JP3637736B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3637736B2
JP3637736B2 JP18878697A JP18878697A JP3637736B2 JP 3637736 B2 JP3637736 B2 JP 3637736B2 JP 18878697 A JP18878697 A JP 18878697A JP 18878697 A JP18878697 A JP 18878697A JP 3637736 B2 JP3637736 B2 JP 3637736B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
injection
fuel injection
valve
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18878697A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1137014A (ja
Inventor
正明 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP18878697A priority Critical patent/JP3637736B2/ja
Publication of JPH1137014A publication Critical patent/JPH1137014A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3637736B2 publication Critical patent/JP3637736B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射装置に関し、更に詳細にはディーゼル噴射に用いられる燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧着着火を行なうディーゼルエンジンの低速運転時や低負荷運転時においては、燃料室に噴射された燃料が着火遅れにより爆発的に燃焼して、燃焼騒音や排気ガス中に窒素酸化物(NOx)が増加する、という問題が生じていた。
【0003】
これを防止するために、燃料のメイン噴射に先だって予備的に噴射させるパイロット噴射を行なうことにより、その後に続くメイン噴射の燃料着火を効果的に行なうことができる。
【0004】
そこで、前記問題を解決する方法として、このパイロット噴射を利用した特開平5―1609号公報に記載されたディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置が提案されている。
【0005】
このディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置は、燃料をディーゼルエンジンに供給する分配型噴射ポンプを備えており、この分配型噴射ポンプは、燃料を高圧にする高圧室と燃料を貯溜する燃料室を有し、この高圧室と燃料室はスピル通路を介して連通している。
【0006】
このスピル通路の途中には、高圧室の燃料の圧力を調整してディーゼルエンジンに燃料を供給する燃料噴射ノズルによりパイロット噴射するとともに、パイロット噴射とメイン噴射の噴射間隔を調整するピエゾスピル弁が設けられている。
【0007】
このピエゾスピル弁は上下動可能なバルブを備え、このバルブが移動することによりスピル通路が閉塞又は開放して、ディーゼルエンジンへの燃料の供給が継続又は停止する。バルブの移動は、このバルブの上方に設けられたピエゾ素子の変形によりバブル上面に作用する燃料の押圧力を変化させて行なわれる。
【0008】
即ち、ピエゾ素子に電圧を印加するとこのピエゾ素子が伸張し、ピエゾ素子の電荷を解除するとピエゾ素子は収縮する。従って、ピエゾ素子に電圧を印加するタイミングやピエゾ素子の電荷を放電させるタイミングを調整することにより、バルブ上面に作用する燃料の押圧力が変化してバルブが移動する。
【0009】
このバルブの移動によりパイロット噴射の開始時期、終了時期、及びメイン噴射の開始時期、終了時期を制御することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5―1609号公報に記載されたディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置のバルブにはこのバルブの下方にバネが設けられており、このバネによりバルブを常に上方に付勢している。
【0011】
従って、バルブはピエゾ素子の変形によるバブル上面に作用する燃料の下方への押圧力と前記バネによる上方への押圧力の圧力差により移動するので、バルブの移動量にバラツキが生じ易く、所望の間隔を有したパイロット噴射とメイン噴射との噴射間隔を所望の間隔にすることができない、という問題が生じた。
【0012】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、噴射間隔を有するパイロット噴射とメイン噴射(以下、「間欠噴射」と記す。)において噴射間隔を所望に変更できる燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。本発明は、所定の供給圧力に蓄圧された燃料蓄圧室を燃料供給源とするとともに、燃料噴射孔から燃料を間欠的に噴射することにより、パイロット噴射とメイン噴射からなる間欠噴射を行う燃料噴射装置において、燃料供給源から燃料噴射孔へと案内する流路の途中に流路内に気泡を発生する気泡発生手段を備え、この気泡の存在により一回の燃料噴射動作によって燃料を間欠的に供給し、前記気泡発生手段によって発生した気泡の大きさにより、前記パイロット噴射とメイン噴射との間の噴射間隔を制御することを特徴とする燃料噴射装置である。
【0014】
気泡発生手段により流路内に気泡が発生し、この気泡を含む燃料を燃料噴射孔から供給することにより、燃料が間欠的に供給される。
気泡は気泡発生手段によりその大きさを任意に調整することができる。
【0015】
気泡発生手段は流路内に気泡が発生する機能を有するものであればその種類は問はない。例えば、気泡発生手段はヒータであることが好ましい。
前記気泡発生手段を、前記流路の前記燃料噴射孔よりも上流側に、燃料噴射孔から所定の距離を有する位置に配置すると、気泡発生手段の位置から燃料噴射孔までの位置を、いわゆるパイロット噴射の燃料噴射量とすることができ、かつ、発生した気泡の大きさにより、その後のメイン噴射との間の噴射間隔を制御できる。
【0016】
また、前記気泡発生手段を、燃料噴射孔より上流側に、燃料噴射孔からの距離を異ならせて複数設け、これら複数の気泡発生手段のいずれかを選択駆動するようにすることも可能である。このようにすると、燃料噴射孔から遠い方の気泡発生手段を選択駆動すれば、間欠的に噴射される燃料の量、例えばパイロット噴射量が多くなり、燃料噴射孔に近い方の気泡発生手段を選択駆動すれば、パイロット噴射量が少なくなる。
【0017】
このように気泡発生手段を流路に複数個設け、任意の1つあるいは2つを選択して駆動することで、気泡の発生位置や発生量が、間欠度合いがさまざまに変化する。
【0018】
また、本発明は、燃料噴射孔から燃料を噴射する燃料噴射装置において、燃料供給源から燃料噴射孔へと案内する流路の途中に流路内に気泡を発生する気泡発生手段を備え、この気泡発生手段は、運転状況に応じて単位時間当たりに発生する気泡の量を制御することで、燃料中に含まれる気相の量を制御し、その結果、単位時間当たりの燃料供給量を制御する気相発生制御手段を有することを特徴とする燃料噴射装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る燃料噴射装置の実施の形態を、図1から図7に基づいて説明する。
<装置の全体構成>
図1に、燃料噴射装置の全体構成を示す。この装置は、燃料供給源である燃料タンク1から燃料を汲み上げて、所定圧力で送出する燃料ポンプ2(ロータリーサプライポンプ)と、この燃料ポンプ2から送出されて来る燃料を受け、所定の供給圧力に蓄圧する燃料蓄圧室3を備えている。
【0020】
この燃料蓄圧室3には、複数の燃料供給路4が接続され、各燃料供給路4には、内燃機関に取り付けられた複数の燃料噴射弁5が接続されている。内燃機関がたとえば6気筒で、各気筒にそれぞれ1つの燃料噴射弁5を設けた場合、燃料供給路4、及び、燃料噴射弁5はそれぞれ6つとなる。
【0021】
前記燃料蓄圧室3には、燃料圧センサ6が設けられ、燃料蓄圧室3内の燃料圧を検出するようになっている。さらに、この燃料圧センサ6は、コンピュータからなる制御装置7に接続されている。
【0022】
この制御装置7には、アクセルペダルが踏み込まれた状態か否かを検出するアクセルセンサS1、内燃機関への吸気圧力を検出する吸気圧センサS2、内燃機関の冷却水の温度を検出する水温センサS3、内燃機関の回転数を検出する機関回転数センサ(NEセンサ)S4、内燃機関への空気吸入量を検出するエアロフローメータS5、内燃機関のクランク軸の回転基準位置、例えば特定気筒の上死点に対するクランク軸の回転位置を検出するGセンサS6、その他車両制御に必要な各種センサS7が接続されている。
【0023】
また、制御装置7には、燃料ポンプ駆動制御部8、燃料噴射弁駆動制御部9、ヒータ駆動制御部10、モード切替え部13、燃料噴射制御部14、ヒータ制御部(気相発生制御手段)15が設けられている。燃料噴射弁駆動制御部9は燃料噴射制御部14を経由してモード切替え部13に接続されており、ヒータ駆動制御部10はヒータ制御部15に接続されている。これらは、前記各種センサからの情報を基に決定される運転条件に従って、燃料ポンプ2や燃料噴射弁5を駆動制御するようになっている。
【0024】
制御装置7では、予め設定された定常運転用の目標圧力となるよう、燃料蓄圧室3内の燃料圧をフィードバック制御する。すなわち、前記燃料圧センサ6からの検出圧力が、前記目標圧力になるまで、前記燃料ポンプ2に駆動信号を送り、燃料の供給を継続し、目標圧力になったところで、前記燃料ポンプ2の駆動を停止する制御を繰り返す。
【0025】
また、前記燃料蓄圧室3には、前記燃料蓄圧室3内の圧力が、前記目標圧力を越えた、所定の設定圧力となったとき、燃料蓄圧室3内の圧力を解放して逃がすリリーフ弁11が設けられている。このリリーフ弁11は、燃料供給源側すなわち燃料タンク1へと接続された燃料解放路12に介在する形で設置される。
<燃料噴射弁>
図2に示したように、前記燃料噴射弁5は、先端に燃料噴射孔21を有する筒状本体22と、この筒状本体22の内部に進退移動自在に設けられ、進出時に前記燃料噴射孔21を閉じ、後退時に前記燃料噴射孔21を開く針状のニードル弁23(弁体)と、このニードル弁23を閉方向に付勢する付勢手段としてのコイルスプリング24とを備えている。
【0026】
さらに、燃料噴射弁5は、燃料供給源である蓄圧室3から所定圧力で供給されてくる高圧燃料を前記燃料噴射孔21へ導く第1の燃料供給路31と、高圧燃料を受け入れて前記ニードル弁23を閉方向に押圧する制御室32と、前記第1の燃料供給路31から分岐し、燃料供給源である蓄圧室3から所定圧力で供給されてくる高圧燃料を前記制御室32へと導く第2の燃料供給路33と、制御室32内の高圧燃料を排出して制御室32内の液圧を下げる燃料排出路34とを備えている。
【0027】
そして、第2の燃料供給路33には、制御室32への燃料流入量を決定するインレットオリフィス33aが設けられる一方、燃料排出路34には燃料排出量を決定するアウトレットオリフィス34aが設けられている。これらインレットオリフィス33aとアウトレットオリフィス34aの通路断面積の比は、例えば、2:3といったように、アウトレットオリフィス34aをインレットオリフィス33aより大きく設定している。
【0028】
また、前記ニードル弁23は、前記制御室32に臨み、制御室32内の燃料圧力を受けてニードル弁23を下降させるメイン・ピストン23aを有し、このメイン・ピストン23aに対し、ニードル弁23の燃料噴射孔21側に、サブ・ピストン23cが設けられている。このサブ・ピストン23cに臨むように、前記燃料噴射孔21へと続く第1の燃料供給路31の途中に燃料溜まり31aが設けられている。このため、燃料溜まり31a内の燃料圧がサブ・ピストン23cに加わり、ニードル弁23を開く方向(図の上方)に押している。
【0029】
このサブ・ピストン23cが燃料溜まり31a内の燃料圧を受ける受圧面積Ssは、前記メイン・ピストン23aが制御室32内の燃料圧を受ける受圧面積Smより小さく設定されている。さらに、サブ・ピストン23cのメインピストン23a側に、ニードル弁23を閉弁方向に付勢する前記コイルスプリング24が配設されている。 前記メイン・ピストン23aが制御室32内の燃料圧から受ける押圧力をFm、前記サブ・ピストン23cが燃料溜まり31a内の燃料圧から受ける押圧力をFs、前記コイルスプリング24の付勢力をFcとしたとき、定常時は、Fm+Fc>Fs、Fc<Fsである。
【0030】
さらに、制御室32からの燃料排出路34に介在し、閉時には制御室32に高圧燃料を封じ込め、開時には制御室32から燃料排出路34へと燃料を逃がす、常閉の背圧制御弁35が設けられている。この背圧制御弁35は、電磁弁で形成され、筒状本体22内に設けられている。
【0031】
背圧制御弁35の上方にはソレノイド25が設けられるとともに、背圧制御弁35を常に下方に押圧するコイルバネ26が設けられている。従って、ソレノイド25に電流を流すことにより背圧制御弁35が上方に移動して背圧制御弁35が開放し、ソレノイド25に電流を遮断することにより背圧制御弁35が閉じられる。
【0032】
そして、この背圧制御弁35が閉じているときは、制御室32に封じ込まれた燃料圧が上昇し、その燃料圧により、メイン・ピストン23aが押され、これにコイルスプリング24の付勢力も加わってニードル弁23が下降する。
【0033】
その際、第1の燃料供給路31から燃料溜まり31aにも制御室32内に印加されたと同圧の燃料が導入され、サブ・ピストン23cを押すが、その押圧力Fsは、Fm+Fcに抗しきれないので、ニードル弁23は燃料噴射孔21を閉じた状態に保持される。
【0034】
その後、背圧制御弁35が開かれると、燃料排出路34から制御室32内の燃料が排出するが、このとき、アウトレットオリフィス34aをインレットオリフィス33aより大きく設定してあるため、制御室32内への燃料流入量より制御室内からの燃料流出量が多くなり、その結果、制御室32内の燃料圧が下降する。 そして、Fm+Fc<Fsとなった時点で、コイルスプリング24の付勢力に抗してニードル弁23がリフトし、燃料噴射孔21が開き、燃料噴射が開始される。
【0035】
第1の燃料供給路31の途中には第1の燃料供給路31内を流れる燃料内に気泡を発生させるヒータ27が設けられ、このヒータ27は制御装置7に電気的に接続されている。ヒータ27としては、例えばZrB2を用いる。
<制御装置>
図3に示したように、前記制御装置7は、中央処理装置(CPU)36、所定の制御プログラム及びマップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)37、CPU36の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)38、予め記憶されたデータを保存するバックアップラムRAM39等と、これら各部と入力ポート40及び出力ポート41等とをバス42によって接続した論理演算回路として構成されている。
【0036】
CPU36は、内燃機関の運転状態に基づき、メイン噴射のみを行なう通常噴射モードと所定間隔でパイロット噴射及びメイン噴射を行なうパイロット噴射モードとを選択的に切り替えるモード切替部13と、通常噴射モードからパイロット噴射モードに切り替えるに際、又は、パイロット噴射モードから通常噴射モードに切り替えるに際に、そのときの内燃機関の運転状態に基づき、基準となる所定のクランク角度θaからのパイロット噴射開始タイミングθp、パイロット噴射終了タイミング(図示せず)、メイン噴射開始タイミングθM 及びメイン噴射終了タイミング(図示せず)をそれぞれ求め、パイロット噴射モードでの噴射間隔を設定する燃料噴射制御部14、を備えている。ポスト噴射モードのときは、メイン噴射とポスト噴射との間の噴射間隔が所定時間に設定され、メイン噴射モードのときは、当該噴射間隔が0に設定される。
【0037】
また、CPU36は、通常噴射モードからパイロット噴射モードに切り替えるに際に、そのときの内燃機関の運転状態に基づき、ヒータ27に通電する電圧値と通電時間を求めるヒータ制御部15と、このヒータ制御部15に基づいてヒータ27を駆動制御するヒータ駆動制御部10を備えている。
【0038】
さらに、CPU36は、燃料噴射制御部14で決定される運転条件に従って燃料噴射弁5のソレノイド25の通電時間を制御する燃料噴射弁駆動制御部9と、燃料圧センサ6等の検出値に基づき、燃料ポンプ2の駆動を制御する燃料ポンプ駆動制御部8を備えている。
【0039】
入力ポート40には、前記アクセルセンサS1、エアロフローメータS5、吸気圧センサS2、水温センサS3、GセンサS6、その他各種センサS7が、バッファ43,44,45,46,47,75、マルチプレクサ48及びA/D変換器49を介して接続されている。また、入力ポート40には、前記機関回転数センサS4が波形整形回路50を介して接続されている。
【0040】
CPU36は入力ポート40を介して入力される各センサの検出信号を入力値として読み込む。また、出力ポート41には各駆動回路51,52,53を介してソレノイド25、ヒータ27、燃料ポンプ2等が接続されている。そして、CPU36は、各センサから読み込んだ入力値に基づき、ソレノイド25、ヒータ27、燃料ポンプ2等の運転を制御する。
<装置の作用>
次に、燃料噴射装置の作用を説明する。図4のフローチャートは、CPU36によって実行される各処理のうち、パイロット噴射及びメイン噴射が行なわれるパイロット噴射モードと、メイン噴射のみが行なわれる通常噴射モードを示している。
【0041】
燃料噴射制御中に、CPU36はステップ101で、アクセルセンサS1等の検出値に基づいて内燃機関の運転状態を判断する。この判断は、例えば、ROM37に予め記憶されているエンジン回転数とアクセル開度をパラメータとするマップを参照して行なわれる。
【0042】
内燃機関の運転状態が低回転且つ低負荷であると判断した時に、燃料噴射制御部14は、その内燃機関の運転状態に基づき、図5に示すように、基準となる所定のクランク角θaからパイロット噴射開始タイミングθP、パイロット噴射終了タイミング(図示せず)、メイン噴射開始タイミングθM 及びメイン噴射開始タイミング(図示せず)をそれぞれ算出するとともに、パイロット噴射間隔t1 を算出する(ステップ103)。
【0043】
次に、ステップ105において、CPU36は前記算出したパイロット噴射間隔t1 に基づいてヒータ27に通電する電圧値を読み込む。この読み込みは、例えば、ROM37に予め記憶されているパイロット噴射間隔tとヒータに通電する電圧値をパラメータとするマップを参照して行なわれる。
【0044】
次に、ステップ107において、ヒータ制御部15は前記読み込んだ電圧値を基にヒータ制御駆動部10を制御してヒータ27に通電する。即ち、燃料噴射前に予めヒータ27に通電して第1の燃料供給路31内に気泡を発生させ、パイロット噴射量を既定しておく。
【0045】
ここで、気泡の発生を図6を用いて説明する。同図(a)は、ヒータ27に電圧が印加される前の状態を示している。この状態からヒータ27に電圧を印加すると同図(b)に示すように、ヒータ27の表面が急熱し、その表面に接する燃料の温度が急上昇する。その結果、膜沸騰現象が生じて燃料内に気泡が発生する。そして、さらに一定時間が経過すると同図(c)に示すように、その気泡は膨張して第1の燃料供給路31内を流通する燃料を遮断する。
【0046】
次に、CPU36の燃料噴射弁駆動制御部9は、前記パイロット噴射開始タイミングθP、メイン噴射終了タイミングを基に、パイロット噴射の開始からメイン噴射の終了までの間を通電するように、ソレノイド25の通電時間を制御する。
【0047】
従って、ステップ109において、燃料噴射装置が前記通電時間の間、燃料噴射をすると、すでにヒータで気泡が燃料中に形成されているので、最初パイロット噴射がされ、その後、燃料内に発生した気泡によるパイロット噴射間隔t1 を経て、メイン噴射がなされる。
【0048】
そして、次の処理を実行すべくステップ101に帰還する。
前記ステップ101において、CPU36が内燃機関の運転状態が低回転且つ低負荷でないと判断した時には、ステップ111において、そのときの内燃機関の運転状態に基づき、メイン噴射開始タイミングθMを読み込む。この読み込みは、例えば、ROM37に予め記憶されているエンジン回転数NEとメイン噴射開始タイミングθMをパラメータとするマップを参照して行なわれる。
【0049】
次に、ステップ113において、CPU36のヒータ制御部15はヒータが加熱することがないよいように、ヒータ27への通電を遮断する。そして、CPU36の燃料噴射弁駆動制御部9は読み込んだメイン噴射開始タイミングθMを基に、燃料噴射弁5のソレノイド25の通電時期を制御してメイン噴射を実行する(ステップ109)。このときは、ヒータへの通電がないため、気泡は発生せず、よって、パイロット噴射のないメイン噴射となる。そして、次の処理を実行すべくステップ101に帰還する。
【0050】
第1の実施の形態における燃料噴射装置によれば、燃料噴射弁5の第1の燃料供給路31の途中にヒータ27を設けることにより、第1の燃料供給路31内に気泡が発生する。このため、所望の間隔を有するパイロット噴射とメイン噴射からなる間欠噴射を行なうことができる。
【0051】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下のように任意に変更してもよい。
前記実施の形態の燃料噴射弁5は、メイン・ピストン23aが受ける制御室32内の燃料圧による押圧力Fmとコイルスプリング24の付勢力Fcの合力(Fm+Fc)がサブ・ピストン23cが燃料溜まり31a内の燃料圧から受ける押圧力Fsよりも大きくなると、ニードル弁23が下方に移動して燃料噴出孔21を閉塞する。
【0052】
一方、背圧制御弁35が上方に移動して制御室32内の燃料圧が減少し、前記合力(Fm+Fc)が燃料溜まり31a内の燃料圧による押圧力Fsよりも小さくなと、ニードル弁23が上方に移動して燃料噴出孔21が開放する。
【0053】
しかしながら、図7に示す燃料噴射弁55のように、ニードル弁63を下方に押圧する力はコイルばね71の押圧力のみである様に構成してもよい。
即ち、燃料噴射弁55はノズルボディ56を有しており、このノズルボディ56は、リテーニングナット57を介してノズルホルダ58に取付られている。ノズルボディ56とノズルホルダ58の間にはチップパッキン59が挟着されており、これらノズルボディ56とノズルホルダ58を油密に連結している。
【0054】
ノズルボディ56は一端に、少なくとも1個の噴孔60を開口するとともにこの噴孔60に連なる弁座61を形成し、他端にノズルボディ56の軸線と同軸状をなした摺動孔62を有している。この摺動孔62には、軸方向に摺動可能なニードル弁63が油密に嵌挿されている。
【0055】
ノズルボディ56内には、弁座61及び摺動孔62に連通しかつニードル弁63を内包する油溜り64が形成されるとともに、この油溜り64とノズルボディ56の他端とに連通する給油孔65が穿設されている。この給油孔65はノズルホルダ58の壁内に形成した燃料通路66を介してノズルホルダ58の端部に形成した接続口67に連通している。この接続口67は噴射パイプ(図示せず)を通じて燃料ポンプ2に接続されている。従って、燃料ポンプ2から供給された燃料は、燃料通路66と給油孔65を通って油溜り64に送られる。
【0056】
ニードル弁63のガイド部68の上部にはジャーナル部69が突出されており、このジャーナル部69の先端は、ノズルホルダ58に形成したばね室70に臨まれている。このばね室70には燃料噴射の開弁圧を設定するコイルばね71が収容されている。このコイルバネ71は、下端がばね座72を介してジャーナル部69に当接しており、上端はばね室70の天井面にシム73を介して当接している。
【0057】
燃料通路66の下流側にはヒータ27が設けられている。このヒータ27に通電すると燃料通路66内を流れる燃料が加熱されて、燃料内に気泡が発生する。従って、気泡の発生量を調整(ヒータ27への印加電圧値を調整)することにより燃料の間欠噴射が可能になり、燃料の噴射特性を変化させることができる。ここで、ヒータ27は燃料噴射孔60よりも上流側に、燃料噴射孔60から所定の距離を有する位置に配置されるが、このヒータ27の燃料噴射孔60からの距離により、間欠で噴射される燃料の量(パイロット噴射量)が規定される。
【0058】
図7における実施例では、ヒータ27が1個設けられているが、複数のヒータ27を燃料通路66に設けることもできる。複数のヒータ27を設ける場合には、燃料噴射孔60から所定の距離をとり、かつ、隣接するヒータ27間の間隔を一定にして配置してもよいし、任意の間隔を有して配置してもよい。すなわち、ヒータ27を燃料噴射孔60より上流側に、燃料噴射孔60からの距離を異ならせて複数設ける。ここでは、燃料噴射孔60からの距離が問題となる。その距離がパイロット噴射量を決定するからである。
【0059】
複数のヒータ27のうち、燃料噴射孔60から近いヒータ27又は遠いヒータ27のいずれかを任意に選択し、この選択したヒータ27に通電することにより、所望の間隔の間欠噴射を行なうことができる。
【0060】
このようにニードル弁63を下方に押圧する力をコイルばね71の押圧力のみにすることにより、燃料噴射弁55の構造をより簡素にすることができるとともに、制御回路の複雑化を防止してより安価な燃料噴射装置を提供することができる。
<その他の例>
前記例において、気泡発生手段としてのヒータの駆動を制御し、運転状況に応じて単位時間当たりに発生する気泡の量を制御することで、燃料中に含まれる気相の量を制御する気相発生制御手段でコントロールするようにしてもよい。
【0061】
すなわち、単位時間当たりに噴射される燃料の量に含まれる気相を0%以上、100%未満とすることで、単位時間当たりの燃料供給量を制御することが可能となる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、燃料噴射孔から燃料を間欠的に噴射する燃料噴射装置において、燃料供給源から燃料噴射孔へと案内する流路の途中に流路内に気泡を発生する気泡発生手段を備え、この気泡の存在により燃料を間欠的に供給することにより、燃料の間欠噴射を容易に行なうことができる。
【0063】
また、気泡発生手段は流路内の燃料を加熱するヒータである場合には、流路内の燃料を容易に加熱して流路内に気泡を発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における燃料噴射装置の概略構成図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態における燃料噴射装置の燃料噴射弁の断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態における燃料噴射装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態において、パイロット噴射モード又は通常噴射モードの処理を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の第1の実施の形態における燃料噴射装置のパイロット噴射モードのタイミングチャートである。
【図6】 本発明の第1の実施の形態における燃料噴射装置のヒータにより気泡が発生する作用を示す説明図である。
【図7】 本発明の第1の実施の形態における燃料噴射装置の他の燃料噴射弁の断面図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク 1S アクセルセンサ
2 燃料ポンプ(燃料供給源) 2S 吸気圧センサ
3 燃料蓄圧室 3S 水温センサ
4 燃料供給路 4S 機関回転数センサ(NEセンサ)
5 燃料噴射弁 5S エアロフローメータ
6 燃料圧センサ 6S Gセンサ
7 制御装置 7S 各種センサS
8 燃料ポンプ駆動制御部 9 燃料噴射弁駆動制御部
10 ヒータ駆動制御部 11 リリーフ弁
12 燃料解放路 13 モード切替え部
14 燃料噴射制御部 15 ヒータ制御部(気相発生制御手段)
21 燃料噴射孔 22 筒状本体
23 ニードル弁 23a メイン・ピストン
23c サブ・ピストン 24 コイルスプリング
25 ソレノイド 26 コイルバネ
27 ヒータ(気泡発生手段) 31 第1の燃料供給路(流路)
32 制御室 33 第2の燃料供給路
33a インレットオリフィス 34 燃料排出路
34a アウトレットオリフィス 35 背圧制御弁
36 中央処理装置(CPU) 37 専用メモリ(ROM)
38 ランダムアクセスメモリ 39 バックアップラム
40 入力ポート 41 出力ポート
43,44,45,46,47,75 バッファ
48 マルチプレクサ 49 A/D変換器
50 波形整形回路 51,52,53 駆動回路
55 燃料噴射弁 56 ノズルボディ
57 リテーニングナット 58 ノズルホルダ
59 チップパッキン 60 噴孔
61 弁座 62 摺動孔
63 ニードル弁 65 給油孔
66 燃料通路 67 接続口
68 ガイド部 69 ジャーナル部
71 コイルバネ

Claims (4)

  1. 所定の供給圧力に蓄圧された燃料蓄圧室を燃料供給源とするとともに、燃料噴射孔から燃料を間欠的に噴射することにより、パイロット噴射とメイン噴射からなる間欠噴射を行う燃料噴射装置において、
    燃料供給源から燃料噴射孔へと案内する流路の途中に流路内に気泡を発生する気泡発生手段を備え、
    この気泡の存在により一回の燃料噴射動作によって燃料を間欠的に供給し、
    前記気泡発生手段によって発生した気泡の大きさにより、前記パイロット噴射とメイン噴射との間の噴射間隔を制御することを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記気泡発生手段は流路内の燃料を加熱するヒータであることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記気泡発生手段は、前記流路の前記燃料噴射孔よりも上流側に、燃料噴射孔から所定の距離を有する位置に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記気泡発生手段は、燃料噴射孔より上流側に、燃料噴射孔からの距離を異ならせて複数設けられ、これら複数の気泡発生手段のいずれかを選択駆動することを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置。
JP18878697A 1997-07-14 1997-07-14 燃料噴射装置 Expired - Fee Related JP3637736B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18878697A JP3637736B2 (ja) 1997-07-14 1997-07-14 燃料噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18878697A JP3637736B2 (ja) 1997-07-14 1997-07-14 燃料噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1137014A JPH1137014A (ja) 1999-02-09
JP3637736B2 true JP3637736B2 (ja) 2005-04-13

Family

ID=16229776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18878697A Expired - Fee Related JP3637736B2 (ja) 1997-07-14 1997-07-14 燃料噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3637736B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9074566B2 (en) 2011-04-22 2015-07-07 Continental Automotive Systems, Inc. Variable spray injector with nucleate boiling heat exchanger

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1137014A (ja) 1999-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3583784B2 (ja) 油圧駆動電子燃料噴射システム
US7320311B2 (en) Pressure boosting common rail fuel injection apparatus and fuel injection control method therefor
JP3736261B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置
CN101371021B (zh) 内燃机的启动控制装置和启动控制方法
JPH0849591A (ja) 油圧作動式燃料噴射装置の制御方法
JP3760583B2 (ja) 燃料噴射装置
JP3551898B2 (ja) 燃料噴射弁
JP3546285B2 (ja) 蓄圧式エンジンの燃料噴射制御装置
USH1820H (en) Method for heating actuating fluid in a fuel system
JP4650975B2 (ja) 内燃機関、とりわけ自動車の内燃機関の動作のための方法
JP2636394B2 (ja) 燃料噴射装置
JP3637736B2 (ja) 燃料噴射装置
US6405710B1 (en) Internal combustion engine high pressure fuel injection system with selectable fuel rail volume
JP4389411B2 (ja) 内燃機関の噴射制御装置
JP3651188B2 (ja) 燃料噴射装置
JPH11247703A (ja) ディーゼルエンジンの制御装置
JP6432563B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JPH031508B2 (ja)
JP3743124B2 (ja) 燃料噴射装置
JPH1122584A (ja) 燃料噴射装置
JPH1122582A (ja) 燃料噴射装置
JP5817460B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
JP3237476B2 (ja) 二流体噴射制御装置および二流体噴射装置
JP2001082232A (ja) 直噴式ディーゼルエンジン
JP2002332933A (ja) 燃料噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040928

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050103

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080121

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120121

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130121

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130121

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees