンサ7等の各種センサが電気的に接続されている。アクセルポジションセンサ6は、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)に相関した電気信号を出力するセンサである。クランクポジションセンサ7は、内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)の回転位置に相関する電気信号を出力するセンサである。そして、これらのセンサの出力信号がECU10に入力される。ECU10は、アクセルポジションセンサ6の出力信号に基づいて内燃機関1の機関負荷を導出する。また、ECU10は、クランクポジションセンサ7の出力信号に基づいて内燃機関1の機関回転速度を導出する。
また、ECU10には、高圧ポンプ32、スロットル弁41、ソレノイドアクチュエータ312A、および増圧制御弁325等の各種装置が電気的に接続されている。ECU10によって、これら各種装置が制御される。
ところで、内燃機関1における燃焼において、燃料噴射の初期段階の燃料噴射率が低い場合には、気筒2内でのスモーク生成量が増大する虞がある。一方で、燃料噴射の後期段階の燃料噴射率が高い場合には、燃料噴霧が過拡散してしまい、気筒2の壁面付近にまで広がった燃焼火炎により冷却損失が増加する虞がある。本発明の発明者は、燃料噴射の初期段階で燃料噴射率を高くし、燃料噴射の後期段階で燃料噴射率を低くすることで、上記問題を解決できることを見出した。このような燃料噴射率を、以下「初期高噴射率・後期低噴射率」と称する。この初期高噴射率・後期低噴射率の概念図を図3に示す。図3に示すように、燃料噴射率は、燃料噴射の初期段階では高くなるものの、燃料噴射の開始から期間Δt経過した時刻t以降の期間Δt´においてdQ1からdQ2に大幅に低下する。その結果、燃料噴射率は、燃料噴射の後期段階で低くなる。そして、従来技術では、このような初期高噴射率・後期低噴射率の燃料噴射を実現することができなかった。
そこで、本実施例に係るECU10は、第一圧力差が所定圧力差以上であるように噴射制御弁312を開弁させることで、燃料噴射弁3からの燃料噴射を実行する。そして、各気筒2に設けられた燃料噴射弁3のうち、現在に燃料を噴射している燃料噴射弁3(以下、「第一噴射弁」と称する場合もある。)による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始から所定期間経過後に、各気筒2に設けられた燃料噴射弁3のうち、該第一噴射弁とは異なる燃料噴射弁3(以下、「第二噴射弁」と称する場合もある。)において、第一圧力差が所定圧力差よりも小さい値であるように噴射制御弁312を開弁させる。第二噴射弁における、このような噴射制御弁312の作動を、以下「空打ち作動」と称する。そして、空打ち作動が行われることで、第一噴射弁による燃料噴射中に、コモンレール31内の燃料圧力である基準圧力が低下することになる。なお、本実施例においては、ECU10が上記のように燃料噴射を実行することで、本発明に係る開閉制御手段として機能する。また、ECU10が空打ち作動を実行することで、本発明に係る基準
圧力制御手段として機能する。以下に、図4に示すタイムチャートを用いて詳しく説明する。
図4には、各気筒2におけるECU10からソレノイドアクチュエータ312Aへ入力される指令信号および燃料噴射弁3からの燃料噴射率の推移が、#1気筒から#4気筒の順に示される。更に、第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力、基準圧力、および高圧ポンプ32からの燃料圧送時期の推移が示される。図4は、内燃機関1の1運転サイクル(クランク角度720°)におけるこれらの推移を示し、該運転サイクルでは#1気筒、#3気筒、#4気筒、#2気筒の順に気筒2内での燃焼が行われる。なお、第一噴射弁による燃料噴射中には、燃料溜まり304内の燃料圧力が燃料噴射圧力となる。
図4に示す制御処理では、先ず、#1気筒の燃焼行程において、ソレノイドアクチュエータ312Aへ燃料噴射の指令信号が入力されると、第一圧力差が所定圧力差以上となるまでの期間である遅れ期間経過後の時刻t1において、#1気筒に設けられている燃料噴射弁3(すなわち、このときは#1気筒に設けられている燃料噴射弁3が第一噴射弁に相当する。)からの燃料噴射が開始される。ここで、燃料噴射開始前には、第一噴射弁へ通じる第一燃料通路33Aに設けられた増圧装置320によって第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力が圧力P0から圧力P1に増圧されていて、燃料噴射開始時の燃料噴射圧力は圧力P1となる。つまり、増圧装置320の非作動時に、このときの基準圧力である圧力P0になっている燃料溜まり304内の燃料圧力が、増圧装置320の作動によって、圧力P0に増圧比を乗じた増圧比乗算圧力に増圧され、その結果、燃料噴射開始時の燃料噴射圧力が圧力P1となる。このように、第一噴射弁における燃料噴射圧力が増圧比乗算圧力である圧力P1となることで、後述する時刻t2に至るまでの第一噴射弁による燃料噴射の燃料噴射率(燃料噴射の初期段階における燃料噴射率)は高くなる。
そして、第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始時期である時刻t1から所定期間Δt1経過後に、該第一噴射弁とは異なる#4気筒に設けられている燃料噴射弁3(すなわち、このときは#4気筒に設けられている燃料噴射弁3が第二噴射弁に相当する。)におけるソレノイドアクチュエータ312Aへ空打ち作動の指令信号が入力される。つまり、このことは、本発明において、基準圧力制御手段が、第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始から所定期間経過後に、第二噴射弁において、第一圧力差が所定圧力差よりも小さい値であるように該第二噴射弁に対応する減圧手段を作動させることに相当する。ここで、所定期間Δt1は、燃料噴射率を燃料噴射の後期段階における所望の時期に低下させることを可能とするように、実験等に基づき予め定められECU10のROMに記憶されている。また、上述したように、空打ち作動は、ニードル303のリフト量が増加し始めるまでの応答遅れ期間中には制御室311内の燃料圧力は低下するものの燃料噴射弁3からは燃料が噴射されないことを利用して、第一圧力差が所定圧力差よりも小さい値であるように噴射制御弁312を開弁させ、制御室311内の燃料圧力を低下させることで基準圧力を低下させるものである。よって、この空打ち作動の指令信号は、ニードル303が噴孔301を開くまでの時間幅よりも短い時間幅の信号である。そして、第二噴射弁において空打ち作動が行われると、作動開始から所定遅れ時間Δt2経過後の時刻t2において、基準圧力が低下し始める。
そして、時刻t2以降に基準圧力が圧力P0から圧力P3に低下するのに伴って、コモンレール31へ通じている第一噴射弁(#1気筒に設けられている燃料噴射弁3)における燃料溜まり304内の燃料圧力が圧力P1から圧力P2に低下する。このときには、増圧装置320によって第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力の増圧が行われているものの、基準圧力が圧力P0から圧力P3に低下するため、増圧比乗算圧力である燃料溜まり304内の燃料圧力も圧力P1から圧力P2に低下する。ここで、燃料噴射圧
力と燃料噴射率とには、噴孔301の径が同一の場合には燃料噴射圧力が低下すると燃料噴射率が低下するという相関が成り立つため、第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力、すなわち第一噴射弁からの燃料噴射圧力が、圧力P1から圧力P2に低下するのに伴って、該第一噴射弁による燃料噴射中の燃料噴射率が燃料噴射圧力P2に対応した燃料噴射率へ低下することになる。つまり、時刻t2に至るまでの期間(燃料噴射の初期段階)において高くされていた燃料噴射率が、時刻t2よりも後(燃料噴射の後期段階)において低くされることになる。
そして、第一噴射弁における燃料噴射が終了すると、増圧装置320による第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力の増圧が終了される。また、高圧ポンプ32は、上述したように内燃機関1の1運転サイクル(クランク角度720°)中に4回、コモンレール31へ燃料を圧送し、その圧送時期は、図4に示すように第一噴射弁による燃料噴射の終了後に設定されている。したがって、第一噴射弁による燃料噴射の終了後に、高圧ポンプ32によってコモンレール31へ燃料が圧送される。ここで、図4に示す高圧ポンプ圧送時期の時間推移において、0は燃料の圧送が行われていない状態を示し、1は燃料の圧送が行われている状態を示す。以上のことにより、第一噴射弁による燃料噴射の終了後には、基準圧力は圧力P3から元の圧力P0に回復し、また、増圧の終了により圧力P2から低下する第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力は、このときの基準圧力である圧力P0になる。
図4に示す制御処理では、次に、#3気筒の燃焼行程において、#1気筒の燃焼行程と同様にして#3気筒に設けられている燃料噴射弁3(すなわち、このときは#3気筒に設けられている燃料噴射弁3が第一噴射弁に相当する。)からの燃料噴射が時刻t3に開始される。そして、第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始時期である時刻t3から所定期間Δt1経過後に、このときの第二噴射弁に相当する#2気筒に設けられている燃料噴射弁3におけるソレノイドアクチュエータ312Aへ空打ち作動の指令信号が入力され、該第二噴射弁において空打ち作動が行われる。空打ち作動の開始から所定遅れ時間Δt2経過後の時刻t4において基準圧力が低下し始め、増圧装置320によって圧力P1に増圧されていた第一噴射弁からの燃料噴射圧力が圧力P1から圧力P2に低下すると、結果として該第一噴射弁による燃料噴射中の燃料噴射率が燃料噴射圧力P2に対応した燃料噴射率へ低下する。
#3気筒の燃焼行程の後の#4気筒、#2気筒の燃焼行程においても、上記と同様の制御処理が行われる。すなわち、#4気筒の燃焼行程においては、#1気筒に設けられている燃料噴射弁3において空打ち作動が行われることで、第一噴射弁(ここでは、#4気筒に設けられている燃料噴射弁3)による燃料噴射中の燃料噴射率が燃料噴射圧力P2に対応した燃料噴射率へ低下し、#2気筒の燃焼行程においては、#3気筒に設けられている燃料噴射弁3において空打ち作動が行われることで、第一噴射弁(ここでは、#2気筒に設けられている燃料噴射弁3)による燃料噴射中の燃料噴射率が燃料噴射圧力P2に対応した燃料噴射率へ低下する。
なお、図4に示す制御処理では、第一噴射弁が設けられている気筒2の燃焼行程からクランク角度360°後に燃焼行程となる気筒2(以下、「裏気筒」と称する場合もある。)に設けられている燃料噴射弁3を第二噴射弁とすることを原則としている。また、図4に示す制御処理では、裏気筒に設けられている燃料噴射弁3においてのみ空打ち作動が実行されているが、空打ち作動が実行される第二噴射弁は2つ以上であってもよい。
本実施例に係る内燃機関1の制御装置は、以上のようにして第一噴射弁による燃料噴射中の基準圧力を低下させることによって、初期高噴射率・後期低噴射率の燃料噴射を実現する。このことにより、燃料噴射の初期段階における気筒2内でのスモークの生成を抑制
すること、更に、燃料噴射の後期段階における冷却損失を可及的に小さくすることができる。
ここで、本実施例に係る内燃機関1の制御装置が実行する制御フローについて図5に基づいて説明する。図5は、本実施例に係る内燃機関1の制御装置における、制御フローを示すフローチャートである。本実施例では、ECU10によって、本フローが内燃機関1の運転中に所定の演算周期で繰り返し実行される。
本フローでは、先ず、S101において、ECU10が、クランクポジションセンサ7の出力信号に基づいて内燃機関1の機関回転速度Neを取得し、アクセルポジションセンサ6の出力信号に基づいて内燃機関1の機関負荷KLを取得する。そして、S102において、S101で取得した機関負荷KLに基づいて、燃料噴射量Qvが算出される。
S102の処理の後、S103において、S101で取得した機関回転速度NeおよびS102で算出した燃料噴射量Qvに基づいて、初期燃料噴射率dQ1および後期燃料噴射率dQ2が算出される。ECU10のROMには、初期燃料噴射率dQ1、後期燃料噴射率dQ2、および燃料噴射の開始から燃料噴射率が後期燃料噴射率dQ2へ低下し始めるまでの期間(上記の図3に示した期間Δt)と、機関回転速度Neおよび燃料噴射量Qvと、の相関が、マップまたは関数として予め記憶されている。S103では、このマップまたは関数を用いて初期燃料噴射率dQ1および後期燃料噴射率dQ2が算出される。
次に、S104において、S103で算出した初期燃料噴射率dQ1が後期燃料噴射率dQ2よりも大きいか否かが判別される。ここで、初期燃料噴射率dQ1が後期燃料噴射率dQ2よりも大きい場合とは、例えば、燃料噴射の初期段階における燃料噴霧の蒸発促進と、燃料噴射の後期段階における燃料噴霧の過拡散抑制と、の両立が要求されている場合である。そして、この場合には、ECU10は、燃料噴射率が上記の図3に示したように、燃料噴射の初期段階で高くなり、後期段階で初期燃料噴射率dQ1から後期燃料噴射率dQ2に低下するように、燃料噴射を制御する。S104において肯定判定された場合、ECU10はS105の処理へ進み、S104において否定判定された場合、ECU10はS111の処理へ進む。
S104において肯定判定された場合、次に、S105において、初期燃料噴射圧力Pinj1および後期燃料噴射圧力Pinj2が算出される。S105では、減圧前基準圧力Pcrに増圧比(すなわち、上述した面積比Ar)を乗じることによって、初期燃料噴射圧力Pinj1が算出される。また、後期燃料噴射圧力Pinj2は、後期燃料噴射率dQ2で燃料噴射するのに必要な燃料噴射圧力であり、下記式2により算出される。
Pinj2=Pinj1・(dQ2/dQ1) ・・・式2
ECU10は、上記パラメータを用いて後期燃料噴射圧力Pinj2を算出する。なお、減圧前基準圧力Pcrは、圧力センサ34によって検出される。また、初期燃料噴射圧力Pinj1および後期燃料噴射圧力Pinj2は、上記の図4に示した圧力P1および圧力P2に相当する。
次に、S106において、後期燃料噴射圧力Pinj2で燃料噴射を行うときの基準圧力である減圧後基準圧力Pcr2が算出される。S106では、下記式3により減圧後基準圧力Pcr2が算出される。
Pcr2=Pinj2/Ar ・・・式3
ECU10は、S105で算出した後期燃料噴射圧力Pinj2および増圧比(面積比)Arを用いて減圧後基準圧力Pcr2を算出する。
次に、S107において、差分圧力ΔPcrが算出される。この差分圧力ΔPcrとは
、減圧前基準圧力Pcrと減圧後基準圧力Pcr2との圧力の差分であり、下記式4により算出される。
ΔPcr=Pcr−Pcr2 ・・・式4
ECU10は、圧力センサ34により検出した減圧前基準圧力PcrおよびS106で算出した減圧後基準圧力Pcr2を用いて差分圧力ΔPcrを算出する。なお、減圧前基準圧力Pcrおよび減圧後基準圧力Pcr2は、上記の図4に示した圧力P0および圧力P3に相当する。
次に、S108において、空打ち作動が行われる第二噴射弁の数である作動数nが算出される。S108では、S107で算出した差分圧力ΔPcrに基づいて作動数nが算出される。空打ち作動による第二噴射弁当たりの基準圧力の低下量は、実験等により予め定めることができる。そして、例えば、S107で算出した差分圧力ΔPcrが、この第二噴射弁当たりの基準圧力の低下量よりも大きい場合には、作動数nを2以上の整数とする必要がある。ECU10のROMには、作動数nと差分圧力ΔPcrとの相関が、マップまたは関数として予め記憶されていて、このマップまたは関数を用いて作動数nが算出される。
次に、S109において、燃料噴射弁3からの燃料噴射が実行される。このとき、燃料噴射の初期段階、すなわち空打ち作動が実行されるまでは、燃料噴射圧力が初期燃料噴射圧力Pinj1にされていて、S109の処理開始に伴ってニードル303のリフト量が増加し始めると、燃料噴射弁3(すなわち、第一噴射弁)からの燃料噴射率が上昇し、ある時間経過後に初期燃料噴射率dQ1となる。
次に、S110において、空打ち作動が実行される。このとき、S110では、S108で算出した作動数nの第二噴射弁において空打ち作動が実行される。また、空打ち作動は、第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始から所定期間経過後に、実行される。なお、上述したように、前記所定期間は実験等に基づき予め定められECU10のROMに記憶されている。ここで、例えば、作動数nが1である場合には、上述したように、第一噴射弁が設けられている気筒2の裏気筒に設けられている第二噴射弁において空打ち作動が実行される。また、例えば、作動数nが2以上である場合には、第一噴射弁が設けられている気筒2の裏気筒に設けられている第二噴射弁と、第一噴射弁とは異なる燃料噴射弁3であって且つ裏気筒とは異なる任意の気筒2に設けられている第二噴射弁と、において空打ち作動が実行される。そして、S110において空打ち作動が実行されると、所定遅れ時間経過後(例えば、図4に示した所定遅れ時間Δt2経過後)、基準圧力が減圧前基準圧力Pcrから減圧後基準圧力Pcr2に低下する。これに伴い燃料噴射圧力が初期燃料噴射圧力Pinj1から後期燃料噴射圧力Pinj2に低下し、燃料噴射率が初期燃料噴射率dQ1から後期燃料噴射率dQ2に低下する。そして、S110の処理の後、本フローの実行が終了される。
また、S104において否定判定された場合、この場合は従来技術であり、次に、S111において、初期燃料噴射率dQ1、後期燃料噴射率dQ2を実現するための燃料噴射弁3からの燃料噴射が実行される。なお、この場合は従来技術であるので、詳細は割愛する。そして、S111の処理の後、本フローの実行が終了される。
上述した制御フローのように、第一噴射弁からの燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始から所定期間経過後に、空打ち作動が実行されることによって、燃料噴射の初期段階における気筒2内でのスモークの生成が抑制され、更に、燃料噴射の後期段階における冷却損失が可及的に小さくされる。
[変形例1]
実施例1は、1燃焼行程において、燃料噴射弁3からのメイン噴射のみが行われる例である。これに対し、本変形例は、燃料噴射弁3によりメイン噴射およびアフタ噴射が行われる例である。なお、本変形例において、上記実施例1と実質的に同一の構成、実質的に同一の制御処理については、その詳細な説明を省略する。
本変形例に係る内燃機関1の制御装置が実行する制御フローについて図6に基づいて説明する。図6は、本変形例に係る内燃機関1の制御装置における、制御フローを示すフローチャートである。本変形例では、ECU10によって、本フローが内燃機関1の運転中に所定の演算周期で繰り返し実行される。
図6に示すフローでは、S106の処理の後、S201において、空打ち作動実行判定フラグNflgが設定される。空打ち作動実行判定フラグNflgとは、空打ち作動を実行可能な場合に1に、空打ち作動を実行不可能な場合に0に設定されるフラグであり、その設定手法については後述する。ECU10は、S201の処理の後S202の処理へ進む。
次に、S202において、S201で設定した空打ち作動実行判定フラグNflgが1であるか否かが判別される。S202において肯定判定された場合、ECU10はS107の処理へ進み、S202において否定判定された場合、ECU10はS205の処理へ進む。
そして、図6に示すフローでは、S108の処理の後、S203において、燃料噴射弁3からのメイン噴射が実行される。このとき、メイン噴射の初期段階、すなわち空打ち作動が実行されるまでは、燃料噴射圧力が初期燃料噴射圧力Pinj1にされていて、S203の処理開始に伴ってニードル303のリフト量が増加し始めると、燃料噴射弁3(すなわち、第一噴射弁)からの燃料噴射率が上昇し、ある時間経過後に初期燃料噴射率dQ1となる。ECU10は、S203の処理の後S110の処理へ進み、第二噴射弁において空打ち作動を実行する。
そして、図6に示すフローでは、S110の処理の後、S204において、燃料噴射弁3からのアフタ噴射が実行される。S204では、後述する燃圧制御判定フラグNflg´に応じて通常アフタ噴射、または燃圧制御後アフタ噴射が実行される。詳細には、後述する燃圧制御判定フラグNflg´が0のとき、通常アフタ噴射が実行され、後述する燃圧制御判定フラグNflg´が1または2のとき、燃圧制御後アフタ噴射が実行される。そして、S204の処理の後、本フローの実行が終了される。ここで、通常アフタ噴射とは、燃料噴射圧力が減圧後基準圧力Pcr2となるアフタ噴射であって、通常アフタ噴射が実行される場合には、メイン噴射終了後に増圧装置320による第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力の増圧が終了されていて、このときの基準圧力である減圧後基準圧力Pcr2で燃料が噴射される。また、燃圧制御後アフタ噴射とは、燃料噴射圧力が、減圧後基準圧力Pcr2よりも低くなる、または減圧後基準圧力Pcr2よりも高くなるアフタ噴射であって、燃料噴射圧力は、燃圧制御判定フラグNflg´が1のときは減圧後基準圧力Pcr2よりも低くなり、燃圧制御判定フラグNflg´が2のときは減圧後基準圧力Pcr2よりも高くなる。
ここで、燃圧制御判定フラグNflg´が1のときには、メイン噴射終了後に増圧装置320による第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力の増圧が終了されるとともに、コモンレール31内の燃料圧力である基準圧力が更に減圧される。その結果、基準圧力が減圧後基準圧力Pcr2よりも低い圧力となり、該圧力で燃料が噴射される。なお、空打ち作動を再度実行することにより、このように基準圧力を更に減圧することができる。
また、燃圧制御判定フラグNflg´が2のときには、メイン噴射終了後に増圧装置320による第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力の増圧が終了され、その後に、再度増圧装置320によって該燃料圧力が増圧される。このことにより、減圧後基準圧力Pcr2よりも高い増圧比乗算圧力で燃料が噴射される。なお、再度増圧装置320によって前記燃料圧力が増圧される前に、空打ち作動により基準圧力が減圧されてもよい。
また、図6に示すフローでは、S104において否定判定された場合、または、S202において否定判定された場合、この場合は従来技術であり、次に、S205において、初期燃料噴射率dQ1、後期燃料噴射率dQ2を実現するための燃料噴射弁3からのメイン噴射が実行される。なお、この場合は従来技術であるので、詳細は割愛する。そして、S205の処理の後、S206において、燃料噴射弁3からのアフタ噴射が実行される。このときには、メイン噴射終了後に増圧装置320による第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力の増圧が終了されていて、S206では、燃料噴射圧力が減圧前基準圧力Pcrとなる。そして、S206の処理の後、本フローの実行が終了される。
ここで、S201における空打ち作動実行判定フラグNflgの設定処理について、図7に基づいて説明する。図7は、空打ち作動実行判定フラグNflgの設定フローを示すフローチャートである。
図7に示すフローでは、先ず、S211において、アフタ噴射圧力Paftが算出される。ECU10のROMには、アフタ噴射圧力Paftと機関回転速度Neおよび機関負荷KLとの相関が、マップまたは関数として予め記憶されている。S211では、このマップまたは関数を用いてアフタ噴射圧力Paftが算出される。そして、S211の処理の後、S212において、燃圧制御判定フラグNflg´が0に初期化される。燃圧制御判定フラグNflg´とは、上記のS204におけるアフタ噴射において、通常アフタ噴射を実行するか、燃圧制御後アフタ噴射を実行するか、を判定するフラグである。
次に、S213において、S211で算出したアフタ噴射圧力Paftが上記のS105で算出した後期燃料噴射圧力Pinj2よりも小さいか否かが判別される。S213において肯定判定された場合、この場合は、空打ち作動を実行してもアフタ噴射圧力Paftを確保することができるため、空打ち作動が実行可能であり、ECU10はS214の処理へ進む。一方、S213において否定判定された場合、この場合は、空打ち作動により基準圧力が減圧前基準圧力Pcrから減圧後基準圧力Pcr2に低下すると、アフタ噴射圧力Paftでアフタ噴射をすることができなくなるため、空打ち作動が実行不可能であり、ECU10はS216の処理へ進む。
S213において肯定判定された場合、次に、S214において、S211で算出したアフタ噴射圧力Paftが上記のS106で算出した減圧後基準圧力Pcr2と等しいか否かが判別される。そして、S214において肯定判定された場合、次に、S215において、空打ち作動実行判定フラグNflgが1に設定される。このことにより、上記のS202において、空打ち作動が実行可能と判別され、上記のS110において、空打ち作動が実行される。そして、S215の処理の後、図7に示すフローが終了される。ここで、S214において肯定判定された場合には、燃圧制御判定フラグNflg´は0のままである。そして、上記のS204では、空打ち作動実行判定フラグNflgが1であって且つ燃圧制御判定フラグNflg´が0のときに、通常アフタ噴射が実行される。
また、S213において否定判定された場合、次に、S216において、空打ち作動実行判定フラグNflgが0に設定される。このことにより、上記のS202において、空
打ち作動が実行不可能と判別され、空打ち作動は実行されない。そして、S216の処理の後、図7に示すフローが終了される。なお、このときにも、燃圧制御判定フラグNflg´は0のままである。そして、上記のS206では、空打ち作動実行判定フラグNflgが0であって且つ燃圧制御判定フラグNflg´が0のときに、アフタ噴射が実行される。
また、S214において否定判定された場合、次に、S217において、S211で算出したアフタ噴射圧力Paftが上記のS106で算出した減圧後基準圧力Pcr2よりも小さいか否かが判別される。S217において肯定判定された場合、次に、S218において、燃圧制御判定フラグNflg´が1に設定され、次にECU10はS215の処理へ進み、空打ち作動実行判定フラグNflgが1に設定される。一方、S217において否定判定された場合、次に、S219において、燃圧制御判定フラグNflg´が2に設定され、次にECU10はS215の処理へ進み、空打ち作動実行判定フラグNflgが1に設定される。このとき、上記のS204では、空打ち作動実行判定フラグNflgが1であって且つ燃圧制御判定フラグNflg´が1のときには、上述したように基準圧力が減圧後基準圧力Pcr2よりも減圧されたうえで燃圧制御後アフタ噴射が実行される。また、空打ち作動実行判定フラグNflgが1であって且つ燃圧制御判定フラグNflg´が2のときには、上述したように減圧後基準圧力Pcr2よりも高い増圧比乗算圧力で燃圧制御後アフタ噴射が実行される。
上述した制御フローのように、空打ち作動が実行されることによって、アフタ噴射に影響を及ぼすことなく、燃料噴射の初期段階における気筒2内でのスモークの生成が抑制され、更に、燃料噴射の後期段階における冷却損失が可及的に小さくされる。
[変形例2]
実施例1は、増圧装置320が設けられる例である。これに対し、本変形例は、増圧装置320が設けられない例である。なお、本変形例において、上記実施例1と実質的に同一の構成、実質的に同一の制御処理については、その詳細な説明を省略する。
本変形例に係る内燃機関1の制御装置が行う制御処理について、図8に示すタイムチャートを用いて詳しく説明する。図8には、上記の図4と同様に、各気筒2におけるECU10からソレノイドアクチュエータ312Aへ入力される指令信号および燃料噴射弁3からの燃料噴射率の推移が、#1気筒から#4気筒の順に示される。更に、第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力、基準圧力、および高圧ポンプ32からの燃料圧送時期の推移が示される。
図8に示す制御処理では、先ず、#1気筒の燃焼行程において、#1気筒に設けられている燃料噴射弁3(すなわち、このときは#1気筒に設けられている燃料噴射弁3が第一噴射弁に相当する。)からの燃料噴射が開始される。本変形例では、増圧装置320が設けられないため、上記の図4に示した制御処理と異なり、燃料噴射開始前に第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力の増圧は実行されない。したがって、燃料噴射開始時において、前記燃料圧力すなわち燃料噴射圧力は、基準圧力と同じ圧力P0となる。なお、後述する空打ち作動により時刻t2よりも後に第一噴射弁による燃料噴射の燃料噴射率は低下するため、燃料噴射率は、燃料噴射の後期段階よりも初期段階の方が高くなる。
そして、第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始時期である時刻t1から所定期間Δt1経過後に実行される空打ち作動は、上記の図4に示した制御処理と同様にして実行される。そして、空打ち作動開始から所定遅れ時間Δt2経過後の時刻t2以降に基準圧力が圧力P0から圧力P3に低下するのに伴って、第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力も圧力P0から圧力P3に低下する。そ
の結果、第一噴射弁による燃料噴射中の燃料噴射率が燃料噴射圧力P3に対応した燃料噴射率へ低下する。そして、第一噴射弁による燃料噴射の終了後に、高圧ポンプ32によってコモンレール31へ燃料が圧送されると、基準圧力は圧力P3から元の圧力P0に回復する。
そして、#1気筒の燃焼行程の後の#3気筒、#4気筒、#2気筒の燃焼行程においても、上記と同様の制御処理が行われる。
ここで、本変形例に係る内燃機関1の制御装置が実行する制御フローについて、上記の図5に示した制御処理と異なる処理を説明する。
本変形では、上記の図5に示したフローのS105において、初期燃料噴射圧力Pinj1が減圧前基準圧力Pcrとされたうえで、後期燃料噴射圧力Pinj2が算出される。
また、本変形では、上記の図5に示したフローのS106において、下記式5により減圧後基準圧力Pcr2が算出される。
Pcr2=Pinj2 ・・・式5
本変形例に係る内燃機関1の制御装置は、以上のようにして第一噴射弁による燃料噴射中の基準圧力を低下させることによって、初期高噴射率・後期低噴射率の燃料噴射を実現する。このことにより、燃料噴射の初期段階における気筒2内でのスモークの生成を抑制すること、更に、燃料噴射の後期段階における冷却損失を可及的に小さくすることができる。
<実施例2>
次に、本発明の第2の実施例について図9から図11に基づいて説明する。ここでは、上述した第1の実施例と実質的に同一の構成、実質的に同一の制御処理については、その詳細な説明を省略する。
上述した第1の実施例は、第一噴射弁による燃料噴射中の基準圧力を低下させることによって燃料噴射の後期段階の燃料噴射率を低下させるものである。ここで、燃料噴射の後期段階における燃料噴射率の低下時期をより高い精度で制御することができれば、燃料噴射の後期段階における冷却損失をより好適に小さくすることができる。そこで、本実施例に係るECU10は、第一噴射弁の噴孔301へ通じる燃料通路33とコモンレール31との接続部である第一接続部と、第二噴射弁の噴孔301へ通じる燃料通路33とコモンレール31との接続部である第二接続部と、の距離に応じて第二噴射弁における空打ち作動の開始時期を制御する。なお、本実施例においては、ECU10が第二噴射弁における空打ち作動の開始時期を制御することで、本発明に係る作動時期制御手段として機能する。以下に、図9に示す燃料噴射系の概略図および図10に示すタイムチャートを用いて詳しく説明する。
図9は、燃料噴射弁3、コモンレール31、および燃料通路33の位置関係を示す図である。ここで、図9において、#1気筒に設けられている燃料噴射弁3へ通じる燃料通路33とコモンレール31との接続部が接続部31aとして表されている。同様にして、#2気筒に設けられている燃料噴射弁3に対応する前記接続部が接続部31bとして、#3気筒に設けられている燃料噴射弁3に対応する前記接続部が接続部31cとして、#4気筒に設けられている燃料噴射弁3に対応する前記接続部が接続部31dとして、表されている。そして、コモンレール31と各燃料噴射弁3とを繋ぐ燃料通路33の長さは、それぞれ同じ長さLpとなっている。また、内燃機関1において4つの気筒2は、#1気筒、
#2気筒、#3気筒、#4気筒の順に直列に等間隔に設けられているため、各気筒2に設けられている燃料噴射弁3もこれに対応して配置されている。つまり、接続部31aと接続部31bとの間の長さは、接続部31aと接続部31dとの間の長さである長さLcrの1/3の長さになっている。そして、接続部31bと接続部31cとの間の長さ、および接続部31cと接続部31dとの間の長さも同様に1/3Lcrとなっている。
また、図10には、上記の図4と同様に、各気筒2におけるECU10からソレノイドアクチュエータ312Aへ入力される指令信号および燃料噴射弁3からの燃料噴射率の推移が、#1気筒から#4気筒の順に示される。更に、第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力、基準圧力、および高圧ポンプ32からの燃料圧送時期の推移が示される。なお、図10に示すタイムチャートでは、2つの第二噴射弁において、それぞれ空打ち作動が実行される。ここで、空打ち作動は、第一噴射弁が設けられている気筒2の裏気筒に設けられている第二噴射弁と、第一噴射弁とは異なる燃料噴射弁3であって且つ裏気筒とは異なる任意の気筒2に設けられている第二噴射弁と、において実行される。
図10に示す制御処理では、先ず、#1気筒の燃焼行程において、#1気筒に設けられている燃料噴射弁3(すなわち、このときは#1気筒に設けられている燃料噴射弁3が第一噴射弁に相当する。)からの燃料噴射が開始される。ここで、燃料噴射開始前には、第一噴射弁へ通じる第一燃料通路33Aに設けられた増圧装置320によって第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力が圧力P0から圧力P1に増圧されていて、燃料噴射開始時の燃料噴射圧力が圧力P1となる。
そして、第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始時期である時刻t1から所定期間Δt1経過後に、該第一噴射弁が設けられている#1気筒の裏気筒である#4気筒に設けられている燃料噴射弁3(すなわち、#4気筒に設けられている燃料噴射弁3が第二噴射弁に相当する。)におけるソレノイドアクチュエータ312Aへ空打ち作動の指令信号が入力される。また、第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ時刻t1から所定期間Δt3経過後に、該第一噴射弁とは異なる燃料噴射弁3であって且つ裏気筒と異なる#2気筒に設けられている燃料噴射弁3(すなわち、#2気筒に設けられている燃料噴射弁3も第二噴射弁に相当する。)におけるソレノイドアクチュエータ312Aへ空打ち作動の指令信号が入力される。
このとき、燃料通路33およびコモンレール31を介した第一噴射弁と第二噴射弁との距離は、図9を参照すると、第一噴射弁と#4気筒に設けられている燃料噴射弁3との距離が2・Lp+Lcrであり、第一噴射弁と#2気筒に設けられている燃料噴射弁3との距離が2・Lp+1/3Lcrである。ここで、空打ち作動の開始時期が同じ場合は、第一噴射弁と第二噴射弁との距離が短いときは長いときよりも、燃料噴射率の低下開始時期が早くなる。また、複数の第二噴射弁により空打ち作動を行う場合であっても、該空打ち作動による燃料噴射率の低下開始時期は同一であることが望ましい。したがって、裏気筒である#4気筒に設けられている第二噴射弁を基準にして考えると、図10に示す制御処理では、#2気筒に設けられている第二噴射弁における空打ち作動の開始時期と関係する所定期間Δt3は、基準となる#4気筒に設けられている第二噴射弁における空打ち作動の開始時期と関係する所定期間Δt1よりも長く設定される。すなわち、基準となる#4気筒に設けられている第二噴射弁と比較して、第一噴射弁との距離が短い#2気筒に設けられている第二噴射弁において、空打ち作動の開始時期が遅らされる。ここで、本発明における第一接続部は上記の図9に示した接続部31aである。そして、本発明における第二接続部は、基準となる#4気筒については接続部31dであり、#2気筒については接続部31bである。したがって、上述したことを言い換えると、第一接続部である接続部31aと#2気筒に対する接続部31bとの距離1/3Lcrは、接続部31aと#4気筒に対する接続部31dとの距離Lcrよりも短いので、#2気筒に設けられている第二
噴射弁において、空打ち作動の開始時期が遅らされる。このことにより、#2気筒に設けられている第二噴射弁における空打ち作動の開始から所定遅れ時間Δt4経過した時期は、基準となる#4気筒に設けられている第二噴射弁における空打ち作動の開始から所定遅れ時間Δt2経過した時期と同一の時刻t2となる。
そして、時刻t2以降に基準圧力が圧力P0から圧力P3に低下するのに伴って、第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力が圧力P1から圧力P2に低下する。その結果、第一噴射弁による燃料噴射中の燃料噴射率が燃料噴射圧力P2に対応した燃料噴射率へ低下する。
図10に示す制御処理では、次に、#3気筒の燃焼行程において、#1気筒の燃焼行程と同様にして#3気筒に設けられている燃料噴射弁3(すなわち、このときは#3気筒に設けられている燃料噴射弁3が第一噴射弁に相当する。)からの燃料噴射が時刻t3に開始される。そして、時刻t3から所定期間Δt3経過後に、第一噴射弁が設けられている#3気筒の裏気筒である#2気筒に設けられている燃料噴射弁3(すなわち、#2気筒に設けられている燃料噴射弁3が第二噴射弁に相当する。)におけるソレノイドアクチュエータ312Aへ空打ち作動の指令信号が入力される。また、時刻t3から所定期間Δt5経過後に、第一噴射弁とは異なる燃料噴射弁3であって且つ裏気筒と異なる#1気筒に設けられている燃料噴射弁3(すなわち、#1気筒に設けられている燃料噴射弁3も第二噴射弁に相当する。)におけるソレノイドアクチュエータ312Aへ空打ち作動の指令信号が入力される。
このとき、燃料通路33およびコモンレール31を介した第一噴射弁と第二噴射弁との距離は、図9を参照すると、第一噴射弁と#2気筒に設けられている燃料噴射弁3との距離が2・Lp+1/3Lcrであり、第一噴射弁と#1気筒に設けられている燃料噴射弁3との距離が2・Lp+2/3Lcrである。したがって、裏気筒である#2気筒に設けられている第二噴射弁を基準にして考えると、図10に示す制御処理では、#1気筒に設けられている第二噴射弁における空打ち作動の開始時期と関係する所定期間Δt5は、基準となる#2気筒に設けられている第二噴射弁における空打ち作動の開始時期と関係する所定期間Δt3よりも短く設定される。すなわち、基準となる#2気筒に設けられている第二噴射弁と比較して、第一噴射弁との距離が長い#1気筒に設けられている第二噴射弁において、空打ち作動の開始時期が早められる。このことにより、#1気筒に設けられている第二噴射弁における空打ち作動の開始から所定遅れ時間Δt6経過した時期は、基準となる#2気筒に設けられている第二噴射弁における空打ち作動の開始から所定遅れ時間Δt4経過した時期と同一の時刻t4となる。そして、時刻t4以降に基準圧力が圧力P0から圧力P3に低下するのに伴って、第一噴射弁における燃料溜まり304内の燃料圧力が圧力P1から圧力P2に低下する。その結果、第一噴射弁による燃料噴射中の燃料噴射率が燃料噴射圧力P2に対応した燃料噴射率へ低下する。
そして、#3気筒の燃焼行程の後の#4気筒、#2気筒の燃焼行程においても、上記と実質的に同様の制御処理が行われる。
ここで、本実施例に係る内燃機関1の制御装置が実行する制御フローについて図11に基づいて説明する。図11は、本実施例に係る内燃機関1の制御装置における、制御フローを示すフローチャートである。本実施例では、ECU10によって、本フローが内燃機関1の運転中に所定の演算周期で繰り返し実行される。
図11に示すフローでは、S108の処理の後、S301において、燃料噴射が実行される気筒2である燃料噴射気筒が取得される。S301で取得した燃料噴射気筒に設けられている燃料噴射弁3が第一噴射弁となる。
次に、S302において、空打ち作動が実行される燃料噴射弁3が設けられている気筒2である空打ち気筒が決定される。S302では、例えば上記の図10に示したように、燃料噴射気筒が#1気筒である場合には、空打ち気筒は#1気筒の裏気筒である#4気筒および燃料噴射気筒である#1気筒と裏気筒である#4気筒とは異なる任意の気筒2である#2気筒となる。また、燃料噴射気筒が#2気筒である場合には、空打ち気筒は#2気筒の裏気筒である#3気筒および燃料噴射気筒である#2気筒と裏気筒である#3気筒とは異なる任意の気筒2である#4気筒となる。また、燃料噴射気筒が#3気筒である場合には、空打ち気筒は#3気筒の裏気筒である#2気筒および燃料噴射気筒である#3気筒と裏気筒である#2気筒とは異なる任意の気筒2である#1気筒となる。また、燃料噴射気筒が#4気筒である場合には、空打ち気筒は#4気筒の裏気筒である#1気筒および燃料噴射気筒である#4気筒と裏気筒である#1気筒とは異なる任意の気筒2である#3気筒となる。そして、S302で決定した空打ち気筒に設けられている燃料噴射弁3が第二噴射弁となる。
次に、S303において、燃料噴射率切替え時期tsが算出される。S303では、上述した初期燃料噴射率dQ1および後期燃料噴射率dQ2の算出と同様に、ECU10のROMに記憶されているマップまたは関数を用いて燃料噴射率切替え時期tsが算出される。
次に、S304において、空打ち作動の開始時期が決定される。S304では、S303で算出した燃料噴射率切替え時期tsと、燃料通路33およびコモンレール31を介した第一噴射弁と第二噴射弁との距離と、に基づいて空打ち作動の開始時期が決定される。ここで、例えば上記の図10に示したように、燃料噴射気筒が#1気筒である場合には、基準となる裏気筒である#4気筒に設けられている第二噴射弁と比較して、第一噴射弁との距離が短い#2気筒に設けられている第二噴射弁において、空打ち作動の開始時期が遅らされる。また、燃料噴射気筒が#2気筒である場合には、基準となる裏気筒である#3気筒に設けられている第二噴射弁と比較して、第一噴射弁との距離が長い#4気筒に設けられている第二噴射弁において、空打ち作動の開始時期が早められる。また、燃料噴射気筒が#3気筒である場合には、基準となる裏気筒である#2気筒に設けられている第二噴射弁と比較して、第一噴射弁との距離が長い#1気筒に設けられている第二噴射弁において、空打ち作動の開始時期が早められる。また、燃料噴射気筒が#4気筒である場合には、基準となる裏気筒である#1気筒に設けられている第二噴射弁と比較して、第一噴射弁との距離が短い#3気筒に設けられている第二噴射弁において、空打ち作動の開始時期が遅らされる。
そして、S304の処理の後、ECU10はS109の処理へ進み、S109において、第一噴射弁からの燃料噴射が実行され、次に、S110において、第二噴射弁についてS304で決定した空打ち作動の開始時期に空打ち作動が実行される。
本実施例に係る内燃機関1の制御装置は、以上のようにして空打ち作動を実行することによって、燃料噴射の後期段階における燃料噴射率の低下時期をより高い精度で制御することを可能とする。このことにより、燃料噴射の後期段階における冷却損失をより好適に小さくすることができる。
1・・・・内燃機関
2・・・・気筒
3・・・・燃料噴射弁
4・・・・吸気通路
5・・・・排気通路
10・・・ECU
31・・・コモンレール
32・・・高圧ポンプ
33・・・燃料通路
34・・・圧力センサ
301・・噴孔
302・・ノズル
303・・ニードル
304・・燃料溜まり
305・・コマンドピストン
310・・開閉機構
311・・制御室
312・・噴射制御弁
312A・ソレノイドアクチュエータ
313・・第一オリフィス
314・・第二オリフィス
320・・増圧装置
321・・増圧ピストン
322・・収容室
325・・増圧制御弁

Claims (3)

  1. 複数の気筒と、
    前記複数の気筒の夫々に設けられ、ニードルの移動により噴孔を開くことで該気筒内に燃料を直接噴射する複数の燃料噴射弁と、
    燃料を高圧化して圧送する高圧ポンプと、
    前記高圧ポンプによって高圧化された基準圧力の燃料を蓄えるコモンレールと、
    前記コモンレールから前記複数の燃料噴射弁の夫々の前記噴孔へ通じる互いに独立した複数の燃料通路と、
    前記複数の燃料噴射弁の夫々に設けられた制御室であって、該燃料噴射弁の前記噴孔へ通じる前記燃料通路に接続された制御室と、
    前記複数の燃料噴射弁の夫々において、前記制御室内の燃料の圧力を該制御室に接続された前記燃料通路内の燃料の圧力よりも低下させる減圧手段と、
    前記複数の燃料噴射弁の夫々において、前記制御室内の燃料の圧力と該制御室に接続された前記燃料通路内の燃料の圧力との圧力差である第一圧力差が所定圧力差以上であるように前記減圧手段を作動させることで、前記噴孔を開く方向に前記ニードルを移動させる開閉制御手段と、
    前記複数の燃料噴射弁のうち、現在に燃料を噴射している燃料噴射弁である第一噴射弁による燃料噴射中であって、且つ該第一噴射弁による燃料噴射の開始から所定期間経過後に、前記複数の燃料噴射弁のうち、該第一噴射弁とは異なる燃料噴射弁である第二噴射弁において、作動後の前記第一圧力差が前記所定圧力差よりも小さい値であるように該第二噴射弁に対応する前記減圧手段を作動させることで前記基準圧力を低下させる、基準圧力制御手段と、
    を備える、内燃機関の制御装置。
  2. 前記第一噴射弁の前記噴孔へ通じる前記燃料通路と前記コモンレールとの接続部である第一接続部と、前記第二噴射弁の前記噴孔へ通じる前記燃料通路と前記コモンレールとの接続部である第二接続部と、の距離に応じて前記第二噴射弁に対応する前記減圧手段の作動開始時期を制御する作動時期制御手段を、更に備え、
    前記作動時期制御手段は、前記第一接続部と前記第二接続部との距離が短いときは長いときよりも前記減圧手段の作動開始時期を遅くする、
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記複数の燃料通路の夫々に設けられた増圧装置であって、前記コモンレールから前記複数の燃料噴射弁に供給される燃料を加圧する増圧装置を、更に備える、
    請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
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