JP2017520562A - コロニー刺激因子1受容体(csf1r)に結合する抗体で疾患を治療する方法 - Google Patents

コロニー刺激因子1受容体(csf1r)に結合する抗体で疾患を治療する方法 Download PDF

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Abstract

コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合する抗体で疾患を治療する方法が提供される。そのような方法は、関節リウマチを治療する方法を含むが、これに限定されない。【選択図】なし

Description

本出願は、2014年6月23日出願の米国仮出願第62/015710号の利益を主張するものであり、該出願は、あらゆる目的で参照によりその全体が本明細書に援用される。
技術分野
コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合する抗体で疾患を治療する方法が提供される。そのような方法は、関節リウマチを治療する方法が含むが、これに限定されない。
コロニー刺激因子1受容体(本明細書においてCSF1Rと称され、当該技術分野においてはFMS、FIM2称される)は、N末端細胞外ドメイン(ECD)とチロシンキナーゼ活性を有するC末端細胞内ドメインとを有する1回膜貫通型受容体である。CSF1又はインターロイキン34リガンド(本明細書においてIL34とする;Lin et al.,Science 320:807?11(2008))のCSF1Rへのリガンド結合は、受容体二量体化、CSF1Rタンパク質チロシンキナーゼ活性の上昇、CSF1Rチロシン残基のリン酸化、及び下流シグナル伝達事象をもたらす。CSF1及びIL34の両者は、単球の生存、増殖、及びマクロファージへの分化、並びに破骨細胞、樹状細胞、及びミクログリアなどの他の単球細胞系列を刺激する。
多くの腫瘍細胞が、CSF1Rを介して単球/マクロファージ細胞を活性化するCSF1を分泌することが見出されている。腫瘍におけるCSF1のレベルは、腫瘍における腫瘍関連マクロファージ(TAM)のレベルと相関することが示されている。高レベルのTAMは、患者の予後不良と相関することが見出されている。さらに、CSF1は、例えばマウスにおけるヒト乳がん異種移植片において、腫瘍の成長及び転移への進行を促進することがわかっている。例として、Paulus et al., Cancer Res. 66: 4349-56 (2006)を参照されたい。さらに、CSF1Rは骨転移における溶骨性骨破壊に関与している。例として、Ohno et al., Mol. Cancer Ther. 5: 2634-43 (2006)を参照されたい。
CSF1及びその受容体は、種々の炎症性疾患及び自己免疫疾患に関与していることもわかっている。例として、Hamilton, Nat. Rev. 8: 533-44 (2008)を参照されたい。例えば、関節リウマチ罹患関節の滑膜内皮細胞は、CSF1を産生することがわかっており、関節リウマチにおけるCSF1とその受容体の役割を示唆している。抗体によるCSF1R活性のブロックは、関節炎のマウスモデルにおいて、骨及び軟骨の破壊の減少及びマクロファージ数の減少などの好ましい臨床効果をもたらす。例として、Kitaura et al., J. Clin. Invest. 115: 3418-3427 (2005)を参照されたい。
成熟した分化骨髄系細胞、例えばマクロファージ、ミクログリア細胞、及び破骨細胞は、種々の疾患、例えば関節リウマチ、多発性硬化症、及び骨量減少疾患の病理の一因となっている。分化骨髄系細胞は、末梢血単球中間体から誘導される。CSF1R刺激は、骨髄前駆体からの単球の発生、単球の増殖及び生存、ならびに末梢血単球の分化骨髄系細胞、例えばマクロファージ、ミクログリア細胞、及び破骨細胞への分化に寄与する。CSF1R刺激は、このように分化骨髄系細胞の増殖、生存、活性化、及び成熟に寄与し、また病的な状態においては、CSF1R刺激は、分化骨髄系細胞が疾病病理を媒介する能力に寄与している。
いくつかの実施態様では、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を結合する抗体の有効量を関節リウマチを有するヒト被験者に投与することを含む関節リウマチを治療する方法が提供され、この場合抗体はコロニー刺激因子1(CSF1)のCSF1Rへの結合をブロックし、かつIL−34のCSF1Rへの結合をブロックし、有効量は被験者におけるCD16+単球の数を2回投与後少なくとも4週間で少なくとも50%減少させるのに十分である。いくつかの実施態様では、有効量は0.2mg/kgから10mg/kg,の間、又は1から10mg/kgの間、又は1から5mg/kgの間である。いくつかの実施態様では、抗体は、2週間又はそれ以上の期間に1回の投与頻度で投与される。
いくつかの実施態様では、関節リウマチを治療する方法が提供される。いくつかの実施態様では、本方法は、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合する抗体を関節リウマチを有する被験者に投与することを含み、この場合抗体はコロニー刺激因子1(CSF1)のCSF1Rへの結合をブロックし、かつIL−34のCSF1Rへの結合をブロックし、また抗体は0.2mg/kgから10mg/kgの間の用量で、2週間又はそれ以上の期間に1回の投与頻度で投与される。いくつかの実施態様では、投与頻度は2週間に1回未満、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、1ヶ月に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回又は年に4回である。いくつかの実施態様では、用量は、1mg/kgから10mg/kgの間である。いくつかの実施態様では、用量は、3mg/kgから10mg/kgの間である。いくつかの実施態様では、本方法は、1用量の抗体を投与することを含む。いくつかの実施態様では、本方法は、2用量の抗体を投与することを含む。いくつかの実施態様では、これらの用量は、少なくとも1週間間隔で、又は少なくとも2週間間隔で投与される。
いくつかの実施態様では、少なくとも1用量の抗体の投与後、CD16+単球の数は、被験者において少なくとも50%減少する。いくつかの実施態様では、CD16−単球の数は減少しないか又は20%未満減少する。いくつかの実施態様では、CD16+単球の数は、被験者において少なくとも75%減少する。いくつかの実施態様では、CD16+単球の数は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間又は少なくとも8週間で少なくとも50%減少する。いくつかの実施態様では、CD16+単球は、CD16+末梢血単球である。
いくつかの実施態様では、骨吸収の少なくとも一つのマーカーのレベルは、少なくとも1用量の抗体の投与後に減少する。いくつかの実施態様では、骨吸収の少なくとも一つのマーカーのレベルは、少なくとも20%減少する。いくつかの実施態様では、骨吸収の少なくとも一つのマーカーのレベルは、少なくとも50%減少する。いくつかの実施態様では、骨吸収の少なくとも一つのマーカーは、CTx及びTRAP5b.から選択される。いくつかの実施態様では、骨吸収の少なくとも一つのマーカーは、CTxである。
いくつかの実施態様では、抗体は、用量投与後少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも6週間又は少なくとも2ヶ月間、被験者からの血清中に検出可能である。いくつかの実施態様では、抗体は、用量投与後少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも6週間又は少なくとも2ヶ月間、被験者からの血清中に検出可能である。いくつかの実施態様では、用量は、3mg/kgから10mg/kgの間である。いくつかの実施態様では、被験者における抗体の半減期は、2日を超える。いくつかの実施態様では、抗体の半減期はは、4日を超える。いくつかの実施態様では、抗体の半減期はは、15日を超える。いくつかのそのような実施態様では、用量は、3mg/kgから10mg/kgの間である。
本明細書に記載される方法の実施形態のいずれかにおいて、抗体重鎖及び/又は抗体軽鎖は、以下の構造を有し得る。
いくつかの実施態様では、重鎖は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む。いくつかの実施態様では、軽鎖は、配列番号10、12、14、及び46から52より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む。いくつかの実施態様では、重鎖は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含み、また軽鎖は、配列番号10、12、14、及び46から52より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む。
いくつかの実施態様では、HC CDR、HC CDR2、及びHC CDR3は、(a)配列番号15、16、及び17;(b)配列番号21、22、及び23;並びに(c)配列番号27、28、及び29より選択される配列のセットを含む。いくつかの実施態様では、LC CDR、LC CDR2、及びLC CDR3は、(a)配列番号18、19、及び20;(b)配列番号24、25、及び26;並びに(c)配列番号30、31、及び32より選択される配列のセットを含む。
いくつかの実施態様では、重鎖は、HC CDR1、HC CDR2、及びHC CDR3を含み、ここでHC CDR1、HC CDR2、及びHC CDR3は、(a)配列番号15、16、及び17;(b)配列番号21、22、及び23;並びに(c)配列番号27、28、及び29より選択される配列のセットを含み;また軽鎖は、LC CDR1、LC CDR2、及びLC CDR3を含み、ここでLC CDR1、LC CDR2、及びLC CDR3は、(a)配列番号18、19、及び20;(b)配列番号24、25、及び26;並びに(c)配列番号30、31及び329より選択される配列のセットを含む。
いくつかの実施態様では、抗体は重鎖及び軽鎖含み、この場合抗体は、(a)配列番号9と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号10と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(b)配列番号11と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号12と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(c)配列番号13と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号14と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(d)配列番号39と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(e)配列番号40と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(f)配列番号41と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(g)配列番号39と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(h)配列番号40と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(i)配列番号41と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;及び(j)配列番号42と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(k)配列番号42と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(l)配列番号42と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(m)配列番号43と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(n)配列番号43と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(o)配列番号43と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(p)配列番号44と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(q)配列番号44と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;(r)配列番号45と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖;あるいは(s)配列番号45と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、又は100%同一である配列を含む軽鎖を含む。
いくつかの実施態様では、抗体は重鎖及び軽鎖含み、この場合抗体は、(a)配列番号15の配列を有する重鎖(HC)CDR1、配列番号16の配列を有するHC CDR2、及び配列番号17の配列を有するHC CDR3を含む重鎖、並びに配列番号18の配列を有する軽鎖(LC)CDR1、配列番号19の配列を有するLC CDR2、及び配列番号20の配列を有するLC CDR3を含む軽鎖;(b)配列番号21の配列を有する重鎖(HC)CDR1、配列番号22の配列を有するHC CDR2、及び配列番号23の配列を有するHC CDR3を含む重鎖、並びに配列番号24の配列を有する軽鎖(LC)CDR1、配列番号25配列番号19の配列を有するLC CDR2、及び配列番号26の配列を有するLC CDR3を含む軽鎖;又は(c)配列番号27の配列を有する重鎖(HC)CDR1、配列番号28の配列を有するHC CDR2、及び配列番号29の配列を有するHC CDR3を含む重鎖、並びに配列番号30の配列を有する軽鎖(LC)CDR1、配列番号31の配列を有するLC CDR2、及び配列番号32の配列を有するLC CDR3を含む軽鎖を含む。
いくつかの実施態様では、抗体は、重鎖及び軽鎖を含み、この場合抗体は、(a)配列番号53の配列を含む重鎖及び配列番号60の配列を含む軽鎖;(b)配列番号53の配列を含む重鎖及び配列番号61の配列を含む軽鎖;又は(c)配列番号58の配列を含む重鎖及び配列番号65の配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗体は、重鎖及び軽鎖を含み、この場合抗体は、(a)配列番号53の配列からなる重鎖及び配列番号60の配列からなる軽鎖;(b)配列番号53の配列からなる重鎖及び配列番号61の配列からなる軽鎖;又は(c)配列番号58の配列からなる重鎖及び配列番号65の配列からなる軽鎖を含む。
いくつかの実施態様において、抗体はヒト化抗体である。いくつかの実施態様において、抗体は、Fab、Fv、scFv、Fab’、及び(Fab’)より選択される。いくつかの実施態様において、抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施態様において、抗体は、IgA、IgG、及びIgDより選択される。いくつかの実施態様において、抗体は、IgGである。いくつかの実施態様において、抗体は、IgG4である。いくつかの実施態様において、抗体は、少なくとも一つのIgG4重鎖定常領域にS241P変異を含むIgG4である。
いくつかの実施態様において、抗体は、ヒトCSF1Rに結合し、かつ/又はカニクイザルCSF1Rに結合する。いくつかの実施態様において、抗体は、CSF1Rに結合するリガンドをブロックする。いくつかの実施態様において、抗体は、CSF1及び/又はIL−34のCSF1Rへの結合をブロックする。いくつかの実施態様において、抗体は、CSF1及びIL−34双方のCSF1Rへの結合をブロックする。いくつかの実施態様において、抗体は、リガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化を阻害する。いくつかの実施態様において、抗体は、CSF1及び/又はIL−34誘導性のCSF1Rのリン酸化を阻害する。いくつかの実施態様において、抗体は、1nM未満の親和性(K)を有するヒトCSF1Rに結合する。いくつかの実施態様において、抗体は、CSF1又はIL−34の存在下での単球増殖及び/又は生存応答を阻害する。
いくつかの実施態様において、CSF1Rに結合する抗体を含む薬学的組成物が提供される。
いくつかの実施態様において、CSF1Rに結合する抗体を含む組成物は、ヒト又は動物の治療方法における使用のために提供される。いくつかの実施態様において、CSF1Rに結合する抗体及びCSF1Rに結合する抗体を含む組成物は、ヒト又は動物において関節リウマチを治療する方法における使用のために提供される。
実施例1で論じている、ヒト化抗体huAb1〜huAb16の各々に対するヒト化重鎖可変領域のアライメントを示す。四角で囲った残基は、対応するマウス残基に戻されたヒトアクセプター配列中のアミノ酸である。 実施例1で論じている、ヒト化抗体huAb1〜huAb16の各々に対するヒト化軽鎖可変領域のアライメントを示す。四角で囲ったアミノ酸は、対応するマウス残基に戻されたヒトアクセプター配列中の残基である。 実施例2に記載の通り、表示の用量での単回投与後のヒトにおける血清huAb1(「FPA008」)のクリアランスを示す。 実施例2に記載の用量での単回投与後のカニクイザル及びヒトにおける血清huAb1(「FPA008」)のクリアランスを示す。 実施例3に記載の通り、表示の用量での単回投与後に、(A)プラセボを受けた可能性が高いCSF1の低い被験者及び(b)huAb1を受けた可能性が高いCSF1の高い被験者における血清CTxレベルを示す。 実施例3に記載の通り、表示の用量での単独投与後に、(A)プラセボを受けた可能性が高いCSF1の低い被験者及び(b)huAb1を受けた可能性が高いCSF1の高い被験者における血清TRAP5bレベルを示す。 実施例4に記載の通り、表示の用量の単独投与後の各投薬コホート(プラセボ及びhuAb1の両方を含む)における被験者における非古典的CD16+単球の抑制を示す。 実施例4に記載の通り、表示の用量の単独投与後の各投薬コホート(プラセボ及びhuAb1の両方を含む)における被験者における古典的CD16−単球を示す。 huAb1を受けた可能性の高い被験者における(A)血清CSF1レベル及び(B)血清IL34レベルを示す。 2週間の間隔を置いて2回投与した後の健常ボランティア(三角)及びRA患者(白抜きの円)における経時的なhuAb1の血清濃度を示す。 huAb1(「FPA008」)の2回投与後の健常ボランティアにおける非古典的CD16+単球の減少を示す。 huAb1の2回投与後のRA患者における非古典的CD16+単球の減少を示す。
CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする抗体を投与することを含む、疾患を治療する方法が提供される。本明細書に記載のように、CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする抗体は、関節リウマチの治療に有効である。本発明者らは、このような抗体をヒトに投与することにより、カニクイザルにおけるCD16+末梢血単球の数は減少したが、CD16−末梢血単球数には影響しないことを見出した。CD16+末梢血単球は、高度に炎症性の単球である。例として、Ziegler-Heitbrock, J. Leukocyte Biol., 2007, 81: 584-592を参照されたい。このような抗体をカニクイザルに投与するとCD16+単球の数が減少することは以前から判明していたが、今回ヒトにおいて観察された効果は、カニクイザルにおける効果と比較して、実質的かつ予想外に延長されている。実際、わずか1mg/kgの単回投与で、CD16+単球数は少なくとも1週間は実質的に抑制された。3mg/kg,の用量では、CD16+単球数は少なくとも4週間は実質的に抑制された一方、10mg/kgの単回投与はCD16+単球数を少なくとも8週間抑制した。さらに、このような抗体をヒトに投与すると、血清CTxレベルも低下し、また血清TRAP5bレベル(両方とも骨吸収のマーカーである)も低下傾向を示した。まとめると、これらの結果は、CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする抗体が低頻度の投薬で関節リウマチに有効な治療法であることを示唆している。
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成上の目的のみのものであって、記載される内容を制限するものとして解釈されない。特許出願及び特許公開を含む、本明細書に引用されるすべての参照文献は、その全体が参照により援用される。
定義
他に定義されない限り、本発明と関連して使用される科学技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によって特に要求されない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。
組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織培養及び形質転換(例えばエレクトロポレーション、リポフェクション)、酵素反応及び精製技術に関連して使用される代表的な技術は、当技術分野で周知である。そのような技術及び手順の多くは、例えばSambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989))他に記載されている。加えて、化学合成、化学分析、薬学的調製、製剤及び送達、並びに患者の治療のための代表的な技術もまた、当技術分野で周知である。
本願において、別途記載のない限り、「又は(or)」の使用は、「及び/又は(and/or)」を意味する。複数従属クレームの文脈において、「又は」の使用は、選択肢においてのみ、複数の先行する独立又は従属クレームを戻って参照する。また、「要素」又は「成分」などの用語は、特に断らない限り、一つのユニットを含む要素及び成分と、複数のサブユニットを含む要素及び成分の両方を包含する。
本開示に従って利用される場合、以下の用語は、別途指定のない限り,以下の意味を有すると理解されたい。
「核酸分子」及び「ポリヌクレオチド」という用語は互換的に使用することができ、ヌクレオチドのポリマーを指す。そのようなヌクレオチドのポリマーは、天然及び/又は非天然のヌクレオチドを含んでもよく、また限定されないが、DNA、RNA、及びPNAを含む。「核酸配列」は、核酸分子又はポリヌクレオチドを含むヌクレオチドの直鎖状配列を指す。
「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に使用され、最小の長さに限定されない。このようなアミノ酸残基のポリマーは、天然又は非天然のアミノ酸残基を含んでもよく、また限定されないが、ペプチド、オリゴペプチド、アミノ酸残基の二量体、三量体、及び多量体を含む。完全長タンパク質及びその断片の両方が、この定義に包含される。これらの用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えばグリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化等を含む。さらに、本発明の目的のために、「ポリペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持する限り、天然配列に対する修飾、例えば欠失、付加、及び置換(通常、本質的に保存的である)を含むタンパク質を指す。これらの修飾は、部位特異的突然変異誘発のように計画的であってもよいし、又はタンパク質を産生する宿主の変異もしくはPCR増幅に起因する誤差のように偶発的であってもよい。
「CSF1R」という用語は、本明細書では、N末端ECD、膜貫通ドメイン、及び細胞内チロシンキナーゼドメインを含む全長CSF1Rを指し、N末端リーダー配列を伴うか又は伴わない。いくつかの実施態様では、CSF1Rは、配列番号1又は配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトCSF1Rである。
本明細書で使用する用語「CSF1R細胞外ドメイン」(「CSF1R ECD」)は、細胞内及び膜貫通ドメインを欠くCSF1Rポリペプチドを指す。CSF1R ECDは、CSF1R及び/又はIL−34に結合することができる全長CSF1R ECD及びCSF1R ECD断片を含む。ヒト全長CSF1R ECDは、本明細書において、配列番号2のアミノ酸1から512(すなわちリーダー配列を含む)又はアミノ酸20〜512(すなわちリーダー配列を欠く)のいずれかを含むものとして定義される。いくつかの実施態様では、ヒトCSF1R ECD断片は、配列番号2のアミノ酸20から506を含む(配列番号5参照)。いくつかの実施態様では、ヒトCSF1R ECD断片は、アミノ酸507、508、509、510又は511で終結する。いくつかの実施態様では、cyno CSF1R ECDは、配列番号7の配列(リーダー配列を有する)又は配列番号7のアミノ酸20〜506(リーダー配列を含まない)を含む。
抗CSF1R抗体に関して、「活性の」又は「活性」又は「機能」という用語及びその文法上の変化形は、前述の活動の少なくとも一つを阻害(遮断抗体又はアンタゴニスト抗体)あるいは模倣する(アゴニスト抗体)能力を指すために使用される。「機能的」と呼ばれる抗体及び抗体断片は、そのような特性を有することを特徴とする。
「免疫学的」活性は、天然又は天然に存在するCSF1Rポリペプチドが有する抗原性エピトープに対する抗体の産生を誘導する能力のみを指す。
本明細書で使用する用語「抗体」は、重鎖の少なくとも相補性決定領域(CDR)1、CDR2、及びCDR3並びに軽鎖の少なくともCDR1、CDR2、及びCDR3を含む分子を指し、分子は抗原に結合することができる。抗体という用語は、抗原に結合することができる断片、例えば、限定されないが、Fv、単鎖Fv(scFv)、Fab、Fab’、及び(Fab’)を含む。抗体という用語は、限定されないが、キメラ抗体、ヒト化抗体、及びマウス、ヒト、カニクイザル等の様々な種の抗体を含む。
いくつかの実施態様では、抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施態様では、抗体は、重鎖可変領域及び重鎖定常領域の少なくとも一部を含む少なくとも一の重鎖、並びに軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域の少なくとも一部を含む少なくとも一の軽鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗体は、各重鎖が重鎖可変領域及び重鎖定常領域の少なくとも一部を含む二の重鎖、並びに各軽鎖が軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域の少なくとも一部を含む少なくとも二の軽鎖を含む。本明細書で使用される場合、単鎖Fv又は、例えば6つすべてのCDR(3つの重鎖CDR及び3つの軽鎖CDR)を含む単一ポリペプチド鎖を含む任意の他の抗体は、重鎖及び軽鎖を有すると考えられる。いくつかのそのような実施態様では、重鎖は、3つの重鎖CDRを含む抗体の領域であり、軽鎖は、3つの軽鎖CDRを含む抗体の領域である。
本明細書で使用される「重鎖可変領域」という用語は、重鎖CDR1、フレームワーク(FR)2、CDR2、FR3、及びCDR3を含む領域を指す。いくつかの実施態様では、重鎖可変領域はまた、FR1の少なくとも一部及び/又はFR4の少なくとも一部を含む。いくつかの実施態様では、重鎖CDR1はKabat残基26から35に対応し、重鎖CDR2はKabat残基50から65に対応し、重鎖CDR3はKabat残基95から102に対応する。例として、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest (1987及び1991, NIH, Bethesda, Md.);及び図1を参照されたい。いくつかの実施態様では、重鎖CDR1はKabat残基31から35に対応し、重鎖CDR2はKabat残基50から65に対応し、重鎖CDR3はKabat残基95から102に対応する。IDを参照のこと。
本明細書で使用する「重鎖定常領域」という用語は、少なくとも3つの重鎖定常ドメイン、C1、C2、及びC3を含む領域を指す。非限定的な例示的重鎖定常領域は、γ、δ、及びαを含む。また、非限定的な例示的重鎖定常領域は、ε及びμも含む。各重鎖定常領域は抗体アイソタイプに対応する。例えば、γ定常領域を含む抗体はIgG抗体であり、δ定常領域を含む抗体はIgD抗体であり、α定常領域を含む抗体はIgA抗体である。また、μ定常領域を含む抗体はIgM抗体であり、ε定常領域を含む抗体はIgE抗体である。特定のアイソタイプは、サブクラスにさらに細かく分けることができる。例えば、IgG抗体は、限定されないが、IgG1(γ定常領域を含む)、IgG2(γ定常領域を含む)、IgG3(γ定常領域を含む)、及びIgG4(γ定常領域を含む)抗体を含み;IgA抗体は、限定されないが、IgA1(α定常領域を含む)及びIgA2(α定常領域を含む)抗体を含み;IgM抗体は、限定されないが、IgM1及びIgM2を含む。
いくつかの実施態様では、重鎖定常領域は、抗体に所望の特性を付与する一又は複数の変異(又は置換)、付加又は欠失を含む。非限定的な例示的突然変異は、IgG4モチーフCPSCPをCPPCPに変化させるIgG4ヒンジ領域(定常ドメインCH1とCH2との間)におけるS241P突然変異であり、IgG1における対応するモチーフに類似している。いくつかの実施態様では、この突然変異は、より安定なIgG4抗体を生じる。例として、Angal et al., Mol. Immunol. 30: 105-108 (1993); Bloom et al., Prot. Sci. 6: 407-415 (1997); Schuurman et al., Mol. Immunol. 38: 1-8 (2001)を参照されたい。
本明細書で使用される「重鎖」という用語は、リーダー配列を伴うか又は伴わない、少なくとも重鎖可変領域を含むポリペプチドを指す。いくつかの実施態様では、重鎖は、重鎖定常領域の少なくとも一部を含む。本明細書で使用される「全長重鎖」という用語は、リーダー配列を伴うか又は伴わない、重鎖可変領域及び重鎖定常領域を含むポリペプチドを指す。
本明細書で使用する「軽鎖可変領域」という用語は、軽鎖CDR1、フレームワーク(FR)2、CDR2、FR3、及びCDR3を含む領域を指す。いくつかの実施態様では、軽鎖可変領域はまた、FR1及び/又はFR4を含む。いくつかの実施態様では、軽鎖CDR1はKabat残基24から34に対応し、軽鎖CDR2はKabat残基50から56に対応し、軽鎖CDR3はKabat残基89から97に対応する。例として、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest (1987及び1991, NIH, Bethesda, Md.);及び図1を参照されたい。
本明細書で使用する「軽鎖定常領域」という用語は、軽鎖定常ドメインCを含む領域を指す。また、非限定的な例示的軽鎖定常領域は、λ及びκも含む。
本明細書で使用される「軽鎖」という用語は、リーダー配列を伴うか又は伴わない、少なくとも軽鎖可変領域を含むポリペプチドを指す。いくつかの実施態様では、軽鎖は、軽鎖定常領域の少なくとも一部を含む。本明細書で使用される「全長軽鎖」という用語は、リーダー配列を伴うか又は伴わない、軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域を含むポリペプチドを指す。
本明細書で使用される「キメラ抗体」は、第一の種(マウス、ラット、カニクイザル等)由来の少なくとも一つの可変領域及び第二の種(例えばヒト、カニクイザルなど)由来の少なくとも一つの定常領域を含む抗体を指す。いくつかの実施態様では、キメラ抗体は、少なくとも一つのマウス可変領域及び少なくとも一つのヒト定常領域を含む。いくつかの実施態様では、キメラ抗体は、少なくとも一つのカニクイザル可変領域及び少なくとも一つのヒト定常領域を含む。いくつかの実施態様では、キメラ抗体は、少なくとも一つのラット可変領域及び少なくとも一つのマウス定常領域を含む。いくつかの実施態様では、キメラ抗体の可変領域のすべてが第一の種由来であり、キメラ抗体の定常領域のすべてが第二の種由来である。
本明細書で使用される「ヒト化抗体」は、非ヒト可変領域のフレームワーク領域の少なくとも一のアミノ酸がヒト可変領域の対応するアミノ酸で置換されている抗体を指す。いくつかの実施態様では、ヒト化抗体は、少なくとも一のヒト定常領域又はその断片を含む。いくつかの実施態様では、ヒト化抗体は、Fab、scFv、(Fab’)等である。
本明細書で使用される「CDR移植抗体」とは、第一(非ヒト)の種の相補性決定領域(CDR)が第二(ヒト)の種のフレームワーク領域(FR)上に移植されているヒト化抗体を指す。
本明細書で使用される「ヒト抗体」は、ヒトにおいて産生される抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含む非ヒト動物において産生される抗体、例えばXenoMouse(登録商標)、及びファージディスプレイなどのインビトロ方法を用いて選択される抗体を指し、抗体レパートリーはヒト免疫グロブリン配列に基づく。
「リーダー配列」という用語は、哺乳動物細胞からのポリペプチドの分泌を促進するポリペプチドのN末端に位置するアミノ酸残基の配列を指す。リーダー配列は、哺乳動物細胞からのポリペプチドの排出の際に切断され得、成熟タンパク質を形成する。リーダー配列は、天然又は合成であってもよく、それが結合しているタンパク質に対して異種又は相同であってもよい。例示的リーダー配列は、限定されないが、抗体リーダー配列、例えばヒト軽鎖及び重鎖リーダー配列にそれぞれ対応する配列番号3及び4のアミノ酸配列などを含む。非限定的な例示的リーダー配列は、異種タンパク質由来のリーダー配列も含む。いくつかの実施態様において、抗体は、リーダー配列を欠く。いくつかの実施態様では、抗体は、天然抗体リーダー配列及び異種リーダー配列から選択され得る少なくとも一のリーダー配列を含む。
用語「ベクター」は、宿主細胞中で増殖し得るクローン化ポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドを含むように操作され得るポリヌクレオチドを説明するために使用される。ベクターは、一又は複数の次の要素:複製起点、目的のポリペプチドの発現を調節する一又は複数の制御配列(例えばプロモーター及び/又はエンハンサーなど)、及び/又は一以上の選択マーカー遺伝子(例えば抗生物質耐性遺伝子及び比色アッセイで使用され得る遺伝子、例えばβ−ガラクトシダーゼ)を含む。「発現ベクター」という用語は、宿主細胞において目的のポリペプチドを発現させるために使用されるベクターを指す。
「宿主細胞」は、ベクター又は単離ポリヌクレオチドのレシピエントであり得る細胞、又はレシピエントであった細胞を指す。宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞であり得る。例示的な真核細胞は、哺乳動物細胞、例えば霊長類又は非霊長類の動物細胞;真菌細胞、例えば酵母;植物細胞;及び昆虫細胞を含む。非限定的な例示的哺乳動物細胞は、限定されないが、NSO細胞、PER.C6(登録商標)細胞(Crucell)、並びに293及びCHO細胞とそれらの誘導体、例えば、それぞれ293−6E及びDG44細胞を含む。
本明細書で使用される「単離された」という用語は、通常天然に見出される成分の少なくともいくつかから分離された分子を指す。例えば、ポリペプチドは、それが産生された細胞の成分の少なくともいくつかから分離される場合、「単離された」と呼ばれる。ポリペプチドが発現後に細胞によって分泌される場合、それを産生した細胞からポリペプチドを含む上清を物理的に分離することが、ポリペプチドを「単離する」と考えられる。同様に、ポリヌクレオチドは、通常天然に見出される比較的大きなポリヌクレオチド(例えば、DNAポリヌクレオチドの場合はゲノムDNA又はミトコンドリアDNAなど)の一部ではない場合、「単離された」と呼ばれ、又は、例えばRNAポリヌクレオチドの場合には、それが産生された細胞の成分の少なくともいくつかから分離される。したがって、宿主細胞内のベクターに含まれるDNAポリヌクレオチドは、そのポリヌクレオチドがそのベクター中に天然には見出されない限り、「単離された」と称され得る。
「被験者」及び「患者」という用語は、本明細書では、ヒトを指すために互換的に使用される。いくつかの実施態様では、げっ歯類、サル、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、哺乳動物実験動物、哺乳類の家畜、哺乳類の競技用動物、及び哺乳類のペットを含むがこれらに限定されない他の哺乳動物を治療する方法も提供される。
本明細書中で使用される場合、「関節リウマチ」又は「RA」は、RAの分類ついての2000年改訂American Rheumatoid Associationの基準または任意の類似の基準に従って診断され得る確認された疾患状態を指す。いくつかの実施態様では、「関節リウマチ」という用語は、慢性痛、機能喪失、及び障害をもたらす関節損傷をもたらしうる、関節の裏層(滑膜)の炎症によって主に特徴付けられる慢性自己免疫疾患を指す。RAは、皮膚、肺、及び目を含む身体の複数の器官に影響を及ぼし得るため、全身性疾患と呼ばれる。
「関節リウマチ」という用語は、次に定義するように、活動性RA及び初期RAだけでなく、初発RAも含む。RAの生理学的指標は、RAにおいて不変ではないが特徴的である対称性関節腫脹を含む。手の近位指節間関節(PIP)並びに中手指節(MCP)、手首、肘、膝、足首、及び中足指節の(MTP)の関節の紡錘状腫脹が一般に発症し、容易に検出される。受動運動痛は、関節炎症の最も高感度な検査であり、炎症及び構造変形はしばしば、患部関節の可動域を制限する。典型的な目に見える変化としては、MCP関節における指の尺骨のずれ、MCP及びPIP関節の過伸展又は過屈曲、肘の屈曲拘縮、並びに手根骨及びつま先の亜脱臼を含む。RAを有する被験者は、疾患改変抗リウマチ薬(DMARD)及び/又は非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)に対して耐性であり得る。非限定的な例示的「DMARD」は、ヒドロキシクロロキン(hydroxycloroquine)、スルファサラジン、メトトレキサート(MTX)、レフルノミド、エタネルセプト、インフリキシマブ(経口及び皮下MTX併用)、アザチオプリン、D−ペニシラミン、金塩(経口)、金塩(筋肉内)、ミノサイクリン、シクロスポリンA及び局所シクロスポリンを含むシクロスポリン、ブドウ球菌プロテインA(Goodyear and Silverman, J. Exp. Med., 197(9):1125-1139 (2003))、並びにそれらの塩及び誘導体等を含む。本発明による療法のさらなる候補は、毒性又は不適切な有効性のために、エタネルセプト、インフリキシマブ、及び/又はアダリムマブ等のTNF阻害剤での以前または現在の治療に対する不適切な応答を経験した患者を含む。
「活動性関節リウマチ」を有する患者は、RAの潜活発で非潜在的な症状を有する患者を意味する。「早期活動性関節リウマチ」を有する被験者は、RAの分類に関する1987年改訂のACR基準にしたがって、活動性関節リウマチと診断されて少なくとも8週間であるが4年は超えない被験者である。
「早期関節リウマチ」を有する被験者は、RAの分類に関する1987年改訂のACR基準にしたがって、関節リウマチと診断されて少なくとも8週間であるが4年は超えない被験者である。RAは、例えば若年発症RA、若年性特発性関節炎(JIA)又は若年性RA(JRA)を含む。
「初発関節リウマチ」を有する患者は、抗CCP及び共有エピトープなどのRA特異的予後バイオマーカーの存在に関連して、RAの診断のためのACR基準を完全に満たさない初期の多発性関節炎を有する。それには、多発性関節炎を呈するがRAの診断はまだなく、真のACR基準RAを発症する危険性が高い(確率95%)陽性抗CCP抗体患者が含まれる。
「関節損傷」は、最も広い意味で使用され、損傷が如何なる原因の構造的及び/又は機能的損傷をも含み、関節痛/麻痺を引き起こすか又は引き起こさない可能性がある、結合組織及び軟骨を含む一又は複数の関節の任意の部分に対する損傷又は部分的若しくは完全な破壊を指す。これは、限定されないが、炎症性関節疾患及び非炎症性関節疾患に関連するか又はそれらに起因する関節損傷を含む。この損傷は、自己免疫疾患、特に関節炎、とりわけRAのような任意の疾患によって引き起こされ得る。そのような症状の例は、急性及び慢性関節炎、関節リウマチ(若年発症RA、若年性特発性関節炎(JIA)、及び若年性関節リウマチ(JRA))、並びにリウマチ性滑膜炎、痛風又は痛風性関節炎、旧制免疫性関節炎、慢性炎症性関節炎、変形性関節炎、II型コラーゲン誘導性関節炎、感染性関節炎、化膿性関節炎、ライム関節炎、増殖性関節炎、乾癬性関節炎、スティル病、脊椎関節炎、変形性関節症、進行性慢性関節炎、変形関節炎、初期慢性多発関節炎、反応性関節炎、閉経関節炎、エストロゲン枯渇性関節炎、及び強直性脊椎炎/リウマチ性脊椎炎)等の病期、RA以外のリウマチ性自己免疫疾患、またRAに続発する顕著な全身症状(脈管炎、肺線維症又はフェルティ症候群を含むがこれらに限定されない)を含む。本明細書の目的のために、関節は、(動物などの脊椎動物の)骨格の要素と、それを取り囲んで支持する部分との間の接触点であり、例えば、限定されないが、股関節、脊椎と椎骨の間の関節、脊椎と骨盤の間の関節(仙腸関節)、腱と靭帯が骨に付着する関節、肋骨と脊椎の間の関節、肩、膝、足、肘、手、指、足首、及びつま先、特に手足の関節を含む。
「CD16+障害」という用語は、哺乳動物のCD16+単球が哺乳動物における病的状態を引き起こすか、媒介するか、又はそれに関与する疾患を意味する。CD16+単球の減少が疾患の進行に対する改善効果を有する疾患も含まれる。この用語には、CD16+炎症性疾患、感染症、免疫不全疾患、異常増殖等が含まれる。特定の実施態様では、CD16+炎症性疾患は、メトトレキサート療法に反応しない炎症性疾患を含む。特定の実施態様では、CD16+炎症性疾患は、メトトレキサート耐性関節リウマチ、メトトレキサート耐性多発性硬化症、メトトレキサート耐性狼瘡、メトトレキサート耐性炎症性腸疾患、メトトレキサート耐性クローン病、メトトレキサート耐性喘息、及びメトトレキサート耐性乾癬を含む。特定の実施態様では、メトトレキサート耐性関節リウマチなどのメトトレキサート耐性疾患を有する患者は、メトトレキサート不完全応答者又はメトトレキサート不十分応答者と呼ばれる。
本発明に従って治療することができるCD16+障害の例は、限定されないが、全身性紅斑性狼瘡、関節リウマチ、若年性慢性関節炎、脊椎関節症、全身性硬化症(強皮症)、特発性炎症ミオパシー(皮膚筋炎、多発性筋炎)、シェーグレン症候群、全身性脈管炎、サルコイドーシス、自己免疫性溶血性貧血(免疫性汎血球減少症、発作性夜間色素尿症)、自己免疫性血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病、免疫介在性血小板減少症)、甲状腺炎(グレーブス病、橋本甲状腺炎、若年性lリンパ球性甲状腺炎、萎縮性甲状腺炎)、糖尿病、免疫介在性腎疾患(糸球体腎炎、間質性腎炎)、例えば多発性硬化症、特発性脱髄性多発ニューロパチー又はギランバレー症候群、及び慢性炎症脱髄性多発ニューロパチーなどの中枢及び末梢神経系の脱髄疾患、例えば感染性肝炎(A、B、C、D、E型肝炎及び他の非肝臓指向性ウイルス)、自己免疫性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、肉芽腫性肝炎、及び硬化性胆管炎などの肝胆道疾患、潰瘍性大腸炎:クローン病、グルテン過敏性腸症、及びウィップル病を含む炎症性腸疾患(IBD)、水疱性皮膚症、多形性紅斑、及び接触性皮膚炎、乾癬を含む自己免疫性又は免疫介在性皮膚病、例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物過敏症、及びじん麻疹などのアレルギー疾患、例えば好酸球性肺炎、特発性肺線維症、及び過敏性肺炎などの肺の免疫性疾患、移植片拒絶反応及び移植片対宿主病を含む移植関連疾患;腎臓線維症及び肝線維症を含む線維症、アテローム性動脈硬化症及び冠動脈疾患、慢性腎臓疾患、心筋梗塞、及びうっ血性心不全に関連する心血管イベントを含む心血管疾患、II型糖尿病を含む糖尿病、器質性肺炎を伴う閉塞性細気管支炎(BOOP)、血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群、サルコイドーシス、及び歯周炎を含む。AIDS(HIV感染)、A型、B型、C型、及びE型肝炎、ヘルペス等のウイルス性疾患、細菌感染症、真菌感染症、原生動物感染症、並びに寄生虫感染症を含む感染症。
本明細書で使用される場合、「治療」は、治療的処置及び予防又は予防的手段の両方を指し、この場合、目的は標的の病的状態若しくは障害を予防するか又は緩徐化する(軽減する)ことである。特定の実施態様では、用語「治療」は、ヒトを含む哺乳動物における疾患用の治療剤の任意の投与又は適用を包含し、疾患又は疾患の進行を阻害若しくは遅延させること;例えば退行を引き起こすこと、あるいは喪失、欠如若しくは欠損した機能を回復又は修復することによって疾患を部分的に又は完全に緩和すること;非効率的な過程を刺激すること;あるいは疾患がプラトーなるようにして重症度を低下させることを含む。用語「治療」はまた、任意の表現型特徴の重症度を低下させること、及び/又はその特徴の発生率、程度又は尤度を減少させることを含む。治療を必要とする者は、すでに障害を有する者及び障害を有する傾向がある者又は障害を予防すべき者を含む。
「慢性」投与とは、最初の治療効果(活性)を長期間維持するために、急性モードとは対照的に、連続モードで薬剤を投与することを指す。「断続的」投与は、中断することなく連続的に行われるのではなく、本質的に周期的な治療である。
用語「有効量」又は「治療的有効量」は、被験者における疾患又は障害の治療に有効な薬物の量を指す。特定の実施態様において、「有効量」とは、所望の治療的又は予防的結果を達成するために必要な用量及び期間における有効な量を指す。本発明の抗CSF1R抗体の治療剤の治療的有効量は、個体の病態、年齢、性別、及び体重、並びに個体における所望の応答を引き出す抗CSF1R抗体の能力等の要因によって変わり得る。また、治療的有効量とは、抗CSF1R抗体の毒作用又は有害効果よりも治療上有益な作用の方が勝る量を含む。
「予防的有効量」とは、所望の予防的結果を達成するために必要な用量及び期間での、有効な量を指す。必ずではないが、通常、予防的用量は、疾病の前又は初期の段階で被験者に使用されるため、予防的有効量は治療的有効量よりも少量となろう。
一又は複数のさらなる治療剤と「組み合わせて」投与することは、同時(併用)及び任意の順序での連続投与を含む。
「薬学的に許容される担体」とは、被験者への投与のための「薬学的組成物」を併せて含む治療剤と共に使用するための当該技術分野において慣用の非毒性固体、半固体又は液体の充填剤、希釈剤、カプセル化材料、処方助剤又は担体を指す。薬学的に許容される担体は、用られる投与量及び濃度でレシピエントに対して非毒性であり、製剤の他の成分と適合性である。薬学的に許容される担体は、用いられる製剤に適している。例えば、治療剤が経口投与される場合、担体はゲルカプセルであってもよい。治療剤が皮下投与される場合、担体は、理想的には皮膚に対し刺激性がなく、注射部位反応を引き起こさない。
抗CSF1R抗体
抗CSF1R抗体は、限定されないが、本明細書に記載のヒト化抗体、キメラ抗体、マウス抗体、ヒト抗体並びに重鎖及び/又は軽鎖CDRを含む抗体を含む。
例示的なヒト化抗体
いくつかの実施態様では、CSF1Rに結合するヒト化抗体が提供される。ヒト化抗体は、抗体治療剤に対する免疫応答及び治療剤の有効性の低下をもたらし得る非ヒト抗体に対するヒト免疫応答(ヒト抗マウス抗体(HAMA)応答など)を低減又は排除することから、治療分子として有用である。
非限定的な例示的ヒト化抗体は、本明細書に記載のhuAb1からhuAb16を含む。非限定的な例示的ヒト化抗体は、huAb1からhuAb16より選択される抗体の重鎖可変領域及び/又はhuAb1からhuAb16より選択される抗体の軽鎖可変領域を含む抗体も含む。非限定的な例示的ヒト化抗体は、配列番号39から45より選択される重鎖可変領域及び/又は配列番号46から52より選択される軽鎖可変領域含む抗体を含む。例示的なヒト化抗体はまた、0301、0302、及び0311より選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3、並びに/又は軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含むヒト化抗体も含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様では、ヒト化抗CSF1R抗体は、0301、0302、及び0311より選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3並びに/又は軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。非限定的な例示的ヒト化抗CSF1R抗体は、配列番号15、16、及び17;配列番号21、22、及び23;並びに配列番号27、28、及び29より選択される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含む抗体を含む。非限定的な例示的ヒト化抗CSF1R抗体はまた、配列番号18、19、及び20;配列番号24、25、及び26;並びに配列番号30、31、及び32より選択される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含む抗体も含む。
非限定的な例示的ヒト化抗CSF1R抗体は、表1の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のセット、並びに軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含む抗体を含む(記載の配列については表8を参照)。表1の各列は、例示的な抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3、並びに軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を示す。
Figure 2017520562
さらなる例示的なヒト化抗体
いくつかの実施態様では、ヒト化抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み、この場合抗体はCSF1Rに結合する。いくつかの実施態様では、ヒト化抗CSF1R抗体は、配列番号10、12、14、及び46から52より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、この場合抗体はCSF1Rに結合する。いくつかの実施態様では、ヒト化抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み;また配列番号10、12、14、及び46から52より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、この場合抗体はCSF1Rに結合する。
本明細書で使用される場合、特定のポリペプチドが例えばアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるかどうかは、例えばコンピュータープログラムを使用して決定することができる。特定の配列が、例えば参照配列と95%同一であるかどうかを決定する場合、同一性のパーセンテージは、参照アミノ酸配列の全長にわたって計算される。
いくつかの実施態様では、ヒト化抗CSF1R抗体は、本明細書に記載のCDRの少なくとも一を含む。すなわち、いくつかの実施態様では、ヒト化抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖CDR1、本明細書に記載の重鎖CDR2、本明細書に記載の重鎖CDR3、本明細書に記載の軽鎖CDR1、本明細書に記載の軽鎖CDR2、及び本明細書に記載の軽鎖CDR3を含む。さらに、いくつかの実施態様では、ヒト化抗CSF1R抗体は、本明細書に記載のCDRに基づく少なくとも一の突然変異CDRを含み、この突然変異CDRは、本明細書に記載のCDRに対して1、2、3又は4のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施態様では、アミノ酸置換の一又は複数は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して一又は複数の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、ここで適切な保存的アミノ酸置換は、突然変異CDRを含む抗体の結合特性を有意に変化させるとは予測されない。
例示的なヒト化抗CSF1R抗体はまた、CSF1Rへの結合について本明細書に記載の抗体と競合する抗体も含む。したがって、いくつかの実施態様では、CSF1Rへの結合についてFab0301、0302、及び0311より選択される抗体並びにこれらのFabの二価(すなわち二つの重鎖と二つの軽鎖を有する)抗体バージョンと競合するヒト化抗CSF1R抗体が提供される。
例示的なヒト化抗体定常領域
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のヒト化抗体は、一又は複数のヒト定常領域を含む。いくつかの実施態様では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、及びIgDより選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施態様では、ヒト軽鎖定常領域は、κ及びλより選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のヒト化抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のヒト化抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。そのようないくつかの実施態様では、本明細書に記載のヒト化抗体は、ヒトIgG4定常領域にS241P突然変異を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のヒト化抗体は、ヒトIgG定常領域及びヒトκ軽鎖を含む。
重鎖定常領域の選択は、抗体がインビボでエフェクター機能を有するか否かを決定することができる。そのようなエフェクター機能は、いくつかの実施態様において、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)を含み、抗体が結合している細胞を死滅させる可能性がある。いくつかのがんを治療する方法を含めたいくつかの治療方法において、例えば抗体が腫瘍の維持又は増殖を支える細胞に結合する場合、細胞死滅が望ましい場合がある。腫瘍の維持又は増殖を助長し得る例示的な細胞は、限定されないが、腫瘍細胞それ自体、腫瘍への脈管構造の動員を助ける細胞、腫瘍増殖又は腫瘍生存を助長若しくは促進するリガンド、増殖因子又は対抗受容体を提供する細胞を含む。いくつかの実施態様において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖又はヒトIgG3重鎖を含む抗CSF1R抗体が選択される。
治療のいくつかの方法において、エフェクター機能が望ましくないこともある。例えば、いくつかの実施態様では、RAの治療において使用される抗体がエフェクター機能を有しないことが望ましい場合がある。したがって、いくつかの実施態様では、がんの治療のために開発された抗CSF1R抗体が、RAの治療における使用に適していない可能性がある。したがって、いくつかの実施態様では、有意なエフェクター機能を欠く抗CSF1R抗体がRAの治療において使用される。いくつかの実施態様では、RAの治療のための抗CSF1R抗体は、ヒトIgG4又はIgG2重鎖定常領域を含む。いくつかの実施態様では、IgG4定常領域は、S241P突然変異を含む。
抗体は、如何なる方法によってもヒト化され得る。ヒト化の非限定的な例示的な方法は、例えば、米国特許第5530101号;第5585089号;第5693761号;第5693762号;第6180370号;Jones et al., Nature 321: 522-525 (1986):Riechmann et al., Nature 332: 323-27 (1988);Verhoeyen et al., Science 239: 1534-36 (1988);及び米国特許出願公開第2009/0136500号に記載の方法を含む。
上述の通り、ヒト化抗体は、非ヒト可変領域のフレームワーク領域の少なくとも一のアミノ酸がヒトフレームワーク領域の対応する位置のアミノ酸で置換されている抗体を指す。いくつかの実施態様では、非ヒト可変領域のフレームワーク領域の少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも15又少なくとも20のアミノ酸が、一又は複数のヒトフレームワーク領域の一又は複数の対応する位置のアミノ酸で置換されている。
いくつかの実施態様では、置換に使用される対応するヒトアミノ酸のいくつかは、異なるヒト免疫グロブリン遺伝子のフレームワーク領域由来である。すなわち、いくつかのそのような実施態様において、一又は複数の非ヒトアミノ酸は、第一のヒト抗体のヒトフレームワーク領域由来の対応するアミノ酸で置換されていてもよく、又は第一のヒト免疫グロブリン遺伝子によりコードされてもよく、一又は複数の非ヒトアミノ酸は、第二のヒト抗体のヒトフレームワーク領域由来の対応するアミノ酸で置換されていてもよく、又は第二のヒト免疫グロブリン遺伝子によってコードされていてもよく、一又は複数の非ヒトアミノ酸は、第三のヒト抗体のヒトフレームワーク領域由来の対応するアミノ酸で置換されていてもよく、又は第三のヒト免疫グロブリン遺伝子等によってコードされていてもよい。さらに、いくつかの実施態様において、単一のフレームワーク領域、例えばFR2における置換に使用される対応するヒトアミノ酸のすべてが、同じヒトフレームワーク由来である必要はない。ただし、いくつかの実施態様では、置換に使用される対応するヒトアミノ酸のすべてが同じヒト抗体に由来するか、又は同じヒト免疫グロブリン遺伝子によってコードされる。
いくつかの実施態様では、抗体は、一又は複数の全フレームワーク領域を対応するヒトフレームワーク領域で置換することによってヒト化される。いくつかの実施態様では、置換される非ヒトフレームワーク領域に対して最高レベルの相同性を有するヒトフレームワーク領域が選択される。いくつかの実施態様では、そのようなヒト化抗体は、CDR移植抗体である。
いくつかの実施態様では、CDR移植に続いて、一又は複数のフレームワークアミノ酸がマウスフレームワーク領域の対応するアミノ酸に戻される。いくつかの実施態様では、そのような「逆突然変異」は、CDRの一又は複数の構造に寄与すると思われる、かつ/又は抗原接触に関与し得る、且つ/又は抗体の全体的な構造的完全性に関与していると思われる一又は複数のマウスフレームワークアミノ酸を保持するためになされる。いくつかの実施態様では、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、2以下、1又は0の逆突然変異がCDR移植に続いて抗体のフレームワーク領域に対しなされる。
いくつかの実施態様では、ヒト化抗体は、ヒト重鎖定常領域及び/又はヒト軽鎖定常領域も含む。
例示的なキメラ抗体
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、少なくとも一の非ヒト可変領域及び少なくとも一のヒト定常領域を含む。いくつかのそのような実施態様では、抗CSF1R抗体の可変領域のすべてが非ヒト可変領域であり、抗CSF1R抗体の定常領域のすべてがヒト定常領域である。いくつかの実施態様では、キメラ抗体の一又は複数の可変領域は、マウス可変領域である。キメラ抗体のヒト定常領域は、それが置換する非ヒト定常領域がもし存在したとしても、非ヒト定常領域と同じアイソタイプである必要はない。キメラ抗体は、例えば米国特許第4816567号;及びMorrison et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 6851-55 (1984)で論じられている。
非限定的な例示的なキメラ抗体は、0301、0302、及び0311より選択される抗体の重鎖及び/又は軽鎖可変領域を含むキメラ抗体を含む。さらなる非限定的な例示的キメラ抗体は、0301、0302、及び0311より選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3、並びに/又は軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含むキメラ抗体を含む。
非限定的な例示的キメラ抗CSF1R抗体は、重鎖及び軽鎖可変領域の次の対、すなわち配列番号9と10;配列番号11と12;及び配列番号13と14を含む抗体を含む。
非限定的な例示的な抗CSF1R抗体は、上の表1に示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のセット、並びに軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む抗体を含む。
さらなる例示的なキメラ抗体
いくつかの実施態様では、キメラ抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み、この場合抗体はCSF1Rに結合する。いくつかの実施態様では、キメラ抗CSF1R抗体は、配列番号10、12、14、及び46から52より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、この場合抗体はCSF1Rに結合する。いくつかの実施態様では、キメラ抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み;また配列番号10、12、14、及び46から52より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、この場合抗体はCSF1Rに結合する。
いくつかの実施態様では、キメラ抗CSF1R抗体は、本明細書に記載のCDRの少なくとも一を含む。すなわち、いくつかの実施態様では、キメラ抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖CDR1、本明細書に記載の重鎖CDR2、本明細書に記載の重鎖CDR3、本明細書に記載の軽鎖CDR1、本明細書に記載の軽鎖CDR2、及び本明細書に記載の軽鎖CDR3を含む。さらに、いくつかの実施態様では、キメラ抗CSF1R抗体は、本明細書に記載のCDRに基づく少なくとも一の突然変異CDRを含み、この突然変異CDRは、本明細書に記載のCDRに対して1、2、3又は4のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施態様では、アミノ酸置換の一又は複数は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して一又は複数の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、ここで適切な保存的アミノ酸置換は、突然変異CDRを含む抗体の結合特性を有意に変化させるとは予測されない。
例示的なキメラ抗CSF1R抗体はまた、CSF1Rへの結合について本明細書に記載の抗体と競合するキメラ抗体も含む。したがって、いくつかの実施態様では、CSF1Rへの結合についてFab0301、0302、及び0311より選択される抗体並びにこれらのFabの二価(すなわち二つの重鎖と二つの軽鎖を有する)抗体バージョンと競合するキメラ抗CSF1R抗体が提供される。
例示的なキメラ抗体定常領域
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のキメラ抗体は、一又は複数のヒト定常領域を含む。いくつかの実施態様では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、及びIgDより選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施態様では、ヒト軽鎖定常領域は、κ及びλより選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。そのようないくつかの実施態様では、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG4定常領域にS241P突然変異を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG定常領域及びヒトκ軽鎖を含む。
上記のように、エフェクター機能が望ましいかどうかは、抗体を被験者とした特定の治療方法に依存し得る。したがって、いくつかの実施態様において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域又はヒトIgG3重鎖定常領域を含むキメラ抗CSF1R抗体が選択される。いくつかの実施態様において、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4又はIgG2重鎖定常領域を含むキメラ抗CSF1R抗体が選択される。
例示的なヒト抗体
ヒト抗体は、任意の適切な方法によって作製することができる。非限定的な例示的方法は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むトランスジェニックマウスにおいてヒト抗体を作製することを含む。例として、Jakobovits et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 2551-55 (1993); Jakobovits et al., Nature 362: 255-8 (1993); Lonberg et al., Nature 368: 856-9 (1994);並びに米国特許第5545807号;第6713610号;;第6673986号;第6162963号;第5545807号;第,300129号;第6255458号;第5877397号;第5874299号;及び第5545806号を参照されたい。
非限定的な例示的方法はまた、ファージディスプレイライブラリーを用いたヒト抗体の作製を含む。例として、Hoogenboom et al., J. Mol. Biol. 227. 381-8 (1992); Marks et al., J. Mol. Biol. 222. 581-97 (1991);及び国際公開第99/10494号を参照されたい。
いくつかの実施態様では、ヒト抗CSF1R抗体は、配列番号1の配列を有するポリペプチドに結合する。例示的なヒト抗CSF1R抗体はまた、CSF1Rへの結合について本明細書に記載の抗体と競合する抗体も含む。したがって、いくつかの実施態様では、CSF1Rへの結合についてFab0301、0302、及び0311より選択される抗体並びにこれらのFabの二価(すなわち二つの重鎖と二つの軽鎖を有する)抗体バージョンと競合するヒト抗CSF1R抗体が提供される。
いくつかの実施態様では、ヒト抗CSF1R抗体は、一又は複数のヒト定常領域を含む。いくつかの実施態様では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、及びIgDより選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施態様では、ヒト軽鎖定常領域は、κ及びλより選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。そのようないくつかの実施態様では、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG4定常領域にS241P突然変異を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG定常領域及びヒトκ軽鎖を含む。
いくつかの実施態様において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域又はヒトIgG3重鎖定常領域を含むヒト抗CSF1R抗体が選択される。いくつかの実施態様において、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4又はIgG2重鎖定常領域を含むヒト抗CSF1R抗体が選択される。
さらなる例示的抗CSF1R抗体
例示的な抗CSF1R抗体は、限定されないが、例えば本明細書に記載のCDR配列の一又は複数を含むマウス、ヒト化、ヒト、キメラ、及び操作された抗体も含む。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖可変領域を含む。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖可変領域及び本明細書に記載の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3、並びに本明細書に記載の軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、及び0311より選択される抗体の重鎖可変領域を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体はまた、ヒト化抗体huAb1からhuAb16より選択される抗体の重鎖可変領域を含む抗体を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択される配列を含む重鎖可変領域を含む抗体を含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、及び311より選択される抗体の軽鎖可変領域を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体はまた、ヒト化抗体huAb1からhuAb16より選択される抗体の軽鎖可変領域を含む抗体を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体は、配列番号10、12、14、及び46から52より選択される配列を含む軽鎖可変領域を含む抗体を含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、及び0311より選択される抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体はまた、ヒト化抗体huAb1からhuAb16より選択される抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む抗体を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体は、重鎖及び軽鎖可変領域の次の対、すなわち配列番号9と10;配列番号11と12;及び配列番号13と14;配列番号39と40;配列番号41と42;配列番号43と44;配列番号45と46;配列番号47と48;配列番号49と50;及び配列番号51と52を含む抗体を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体はまた、重鎖及び軽鎖の次の対、すなわち配列番号33と34;配列番号35と36;及び配列番号37と38を含む抗体も含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、Fab 0301、0302、及び0311より選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体は、配列番号15、16、及び17;配列番号21、22、及び23;並びに配列番号27、28、及び29より選択される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含む抗体を含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、Fab 0301、0302、及び0311より選択される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。非限定的な例示的抗CSF1R抗体は、配列番号18、19、及び20;配列番号24、25、及び26;並びに配列番号30、31、及び32より選択される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含む抗体を含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、及び0311より選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3並びに軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
非限定的な例示的抗CSF1R抗体は、上の表1に示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のセット、並びに軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含む抗体を含む。
さらなる例示的な抗体
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み、この場合抗体はCSF1Rに結合する。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、配列番号10、12、14、及び46から52より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、この場合抗体はCSF1Rに結合する。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み;また配列番号10、12、14、及び46から52より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、この場合抗体はCSF1Rに結合する。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載のCDRの少なくとも一を含む。すなわち、いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖CDR1、本明細書に記載の重鎖CDR2、本明細書に記載の重鎖CDR3、本明細書に記載の軽鎖CDR1、本明細書に記載の軽鎖CDR2、及び本明細書に記載の軽鎖CDR3を含む。さらに、いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載のCDRに基づく少なくとも一の突然変異CDRを含み、この突然変異CDRは、本明細書に記載のCDRに対して1、2、3又は4のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施態様では、アミノ酸置換の一又は複数は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して一又は複数の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、ここで適切な保存的アミノ酸置換は、突然変異CDRを含む抗体の結合特性を有意に変化させるとは予測されない。
例示的な抗CSF1R抗体はまた、CSF1Rへの結合について本明細書に記載の抗体と競合する抗体も含む。したがって、いくつかの実施態様では、CSF1Rへの結合についてFab0301、0302、及び0311より選択される抗体並びにこれらのFabの二価(すなわち二つの重鎖と二つの軽鎖を有する)抗体バージョンと競合する抗CSF1R抗体が提供される。
例示的な抗体定常領域
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の抗体は、一又は複数のヒト定常領域を含む。いくつかの実施態様では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、及びIgDより選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施態様では、ヒト軽鎖定常領域は、κ及びλより選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。そのようないくつかの実施態様では、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG4定常領域にS241P突然変異を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG定常領域及びヒトκ軽鎖を含む。
上記のように、エフェクター機能が望ましいかどうかは、抗体を被験者とした特定の治療方法に依存し得る。したがって、いくつかの実施態様において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域又はヒトIgG3重鎖定常領域を含む抗CSF1R抗体が選択される。いくつかの実施態様において、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4又はIgG2重鎖定常領域を含む抗CSF1R抗体が選択される。
例示的な抗CSF1R重鎖可変領域
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体重鎖可変領域が提供される。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、マウス可変領域、ヒト可変領域又はヒト化可変領域である。
抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、重鎖CDR1、FR2、CDR2、FR3、及びCDR3を含む。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、重鎖FR1及び/又はFR4をさらに含む。非限定的な例示的重鎖可変領域は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含むが、これに限定されない。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、配列番号15、21、及び27より選択される配列を含むCDR1を含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、配列番号16、22、及び28より選択される配列を含むCDR2を含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、配列番号17、23、及び29より選択される配列を含むCDR3を含む。
非限定的な例示的重鎖可変領域は、配列番号15、16、及び17;配列番号21、22、及び23;並びに配列番号27、28、及び29より選択されるCDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含む重鎖可変領域を含むが、これに限定されない。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体重鎖は、配列番号9、11、13、及び39から45より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含み、この場合重鎖は、軽鎖と共に、CSF1Rに結合する抗体を形成することができる。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体重鎖は、本明細書に記載のCDRの少なくとも一を含む。すなわち、いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体重鎖は、本明細書に記載の重鎖CDR1、本明細書に記載の重鎖CDR2、及び本明細書に記載の重鎖CDR3より選択される少なくとも一のCDRを含む。さらに、いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体重鎖は、本明細書に記載のCDRに基づく少なくとも一の突然変異CDRを含み、この突然変異CDRは、本明細書に記載のCDRに対して1、2、3又は4のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施態様では、アミノ酸置換の一又は複数は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して一又は複数の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、ここで適切な保存的アミノ酸置換は、突然変異CDRを含む重鎖の結合特性を有意に変化させるとは予測されない。
いくつかの実施態様では、重鎖は、重鎖定常領域を含む。いくつかの実施態様では、重鎖は、ヒト重鎖定常領域を含む。いくつかの実施態様では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、及びIgDより選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施態様では、ヒト重鎖定常領域は、IgG定常領域である。いくつかの実施態様では、重鎖は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかのそのような実施態様では、ヒトIgG4重鎖定常領域は、S241P突然変異を含む。
いくつかの実施態様では、エフェクター機能が望ましい場合、重鎖はヒトIgG1又はIgG3重鎖定常領域を含む。いくつかの実施態様では、エフェクター機能が比較的望ましくない場合、重鎖はヒトIgG4又はIgG2重鎖定常領域を含む。
例示的な抗CSF1R軽鎖可変領域
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域が提供される。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、マウス可変領域、ヒト可変領域又はヒト化可変領域である。
抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、軽鎖CDR1、FR2、CDR2、FR3、及びCDR3を含む。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、軽鎖FR1及び/又はFR4をさらに含む。非限定的な例示的軽鎖可変領域は、配列番号10、12、14、及び46から52より選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、配列番号18、24、及び30より選択される配列を含むCDR1を含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、配列番号19、25、及び31より選択される配列を含むCDR2を含む。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、配列番号20、26、及び32より選択される配列を含むCDR3を含む。
非限定的な例示的軽鎖可変領域は、配列番号18、19、及び20;配列番号24、25、及び26;並びに配列番号30、31、及び32より選択されるCDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含む軽鎖可変領域を含むが、これに限定されない。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体軽鎖は、配列番号10、12、14、及び46から52より選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一である可変領域配列を含み、この場合軽鎖は、重鎖と共に、CSF1Rに結合する抗体を形成することができる。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体軽鎖は、本明細書に記載のCDRの少なくとも一を含む。すなわち、いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体軽鎖は、本明細書に記載の軽鎖CDR1、本明細書に記載の軽鎖CDR2、及び本明細書に記載の軽鎖CDR3より選択される少なくとも一のCDRを含む。さらに、いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体軽鎖は、本明細書に記載のCDRに基づく少なくとも一の突然変異CDRを含み、この突然変異CDRは、本明細書に記載のCDRに対して1、2、3又は4のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施態様では、アミノ酸置換の一又は複数は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して一又は複数の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、ここで適切な保存的アミノ酸置換は、突然変異CDRを含む軽鎖の結合特性を有意に変化させるとは予測されない。
いくつかの実施態様では、軽鎖は、ヒト軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施態様では、ヒト軽鎖定常領域は、ヒトκ及びヒトλ軽鎖定常領域より選択される。
例示的なさらなるCSF1R結合分子
いくつかの実施態様では、CSF1Rに結合するさらなる分子が提供される。そのような分子は、限定されないが、例えば抗calin、アドネクチン、アンキリンリピート等の非標準的足場を含む。例として、Hosseら Prot. Sci. 15:14 (2006); Fiedler, M. 及びSkerra, A., 「Non-Antibody Scaffolds」 467-499頁, Handbook of Therapeutic Antibodies, Dubel, S.編., Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2007を参照のこと。
抗CSF1R抗体の例示的な特性
いくつかの実施態様では、上記の構造を有する抗体は、1nM未満の結合親和性(K)でCSF1Rに結合し、CSF1R及び/又はIL−34のCSF1Rへの結合をブロックし、かつCSF1R及び/又はIL−34により誘発されるリン酸化を阻害する。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、CSF1R(CSF1R−ECD)の細胞外ドメインに結合する。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、1nM未満、0.5nM未満、0.1nM未満又は0.05nM未満のCSF1Rに対する結合親和性(K)を有する。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、0.01から1nMの間、0.01から0.5nMの間、0.01から0.1nMの間、0.01から0.05nMの間又は0.02から0.05nMの間Kを有する。
いくつかの実施態様において、抗CSF1R抗体は、CSF1Rに結合するリガンドをブロックする。いくつかの実施態様において、抗CSF1R抗体は、CSF1のCSF1Rへの結合をブロックする。いくつかの実施態様において、抗CSF1R抗体は、IL−34のCSF1Rへの結合をブロックする。いくつかの実施態様において、抗CSF1R抗体は、CSF1及びIL−34双方のCSF1Rへの結合をブロックする。いくつかの実施態様では、リガンド結合をブロックする抗体は、CSF1Rの細胞外ドメインに結合する。抗体は、実施例7に記載のアッセイを用いて、CSF1Rへのリガンドの検出可能な結合量を少なくとも50%減少させる場合、「CSF1Rへのリガンド結合をブロックする」と考えられる。いくつかの実施態様では、抗体は、実施例7に記載のアッセイを用いて、CSF1Rへのリガンドの検出可能な結合量を少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%減少させる。いくつかのそのような実施態様では、抗体は、リガンド結合を少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%等ブロックすると言われている。
いくつかの実施態様において、抗CSF1R抗体は、リガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化を阻害する。いくつかの実施態様において、抗CSF1R抗体は、CSF1誘導性のCSF1Rのリン酸化を阻害する。いくつかの実施態様において、抗CSF1R抗体は、IL−34誘導性のCSF1Rのリン酸化を阻害する。いくつかの実施態様において、抗CSF1R抗体は、CSF1誘導性及びIL−34誘導性のCSF1Rのリン酸化の両方を阻害する。抗体は、実施例6に記載のアッセイを用いて、リガンド誘導性のCSF1Rリン酸化の検出可能な量を少なくとも50%減少させる場合、「リガンド誘導性のCSF1Rリン酸化を阻害する」と考えられる。いくつかの実施態様では、抗体は、実施例6に記載のアッセイを用いて、リガンド誘導性のCSF1Rリン酸化の検出可能な量を少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%減少させる。いくつかのそのような実施態様では、抗体は、リガンド誘導性のCSF1Rリン酸化を少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%等阻害すると言われている。
いくつかの実施態様において、抗体は、CSF1及び/又はIL−34の存在下での単球増殖及び/又は生存応答を阻害する。抗体は、実施例10に記載のアッセイを用いて、CSF1及び/又はIL−34の存在下での単球増殖及び/又は生存応答の量を少なくとも50%減少させる場合、「単球増殖及び/又は生存応答を阻害する」と考えられる。いくつかの実施態様では、抗体は、実施例10に記載のアッセイを用いて、CSF1及び/又はIL−34の存在下での単球増殖及び/又は生存応答の量を少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%減少させる。このようないくつかの実施態様では、抗体は、単球増殖及び/又は生存応答を少なくとも少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%等阻害すると言われている。
例示的な抗体コンジュゲート
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、標識及び/又は細胞傷害性剤にコンジュゲートされる。本明細書で使用される場合、標識は、抗体の検出を容易にし、かつ/又は抗体が結合する分子の検出を容易にする部分である。非限定的な例示的標識は、放射性同位体、蛍光団、酵素団、化学発光団、ビオチン、エピトープタグ、金属結合タグ等を含むが、これらに限定されない。当業者は、意図する用途に応じて適切な標識を選択することができる。
本明細書で使用される場合、細胞傷害性剤は、一又は複数の細胞の増殖能を低下させる部分である。例えば、細胞がアポトーシスを受けるか又は他の方法で死に至る、細胞が細胞周期を経て進行しない、かつ/又は***しない、細胞が分化する等の理由で細胞が増殖しにくくなると、細胞は増殖能力を低下させる。例示的な細胞傷害性剤は、放射性同位体、毒素、及び化学療法剤を含むが、これらに限定されない。当業者は、意図する用途に応じて適切な細胞傷害性を選択することができる。
いくつかの実施態様では、標識及び/又は細胞傷害性剤は、化学的方法を用いてインビトロで抗体にコンジュゲートしている。コンジュゲーションの非限定的な例示的化学的方法は、当該技術分野で知られており、Thermo Scientific Life Science Research Produces(イリノイ州ロックフォード;前社名Pierce)、Prozyme(カリフォルニア州ヘイワード)、SACRI Antibody Services(カナダ、カルガリー)、AbD Serotec(ノースカロライナ州ローリー)等から市販されているサービス、方法、及び/又は試薬を含む。いくつかの実施態様では、標識及び/又は細胞傷害剤がポリペプチドである場合、標識及び/又は細胞傷害剤は、少なくとも一の抗体鎖を有する同じ発現ベクターから発現され、抗体鎖に融合する標識及び/又は細胞傷害性剤を含むポリペプチドを生成し得る。当業者であれば意図とする用途に応じて、標識抗体及び/又は細胞傷害性剤を抗体にコンジュゲートさせるための適切な方法を選択することができる。
例示的なリーダー配列
いくつかの分泌タンパク質が大量に発現及び分泌するためには、異種タンパク質由来のリーダー配列が望ましい可能性がある。いくつかの実施態様では、リーダー配列は、軽鎖及び重鎖リーダー配列である配列番号3及び4からそれぞれ選択される。いくつかの実施態様では、異種リーダー配列を用いることは、リーダー配列が分泌プロセスの際にERにおいて除去されることから、結果として生じる成熟ポリペプチドが変化しないままであり得るという点で有利であり得る。異種のリーダー配列の付加は、いくつかのタンパク質を発現及び分泌するために必要とされ得る。
特定の例示的なリーダー配列は、例えばシンガポール国立大学の生化学部によって維持されているオンラインリーダー配列データベースに記載されている。Choo et al., BMC Bioinformatics, 6: 249 (2005);及び国際公開第2006/081430号を参照のこと。
抗CSF1R抗体をコードする核酸分子
抗CSF1R抗体の一又は複数の鎖をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子が提供される。いくつかの実施態様では、核酸分子は、抗CSF1R抗体の重鎖又は軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様では、核酸分子は、抗CSF1R抗体の重鎖をコードするポリヌクレオチド及び軽鎖をコードするポリヌクレオチドの両方を含む。いくつかの実施態様では、第一の核酸分子は、重鎖をコードする第一のポリヌクレオチドを含み、第二の核酸分子は、軽鎖をコードする第二のポリヌクレオチドを含む。
そのようないくつかの実施態様において、重鎖及び軽鎖は、二の別個のポリペプチドとして、一の核酸分子から、又は二の別個の核酸分子から発現される。抗体がscFvである場合などのいくつかの実施態様では、単一のポリヌクレオチドは、連結された重鎖及び軽鎖の両方を含む単一のポリペプチドをコードする。
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体の重鎖又は軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、翻訳されると重鎖又は軽鎖のN末端に位置するリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を含む。上述のように、リーダー配列は、天然の重鎖又は軽鎖リーダー配列であってもよく、あるいは別の異種リーダー配列であってもよい。
核酸分子は、当技術分野で一般的な組換えDNA技術を用いて構築することができる。いくつかの実施態様では、核酸分子は、選択された宿主細胞における発現に適した発現ベクターである。
抗CSF1R抗体の発現及び産生
ベクター
抗CSF1R重鎖及び/又は抗CSF1R軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。また、抗CSF1R重鎖及び/又は抗CSF1R軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。そのようなベクターは、限定されないが、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクター等を含む。いくつかの実施態様では、ベクターは、重鎖をコードする第一のポリヌクレオチド配列及び軽鎖をコードする第二のポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施態様では、重鎖及び軽鎖は、二の別個のポリペプチドとしてベクターから発現される。いくつかの実施態様では、重鎖及び軽鎖は、例えば抗体がscFvである場合などに、単一のポリペプチドの一部として発現される。
いくつかの実施態様では、第一のベクターは、重鎖をコードするポリヌクレオチドを含み、第二のベクターは、軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様では、第一のベクター及び第二のベクターは、同様の量(同様のモル量又は同様の質量量など)で宿主細胞にトランスフェクトされる。いくつかの実施態様では、モル比又は質量比5:1から1:5の間の第一のベクターと第二のベクターが宿主細胞にトランスフェクトされる。いくつかの実施態様では、質量比1:1から1:5の間の重鎖をコードするベクターと軽鎖をコードするベクターが使用される。いくつかの実施態様では、質量比1:2の重鎖をコードするベクターと軽鎖をコードするベクターが使用される。
いくつかの実施態様では、CHO若しくはCHO由来細胞又はNS0細胞におけるポリペプチドの発現が最適化されているベクターが選択される。例示的なそのようなベクターは、例えばRunning Deer et al., Biotechnol. Prog. 20:880-889 (2004)に記載されている。
いくつかの実施態様では、ヒトを含む動物における抗CSF1R重鎖及び/又は抗CSF1R軽鎖のインビボ発現のためにベクターが選択される。いくつかのそのような実施態様では、ポリペプチドの発現は、組織特異的に機能するプロモーターの制御下にある。例えば、肝臓特異的プロモーターは、例えば国際公開第2006/076288号に記載されている。
宿主細胞
様々な実施態様において、抗CSF1R重鎖及び/又は抗CSF1R軽鎖は、細菌細胞などの原核細胞においてか、又は真菌細胞(例えば酵母)、植物細胞、昆虫細胞、及び哺乳細胞等の真核細胞において発現され得る。そのような発現は、例えば当技術分野で既知の手順に従って実施することができる。ポリペプチドを発現させるために使用され得る例示的な真核細胞は、限定されないが、COS細胞(COS7細胞を含む);293細胞(293−6E細胞を含む);CHO細胞(CHO−S及びDG44細胞を含む);PER.C6(登録商標)細胞(Crucell);及びNS0細胞を含む。いくつかの実施態様では、抗CSF1R重鎖及び/又は抗CSF1R軽鎖は、酵母において発現され得る。例として、米国特許出願公開第2006/0270045号を参照されたい。いくつかの実施態様では、特定の真核宿主細胞は、抗CSF1R重鎖及び/または抗CSF1R軽鎖に対する所望の翻訳後修飾を行う能力に基づいて選択される。いくつかの実施態様では、例えばCHO細胞は、293細胞において生成された同じポリペプチドよりも高いレベルのシアリル化を有するポリペプチドを生成する。
所望の宿主細胞への一又は複数の核酸の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染等を含むがこれらに限定されない任意の方法によって達成され得る。非限定的な例示的方法は、例えばSambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第3版. Cold Spring Harbor Laboratory Press (2001)に記載されている。核酸は、任意の適切な方法に従って、所望の宿主細胞において一過性に又は安定にトランスフェクトされ得る。
いくつかの実施態様では、任意の適切な方法に従って、ポリペプチドをコードする一又は複数の核酸分子で操作又はトランスフェクトされた動物において、一又は複数のポリペプチドをインビボで生成することができる。
抗CSF1R抗体の精製
抗CSF1R抗体は、任意の適切な方法によって精製することができる。そのような方法は、限定されないが、親和性マトリックス又は疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用を含む。適切な親和性リガンドは、CSF1R ECD及び抗体定常領域に結合するリガンドを含む。例えば、プロテインA、プロテインG、プロテインA/G又は抗体アフィニティーカラムを使用して、定常領域に結合し、抗CSF1R抗体を精製することができる。疎水性相互作用クロマトグラフィー、例えばブチル又はフェニルカラムも、いくつかのポリペプチドを精製するのに適している。ポリペプチドを精製する多くの方法が、当該分野で知られている。
抗CSF1R抗体の無細胞産生
いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、無細胞系において産生される。非限定的な例示的な無細胞系は、例えばSitaraman et al., Methods Mol. Biol. 498: 229-44 (2009); Spirin, Trends Biotechnol. 22: 538-45 (2004); Endo et al., Biotechnol. Adv. 21: 695-713 (2003)に記載されている。
治療用組成物及び方法
抗CSF1R抗体を用いた疾患の治療方法
本明細書では、CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする抗体でCD16+障害を治療する方法が提供される。本明細書では、CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする抗体で関節リウマチを治療する方法が提供される。
いくつかの実施態様では、CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする抗体、例えばhuAb1からhuAb16より選択される抗体を関節リウマチを有する被験者に投与することを含む、関節リウマチを治療する方法が提供される。いくつかの実施態様では、抗体huAb1を関節リウマチを有する被験者に投与することを含む、関節リウマチを治療する方法が提供される。いくつかの実施態様では、方法は、抗体の少なくとも1用量を投与することを含み、ここで用量は0.2mg/kgから10mg/kgの間、例えば1mg/kgから10mg/kg又は3mg/kgから10mg/kgの間である。いくつかの実施態様では、抗体は、約2週間で1mg/kgの単回投与した後、約6週間後に3mg/kgで単回投与した後、及び約12週間後に10mg/kgで単回投与した後に血清から除去される。huAb1の単回用量を投与されたヒトの血清からのクリアランスは、同じ用量を投与されたカニクイザルの血清からのクリアランスよりも有意にかつ予想外に遅かった。いくつかの実施態様では、遅いクリアランス速度は、抗体の低頻度の投与を可能にする。いくつかの実施態様では、抗体は、2週間に1回又はそれより少ない頻度で投与され得る。例えば、いくつかの実施態様では、抗体は、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、1ヶ月に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回又は年に4回投与され得る。
いくつかの実施態様では、ヒト被験者への投与後のhuAb1の半減期は、2日を超える。いくつかの実施態様では、ヒト被験者への投与後のhuAb1の半減期は、4日を超える。いくつかの実施態様では、ヒト被験者への投与後のhuAb1の半減期は、15日を超える。いくつかの実施態様では、約1.0mg/kg用量のhuAb1のヒト被験者への投与後の半減期は、2日を超える。いくつかの実施態様では、約3.0mg/kg用量のhuAb1のヒト被験者への投与後の半減期は、4日を超える。いくつかの実施態様では、約10mg/kg用量のhuAb1のヒト被験者への投与後の半減期は、15日を超える。いくつかの実施態様では、約10mg/kg用量のhuAb1のヒト被験者への投与後の半減期は、18日を超える。いくつかの実施態様では、1mg/kgから10mg/kgの間の用量のhuAb1のヒト被験者への投与後の半減期は、2日から25日の間である。いくつかの実施態様では、3mg/kgから10mg/kgの間の用量のhuAb1のヒト被験者への投与後の半減期は、4日から25日の間である。
いくつかの実施態様では、CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする抗体、例えばhuAb1からhuAb16より選択される抗体をCD16+単球の増加を有する被験者に投与することを含む、CD16+単球数を減少させる方法が提供される。いくつかの実施態様では、被験者は関節リウマチを有する。いくつかの実施態様では、CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする抗体を投与することが、CD16−単球の数を減少させない。いくつかの実施態様では、CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする抗体が被験者に投与される場合、CD16+単球の数が、CD16−単球の数よりも大幅に減少する。いくつかの実施態様では、CD16+単球の数は、少なくとも1用量のhuAb1などの抗体の投与後、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%減少する。いくつかの実施態様では、CD16−単球の数は、30%未満、20%未満又は10%未満減少する。いくつかの実施態様では、CD16+単球の数の減少は、1用量の抗体の投与後少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間又は少なくとも8週間持続する。いくつかの実施態様では、CD16+単球は、CD16+末梢血単球である。いくつかの実施態様では、CD16−単球は、CD16−末梢血単球である。
いくつかの実施態様では、CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする抗体、例えばhuAb1からhuAb16より選択される抗体を関節リウマチを有する被験者に投与することを含む、関節リウマチに伴う骨吸収を治療する方法が提供される。いくつかの実施態様では、抗体huAb1を関節リウマチを有する被験者に投与することを含む、関節リウマチも伴う骨吸収を減少させる方法が提供される。いくつかの実施態様では、骨吸収を減少させることは、関節リウマチに冒された関節における破骨細胞の数を減少させることを含む。
いくつかの実施態様では、被験者からの血漿中のCTx及び/又はTRAP5bのレベルを決定することによって骨吸収を決定することができ、この場合CTx及び/又はTRAP5bのレベルの上昇は被験者における骨吸収の増加を示す。したがって、いくつかの実施態様では、CTx及び/又はTRAP5bのレベルの低下は、骨吸収の減少を示す。CTx及び/又はTRAP5bレベルは、特定の場合、骨損失を減少させる治療の有効性をモニターするために、CSF1Rに結合する抗体での治療の前後に決定されてもよく、及び/又は治療の経過を通じて定期的に決定されてもよい。CTx及び/又はTRAP5bレベルは、限定されないが、ELISA(FAICEAすなわちフラグメント吸収免疫捕捉酵素アッセイを含む;例えばスイスはジサッハのTECOmedical Group,Quidel(登録商標)TRAP5bアッセイを参照されたい)を含めた当該技術分野における任意の方法を使用して決定することができる。いくつかの実施態様では、CSF1Rに結合し、CSF1及びIL−34リガンド結合をブロックする、huAb1などの抗体の投与は、例えばCTx及び/又はTRAP5bなど、骨吸収の少なくとも一のマーカーを減少させる。いくつかの実施態様では、骨吸収のマーカーである血清レベルは、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%又は少なくとも75%減少する。いくつかの実施態様では、骨吸収のマーカーである血清レベルの低下は、1用量の抗体の投与後少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間又は少なくとも8週間持続する。
投与経路及び担体
様々な実施態様において、抗CSF1R抗体は、限定されないが、経口、動脈内、非経口、鼻腔内、筋肉内、心臓内、脳室内、気管内、舌下、直腸、腹腔内、皮内、局所、経皮、及び髄腔内を含む種々の経路により、又は移植若しくは吸入によりインビボ投与することができる。本発明の主題の組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、液剤、坐剤、浣腸剤、注射剤、吸入剤、及びエアロゾルを含むがこれらに限定されない固体、半固体、液体又は気体の形態の調製物に製剤化することができる。抗CSF1R抗体をコードする核酸分子を金微粒子上にコーティングし、文献に記載されているように粒子衝撃装置又は「遺伝子銃」によって皮内送達することができる(例えば、Tang et al., Nature356:152-154 (1992)を参照)。適切な製剤及び投与経路は、意図する用途に応じて選択することができる。
様々な実施態様において、抗CSF1R抗体を含む組成物は、種々の薬学的に許容される担体を含む製剤で提供される(例えば、Gennaro, Remington: The Science and Practice of Pharmacy with Facts and Comparisons: Drugfacts Plus, 20th ed. (2003); Ansel et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 第7版, Lippencott Williams and Wilkins (2004); Kibbe et al., Handbook of Pharmaceutical Excipients,第3版., Pharmaceutical Press (2000)参照)。ビヒクル、アジュバント、及び希釈剤を含む種々の薬学的に許容される担体が利用可能である。さらに、種々の薬学的に許容される補助剤、例えばpH調整剤及び緩衝剤、等張化剤、安定化剤、湿潤剤等も利用可能である。非限定的な例示的担体は、生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、及びそれらの組み合わせを含む。
様々な実施態様において、抗CSF1R抗体を含む組成物は、水性又は非水性溶媒、例えば植物油若しくは他の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪族酸のエステル又はプロピレングリコール中に;また所望であれば、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤、及び防腐剤等の通常の添加剤とともに、溶解、懸濁又は乳化することにより皮下投与を含む注射用に製剤化することができる。様々な実施態様において、組成物は、例えばジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素等の加圧された許容可能な噴射剤を使用して、吸入用に製剤化されてもよい。組成物はまた、様々な実施態様において、生分解性又は非生分解性ポリマーなどを用いた徐放性マイクロカプセルに製剤化することもできる。非限定的な例示的生分解性製剤は、ポリ乳酸−グリコール酸ポリマーを含む。非限定的な例示的非生分解性製剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含む。そのような製剤を製造する特定の方法は、例えば欧州特許出願公開第1125584号に記載されている。
1又は複数用量の抗CSF1R抗体をそれぞれ収容する一又は複数の容器を含む医薬パック及びキットも提供される。いくつかの実施態様では、一又は複数のさらなる薬剤を含むか又は含まない、抗CSF1R抗体を含む組成物の所定量を含有する単位用量が提供される。いくつかの実施態様では、そのような単位用量は、注射用の使い捨てのプレフィルドシリンジで供給される。様々な実施態様において、単位用量に含有される組成物は、生理食塩水、スクロース等;リン酸塩などの緩衝液を含んでもよく、かつ/又は安定で有効なpH範囲内で製剤化され得る。あるいは、いくつかの実施態様では、組成物は、適切な液体(例えば滅菌水)の添加時に再構成され得る凍結乾燥粉末として提供され得る。いくつかの実施態様では、組成物は、スクロース及びアルギニンを含むがこれらに限定されないタンパク質凝集を阻害する一又は複数の物質を含む。いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、ヘパリン及び/又はプロテオグリカンを含む。
薬学的組成物は、特定の適応症の治療又は予防に有効な量で投与される。治療有効量は、典型的には、治療される被験者の体重、被験者の身体若しくは健康状態、治療される状態の広範さ、又は治療される被験者の年齢に依存する。一般に、抗CSF1R抗体は、約10μg/kg体重から約100mg/kg体重/用量の範囲の量で投与され得る。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、約50μg/kg体重から約5mg/kg体重/用量の範囲の量で投与され得る。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、約100μg/kg体重から約10mg/kg体重/用量の範囲の量で投与され得る。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、約100μg/kg体重から約20mg/kg体重/用量の範囲の量で投与され得る。いくつかの実施態様では、抗CSF1R抗体は、約0.5mg/kg体重から約20mg/kg体重/用量の範囲の量で投与され得る。
抗CSF1R抗体組成物は、必要に応じて被験者に投与することができる。投与頻度の決定は、治療される状態の考慮事項、治療される被験者の年齢、治療される状態の重篤度、治療される被験者の全般的な健康状態等に基づいて主治医などの当業者によってなされ得る。いくつかの実施態様では、有効用量の抗CSF1R抗体が、1回以上被験者に投与される。様々な実施態様において、有効用量の抗CSF1R抗体が、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、1ヶ月に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、年に4回又はそれ以下の頻度で被験者に投与される。有効用量の抗CSF1R抗体は、少なくとも1回被験者に投与される。いくつかの実施態様では、有効用量の抗CSF1R抗体は、少なくとも1ヶ月、少なくとも6ヶ月又は少なくとも1年の期間を含めて、複数回投与され得る。
併用療法
抗CSF1R抗体は、単独又は他の治療法との併用で投与され得る。抗CSF1R抗体は、例えば手術、化学療法、放射線療法又は別の治療用抗体などの生物学的製剤の投与といった他の治療法の前に、実質的に同時に又は後に提供され得る。関節リウマチの治療のために、抗CSF1R抗体は、他の治療剤、例えばメトトレキサート、レミケード(インフリキシマブ)、ヒュミラ(アダリムマブ)、シンポニー(ゴリムバム)、及びエンブレル(エタネルセプト)などの抗TNF薬剤;プレドニゾンなどのグルココルチコイド;レフルノミド;アゾチオプリン;CP590690などのJAK阻害剤;R788などのSYK阻害剤;抗IL−6抗体;トシリズマブなどの抗IL−6R抗体;リツキシマブなどの抗CD−20抗体;抗CD19抗体;抗GM−CSF抗体;抗GM−CSF−R抗体;アナキンラなどのIL−1受容体アンタゴニスト;アバタセプトなどのCTLA−4アンタゴニスト;シクロスポリンなどの免疫抑制剤とともに投与されてもよい。
以下に記載の実施例は、単に本発明の例示であることが意図されており、決して本発明を限定するものと考えられるべきではない。実施例は、以下の実験が実施された実験のすべて又は唯一の実験であることを表すのを意図するものではない。使用される数値(例えば量、温度など)に関して正確さを保つための努力がなされているが、いくらかの実験誤差及び偏差は斟酌されるべきである。特に記載のない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧又はそれに近い。
実施例1: ヒト化抗CSF1R抗体
種々のヒト化抗CSF1R抗体が以前に開発された。例として、国際公開第2011/140249号を参照されたい。
親キメラ抗体可変領域の配列及びヒトアクセプター可変フレームワーク領域の配列と整列させたヒト化重鎖可変領域及びヒト化軽鎖可変領域のそれぞれの配列を図1(重鎖)及び2(軽鎖)に示す。ヒトアクセプター可変フレームワーク領域配列と比較したヒト化可変領域配列の変化を四角で囲んでいる。各可変領域の各CDRは、四角で囲まれた領域に示され、四角で囲まれた配列の上に「CDR」と表示されている。
下記の表6は、抗体huAb1からhuAb16のヒト化重鎖及びヒト化軽鎖の完全な配列を示す。これらの各抗体のヒト化重鎖及びヒト化軽鎖の名称及び配列番号を表3に示す。
Figure 2017520562
前述のように、16のヒト化抗体を、ヒト、カニクイザル、及びマウスCSF1R ECDへの結合について試験した。例として、国際公開第2011/140249号を参照されたい。抗体は、ヒト及びカニクイザルCSF1R ECDの両方に結合するが、マウスCSF1R ECDには結合しないことが見出された。ヒト化抗体はまた、ヒト及びマウスCSF1Rの両方に対するCSF1及びIL−34の結合をブロックすること、及びCHO細胞中で発現されるヒトCSF1RのCSF1誘導性及びIL−34誘導性リン酸化を阻害することも見出された。例として、国際公開第2011/140249号を参照されたい。
ヒトCSF1R ECDへの結合に対するk、k、及びKは、先に決定され、表4に示されている。例として、国際公開第2011/140249号を参照されたい。
Figure 2017520562
実施例2: カニクイザル及びヒトにおけるHuAb1の薬物動態
huAb1の薬物動態(PK)は、カニクイザルでの3の静脈内(IV)試験で調査されている。試験した用量範囲は、単回投与後3〜150mg/kg、及び反復投与後3〜150mg/kgであった。注入液の持続時間は30分であった。反復投与試験における投薬間隔は1週間に1回であり、各動物は合計4回の投薬を受けた。
カニクイザルにおけるhuAb1の1回の30分間静脈内注入後のPKプロファイルは、急速な分布、続いて、標的介在のクリアランスと一致して、血漿からのhuAb1の枯渇が加速して終わった比較的遅い終末過程によって特徴付けられた。
急速な減少は、標的介在性のクリアランスに加えて、抗huAb1抗体に一部起因し得る。しかしながら、ADA応答を開始する能力がないSCIDマウスにおける類似のキメラ抗CSF1R抗体の単回用量投与は、同様のプロファイルを示した。観察された最大血漿中濃度(Cmax)は、低用量群については注入終了時、150mg/kg投与群については注入終了の0.5〜1時間後のものである。加速される終末低下前の半減期(t1/2)は、1〜12日の範囲であった。Cmax及びAUCは、用量の増加に伴って増加し、Cmaxは試験したすべての用量レベルで用量に比例して増加した。AUCの増加は、3mg/kgから10mg/kgと釣り合った用量よりも大きく、10mg/kgから150mg/kgと釣り合った用量であった。
huAb1又はプラセボを、20mMのL−ヒスチジン、142mMのL−アルギニン、及び0.01%のポリソルベート20を含有するpH6.3の緩衝液中に20mg/mlの濃度で調製した。成人の健常ボランティアの被験者を各用量コホートに対してランダム化した(コホート当たり被験者8名、6名が薬物を受け、2名がプラセボを受けた)。用量コホートは、0.2mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、及び10mg/kgのhuAb1又はプラセボの単回用量であった。HuAb1又はプラセボをIV注入により30分かけて投与し、観察期間がそれに続いた。試験薬物投与後、被験者を72時間拘束して評価を行い、アルコール制限及び激しい運動に関するプロトコル固有のガイダンスの遵守を確実にした。
注入の開始はゼロ時間とみなされた。注入の開始に対する以下の時点でのhuAb1の血清濃度を決定するために血液試料を採取した。
t=0時間(h)(投与前60分まで収集することができる)
t=25(注入の開始から25分後)、t=30分(注入の終了)
t=35分(注入開始から35分、注入終了から5分に相当)
t=45(注入開始から45分、注入終了から15分に相当)
t=60(注入開始から60分、注入終了から30分に相当)
その後、採取は、注入の開始に対して2時間、4時間、8時間、24時間、36時間、48時間、及び72時間で、次いで試験8、15、22、29、57、及び85日目に行った。
被験者におけるhuAb1の平均血清濃度は、以下のようにELISAにより決定された。試料をアッセイ希釈剤(1%ウシγグロブリン、0.3M NaCl、及び0.05%Tween20を含有するPBS)中に最小限の1:30に希釈した。ヒトCSF1R−Fc(ヒトIgG1 Fcに対するヒトCSF1受容体細胞外ドメインの融合タンパク質)をELISAプレート上にコーティングした。凍結血清試料由来のHuAb1をプレート上に捕捉し、標準的な方法を用い、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲートマウス抗ヒトIgG4抗体を用いて検出した。その分析結果を図3に示す。図3Aは、週単位の血清huAb1対時間のログプロットを示す。図3Bは、同じデータの線形プロットを示す。これらのデータは、huAb1が13週後に10mg/kgコホートの被験者から排出されることを示唆している。非線形PKプロファイルは、標的介在性のクリアランスと一致する。表5は、各用量におけるhuAb1の計算されたクリアランス(CL)及び半減期を示す。値は、6名の被験者における平均±標準偏差である。
Figure 2017520562
ヒトにおいて観察された薬物動態は、カニクイザルにおいて観察された薬物動態とは実質的かつ予想外に異なっていた。図4に示すように、ヒトにおけるhuAb1のクリアランスは、カニクイザルのクリアランスよりもはるかに低かった。
実施例3: huAb1は、骨吸収のCTx及びTRAP5bマーカーを抑制する。
huAb1の投与は、CSF1RリガンドであるCSF1及びIL−34を劇的に増加させることが示されている。その増加を利用して、市販のELISA(ミネソタ州ミネアポリスのR&D Systems)を使用して被験者由来の血清中のCSF1及び/又はIL−34のレベルを決定することにより、盲検試料をhuAb1コホートである可能性が高いコホート及びプラセボコホートである可能性が高いコホートに分類した。図9を参照。試料を可能性の高いコホートに分割した後、血清CTxを測定して、huAb1がこの骨吸収のマーカーを抑制するのに有効かどうかを決定した。血清CTxも、市販のELISA(IDS Serum CrossLaps ELISA)を用いて測定した。血清試料は、前もって凍結させた。
その実験の結果を図5に示す。CSF1の低い被験者であり、したがってプラセボコホートの可能性が高い図5Aにおいて、表示の3用量での血清CTxレベルは実質的に変化しない(図中のn=2はコホート当たり2名の被験者が存在することを意味する)。CSF1の高い被験者であり、したがってhuAb1コホートの可能性が高い図5Bにおいて、血清CTレベルが用量依存的に抑制された。これは、huAb1が骨吸収を抑制し得ることを示唆する(図中のn=6は、コホート当たり6名の被験者が存在することを意味する)。
huAb1が骨吸収のマーカーでもあるTRAP5bレベルを抑制するのに有効かどうかを決定するために、血清TRAP5bレベルも測定した。市販のELISA(MicroVue Bone Health Trap5b Assay、REF8033、Quidel)を用いて血清TRAP5bを測定した。血清試料は、前もって凍結させた。その実験の結果を図6に示す。CSF1の低い被験者であり、したがってプラセボコホートの可能性が高い図6Aにおいて、表示の3用量での血清TRAP5bレベルは実質的に変化しない(図中のn=2は、コホート当たり2名の被験者が存在することを意味する)。CSF1の高い被験体であり、したがってhuAb1の可能性が高いコホートである図6Bにおいて、血清TRAP5bレベルが低下傾向であった。これは、huAb1がこの骨吸収のマーカーを抑制し得ることを示唆する(図中のn=6は、コホート当たり6名の被験者が存在することを意味する)。
実施例4: huAb1は、ヒトのCD16+単球を抑制する。
huAb1は、CD16−単球レベルを実質的に変化させずに残しながら、カニクイザルのCD16+単球レベルを抑制することが以前に示された。以下の通り、フローサイトメトリーにより用量レベル当たり8名の被験者(huAb1を受けた6名の被験者及びプラセボを受けた2名の被験者)のそれぞれにおいてCD16+単球レベルを測定した。Cyto−Chex(登録商標)採血管(Streck)に全血を採取し、採取から48時間以内に分析した。75μLの血液を抗CD45、抗CD14、抗CD16(すべてBD Biosciences)及び抗HLA−DR(R&D Systems)モノクローナル抗体で染色した。AccuCheck(登録商標)Counting Beads(Life Technologies)を細胞の絶対数の決定のために加えた。試料をFACSCantoTMII(BD Biosciences)で試験し、FlowJoソフトウェア(Tree Star Inc.)を用いて分析した。CD45+HLA−DR+SSCintCD14+細胞として同定された単球を、古典的単球(CD14++CD16−)、中間単球(CD14++CD16+)、及び非古典的単球(CD14+CD16++)と同定され、かつ血液1μLにつき計数された3つの単球サブセットに細分した。
その実験の結果を図7に示す。実質的に減少した非古典的CD16+単球レベルが、各コホートにおいて様々な期間について観察された。0.2mg/kgでは、非古典的CD16+単球レベルは、6名のhuAb1被験者である可能性が高い被験者において1週間未満で減少した。1mg/kgでは、非古典的CD16+単球レベルは、6名のhuAb1被験者である可能性が高い被験者において少なくとも1週間で減少した。3mg/kgでは、非古典的CD16+単球レベルは、6名のhuAb1被験者である可能性が高い被験者において少なくとも4週間で減少した。最後に10mg/kgでは、非古典的CD16+単球レベルは、6名のhuAb1被験者である可能性が高い被験者において試験中の8週間で減少した。これらの結果は、huAb1の低頻度の投与がCD16+単球を長期持続抑制し得ることを示唆している。中間CD16+単球の同様の減少もまた認められた(データは示されていない)。
古典的CD16−単球レベルもまた決定された。図8に示すように、CD16−単球レベルの変化は、すべての投与レベルで、6名のhuAb1被験者である可能性が高い被験者とプラセボ被験者である可能性が高い被験者の間に差がなかった。
実施例5: 健常ボランティア及びRA患者におけるHuAb1の薬物動態
huAb1を、20mMのL−ヒスチジン、142mMのL−アルギニン、及び0.01%のポリソルベート20を含有するpH6.3の緩衝液中に20mg/mlの濃度で調製した。2名の成人健常ボランティア及び3名のRA患者が、3mg/kgのhuAb1の2回投与を、14日の間隔を空けて受けた。huAb1を静脈内注入により30分かけて投与し、観察期間がそれに続いた。注入の開始はゼロ時間とみなされた。
健常ボランティアにおけるhuAb1の血清濃度は、[0179]に記載されているように、ELISAにより決定された。同じアッセイを用いて、異なるコーティング剤を使用しRA患者のhuAb1の血清濃度を測定した。RA患者由来の試料のコーティング剤であるヒトCSF1R−Fcタンパク質は、マウスIgG1 Fcに融合したヒトCSF1受容体細胞外ドメインであった。健常ボランティア及びRA患者の両方からの分析結果を図10に示す。白丸と黒三角は、それぞれ健常ボランティアとRA患者のデータを表す。破線と実線は、それぞれ健常ボランティアとRA患者の群平均である。定量下限(LLOQ)を下回るデータは、図形表示のための群平均の計算のためにゼロと見なされた。3mg/kgの二重投与(dual dose)コホートにおけるhuAb1血清濃度は、健常ボランティアについては約12週間まで測定可能であり、RA患者については初回用量の投与後8週間まで、場合によっては8週間よりも長く測定可能であった(これまでに測定されたデータポイントに基づく)。
実施例6: huAb1は、RA患者のCD16+単球を減少させる。
CD16+単球レベルを、3mg/kg、14日間隔で2回のhuAb1投与を受けた2名の健常ボランティアのそれぞれにおいて決定した。CD16+単球レベルを、3mg/kg、14日間隔で2回のhuAb1投与を受けた3名のRA患者のそれぞれにおいても決定した。Cyto−Chex(登録商標)採血管に全血を採取し、実施例4に記載の通り分析した。
この実験の結果を図11及び12に示す。健常ボランティアでは、huAb1(「FPA008」)の初回投与後6週間まで、実質的に減少した非古典的CD16+単球レベルが観察された。図11を参照。RA患者では、huAb1の初回投与後2週間まで、実質的に非典型的CD16+単球レベルの低下が観察された。図12を参照。
配列表
表6は、本明細書に記載の特定の配列を提供する。すべてのポリペプチド及び抗体配列は、別途記載がない限り、リーダー配列なしで示される。
Figure 2017520562
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Claims (33)

  1. コロニー刺激因子1(CSF1R)を結合する抗体の有効量を関節リウマチを有するヒト被験者に投与することを含む関節リウマチを治療する方法であって、抗体はコロニー刺激因子1(CSF1)のCSF1Rへの結合をブロックし、かつIL−34のCSF1Rへの結合をブロックし、有効量は被験者におけるCD16+単球の数を2回投与後少なくとも4週間で少なくとも50%減少させるのに十分である、方法。
  2. 有効量が0.2mg/kgから10mg/kgの間、又は1から10mg/kgの間、又は1から5mg/kgの間である、請求項1に記載の方法。
  3. 抗体が2週間又はそれ以上の期間に1回の投与頻度で投与される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合する抗体を関節リウマチを有するヒト被験者に投与することを含む関節リウマチを治療する方法であって、抗体はコロニー刺激因子1(CSF1)のCSF1Rへの結合をブロックし、かつIL−34のCSF1Rへの結合をブロックし、0.2mg/kgから10mg/kgの間の用量で2週間又はそれ以上の期間に1回の投与頻度で投与される、方法。
  5. 投与頻度が2週間に1回未満、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、1ヶ月に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回又は年に4回である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 1用量の抗体を投与することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 2用量の抗体を投与することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記用量が少なくとも1週間間隔で投与される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記用量が少なくとも2週間間隔で投与される、請求項7に記載の方法。
  10. 用量が1mg/kgから10mg/kgの間である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 用量が3mg/kgから10mg/kgの間である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 少なくとも1用量の抗体の投与後、CD16+単球の数が被験者において少なくとも50%減少する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. CD16−単球の数が減少しないか又は20%未満減少する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. CD16+単球の数が被験者において少なくとも75%減少する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. CD16+単球の数が少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間又は少なくとも8週間で少なくとも50%減少する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. CD16+単球がCD16+末梢血単球である、請求項2から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 骨吸収の少なくとも一つのマーカーのレベルが少なくとも1用量の抗体の投与後に減少する、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 骨吸収の少なくとも一つのマーカーのレベルが少なくとも20%減少する、請求項17に記載の方法。
  19. 骨吸収の少なくとも一つのマーカーのレベルが少なくとも50%減少する、請求項17に記載の方法。
  20. 骨吸収の少なくとも一つのマーカーがCTx及びTRAP5bから選択される、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 骨吸収の少なくとも一つのマーカーがCTxである、請求項20に記載の方法。
  22. 抗体が、
    a) 配列番号39の配列を含む重鎖及び配列番号46の配列を含む軽鎖を含む抗体;
    b) 配列番号15の配列を有する重鎖(HC)CDR1、配列番号16の配列を有するHC CDR2、及び配列番号17の配列を有するHC CDR3を有する重鎖と、配列番号18の配列を有する軽鎖(LC)CDR1、配列番号19の配列を有するLC CDR2、及び配列番号20の配列を有するLC CDR3を有する軽鎖とを含む抗体;並びに
    c) 配列番号53の配列を含む重鎖及び配列番号60の配列を含む軽鎖を含む抗体
    から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 抗体がヒト化抗体である、請求項22に記載の方法。
  24. 抗体がFab、Fv、scFv、Fab’、及び(Fab’)から選択される、請求項22又は請求項23に記載の方法。
  25. 抗体が用量投与後少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも6週間又は少なくとも2ヶ月間、被験者からの血清中に検出可能である、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 抗体が用量投与後少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも6週間又は少なくとも2ヶ月間、被験者からの血清中に検出可能である、請求項25に記載の方法。
  27. 用量が3mg/kgから10mg/kgの間である、請求項26に記載の方法。
  28. 被験者における抗体の半減期が2日を超える、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 抗体の半減期が4日を超える、請求項28に記載の方法。
  30. 抗体の半減期が15日を超える、請求項28に記載の方法。
  31. 抗体の半減期が28日を超える、請求項28に記載の方法。
  32. 抗体の半減期が42日を超える、請求項28に記載の方法。
  33. 用量が3mg/kgから10mg/kgの間である、請求項28から32のいずれか一項に記載の方法。
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