JP2017219061A - 流量制御弁および血圧情報測定装置 - Google Patents

流量制御弁および血圧情報測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可動軸にがたつきが発生することを抑制可能な流量制御弁を得る。【解決手段】流量制御弁100Aは、ハウジング120の筒状部121の内側に配置され、筒状部121に対して周方向に回転することが規制された可動軸140と、流出口132が形成された流路形成部材130と、可動軸140と一体的に移動し、流出口の周縁部132Rに離接することによって流出口を開閉する弁体150とを備える。弁体150の当接面151のうちの重力方向における上部151Uと周縁部132Rとの間の軸方向における間隔を上部間隔LUとし、当接面151のうちの重力方向における下部151Dと周縁部132Rとの間の軸方向における間隔を下部間隔LDとすると、流量制御弁100Aは、上部151Uが下部151Dよりも重力方向における上方に位置し、かつ上部間隔LUが下部間隔LDよりも小さくなるように構成されている。【選択図】図7

Description

本発明は、流体の流量を可変に制御可能な流量制御弁、およびそのような流量制御弁を備えた血圧情報測定装置に関する。
血圧情報を測定することは、被験者の健康状態を把握するために重要である。血圧情報測定装置を用いることで、各種の血圧情報を測定することができる。血圧情報測定装置はカフを備えており、カフの内圧を加減圧するための加減圧機構として、加圧ポンプおよび排出弁が用いられる。排出弁は、加圧ポンプによって加圧された流体袋の内圧を、閉状態において維持し、開状態において減圧する。
排出弁としては、流量制御弁が好適に使用できる。流量制御弁は、ソレノイド式とリニア式とに大別される。特開2014−055607号公報(特許文献1)には、ソレノイド式の流量制御弁が開示されており、特開2002−156051号公報(特許文献2)には、リニア式の流量制御弁が開示されている。一般的に、流量制御弁は、ハウジングと、ハウジングの内側に配置された可動軸(プランジャ)と、流出口に対向する弁体とを備えている。
可動軸(プランジャ)はハウジングの内側に配置され、弁体は可動軸の端部に設けられる。弁体が流出口の周縁部に当接している場合、流出口は弁体によって閉塞される。弁体が流出口から離れている場合、空気は、流出口を通して流量制御弁の外部へと排出される。カフの内圧を減圧する際には、可動軸が駆動され、可動軸を介して弁体が移動される。流出口と弁体との間の距離を可変に制御することで、流出流量を制御することができる。
特開2014−055607号公報 特開2002−156051号公報
流量制御弁においては、可動軸とともに弁体が流出口から離れることによって、流出口が開く。弁体が流出口から遠ざかるにつれて、流体の流出経路(流路断面積)が拡大する。流体の流出流量をより高精度で制御することを考えた場合には、可動軸(弁体)の流出口からの移動量に応じて、流体の流出経路が安定して拡大していくことが理想的である。これに対して本発明者らは、可動軸(弁体)の流出口からの移動量に応じて流体の流出経路が安定して拡大していかない場合があることを発見した。
本発明者らが鋭意検討した結果、可動軸(プランジャ)がハウジングの内側で流出口から遠ざかるように移動する際に、可動軸にがたつきが発生する場合があることを見い出した。可動軸のがたつきは、流出口と弁体との間の接触具合(あるいは、これらの間の距離)が急峻に変化することを招き、ひいては、流体の流出経路が、ある瞬間において急峻に変化することを招く。本発明者らは、可動軸のがたつきは、上記の特許文献1,2に開示されているような構成、すなわち、弁体の当接面と流出口とが平行でない場合に発生し得ることをも見い出した。
本発明は、上記のような実情に鑑みて為されたものであって、可動軸(プランジャ)がハウジングの内側で流出口から遠ざかるように移動する際に、可動軸にがたつきが発生することを抑制可能な構成を備えた流量制御弁、および、そのような流量制御弁を備えた血圧情報測定装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく流量制御弁は、流体の流量を可変に制御可能な流量制御弁であって、筒状部を有するハウジングと、上記筒状部の内側に配置され、上記筒状部に対して軸方向に移動可能であり、上記筒状部に対して周方向に回転することが規制された可動軸と、上記流体が通過する流路を有し、上記流路の端部に流出口が形成された流路形成部材と、上記流出口に対向するように上記可動軸の端部に設けられ、上記可動軸と一体的に移動し、上記流出口の周縁部に離接することによって上記流出口を開閉する弁体と、を備え、上記弁体は、上記流出口の上記周縁部に当接することで上記流出口を閉塞する当接面を有し、上記弁体が上記流路形成部材から離れた状態において、上記当接面のうちの重力方向における上部と上記周縁部との間の上記軸方向における間隔を上部間隔とし、上記当接面のうちの重力方向における下部と上記周縁部との間の上記軸方向における間隔を下部間隔とすると、当該流量制御弁は、上記上部が上記下部よりも重力方向における上方に位置し、かつ上記上部間隔が上記下部間隔よりも小さくなるように構成されている。
上記流量制御弁において好ましくは、上記流出口の上記周縁部は、上記軸方向に対して直交する平面内に位置するように形成されており、上記弁体は、上記当接面が上記流出口の上記周縁部に対して傾斜するように形成されている。
上記流量制御弁において好ましくは、上記ハウジングの内周面には、上記可動軸の上記軸方向に対して平行な方向に延在する凸領域が設けられており、上記可動軸の外周面は、円周方向に沿って延びる円周面領域と、上記可動軸の上記軸方向に対して平行な方向に延在し、平坦な表面形状を有する係合領域と、を含み、上記可動軸が上記ハウジングの内側に配置された状態では、上記係合領域は上記凸領域に対向しており、上記可動軸が上記ハウジングの内側で回転することは、上記係合領域と上記凸領域とが相互に係合することによって防止されている。
上記流量制御弁において好ましくは、上記ハウジングの内周面には、上記可動軸の上記軸方向に対して平行な方向に延在する複数の凸領域と、開弁時に流体の流路を形成する複数の凹溝とが、周方向において交互に並んで設けられており、複数のうちの一つの上記凸領域は、すべての上記凹溝よりも重力方向の下方に位置している。
上記流量制御弁において好ましくは、上記ハウジングの周囲に巻回され、磁束を発生させるソレノイドコイルをさらに備え、上記可動軸は、上記ソレノイドコイルが形成した磁束によって上記軸方向に移動する。
本発明に基づく血圧情報測定装置は、本発明に基づく上記の流量制御弁を、生体を圧迫するための圧迫用流体袋の内圧を減圧させるための排出弁として備える。
上記の構成によれば、可動軸がハウジングの内側で流出口から遠ざかるように移動する際に、重力方向の下向きの力が可動軸に予め付与されているため、可動軸にがたつきが発生することを抑制できる。
実施の形態1における血圧計の外観構造を示す斜視図である。 実施の形態1における血圧計の機能ブロックの構成を示す図である。 実施の形態1における流量制御弁を示す斜視図である。 図3中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。 図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。 実施の形態1における流量制御弁に備えられる可動軸を示す斜視図である。 実施の形態1における流量制御弁の一部を拡大して示す断面図である。 実施の形態1における流量制御弁の閉弁時の第1動作を示す断面図である。 実施の形態1における流量制御弁の閉弁時の第2動作を示す断面図である。 実施の形態1における流量制御弁の閉弁時の第3動作を示す断面図である。 比較例における流量制御弁の閉弁時の第1動作を示す断面図である。 比較例における流量制御弁の閉弁時の第2動作を示す断面図である。 比較例における流量制御弁の閉弁時の第3動作を示す断面図である。 比較例における流量制御弁の開弁時の動作を示す断面図である。 実施の形態1(実施例)および比較例に基づいて行なった実験の結果を示すグラフである。 実施の形態2における流量制御弁を拡大して示す断面図である。 実施の形態2における流量制御弁の閉弁時の動作を示す断面図である。
以下、実施の形態における流量制御弁および血圧情報測定装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない場合がある。
以下の実施の形態は、被験者の上腕にカフが装着されて使用されることで被験者の収縮期血圧値および拡張期血圧値が測定可能に構成された、いわゆる上腕式血圧計に基づき説明する。流量制御弁については、このような上腕式血圧計に備えられるという実施の形態に基づき説明する。
ただし、以下に開示する流量制御弁に関する技術的思想は、上腕式血圧計に限られず、手首式血圧計や足式血圧計の他、平均血圧値や酸素飽和度等を測定する血圧情報測定装置にも適用可能である。以下に開示する流量制御弁に関する思想は、流体の吸引や排出を利用して物体を把持するソフトロボティクスの分野や、その他の分野にも適用可能である。
[実施の形態1]
(血圧計1)
図1〜図10を参照して、実施の形態1における血圧計1(血圧情報測定装置)および流量制御弁100Aについて説明する。図1は、血圧計1の外観構造を示す斜視図であり、図2は、血圧計1の機能ブロックの構成を示す図である。
図1に示すように、血圧計1は、本体10、カフ40、エア管50を備える。本体10は、表示部21、操作部23を有する。カフ40は、外装カバー41、圧迫用空気袋42を有する。エア管50は、本体10とカフ40とを接続している。
図2に示すように、本体10は、表示部21、操作部23に加え、制御部20、メモリ部22、電源部24、加圧ポンプ31、流量制御弁100A、圧力センサ33、加圧ポンプ駆動回路34、流量制御弁駆動回路35、発振回路36を有する。加圧ポンプ31、流量制御弁100A、圧力センサ33は、圧迫用エア系コンポーネント30を構成し、加圧ポンプ31、流量制御弁100Aは、圧迫用空気袋42の内圧を加減圧するための加減圧機構を構成する。
圧迫用空気袋42は、加圧ポンプ31、流量制御弁100Aおよび圧力センサ33のそれぞれに接続されている。圧迫用空気袋42は、加圧ポンプ31の駆動が制御されることで加圧されて膨張したり、排出弁としての流量制御弁100Aの駆動が制御されることでその内圧が維持されたり減圧されて収縮したりする。
制御部20は、血圧計1の全体を制御する。表示部21は、測定結果等を表示する。メモリ部22は、血圧値測定のための処理手順を制御部20等に実行させるためのプログラムや、測定結果等を記憶する。操作部23は、外部からの命令を制御部20や電源部24に入力する。電源部24は、制御部20等に電力を供給する。
制御部20は、制御信号を加圧ポンプ駆動回路34および流量制御弁駆動回路35にそれぞれ入力したり、測定結果を表示部21やメモリ部22に入力したりする。制御部20は、圧力センサ33によって検出された圧力値に基づいて被験者の血圧値を取得し、表示部21やメモリ部22に入力する。
加圧ポンプ駆動回路34は、加圧ポンプ31の動作を制御する。流量制御弁駆動回路35は、流量制御弁100Aの開閉動作を制御する。加圧ポンプ31は、圧迫用空気袋42の内圧(以下、「カフ圧」とも称する)を加圧するためのものであり、加圧ポンプ駆動回路34によって制御される。
流量制御弁100Aは、流量制御弁駆動回路35によって制御されることで、圧迫用空気袋42の内圧を維持したり、圧迫用空気袋42の内空を外部に開放してカフ圧を減圧したりする。圧力センサ33は、圧迫用空気袋42の内圧を検知してこれに応じた出力信号を発振回路36に入力する。発振回路36は、圧力センサ33から入力された信号に応じた発振周波数の信号を生成し、生成した信号を制御部20に入力する。
(流量制御弁100A)
図3は、流量制御弁100Aを示す斜視図である。図4は、図3中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。図5は、図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。図6は、流量制御弁100Aに備えられる可動軸140を示す斜視図である。
図3を主として参照して、流量制御弁100Aは、全体として略直方体形状の形状を有する。流量制御弁100Aは、フレーム110、ベース114、ハウジング120(図4,図5)、流路形成部材130、可動軸140(図4,図5)、弁体150(図4)、ソレノイドコイル152、接続端子154,156、スプリング160(図4)を備える。
フレーム110およびベース114は、流量制御弁100Aの外殻を構成する。フレーム110は、互いに平行配置された一対の側壁111,112と、側壁111,112の一端同士を接続する端壁113とを有する。ベース114は、側壁111,112の他端同士を接続する。ベース114は、カシメや溶接等によって、側壁111,112の他端に固定される。後述するハウジング120、可動軸140およびソレノイドコイル152は、一対の側壁111,112の間に配置される(図5参照)。
フレーム110およびベース114は、軟磁性材料(たとえば透磁力の高い電磁鋼板または冷間圧延鋼板等)から構成される。フレーム110およびベース114は、ヨークとしても機能し、ソレノイドコイル152が通電されることによって生じる磁力線の経路を調整する。
ハウジング120(ボビンとも称される)は、非磁性材料(たとえばポリブチレンテレフタラート等の樹脂)から構成される。本実施の形態のハウジング120は、筒状部121(図4)と、一対の端壁127,128と、底部129とを有する。筒状部121は、筒状部121の内側に配置される可動軸140の移動経路を規定する。端壁127,128は、いずれも円環形状を有している。
端壁127は、筒状部121の軸方向(矢印DR)における一端に設けられ、端壁128は、筒状部121の同方向における途中部分(他端寄りの部分)に設けられる。底部129は、筒状部121の他端開口を塞ぐように設けられる。ベース114は、開口を有し、筒状部121の他端はこの開口を通り抜けるように配置される。
ソレノイドコイル152は、筒状部121の周囲に巻回され、筒状部121の周面および端壁127,128によって保持される。ソレノイドコイル152の両端は、接続端子154,156に接続される。ソレノイドコイル152は、流量制御弁駆動回路35(図2)および接続端子154,156を通して給電されることで、磁束を発生させる。
流路形成部材130(コアとも称される)は、流体が通過する流路131を内側に有し、フレーム110の端壁113にカシメや溶接等によって固定される。流路131の一方の端部には、流体が通過する流出口132が形成されており、流出口132は、ハウジング120の筒状部121の内側に配置される。流路131の他方の端部は、エア管50(図2)等を介して圧迫用空気袋42に接続される。流出口132が開放されることで、圧迫用空気袋42内の流体が排出される。
流路形成部材130は、軟磁性材料(たとえば電磁鋼または硫黄複合快削鋼等)から構成される。流路形成部材130は、固定鉄心を構成し、ソレノイドコイル152が通電された際に磁束が通ることにより、可動軸140を引き寄せる。すなわち本実施の形態の流量制御弁100Aは、非作動時においては流出口132が完全に開放される、ノーマリーオープン型のソレノイド式流量制御弁である。
可動軸140(プランジャとも称される)は、略円柱状の形状を有し、ハウジング120(筒状部121)の内側に配置される。可動軸140は、軟磁性材料(たとえば電磁鋼または硫黄複合快削鋼等)から構成される。可動軸140は、可動鉄心を構成するものであり、ソレノイドコイル152が通電された際に磁束が通ることにより、流路形成部材130によって引き寄せられることで、筒状部121に対して軸方向(矢印DR)に移動するものである。
図4に示すように、可動軸140は、小径部146と、軸方向(矢印DR)において、小径部146に対して弁体150が配置される側とは反対側に設けられた大径部147とを含む。小径部146と大径部147との間には、段差148が設けられる。可動軸140(小径部146)の流路形成部材130に面する端面141には、収容凹部145が設けられる。収容凹部145は、流出口132に対応した位置(流出口132に対向する位置)に設けられ、弁体150は、収容凹部145の中に嵌め込まれる。
スプリング160(図4)は、ハウジング120(筒状部121)の内側に配置され、軸方向(矢印DR)において、流路形成部材130と可動軸140との間に介装されている。スプリング160は、小径部146の周囲を囲うように配置され、スプリング160の一端は流路形成部材130に接触しており、スプリング160の他端は可動軸140の段差148に接触している。スプリング160は、可動軸140を流路形成部材130から遠ざける方向に付勢する。
弁体150は、可動軸140の端部に設けられ、軸方向において端面141から突出するように設けられる。弁体150は、シリコーンゴムや、NBRに代表されるニトリルゴムから構成される。弁体150は、可動軸140に設けられた収容凹部145に収容される。弁体150は、当接面151を有し、流路形成部材130に設けられた流出口132に対向配置される。弁体150は、可動軸140と一体化されており可動軸140と一体的に移動可能であるが、弁体150が可動軸140に対して回転することはない。弁体150は、接着剤等を用いて可動軸140に固定されていてもよい。
図4を参照して、弁体150は、流出口132の周縁部(図7における周縁部132R)に離接することによって、流出口132を開閉する。具体的には、流量制御弁100Aの非作動時においては、ソレノイドコイル152は給電されておらず、磁気回路は形成されない。スプリング160の付勢力によって可動軸140および弁体150は流路形成部材130から離れた位置に配置される。流路131に連通する圧迫用空気袋42内の空気は、流出口132を介して流路形成部材130と可動軸140との間に位置する空間に排出され、さらにはハウジング120の外周面と可動軸140の内周面との間の隙間を経由して流量制御弁100Aの外部へと排出される。
流量制御弁100Aの作動時においては、ソレノイドコイル152に給電されることで、フレーム110、流路形成部材130、可動軸140およびベース114を磁束が通るように磁気回路が形成される。可動軸140および弁体150は、スプリング160の付勢力に抗して流路形成部材130側に向けて引き寄せられる。
ソレノイドコイル152に印加される電流が所定の大きさ以上である場合には、可動軸140が軸方向に沿って最大限、流路形成部材130側に向けて引き寄せられ、弁体150の当接面151が流路形成部材130(具体的には、流出口132の周縁部132R(図7))に接触することで流出口132が閉塞される。当該状態においては、流出口132を介して空気が流出することが阻害され、圧迫用空気袋42の内圧が維持されることになる。
ソレノイドコイル152に印加される電流が上述した所定の大きさ未満である場合には、可動軸140が軸方向に沿ってある程度流路形成部材130側に向けて引き寄せられる。当該状態においては、弁体150の当接面151が流出口132を完全には閉塞しないものの、流出口132はある程度閉塞された状態となる。流出口132を介して空気が流出することになるものの、流出口132から空気が流出することがある程度阻害されることになり、その流出流量が制限されることになる。
流出口132と弁体150の流出口132側に位置する当接面151との間の距離は、ソレノイドコイル152に印加される電流の大きさを制御することで可変に調節される。流量制御弁100Aの駆動電圧を調節することにより、流出口132から流出する圧縮空気の流量が可変に調節できることになる。
(可動軸140およびハウジング120の詳細構造)
図5および図6を参照して、上述のとおり、可動軸140は、略円柱の形状を有しており、ハウジング120の筒状部121の内側に配置される。可動軸140の断面形状を軸方向(可動軸140の移動方向)に対して直交する平面方向の断面視で見た場合、可動軸140の外周面142は、円周方向に沿って延びる円周面領域143と、可動軸140の軸方向に対して平行な方向に延在し、平坦な表面形状を有する係合領域144とを含んでいる。
本実施の形態における係合領域144は、軸方向において段差148から大径部147の端部149に到達するように、大径部147の軸方向における全体に亘って延びるように設けられている。係合領域144は、大径部147の軸方向における一部分にのみ設けられていても構わない。
たとえば、係合領域144は、大径部147の軸方向における途中部分から、大径部147の端部149に到達するように設けられていても構わない。このような形状を有する係合領域144は、引き抜き成型によって、容易に可動軸140に設けることが可能である。これとは逆に、係合領域144は、大径部147の軸方向における途中部分から、段差148に到達するように設けられていても構わない。
弁体150(図4)が流路形成部材130から離れて流出口132が開いた際、流体は、ハウジング120の内周面122(図5)と可動軸140の外周面142との間の隙間を経由して排出される。本実施の形態におけるハウジング120の内周面122には、可動軸140の軸方向に対して平行な方向に延在する複数の(ここでは5つの)凸領域123と、開弁時に流体の流路を形成する複数の(ここでは5つの)凹溝124とが、周方向において交互に並んで設けられている。
ハウジング120の内周面122に複数の凹溝124(図5)を設けることで、複数の凹溝124の内側に形成された空間を、流体を排出するための流路として活用できる。ハウジング120の内周面122に複数の凹溝124を設けた場合、その結果として、ハウジング120の内周面122には複数の凸領域123が形成されることになる。本実施の形態では、複数の凹溝124には、計5つの凹溝G1,G2,G3,G4,G5が含まれており、複数の凸領域123には、計5つの凸領域T1,T2,T3,T4,T5が含まれている。
凹溝G1,G2,G3,G4,G5は、周方向においてこの順に並んでおり、凸領域T1,T2,T3,T4,T5も、周方向においてこの順に並んでいる。ハウジング120に凹溝G1,G2,G3,G4,G5が設けられていることによって、ハウジング120は、径方向における厚さが相対的に薄い薄肉部S1,S2,S3,S4,S5と、径方向における厚さが相対的に厚い厚肉部R1,R2,R3,R4,R5とを有している。
薄肉部S1,S2,S3,S4,S5の内表面は、それぞれ、凹溝G1,G2,G3,G4,G5の溝底部分に相当している。厚肉部R1,R2,R3,R4,R5の内表面が、それぞれ、凸領域T1,T2,T3,T4,T5の頂面部分に相当している。可動軸140は、厚肉部R1,R2,R3,R4,R5の内表面、すなわち凸領域T1,T2,T3,T4,T5の頂面部分によって保持されることができるため、可動軸140のがたつき等を招くことを抑制できる。
図5に示すように、凸領域T4,T5は、凸領域T1,T2,T3に比べて内側に向かって突出している。換言すると、凸領域T1〜T3の曲率中心CRと凸領域T1〜T3との間の距離LL1に比べて、凸領域T1〜T3の曲率中心CRと凸領域T4,T5との間の距離LL2の方が短い。
可動軸140がハウジング120の内側に配置された状態では、上記の係合領域144は、周方向において凹溝G5の両側に位置する一対の凸領域T4,T5に対向しており、可動軸140がハウジング120の内側で回転することは、係合領域144と一対の凸領域T4,T5とが相互に係合することによって防止される。可動軸140の外周面142とハウジング120の内周面122とによって、可動軸140がハウジング120(筒状部121)の内側で周方向に回転することは規制されている。
図5に示すように、好ましくは、一対の側壁111,112に対して直交し且つハウジング120の軸心CRを通る直線LLを描いた場合、複数の凸領域T1〜T5のうちの一つの凸領域は、この直線LLに交差する位置に配置されているとよい。当該構成によれば、たとえば、側壁111,112が水平になるように流量制御弁100A(あるいは図1に示す血圧計1)が設置された場合に、凸領域(ここでは凸領域T2)が、その広い内表面で可動軸140の重みを主として受けることが可能となる。
仮に、上記の直線LLに交差する位置に凹溝G2や凹溝G3が配置されている場合には、側壁111,112が水平になるように流量制御弁100A(あるいは血圧計1)が設置されたとき、可動軸140の重みは凸領域T1〜T5等の内表面に上記の場合に比べて作用しなくなる。したがって側壁111,112が水平になるように流量制御弁100Aを設置したときに、凸領域T1〜T5の内表面によって安定して可動軸140を保持可能にすることを考えた場合には、凸領域T1〜T5のいずれかがこの直線LLに交差する位置に配置されているとよい。より好適には、凸領域T1〜T5のいずれか1つの凸領域の内表面のうち、周方向における中央部分がこの直線LLに交差するように構成されているとよい。
あるいは、側壁111,112が重力方向に対して垂直になるように流量制御弁100Aあるいは図1に示す血圧計1を設置したときに、凸領域T1〜T5の内表面によって安定して可動軸140を保持可能にすることを考えた場合には、直線LLに対して直交する直線に交差する位置に、凸領域T1〜T5のいずれかが配置されていてもよい。
たとえば、血圧計1の本体10(図1)を水平な載置面上に置いた状態では、流量制御弁100Aの複数の凸領域T1〜T5のうちの一つの凸領域が、すべての凹溝G1〜G5よりも重力方向の下方に位置していることが好ましい。より好適には、凸領域T1〜T5のいずれか1つの凸領域の内表面のうち、周方向における中央部分が、ハウジング120の内周面122の中で重力方向における最も下の位置に配置されるように構成されているとよい。これらの構成によれば、凸領域の内表面によって、安定して可動軸140を保持することが可能となる。
(上部間隔LU<下部間隔LD)
図7は、流量制御弁100Aの一部を拡大して示す断面図である。上述のとおり、弁体150は、当接面151を有し、流路形成部材130に設けられた流出口132に対向配置される。本実施の形態においては、流出口132の周縁部132Rは、軸方向に対して直交する平面内に位置するように形成されており、弁体150は、当接面151が流出口132の周縁部132Rに対して傾斜するように形成されている。
弁体150が流路形成部材130(流出口132の周縁部132R)から離れた状態において、当接面151のうちの重力方向における上部151Uと周縁部132Rとの間の軸方向における間隔を上部間隔LUとし、当接面151のうちの重力方向における下部151Dと周縁部との間の軸方向における間隔を下部間隔LDとする。当接面151のうちの重力方向における上部151Uとは、たとえば、当接面151のうち、当接面151の重力方向における中心位置よりも上方に位置する任意部分である。当接面151のうちの重力方向における下部151Dとは、たとえば、当接面151のうち、当接面151の重力方向における中心位置よりも下方に位置する任意部分である。
弁体150が流路形成部材130(流出口132の周縁部132R)から離れた状態において、本実施の形態における流量制御弁100Aは、上部151Uが下部151Dよりも重力方向における上方に位置し、かつ上部間隔LUが下部間隔LDよりも小さくなるように構成されている。
(作用および効果)
図8〜図10は、それぞれ、実施の形態1における流量制御弁100Aの閉弁時の第1〜第3動作を示す断面図である。図8を参照して、上述のとおり、流量制御弁100Aの非作動時においては、ソレノイドコイル152は給電されておらず、磁気回路は形成されない。スプリング160の付勢力によって、可動軸140および弁体150は、流路形成部材130から離れた位置に配置される。
図8および図9を参照して、流量制御弁100Aの作動時においては、ソレノイドコイル152に給電されることで、磁気回路が形成される。図8および図9中の矢印DR1に示すように、可動軸140および弁体150は、スプリング160の付勢力に抗して流路形成部材130側に向けて引き寄せられる。
ソレノイドコイル152に印加される電流が所定の大きさ以上である場合には、可動軸140が軸方向に沿って最大限、流路形成部材130側に向けて引き寄せられ、弁体150の当接面151が流路形成部材130(具体的には、流出口132の周縁部132R)に接触することで流出口132が閉塞される。当該状態においては、流出口132を介して空気が流出することが阻害され、圧迫用空気袋42の内圧が維持されることになる。
図7を参照しながら上述したように、本実施の形態の流量制御弁100Aは、上部間隔LU<下部間隔LDの関係を満足している。可動軸140がハウジング120(筒状部121)に対して周方向に回転することは規制されているため、この関係は、流出口132と弁体150との間の距離に関係なく維持される。
可動軸140は、流路形成部材130側に向けて移動する。流量制御弁100Aにおいては、当接面151の下部151Dが流出口132の周縁部132Rに当接するよりも前に、当接面151の上部151Uが、流出口132の周縁部132Rに当接する。上部151Uが周縁部132Rに当接した時点においては、下部151Dと周縁部132Rとの間に隙間S(図9)が形成される。
磁気回路は、可動軸140および弁体150を、流路形成部材130側に向けてさらに引き寄せようとする。図9に示す状態においては、上部151Uと周縁部132Rとが相互に当接している。その一方で、下部151Dと周縁部132Rとの間には、隙間Sが形成されている。可動軸140および弁体150は、隙間Sの分だけ流路形成部材130側に向けてさらに引き寄せられる。
この際、可動軸140および弁体150のうち、上部151Uが位置している側は流路形成部材130に近づく方向(図9左方向)にほとんど移動できないが、下部151Dが位置している側は、隙間Sの分だけ、流路形成部材130に近づく方向(図9左方向)に移動することができる。
可動軸140および弁体150が隙間Sの分だけ流路形成部材130側に向けてさらに引き寄せられることで、図9中の矢印AR1に示すように、可動軸140および弁体150の全体に重力方向の下向きの付勢力が付与され、可動軸140の下面140Dはハウジング120(筒状部121)の内周面に適度に押し付けられることとなる。
図10を参照して、矢印AR1に示す付勢力は、弁体150の当接面151が流路形成部材130(流出口132の周縁部132R)に接触することで流出口132が閉塞している際にも、可動軸140および弁体150の全体に付与される。説明上の便宜のため、図9においては、可動軸140の下面140Dと筒状部121の内表面との間に隙間Pが形成されている様子が描かれている。図10においては、付勢力によって可動軸140および弁体150の全体が矢印AR1方向にわずかに回転し、可動軸140の下面140Dと筒状部121の内表面との間に形成された隙間が、図9に示す隙間Pよりも小さくなっている様子が描かれている。
発明の範囲を限定するものではないが、実際には、可動軸140および弁体150には重力が予め作用しているため、自重によって、可動軸140の下面140Dは筒状部121の内表面に予め接触していることが多い。可動軸140および弁体150の移動の前後において、可動軸140および弁体150が矢印AR1方向に回転することはほとんどない。多くの場合、可動軸140および弁体150の自重によって、可動軸140の下面140Dは筒状部121の内表面に接触しており、可動軸140は、可動軸140の下面140Dが筒状部121の内表面に摺接するような形で移動する。
圧迫用空気袋42の内空を外部に開放してカフ圧を減圧する際には、ソレノイドコイル152に印加される電流が徐々に小さくされることで、上記とは逆の動作が行われる。具体的には、ソレノイドコイル152に印加される電流が所定の大きさ未満となった場合には、スプリング160の付勢力が、可動軸140および弁体150に作用している磁気吸着力を上回る。可動軸140および弁体150は、図10中の矢印DR1とは反対向きに(流路形成部材130から遠ざかる方向に)移動し始める。
本実施の形態の流量制御弁100Aは、上部間隔LU<下部間隔LDの関係を満足しているため、弁体150が流路形成部材130から離れる際に、可動軸140および弁体150の全体に矢印AR1に示す付勢力が付与される。ソレノイドコイル152に印加される電流がさらに小さくされることで、可動軸140および弁体150は、流路形成部材130から遠ざかる方向にさらに移動する。
弁体150の当接面151は、流出口132を完全には閉塞しないものの、流出口132はある程度閉塞された状態となる。流出口132を介して空気が流出することになるものの、流出口132から空気が流出することがある程度阻害されることになり、その流出流量が制限されることになる。流出口132と弁体150の当接面151との間の距離は、ソレノイドコイル152に印加される電流の大きさを制御することで可変に調節される。流量制御弁100Aの駆動電圧を調節することにより、流出口132から流出する圧縮空気の流量が可変に調節できることになる。
冒頭で述べたとおり、流体の流出流量をより高精度で制御することを考えた場合には、可動軸140(弁体150の当接面151)の流出口132からの移動量に応じて、流体の流出経路が安定して拡大していくことが理想的である。本実施の形態においては、上部間隔LU<下部間隔LDの関係が成立していることによって、ハウジング120(筒状部121)の内側で弁体150が流出口132から離れる際に、矢印AR1方向(重力方向の下向き)の力が可動軸140に予め付与されているため、可動軸140(弁体150)にがたつきが発生することを抑制できる。
可動軸140ががたついた場合には、流出口132と弁体150との間の接触具合(あるいは、これらの間の距離)が急峻に変化することを招き、ひいては、流体の流出経路が、ある瞬間において急峻に変化することを招く。本実施の形態の流量制御弁100Aによれば、可動軸140および弁体150のがたつきを抑制できるため、流体の流出流量をより高精度で制御することが可能となる。したがって、たとえば同一の制御条件で流量制御弁100Aを動作させた場合、カフの内圧が減圧される程度にばらつきが生じることはほとんどなく、測定の度に異なる特性を示してしまうこともほとんどないものとすることができ、歩留まり改善やロットアウト軽減による品質向上を期待することが可能となる。
[比較例]
図11〜図13は、それぞれ、比較例における流量制御弁100Bの閉弁時の第1〜第3動作を示す断面図である。図14は、比較例における流量制御弁100Bの開弁時の動作を示す断面図である。
図11に示すように、流量制御弁100Bは、上述の実施の形態1における流量制御弁100Aとは異なり、弁体150が流路形成部材130(流出口132の周縁部132R)から離れた状態において、上部間隔LU<下部間隔LD(図7)の関係を満足していない。流量制御弁100Bは、上部間隔LU>下部間隔LD(図7参照)の関係を満足している。流量制御弁100Bの非作動時においては、磁気回路は形成されない。スプリング160の付勢力によって、可動軸140および弁体150は、流路形成部材130から離れた位置に配置される。
図11および図12を参照して、流量制御弁100Bの作動時においては、ソレノイドコイル152に給電されることで、磁気回路が形成される。図11および図12中の矢印DR1に示すように、可動軸140および弁体150は、スプリング160の付勢力に抗して流路形成部材130側に向けて引き寄せられる。
可動軸140は、流路形成部材130側に向けて移動する。流量制御弁100Bにおいては、当接面151の上部151Uが流出口132の周縁部132Rに当接するよりも前に、当接面151の下部151Dが、流出口132の周縁部132Rに当接する。下部151Dが周縁部132Rに当接した時点においては、上部151Uと周縁部132Rとの間に隙間S(図12)が形成される。
磁気回路は、可動軸140および弁体150を、流路形成部材130側に向けてさらに引き寄せようとする。可動軸140および弁体150のうち、下部151Dが位置している側は流路形成部材130に近づく方向(図12左方向)にほとんど移動できないが、上部151Uが位置している側は、隙間Sの分だけ、流路形成部材130に近づく方向(図12左方向)に移動することができる。
可動軸140および弁体150が隙間Sの分だけ流路形成部材130側に向けてさらに引き寄せられることで、図12中の矢印AR2に示すように、可動軸140および弁体150の全体に重力方向の上向きの付勢力が付与される。磁気回路による磁気吸着力によって矢印AR2に示す付勢力が発生し、この付勢力が、スプリング160の付勢力や、可動軸140の自重および弁体150の自重を上回った場合には、可動軸140の後端側の部分が上方向に移動する。可動軸140の後端が持ち上げられた状態となり、場合によっては、可動軸140の上面140Uがハウジング120(筒状部121)の内周面に押し付けられることとなる。
図13を参照して、矢印AR2に示す付勢力は、弁体150の当接面151が流路形成部材130(流出口132の周縁部132R)に接触することで流出口132が閉塞している際にも、可動軸140および弁体150の全体に付与される。圧迫用空気袋42の内空を外部に開放してカフ圧を減圧する際には、ソレノイドコイル152に印加される電流が徐々に小さくされることで、上記とは逆の動作が行われる。
図14を参照して、具体的には、ソレノイドコイル152に印加される電流が所定の大きさ未満となった場合には、スプリング160の付勢力や、可動軸140の自重および弁体150の自重が、可動軸140および弁体150に作用している磁気吸着力を上回る。可動軸140および弁体150は、図14中の矢印DR2の方向に(流路形成部材130から遠ざかる方向に)移動し始める。
冒頭で述べたとおり、流体の流出流量をより高精度で制御することを考えた場合には、可動軸140(弁体150の当接面151)の流出口132からの移動量に応じて、流体の流出経路が安定して拡大していくことが理想的である。しかしながら、本比較例の流量制御弁100Bにおいては、可動軸140および弁体150が流出口132から遠ざかる際に、可動軸140の後端部が落下するような形で可動軸140が矢印AR3方向にわずかに回転動作する。
上記のような回転動作(落下動作)は、流出口132と弁体150との間の接触具合(あるいは、これらの間の距離)が急峻に変化することを招き、ひいては、流体の流出経路が、ある瞬間において急峻に変化することを招くこととなる。同一の制御条件で流量制御弁100Bを動作させた場合、カフの内圧が減圧される程度にばらつきが生じやすくなり、測定の度に異なる特性を示してしまうことが考えられる。
比較例の場合、可動軸140がハウジング120(筒状部121)に対して周方向に回転することは規制されているため、上部間隔LU>下部間隔LDの関係は、流出口132と弁体150との間の距離に関係なく維持される。本発明者らは、可動軸140がハウジング120に対して周方向に回転することが規制されていない場合にも、測定の度に異なる特性を示してしまうことを発見している。
すなわち、可動軸140がハウジング120に対して周方向に回転すると、流出口132に対する当接面151の当たり方が変動することとなり、流出口132が開くタイミングや流体の流出経路の広がり具合にばらつきが生じやすくなる。これに対して上述の実施の形態1においては、可動軸140がハウジング120に対して周方向に回転することが規制されており、なおかつ、上部間隔LU<下部間隔LDの関係が成立している。当該構成によって、可動軸140および弁体150のがたつきを抑制でき、流体の流出流量をより高精度で制御することが可能となっている。
[実験例]
図15を参照して、上述の実施の形態1に基づく実験例と、上述の比較例とについて、印加電圧と流量との関係について測定した。上述の実施の形態1に基づく実験例によれば、電圧を徐々に下げていった際に、流体の流出流量を安定して変化(増加)させていくことが可能であった。
一方、上述の比較例によれば、電圧を徐々に下げていった際に、流体の流出流量がある瞬間において急峻に変化した。上述の実施の形態1に基づく流量制御弁100Aによれば、可動軸140がハウジング120の内側で流出口132から遠ざかるように移動する際に、重力方向の下向きの力が可動軸140に予め付与されているため、可動軸140にがたつきが発生することを抑制できることがわかる。
[実施の形態2]
図16は、実施の形態2における流量制御弁100Cを拡大して示す断面図である。図17は、流量制御弁100Cの閉弁時の動作を示す断面図である。実施の形態1における流量制御弁100Aと実施の形態2における流量制御弁100Cとは、以下の点において相違している。
実施の形態1の流量制御弁100Aにおいては(図7参照)、流出口132の周縁部132Rは、軸方向(矢印DR方向)に対して直交する平面内に位置するように形成されており、弁体150は、当接面151が流出口132の周縁部132Rに対して傾斜するように形成されている。
実施の形態2の流量制御弁100Cにおいては(図16参照)、弁体150の当接面151が、軸方向(矢印DR方向)に対して直交する平面内に位置するように形成されており、流出口132の周縁部132Rは、流出口132が弁体150の当接面151に対して傾斜するように形成されている。流量制御弁100Cも、上部間隔LU<下部間隔LD(図16)の関係を満足している。
上記のような形状を有する流出口132を流路形成部材130に設けるには、流路形成部材130のうちの流出口132を構成する部分を別部材(たとえば樹脂)などから作製し、流路形成部材130のその他の部分(金属等)に組み込んでも構わない。
図17に示すように、本実施の形態の流量制御弁100Cにおいても、当接面151の下部151Dが流出口132の周縁部132Rに当接するよりも前に、当接面151の上部151Uが、流出口132の周縁部132Rに当接する。上部151Uが周縁部132Rに当接した時点においては、下部151Dと周縁部132Rとの間に隙間S(図17)が形成される。
磁気回路は、可動軸140および弁体150を、流路形成部材130側に向けてさらに引き寄せようとする。可動軸140および弁体150が隙間Sの分だけ流路形成部材130側に向けてさらに引き寄せられることで、図17中の矢印AR1に示すように、可動軸140および弁体150の全体に重力方向の下向きの付勢力が付与され、可動軸140の下面140Dはハウジング120(筒状部121)の内周面に適度に押し付けられることとなる。
したがって、上部間隔LU<下部間隔LDの関係が成立していることによって、ハウジング120(筒状部121)の内側で弁体150が流出口132から離れる際に、矢印AR1方向(重力方向の下向き)の力が可動軸140に予め付与されているため、可動軸140(弁体150)にがたつきが発生することを抑制できる。
[他の実施の形態]
上述の実施の形態においては、可動軸140がハウジング120の内側で回転することは、係合領域144と一対の凸領域T4,T5とが相互に係合することによって規制される。可動軸140がハウジング120の内側で回転しないようにするためには、上記の構成に代えて、スプリング160の両端部を流路形成部材130および可動軸140にそれぞれ接合するという構成も採用可能である。
上述の実施の形態においては、流量制御弁がいずれもいわゆるソレノイド式であるが、上記の実施の形態で開示した技術思想は、ソレノイド式の流量制御弁に限られず、リニア式の流量制御弁にも適用可能である。
上述の実施の形態においては、流量制御される流体が圧縮空気である場合を例示して説明を行なったが、上記において開示した内容の適用対象はこれに限られるものではなく、流量制御される流体が、圧縮空気以外の高圧の気体や圧縮環境下にある液体等であってもよい。また、上述した本発明の実施の形態およびその変形例において示した特徴的な構成は、必要に応じて相互に組み合わせることが当然に可能である。
以上、実施の形態および実施例について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 本体、20 制御部、21 表示部、22 メモリ部、23 操作部、24 電源部、30 圧迫用エア系コンポーネント、31 加圧ポンプ、33 圧力センサ、34 加圧ポンプ駆動回路、35 流量制御弁駆動回路、36 発振回路、40 カフ、41 外装カバー、42 圧迫用空気袋、50 エア管、100A,100B,100C 流量制御弁、110 フレーム、111,112 側壁、113,127,128 端壁、114 ベース、120 ハウジング、121 筒状部、122 内周面、123,T1,T2,T3,T4,T5 凸領域、124,G1,G2,G3,G4,G5 凹溝、129 底部、130 形成部材、131 流路、132 流出口、132R 周縁部、140 可動軸、140D 下面、140U 上面、141 端面、142 外周面、143 円周面領域、144 係合領域、145 収容凹部、146 小径部、147 大径部、148 段差、149 端部、150 弁体、151 当接面、151D 下部、151U 上部、152 ソレノイドコイル、154,156 接続端子、160 スプリング、AR1,AR2,DR,DR1,DR2 矢印、CR 軸心(曲率中心)、LD 下部間隔、LL 直線、LL1,LL2 距離、LU 上部間隔、P,S 隙間、R1,R2,R3,R4,R5 厚肉部、S1,S2,S3,S4,S5 薄肉部。

Claims (6)

  1. 流体の流量を可変に制御可能な流量制御弁であって、
    筒状部を有するハウジングと、
    前記筒状部の内側に配置され、前記筒状部に対して軸方向に移動可能であり、前記筒状部に対して周方向に回転することが規制された可動軸と、
    前記流体が通過する流路を有し、前記流路の端部に流出口が形成された流路形成部材と、
    前記流出口に対向するように前記可動軸の端部に設けられ、前記可動軸と一体的に移動し、前記流出口の周縁部に離接することによって前記流出口を開閉する弁体と、を備え、
    前記弁体は、前記流出口の前記周縁部に当接することで前記流出口を閉塞する当接面を有し、
    前記弁体が前記流路形成部材から離れた状態において、前記当接面のうちの重力方向における上部と前記周縁部との間の前記軸方向における間隔を上部間隔とし、前記当接面のうちの重力方向における下部と前記周縁部との間の前記軸方向における間隔を下部間隔とすると、当該流量制御弁は、前記上部が前記下部よりも重力方向における上方に位置し、かつ前記上部間隔が前記下部間隔よりも小さくなるように構成されている、
    流量制御弁。
  2. 前記流出口の前記周縁部は、前記軸方向に対して直交する平面内に位置するように形成されており、
    前記弁体は、前記当接面が前記流出口の前記周縁部に対して傾斜するように形成されている、
    請求項1に記載の流量制御弁。
  3. 前記ハウジングの内周面には、前記可動軸の前記軸方向に対して平行な方向に延在する凸領域が設けられており、
    前記可動軸の外周面は、円周方向に沿って延びる円周面領域と、前記可動軸の前記軸方向に対して平行な方向に延在し、平坦な表面形状を有する係合領域と、を含み、
    前記可動軸が前記ハウジングの内側に配置された状態では、前記係合領域は前記凸領域に対向しており、前記可動軸が前記ハウジングの内側で回転することは、前記係合領域と前記凸領域とが相互に係合することによって防止されている、
    請求項1または2に記載の流量制御弁。
  4. 前記ハウジングの内周面には、
    前記可動軸の前記軸方向に対して平行な方向に延在する複数の凸領域と、開弁時に流体の流路を形成する複数の凹溝とが、周方向において交互に並んで設けられており、
    複数のうちの一つの前記凸領域は、すべての前記凹溝よりも重力方向の下方に位置している、
    請求項1または2に記載の流量制御弁。
  5. 前記ハウジングの周囲に巻回され、磁束を発生させるソレノイドコイルをさらに備え、
    前記可動軸は、前記ソレノイドコイルが形成した磁束によって前記軸方向に移動する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の流量制御弁。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の流量制御弁を、生体を圧迫するための圧迫用流体袋の内圧を減圧させるための排出弁として備える、
    血圧情報測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017219136A (ja) * 2016-06-08 2017-12-14 オムロンヘルスケア株式会社 流量制御弁およびその製造方法、ならびに血圧情報測定装置

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