JP2017507121A - ヒドロクロロフルオロオレフィンを製造するための方法 - Google Patents

ヒドロクロロフルオロオレフィンを製造するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明の開示は、1230zaおよび240faをフッ素化して、1233zdのcis/trans混合物とし、trans−異性体を分離し、次いでそのフッ素化ステップの中で、cis1233zdをtrans−1233zdへと異性体させることによる、trans−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(trans−1233zd)を製造するためのプロセスを提供する。そのフッ素化ステップは、気相または液相で実施される。その異性化は、担持型または非担持型の高表面積不均一系Cr触媒を用い、気相で実施される。

Description

本発明は、ヒドロクロロフルオロオレフィンを製造するための方法に関する。
オゾン層の保護のためのモントリオール議定書(Montreal Protocol)は、クロロフルオロカーボン(CFC)使用の段階的廃止を義務づけている。オゾン層に対してより「優しい」物質、たとえばヒドロフルオロカーボン(HFC)たとえば、134aが、クロロフルオロカーボンの代替え物となった。クロロフルオロカーボンの化合物は、温室効果ガスであって、地球温暖化の原因となることが証明されており、気候変動に関する京都議定書(Kyoto Protocol on Climate Change)によって規制を受ける可能性があることとなった。環境的に受容可能な、すなわちオゾン破壊係数(ODP)が無視可能なほど低く、かつ地球温暖化係数(GWP)が受容可能な程度に低い代替え物質が必要とされている。本発明は、低ODPかつ低GWPの熱硬化性および熱可塑性プラスチックフォームのための発泡剤、溶媒、たとえばヒートポンプにおける伝熱流体、および冷媒たとえばチラーのための低圧力冷媒として有用なヒドロクロロフルオロオレフィンである、trans−1233zd(E−1233zd、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(trifluorpropene))を製造するための方法について記述する。
米国特許出願公開第2008/0051610号明細書および米国特許出願公開第2008/0103342号明細書には、cis−1234zeをtrans−1234zeに触媒的異性化するステップを含む方法が開示されている。米国特許第7,420,094号明細書には、Cr系触媒を用いた、1234zeから1234yfへの異性化が開示されている。米国特許出願公開第2008/0051611号明細書には、蒸留を用いた、cis−1234zeおよびtrans−1234zeを含む混合物からtrans−1234zeの回収が開示されている。
本発明は、ヒドロクロロフルオロオレフィンである、trans−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(E−1233zd)を製造するための方法に関する。その方法には、cis−1233zd(Z−1233zd)からtrans−1233zd(E−1233zd)への異性化ステップが含まれる。
本発明に従った、液相方法の模式図である。 本発明に従った、気相方法の模式図である。 本発明に従った、1233zdのリサイクルを含む液相プロセスの模式図である。 本発明に従った、1233zdのリサイクルを含む気相プロセスの模式図である。
本発明は、ヒドロクロロフルオロオレフィンである、trans−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(E−1233zd)を製造するための方法を提供する。その方法の第一ステップには、1,1,3,3−テトラクロロプロペン(tetrachlororopropene)(1230za、CCl2=CH−CHCl2)および/または1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(pentaachloropropane)(240fa)をフッ素化して、cis−1233zd(Z−1233zd)とtrans−1233zd(E−1233zd)との混合物とすることが含まれる。その方法の第二ステップには、その第一ステップにおいて形成された混合物を分離して、その混合物からcis−1233zd(Z−1233zd)を単離することが含まれる。その方法の第三ステップには、cis−1233zd(Z−1233zd)を異性化させて、trans−1233zd(E−1233zd)とすることが含まれる。
第一ステップにおいて使用される1230zaは、CCl4と塩化ビニルモノマー(VCM、CH2=CHCl)とを反応させて、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)を形成させることによって得ることが可能であり、それを脱塩化水素反応させて1230zaを製造することが可能である。
本発明は、1,1,3,3−テトラクロロプロペン(tetrachlororopropene)(1230za、CCl2=CH−CHCl2)および/または1,1,1,3,3−テトラクロロプロパン(240fa)からtrans−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(E−1233zd)を製造するための方法を目的としており、それには以下のステップが含まれる:
a)1230zaの気相もしくは液相フッ素化において、1,1,3,3−テトラクロロプロペン(tetrachlororopropene)(1230za、CCl2=CH−CHCl2)および/または1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(pentachoropropane)(240fa)をフッ素化させて、cis(Z)−およびtrans(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd、CF3−CH=CHCl)の混合物を得るステップと、それに続く、
b)cis(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd、CF3−CH=CHCl)と、trans(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd、CF3−CH=CHCl)とを分離するステップと、それに続く、
c)第二ステップからのcis−1233zd(Z−1233zd)を異性化させて、trans−1233zd(E−1233zd)を形成させるステップ。
その方法の第一ステップ、すなわち1230zaおよび/または240faを気相フッ素化させて1233zdとするか、または1230zaを液相フッ素化させて12333zdとするステップは、当業者公知の各種のプロセスとすることができる。たとえば、1230zaの無触媒液相フッ素化は、米国特許第5,877,359号明細書に開示されており;1230zaの触媒気相フッ素化は米国特許第5,811,603号明細書に開示されており;米国特許第6,166,274号明細書には、触媒たとえばトリフルオロ酢酸またはトリフリック酸の存在下における、1230zaの1233zdへのフッ素化が開示されている。フッ素化触媒たとえば、TiCl4、TiF4、SnCl4、SnF4、SbF5、SbCl5、SbFxCly(x+y=5)、またはイオン性液体などが、米国特許第6,881,698号明細書に記載されている。Sbタイプの触媒を使用する場合には、低レベルのCl2をフィードして、Sb化学種を活性な形態に維持するのが好ましい。
その方法の第二ステップには、第一ステップにおいて形成されたcis−1233zdとtrans−1233zdとを、適切な分離手段たとえば、蒸留、液相分離、または抽出分離を用いて、分離することが含まれる。第一ステップにおいて形成されたcis−1233zdおよびtrans−1233zdには、HFおよびHClが含まれている可能性がある。最初に、第一蒸留塔において、HClを除去するのが好ましい。その後で、液相分離と共沸蒸留とを組み合わせて使用して、HFを除去することができる。cis−1233zdとtrans−1233zdとの間に沸点差があるので、典型的には大気圧での通常の蒸留によって、それらを分離することが可能である。
その方法の第三ステップには、第二ステップからのcis−1233zdを異性化してtrans−1233zdとすることが含まれる。その異性化ステップは、気相中または液相中で、それぞれ不均一系触媒または均一系触媒を使用して実施することができる。
異性化ステップは、不均一系触媒存在下の気相プロセスによって達成することができる。適切な不均一系触媒は、担持型または非担持型の高表面積Cr(III)触媒であって、これには任意選択により、低レベルの、コバルト、ニッケル、亜鉛またはマンガンから選択される1種または複数の助触媒が含まれていてもよい。担持触媒の場合には、その触媒担体は、高温高圧方法に耐えられる、当業者公知の物質から選択することができる。たとえば、フッ素化アルミナ、HF処理した活性炭またはカーボングラファイトが適切な触媒担体である。好適な触媒は、使用前に、任意選択により50psiを超える圧力で、HFを用いて活性化させた高表面積の非担持酸化クロム触媒である。助触媒を存在させる場合、そのレベルは、触媒の1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で変化させることができる。助触媒は、当業者公知の方法、たとえば水性溶媒または有機溶媒から吸着させ、次いで溶媒を蒸発させることによって、触媒に添加することができる。
適切な不均一系触媒は、以下のものから選択することもできる:SbV、TiIV、SnIV、MoVI、NbV、およびTaVから選択されるルイス酸担持触媒。担体そのものは、フッ素化アルミナ;フッ素化クロミア;HF活性化させたカーボンまたはグラファイトカーボンなどの群から選択する。担持されたハロゲン化アンチモンたとえばSbF5は、米国特許第6,528,691号明細書に記載があり、好ましい触媒である。その他の固体触媒たとえば、Nafion(登録商標)型ポリマー、酸性モレキュラーシーブ、およびゼオライトを使用することもできる。
気相プロセスの場合には、その温度を20〜500℃の間、好ましくは100〜400℃の間で変化させることができる。接触時間は、0.5〜100秒の間で変化させることができる。触媒寿命を長引かせるために、低レベルの酸化剤たとえば、酸素、または酸素含有ガスたとえば空気、または塩素ガスを、0.01〜0.1容量パーセントの間の量で使用することもできる。
異性化ステップは、均一系触媒の存在下での液相プロセスにおいても達成することが可能であるが、そのような触媒は、元素周期律表(IUPAC、1988)の第3、4、5、13、14、および15族金属化合物(従来は、元素周期律表のIIIA、IVa、IVb、Va、Vb、およびVIbと呼ばれていた族)の化合物およびそれらの混合物から選択するのが好ましい。それらの金属の化合物には、それらの金属の水酸化物、酸化物および有機もしくは無機の塩、さらにはそれらの混合物を含むものとする。好ましいのは、アルミニウム、チタン、タンタル、モリブデン、ホウ素、スズ、およびアンチモンの誘導体、たとえば、AlCl3、TiCl4、TaCl5、MoCl6、BF3、SnCl4、およびSbCl5である。本発明による方法においては、それらの金属の好ましい誘導体は塩であって、それらは、好ましくはハロゲン化物、より好ましくは塩化物、フッ化物および塩化フッ化物たとえば、AlF3、TiF4、TaF5、MoF6、SnF4、SbF5、SbFxCly(x+y)=5から選択される。その触媒は、異性化ステップで使用する前に、(HFまたは、フッ素を交換することが可能な各種の分子による)活性化処理にかけなければならない。アンチモンタイプの触媒の場合には、酸化剤として低レベルの塩素ガスを使用して、そのアンチモン触媒を5価の酸化状態に保たせることができる。上述のルイス酸触媒に加えて、アンチモン、チタン、ニオブ、およびタンタルから誘導されるイオン性液体もまた、液相フッ素化プロセスには好適である。そのような触媒の調製法についての記述が、米国特許第6,881,698号明細書に開示されている。
液相プロセスのための均一系触媒は、ブレンステッドタイプの酸の群から選択することも可能であるが、そのようなものとしては、硫酸H2SO4、スルホン型の酸たとえばClSO3HもしくはFSO3H、またはトリフリック酸CF3SO3H、またはメタンスルホン酸CH3SO3Hなどが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。液相プロセスの場合、その運転温度は約20〜200℃の間、接触時間は約0.5〜50時間の間で変化させることができる。
異性化は、1233zd主反応器の中で、気相、液相のいずれにおいても、実施することもできる。このことによって、分離されたZ−1233zdを主反応器にリサイクルして戻すことが可能となり、別々の異性化反応器、RI−1およびRI−2が必要でなくなる。図3および4を参照されたい。このリサイクルによって、Z−1233zdのレベルが平衡限界にまで達し、その後では、Z−1233zdが生成するのと同じ速度でRFL−1またはRFG−2において異性化されるのであろうと考えられる。
本発明の方法には、それぞれのステップの間に、任意選択によりさらなる分離ステップを含めてもよい。それらの分離は、以下のようなことを目的としている:
1.必要に応じて、フローから各種の水素酸(HF、HCl)を全面的または部分的に除去するため、または
2.所望の反応生成物を単離して、それを次のステップにフィードするため、または
3.反応生成物を精製して、有機不純物または副生物を除去するため、または
4.反応生成物を乾燥(H2O除去)させるため。
これらの追加のステップを達成するための手段は、当業者には公知であって、蒸留、抽出蒸留または吸着などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
図によって本発明の方法の実例を挙げるが、それらを、本発明による気相プロセスおよび液相プロセスのブロックフローダイヤグラムで示す。それらの図の中のプロセスは、特定の目的を達成するために設計されたプロセスモジュールの形で表され、本発明の方法に従って配列されている。これらのモジュールには、以下のものが含まれている。
RFLには、液相フッ素化反応器と、精留塔に接続された非撹拌の、ジャケット付き圧力槽を含む精留系とが含まれる。その反応器は、精留塔のリボイラーとしての機能も果たしている。HFおよび有機物(1230za)をその反応器に直接フィードする。HFの有機物に対するモルフィード比率は、反応の化学量論と、精留塔の塔頂物および液相パージと共にその反応器から出るHFの量とによって決まってくる。混合は、反応器の内容物の沸騰作用によって与えられる。ほとんどの場合、その反応器からの流出物は、ガスとして反応器槽から出て、精留塔の塔底に入る。液相から少量のパージをすることで、反応の際に生成する可能性がある各種の非揮発分を除去することができる。精留塔には、上昇するガスと下降する液体との間で良好な物質移動が得られるように設計された、充填物またはトレーのいずれかが含まれている。塔の塔頂のコンデンサーは、冷却水(cooling water)、冷水(chilled water)またはある種のタイプの冷凍のいずれかによって冷却する。そのコンデンサーは、液体の流出物を塔に直接還流させて戻すパーシャルコンデンサーである。その蒸気流出物は、HCl、HFおよび有機成分からなっている。
DHには、HCl蒸留系が含まれており、それによって蒸留塔の塔頂から純HClが除去される。この塔は、100psig〜300psigの間で運転することができる。より典型的には、120psigを超える圧力でHClを蒸留して、HCl塔の塔頂で通常の(−40℃)冷凍が使用できるようにする。この塔の塔底物には、HFおよび有機物と共に少量の残存HClが含まれる。HFの有機成分に対する比率は典型的には、共沸組成に近い。
PSには、二つの液相を分離するための液相分離器が含まれるが、それらの液相の一つは主としてヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)からなり、もう一つは主としてHFからなっている。HF相の方が通常密度が低いので、その相分離器の塔頂から抜き出され、HCFCは塔底相として抜き出される。そのHCFC相の中には幾分かのHFが、そしてHF相の中には幾分かのHCFCが存在している。しかしながら、いずれの相の組成も、共沸組成からははるかに離れたものである。その相分離器の運転温度は、−40℃〜+20℃の間とすることができる。しかしながら、その温度が低い程、相分離がより良好となる。
DAには、共沸蒸留塔が含まれていて、塔頂から、HFと、1種または複数のHCFC(ヒドロクロロフルオロカーボン)およびHFC(ヒドロフルオロカーボン)からなる有機物との共沸組成物を留出させる。それらの有機化合物は、飽和化合物、オレフィン系化合物のいずれであってもよい。その塔底組成物は、完全にHFであるかまたは完全に有機物であるかのいずれかであるが、それは、その塔フィード組成が、共沸混合物のHFリッチ側にあるか、あるいは有機物リッチ側にあるかによって決まる。その塔底物がHFであるならば、このストリームは通常、反応器にリサイクルして戻される。その塔底物ストリーム(bottoms steam)が有機物であるならば、それは、通常の蒸留系統に送られる。
DSには、通常加圧下で実施される、直接蒸留(straight distillation)が含まれる。
RIには、気相異性化反応が含まれるが、これは典型的には、断熱の充填層反応器中で、400℃を超える温度で実施される。そのモジュールは、フィードベーパライザーと過熱器とからなっている。それには「エコノマイザー」を加えることも可能であり、それによって熱い流出物を熱交換器の片側にフィードし、もう片側に比較的冷たい反応器フィードガスをフィードする。流出ガスをさらに冷却してから、蒸留塔に入れる。異性化反応は、異性体の平衡分布に合わせて、転化率を変化させて実施することができる。流出物の異性体は、相互に極めて近い沸点を有している可能性がある。しかしながら、典型的にはそれらは、理想に近い挙動を示すので、通常の蒸留によって分離することができる。気相に代えて、均一系触媒液相反応としてこの反応を実施することも可能である。この構成においては、その反応器は連続撹拌槽として、その流出物を蒸気として抜き出して、触媒からの分離を起こさせるのがよい。
RFGには、気相フッ素化反応器が含まれるが、これは断熱の充填層反応器であって、固体触媒の上に気相をフィードする。冷却は不要であるが、その理由は、その反応器が1パスあたりの転化率が低く、高いHFモルフィード比率を有しているからである。断熱の発熱は、典型的には100℃未満である。フィードのHFおよび有機物を、通常のベーパライザー中で蒸発させ、反応器温度にまで過熱する。通常のベーパライザーを用いて、1230zaおよび/または240faを、純粋な成分として蒸発させたとしたときに可能であるよりも低い温度で蒸発させることが可能となり、それによって、熱劣化を最小限に抑えられる。このモジュールにも、「エコノマイザー」を加えることも可能であり、それによって熱い流出物を熱交換器の片側にフィードし、もう片側に比較的冷たい反応器フィードガスをフィードする。流出ガスをさらに冷却してから、蒸留塔に入れる。反応温度は、200℃〜400℃の間である。その圧力は、通常の冷凍を用いてHCl副生物を蒸留することを可能とするに十分な高さであり、好ましくは100psig〜200psigの間である。
モジュールを見分けるために使用した小文字により、同一のプロセスの中に複数現れる、同じタイプのモジュールを区別している。
図1は、液相フッ素化ステップを使用して1230zaをE−1233zdに転化させるための、本発明における方法のブロックフローダイヤグラムである。この図には、上述の方法モジュールが組み込まれている。図1には、1230zaおよびHFを反応モジュールのRFL−1にフィードする方法が開示されている。典型的には、その反応は、触媒を使用せず、圧倒的にHFリッチな媒体の中で起こさせる。HClおよび1233zd/HFは、RFL−1の精留塔の塔頂から排出される。RFL−1の蒸気流出物は、DH−1に入って、純粋な塔頂生成物としてHClが除去される。DH−1の塔底物は主として、共沸組成に近い、1233zd(E異性体およびZ異性体の両方)およびHFからなっている。これを、モジュールPS−1にフィードして液相分離を行わせる。上側のHFリッチ相をモジュールDA−1aに送り、そこでHFを塔底ストリームとして分離して、反応器へとリサイクルさせる。塔頂の1233zdとHFとの共沸混合物は、DH−1にリサイクルして戻し、この塔の中で、残存しているHClおよび軽質有機物をすべてストリッピングしてから、その共沸混合物を相分離へとリサイクルさせる。PS−1からの下側ストリームは、モジュールDA−1bに入り、HFを除去した有機ストリームを塔底ストリームとして取り出す。DA−1bからの塔頂物は、DA−1a共沸混合物をDH−1にリサイクルさせたのと同じ理由で、DH−1にリサイクルさせる。DA−1bの塔底物は、方法モジュールDS−1に送り、そこで1233zdからすべての重質物を分離する。DS−1からの塔頂物はE−1233zdであり、これは所望のtrans−異性体である。Z−1233zdは沸点がより高く、回収して、方法モジュールRI−1へフィードする。異性化反応器からの流出物は、DS−1へとリサイクルさせるが、それがE異性体とZ異性体との分離に影響する。
別な方法として、図3に示したようにして、DS−1からのZ−1233zdを、RFL−1に直接リサイクルさせることも可能であり、その場合、異性化が起きて、RFL−1中でのZ−1233zdの濃度を平衡レベルに制限することが可能となるであろう。
図2は、気相フッ素化ステップを使用して1230zaまたは240faをE−1233zdに転化させるための、本発明における方法のブロックフローダイヤグラムである。この図には、上述の方法モジュールが組み込まれている。図2においては、その方法は図1に類似しているが、ただし、液相フッ素化反応器(RFL−1)が、気相フッ素化反応器(RFG−1)および共沸蒸留塔(DA−2a)に置き換えられている。
図2に概略を示した方法には、1230zaおよび/または240faならびにHFを反応モジュールRFG−2にフィードすることを含んでいる。その反応は、触媒を用い、気相中で起こさせる。その反応器からの流出物は、主としてHCl、1233zd、未反応の1230za、および過剰のHFからなっている。RFG−2反応器の流出物は、DA−2aに入って、塔底物としてHFおよび未反応のF1230zaを除去するが、それは反応器にリサイクルされる。主としてHCl、およびHFと1233zd(E異性体およびZ異性体の両方)との共沸混合物からなっているその塔頂物をDH−2に送り、そこでHClを純粋な塔頂生成物として除去する。DH−2の塔底物は主として、共沸組成に近い、1233zd(E異性体およびZ異性体の両方)およびHFからなっている。これを、モジュールPS−2にフィードして液相分離を行わせる。上側のHFリッチ相をモジュールDA−2bに送り、そこでHFを塔底ストリームとして分離して、反応器へとリサイクルさせる。塔頂の1233zdとHFとの共沸混合物は、DH−2にリサイクルして戻し、この塔の中で、残存しているHClおよび軽質有機物をすべてストリッピングしてから、その共沸混合物を相分離へとリサイクルさせる。PS−2からの下側ストリームは、モジュールDA−2cに入り、HFを除去した有機ストリームを塔底ストリームとして取り出す。DA−2cからの塔頂物は、DA−2b共沸混合物をDH−2にリサイクルさせたのと同じ理由で、DH−2にリサイクルさせる。DA−2cの塔底物は、方法モジュールDS−2に送り、そこで1233zdからすべての重質物を分離する。DS−2からの塔頂物はE−1233zdであり、これは所望のtrans−異性体である。Z−1233zdは沸点がより高く、回収して、方法モジュールRI−2へフィードする。異性化反応器からの流出物は、DS−2へとリサイクルさせるが、それがE異性体とZ異性体との分離に影響する。
別な方法として、図4に示したようにして、Z−1233zdを、RFG−2に直接リサイクルさせることも可能であり、その場合、異性化が起きて、RFG−2中でのZ−1233zdの濃度を平衡レベルに制限することが可能となるであろう。

Claims (8)

  1. 1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za)および/または1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)からtrans−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(E−1233zd)を製造するためのプロセスであって:
    1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za)および/または1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)をフッ素化して、cis1233zd(Z−1233zd)およびtrans−1233zd(E−1233zd)を含む混合物とするステップ;それに続く、
    前記trans−1233zd(E−1233zd)から前記cis−1233zd(Z−1233zd)を分離するステップ;それに続く、
    前記cis−1233zd(Z−1233zd)を前記フッ素化ステップにリサイクルして、そこで前記cis−1233zd(Z−1233zd)を異性化させて、trans−1233zd(E−1233zd)を形成させるステップ、
    を含む、プロセス。
  2. 前記異性化プロセスが、気相中または液相中で実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記異性化が、可溶性ルイス酸触媒およびブレンステッド酸触媒からなる群から選択される均一系触媒を用いて、液相中で実施される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記可溶性ルイス酸触媒が、SbV;TiIV;SnIV;MoVI;NbV;TaV;酸化物担持触媒;フッ素化アルミナ;フッ素化クロミア;フッ素化済み活性炭;グラファイトカーボン;SiC;Sb5から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記酸化物担持触媒が、Al23およびTiO2からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ブレンステッド酸触媒が、トリフリック酸、メタンスルホン酸、硫酸、およびスルホン酸からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  7. 前記異性化が、担持型または非担持型の高表面積不均一系Cr触媒を用い、気相で実施される、請求項2に記載の方法。
  8. 前記触媒が、Co、Ni、Zn、およびMnからなる群から選択される助触媒をさらに含む、請求項7に記載の方法。
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