JP2017223945A - トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】 帯電性および流動性の変化が少ないトナーを提供する。【解決手段】 結着樹脂を含有するトナー粒子および無機微粒子Aを有するトナーであって、無機微粒子Aの一次粒子の形状係数SF−2が116以下であり、トナー粒子の表面における無機微粒子Aの体積基準での粒度分布において小粒子側からの累積値が16体積%となる粒径をD16とし、累積値が50体積%となる粒径をD50とし、累積値が84体積%となる粒径をD84としたとき、D50が80nm以上200nm以下であり、D84/D16で表される粒度分布指標Aが1.70以上2.60以下である。【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式などの画像形成方法に用いられるトナーに関する。
複写機およびプリンターなどのトナーを用いた画像形成装置が広く普及するに従い、トナーに要求される性能は、より高度になっている。長期間にわたり、高速かつ多量に画像出力する場合であっても高品位な画像を得るためには、トナーの特性が安定していることが要求される。具体的には、トナーに強いストレスがかかった場合においても、帯電性の変化が少なく、流動性の変化が少ないトナーが求められる。
従来、トナーの流動性を維持することを目的として、スペーサー効果を付与できる大粒径の粒子をトナーに添加する技術が提案されてきた。特許文献1には、ゾルゲル法により製造された異型状のシリカ粒子を樹脂粒子の本体(トナー粒子)に添加することで、樹脂粒子の本体の流動性を維持させる技術が開示されている。
特許文献1に記載されている異型状のシリカ粒子が添加されたトナーを用いた場合、トナーが機械的負荷を受けても、シリカ粒子のトナー粒子への埋め込みが少なくなり、トナーの流動性の変化は抑制される。
しかしながら、シリカ粒子が異型状であるため、トナー粒子の表面におけるシリカ粒子のミクロ的な流動性が低くなってしまい、トナーの帯電性の低下が引き起こされ、出力画像の濃度(画像濃度)の変化が大きくなる場合があった。
本発明の目的は、帯電性および流動性の変化が少ないトナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂を含有するトナー粒子、および、無機微粒子Aを有するトナーであって、
該無機微粒子Aの一次粒子の形状係数SF−2が、116以下であり、
該トナー粒子の表面における該無機微粒子Aの体積基準での粒度分布において、小粒子側からの累積値が16体積%となる粒径をD16とし、累積値が50体積%となる粒径をD50とし、累積値が84体積%となる粒径をD84としたとき、
D50が、80nm以上200nm以下であり、
D84/D16で表される粒度分布指指標Aが、1.70以上2.60以下である
ことを特徴とするトナーである。
該無機微粒子Aの一次粒子の形状係数SF−2が、116以下であり、
該トナー粒子の表面における該無機微粒子Aの体積基準での粒度分布において、小粒子側からの累積値が16体積%となる粒径をD16とし、累積値が50体積%となる粒径をD50とし、累積値が84体積%となる粒径をD84としたとき、
D50が、80nm以上200nm以下であり、
D84/D16で表される粒度分布指指標Aが、1.70以上2.60以下である
ことを特徴とするトナーである。
本発明によれば、帯電性および流動性の変化が少ないトナーを提供することができる。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限および上限を含む数値範囲を意味する。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子、および、無機微粒子Aを有するトナーであって、
該無機微粒子Aの一次粒子の形状係数SF−2が、116以下であり、
該トナー粒子の表面における該無機微粒子Aの体積基準での粒度分布において、小粒子側からの累積値が16体積%となる粒径をD16とし、累積値が50体積%となる粒径をD50とし、累積値が84体積%となる粒径をD84としたとき、
D50が、80nm以上200nm以下であり、
D84/D16で表される粒度分布指標Aが、1.70以上2.60以下である
ことを特徴とする。
該無機微粒子Aの一次粒子の形状係数SF−2が、116以下であり、
該トナー粒子の表面における該無機微粒子Aの体積基準での粒度分布において、小粒子側からの累積値が16体積%となる粒径をD16とし、累積値が50体積%となる粒径をD50とし、累積値が84体積%となる粒径をD84としたとき、
D50が、80nm以上200nm以下であり、
D84/D16で表される粒度分布指標Aが、1.70以上2.60以下である
ことを特徴とする。
上記のとおり、本発明における粒度分布指標Aとは、D84/D16の値を示す。
本発明のトナーは、長期間使用しても、帯電性が安定し、流動性の変化が少ない高耐久性のトナーであるため、安定して高品位な画像を出力できる。
上記課題を解決するに至った理由に関して、本発明者らは以下のように推測している。
トナーに強いストレスがかかった場合においても、トナーの耐久性を高めるには、外添剤である無機微粒子Aが付着しにくいトナー粒子の表面の凸部にも無機微粒子Aを付着させることが必要である。また、外添剤である無機微粒子Aのトナー粒子の表面への埋め込みを抑制することも必要である。
本発明のトナーの無機微粒子Aは、従来の大粒径の無機微粒子と比較して、体積基準での粒度分布がブロードである。本発明においては、「粒度分布」の記載は、特に断りのない限り、体積基準での粒度分布を意味する。一般的に、粒子の粒度分布がブロードであると、粒子は最密状態になりやすい。粒度分布がシャープな大粒径の無機微粒子の場合、トナー粒子の表面を転がりやすく、凹部に偏在し、滞留してしまう場合があり、スペーサー効果(スペーサー粒子としての効果)が低下する場合があった。一方、粒度分布がブロードである場合、トナー粒子の表面において大粒径の無機微粒子のそれぞれは回転可能であるが、無機微粒子同士が密に配置されるため、お互いの動きが一定程度制限される。その結果、トナー粒子の表面の凸部にも無機微粒子は存在しやすく、極端に偏在するようなことがないため、スペーサー効果が維持される。
また、粒度分布がシャープな場合、トナー粒子の表面からの大粒径の無機微粒子の高さがほぼ同じになる。そのため、現像器内などでトナーがストレスを受けた続けた場合、トナー粒子の表面の大粒径の無機微粒子が同じように負荷を受けるため、同じようにトナー粒子に埋め込まれる。一方、粒度分布がブロードである場合、トナー粒子の表面の大粒径の無機微粒子の高さはばらついた状態になる。使用の初めには、より高い側(より大粒径側)の無機微粒子がストレスを受け止め、スペーサー効果を発揮する。その間、高さの低い側(小粒径側)の無機微粒子はストレスを受けずに存在できる。つまり、トナー粒子に埋め込まれるタイミングに差が生じるため、長期間にわたってスペーサー効果が維持される。
さらに、本発明のトナーの無機微粒子Aは、一次粒子の形状が略球状から球状であるため、ミクロ的な流動性が高い。そのため、上述のとおり、トナー粒子の表面において一定程度制限された状態であっても、大粒径の無機微粒子は動くことが可能であり、安定した帯電性が維持できる。
以上のことから、本発明のトナーは、現像器内などでトナーがストレスを受け続けた場合においても、大粒径の無機微粒子がトナー粒子の表面に埋め込まれにくく、スペーサー効果が維持される。その結果、帯電性および流動性が維持できる。
本発明のトナーの無機微粒子Aは、一次粒子の形状係数SF−2が116以下であり、好ましくは113以下であり、より好ましくは110以下である。このように、本発明のトナーの無機微粒子Aは、略球状または球状である。そのため、トナー粒子の表面における流動性に優れる。形状係数SF−2が116よりも大きい場合、ミクロな流動性が低下するため、トナーの帯電性が低下しやすくなったり、トナー粒子の表面において均一に分散しにくくなったりするため、スペーサー効果が低下しやすくなる。
本発明のトナーの無機微粒子Aは、トナー粒子の表面における体積基準での粒度分布において、小粒子側からの累積値が50体積%となる粒径D50が、80nm以上200nm以下である。好ましくは、80nm以上180nm以下であり、より好ましくは80nm以上150nm以下である。D50が80nmより小さい場合、使用初期にはトナーの流動性が確保できるが、スペーサー効果が十分に得られないため、長期間使用すると外添剤である無機微粒子がトナー粒子に埋め込まれやすくなる。その結果、トナーの流動性が大きく変化しやすくなり、均一な帯電が得られにくくなり、安定した画像濃度が得られにくくなる。D50が200nmより大きい場合、粒径が大きくなり過ぎ、トナー粒子の表面へ均一に付着しにくくなる。その結果、トナーの流動性が十分に得られにくくなる。
本発明のトナー粒子の無機微粒子Aは、粒度分布指標Aが1.70以上2.60以下であり、好ましくは1.80以上2.50以下であり、より好ましくは1.90以上2.40以下である。粒度分布指標Aが上記範囲であると、無機微粒子がトナー粒子の表面において密に存在できるため、お互いの動きが一定程度制限される。その結果、無機微粒子がトナー粒子の表面の凸部にも存在しやすく、極端に偏在するようなことがなくなるため、スペーサー効果が維持される。粒度分布指標Aが1.70より小さい場合、粒度分布がシャープになるため、無機微粒子がトナー粒子の表面を転がりやすくなり、凹部に偏在して滞留してしまう場合がある。その結果、スペーサー効果(スペーサー粒子としての効果)が低下する場合がある。粒度分布指標Aが2.60より大きい場合、無機微粒子の中の粗大粒子が多くなり、トナー粒子の表面において均一に分散しにくくなり、スペーサー効果が低下しやすくなる。
本発明のトナー粒子の無機微粒子Aは、D84/D50で表される粒度分布指標Bが、1.20以上1.60以下であることが好ましく、より好ましくは1.25以上1.50以下であり、さらに好ましくは1.30以上1.40以下である。
上記のとおり、本発明における粒度分布指標Bとは、D84/D50の値を示す。粒度分布指標Bが大きくなるほど、大粒径側が小粒径側に比べて、よりブロードであることを示す。粒度分布指標Bが上記範囲であると、無機微粒子のミクロな流動性が高まり、トナーの流動性を、より高いまま維持できる。
本発明のトナーの無機微粒子Aは、圧密度が1.05g/cm3以上であることが好ましく、より好ましくは1.20g/cm3以上であり、さらに好ましくは1.30g/cm3以上である。本発明における圧密度は、10MPa印加して測定した密度である。詳細な測定法は後述する。圧密度が上記範囲であると、無機微粒子同士がより密になり、トナー粒子の表面において無機微粒子がより強固な配置される。そのため、トナーに強いストレスがかかった場合においても、ストレスが面分散(面方向に分散)されるため、無機微粒子がトナー粒子の表面に埋め込まれにくくなる。
本発明において、好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
[結着樹脂]
本発明のトナーのトナー粒子に用いられる結着樹脂としては、例えば、以下の重合体が挙げられる。
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;
スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;
ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂。
本発明のトナーのトナー粒子に用いられる結着樹脂としては、例えば、以下の重合体が挙げられる。
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;
スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;
ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂。
これらの中でも、トナーの低温定着性および帯電性の観点から、ポリエステルを用いることが好ましい。
[ワックス]
本発明のトナーのトナー粒子には、ワックスを含有させてもよい。ワックスとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;
酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;
カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;
脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。
本発明のトナーのトナー粒子には、ワックスを含有させてもよい。ワックスとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;
酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;
カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;
脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。
これらの中でも、トナーの低温定着性および耐ホットオフセット性の観点から、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックスや、カルナバワックスなどの脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。
本発明においては、トナーの耐ホットオフセット性の観点から、炭化水素系ワックスがより好ましい。
トナー粒子中のワックスの含有量は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。ワックスの含有量が上記範囲であると、高温での耐ホットオフセット性がより向上する。
また、トナーの保存性と耐ホットオフセット性との両立の観点から、トナーの最大吸熱ピークのピーク温度に関して、以下を満足することが好ましい。
すなわち、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30℃以上200℃以下の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度が、50℃以上110℃以下であることが好ましい。
[着色剤]
本発明のトナーのトナー粒子には、着色剤を含有させてもよい。着色剤としては、公知のイエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤、ブラック着色剤を用いることができる。
本発明のトナーのトナー粒子には、着色剤を含有させてもよい。着色剤としては、公知のイエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤、ブラック着色剤を用いることができる。
ブラック着色剤としては、例えば、カーボンブラックや、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤を用いて黒色に調色したものなどが挙げられる。
着色剤としては、顔料または染料を単独で使用してもよいし、染料と顔料とを併用してもよい。
トナー粒子中の着色剤の含有量は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
[磁性体]
本発明のトナーは、磁性トナーであっても非磁性トナーであってもよい。磁性トナーとして用いる場合、トナー粒子に含有させる磁性体として磁性酸化鉄を用いることが好ましい。磁性酸化鉄としては、例えば、マグネタイト、マグヘマタイト、フェライトなどが挙げられる。
本発明のトナーは、磁性トナーであっても非磁性トナーであってもよい。磁性トナーとして用いる場合、トナー粒子に含有させる磁性体として磁性酸化鉄を用いることが好ましい。磁性酸化鉄としては、例えば、マグネタイト、マグヘマタイト、フェライトなどが挙げられる。
トナー粒子中の磁性体の含有量は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部に対して、25質量部以上95質量部以下であることが好ましく、より好ましくは30質量部以上45質量部以下である。
[荷電制御剤]
本発明のトナーのトナー粒子には、荷電制御剤を含有させてもよい。荷電制御剤としては、ネガ系荷電制御剤およびポジ系荷電制御剤が挙げられる。
本発明のトナーのトナー粒子には、荷電制御剤を含有させてもよい。荷電制御剤としては、ネガ系荷電制御剤およびポジ系荷電制御剤が挙げられる。
ネガ系荷電制御剤としては、例えば、
サリチル酸金属化合物、
ナフトエ酸金属化合物、
ジカルボン酸金属化合物、
スルホン酸もしくはカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、
スルホン酸塩もしくはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、
カルボン酸塩もしくはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、
ホウ素化合物、
尿素化合物、
ケイ素化合物、
カリックスアレーン
などが挙げられる。
サリチル酸金属化合物、
ナフトエ酸金属化合物、
ジカルボン酸金属化合物、
スルホン酸もしくはカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、
スルホン酸塩もしくはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、
カルボン酸塩もしくはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、
ホウ素化合物、
尿素化合物、
ケイ素化合物、
カリックスアレーン
などが挙げられる。
トナー粒子に荷電制御剤を含有させる場合、荷電制御剤は、トナー粒子に対して内添してもよいし、外添してもよい。
トナー粒子中の荷電制御剤の含有量は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部に対して、0.2質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。
[無機微粒子A]
本発明のトナーは、無機微粒子Aを有する。
本発明のトナーは、無機微粒子Aを有する。
無機微粒子Aとしては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)や、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン(チタニア)、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの金属酸化物の微粒子が挙げられる。また、無機微粒子Aとしては、例えば、無定形炭素(カーボンブラックなど)、窒化物(窒化ケイ素など)、炭化物(炭化ケイ素など)、金属塩(チタン酸ストロンチウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)などの微粒子も挙げられる。
本発明のトナーには、無機微粒子Aとして、上記のような無機微粒子を単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよい。また、本発明のトナーの無機微粒子Aは、複数の金属酸化物を複合化したものの微粒子であってもよい。
本発明においては、無機微粒子Aがシリカ微粒子であることが好ましい。シリカ微粒子は高抵抗であるため、トナーとしての抵抗が高まり、高温高湿(H/H)環境下における帯電緩和が抑制され、また、トナーの帯電立ち上がり性に優れる。
シリカ微粒子の製造方法として、例えば、以下の方法が挙げられる。
ケイ素化合物をガス状にして、火炎中において分解・溶融させる火炎溶融法。
四塩化ケイ素を、酸素、水素、希釈ガス(例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素など)の混合ガスとともに、高温で燃焼させる気相法(乾式法シリカ、ヒュームドシリカ)。
水が存在する有機溶媒中で、触媒を用いてアルコキシシランを加水分解し、縮合反応させた後、得られたシリカゾル懸濁液から、溶媒除去し、乾燥させる湿式法(ゾルゲルシリカ)。
また、上記のような製造方法によって得られたシリカ微粒子を分級処理および/または解砕処理によって、所望の体積平均粒径を持つシリカ微粒子にする方法も採用してもよい。体積平均粒径は、体積基準での平均粒径である。
本発明のトナーの無機微粒子Aは、シリカ微粒子の中でも、より高抵抗であり、湿度の影響を受けにくいことから、気相法または火炎溶融法で製造されたシリカ微粒子がより好ましい。気相法または火炎溶融法で製造されたシリカ微粒子を用いる場合、原料ガス供給速度や、可燃性ガスの供給量および/または酸素比率などによって、シリカ微粒子の一次粒子の体積平均粒径や体積基準での粒度分布を制御することが可能である。
本発明においては、体積基準での粒度分布を所望の範囲に調整するため、シリカ微粒子の製造方法は、火炎溶融法が特に好ましい。火炎溶融法で製造されたシリカ微粒子の特徴として、製造されたシリカ微粒子同士が、比較的、独立した粒子として存在することができる。また、シリカ微粒子の体積基準での粒度分布をブロードに調整することが可能である。ゾルゲル法で製造されたシリカ微粒子は、体積基準での粒度分布がシャープになりやすい。
本発明のトナーの無機微粒子Aは、表面処理によって表面が疎水化されていることが好ましい。表面が疎水化されていることで、シリカ微粒子の吸湿が抑えられ、トナーの帯電性が高まり、耐久時においても帯電しやすくなり、安定した画像濃度が得られやすい。
表面処理としては、例えば、シランカップリング処理、オイル処理、フッ素処理、アルミナ被膜を形成する表面処理などが挙げられる。複数種の表面処理を併用することも可能であり、それらの処理の順序も任意に選択することが可能である。
本発明のトナーの無機微粒子Aは、表面処理剤としてヘキサメチルジシラザンを用いて表面処理されたものがより好ましい。
シランカップリング剤による無機微粒子の表面処理の方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
無機微粒子を撹拌することによってクラウド状としたものに、気化したシランカップリング剤を反応させる乾式法。
無機微粒子を溶媒中に分散させ、シランカップリング剤を滴下反応させる湿式法。
無機微粒子のオイル処理のオイルとしては、例えば、シリコーンオイル、フッ素オイル、各種変性オイルなどが挙げられる。より具体的には、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
シリコーンオイルとしては、25℃における粘度が50〜500mm2/sであるものが好ましい。オイル処理量は、無機微粒子の原体(処理前の無機微粒子)100質量部に対して、1質量部以上35質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナー中の無機微粒子Aの含有量は、トナー粒子に含有される結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上15.0質量部以下であることが好ましい。より好ましくは0.8質量部以上10.0質量部以下であり、さらに好ましくは1.0質量部以上8.0質量部以下である。無機微粒子Aの含有量が上記範囲であると、トナーの帯電性がより安定し、流動性の変化がより少なくなる。
本発明のトナーの無機微粒子Aの真密度は、2.0g/cm3以上であることが好ましく、2.2g/cm3以上であることがより好ましい。
本発明においては、トナー粒子の表面の無機微粒子Aによる被覆率が、15%以上45%以下であることが好ましく、20%以上35%以下がより好ましい。被覆率が上記範囲であると、無機微粒子のトナー粒子の表面への付着性がより適度になり、トナーの帯電性がより安定する。上記被覆率は、無機微粒子Aの添加量や、トナー粒子と無機微粒子Aとの混合時間の制御によって調整することができる。
本発明のトナーの無機微粒子Aは、体積基準での粒度分布におけるピークが1つであることが好ましい。平均粒径が異なる複数種の無機微粒子を併用したものを無機微粒子Aとした場合、無機微粒子Aを構成するそれぞれの無機微粒子の帯電性や凝集性が異なることが多い。そのため、トナー粒子の表面において無機微粒子Aが均一に付着しなかったり、無機微粒子Aを構成するそれぞれの無機微粒子ごとに偏在して存在したりする場合がある。例えば、小粒径の無機微粒子は、トナー粒子に対する静電的付着力および非静電的付着性が強い。そのため、トナー粒子と無機微粒子Aとの混合の際、無機微粒子Aを構成する小粒径の無機微粒子は、大粒径の無機微粒子よりも早くトナー粒子の表面に付着しやすい。その結果、スペーサー効果が強い大粒径の無機微粒子は、トナー粒子の表面に付着した小粒径の無機微粒子の上に付着しなければならなくなる。このような場合、トナー粒子の表面において大粒径の無機微粒子は、不均一に存在しやすくなり、長期間使用するによって、スペーサー効果(スペーサー粒子としての効果)が低下しやすくなる。
[その他の外添剤]
本発明のトナーには、トナーの流動性の向上や摩擦帯電量の調整のために、無機微粒子A以外の外添剤が添加されていてもよい。
本発明のトナーには、トナーの流動性の向上や摩擦帯電量の調整のために、無機微粒子A以外の外添剤が添加されていてもよい。
無機微粒子A以外の外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン(チタニア)、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウムなどの無機微粒子が好ましい。
無機微粒子以外の外添剤としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーン樹脂などの樹脂微粒子などが挙げられる。
これらの無機微粒子や樹脂微粒子は、トナーの帯電性の制御や、流動性やクリーニングの助剤として機能する。
[トナー粒子と外添剤(無機微粒子Aを含む)との混合]
トナー粒子と外添剤との混合には、例えば、ヘンシェルミキサー、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ナウタミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などの公知の混合機を用いることができる。
トナー粒子と外添剤との混合には、例えば、ヘンシェルミキサー、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ナウタミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などの公知の混合機を用いることができる。
[キャリア]
本発明のトナーは、長期にわたり安定した画像が得られるという観点から、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることが好ましい。
本発明のトナーは、長期にわたり安定した画像が得られるという観点から、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることが好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、
表面を酸化した鉄粉もしくは未酸化の鉄粉、
鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類のような金属粒子、もしくは、それらの合金粒子、
酸化物粒子、
フェライトなどの磁性体粒子、
磁性体粒子と該磁性体粒子を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)
など、公知の磁性キャリアを用いることができる。
表面を酸化した鉄粉もしくは未酸化の鉄粉、
鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類のような金属粒子、もしくは、それらの合金粒子、
酸化物粒子、
フェライトなどの磁性体粒子、
磁性体粒子と該磁性体粒子を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)
など、公知の磁性キャリアを用いることができる。
[トナー粒子の製造方法]
本発明のトナー粒子は、溶融混練法、乳化凝集法、溶解懸濁法など、公知のトナー粒子の製造方法で製造することができる。
本発明のトナー粒子は、溶融混練法、乳化凝集法、溶解懸濁法など、公知のトナー粒子の製造方法で製造することができる。
次に、本発明に関わる各物性の測定方法について説明する。
〈トナー粒子の表面における無機微粒子Aの形状係数SF−2の測定方法、無機微粒子Aの粒度の測定方法、ならびに、粒度分布指標AおよびBの算出方法〉
本発明において、トナー粒子の表面における無機微粒子Aの形状係数SF−2、無機微粒子Aの体積基準での粒度は、次のように算出した。まず、(株)日立ハイテクノロジーズ製の超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(商品名:S−4800)を用いて、トナー粒子の表面画像を3万倍で撮影した。次に、撮影された表面画像を(株)日本ローパー製の画像解析ソフト(商品名:Image−ProPlusver.5.0)により解析することで、無機微粒子Aの形状係数SF−2、無機微粒子Aの体積基準での粒度を算出した。
本発明において、トナー粒子の表面における無機微粒子Aの形状係数SF−2、無機微粒子Aの体積基準での粒度は、次のように算出した。まず、(株)日立ハイテクノロジーズ製の超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(商品名:S−4800)を用いて、トナー粒子の表面画像を3万倍で撮影した。次に、撮影された表面画像を(株)日本ローパー製の画像解析ソフト(商品名:Image−ProPlusver.5.0)により解析することで、無機微粒子Aの形状係数SF−2、無機微粒子Aの体積基準での粒度を算出した。
トナーの1粒子あたり、トナー粒子の表面における無機微粒子A100個を上記SEM装置にて観察する。形状係数SF−2は、上記画像を、インターフェースを介して(株)ニレコ製の製画像解析装置(商品名:LuzexIII)に導入し、解析し、下記式より算出する。同様の操作を10個のトナー粒子の表面の無機微粒子Aに対して行い、それぞれの平均値を求め、形状係数SF−2と定義する。
形状係数SF−2=100×L2/(4×AREA×π)
(上記式中、Lは、無機微粒子Aの周囲長を示す。AREAは、無機微粒子Aの投影面積を示す。)
無機微粒子Aの体積基準での粒度は、得られた画像から円相当径の累積頻度において、小粒子側からの累積値が16体積%となる粒径をD16とし、累積値が50体積%となる粒径をD50とし、累積値が84体積%となる粒径をD84とする。同様の操作を10個のトナー粒子の表面の無機微粒子Aに対して行い、それぞれの平均値を求めた。求められた値より、粒度分布指標A:D84/D16、粒度分布指標B:D84/D50をそれぞれ算出した。
(上記式中、Lは、無機微粒子Aの周囲長を示す。AREAは、無機微粒子Aの投影面積を示す。)
無機微粒子Aの体積基準での粒度は、得られた画像から円相当径の累積頻度において、小粒子側からの累積値が16体積%となる粒径をD16とし、累積値が50体積%となる粒径をD50とし、累積値が84体積%となる粒径をD84とする。同様の操作を10個のトナー粒子の表面の無機微粒子Aに対して行い、それぞれの平均値を求めた。求められた値より、粒度分布指標A:D84/D16、粒度分布指標B:D84/D50をそれぞれ算出した。
〈無機微粒子Aの圧密度の測定方法〉
無機微粒子Aの圧密度の測定は、断面積381mm2の長方形の錠剤成型器を用いた。成型部に無機微粒子Aを1.50g投入し、プレス機を用いて10MPaの圧力を10秒間加えた。圧力開放した直後にサンプルの厚さを、マイクロメーターを用いて測定した。同様の測定を3回行い、平均値をサンプルの厚さとして圧密度を算出した。
無機微粒子Aの圧密度の測定は、断面積381mm2の長方形の錠剤成型器を用いた。成型部に無機微粒子Aを1.50g投入し、プレス機を用いて10MPaの圧力を10秒間加えた。圧力開放した直後にサンプルの厚さを、マイクロメーターを用いて測定した。同様の測定を3回行い、平均値をサンプルの厚さとして圧密度を算出した。
〈無機微粒子Aの真密度の測定方法〉
無機微粒子Aの真密度は、乾式自動密度計アキュピック1330((株)島津製作所製)を用いて測定した。
無機微粒子Aの真密度は、乾式自動密度計アキュピック1330((株)島津製作所製)を用いて測定した。
まず、23℃/50%RHの環境に24時間放置したサンプルを1g精秤し、測定用セル(10cm3)に入れ、本体試料室に挿入した。測定は、サンプルの質量(重量)を本体に入力し、測定をスタートさせることにより自動測定できる。自動測定の測定条件は、20.000psig(2.392×102kPa)で調整されたヘリウムガスを用いた。試料室内に10回パージした後、試料室内の圧力変化が0.005psig/分(3.447×10−2kPa/分)になる状態を平衡状態とし、平衡状態になるまで繰り返しヘリウムガスをパージした。平衡状態のときの本体試料室の圧力を測定した。その平衡状態に達したときの圧力変化により、サンプル体積を算出した。
サンプル体積を算出し、以下の式でサンプルの真密度を計算した。
サンプルの真密度(g/cm3)=サンプル質量(g)/サンプル体積(cm3)
この自動測定を5回繰り返し測定した値の平均値を、無機微粒子Aの真密度(g/cm3)とした。
この自動測定を5回繰り返し測定した値の平均値を、無機微粒子Aの真密度(g/cm3)とした。
〈トナー粒子の表面の無機微粒子Aによる被覆率の測定〉
被覆率は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー粒子の表面の画像を、画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出した。S−4800の画像撮影条件は以下のとおりである。
被覆率は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー粒子の表面の画像を、画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出した。S−4800の画像撮影条件は以下のとおりである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつけた。さらに、エアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させた。試料台を試料ホルダーにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節した。
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつけた。さらに、エアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させた。試料台を試料ホルダーにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節した。
(2)S−4800観察条件設定
被覆率の算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行った。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、被覆率を精度良く測定することができる。
被覆率の算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行った。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、被覆率を精度良く測定することができる。
S−4800の筐体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置いた。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行った。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開いた。フラッシング強度が2であることを確認し、実行した。フラッシングによるエミッション電流が20〜40μAであることを確認した。試料ホルダーをS−4800の筐体の試料室に挿入した。コントロールパネル上の[原点]を押し、試料ホルダーを観察位置に移動させた。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定した。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにした。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定した。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加した。
(3)焦点調整
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行った。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択した。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させた。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を1つずつ回し、像の動きを止めるまたは最小の動きになるように合わせた。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせた。その後、倍率を10,000(10k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせた。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせた。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析した。撮影するトナー(トナー粒子)については、トナー(トナー粒子)の最大長(Lt)が、0.8×Dv≦Lt≦1.2×Dvの範囲にあるトナー粒子を選択した。これは、体積平均粒径(Dv)に近い平均的なトナーを用いることを目的としている。
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行った。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択した。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させた。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を1つずつ回し、像の動きを止めるまたは最小の動きになるように合わせた。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせた。その後、倍率を10,000(10k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせた。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせた。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析した。撮影するトナー(トナー粒子)については、トナー(トナー粒子)の最大長(Lt)が、0.8×Dv≦Lt≦1.2×Dvの範囲にあるトナー粒子を選択した。これは、体積平均粒径(Dv)に近い平均的なトナーを用いることを目的としている。
(4)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存した。この画像ファイルを用いて下記の解析を行った。トナーの1粒子に対して写真を1枚撮影し、少なくともトナーの100粒子以上について画像を得た。
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存した。この画像ファイルを用いて下記の解析を行った。トナーの1粒子に対して写真を1枚撮影し、少なくともトナーの100粒子以上について画像を得た。
(5)画像解析
本発明では、下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を画像処理することで表面被覆率を算出した。
本発明では、下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を画像処理することで表面被覆率を算出した。
画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0の解析条件は、以下のとおりである。
ソフトImage−ProPlus5.1J
トナー(トナー粒子)の表面ではないバックグラウンドが写っている場合、トナー(トナー粒子)の表面部分のみをAOI(Area of Interst;対象領域)としてから以下の解析を行った。AOIツールから自由曲線AOIボタンを選択し、トナー(トナー粒子)の表面部分の輪郭をなぞる閉じた曲線を描くことでAOIを定義することができる。ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」の順に選択し、「輝度レンジの選択」欄で「明るいオブジェクトを自動抽出」を選択した。オブジェクト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とした。その他、あらかじめ選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とした。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジを2〜107とした。「カウント」を押下し、無機微粒子Aを抽出した。
トナー(トナー粒子)の表面ではないバックグラウンドが写っている場合、トナー(トナー粒子)の表面部分のみをAOI(Area of Interst;対象領域)としてから以下の解析を行った。AOIツールから自由曲線AOIボタンを選択し、トナー(トナー粒子)の表面部分の輪郭をなぞる閉じた曲線を描くことでAOIを定義することができる。ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」の順に選択し、「輝度レンジの選択」欄で「明るいオブジェクトを自動抽出」を選択した。オブジェクト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とした。その他、あらかじめ選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とした。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジを2〜107とした。「カウント」を押下し、無機微粒子Aを抽出した。
無機微粒子Aが画像上で連結して見えている場合は、あらかじめ以下の操作をしておいた。
「測定」から「カウント/サイズ」の順に選択し、オブジェクトを分割コマンドを選択した。トレースダイアログボックスの「自動」にチェックがあれば外しておいた。連結している粒子の外側にカーソルを合わせ、左クリックし、連結部分をまたぐように分割線を引き、左クリックし、右クリックを行った。オブジェクトを分割ダイアログのOKボタンを押して分割を完了させた。画像上において、解析対象でない微粒子のオブジェクト番号をダブルクリックした。開いたオブジェクトの属性ウインドウにおいて「除外」を選択した。この操作を繰り返すことで、解析対象の微粒子のみを抽出した。
被覆率の計算は、抽出した対象の無機微粒子Aの面積の総和(P)と、AOIとしたトナー(トナー粒子)の表面の面積(S)とから、以下の式を使って求められる。
被覆率(%)=(P/S)×100
トナー(トナー粒子)100個について同様の操作を繰り返し、被覆率の平均値を求めた。
被覆率(%)=(P/S)×100
トナー(トナー粒子)100個について同様の操作を繰り返し、被覆率の平均値を求めた。
〈トナーの体積平均粒径(Dv)の測定〉
トナーの体積平均粒径(Dv)は、
100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールター・カウンター Multisizer 3、ベックマン・コールター社製)と、
測定条件設定および測定データ解析をするための付属の専用ソフト(商品名:ベックマン・コールター Multisizer 3 Version 3.51、ベックマン・コールター社製)と
を用い、実効測定チャンネル数:2万5千チャンネルの条件で測定し、測定データの解析を行い、算出した。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムを脱イオン水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの(商品名:ISOTON II、ベックマン・コールター社製)を用いた。
トナーの体積平均粒径(Dv)は、
100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールター・カウンター Multisizer 3、ベックマン・コールター社製)と、
測定条件設定および測定データ解析をするための付属の専用ソフト(商品名:ベックマン・コールター Multisizer 3 Version 3.51、ベックマン・コールター社製)と
を用い、実効測定チャンネル数:2万5千チャンネルの条件で測定し、測定データの解析を行い、算出した。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムを脱イオン水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの(商品名:ISOTON II、ベックマン・コールター社製)を用いた。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
〈結着樹脂の製造例〉
〈ポリエステル樹脂の製造例〉
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:100.0mol%
・テレフタル酸:多価カルボン酸総モル数に対して80.0mol%
・無水トリメリット酸:多価カルボン酸総モル数に対して20.0mol%
上記モノマー材料を、冷却管、攪拌機、窒素導入管および熱電対を備える反応槽に投入した。そして、上記モノマー材料の総量100質量部に対して、触媒(エステル化触媒)として2−エチルヘキサン酸スズを1.5質量部添加した。次に、反応槽内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
〈ポリエステル樹脂の製造例〉
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:100.0mol%
・テレフタル酸:多価カルボン酸総モル数に対して80.0mol%
・無水トリメリット酸:多価カルボン酸総モル数に対して20.0mol%
上記モノマー材料を、冷却管、攪拌機、窒素導入管および熱電対を備える反応槽に投入した。そして、上記モノマー材料の総量100質量部に対して、触媒(エステル化触媒)として2−エチルヘキサン酸スズを1.5質量部添加した。次に、反応槽内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、そのまま反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が122℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止めた。
得られたポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は112℃であり、ガラス転移温度(Tg)は63℃であった。
〈無機微粒子の製造例〉
〈シリカ微粒子1の製造例〉
シリカ微粒子1の製造にあたり、燃焼炉として、内炎および外炎が形成できる二重管構造の炭化水素−酸素混合型バーナーを用いた。このバーナーは、バーナー中心部にスラリー噴射用の二流体ノズルが接地され、原料のケイ素化合物が導入されるように構成されている。また、二流体ノズルの周囲から炭化水素−酸素の可燃性ガスが噴射され、還元雰囲気である内炎および外炎を形成するように構成されている。可燃性ガスおよび酸素の量ならびに流量の制御により、雰囲気、温度および火炎の長さなどを調整することができる。また、火炎中において、原料のケイ素化合物からシリカ微粒子が生成され、さらにシリカ微粒子が所望の粒径になるまで融着させることができる。その後、冷却し、生成されたシリカ微粒子をバグフィルターなどにより捕集することによって、所望の粒径のシリカ微粒子が得られる。
〈シリカ微粒子1の製造例〉
シリカ微粒子1の製造にあたり、燃焼炉として、内炎および外炎が形成できる二重管構造の炭化水素−酸素混合型バーナーを用いた。このバーナーは、バーナー中心部にスラリー噴射用の二流体ノズルが接地され、原料のケイ素化合物が導入されるように構成されている。また、二流体ノズルの周囲から炭化水素−酸素の可燃性ガスが噴射され、還元雰囲気である内炎および外炎を形成するように構成されている。可燃性ガスおよび酸素の量ならびに流量の制御により、雰囲気、温度および火炎の長さなどを調整することができる。また、火炎中において、原料のケイ素化合物からシリカ微粒子が生成され、さらにシリカ微粒子が所望の粒径になるまで融着させることができる。その後、冷却し、生成されたシリカ微粒子をバグフィルターなどにより捕集することによって、所望の粒径のシリカ微粒子が得られる。
原料のケイ素化合物としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサンを用いて、シリカ微粒子を製造した。次に、得られたシリカ微粒子100質量部に対して、ヘキサメチルジシラザン4質量%で表面処理を行い、シリカ微粒子1を得た。
〈シリカ微粒子3〜14の製造例〉
上記のシリカ微粒子1の製造条件を調整することにより、シリカ微粒子3〜14を得た。
上記のシリカ微粒子1の製造条件を調整することにより、シリカ微粒子3〜14を得た。
得られたシリカ微粒子1および3〜14を用いたトナーの物性を表1に示す。シリカ微粒子1および3〜14は、本発明に係る無機微粒子Aに該当する。
〈シリカ微粒子2の製造例〉
ゾルゲル法で製造したシリカ微粒子100質量部に対して、ヘキサメチルジシラザン4質量%で表面処理を行い、シリカ微粒子2を得た。
ゾルゲル法で製造したシリカ微粒子100質量部に対して、ヘキサメチルジシラザン4質量%で表面処理を行い、シリカ微粒子2を得た。
得られたシリカ微粒子2を用いたトナーの物性を表1に示す。シリカ微粒子2は、本発明に係る無機微粒子Aに該当しない。
[実施例1]
〈トナー1の製造例〉
・ポリエステル樹脂1:100.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物:0.5質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度:90℃):5.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:35.0質量部
上記原料をヘンシェルミキサー(商品名:FM75J型、三井三池化工機(株)製)を用いて、回転数20s−1および回転時間5分の条件で混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(商品名:PCM−30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(商品名:T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに、回転型分級機(商品名:200TSP、ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(商品名:200TSP、ホソカワミクロン(株)製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s−1とした。
〈トナー1の製造例〉
・ポリエステル樹脂1:100.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物:0.5質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度:90℃):5.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:35.0質量部
上記原料をヘンシェルミキサー(商品名:FM75J型、三井三池化工機(株)製)を用いて、回転数20s−1および回転時間5分の条件で混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(商品名:PCM−30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(商品名:T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに、回転型分級機(商品名:200TSP、ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(商品名:200TSP、ホソカワミクロン(株)製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s−1とした。
得られたトナー粒子の体積平均粒径(Dv)は、6.2μmであった。
得られたトナー粒子100.0質量部に、ヘキサメチルジシラザン20.0質量%で表面処理された一次平均粒径15nmの疎水性のシリカ微粒子1.0質量部、および、上記シリカ微粒子1を5.0質量部添加し、ヘンシェルミキサー(商品名:FM75J型、三井三池化工機(株)製)で混合し、目開き54μmの超音波振動篩を通過させ、トナー1を得た。
得られたトナー1は、示差走査熱量分析によるDSC曲線において、90℃にワックス成分由来の吸熱ピークを有していた。
上記トナー1と磁性キャリアとを、トナーの濃度が9質量%になるように、V型混合機(商品名:V−10型、(株)徳寿製作所)を用い、0.5s−1および5分の条件で混合した。用いた磁性キャリアは、アクリル樹脂で表面被覆してなる磁性フェライトキャリア粒子(個数平均粒径:35μm)である。
以上のようにして、二成分系現像剤1を得た。
二成分系現像剤1を用い、後述する評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例1および実施例2〜14]
シリカ微粒子1をそれぞれ表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー2〜15を製造し、さらに二成分現像剤2〜15を製造した。
シリカ微粒子1をそれぞれ表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー2〜15を製造し、さらに二成分現像剤2〜15を製造した。
得られた二成分系現像剤2〜15を用い、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[評価]
画像形成装置として、キヤノン(株)製のフルカラー複写機(商品名:imagePRESS C10000VP)の改造機を用い、シアンステーションの現像器に二成分系現像剤1を投入し、評価を行った。
画像形成装置として、キヤノン(株)製のフルカラー複写機(商品名:imagePRESS C10000VP)の改造機を用い、シアンステーションの現像器に二成分系現像剤1を投入し、評価を行った。
常温常湿環境下(23℃/50%RH)および高温高湿環境下(30℃/80%RH)において、それぞれ30万枚の画像出力耐久試験を行い、その後、以下の方法で評価を行った。
なお、耐久試験中は、1枚目と同じ現像条件および転写条件(ただし、キャリブレーションは無し)で通紙を行うこととした。出力画像の印字比率は1%とし、初期の画像濃度が1.55となるように現像バイアスを調整した。評価用の紙としては、コピー用のA4サイズの普通紙(商品名:CF−C081、坪量:81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株)販売)を用いた。
〈評価1:画像濃度の評価〉
画像濃度の評価に関しては、上記耐久試験後、A3サイズの紙全面に、ベタ画像を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。X−Rite社製の分光濃度計(商品名:500シリーズ)を用いて出力画像の濃度を5点測定し、5点の平均値をとって画像濃度とし、以下の指標で判断した。トナーの帯電性が変化すると、画像濃度に影響するため、本評価によってトナーの帯電性の安定性(変化の少なさ)を評価することができる。下記画像濃度維持率が大きいほど、トナーの帯電性の安定性が高い(帯電性の変化が少ない)。
画像濃度の評価に関しては、上記耐久試験後、A3サイズの紙全面に、ベタ画像を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。X−Rite社製の分光濃度計(商品名:500シリーズ)を用いて出力画像の濃度を5点測定し、5点の平均値をとって画像濃度とし、以下の指標で判断した。トナーの帯電性が変化すると、画像濃度に影響するため、本評価によってトナーの帯電性の安定性(変化の少なさ)を評価することができる。下記画像濃度維持率が大きいほど、トナーの帯電性の安定性が高い(帯電性の変化が少ない)。
A:初期の画像濃度1.55に対して、耐久試験後の画像濃度維持率が90%以上
B:初期の画像濃度1.55に対して、耐久試験後の画像濃度維持率が80%以上90%未満
C:初期の画像濃度1.55に対して、耐久試験後の画像濃度維持率が70%以上80%未満
D:初期の画像濃度1.55に対して、耐久試験後の画像濃度維持率が70%未満
B:初期の画像濃度1.55に対して、耐久試験後の画像濃度維持率が80%以上90%未満
C:初期の画像濃度1.55に対して、耐久試験後の画像濃度維持率が70%以上80%未満
D:初期の画像濃度1.55に対して、耐久試験後の画像濃度維持率が70%未満
〈評価2:ドット再現性(がさつき)〉
ドット再現性の評価に関しては、上記耐久試験後、A3サイズの紙全面に、1画素を1ドットで形成してなるドット画像を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。なお、ドット画像出力時、紙上の1ドットあたりの面積が、20000μm2以上25000μm2以下となるように、レーザービームのスポット径を調整した。キーエンス社製のデジタルマイクロスコープ(商品名:VHX−500、レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100)を用い、ドット1000個それぞれの面積を測定した。ドット1000個それぞれの面積の個数平均(S)と面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。トナーの流動性が変化すると、ドット再現性に影響するため、本評価によってトナーの流動性の変化の少なさを評価することができる。下記Iが小さいほど、トナーの流動性の変化が少ない。
ドット再現性の評価に関しては、上記耐久試験後、A3サイズの紙全面に、1画素を1ドットで形成してなるドット画像を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。なお、ドット画像出力時、紙上の1ドットあたりの面積が、20000μm2以上25000μm2以下となるように、レーザービームのスポット径を調整した。キーエンス社製のデジタルマイクロスコープ(商品名:VHX−500、レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100)を用い、ドット1000個それぞれの面積を測定した。ドット1000個それぞれの面積の個数平均(S)と面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。トナーの流動性が変化すると、ドット再現性に影響するため、本評価によってトナーの流動性の変化の少なさを評価することができる。下記Iが小さいほど、トナーの流動性の変化が少ない。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
A:Iが4.0未満
B:Iが4.0以上6.0未満
C:Iが6.0以上8.0未満
D:Iが8.0以上
A:Iが4.0未満
B:Iが4.0以上6.0未満
C:Iが6.0以上8.0未満
D:Iが8.0以上
Claims (6)
- 結着樹脂を含有するトナー粒子、および、無機微粒子Aを有するトナーであって、
該無機微粒子Aの一次粒子の形状係数SF−2が、116以下であり、
該トナー粒子の表面における該無機微粒子Aの体積基準での粒度分布において、小粒子側からの累積値が16体積%となる粒径をD16とし、累積値が50体積%となる粒径をD50とし、累積値が84体積%となる粒径をD84としたとき、
D50が、80nm以上200nm以下であり、
D84/D16で表される粒度分布指標Aが、1.70以上2.60以下である
ことを特徴とするトナー。 - D84/D50で表される粒度分布指標Bが、1.20以上1.60以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記無機微粒子Aの圧密度が、1.05g/cm3以上である請求項1または2に記載のトナー。
- 前記無機微粒子Aの真密度が、2.0g/cm3以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記無機微粒子Aが、シリカ微粒子である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記粒度分布において、ピークが1つである請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
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