本発明は、パンチング装置用、特にタレットパンチプレス用の複合工具に関する。
本願はドイツ特許出願DE 10 2014 215 951.2及びDE 10 2014 224 094.8の優先権を主張し、その内容は参照により本願に組み込まれる。
このタイプの複合工具は例えば、特許文献1(EP 2 596 878 A)、特許文献2(US 5 615 471 B)、特許文献3(JP 09−108942 A)及び特許文献4(JP 2010−017797 A)から知られている。別の工具は特許文献5(US 2011/0116881 A1)から知られている。
EP 2 596 878 A
US 5 615 471 B
JP 09−108942 A
JP 2010−017797 A
US 2011/0116881 A1
本発明の目的は、特に電動式で、例えば回転可能なステーションを用いてパンチング装置の適用範囲を拡大することである。
この目的は、本発明にしがって請求項1に記載される特徴を有する複合工具によって達成される。
本発明によれば、パンチング装置に適合する複合工具は複合ネジ切り工具として構成できることが見出された。複数のネジ切りカッタは異なるネジ径のネジ切りカッタ及び/又は正確に同一のネジを形成するために順次使用されるネジ切りカッタである。本願全体を通して、ネジ形成工具はネジ切りカッタとも称される。複合工具、通常は複合パンチング工具の使用のために既に準備されているパンチング装置を使用して、本発明にしたがう複合工具を設置することにより、ネジ切り又はネジ形成を行なう形態においてその機能の範囲は拡大される。ネジ切り駆動装置は特定の時間に作動するネジ切りカッタの動作上安全な機能を保証する。
複合工具の個々のネジ切りカッタは複数の部品で夫々できているネジ切りカッタユニットとして構成することができる。複合工具はこのタイプの6つのネジ切りカッタを備えることができる。異なる数、例えば2、3、4、5、7、8、10又はそれを超えるネジ切りカッタを設けて、1つの複合工具において選択することができる。
複合工具には迅速に取り外し可能な工具ヘッドを搭載することができる。この目的のために、工具ヘッドは中心配置される固定ネジを介して他の複合工具に接続することができる。複合工具は潤滑装置を有し、特に複合工具の可動部分、例えば特定の時間に作動するネジ切りカッタを潤滑することを可能にする。
請求項2にしたがう選択装置は複合工具の使用のためにデザインされる最新技術のパンチング装置の条件によく適合している。自動選択が可能である。選択の間、ネジ切りカッタマガジンは選択装置の部品に対してハウジング長手方向軸線の周りに枢動することができる。そのように実行するとき、ネジ切りカッタマガジン及び/又は選択装置の部品の作動枢動運動を行うことが可能である。ネジ切りカッタマガジンが選択中に回転されない限り、ネジ切りカッタの各々はハウジング長手方向軸線の周りの円周方向におけるそれらの位置に関する限り所定の位置に留まる。ネジ切りカッタマガジンが選択中に回転されると、作動ネジ切りカッタは、ハウジング長手方向軸線の周りに見てそれぞれの場合に同一の円周位置に設けられることが確保される。複合工具の駆動及び位置の要求に応じて、これらの代替例の1つが有利となる。
請求項3にしたがう選択駆動装置はそれぞれのネジ切りカッタが自動化された態様で選択されることを可能にする。
請求項4にしたがう一般的な駆動装置は一方でネジ切りを行い、他方で選択するためのものであって、複合工具及びパンチング装置との駆動接続部のデザインを単純化する。
請求項5にしたがう案内装置は作動ネジ切りカッタの動作上安全な選択を保証する。選択装置のデザインに応じて、案内装置は選択駆動装置によって移動可能な部品として又は選択中に静止している部品として構成することができる。
請求項6にしたがう駆動装置は作動ネジ切りカッタの動作中の回転数を噛合部(トゥーシング)間、例えば内歯噛合部(内歯トゥーシング)及び外歯噛合部(外歯トゥーシング)間の選択可能な歯車比によって設定することを可能にする。代替例として、ギア比はそれに加えて提供される伝達ギアによって規定することができる。代替例として、駆動装置は外歯噛合部を含む回転駆動コア又は中央駆動シャフトを有してもよく、駆動コアはネジ切りカッタ駆動装置に作動的に接続されて上述したようにギア比が規定できる形態で駆動コアの外歯噛合部はネジ切りカッタの外歯噛合部と相互作用する。
請求項7にしたがう駆動装置のデザインは特定の時間に作動するそれぞれのネジ切りカッタのための駆動装置の面倒な連結解除及び再係合を回避する。さらに、このデザインの噛合部は、例えば作動位置と非作動位置との間のネジ切りカッタの軸線方向移動の案内を確実に行なう。
複合工具の作動ネジ切りカッタはハウジング長手方向軸線に対して偏心して配置することができる。このタイプの作動ネジ切りカッタの偏心構成は特定の時間に作動されるべきそれぞれのネジ切りカッタを選択する際の移動を容易にする。
請求項8にしたがう確実な嵌合体は作動ラムと工具ヘッドとの間の信頼できる力伝達を可能にする。確実な嵌合体の特定の構成及び/又は輪郭は工具ヘッドに対して作動ラムの複数の所定の回転位置において作動ラムと工具ヘッドとの間の確実な嵌合を保証する。
請求項9に記載の実施例は少なくとも1つのバネボルトがそのバネ偏倚に抗する方向での作動位置で作動ラムによって移動される構成を可能にする。これは、複合工具の機能を監視するために使用される一方、バネボルトの構成を作動ラムの異なるエッジ輪郭に適合することができる。
請求項10にしたがう圧力センサ接触面は作動ラム上に設けられた組み合わされる圧力センサと相互作用することができる。このタイプの圧力センサを使用して、作動ラムの位置を作動位置で監視することができる。これに代えて又はそれに加えて、このタイプの圧力センサを使用して、複合工具によってネジ切り又はネジ形成中のネジ切り力を監視することも考えられる。
請求項11にしたがうネジ切りカッタユニットの利点は複合工具を参照して既に説明したものに対応する。
請求項12にしたがうネジ切りカッタユニットは特定の磨耗量に露出されたネジ切りカッタを交換することを可能にし、ここでインサートスリーブは再使用可能である。さらに、実際のネジ切りカッタとは別個のインサートスリーブを備えるネジ切りカッタユニットのデザインはネジ切りカッタのインサートスリーブに対する軸線方向相対移動を可能にし、ネジ切りカッタの耐用年数を増加させるのに有用である。インサートスリーブは複数の部品で構成することができる。インサートスリーブはネジ切りカッタマガジンのインサートホルダ内に収納されるスリーブヘッドを含めることができる。スリーブヘッドはインサートレセプタクル内で軸線方向に案内される。スリーブヘッドは回転に抗して固定される形態でインサートホルダ内に取り付けることができる。さらに、スリーブヘッドはネジ切りカッタリードスピンドルスリーブを有する。上記ネジ切りカッタリードスピンドルスリーブはインサートスリーブのスリーブヘッドに螺合することができる。
請求項13にしたがう磁気ホルダは特に簡素であり、ネジ切りカッタを容易に交換することができる。磁石の保持力は所定の閾値力を超えたときネジ切りカッタがインサートスリーブから離脱するように選択することができる。これにより、ネジ切りカッタの損傷を防止することができる。磁石は永久磁石として構成することができる。磁石は一般に電磁石として構成することもできる。インサートスリーブ内のネジ切りカッタの磁気ホルダは、複合工具を参照して上述した詳細とは独立して、換言すれば特に選択装置の種類及びネジ切りカッタ駆動装置の種類とは独立して使用することもできる。
請求項14にしたがう偏倚バネを使用して、ネジ切りカッタの摩耗を低減することができる。夫々のネジ切りカッタユニットは、ネジ切りカッタを軸線方向に弾撥する態様でインサートスリーブに取り付けるための正確に1つの偏倚バネを有する。偏倚バネはエラストマーブロック、特にPUエラストマーブロックとして構成することができる。
請求項15にしたがうセットの利点は複合工具及びネジ切りカッタユニットを参照して既に説明したものに対応する。
本発明の他の特徴、利点及び詳細は幾つかの実施例について図面を参照して以下の説明から明らかになる。
図1は、本発明にしたがう複合工具を備える概略パンチング装置の側面図を示す。
図2は、工具選択装置及び工具駆動装置のパンチング装置・エンド部品を備える複合工具の斜視図を示す。
図3は、複合工具の斜視図を示す。
図4は、複合工具の斜視図を示す。
図5は、複合工具のヘッドエンド部品の斜視図を示す。
図6は、複合工具のヘッドエンド部品の斜視図を示す。
図7は、複合工具の工具エンド部品の斜視図を示す。
図8は、複合工具の工具エンド部品の斜視図を示す。
図9は、複合工具及びワークピースカウンタホルダの概略・部分的破断縦断面図を示し、ネジ切りカッタが複合工具の1工具として作動位置に示され、別の1ネジ切りカッタが非作動位置に示され、複合工具がヘッドエンド部品の選択位置に示され、上記選択位置によって1つの作動ネジ切りカッタは工具選択装置で複合工具のすべてのネジ切りカッタから選択可能である。
図10は、複合工具及びワークピースカウンタホルダの、図2と同様の図を示し、複合工具は作動ネジ切りカッタが工具駆動装置を介して駆動可能である駆動位置に示されている。
図11は、図9及び図10とは異なる断面に沿う複合工具の部品選択の別の縦断面図を示す。
図12は、複合工具の選択装置の案内装置及び選択スリーブの長手方向断面図を示す。
図13は、複合工具の工具ヘッドの別の実施例の概略平面図を示し、また同図は工具ヘッドと相互作用するパンチング装置の作動ラムのエッジ輪郭を示す。
図14は、パンチング装置の作動ラムの別のエッジ輪郭デザインと相互作用する複合工具の工具ヘッドの別の実施例の、図13と同様の図を示す。
図15は、複合工具の工具ヘッドの別の実施例の、図13及び図14と同様の図を示し、また同図は相互作用するパンチング装置の作動ラムのエッジ輪郭を示す。
図16は、図15の矢視方向XVIから見た作動ラムの側面図を示し、作動ラムは工具ヘッドに係合して確実に接続され、工具ヘッド及び作動ラムは破断図面で示されている。
図17は、工具ヘッドから離間して移動される位置で作動ラムの、図16と同様の図を示す。
図18は、複合工具及びワークピースカウンタホルダの別の実施例の、図4と同様の図を示す。
図19は、図18にしたがう複合工具及びワークピースカウンタホルダの、図9と同様の縦断面図を示し、複合工具は作動ネジ切りカッタを選択する選択位置に示されている。
図20は、作動ネジ切りカッタの駆動選択のための選択位置に示される複合工具の別の実施例の、図9と同様の縦断面図を示す。
図21は、図20にしたがう複合工具を示し、複合工具は工具駆動装置を介して作動ネジ切りカッタを駆動するための駆動位置に示されている。
図22は、図20にしたがう複合工具及び組み合わされるワークピースカウンタホルダの側面図を示す。
図23は、図22にしたがう複合工具及びワークピースカウンタホルダの斜視図を示す。
図24は、図22にしたがう複合工具及びワークピースカウンタホルダの斜視図を示す。
図25は、図22〜図24にしたがうワークピースカウンタホルダの長手方向断面図を示す。
図26は、複合工具の別の実施例の、図20と同様の図を示す。
図27は、図26にしたがう複合工具の、図21と同様の図を示す。
図28は、図26にしたがう複合工具及び組み合わされるワークピースカウンタホルダの、図23及び図24と同様の図を示す。
図29は、図26にしたがう複合工具及び組み合わされるワークピースカウンタホルダの、図23及び図24と同様の図を示す。
図30は、ネジ切りカッタの使用のために準備されるネジ穴の領域内におけるワークピースの断面図を示す。
図31は、ネジ切りカッタの使用のために準備されるネジ穴の領域内におけるワークピースの断面図を示す。
図32は、ネジ切りカッタの使用のために準備されるネジ穴の領域内におけるワークピースの断面図を示す。
図33は、ネジ切りカッタユニットの軸線長手方向断面図を示し、このネジ切りカッタユニットは図9及び図20並びに図26にしたがう複合工具の実施例を参照して示されるネジ切りカッタユニットの実施例の代わりに使用できる。
図34は、図33の矢視方向XXXIVから見た図33にしたがうネジ切りカッタユニットのヘッドの図を示す。
図35は、図33にしたがうネジ切りカッタユニットの分解図を示す。
以下、本発明にしたがう複合工具の例示的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1に全体として示されているパンチング装置1はフレーム2を備え、その上部フレーム部分3には作動ラム4が取り付けられている。作動ラム4の下部には、複合工具5がタレット内に慣例のように配置されている。フレーム2の下部フレーム部6上には、ダイ・プレート状のワークピースカウンタホルダ7が配置されている。複合工具5とワークピースカウンタホルダ7との間には、加工される対象であるワークピース8が配置されており、ワークピース8はこの特定の事例において金属シートである。動作中において、複合工具5のネジ切りカッタは作動ラム4及び後述の駆動装置によってワークピースを貫通して回転して移動されて、ネジを製造する。ワークピース8はシート金属パネルであってもよい。
図2〜図12は複合工具5及びその個々の部品の詳細図を示す。複合工具5は工具ヘッド9とその下に配置されたネジ切りカッタマガジン10とを有する(例えば図9参照)。ネジ切りカッタマガジン10は工具ヘッド9に接続されている。ネジ切りカッタマガジン10は複数の部品から構成されている。図11はマガジン10をヘッドエンドマガジン部10aとワークピースエンドマガジン部10bに分割したものである。ネジ切りカッタマガジン10は複数のネジ切りカッタユニット11、即ち本例では6つのネジ切りカッタユニット11を担持している。例えば図3及び図4に示される総ての複合工具5はパンチング装置1から全体として取り外すことができる。その結果、複合工具5の部品は容易にアクセス可能であり、例えばネジ切りカッタユニット11を交換することができる。
ネジ切りカッタユニット11の各々は外側インサートスリーブ12を備え、このインサートスリーブ12はネジ切りカッタマガジン10のそれぞれのインサートホルダ13内で軸線方向に案内されて回転不可能に固定されている(例えば図9参照)。回転防止部はインサートスリーブ12のスリーブヘッド14とこれに相補的なインサートホルダとの間の少なくとも1つの軸線方向案内によって提供される。上記回転防止部はスリーブヘッド14の半径方向最内側凹状壁14aの相補的な形状によって提供され(図8参照)、上記凹状壁14aはヘッドエンドマガジン部10aのヘッド部分14bの凸状円筒形外面と相補的である。
さらに、ネジ切りカッタユニット11はネジ切りカッタリードスピンドルスリーブ15を備えている。上記ネジ切りカッタリードスピンドルスリーブ15はヘッド領域に雄ネジを有し、上記雄ネジはインサートスリーブ12の相補的な雌ネジに噛合する。さらに、リードスピンドルスリーブ15は軸線方向に延びる歯を有する噛合部(トゥーシング)の形態の外歯歯車16を有する。上記外歯歯車16は複合工具5の駆動スリーブ18の噛合部の形態の内歯歯車17と噛合する。駆動スリーブ18は複合工具5の中心ハウジング長手方向軸線19の周りを回転する。ネジ切りカッタユニット11はハウジング長手方向軸線19に対して偏心して配置されている。
さらに、ネジ切りカッタユニット11はリードスピンドルスリーブ15内に収容された実際のネジ切りカッタ又はネジ切りフォーマ20を備えている。偏倚バネ21(エラストマー体として構成可能)によって、それぞれのネジ切りカッタ20は組み合わされるリードスピンドルスリーブ15内でワークピースの方向に偏倚され、ネジ切りプロセスの開始時に生じ得る軸線方向の力を補償することができる。
複合工具5の選択装置22が設けられ、図9の左側に示されている作動ネジ切りカッタインサート11Aを選択する。上記選択装置22は選択スリーブ23を備えている。
選択案内装置24は選択スリーブ23内に回転不可能に配置されている。選択案内装置24は選択案内装置24の全周の約3分の1を超えてハウジング長手方向軸線19の周りにほぼ正弦曲線で下方に延在する選択カム25を有する(特に図5参照)。選択案内装置24は6つのネジ切りカッタユニット11のインサートスリーブ12のスリーブヘッド14上の選択ピン25aと相互作用する(図8及び図9参照)。選択案内装置24は保持リング24aによって半径方向にはピンによって選択スリーブ23に軸線方向に固定されている(例えば図11参照)。作動ネジ切りカッタユニット11Aのインサートスリーブ12のスリーブヘッド14は選択案内装置24の選択カム25の最下点に当接する。選択装置22の選択リング25cの選択カム25bは選択案内装置24の選択カム25と相補的である。選択カム25bは選択スリーブ23の選択案内装置24の対抗案内装置である。選択リング25cは軸線方向及び円周方向の双方向で選択案内装置24に固定されている。このために、選択リング25cは固定溝25d(図8参照)を有し、この固定溝25dは選択案内装置24の固定フック25e(図5参照)に係合される。
作動ネジ切りカッタユニット11Aの選択時には、パンチング装置1の選択駆動装置27の駆動ジャケットハウジングの形態の選択駆動体26が使用され、上記選択駆動体26は同時にネジ切りカッタ駆動装置である。駆動ジャケットハウジング26はパンチング装置1の駆動装置によって駆動され、この駆動装置は駆動ジャケットハウジング26をハウジング長手方向軸線19の周りに移動させる。このプロセスにおいて、選択駆動体26の駆動ヘッド28はパンチング装置1の1つのステーションの枢動可能な外側タレットスリーブ30内に設けられる駆動溝29内に移動する。タレットスリーブ30(図2及び図9参照)は実矧ぎ接続部30a(図9参照)によって駆動スリーブ18に非回転可能に接続されている。図9にしたがう選択駆動構成又は選択位置において、マガジン10の歯車31は駆動スリーブ18の連結レセプタクル32内に軸線方向に移動され、連結レセプタクル32は歯車31と相補的である。
選択プロセスにおいて、選択装置22の固定ボルト32aは昇降シリンダ32bによって作動され、そしてこれはパンチング装置1の一部であり、選択装置22の固定ボルト32aは6つの固定溝32cの1つに移動し、これは選択スリーブ23の外周壁に円周方向に見て互いに等間隔で形成され、選択スリーブ23を長手方向軸線19の回りの回転に抗して固定されるようにする。次に、選択駆動装置27は、選択すべきネジ切りカッタユニット11が作動ネジ切りカッタユニット11Aの位置に達するまで、選択駆動体26、外側ハウジングスリーブ30及び駆動スリーブ18によって、ハウジング長手方向軸線19の周りにネジ切りカッタマガジン10を回転する。この位置において、この作動ネジ切りカッタユニット11Aのインサートスリーブ12のスリーブヘッド14と選択案内装置24の選択カム25との案内接触により、作動ネジ切りカッタユニット11Aは他のネジ切りカッタユニット11に対して図9及び図10において軸線方向下部に移動される。
選択案内装置24によって案内されるネジ切りカッタユニット11が非作動位置と作動位置との間を移動する間、内歯歯車16は外歯歯車17と噛合接続されたままである。換言すれば、外側ハウジング要素、即ちタレットスリーブ30を別のハウジング要素、即ち選択スリーブ23に対して相対的に回転させることにより選択を行なうことができる。
この選択回転中、選択スリーブ23は静止したままであり、言い換えれば、ハウジング長手方向軸線19の周りを回転しない。
選択カム25の円周方向延長部は複合工具5内のネジ切りカッタユニット11の数に適合される。例えば、8つのネジ切りカッタユニット11が複合工具5の別の実施例に設けられる場合、選択カム25は選択案内装置24の全周の4分の1よりも長く延在する。
選択後、固定ボルト32aは昇降シリンダ32b内に退避され、固定溝32cから移動される。
駆動ジャケットハウジング26の許容可能な枢動範囲内で所望のネジ切りユニット11Aを選択できない場合には、駆動ジャケットハウジング26によってハウジング長手方向軸線19の周りに次の固定溝32cが固定ボルト32aに周方向に対向して配置するように固定ボルト32aは昇降シリンダ32bに一時的に退避され、複合工具5全体が回転される。次いで、固定ボルト32cは次の固定溝32c内に移動することができ、マガジン10に対する選択スリーブ32の別の相対的回転を可能にする。必要に応じて、所望のネジ切りカッタユニット11Aが選択されるまで、このプロセスを数回繰り返す。
選択プロセスにおいて、固定ボルト32aが引っ込められた状態で複合工具5の全体が回転されると、工具ヘッド9に対する選択スリーブ23の回転位置はボールエンドスラストネジによって固定される。ボールエンドスラストスクリュー用の溝32dがマガジンのヘッド部14bに形成されている。ボールエンドスラストネジ32eは図11に示す。
ネジを製造するために、ワークピース8は通常は予めドリル穴が設けられて、作動ネジ切りカッタユニット11Aに対して複合工具5の下に配置される。続いて、作動ネジ切りユニット11Aのネジ切りカッタ20が駆動されて、ワークピース8内のネジをネジ切り又は形成し、換言すると、このネジ切りカッタ20は一方ではそれぞれのネジ切りカッタ長手方向軸線33の周りで回転させ、他方では軸線方向に駆動されてワークピース8を通過するようにする。
ネジ切りカッタはパンチング装置1の作動ラム4によって上述の駆動装置27を備えているネジ切りカッタ駆動装置によって駆動される。選択スリーブ23と選択案内装置24に対して、かつ円周方向に見てハウジング長手方向軸線19の周りに均等に分配されるように工具ヘッド9と選択案内装置24との間に軸線方向に配置されるバネ34のバネ偏倚に対抗して作動ラム4が工具ヘッド9を下方に移動すると、直ちに工具ヘッド9の下部の連結歯車35は選択スリーブ23内の相補的な連結溝36と軸線方向に噛合する。同時に、マガジン10の連結歯車31は駆動スリーブ18の溝32との嵌合が解かれる(図10参照)。工具ヘッド9が作動ラム4によって作動されていない限り、既に上述したように偏倚バネ34はマガジン10の歯車31が駆動スリーブ18の連結溝32内に軸線方向に移動することを実行する。
ネジ切りカッタを駆動するために、駆動ジャケットハウジング26の駆動ヘッド28が再び駆動溝29に係合する。外側ハウジングスリーブ30がネジ切りカッタ駆動装置によって枢動されると、これによって駆動スリーブ18も回転され、しかしながら、ネジ切り中に非回転工具ヘッドに回転不可能に接続されている静止ネジ切りカッタマガジン10は回転されない。言い換えれば、歯車/溝カップリング35、36が噛合し、歯車/溝カップリング31、32が互いに噛合していない駆動装置27のネジ切りカッタ駆動構成では、駆動スリーブ18をネジ切りカッタマガジン10に対して枢動させて駆動スリーブ18の内歯歯車17がネジ切りカッタユニット11のすべてのリードスピンドルスリーブ15を回転させるようにする。回転中、リードスピンドルスリーブ15はインサートスリーブに対して回転し、ネジ切りカッタ駆動装置27の枢動運動の回転方向に依存してインサートスリーブ12に対してネジ切りカッタ20をワークピース8に接し又はそれから離れるよう移動させる。当然のことながら、そのネジ切りカッタ20としてのネジ切りカッタユニット11Aのみがワークピースに接触する部分である。他のネジ切りカッタユニット11はマルチ工具5の筐体内に退避しており、一度もワークピース8に接触しない程度である。
ネジ切りカッタ駆動装置27が枢動されると、これは、例えば作動ネジ切りカッタユニット11Aのネジ切りカッタ20の特に4つの全回転をもたらす。選択駆動体26のハウジング長手方向軸線19に対する枢動角度に依存して、それによって生じるネジ切りカッタ回転数は外歯歯車16に対する内歯歯車17の歯車比によって影響を受けることがある。ネジ切りカッタ20の軸線方向の変位は、例えばネジ切り中において16mmである。作動ネジ切りカッタは20Aとしても参照される。ギア比は例えば、1:5とすることができる。その結果、ネジ切りカッタを駆動するために合計2.5回転が行われる。ネジ切り中のネジ切りカッタ20の軸線方向の変位は製造されるネジに依存し、0.8mmのピッチを有するM5ネジを製造する場合、例えば2.5回転後に10mmになる。1.25mmのピッチを有するM8ネジにおいて、組み合わされるネジ切りカッタは同じ回転数を実行するとき、軸線方向に15.6mmだけ変位される。マガジン10には、サイズが互いに異なる複数のネジ切りカッタ20を設けることができる。6つのネジ切りカッタ20を有する複合工具5を使用する場合、例えばM2.5、M3、M4、M5、M6及びM8カッタのメートルセットを使用することが可能である。また、複合工具5はUNF、UNC、BSW、BSF又はUNEFネジ規格に適合するネジ切りカッタ20を備えることができる。異なるネジ規格に適合するネジ切りカッタ20を混合したものを複合工具5に備えることも考えられる。
工具ヘッド9には、作動ラム4の工具ヘッド9との接触点に収容溝37を設けることができる。図4の平面図に示すように、上記収容溝37は非回転対称のエッジ輪郭38を有し、これは図2〜図12にしたがう実施例においてキーホールの形状である。このタイプの非回転対称のエッジ輪郭38はハウジング長手方向軸線19の周りの作動ラム4に対する工具ヘッド9の回転防止部として機能できる。
ネジ切りの間、作動ネジ切りカッタユニット11Aのワークピースへのネジ切り深さは作動ラム4の制御された下降によって規定できる。作動ネジ切りカッタ20Aの軸線方向変位に関する上記の説明は異なるネジサイズを参照して作動ラム4の軸線方向の変位にも適用される。下降されると、作動ラム4はマガジン10を作動ネジ切りカッタユニット11Aを備えるネジ切りカッタユニット11とともに収容バネ38Aのバネ偏倚に抗してワークピースカウンタホルダ7の方向に下降させる。受けバネ38aは円周方向に見てハウジング長手方向軸線19の周りに均等に分配されるように駆動スリーブ18とタレットスリーブ30との間で軸線方向に配置されている。マガジン10はワークピースの直上の位置、例えばワークピースの1mm上の位置まで下降される。
潤滑チャネル39は特に2つのマガジン部分10a及び10bを貫通している。潤滑チャネル39を介して、潤滑剤は複合工具5の可動部品、特に駆動装置品及びネジ切りカッタユニット11に供給される。これで有効な潤滑を行なうことができる。インサートスリーブ12のそれぞれの外壁内のチャネル溝39aを介して、ネジ切りカッタユニット11Aの潤滑チャネル39の部分は特定の時間に作動となり、特に作動ネジ切りカッタユニット11Aの可動部分を潤滑するために互いに接続することができる。非作動、換言すればネジ切りカッタユニット11が図9及び図10のように上部に移動した位置において、それぞれのインサートスリーブ12の外壁は潤滑チャネル39のこれらの部分を貫通している。
中央ネジ40、41を介して、複合工具5はそのサブユニット、例えば一方では図5及び図6に示すヘッドエンド部品、他方では図7及び図8に示す工具エンド部品に迅速に分解することができる。特に、ワークピースヘッド9はネジ40を緩めることによって迅速に着脱可能である。
作動ネジ切りカッタインサート11Aをその使用場所についてワークピース上で位置決めするために、工具ヘッド9を含む複合工具5の全体をハウジング長手方向軸線19の周りに回転させる必要がある。図13に示す複合工具5の代替実施例において、作動ラム4は複数の回転対称性を有するように構成されており、その結果、作動ラム4はそのエッジ輪郭が収容溝37の非回転対称エッジ輪郭38と相補的であって、円周方向に見て6つの可能な工具位置の各々における収納溝37と確実に相互作用をする。これに対応して、6つのネジ切りカッタユニット11を備える複合工具5の実施例において、収容溝37のエッジ輪郭38は6つの対称性を有する。
非回転対称の作動ラム4及び相補的な収容溝37であって、したがって後者は非回転対称でもあり、エッジ輪郭38を有する別の代替実施例が図14に示されている。エッジ輪郭は正六角形の形状を有する。この実施例において、収容溝37のエッジ輪郭38は6つの回転対称性を有し、換言すれば、作動ラム4と収容溝37との間の確実な嵌合が作動ネジ切りユニット11Aにとって6つの可能な選択位置の何れかにおいて可能である。
図2〜図12にしたがう実施例の作動ラム4との相互作用のための工具ヘッド9の上側の別の代替デザインを図15〜図17に示す。図1〜図14を参照して既に説明したものに対応する部品及び機能は同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
作動ラム4に面したその上側には、図15〜図17に示す工具ヘッド9は図示の実施例では合計18個のボルトの形態の複数の確実な嵌合体41aを有し、これらのボルトは残りの工具ヘッド9に対して軸線方向、換言すればハウジング長手方向軸線19の方向に移動可能である。それぞれの偏倚バネ41bによって、ボルト41aは作動ラム4の方向に偏倚され、換言すれば作動ラム4の作動方向に抗している。
図5〜図17にしたがう工具ヘッド9は複合工具5の実施例のために再びデザインされ、6つのネジ切りカッタユニット11を備えている。これに対応して、ハウジング長手方向軸線19の周りで工具ヘッドの6つの回転位置が円周方向に可能であり、上記回転位置の各々は選択されたネジ切りユニットに対応している。上記6つの回転位置のそれぞれにおいて、図15の41aa、41ab及び41acで示される18個のバネボルト41aのうちの3つは、作動ラム4が作動位置にあるとき、作動ラム4と相互作用する(図16参照)。上記3つのバネボルトの内側の1つ、即ちバネボルト41aaは、偏倚バネ41bのバネ偏倚に抗して作動ラム4によって工具ヘッド9内に移動される(図16及び図17参照)。作動ラム4が上記バネボルト41aaの側方に配置された工具ヘッド9の上側に接触すると、直ちに作動ラム4内に配置された圧力センサ41cが作動される(図17参照)。換言すれば、工具ヘッド9の上側は複合工具5の圧力センサ接触面である。
作動位置において、作動ラム4は周方向に見て作動ラム4と相互作用する3つのバネボルトの他の2つの間、即ち半径方向外側のバネボルト41ab、41acの間に正確に配置される。
上記2つの外側バネボルト41ab、41acの横面壁を介して作動ラム4の側壁に当接する接触面の領域において、作動ラム4には2つの追加の圧力センサ41dが設けられている(図15参照)。よって、バネボルト41ab、41acのこれらの横面は複合工具5の圧力センサ接触面である。作動ラム4が図16にしたがう作動位置に配置されると、これら2つの圧力センサ41dも同様に作動する。3つの圧力センサ41c、41dはパンチング装置1の中央制御装置(図示せず)と信号通信する。
3つの圧力センサ41c、41dの全てが応答すると、「作動ラム 正確に位置決めされる」信号が制御装置に送出される。
18個のバネボルト41aの3つの異なるバネボルトは工具ヘッド9に対する作動ラム4の6つの相対的な回転位置の各々において作動する。これは別の相対的な回転位置について図15に破線で示されている。
さらに、圧力センサ41dは、ネジ切り中に複合工具5によって加えられるネジ切り力に関してパンチング装置1にフィードバックを提供することもできる。ネジ切りの間、工具ヘッド9は力を作動ラム4に周方向に加え、この力はネジ切り力の尺度である。上記ネジ切り力が所定の許容範囲外である場合、圧力センサ41dを介して、対応するエラーメッセージを制御装置に送出することができ、これにより例えばパンチング装置1の緊急停止にすることができる。作動ネジ切りカッタユニット11Aを交換する必要があることを示すメッセージを発することも考えられる。
以下、複合工具の別の実施例について図18及び図19を参照して説明する。この実施例は選択駆動装置及びネジ切り駆動装置の構成に関して図1〜図17にしたがう実施例とは異なる。
選択スリーブ23の外壁に形成される歯車リング42は図18及び図19にしたがう実施例の選択駆動装置の一部である。パンチング装置1の選択駆動装置のピニオン43(図19参照)は上記歯車リング42と噛合している。選択駆動装置は選択スリーブ23を回転させる。図19にしたがう選択位置において、選択案内装置24は選択リング25cにより形成された対抗案内装置と共に固定マガジン10に対して回転され、よって図2〜図12にしたがう実施例を参照して前述したように作動ネジ切りカッタ部11Aを選択できるようにする。
ネジ切り位置において、これは図18及び図19にしたがう実施例のためには示されていないが、前述した実施例の図10にしたがう位置にほぼ対応しており、タレットスリーブ30は図19に概略的に示されるネジ切り駆動装置44によって回転される。
ワークピースカウンタホルダ7を複合工具5と同期して回転させれば、これにより実行されるネジ切りプロセスにおいて、ワークピースはワークピースホルダ7のセンターピース45上に配置することができ、センターピース45はベアリング46上に取り付けられる(図19下部参照)。センターピース45はベアリング46によって残りのワークピースカウンタホルダ7に対してハウジング長手方向軸線19の周りに回転するように取り付けられる。ベアリング46はボールベアリングとして構成することができる。ワークピースカウンタホルダ7のこの代替実施例は上述した複合工具5のすべての実施例で使用することができる。
複数のネジ切りカッタを備える複合工具47と、組み合わされるワークピースカウンタホルダ7との別の実施例について図20〜図25を参照して以下に説明する。図1〜図19の実施例を参照して上述した部品及び機能は同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
図20はヘッドエンド部品の選択位置にある複合工具47を示しており、ここで作動ネジ切りカッタ11Aを工具選択装置49によって複合工具47のネジ切りカッタ11から選択することができる。図21は作動ネジ切りカッタが工具駆動装置によって駆動可能な駆動位置にある複合工具47を示しており、この工具駆動装置は複合工具47内で同時に工具選択装置49の選択駆動装置である。
図20にしたがう選択位置において、ヘッドエンド歯車リングハウジングスリーブ50は選択駆動装置の選択ピニオン(図示せず)と相互作用する。カップリング歯車51は歯車リングハウジングスリーブ50から半径方向内向きに延在している。図20にしたがう選択位置において、連結歯車51は選択案内装置24の連結レセプタクル52と非回転的に相互作用してハウジング長手方向軸線19の周りを回転する。
そして、選択案内装置24は選択リング25cに回転不可能に接続されている。ハウジング長手方向軸線19の周りで円周方向に見て相補的な円弧形状を有するこれら2つの部品の間に、ネジ切りカッタユニット11の選択ピン25aが配置される。
複合工具47において、ネジ切りカッタユニット11のための下部案内スリーブ53はネジ切りカッタマガジン10を収容する外側ハウジングスリーブ54に固定的に取り付けられている。上記ハウジングスリーブ54は静止している、換言すれば非駆動のネジ切りカッタマガジン10のレセプタクルである。
選択の間、言い換えれば、選択装置49を作動させるとき、歯車リングハウジングスリーブ50及び選択案内装置24は選択リング25cと共にハウジング長手方向軸線19の周りを回転する。ネジ切りカッタマガジン10は静止したままである。次いで、選択中に回転する選択カム25によって作動ネジ切りカッタ11Aが選択され、選択カム25の回転に応じて、ネジ切りカッタ11は軸線方向にのみ上昇され又は下降されるが、ハウジング長手方向軸線19の周りの周方向位置で静止したままである。所望のネジ切りカッタ11Aが選択されると、直ちに選択駆動装置が停止する。
図21は駆動位置にある複合工具47を示す。この位置において、カップリング歯車/カップリングレセプタクル接続部55を介して歯車リングハウジングスリーブ50と工具ヘッド9との間に非回転接続が生じるように、工具ヘッド9はタレットプレスのラムによって軸線方向に移動される。そして、ネジ40を介して、工具ヘッド9は駆動コア又は駆動シャフト56に回転不可能に接続される。駆動コア56は複合工具47の中心を通過する。工具ヘッド9から離れて対向する駆動コア56の下部コアセクション57は複合工具47のネジ切りカッタ駆動装置27の一部である外歯車リング部58を有し、その機能は上述した複合工具5の内歯歯車17の機能に対応する。そして、外歯車リング部58はネジ切りカッタユニット11の外歯歯車16と噛合する。言い換えると、歯車リングハウジングスリーブ50が回転すると、これによりネジ切りカッタ11、特に作動ネジ切りカッタ11Aが図21にしたがう駆動位置で駆動される。
駆動位置において、歯車リングハウジングスリーブ50の連結歯車51は選択案内装置24の連結レセプタクル52との係合が解かれる程度に移動される。その結果、歯車リングハウジングスリーブ50が駆動位置で回転されるとき選択案内装置24は回転しない。
これに加えて、複合工具47には、歯車リングハウジングスリーブ50と選択リング25cとの間に別のカップリング58aが設けられている。カップリング58aは図20にしたがう選択位置において係合が解かれ、図21にしたがう駆動位置において係合している。カップリング58aの連結リングはその非回転連結要素であって、係合位置において選択リング25cと摩擦接触し、したがって歯車リングハウジングスリーブ50が回転するとき駆動位置において選択案内装置24の望ましくない回転を防止する。
図23〜図25はワークピースカウンタホルダ48の詳細を示している。ワークピースカウンタホルダ7と同様に、上記ワークピースカウンタホルダ48には環状溝59が設けられ、ネジ切りカッタ11Aをワークピースを通過した後に通過させて、よってワークピースカウンタホルダ48と直接接触するのを防止する。
上記環状溝の支持面、言い換えれば複合工具47に対向するワークピースカウンタホルダ48の面には、円周面取り部60が設けられている。
図20〜図25にしたがう複合工具47の代わりに使用できる複合工具47の別の実施例について、以下、図26〜図29を参照して説明する。
図26〜図29にしたがう複合工具47は、歯車リングハウジングスリーブ50の代わりに使用される伝動ハウジングスリーブ61に関してのみ図20〜図25にしたがう複合工具とは異なる。歯車リングの代わりに、上記伝動ハウジングスリーブ61には選択駆動装置又はネジ切り駆動装置の対応する駆動歯車によって係合されるヘッド上に歯車溝62が設けられている。
上述した複合工具を使用してネジを製造するシート金属幾何学構造について図30〜図32を参照して以下に説明する。
図30はネジ穴64を取り囲む領域を示すワークピース63の断面を示す。ネジ形成中、上記ネジ穴64は作動ネジ切りカッタ11Aの形成部分によって係合される。
図31は押出し孔65の形態のネジ孔の変形例を示し、そのカラーはワークピースカウンタホルダ48に面している。
ネジ穴66にネジを形成した後、ワークピースカウンタホルダ48の面取り部60によってワークピース63をワークピースカウンタホルダ48に対して横方向に移動させることができ、押出し穴66のカラーはカウンタホルダ48に面して斜面上のようにそれぞれの面取り部60上で滑動する。
上述したネジ切りカッタユニットの代わりに、図9、図20及び図26にしたがう複合工具5、47の実施例において使用されるネジ切りカッタユニット11の別の実施例について図33〜図35を参照して以下に説明する。図1〜図32を参照して既に説明したものに対応する部品及び機能は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図33にしたがうネジ切りカッタユニット11において、ネジをワークピースに形成するために使用されるピン状ネジ切りカッタ20は、上述したネジ切りカッタユニット11の実施例のネジ切りカッタ20がそれに接続されている形態とは異なる形態において、ネジ切りカッタリードスピンドルスリーブ15に接続されている。上述のこれらの実施例において、ネジ切りカッタ20はロックリングによってネジ切りカッタリードスピンドルネジ15内に固定されている。
図33〜図35にしたがう実施例において、ネジ切りカッタ20は永久磁石67によってネジ切りカッタリードスピンドルネジ15内に軸線方向に固定されている。ネジ切りカッタ20のネジ切りカッタヘッド68は上記ネジ切りカッタヘッド68に面している永久磁石67の端面69の前端に対して当接している。ネジ切りカッタ20はネジ切りカッタヘッド68の領域内でテーパー付けされ、換言すれば、他のリードスピンドルスリーブ15と同様に永久磁石端面69との接触領域において同じでないが減少した断面を有する。
図33に示す位置において、永久磁石端面69は円筒形PUエラストマーブロックの形態の偏倚バネ21によって偏倚されている。この位置において、永久磁石端面69はリードスピンドルスリーブ15の周方向段部69aに対して偏倚バネ21の偏倚に抗して支持されている。
リードスピンドルスリーブ15のヘッドエンドに螺合されるクランプネジ70によって、偏倚バネ21は永久磁石67に対して偏倚される。それで偏倚バネ21はクランプネジ70の前端と上記前端に対向する前記永久磁石64の他端面との間に配置される。
クランプネジ70のネジヘッドはスリーブヘッド14を貫通して延在するチャネル71を介して上方からアクセス可能である。
ピン形状ネジ切りカッタ20はリードスピンドルスリーブ15、したがってインサートスリーブ12全体に回転不可能に接続されている。
図33〜図35にしたがうネジ切りカッタユニット11がワークピースにネジを形成するように選択された場合、偏倚バネ21は軸線方向にバネ力を提供し、これにより均一なネジ形成プロセスが確保される。
不均一なワークピースを機械加工する場合、ネジ形成中に軸線方向力が発生することがあり、この軸線方向力は図33にしたがう下方向にネジ切りカッタに作用する。この軸線方向力が永久磁石67の磁力を介して規定される閾値力を超える場合、ネジ切りカッタ20は端面69から離脱し、しかがって此のタイプの過大な力によってもたらされる作動ネジ切りカッタユニット11Aの破損を防止することができる。ネジ切りカッタ20が永久磁石から離脱した後にワークピースから離反されるか又は再び閾値力が閾値を低下すると、直ちに永久磁石67はネジ切りカッタヘッド68を再び吸引し、したがってネジ切りカッタヘッド68が再び永久磁石端面69に軸線方向に固定されることを確実にする。
本発明は、パンチング装置用、特にタレットパンチプレス用の複合工具に関する。
本願はドイツ特許出願DE 10 2014 215 951.2及びDE 10 2014 224 094.8の優先権を主張し、その内容は参照により本願に組み込まれる。
このタイプの複合工具は例えば、特許文献1(EP 2 596 878 A)、特許文献2(US 5 615 471 B)、特許文献3(JP 09−108942 A)及び特許文献4(JP 2010−017797 A)から知られている。別の工具は特許文献5(US 2011/0116881 A1)から知られている。特許文献6(JP 2002−103140 A)は更に別の複合工具を開示している。工具ホルダは特許文献7(DE 20 2014 001 657 U1)から知られている。
EP 2 596 878 A
US 5 615 471 B
JP 09−108942 A
JP 2010−017797 A
US 2011/0116881 A1
JP 2002−103140 A
DE 20 2014 001 657 U1
本発明の目的は、特に電動式で、例えば回転可能なステーションを用いてパンチング装置の適用範囲を拡大することである。
この目的は、本発明にしがって請求項1に記載される特徴を有する複合工具によって達成される。
本発明によれば、パンチング装置に適合する複合工具は複合ネジ切り工具として構成できることが見出された。複数のネジ切りカッタは異なるネジ径のネジ切りカッタ及び/又は正確に同一のネジを形成するために順次使用されるネジ切りカッタである。本願全体を通して、ネジ形成工具はネジ切りカッタとも称される。複合工具、通常は複合パンチング工具の使用のために既に準備されているパンチング装置を使用して、本発明にしたがう複合工具を設置することにより、ネジ切り又はネジ形成を行なう形態においてその機能の範囲は拡大される。ネジ切り駆動装置は特定の時間に作動するネジ切りカッタの動作上安全な機能を保証する。
選択装置の一部としての案内装置、即ち作動ネジ切りカッタを他のネジ切りカッタに対してワークピースに向かう方向に軸方向に変位させる案内装置は、作動ネジ切りカッタの動作上安全な選択を保証する。選択装置のデザインに応じて、案内装置は選択駆動装置によって変位可能な構成要素として又は選択中に静止している構成要素として構成することができる。
複合工具の個々のネジ切りカッタは複数の部品で夫々できているネジ切りカッタユニットとして構成することができる。複合工具はこのタイプの6つのネジ切りカッタを備えることができる。異なる数、例えば2、3、4、5、7、8、10又はそれを超えるネジ切りカッタを設けて、1つの複合工具において選択することができる。
複合工具には迅速に取り外し可能な工具ヘッドを搭載することができる。この目的のために、工具ヘッドは中心配置される固定ネジを介して他の複合工具に接続することができる。複合工具は潤滑装置を有し、特に複合工具の可動部分、例えば特定の時間に作動するネジ切りカッタを潤滑することを可能にする。
請求項2にしたがう選択装置は複合工具の使用のためにデザインされる最新技術のパンチング装置の条件によく適合している。自動選択が可能である。選択の間、ネジ切りカッタマガジンは選択装置の部品に対してハウジング長手方向軸線の周りに枢動することができる。そのように実行するとき、ネジ切りカッタマガジン及び/又は選択装置の部品の作動枢動運動を行うことが可能である。ネジ切りカッタマガジンが選択中に回転されない限り、ネジ切りカッタの各々はハウジング長手方向軸線の周りの円周方向におけるそれらの位置に関する限り所定の位置に留まる。ネジ切りカッタマガジンが選択中に回転されると、作動ネジ切りカッタは、ハウジング長手方向軸線の周りに見てそれぞれの場合に同一の円周位置に設けられることが確保される。複合工具の駆動及び位置の要求に応じて、これらの代替例の1つが有利となる。
請求項3にしたがう選択駆動装置はそれぞれのネジ切りカッタが自動化された態様で選択されることを可能にする。
請求項4にしたがう共用の駆動装置は一方でネジ切りを行い、他方で選択するためのものであって、パンチング装置に対する複合工具と駆動接続部とのデザインを単純化する。
請求項5にしたがう駆動装置は作動ネジ切りカッタの動作中の回転数を噛合部(トゥーシング)間、例えば内歯噛合部(内歯トゥーシング)及び外歯噛合部(外歯トゥーシング)間の選択可能なギア比によって設定することを可能にする。代替例として、ギア比はそれに加えて提供される伝達ギアリングによって規定することができる。代替例として、駆動装置は外歯噛合部を含む回転駆動コア又は中央駆動シャフトを有してもよく、駆動コアはネジ切りカッタ駆動装置に作動的に接続されて上述したようにギア比が規定できる形態で駆動コアの外歯噛合部はネジ切りカッタの外歯噛合部と相互作用する。
請求項6にしたがう駆動装置のデザインは特定の時間に作動するそれぞれのネジ切りカッタのための駆動装置の面倒な連結解除及び再係合を回避する。さらに、このデザインの噛合部は、例えば作動位置と非作動位置との間のネジ切りカッタの軸線方向移動の案内を確実に行なう。
複合工具の作動ネジ切りカッタはハウジング長手方向軸線に対して偏心して配置することができる。このタイプの作動ネジ切りカッタの偏心構成は特定の時間に作動されるべきそれぞれのネジ切りカッタを選択する際の移動を容易にする。
請求項7にしたがう確実な嵌合体は作動ラムと工具ヘッドとの間の信頼できる力伝達を可能にする。確実な嵌合体の特定の構成及び/又は輪郭は工具ヘッドに対して作動ラムの複数の所定の回転位置において作動ラムと工具ヘッドとの間の確実な嵌合を保証する。
請求項8に記載の実施例は少なくとも1つのバネボルトがそのバネ偏倚に抗する方向での作動位置で作動ラムによって移動される構成を可能にする。これは、複合工具の機能を監視するために使用される一方、バネボルトの構成を作動ラムの異なるエッジ輪郭に適合することができる。
請求項9にしたがう圧力センサ接触面は作動ラム上に設けられた組み合わされる圧力センサと相互作用することができる。このタイプの圧力センサを使用して、作動ラムの位置を作動位置で監視することができる。これに代えて又はそれに加えて、このタイプの圧力センサを使用して、複合工具によってネジ切り又はネジ形成中のネジ切り力を監視することも考えられる。
複合工具のためのネジ切りカッタユニットの利点は複合工具を参照して既に説明したものに対応する。
好ましくは、ネジ切りカッタユニットは、ネジ形成のためのピン形状のネジ切りカッタと、ネジ切りカッタが回転不可能に連結されて回転可能に駆動可能なインサートスリーブとを有する。このようなネジ切りカッタユニットは特定の磨耗量に露出されたネジ切りカッタを交換することを可能にし、ここでインサートスリーブは再使用可能である。さらに、実際のネジ切りカッタとは別個のインサートスリーブを備えるネジ切りカッタユニットのデザインはネジ切りカッタのインサートスリーブに対する軸線方向相対移動を可能にし、ネジ切りカッタの耐用年数を増加させるのに有用である。インサートスリーブは複数の部品で構成することができる。インサートスリーブはネジ切りカッタマガジンのインサートホルダ内に収納されるスリーブヘッドを含めることができる。スリーブヘッドはインサートレセプタクル内で軸線方向に案内される。スリーブヘッドは回転に抗して固定される形態でインサートホルダ内に取り付けることができる。さらに、スリーブヘッドはネジ切りカッタリードスピンドルスリーブを有する。上記ネジ切りカッタリードスピンドルスリーブはインサートスリーブのスリーブヘッドに螺合することができる。
ネジ切りカッタユニットのネジ切りカッタが磁石によってインサートスリーブ内に保持されると有利である。磁気ホルダは特に簡素であり、ネジ切りカッタを容易に交換することができる。磁石の保持力は所定の閾値力を超えたときネジ切りカッタがインサートスリーブから離脱するように選択することができる。これにより、ネジ切りカッタの損傷を防止することができる。磁石は永久磁石として構成することができる。磁石は一般に電磁石として構成することもできる。インサートスリーブ内のネジ切りカッタの磁気ホルダは、複合工具を参照して上述した詳細とは独立して、換言すれば特に選択装置の種類及びネジ切りカッタ駆動装置の種類とは独立して使用することもできる。
好ましくは、ネジ切りカッタユニットのネジ切りカッタはネジ切りカッタを軸方向に弾撥する態様でインサートスリーブに取り付けるための偏倚バネを備える。偏倚バネを使用して、ネジ切りカッタの摩耗を低減することができる。夫々のネジ切りカッタユニットは、ネジ切りカッタを軸線方向に弾撥する態様でインサートスリーブに取り付けるための正確に1つの偏倚バネを有する。偏倚バネはエラストマーブロック、特にPUエラストマーブロックとして構成することができる。
好ましくは、外部噛合部を備えるネジ切りカッタリードスピンドルスリーブと、ネジ切りカッタリードスピンドルスリーブに挿入可能な複数のネジ切りカッタとから構成されて、ネジ切りカッタユニットを製造するセットが設けられる。セットの利点は複合工具及びネジ切りカッタユニットを参照して既に説明したものに対応する。
また、最初に述べた目的は請求項10にしたがう特徴を有する複合工具によって本発明により解決される。
駆動装置は作動ネジ切りカッタの動作中の回転数を噛合部間、例えば内部噛合部及び外部噛合部間の選択可能なギア比によって設定することができる。代替例として、ギア比はそれに加えて提供される伝達ギアリングによって規定することができる。代替例として、駆動装置は外部噛合部を含む回転駆動コア又は中央駆動シャフトを有してもよく、駆動コアはネジ切りカッタ駆動装置に作動的に接続されて、駆動コアの外部噛合部は上述したようにギア比が規定できる形態でネジ切りカッタの外部噛合部と相互作用する。
特許請求される駆動装置のデザインは特定の時間に作動する個々のネジ切りカッタのための駆動装置の面倒な連結解除及び再係合を回避する。さらに、このデザインの噛合部は例えば作動位置と非作動位置との間のネジ切りカッタの軸方向移動の案内を確実にする。
偏倚バネを使用して、ネジ切りカッタの摩耗を低減することができる。偏倚バネは、エラストマーブロックとして、特にPUエラストマーブロックとして構成することができる。
本発明の他の特徴、利点及び詳細は幾つかの実施例について図面を参照して以下の説明から明らかになる。
図1は、本発明にしたがう複合工具を備える概略パンチング装置の側面図を示す。
図2は、工具選択装置及び工具駆動装置のパンチング装置・エンド部品を備える複合工具の斜視図を示す。
図3は、複合工具の斜視図を示す。
図4は、複合工具の斜視図を示す。
図5は、複合工具のヘッドエンド部品の斜視図を示す。
図6は、複合工具のヘッドエンド部品の斜視図を示す。
図7は、複合工具の工具エンド部品の斜視図を示す。
図8は、複合工具の工具エンド部品の斜視図を示す。
図9は、複合工具及びワークピースカウンタホルダの概略・部分的破断縦断面図を示し、ネジ切りカッタが複合工具の1工具として作動位置に示され、別の1ネジ切りカッタが非作動位置に示され、複合工具がヘッドエンド部品の選択位置に示され、上記選択位置によって1つの作動ネジ切りカッタは工具選択装置で複合工具のすべてのネジ切りカッタから選択可能である。
図10は、複合工具及びワークピースカウンタホルダの、図2と同様の図を示し、複合工具は作動ネジ切りカッタが工具駆動装置を介して駆動可能である駆動位置に示されている。
図11は、図9及び図10とは異なる断面に沿う複合工具の部品選択の別の縦断面図を示す。
図12は、複合工具の選択装置の案内装置及び選択スリーブの長手方向断面図を示す。
図13は、複合工具の工具ヘッドの別の実施例の概略平面図を示し、また同図は工具ヘッドと相互作用するパンチング装置の作動ラムのエッジ輪郭を示す。
図14は、パンチング装置の作動ラムの別のエッジ輪郭デザインと相互作用する複合工具の工具ヘッドの別の実施例の、図13と同様の図を示す。
図15は、複合工具の工具ヘッドの別の実施例の、図13及び図14と同様の図を示し、また同図は相互作用するパンチング装置の作動ラムのエッジ輪郭を示す。
図16は、図15の矢視方向XVIから見た作動ラムの側面図を示し、作動ラムは工具ヘッドに係合して確実に接続され、工具ヘッド及び作動ラムは破断図面で示されている。
図17は、工具ヘッドから離間して移動される位置で作動ラムの、図16と同様の図を示す。
図18は、複合工具及びワークピースカウンタホルダの別の実施例の、図4と同様の図を示す。
図19は、図18にしたがう複合工具及びワークピースカウンタホルダの、図9と同様の縦断面図を示し、複合工具は作動ネジ切りカッタを選択する選択位置に示されている。
図20は、作動ネジ切りカッタの駆動選択のための選択位置に示される複合工具の別の実施例の、図9と同様の縦断面図を示す。
図21は、図20にしたがう複合工具を示し、複合工具は工具駆動装置を介して作動ネジ切りカッタを駆動するための駆動位置に示されている。
図22は、図20にしたがう複合工具及び組み合わされるワークピースカウンタホルダの側面図を示す。
図23は、図22にしたがう複合工具及びワークピースカウンタホルダの斜視図を示す。
図24は、図22にしたがう複合工具及びワークピースカウンタホルダの斜視図を示す。
図25は、図22〜図24にしたがうワークピースカウンタホルダの長手方向断面図を示す。
図26は、複合工具の別の実施例の、図20と同様の図を示す。
図27は、図26にしたがう複合工具の、図21と同様の図を示す。
図28は、図26にしたがう複合工具及び組み合わされるワークピースカウンタホルダの、図23及び図24と同様の図を示す。
図29は、図26にしたがう複合工具及び組み合わされるワークピースカウンタホルダの、図23及び図24と同様の図を示す。
図30は、ネジ切りカッタの使用のために準備されるネジ穴の領域内におけるワークピースの断面図を示す。
図31は、ネジ切りカッタの使用のために準備されるネジ穴の領域内におけるワークピースの断面図を示す。
図32は、ネジ切りカッタの使用のために準備されるネジ穴の領域内におけるワークピースの断面図を示す。
図33は、ネジ切りカッタユニットの軸線長手方向断面図を示し、このネジ切りカッタユニットは図9及び図20並びに図26にしたがう複合工具の実施例を参照して示されるネジ切りカッタユニットの実施例の代わりに使用できる。
図34は、図33の矢視方向XXXIVから見た図33にしたがうネジ切りカッタユニットのヘッドの図を示す。
図35は、図33にしたがうネジ切りカッタユニットの分解図を示す。
以下、本発明にしたがう複合工具の例示的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1に全体として示されているパンチング装置1はフレーム2を備え、その上部フレーム部分3には作動ラム4が取り付けられている。作動ラム4の下部には、複合工具5がタレット内に慣例のように配置されている。フレーム2の下部フレーム部6上には、ダイ・プレート状のワークピースカウンタホルダ7が配置されている。複合工具5とワークピースカウンタホルダ7との間には、加工される対象であるワークピース8が配置されており、ワークピース8はこの特定の事例において金属シートである。動作中において、複合工具5のネジ切りカッタは作動ラム4及び後述の駆動装置によってワークピースを貫通して回転して移動されて、ネジを製造する。ワークピース8はシート金属パネルであってもよい。
図2〜図12は複合工具5及びその個々の部品の詳細図を示す。複合工具5は工具ヘッド9とその下に配置されたネジ切りカッタマガジン10とを有する(例えば図9参照)。ネジ切りカッタマガジン10は工具ヘッド9に接続されている。ネジ切りカッタマガジン10は複数の部品から構成されている。図11はマガジン10をヘッドエンドマガジン部10aとワークピースエンドマガジン部10bに分割したものである。ネジ切りカッタマガジン10は複数のネジ切りカッタユニット11、即ち本例では6つのネジ切りカッタユニット11を担持している。例えば図3及び図4に示される総ての複合工具5はパンチング装置1から全体として取り外すことができる。その結果、複合工具5の部品は容易にアクセス可能であり、例えバネジ切りカッタユニット11を交換することができる。
ネジ切りカッタユニット11の各々は外側インサートスリーブ12を備え、このインサートスリーブ12はネジ切りカッタマガジン10のそれぞれのインサートホルダ13内で軸線方向に案内されて回転不可能に固定されている(例えば図9参照)。回転防止部はインサートスリーブ12のスリーブヘッド14とこれに相補的なインサートホルダとの間の少なくとも1つの軸線方向案内によって提供される。上記回転防止部はスリーブヘッド14の半径方向最内側凹状壁14aの相補的な形状によって提供され(図8参照)、上記凹状壁14aはヘッドエンドマガジン部10aのヘッド部分14bの凸状円筒形外面と相補的である。
さらに、ネジ切りカッタユニット11はネジ切りカッタリードスピンドルスリーブ15を備えている。上記ネジ切りカッタリードスピンドルスリーブ15はヘッド領域に雄ネジを有し、上記雄ネジはインサートスリーブ12の相補的な雌ネジに噛合する。さらに、リードスピンドルスリーブ15は軸線方向に延びる歯を有する噛合部(トゥーシング)の形態の外歯歯車16を有する。上記外歯歯車16は複合工具5の駆動スリーブ18の噛合部の形態の内歯歯車17と噛合する。駆動スリーブ18は複合工具5の中心ハウジング長手方向軸線19の周りを回転する。ネジ切りカッタユニット11はハウジング長手方向軸線19に対して偏心して配置されている。
さらに、ネジ切りカッタユニット11はリードスピンドルスリーブ15内に収容された実際のネジ切りカッタ又はネジ切りフォーマ20を備えている。偏倚バネ21(エラストマー体として構成可能)によって、それぞれのネジ切りカッタ20は組み合わされるリードスピンドルスリーブ15内でワークピースの方向に偏倚され、ネジ切りプロセスの開始時に生じ得る軸線方向の力を補償することができる。
複合工具5の選択装置22が設けられ、図9の左側に示されている作動ネジ切りカッタインサート11Aを選択する。上記選択装置22は選択スリーブ23を備えている。
選択案内装置24は選択スリーブ23内に回転不可能に配置されている。選択案内装置24は選択案内装置24の全周の約3分の1を超えてハウジング長手方向軸線19の周りにほぼ正弦曲線で下方に延在する選択カム25を有する(特に図5参照)。選択案内装置24は6つのネジ切りカッタユニット11のインサートスリーブ12のスリーブヘッド14上の選択ピン25aと相互作用する(図8及び図9参照)。選択案内装置24は保持リング24aによって半径方向にはピンによって選択スリーブ23に軸線方向に固定されている(例えば図11参照)。作動ネジ切りカッタユニット11Aのインサートスリーブ12のスリーブヘッド14は選択案内装置24の選択カム25の最下点に当接する。選択装置22の選択リング25cの選択カム25bは選択案内装置24の選択カム25と相補的である。選択カム25bは選択スリーブ23の選択案内装置24の対抗案内装置である。選択リング25cは軸線方向及び円周方向の双方向で選択案内装置24に固定されている。このために、選択リング25cは固定溝25d(図8参照)を有し、この固定溝25dは選択案内装置24の固定フック25e(図5参照)に係合される。
作動ネジ切りカッタユニット11Aの選択時には、パンチング装置1の選択駆動装置27の駆動ジャケットハウジングの形態の選択駆動体26が使用され、上記選択駆動体26は同時にネジ切りカッタ駆動装置である。駆動ジャケットハウジング26はパンチング装置1の駆動装置によって駆動され、この駆動装置は駆動ジャケットハウジング26をハウジング長手方向軸線19の周りに移動させる。このプロセスにおいて、選択駆動体26の駆動ヘッド28はパンチング装置1の1つのステーションの枢動可能な外側タレットスリーブ30内に設けられる駆動溝29内に移動する。タレットスリーブ30(図2及び図9参照)は実矧ぎ接続部30a(図9参照)によって駆動スリーブ18に非回転可能に接続されている。図9にしたがう選択駆動構成又は選択位置において、マガジン10の歯車31は駆動スリーブ18の連結レセプタクル32内に軸線方向に移動され、連結レセプタクル32は歯車31と相補的である。
選択プロセスにおいて、選択装置22の固定ボルト32aは昇降シリンダ32bによって作動され、そしてこれはパンチング装置1の一部であり、選択装置22の固定ボルト32aは6つの固定溝32cの1つに移動し、これは選択スリーブ23の外周壁に円周方向に見て互いに等間隔で形成され、選択スリーブ23を長手方向軸線19の回りの回転に抗して固定されるようにする。次に、選択駆動装置27は、選択すべきネジ切りカッタユニット11が作動ネジ切りカッタユニット11Aの位置に達するまで、選択駆動体26、外側ハウジングスリーブ30及び駆動スリーブ18によって、ハウジング長手方向軸線19の周りにネジ切りカッタマガジン10を回転する。この位置において、この作動ネジ切りカッタユニット11Aのインサートスリーブ12のスリーブヘッド14と選択案内装置24の選択カム25との案内接触により、作動ネジ切りカッタユニット11Aは他のネジ切りカッタユニット11に対して図9及び図10において軸線方向下部に移動される。
選択案内装置24によって案内されるネジ切りカッタユニット11が非作動位置と作動位置との間を移動する間、内歯歯車16は外歯歯車17と噛合接続されたままである。換言すれば、外側ハウジング要素、即ちタレットスリーブ30を別のハウジング要素、即ち選択スリーブ23に対して相対的に回転させることにより選択を行なうことができる。
この選択回転中、選択スリーブ23は静止したままであり、言い換えれば、ハウジング長手方向軸線19の周りを回転しない。
選択カム25の円周方向延長部は複合工具5内のネジ切りカッタユニット11の数に適合される。例えば、8つのネジ切りカッタユニット11が複合工具5の別の実施例に設けられる場合、選択カム25は選択案内装置24の全周の4分の1よりも長く延在する。
選択後、固定ボルト32aは昇降シリンダ32b内に退避され、固定溝32cから移動される。
駆動ジャケットハウジング26の許容可能な枢動範囲内で所望のネジ切りユニット11Aを選択できない場合には、駆動ジャケットハウジング26によってハウジング長手方向軸線19の周りに次の固定溝32cが固定ボルト32aに周方向に対向して配置するように固定ボルト32aは昇降シリンダ32bに一時的に退避され、複合工具5全体が回転される。次いで、固定ボルト32cは次の固定溝32c内に移動することができ、マガジン10に対する選択スリーブ32の別の相対的回転を可能にする。必要に応じて、所望のネジ切りカッタユニット11Aが選択されるまで、このプロセスを数回繰り返す。
選択プロセスにおいて、固定ボルト32aが引っ込められた状態で複合工具5の全体が回転されると、工具ヘッド9に対する選択スリーブ23の回転位置はボールエンドスラストネジによって固定される。ボールエンドスラストスクリュー用の溝32dがマガジンのヘッド部14bに形成されている。ボールエンドスラストネジ32eは図11に示す。
ネジを製造するために、ワークピース8は通常は予めドリル穴が設けられて、作動ネジ切りカッタユニット11Aに対して複合工具5の下に配置される。続いて、作動ネジ切りユニット11Aのネジ切りカッタ20が駆動されて、ワークピース8内のネジをネジ切り又は形成し、換言すると、このネジ切りカッタ20は一方ではそれぞれのネジ切りカッタ長手方向軸線33の周りで回転させ、他方では軸線方向に駆動されてワークピース8を通過するようにする。
ネジ切りカッタはパンチング装置1の作動ラム4によって上述の駆動装置27を備えているネジ切りカッタ駆動装置によって駆動される。選択スリーブ23と選択案内装置24に対して、かつ円周方向に見てハウジング長手方向軸線19の周りに均等に分配されるように工具ヘッド9と選択案内装置24との間に軸線方向に配置されるバネ34のバネ偏倚に対抗して作動ラム4が工具ヘッド9を下方に移動すると、直ちに工具ヘッド9の下部の連結歯車35は選択スリーブ23内の相補的な連結溝36と軸線方向に噛合する。同時に、マガジン10の連結歯車31は駆動スリーブ18の溝32との嵌合が解かれる(図10参照)。工具ヘッド9が作動ラム4によって作動されていない限り、既に上述したように偏倚バネ34はマガジン10の歯車31が駆動スリーブ18の連結溝32内に軸線方向に移動することを実行する。
ネジ切りカッタを駆動するために、駆動ジャケットハウジング26の駆動ヘッド28が再び駆動溝29に係合する。外側ハウジングスリーブ30がネジ切りカッタ駆動装置によって枢動されると、これによって駆動スリーブ18も回転され、しかしながら、ネジ切り中に非回転工具ヘッドに回転不可能に接続されている静止ネジ切りカッタマガジン10は回転されない。言い換えれば、歯車/溝カップリング35、36が噛合し、歯車/溝カップリング31、32が互いに噛合していない駆動装置27のネジ切りカッタ駆動構成では、駆動スリーブ18をネジ切りカッタマガジン10に対して枢動させて駆動スリーブ18の内歯歯車17がネジ切りカッタユニット11のすべてのリードスピンドルスリーブ15を回転させるようにする。回転中、リードスピンドルスリーブ15はインサートスリーブに対して回転し、ネジ切りカッタ駆動装置27の枢動運動の回転方向に依存してインサートスリーブ12に対してネジ切りカッタ20をワークピース8に接し又はそれから離れるよう移動させる。当然のことながら、そのネジ切りカッタ20としてのネジ切りカッタユニット11Aのみがワークピースに接触する部分である。他のネジ切りカッタユニット11はマルチ工具5の筐体内に退避しており、一度もワークピース8に接触しない程度である。
ネジ切りカッタ駆動装置27が枢動されると、これは、例えば作動ネジ切りカッタユニット11Aのネジ切りカッタ20の特に4つの全回転をもたらす。選択駆動体26のハウジング長手方向軸線19に対する枢動角度に依存して、それによって生じるネジ切りカッタ回転数は外歯歯車16に対する内歯歯車17のギア比によって影響を受けることがある。ネジ切りカッタ20の軸線方向の変位は、例えバネジ切り中において16mmである。作動ネジ切りカッタは20Aとしても参照される。ギア比は例えば、1:5とすることができる。その結果、ネジ切りカッタを駆動するために合計2.5回転が行われる。ネジ切り中のネジ切りカッタ20の軸線方向の変位は製造されるネジに依存し、0.8mmのピッチを有するM5ネジを製造する場合、例えば2.5回転後に10mmになる。1.25mmのピッチを有するM8ネジにおいて、組み合わされるネジ切りカッタは同じ回転数を実行するとき、軸線方向に15.6mmだけ変位される。マガジン10には、サイズが互いに異なる複数のネジ切りカッタ20を設けることができる。6つのネジ切りカッタ20を有する複合工具5を使用する場合、例えばM2.5、M3、M4、M5、M6及びM8カッタのメートルセットを使用することが可能である。また、複合工具5はUNF、UNC、BSW、BSF又はUNEFネジ規格に適合するネジ切りカッタ20を備えることができる。異なるネジ規格に適合するネジ切りカッタ20を混合したものを複合工具5に備えることも考えられる。
工具ヘッド9には、作動ラム4の工具ヘッド9との接触点に収容溝37を設けることができる。図4の斜視図に示すように、上記収容溝37は非回転対称のエッジ輪郭38を有し、これは図2〜図12にしたがう実施例においてキーホールの形状である。このタイプの非回転対称のエッジ輪郭38はハウジング長手方向軸線19の周りの作動ラム4に対する工具ヘッド9の回転防止部として機能できる。
ネジ切りの間、作動ネジ切りカッタユニット11Aのワークピースへのネジ切り深さは作動ラム4の制御された下降によって規定できる。作動ネジ切りカッタ20Aの軸線方向変位に関する上記の説明は異なるネジサイズを参照して作動ラム4の軸線方向の変位にも適用される。下降されると、作動ラム4はマガジン10を作動ネジ切りカッタユニット11Aを備えるネジ切りカッタユニット11とともに収容バネ38Aのバネ偏倚に抗してワークピースカウンタホルダ7の方向に下降させる。受けバネ38aは円周方向に見てハウジング長手方向軸線19の周りに均等に分配されるように駆動スリーブ18とタレットスリーブ30との間で軸線方向に配置されている。マガジン10はワークピースの直上の位置、例えばワークピースの1mm上の位置まで下降される。
潤滑チャネル39は特に2つのマガジン部分10a及び10bを貫通している。潤滑チャネル39を介して、潤滑剤は複合工具5の可動部品、特に駆動装置品及びネジ切りカッタユニット11に供給される。これで有効な潤滑を行なうことができる。インサートスリーブ12のそれぞれの外壁内のチャネル溝39aを介して、ネジ切りカッタユニット11Aの潤滑チャネル39の部分は特定の時間に作動となり、特に作動ネジ切りカッタユニット11Aの可動部分を潤滑するために互いに接続することができる。非作動、換言すれバネジ切りカッタユニット11が図9及び図10のように上部に移動した位置において、それぞれのインサートスリーブ12の外壁は潤滑チャネル39のこれらの部分を貫通している。
中央ネジ40、41を介して、複合工具5はそのサブユニット、例えば一方では図5及び図6に示すヘッドエンド部品、他方では図7及び図8に示す工具エンド部品に迅速に分解することができる。特に、ワークピースヘッド9はネジ40を緩めることによって迅速に着脱可能である。
作動ネジ切りカッタインサート11Aをその使用場所についてワークピース上で位置決めするために、工具ヘッド9を含む複合工具5の全体をハウジング長手方向軸線19の周りに回転させる必要がある。図13に示す複合工具5の代替実施例において、作動ラム4は複数の回転対称性を有するように構成されており、その結果、作動ラム4はそのエッジ輪郭が収容溝37の非回転対称エッジ輪郭38と相補的であって、円周方向に見て6つの可能な工具位置の各々における収納溝37と確実に相互作用をする。これに対応して、6つのネジ切りカッタユニット11を備える複合工具5の実施例において、収容溝37のエッジ輪郭38は6つの対称性を有する。
非回転対称の作動ラム4及び相補的な収容溝37であって、したがって後者は非回転対称でもあり、エッジ輪郭38を有する別の代替実施例が図14に示されている。エッジ輪郭は正六角形の形状を有する。この実施例において、収容溝37のエッジ輪郭38は6つの回転対称性を有し、換言すれば、作動ラム4と収容溝37との間の確実な嵌合が作動ネジ切りユニット11Aにとって6つの可能な選択位置の何れかにおいて可能である。
図2〜図12にしたがう実施例の作動ラム4との相互作用のための工具ヘッド9の上側の別の代替デザインを図15〜図17に示す。図1〜図14を参照して既に説明したものに対応する部品及び機能は同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
作動ラム4に面したその上側には、図15〜図17に示す工具ヘッド9は図示の実施例では合計18個のボルトの形態の複数の確実な嵌合体41aを有し、これらのボルトは残りの工具ヘッド9に対して軸線方向、換言すればハウジング長手方向軸線19の方向に移動可能である。それぞれの偏倚バネ41bによって、ボルト41aは作動ラム4の方向に偏倚され、換言すれば作動ラム4の作動方向に抗している。
図5〜図17にしたがう工具ヘッド9は複合工具5の実施例のために再びデザインされ、6つのネジ切りカッタユニット11を備えている。これに対応して、ハウジング長手方向軸線19の周りで工具ヘッドの6つの回転位置が円周方向に可能であり、上記回転位置の各々は選択されたネジ切りユニットに対応している。上記6つの回転位置のそれぞれにおいて、図15の41aa、41ab及び41acで示される18個のバネボルト41aのうちの3つは、作動ラム4が作動位置にあるとき、作動ラム4と相互作用する(図16参照)。上記3つのバネボルトの内側の1つ、即ちバネボルト41aaは、偏倚バネ41bのバネ偏倚に抗して作動ラム4によって工具ヘッド9内に移動される(図16及び図17参照)。作動ラム4が上記バネボルト41aaの側方に配置された工具ヘッド9の上側に接触すると、直ちに作動ラム4内に配置された圧力センサ41cが作動される(図17参照)。換言すれば、工具ヘッド9の上側は複合工具5の圧力センサ接触面である。
作動位置において、作動ラム4は周方向に見て作動ラム4と相互作用する3つのバネボルトの他の2つの間、即ち半径方向外側のバネボルト41ab、41acの間に正確に配置される。
上記2つの外側バネボルト41ab、41acの横面壁を介して作動ラム4の側壁に当接する接触面の領域において、作動ラム4には2つの追加の圧力センサ41dが設けられている(図15参照)。よって、バネボルト41ab、41acのこれらの横面は複合工具5の圧力センサ接触面である。作動ラム4が図16にしたがう作動位置に配置されると、これら2つの圧力センサ41dも同様に作動する。3つの圧力センサ41c、41dはパンチング装置1の中央制御装置(図示せず)と信号通信する。
3つの圧力センサ41c、41dの全てが応答すると、「作動ラム 正確に位置決めされる」信号が制御装置に送出される。
18個のバネボルト41aの3つの異なるバネボルトは工具ヘッド9に対する作動ラム4の6つの相対的な回転位置の各々において作動する。これは別の相対的な回転位置について図15に破線で示されている。
さらに、圧力センサ41dは、ネジ切り中に複合工具5によって加えられるネジ切り力に関してパンチング装置1にフィードバックを提供することもできる。ネジ切りの間、工具ヘッド9は力を作動ラム4に周方向に加え、この力はネジ切り力の尺度である。上記ネジ切り力が所定の許容範囲外である場合、圧力センサ41dを介して、対応するエラーメッセージを制御装置に送出することができ、これにより例えばパンチング装置1の緊急停止にすることができる。作動ネジ切りカッタユニット11Aを交換する必要があることを示すメッセージを発することも考えられる。
以下、複合工具の別の実施例について図18及び図19を参照して説明する。この実施例は選択駆動装置及びネジ切り駆動装置の構成に関して図1〜図17にしたがう実施例とは異なる。
選択スリーブ23の外壁に形成される歯車リング42は図18及び図19にしたがう実施例の選択駆動装置の一部である。パンチング装置1の選択駆動装置のピニオン43(図19参照)は上記歯車リング42と噛合している。選択駆動装置は選択スリーブ23を回転させる。図19にしたがう選択位置において、選択案内装置24は選択リング25cにより形成された対抗案内装置と共に固定マガジン10に対して回転され、よって図2〜図12にしたがう実施例を参照して前述したように作動ネジ切りカッタ部11Aを選択できるようにする。
ネジ切り位置において、これは図18及び図19にしたがう実施例のためには示されていないが、前述した実施例の図10にしたがう位置にほぼ対応しており、タレットスリーブ30は図19に概略的に示されるネジ切り駆動装置44によって回転される。
ワークピースカウンタホルダ7を複合工具5と同期して回転させれば、これにより実行されるネジ切りプロセスにおいて、ワークピースはワークピースホルダ7のセンターピース45上に配置することができ、センターピース45はベアリング46上に取り付けられる(図19下部参照)。センターピース45はベアリング46によって残りのワークピースカウンタホルダ7に対してハウジング長手方向軸線19の周りに回転するように取り付けられる。ベアリング46はボールベアリングとして構成することができる。ワークピースカウンタホルダ7のこの代替実施例は上述した複合工具5のすべての実施例で使用することができる。
複数のネジ切りカッタを備える複合工具47と、組み合わされるワークピースカウンタホルダ7との別の実施例について図20〜図25を参照して以下に説明する。図1〜図19の実施例を参照して上述した部品及び機能は同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
図20はヘッドエンド部品の選択位置にある複合工具47を示しており、ここで作動ネジ切りカッタ11Aを工具選択装置49によって複合工具47のネジ切りカッタ11から選択することができる。図21は作動ネジ切りカッタが工具駆動装置によって駆動可能な駆動位置にある複合工具47を示しており、この工具駆動装置は複合工具47内で同時に工具選択装置49の選択駆動装置である。
図20にしたがう選択位置において、ヘッドエンド歯車リングハウジングスリーブ50は選択駆動装置の選択ピニオン(図示せず)と相互作用する。カップリング歯車51は歯車リングハウジングスリーブ50から半径方向内向きに延在している。図20にしたがう選択位置において、連結歯車51は選択案内装置24の連結レセプタクル52と非回転的に相互作用してハウジング長手方向軸線19の周りを回転する。
そして、選択案内装置24は選択リング25cに回転不可能に接続されている。ハウジング長手方向軸線19の周りで円周方向に見て相補的な円弧形状を有するこれら2つの部品の間に、ネジ切りカッタユニット11の選択ピン25aが配置される。
複合工具47において、ネジ切りカッタユニット11のための下部案内スリーブ53はネジ切りカッタマガジン10を収容する外側ハウジングスリーブ54に固定的に取り付けられている。上記ハウジングスリーブ54は静止している、換言すれば非駆動のネジ切りカッタマガジン10のレセプタクルである。
選択の間、言い換えれば、選択装置49を作動させるとき、歯車リングハウジングスリーブ50及び選択案内装置24は選択リング25cと共にハウジング長手方向軸線19の周りを回転する。ネジ切りカッタマガジン10は静止したままである。次いで、選択中に回転する選択カム25によって作動ネジ切りカッタ11Aが選択され、選択カム25の回転に応じて、ネジ切りカッタ11は軸線方向にのみ上昇され又は下降されるが、ハウジング長手方向軸線19の周りの周方向位置で静止したままである。所望のネジ切りカッタ11Aが選択されると、直ちに選択駆動装置が停止する。
図21は駆動位置にある複合工具47を示す。この位置において、カップリング歯車/カップリングレセプタクル接続部55を介して歯車リングハウジングスリーブ50と工具ヘッド9との間に非回転接続が生じるように、工具ヘッド9はタレットプレスのラムによって軸線方向に移動される。そして、ネジ40を介して、工具ヘッド9は駆動コア又は駆動シャフト56に回転不可能に接続される。駆動コア56は複合工具47の中心を通過する。工具ヘッド9から離れて対向する駆動コア56の下部コアセクション57は複合工具47のネジ切りカッタ駆動装置27の一部である外歯車リング部58を有し、その機能は上述した複合工具5の内歯歯車17の機能に対応する。そして、外歯車リング部58はネジ切りカッタユニット11の外歯歯車16と噛合する。言い換えると、歯車リングハウジングスリーブ50が回転すると、これによりネジ切りカッタ11、特に作動ネジ切りカッタ11Aが図21にしたがう駆動位置で駆動される。
駆動位置において、歯車リングハウジングスリーブ50の連結歯車51は選択案内装置24の連結レセプタクル52との係合が解かれる程度に移動される。その結果、歯車リングハウジングスリーブ50が駆動位置で回転されるとき選択案内装置24は回転しない。
これに加えて、複合工具47には、歯車リングハウジングスリーブ50と選択リング25cとの間に別のカップリング58aが設けられている。カップリング58aは図20にしたがう選択位置において係合が解かれ、図21にしたがう駆動位置において係合している。カップリング58aの連結リングはその非回転連結要素であって、係合位置において選択リング25cと摩擦接触し、したがって歯車リングハウジングスリーブ50が回転するとき駆動位置において選択案内装置24の望ましくない回転を防止する。
図23〜図25はワークピースカウンタホルダ48の詳細を示している。ワークピースカウンタホルダ7と同様に、上記ワークピースカウンタホルダ48には環状溝59が設けられ、ネジ切りカッタ11Aをワークピースを通過した後に通過させて、よってワークピースカウンタホルダ48と直接接触するのを防止する。
上記環状溝の支持面、言い換えれば複合工具47に対向するワークピースカウンタホルダ48の面には、円周面取り部60が設けられている。
図20〜図25にしたがう複合工具47の代わりに使用できる複合工具47の別の実施例について、以下、図26〜図29を参照して説明する。
図26〜図29にしたがう複合工具47は、歯車リングハウジングスリーブ50の代わりに使用される伝動ハウジングスリーブ61に関してのみ図20〜図25にしたがう複合工具とは異なる。歯車リングの代わりに、上記伝動ハウジングスリーブ61には選択駆動装置又はネジ切り駆動装置の対応する駆動歯車によって係合されるヘッド上に歯車溝62が設けられている。
上述した複合工具を使用してネジを製造するシート金属幾何学構造について図30〜図32を参照して以下に説明する。
図30はネジ穴64を取り囲む領域を示すワークピース63の断面を示す。ネジ形成中、上記ネジ穴64は作動ネジ切りカッタ11Aの形成部分によって係合される。
図31は押出し孔65の形態のネジ孔の変形例を示し、そのカラーはワークピースカウンタホルダ48に面している。
ネジ穴66にネジを形成した後、ワークピースカウンタホルダ48の面取り部60によってワークピース63をワークピースカウンタホルダ48に対して横方向に移動させることができ、押出し穴66のカラーはカウンタホルダ48に面して斜面上のようにそれぞれの面取り部60上で滑動する。
上述したネジ切りカッタユニットの代わりに、図9、図20及び図26にしたがう複合工具5、47の実施例において使用されるネジ切りカッタユニット11の別の実施例について図33〜図35を参照して以下に説明する。図1〜図32を参照して既に説明したものに対応する部品及び機能は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図33にしたがうネジ切りカッタユニット11において、ネジをワークピースに形成するために使用されるピン状ネジ切りカッタ20は、上述したネジ切りカッタユニット11の実施例のネジ切りカッタ20がそれに接続されている形態とは異なる形態において、ネジ切りカッタリードスピンドルスリーブ15に接続されている。上述のこれらの実施例において、ネジ切りカッタ20はロックリングによってネジ切りカッタリードスピンドルネジ15内に固定されている。
図33〜図35にしたがう実施例において、ネジ切りカッタ20は永久磁石67によってネジ切りカッタリードスピンドルネジ15内に軸線方向に固定されている。ネジ切りカッタ20のネジ切りカッタヘッド68は上記ネジ切りカッタヘッド68に面している永久磁石67の端面69の前端に対して当接している。ネジ切りカッタ20はネジ切りカッタヘッド68の領域内でテーパー付けされ、換言すれば、他のリードスピンドルスリーブ15と同様に永久磁石端面69との接触領域において同じでないが減少した断面を有する。
図33に示す位置において、永久磁石端面69は円筒形PUエラストマーブロックの形態の偏倚バネ21によって偏倚されている。この位置において、永久磁石端面69はリードスピンドルスリーブ15の周方向段部69aに対して偏倚バネ21の偏倚に抗して支持されている。
リードスピンドルスリーブ15のヘッドエンドに螺合されるクランプネジ70によって、偏倚バネ21は永久磁石67に対して偏倚される。それで偏倚バネ21はクランプネジ70の前端と上記前端に対向する前記永久磁石64の他端面との間に配置される。
クランプネジ70のネジヘッドはスリーブヘッド14を貫通して延在するチャネル71を介して上方からアクセス可能である。
ピン形状ネジ切りカッタ20はリードスピンドルスリーブ15、したがってインサートスリーブ12全体に回転不可能に接続されている。
図33〜図35にしたがうネジ切りカッタユニット11がワークピースにネジを形成するように選択された場合、偏倚バネ21は軸線方向にバネ力を提供し、これにより均一なネジ形成プロセスが確保される。
不均一なワークピースを機械加工する場合、ネジ形成中に軸線方向力が発生することがあり、この軸線方向力は図33にしたがう下方向にネジ切りカッタに作用する。この軸線方向力が永久磁石67の磁力を介して規定される閾値力を超える場合、ネジ切りカッタ20は端面69から離脱し、しかがって此のタイプの過大な力によってもたらされる作動ネジ切りカッタユニット11Aの破損を防止することができる。ネジ切りカッタ20が永久磁石から離脱した後にワークピースから離反されるか又は再び閾値力が閾値を低下すると、直ちに永久磁石67はネジ切りカッタヘッド68を再び吸引し、したがってネジ切りカッタヘッド68が再び永久磁石端面69に軸線方向に固定されることを確実にする。