JP2017521422A - 新規な乳酸回収方法 - Google Patents

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Abstract

蒸留器残留物から乳酸および乳酸エチルを回収するための新規な二工程蒸留方法が記載される。従来の蒸留プロセスと比較して、本方法は、反応と第2の蒸留とを伴い、第1の、従来の蒸留工程の後の蒸留器残留物中に残存する乳酸モノマーおよび他の乳酸種の全種を同時にエステル化およびエステル交換することにより、乳酸エチルに転換する。

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2014年7月10日に出願された米国仮特許出願第62/022,784号の優先権を主張するものであり、その内容は参照することにより組み込まれる。
[0002] 本発明は、微生物を用いて乳酸を生成することによって得られる発酵培養液を処理して得られる他の乳酸種からの乳酸および乳酸エチルの精製に関する。特に、本発明は、過去には廃棄物と考えられていた、他の乳酸種を含有する蒸留器残留物から乳酸および乳酸エチルを回収するための新規な二工程蒸留方法を記載する。
[0003] 乳酸(2-ヒドロキシプロピオン酸)は、生物により、合成的にまたは天然に生成可能な有機酸である。商業的には、とりわけ、炭素源として使用される炭水化物が豊富に存在する場合、微生物を用いた発酵による天然生成が好適な方法である。この数十年の間に乳酸は、食品、医薬品および化粧品産業における用途のために、価値の高い商品となった。最近では、例えば、生分解性の再生可能な原料をベースとするポリマーの製造に使用されるなど、乳酸の使用が工業用途にも広がっている。そして、乳酸を使用する用途が拡大するにつれ、その需要およびその製造のあらゆる工程を最適化する必要性も拡大している。そうした最適化に関して何年にもわたって精力的な研究が実施されてきており、それは、遺伝子工学的技法を用いた製造用生物の最適化から発酵生成物の精製に用いられる物理的なプロセスの最適化にまで至る。
[0004] 乳酸の発酵は多岐にわたり、多種多様な生物を用いて様々な方法で行うことが可能である。当技術分野で公知のそのような生物のいくつかの例としては、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ペジオコックス属(Pediococcus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、およびリゾプス属(Rhizopus)の様々な種が挙げられるが、それに限らない。一旦発酵プロセスが完了すると、最終的な培養液は一連の精製工程に付され、それは細胞塊のろ過、水の蒸発、酸沈殿、炭素ろ過、蒸発、蒸留、およびイオン交換処理を含む場合または含まない場合がある。こうした乳酸の精製プロセスおよび工程の例は、米国特許第2,350,370号、米国特許第6,489,508号、米国特許第5,681,728号、米国特許第7,244,596号に見出すことができる。
[0005] 発酵培養液から乳酸を精製する一般的な方法には、2種類ある。本開示の目的のため、一方を分子蒸留とよび、他方を反応蒸留と称する。分子蒸留においては、発酵培養液は水濃度が低くなるまで蒸発され、ワイプ薄膜蒸発器と短経路蒸留塔とによって更に蒸留される。乳酸の大部分は短経路蒸留の塔頂留出物において蒸留される。他の乳酸種は、残留物を経由して蒸留塔を出る。残留物は、単量体の乳酸、乳酸オリゴマー、乳酸エチル、水、グリセロール、コハク酸、フマル酸、マイル酸(mail acid)およびこれらのエステル、ならびにイオン種や高沸点化合物を含む、他の少量の不純物も含有している。残留物中の乳酸種はいずれも(どんな化学的形態であれ)、製造プロセスにおける収率損失の一因となっている。「他の乳酸種」という用語は、本明細書においては、乳酸、ラクテート、ラクチド、乳酸エチル、グリセロールのエステル、乳酸無機塩、および酸またはエチルエステルの形態の乳酸オリゴマーの任意の組合せを意味する。
[0006] 乳酸を分離するためのもう一つの一般的精製方法は、反応蒸留によるものであり、乳酸は蒸留と同時に酸触媒を用いてアルコールでエステル化される。ここでも、エステル化された乳酸は塔頂留出物と共に沸騰し、高沸点不純物は残留物を経由して蒸留塔を出る。この目的に使用される主なアルコールは、メタノールとエタノールである。乳酸とアルコールとの反応のための触媒として硫酸が蒸留装置に添加される。乳酸エステル、例えば乳酸エチルは、単純な酸加水分解または塩基加水分解によって容易に遊離乳酸とアルコールとに戻すことが可能である。乳酸の大部分は乳酸エチルに転換される。しかし乳酸のいくらかはグリセロールでエステル化され、別の一部は酸の形態またはアルコールでエステル化された形態となり得る乳酸のオリゴマーを形成する。これらの物質は本明細書において先に記載したように、最終的には残留物に含まれ、蒸留プロセスの廃棄の流れに入る。
[0007] 本発明は、精製プロセスに付随して生成される他の乳酸種から乳酸および乳酸エチルを回収するための蒸留プロセスを改善し、乳酸またはその有用なエステルの全収率を増加させることに焦点を当てている。
[0008] 本明細書に記載するのは、乳酸発酵プロセスから乳酸エチルを回収する方法であって、発酵培養液を含有する粗乳酸の第1の蒸留を実施し、乳酸を含有する第1の精製画分を得ると共に他の乳酸種を含有する蒸留器残留物画分を残すこと;硫酸およびエタノールを蒸留器残留物画分に添加し、蒸留器残留物中の他の乳酸種を乳酸エチルへとエステル交換して、反応した蒸留器残留物画分を形成すること;ならびに、反応した蒸留器残留物画分を蒸留する第2の蒸留を実施して、乳酸エチルを含有する第2の精製画分を得ることを含む方法である。一部の実施形態において、発酵プロセスは、乳酸を生成するのにシゾサッカロミセス属種の微生物を使用することができる。特定の実施形態において、微生物はシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)とすることができる。他の乳酸種は、本明細書において定義するように、乳酸、ラクテート、ラクチド、乳酸エチル、グリセロールのエステル、乳酸無機塩、および酸またはエチルエステルの形態の乳酸オリゴマーからなる群から選択される。本方法は、前記第1の蒸留器残留物中の他の乳酸種を乳酸エチルとして最大で95%回収することができる。最大で2容量の水を第1の蒸留プロセスの蒸留器残留物に添加することができるが、水の添加は必須ではなく、回収量を低下させる場合もある。典型的には、添加されるエタノールが無水ではない場合、水は存在することになる。一部の例示的な実施形態においては水を7.4%含有するエタノールを使用し、第1の蒸留器残留物中の他の乳酸種からの乳酸エチルの収率は最大で95%であった。これは、無水エタノールを使用した場合に匹敵する。例示的な実施形態においては、蒸留器残留物1容量当たり0.5容量の水および2容量のエタノールを添加し、蒸留器残留物からの乳酸エチルの収率は31%であった。反応は、0.01〜4容量のエタノールおよび0.001〜0.06容量の硫酸を第1の蒸留からの蒸留器残留物1部に添加して実施することができる。より典型的な実施形態においては、0.05〜2容量のエタノールおよび0.005〜0.04容量の硫酸が第1の蒸留からの蒸留器残留物1部に添加される。第2の蒸留時のエステル交換は、60℃〜120℃で実施することができる。例示される実施形態においては、反応を90℃で実施した。反応時間は容量によって異なり、例示される実施形態においては、蒸留器残留物、エタノール、水および硫酸を含む全蒸留容量約10ml〜約2Lに対し、反応蒸留を短くて15分〜長くて24時間実施した。
[0009] 本明細書に更に記載するのは、乳酸発酵プロセスから乳酸エチルを回収する方法であって、発酵培養液を含有する粗乳酸の第1の蒸留をエタノールおよび硫酸の存在下で実施し、乳酸エチルを含有する第1の精製画分を得ると共に他の乳酸種を含有する蒸留器残留物画分を残すこと;エタノールを蒸留器残留物画分に添加し、蒸留器残留物中の他の乳酸種を乳酸エチルへとエステル交換して、反応した蒸留器残留物画分を形成すること;および、反応した蒸留器残留物画分を蒸留する第2の蒸留を実施して乳酸エチルの第2の精製画分を得ることを含む方法である。本方法の一部の実施形態において、発酵プロセスは、乳酸を生成するのにリゾプス属種およびシゾサッカロミセス属種からなる群から選択される微生物を使用することができる。一部特定の実施形態において、微生物は、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)またはシゾサッカロミセス・ポンベとすることができる。追加の硫酸を第2の蒸留の前に第1の蒸留の残留物に添加することができるが、必須ではない。ここでも、他の乳酸種は、乳酸、ラクテート、ラクチド、乳酸エチル、グリセロールのエステル、乳酸無機塩、および酸またはエチルエステルの形態の乳酸オリゴマーからなる群から選択される。温度、時間、および反応物質の相対容量は、上記と同じにすることができる。
[0010] 上記発明のいずれかの最も広い実施形態において、蒸留器残留物中の他の乳酸種の少なくとも30%が乳酸エチルとして回収される。より望ましい実施形態においては、蒸留器残留物中の他の乳酸種の少なくとも50%が乳酸エチルとして回収される。更により望ましい実施形態においては、蒸留器残留物中の他の乳酸種の少なくとも75%が乳酸エチルとして回収される。最も望ましい実施形態においては、蒸留器残留物中の他の乳酸種の85%〜95%が乳酸エチルとして回収される。一部の例示的な実施形態においては、蒸留器残留物中の他の乳酸種の92〜95%が乳酸エチルとして回収される。
[0011]実施例1に記載する反応の進行を示すグラフである。 [0012]実施例4に記載する反応の進行を示すグラフである。 [0013]反応蒸留の流れ図である。 [0014]分子蒸留の流れ図である。
[0015] 本明細書に記載する乳酸蒸留方法の最も有利な貢献は、従来の乳酸発酵培養液の蒸留後に残存する蒸留器残留物からより多くの乳酸(または乳酸エチル)が回収できることである。この新しい方法は、反応と第2の蒸留とを伴い、第1の蒸留工程後の残留物中に残存する乳酸モノマーおよび他の乳酸種の全種をエタノールで同時にエステル化およびエステル交換することにより、乳酸エチルに転換する。この反応工程に添加されるエタノールは、プロセスエタノールでも無水エタノールでもよい。ここでは、プロセスエタノールは、精製されていないエタノールであると定義される。プロセスエタノールは、例えば水、グリセロール、ジエチルエーテル、乳酸、ギ酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、およびこれらの有機酸のエチルエステルであるが、これに限らない他の成分を含み得るエタノールである。無水エタノールは、ここでは200プルーフエタノールまたは99.5%以上の精製されたエタノールであると定義される。無水エタノールを使用すると、エステル交換の転換率の向上に繋がる。硫酸は、乳酸モノマーおよび他の乳酸種のエステル化およびエステル交換反応を触媒することに使用できる。第1の蒸留が、硫酸が関与する反応蒸留である場合、硫酸は残留物を経由して反応が行われた蒸留塔を出るが、その場合、追加の触媒を第2の蒸留に添加する必要はない。これは、図3に見られるように、反応蒸留の初期工程において硫酸が添加され、残った硫酸が必然的に残留物中に残存するためである。しかし、追加の触媒を第2の蒸留において補充すると、第2の蒸留の反応速度を上昇させる場合がある。
[0016] エステル化およびエステル交換反応は、バッチ、連続撹拌槽型反応器(CSTR)、および管型反応器を含む様々な反応器設計において実行することができる。管型反応器は、層状状態、遷移状態、または乱流状態において運転できる。
[0017] 図4に見られるような分子蒸留の場合、分子蒸留プロセスの初期工程では硫酸が添加されないため、第2の蒸留時に硫酸を添加し、乳酸モノマーおよび他の乳酸種のエステル化およびエステル交換の触媒として作用させる必要がある。反応した残留物を蒸留して乳酸エチルおよび未反応エタノールを回収することができる。本発明を使用すると、蒸留塔の残留物として失われていた乳酸および他の乳酸種の回収が可能となる。
[0018] 本発明を以下の非制限的実施例により更に実証する。各実施例において、乳酸発酵培養液を得てエタノールを用いた反応蒸留、または分子蒸留に付し、第1の蒸留残留物を得た。
[0019] 実施例1:反応蒸留からの蒸留残留物1部と無水エタノール1部との混合物をバッチ反応器で混合した。反応器を90℃、24時間加熱した。反応器からの試料を定期的に採取し、乳酸モノマー、他の乳酸種、乳酸エチル、グリセロール、およびエタノールについて分析した。残留物1部とエタノール1部との混合物の反応前および反応後のmol/Lで表した組成は、表1に見ることができる。乳酸エチルとグリセロールの濃度は上昇するが、他の乳酸種の濃度は低下する。グリセロール濃度の上昇は、グリセロール乳酸エステルのエステル交換のためである。モル分率0.92に相当する他の乳酸種のみからの乳酸エチルへの転換量が得られた。モル分率0.86に相当する乳酸エチルへの総乳酸転換量が得られた。総乳酸転換量は、本記載の目的のため、乳酸モノマーおよび他の乳酸種(混合物)からの乳酸エチルへの転換量と定義される。この反応の進行を図1に見ることができる。
Figure 2017521422
[0020] 実施例2:反応蒸留からの蒸留残留物1部と水を7.4重量%含むエタノール1部との混合物をバッチ反応器で混合した。反応器を120℃、24時間加熱した。反応器からの試料を定期的に採取し、乳酸モノマー、他の乳酸種、乳酸エチル、グリセロール、およびエタノールについて分析した。残留物1部とエタノール/水1部との混合物の反応前および反応後のmol/Lで表した組成は、表2に見ることができる。モル分率0.95に相当する他の乳酸種からの乳酸エチルへの転換量が得られ、モル分率0.75に相当する乳酸エチルへの総乳酸転換量(乳酸モノマーを含む)が得られた。
Figure 2017521422
[0021] 実施例3:反応蒸留からの蒸留残留物1部の混合物と、水を7.4重量%含むエタノール1部とを混合し、連続撹拌槽型反応器に供給した。反応器を90℃に加熱し、滞留時間1時間で運転した。反応器からの試料を定期的に採取し、乳酸モノマー、他の乳酸種、乳酸エチル、グリセロール、およびエタノールについて分析した。残留物1部とエタノール/水1部との混合物の反応前および反応後のmol/Lで表した組成は、表3に見ることができる。モル分率0.62に相当する他の乳酸種からの乳酸エチルへの転換量が得られ、モル分率0.54に相当する乳酸エチルへの総乳酸転換量(乳酸モノマーを含む)が得られた。
Figure 2017521422
[0022] 実施例4:エステル化残留物1部の混合物と、エタノール1部とをブレンドし、90℃の管型反応器に供給して60分の滞留時間を与えた。モル分率0.64に相当する他の乳酸種からの乳酸エチルへの転換量が得られ、モル分率0.67に相当する乳酸エチルへの総乳酸転換量(乳酸モノマーを含む)が得られた。残留物1部とエタノール1部の反応前および反応後のmol/Lで表した組成は、表4に見ることができる。
Figure 2017521422
[0023] 実施例5:分子蒸留からのワイプ薄膜蒸発器残留物1部の混合物と、無水エタノール1部と、硫酸0.04部とを混合し、バッチ反応器に供給した。反応器を90℃、1245分加熱した。反応器からの試料を定期的に採取し、乳酸モノマー、他の乳酸種、乳酸エチル、グリセロール、およびエタノールについて分析した。残留物/エタノール/硫酸混合物の反応前および反応後のmol/Lで表した組成は、表5に見ることができる。乳酸エチルとグリセロールの濃度は上昇するが、他の乳酸種の濃度は低下する。グリセロール濃度の上昇は、グリセロール乳酸エステルのエステル交換のためである。モル分率0.86に相当する他の乳酸種からの乳酸エチルへの転換量が得られ、モル分率0.80に相当する乳酸エチルへの総乳酸転換量(乳酸モノマーを含む)が得られた。この反応の進行を図2に見ることができる。
Figure 2017521422
[0024] 実施例6:分子蒸留からの短経路蒸留残留物1部の混合物と、水0.5部と、無水エタノール2部と、硫酸0.06部とを混合し、バッチ反応器に供給した。反応器を90℃、1245分加熱した。残留物/水/エタノール/硫酸混合物の反応前および反応後のmol/Lで表した組成は、表6に見ることができる。モル分率0.31に相当する他の乳酸種からの乳酸エチルへの転換量が得られ、モル分率0.34に相当する乳酸エチルへの総乳酸転換量(乳酸モノマーを含む)が得られた。
Figure 2017521422

Claims (25)

  1. 乳酸発酵プロセスから乳酸エチルを回収する方法であって、
    a.発酵培養液を含有する粗乳酸の第1の蒸留を実施し、乳酸を含有する第1の精製画分を得ると共に他の乳酸種を含有する蒸留器残留物画分を残すこと;
    b.硫酸およびエタノールを前記蒸留器残留物画分に添加し、蒸留器残留物中の他の乳酸種を乳酸エチルへとエステル交換して、反応した蒸留器残留物画分を形成すること;ならびに
    c.反応した蒸留器残留物画分を蒸留する第2の蒸留を実施して、乳酸エチルを含有する第2の精製画分を得ること
    を含む、方法。
  2. 前記発酵プロセスが、シゾサッカロミセス属種の微生物を使用し、乳酸を生成する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記微生物がシゾサッカロミセス・ポンベである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記他の乳酸種が、乳酸、ラクテート、ラクチド、乳酸エチル、グリセロールのエステル、乳酸無機塩、および酸またはエチルエステルの形態の乳酸オリゴマーからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1の蒸留器残留物中の他の乳酸種の85%〜95%が乳酸エチルとして回収される、請求項1に記載の方法。
  6. 水が第1の蒸留プロセスの蒸留器残留物に添加される、請求項1に記載の方法。
  7. エタノールがプロセスエタノール、無水エタノール、およびプロセスエタノールと無水エタノールとの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 0.01〜4容量のエタノールおよび0.001〜0.06容量の硫酸が第1の蒸留からの蒸留器残留物1部に添加される、請求項1に記載の方法。
  9. 0.05〜2容量のエタノールおよび0.005〜0.04容量の硫酸が第1の蒸留からの蒸留器残留物1部に添加される、請求項1に記載の方法。
  10. 0.01〜4容量のエタノールおよび0.001〜0.06容量の硫酸および最大で2容量の水が第1の蒸留からの蒸留器残留物1部に添加される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記エステル交換が60℃〜120℃で実施される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記エステル交換が90℃で実施される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記エステル交換がバッチ反応器、連続撹拌槽型反応器(CSTR)、および管型反応器からなる群から選択される反応器において実行される、請求項1に記載の方法。
  14. 乳酸発酵プロセスから乳酸エチルを回収する方法であって、
    a.発酵培養液を含有する粗乳酸の第1の蒸留をエタノールおよび硫酸の存在下で実施し、乳酸エチルを含有する第1の精製画分を得ると共に他の乳酸種を含有する蒸留器残留物画分を残すこと;
    b.エタノールを前記蒸留器残留物画分に添加し、蒸留器残留物中の他の乳酸種を乳酸エチルへとエステル交換して、反応した蒸留器残留物画分を形成すること;ならびに
    c.反応した蒸留器残留物画分を蒸留する第2の蒸留を実施して、乳酸エチルの第2の精製画分を得ること
    を含む、方法。
  15. 更なる硫酸が、前記第2の蒸留の前に工程bに添加される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記発酵プロセスが、乳酸を生成するのにリゾプス属種およびシゾサッカロミセス属種からなる群から選択される微生物を使用する、請求項14に記載の方法。
  17. 前記微生物がリゾプス・オリゼである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記微生物がシゾサッカロミセス・ポンベである、請求項16に記載の方法。
  19. 前記他の乳酸種が、乳酸、ラクテート、ラクチド、乳酸エチル、グリセロールのエステル、乳酸無機塩、および酸またはエチルエステルの形態の乳酸オリゴマーからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  20. 前記第1の蒸留器残留物中の他の乳酸種の85%〜95%が乳酸エチルとして回収される、請求項114に記載の方法。
  21. 前記エステル交換が60℃〜120℃で実施される、請求項14に記載の方法。
  22. 前記エステル交換が90℃で実施される、請求項14に記載の方法。
  23. エタノールがプロセスエタノール、無水エタノール、およびプロセスエタノールと無水エタノールとの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  24. 0.01〜4容量のエタノールおよび0.001〜0.06容量の硫酸が第1の蒸留プロセスの蒸留器残留物1部に添加される、請求項14に記載の方法。
  25. 前記エステル交換がバッチ反応器、連続撹拌槽型反応器(CSTR)、および管型反応器からなる群から選択される反応器において実行される、請求項14に記載の方法。
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