JP2017218926A - 可変容量圧縮機 - Google Patents

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Yukihiko Taguchi
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Abstract

【課題】構造が簡略で弁装置のレイアウトが容易な可変容量圧縮機を提供する。【解決手段】可変容量圧縮機は、吐出室142とクランク室140とを連通する圧力供給通路に設けられた制御弁300と、駆動軸110の軸線よりも重力方向下側に配置され、前記圧力供給通路における制御弁300よりもクランク室140側に設けられると共に吸入室に連通する連通部を有する切替弁350と、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aと吸入室141とを連通する絞り通路320とを含む。切替弁350は、制御弁300が前記圧力供給通路を閉じたとき、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aと切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bとの連通を遮断すると共に、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bと吸入室141とを前記連通部を介して連通させる。【選択図】図9

Description

本発明は、可変容量圧縮機に関し、特に、クランク室の調圧によって吐出容量が制御される可変容量圧縮機に関する。
この種の可変容量圧縮機の一例として、特許文献1に記載の可変容量圧縮機は、吐出圧領域の冷媒をクランク室に供給するための供給通路と、供給通路の通路断面積を調整する第1制御弁と、クランク室の冷媒を吸入圧領域に排出するための排出通路と、排出通路の通路断面積を調整する第2制御弁と、供給通路における第1制御弁とクランク室との間に配置されてクランク室から第1制御弁に向かう冷媒の逆流を阻止する逆止弁と、を備えている。
特開2011−185138号公報
ところで、クランク室への冷媒の供給を制御する第1弁装置と、クランク室からの冷媒の排出を制御する第2弁装置と、クランク室から第1弁装置に向かう冷媒の逆流を阻止する第3弁装置とを個別に備える可変容量圧縮機では、可変容量圧縮機の構造が複雑にならざるを得ない。また、可変容量圧縮機においても他の多くの機器と同様に小型化が求められており、可変容量圧縮機内に第2弁装置及び第3弁装置をレイアウトすることが難しくなってきている。
そこで、本発明は、構造が簡略で弁装置のレイアウトが容易な可変容量圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、クランク室内の調圧によって吐出容量が制御される可変容量圧縮機は、吐出室とクランク室とを連通する圧力供給通路に設けられた制御弁と、駆動軸の軸線よりも重力方向下側に配置され、前記圧力供給通路における前記制御弁よりも前記クランク室側に設けられると共に吸入室に連通する連通部を有する切替弁と、前記制御弁と前記切替弁との間の圧力供給通路と前記吸入室とを連通する絞り通路と、を含む。前記切替弁は、前記制御弁が前記圧力供給通路を閉じたとき、前記制御弁と前記切替弁との間の前記圧力供給通路と前記切替弁と前記クランク室との間の圧力供給通路との連通を遮断すると共に、前記切替弁と前記クランク室との間の前記圧力供給通路と前記吸入室とを前記連通部を介して連通させるように構成されている。
前記可変容量圧縮機において、前記切替弁は、前記制御弁が前記圧力供給通路を閉じたとき、前記クランク室からの冷媒の排出を制御する機能、及び、前記クランク室から前記制御弁に向かう冷媒の逆流を阻止する機能を有することになる。このため、それぞれの機能を有する弁装置を個別に備える場合に比べて、可変容量圧縮機の構造が簡略になり、かつ、可変容量圧縮機内における弁装置のレイアウトが容易になる。
本発明の実施形態に係る可変容量圧縮機の断面図である。 前記可変容量圧縮機の制御弁の構成を示す断面図である。 前記制御弁におけるコイル通電量と設定圧力との関係を示す図である。 前記制御弁の要部断面図であり、(a)は、絞り通路が開かられた状態を示し、(b)は、前記絞り通路が閉じられた状態を示す。 第1実施形態に係る切替弁の構成を示す断面図であり、(a)は、クランク室への圧力供給状態を示し、(b)は、前記クランク室からの放圧状態を示す。 前記切替弁の弁組立体(弁ハウジング、弁体及び第1弁座形成部)を示す図である。 前記弁組立体の位置決め方法を説明するための図である。 前記可変容量圧縮機(前記制御弁、前記切替弁)の動作を説明するための図である。 前記可変容量圧縮機(前記制御弁、前記切替弁)の動作を説明するための図である。 前記可変容量圧縮機(前記制御弁、前記切替弁)の動作を説明するための図である。 第2実施形態に係る切替弁の構成を示す断面図である。 第3実施形態に係る切替弁の構成を示す断面図である。 第4実施形態に係る切替弁の構成を示す断面図である。 第5実施形態に係る切替弁の構成を示す断面図である。 第6実施形態に係る切替弁の構成を示す断面図であり、(a)は、クランク室への圧力供給状態を示し、(b)は、前記クランク室からの放圧状態を示す。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態に係る可変容量圧縮機を説明する。実施形態に係る可変容量圧縮機は、主に車両用エアコンシステムに適用されるクラッチレス圧縮機として構成されている。
〔第1実施形態〕
「可変容量圧縮機の全体構成」
図1は、本発明の実施形態に係る可変容量圧縮機100の断面図である。可変容量圧縮機100は、複数のシリンダボア101aが形成されたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端側に設けられたフロントハウジング102と、シリンダブロック101の他端側にバルブプレート103を介して設けられたシリンダヘッド104と、を含む。シリンダブロック101とフロントハウジング102とによってクランク室140が形成されており、駆動軸110がクランク室140内を横断して設けられている。
駆動軸110の軸方向の中間部の周囲には、斜板111が配置されている。斜板111は、駆動軸110に固定されたロータ112にリンク機構120を介して連結され、斜板111の駆動軸110の軸線に対する角度(斜板111の傾角)は変更可能に構成されている。
リンク機構120は、ロータ112から突設された第1アーム112aと、斜板111から突設された第2アーム111aと、一端側が第1連結ピン122を介して第1アーム112aに対して回動自在に連結され、他端側が第2連結ピン123を介して第2アーム111aに対して回動自在に連結されたリンクアーム121と、を含む。
駆動軸110が挿通される斜板111の貫通孔111bは、斜板111が最大傾角と最小傾角の範囲で傾動可能な形状に形成されている。貫通孔111bには駆動軸110と当接する最小傾角規制部が形成されている。斜板111が駆動軸110(の軸線)に直交するときの斜板111の傾角を0°とした場合、貫通孔111bの前記最小傾角規制部は、斜板111の傾角がほぼ0°となると駆動軸110に当接し、斜板111のそれ以上の傾動を規制するように形成されている。斜板111は、その傾角が最大傾角となるとロータ112に当接してそれ以上の傾動が規制される。
駆動軸110には、斜板111の傾角を減少させる方向に斜板111を付勢する傾角減少バネ114と、斜板111の傾角を増大させる方向に斜板111を付勢する傾角増大バネ115とが装着されている。傾角減少バネ114は、斜板111とロータ112との間に配置され、傾角増大バネ115は、斜板111と駆動軸110に固定されたバネ支持部材116との間に装着されている。
ここで、斜板111の傾角が最小傾角であるとき、傾角増大バネ115の付勢力の方が傾角減少バネ114の付勢力よりも大きくなるように設定されており、駆動軸110が回転していないとき、斜板111は、傾角減少バネ114の付勢力と傾角増大バネ115の付勢力とがバランスする傾角に位置決めされる。
駆動軸110の一端(図1における左端)は、フロントハウジング102の外側に突出するボス部102a内を貫通してフロントハウジング102の外側まで延在している。そして、駆動軸110の前記一端には、図示省略の動力伝達装置が連結されている。駆動軸110とボス部102aとの間には軸封装置130が設けられており、クランク室140内は外部空間から遮断されている。
駆動軸110と駆動軸110に固定されたロータ112とからなる連結体は、ラジアル方向においては軸受131、132で支持され、スラスト方向においては軸受133、スラストプレート134で支持されている。そして、駆動軸110は、外部駆動源からの動力が前記動力伝達装置に伝達されることにより、前記動力伝達装置の回転と同期して回転するように構成されている。なお、駆動軸110の他端、すなわち、スラストプレート134側の端部と、スラストプレート134との隙間は、調整ネジ135によって所定の隙間に調整されている。
各シリンダボア101a内には、ピストン136が配置されている。ピストン136のクランク室140内に突出する突出部に形成された内側空間には、斜板111の外周部及びその近傍が収容されており、斜板111は、一対のシュー137を介してピストン136と連動するように構成されている。そして、駆動軸110の回転に伴う斜板111の回転によってピストン136がシリンダボア101a内を往復動する。すなわち、斜板111、リンク機構120及び一対のシュー137などからなる変換機構によって駆動軸110の回転運動がピストン136の往復運動に変換される。
シリンダヘッド104には、中央部に配置された吸入室141と、吸入室141を環状に取り囲む吐出室142とが区画形成されている。吸入室141とシリンダボア101aとは、バルブプレート103に設けられた連通孔103a及び吸入弁形成板150に形成された吸入弁(図示省略)を介して連通している。吐出室142とシリンダボア101aとは、吐出弁形成板151に形成された吐出弁(図示省略)及びバルブプレート103に設けられた連通孔103bを介して連通している。
そして、フロントハウジング102、センターガスケット(図示省略)、シリンダブロック101、シリンダガスケット152、吸入弁形成板150、バルブプレート103、吐出弁形成板151、ヘッドガスケット153、シリンダヘッド104が順次接続され、複数の通しボルト105によって締結されて圧縮機本体が形成される。また、駆動軸110は、前記圧縮機本体に回転可能に支持されている。
シリンダブロック101の上部にはマフラが設けられている。マフラは、吐出ポート106aが形成された蓋部材106と、シリンダブロック101の上部に形成されたマフラ形成壁101bとが図示省略のシール部材を介してボルトにより締結されることによって形成されている。
蓋部材106とマフラ形成壁101bで囲まれたマフラ空間143は、連通路144を介して吐出室142に連通しており、マフラ空間143内には、吐出逆止弁200が配置されている。吐出逆止弁200は、連通路144とマフラ空間143との接続部に配置されている。吐出逆止弁200は、連通路144(上流側)とマフラ空間143(下流側)との圧力差に応答して動作し、前記圧力差が所定値より小さい場合には連通路144を閉じ、前記圧力差が所定値より大きい場合には連通路144を開く。
連通路144、吐出逆止弁200、マフラ空間143及び吐出ポート106aは、可変容量圧縮機100の吐出通路を構成している。吐出室142は、前記吐出通路を介して前記エアコンシステムの冷媒回路(の高圧側)に接続されている。
シリンダヘッド104には、吸入ポート(図示省略)及び連通路104aで構成される吸入通路が形成されている。前記吸入通路は、シリンダヘッド104の径方向外側から吐出室142の一部を横切るように直線状に延びている。吸入室141は、前記吸入通路を介して前記エアコンシステムの冷媒回路(の低圧側)に接続されている。
シリンダブロック101及びシリンダヘッド104には、吐出室142とクランク室140とを連通する圧力供給通路145(後述する)が形成され、圧力供給通路145には制御弁300が設けられている。本実施形態において、制御弁300は、圧力供給通路145の一部を構成する第1収容孔104bに配設されており、圧力供給通路145の開度(通路断面積)を調整可能に構成されている。第1収容孔104bは、シリンダヘッド104の径方向に延びるようにシリンダヘッド104に形成されている。第1収容孔104bは、連通路104cを介して吸入室141に連通している。
制御弁300は、連通路104cを介して導入される吸入室141の圧力と、外部信号に基づきソレノイドに流れる電流によって発生する電磁力とに応じて圧力供給通路145の開度(通路断面積)を調整し、これによって、吐出室142内の冷媒(吐出ガス)のクランク室140への導入量(圧力供給量)を制御する。なお、制御弁300については後で詳細に説明する。
圧力供給通路145における制御弁300よりも下流側(クランク室140側)には切替弁350が配設されている。切替弁350は、圧力供給通路145の一部を構成する第2収容孔104dに配置されている。本実施形態において、第2収容孔104dは、シリンダヘッド104のシリンダブロック101との合わせ面側に開口を有しており、吸入室141に連通している。具体的には、第2収容孔104dは、吸入室141に開口している。
本実施形態において、圧力供給通路145は、第1収容孔104b、第2収容孔104d、吐出室142と第1収容孔104bとを連通する連通路104f、第1収容孔104bと第2収容孔104dとを連通する連通路104e、及び、第2収容孔104dとクランク室140と連通する連通路101cで構成されている。連通路104e及び104fは、シリンダヘッド104に形成され、連通路101cは、シリンダブロック101に形成されている。
なお、以下の説明においては、圧力供給通路145における制御弁300と切替弁350との間の領域を「制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145a」といい、圧力供給通路145における切替弁350とクランク室140との間の領域を「切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145b」という。
本実施形態において、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aは、制御弁300内の弁孔301cよりも下流側(切替弁350側)の領域、第1収容孔104b内の制御弁300よりも下流側の領域、連通路104e、及び第2収容孔104dの一部領域で構成されている。また、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bは、シリンダヘッド104とシリンダブロック101との間に配置される板状部材(吸入弁形成板150、バルブプレート103、吐出弁形成板151など)に形成された貫通孔及び連通路101cで構成されている。
切替弁350は、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bを、吐出室142に連通する状態から吸入室141に連通する状態に又はその逆に切り替え可能に構成されている。切替弁350は、制御弁300の開閉に連動して、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bを、切替弁350を経由してクランク室140と吸入室141とを連通する第1放圧通路146a、換言すれば、切替弁350とクランク室140との間の第1放圧通路146aに切り替えるように構成されている。なお、切替弁350の構成及び動作については後で詳細に説明するが、概要を説明すれば、次のようである。すなわち、切替弁350は、吸入室141に連通する連通部(後述する第3ポート351a1が該当する)を有している。切替弁350は、制御弁300が開いているときには、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aと、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bとを連通している。そして、制御弁300が閉じて圧力供給通路145が閉じられると、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aと、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bとの連通を遮断し、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bと、吸入室141とを前記連通部を介して連通させる。
また、クランク室140は、連通路101d、空間101e及びバルブプレート103に形成された固定絞り103cを経由する第2放圧通路146bによって吸入室141に常時連通している。すなわち、可変容量圧縮機100は、クランク室140と吸入室141とを連通する放圧通路として、切替弁350によって開閉される第1放圧通路146aと、常時開いている第2放圧通路146bとを有している。ここで、第1放圧通路146aの最小通路断面積は、第2放圧通路146bの固定絞り103cの通路断面積より大きく設定されている。
また、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aと、吸入室141とは、制御弁300内を経由する絞り通路320(後述する)によって連通するように構成されている。このため、制御弁300が閉じて圧力供給通路145が閉じられると、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aの圧力がクランク室140の圧力より低くなる。この場合、切替弁350は、圧力供給通路145を閉じて(圧力供給通路145aと圧力供給通路145aとの連通を遮断して)クランク室140側から制御弁300に向かう冷媒の逆流を阻止する一方で、第1放圧通路146aの開度を最大開度とする。具体的には、切替弁350は、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bを吸入室141に連通する状態(すなわち、切替弁350とクランク室140との間の第1放圧通路146a)に切り替える。これにより、クランク室140と吸入室141とを連通する前記放圧通路が第1放圧通路146aと第2放圧通路16bとで構成されるため、前記放圧通路の通路断面積が最大となる。もちろん、第1放圧通路146aの通路断面積も最大となる。したがって、クランク室140内の冷媒が第1放圧通路146a及び第2放圧通路146bを介して速やかに吸入室141に流出し(排出され)、クランク室140の圧力が吸入室141の圧力と同等となる。すると、斜板111の傾角が最大となって、ピストン136のストローク(すなわち、可変容量圧縮機100の吐出容量)が最大となる。
一方、制御弁300が開いて圧力供給通路145が開かれると、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aの圧力が上昇し、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aの圧力がクランク室140の圧力よりも高くなると、切替弁350は、圧力供給通路145を開くと共に第1放圧通路146aを閉じる。具体的には、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bを吐出室142に連通する状態(すなわち、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145a)に切り替える。これにより、前記放圧通路が第2放圧通路146bのみで構成され、前記放圧通路の通路断面積が最小となる。もちろん、第1放圧通路146aの通路断面積も最小となる。したがって、吐出室142の冷媒が圧力供給通路145を介してクランク室140に供給される一方で、クランク室140の冷媒が吸入室141に流出することが制限されてクランク室140の圧力が上昇し易くなる。このため、制御弁300の開度に応じてクランク室140内の圧力が上昇し、斜板111の傾角が最大から減少し、ピストン136のストロークが可変制御され得る。
このように、可変容量圧縮機100は、クランク室140内の調圧によって吐出容量が制御される圧縮機である。なお、可変容量圧縮機100の内部には潤滑用のオイルが封入されており、駆動軸110の回転に伴うオイルの撹拌や、冷媒ガスの移動に伴うオイルの移動によって、可変容量圧縮機100内部が潤滑される。
「制御弁300の基本構成」
図2は、制御弁300の構成を示す断面図であり、図3は、コイル通電量(電流I)と設定圧力との関係を示す図である。図2に示されるように、本実施形態において、制御弁300は、弁ユニットと、弁ユニットを開閉作動させる駆動ユニット(ソレノイド)とを含む。
制御弁300の弁ユニットは、円筒状の弁ハウジング301を有している。弁ハウジング301の内部には、その一端(下端)側から第1感圧室302、弁室303及び第2感圧室307が軸方向に順番に並んで形成されている。
第1感圧室302は、弁ハウジング301の外周面に形成された連通孔301a、第1収容孔104b、連通路104e、第2収容孔104d及び連通路101cを介してクランク室140に連通している。第2感圧室307は、弁ハウジング301の外周面に形成された連通孔301e、第1収容孔104b及び連通路104cを介して吸入室141に連通している。弁室303は、弁ハウジング301の外周面に形成された連通孔301b、第1収容孔104b及び連通路104fを介して吐出室142に連通している。第1感圧室302と弁室303とは、弁孔301cを介して連通可能に構成されている。弁室303と第2感圧室307との間には、支持孔301dが形成されている。
第1感圧室302内には、ベローズ305が配設されている。ベローズ305は、内部が真空にされると共にバネを内蔵している。ベローズ305は、弁ハウジング301の軸方向に変位可能に構成され、第1感圧室302内の圧力、すなわち、クランク室140内の圧力を受ける感圧手段としての機能を有する。
弁室303内には、円柱状の弁体304が収容されている。弁体304は、その外周面が支持孔301dの内周面に密接すると共に支持孔301d内を摺動可能に構成され、弁ハウジング301の軸線方向に移動可能である。弁体304の一端(下端)は、弁孔301cを開閉可能であり、弁体304の他端(上端)は、第2感圧室307内に突出している。
弁体304の前記一端には、棒状の連結部306が突出形成されている。連結部306の端部(先端)はベローズ305に当接可能に配置されており、ベローズ305の変位を弁体304に伝達する機能を有する。
駆動ユニットは、円筒状のソレノイドハウジング312を有する。ソレノイドハウジング312は、弁ハウジング301の他端(上端)に同軸に連結されている。ソレノイドハウジング312内には、電磁コイルを樹脂で覆ったモールドコイル314が収容されている。またソレノイドハウジング312内には、モールドコイル314の内側に、モールドコイル314と同心の円筒状の固定コア310が収容されている。固定コア310は、弁ハウジング301からモールドコイル314の中央付近まで延びている。弁ハウジング301とは反対側のソレノイドハウジング312の端部は、固定コア310を囲むように設けられた有底筒状のスリーブ313によって閉塞されている。
固定コア310は、中央に挿通孔310aを有し、挿通孔310aの一端(下端)は、第2感圧室307に開口している。また、固定コア310とスリーブ313の閉塞端(底部)との間には、円筒状の可動コア308が収容されている。
挿通孔310aには、ソレノイドロッド309が挿通されている。ソレノイドロッド309の一端(下端)は、弁体304の前記他端に圧入固定され、ソレノイドロッド309の他端(上端)は、可動コア308に形成された貫通孔に嵌合(圧入)されている。つまり、弁体304、可動コア308及びソレノイドロッド309は一体化されている。また、固定コア310と可動コア308との間には、可動コア308を固定コア310から離れる方向(開弁方向)に付勢する強制解放バネ311が設けられている。
可動コア308、固定コア310及びソレノイドハウジング312は、磁性材料で形成されて磁気回路を構成する。一方、スリーブ313は非磁性材料のステンレス系材料で形成されている。
モールドコイル314は、信号線等を介して、可変容量圧縮機100の外部に設けられた制御装置(図示せず)に接続されている。モールドコイル314は、前記制御装置から制御電流Iが供給されると、電磁力F(I)を発生する。モールドコイル314が電磁力F(I)を発生すると、可動コア308が固定コア310に向かって吸引されて、弁体304が閉弁方向に移動する。
制御弁300の弁体304には、モールドコイル314による電磁力F(I)の他に、強制解放バネ311による付勢力f、弁室303の圧力(吐出圧力Pd)による力、第1感圧室302の圧力(クランク室圧力Pc)による力、第2感圧室307の圧力(吸入圧力Ps)による力及びベローズ305の内蔵するバネによる付勢力Fが作用する。ここで、ベローズ305の有効受圧面積Sb、弁体304により遮蔽する弁孔301cの面積であるシール面積Sv、弁体304の円筒外周面の断面積Srを、Sb=Sv=Srとしてあるので、弁体304に作用する力のつりあいは、下式(1)で示され、下式(1)を変形すると下式(2)となる。なお、式(1)、(2)において、「+」は弁体304の閉弁方向を示し、「−」は弁体304の開弁方向を示す。
F(I)−f+Ps・Sb−F=0・・・(1)
Ps=(F+f−F(I))/Sb・・・(2)
ベローズ305、連結部306及び弁体304の連結体は、吸入室141の圧力がモールドコイル314に流れる電流(すなわち、制御電流I)によって設定された設定圧力より高くなると、吐出容量を増大させるために圧力供給通路145の開度(通路断面積)を小さくしてクランク室140の圧力を低下させ、吸入室141の圧力が設定圧力を下回ると、吐出容量を減少するために圧力供給通路145の開度(通路断面積)を大きくしてクランク室140の圧力を上昇させる。つまり、制御弁300は、吸入室141の圧力が設定圧力に近づくように圧力供給通路145の開度(通路断面積)を自律制御する。
弁体304には、ソレノイドロッド309を介してモールドコイル314の電磁力が閉弁方向に作用するので、モールドコイル314への通電量が増加すると圧力供給通路145の開度を小さくする方向の力が増大し、図3に示されるように設定圧力が低下する方向に変化する。前記制御装置は、例えば400Hz〜500Hzの範囲の所定の周波数でパルス幅変調(PWM制御)によりモールドコイル314への通電を制御し、モールドコイル314を流れる電流値が所望の値となるようにパルス幅(デューティ比)を変更する。
前記エアコンシステムの作動時、つまり可変容量圧縮機100の作動状態では、前記制御装置は、前記エアコンシステムにおける空調設定(設定温度等)や外部環境に基づいてモールドコイル314への通電量を調整する。これにより、吸入室141の圧力が前記通電量に対応する設定圧力になるように吐出容量が制御される。一方、前記エアコンシステムの非作動時、つまり可変容量圧縮機100の非作動状態では、前記制御装置は、モールドコイル314への通電をOFFする。これにより、圧力供給通路145が強制解放バネ311によって開かれ、可変容量圧縮機100の吐出容量は最小の状態に制御される。
「絞り通路320」
本実施形態において、絞り通路320は、制御弁300の内部を経由して、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aの領域と、吸入室141とを連通するように構成されている。図4は、制御弁300の要部断面図であり、図4(a)は、絞り通路320が開かれた状態を示し、図4(b)は、絞り通路320が閉じられた状態を示している。
絞り通路320は、制御弁300が閉じて圧力供給通路145が閉じられたとき、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aの領域にある冷媒を吸入室141側へと逃がすために設けられている。
本実施形態において、絞り通路320は、図4(a)に示されるように、一体化された弁体304及び連結部306の内部空間を形成する連通孔304aと、連結部306に形成されて第1感圧室302と連通孔304aとを連通する連通孔306aと、ソレノイドロッド309の弁体304に圧入された圧入部の内部に形成されて連通孔304aに接続する連通孔309aと、弁体304の前記他端(上端)に形成された円柱状の凹部304bと、凹部304b内に位置するソレノイドロッド309の部位に形成されて連通孔309aと凹部304b内とを連通する連通孔309bと、弁ハウジング301の外周面に形成された連通孔301eと、シリンダヘッド104に形成された連通路104c(図1参照)とで構成されている。
したがって、図4(b)に示されるように、弁体304の前記他端側の面(すなわち、凹部304bの周囲の環状面)304cが固定コア310の下端面に当接すると、絞り通路320は閉じられ、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aの領域である第1感圧室302と、吸入室141との連通が遮断される。
一方、図4(a)に示されるように、弁体304の前記他端側の面(環状面)304cが固定コア310の下端面から離間すると、絞り通路320が開かれ、絞り通路320を介して第1感圧室302と吸入室141とが連通する。ここで、ソレノイドロッド309に形成された連通孔309bは、絞り通路320が開かれたときに「絞り部」として機能するように形成されている。連通孔309bの開口面積は、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aの領域の冷媒の吸入室141への流出(排出)性を考慮して、できるだけ小さく設定される。なお、前記絞り部は、連通孔306a、連通孔304a又は連通孔309aに設けられてもよい。
制御弁300は、モールドコイル314が消磁されたとき、強制解放バネ311の付勢力によって弁体304の前記一端が弁孔301c周囲から離間して弁開度が最大となる。すなわち、圧力供給通路145が最大に開かれる。このとき、図4(b)に示されるように、弁体304の前記他端側の面304cが固定コア310の下端面に当接して絞り通路320が閉じられる。一方、強制解放バネ311の付勢力を上回る電磁力が作用するような電流値がモールドコイル314に流れると、弁体304の前記一端が弁孔301cを閉じる方向に移動し、図4(a)に示されるように、弁体304の前記他端側の面304cが固定コア310の下端面から離間して絞り通路320が開かれる。
したがって、本実施形態においては、制御弁300の弁体304の前記他端側の面304cと固定コア310(の下端面)とによって、絞り通路320を開閉する弁手段(弁機構)が構成される。そして、絞り通路320は、モールドコイル314が消磁されている可変容量圧縮機100の非作動状態(OFF)のときのみ閉じられ、モールドコイル314が励磁されている可変容量圧縮機100の作動状態(ON)のときには開かれた状態(開通状態)となって、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aの領域と、吸入室141とを連通する。
「切替弁350の構成及び動作」
図5は、シリンダヘッド104に配置される切替弁350(第1実施形態に係る切替弁)の構成を示す断面図であり、図5(a)は、クランク室140に吐出ガスを供給する状態(クランク室140への圧力供給状態)を示し、図5(b)は、クランク室140から冷媒が流出する状態(クランク室140からの放圧状態)を示す。
切替弁350は、弁ハウジング351と、弁ハウジング351に収容された弁体352と、第1弁座形成部353と、第2弁座形成部151aとを含む。
弁体352は、弁ハウジング351の一端側に配置された第1弁部352aと、弁ハウジング351の他端側に配置された第2弁部352bと、第1弁部352aと第2弁部352bとを連結する軸部352cとを有する。第1弁座形成部353は、弁ハウジング351の前記一端側に配置されている。本実施形態において、第1弁座形成部353は、弁ハウジング351とは別体で形成され、弁ハウジング351の前記一端側に固定されている。第2弁座形成部354は、弁ハウジング351の前記他端側に配置されている。本実施形態において、吐出弁形成板151の一部の領域が第2弁座形成部151aを構成している。すなわち、吐出弁形成板151が第2弁座形成部151aとして用いられている。
弁ハウジング351は、円筒状の周壁351aと、周壁351a内における軸方向の中間位置に配置された区画壁351bとを有する。弁ハウジング351の周壁351aの前記一端側の開口には、第1弁座形成部353が嵌合固定され、弁ハウジング351の周壁351aの前記他端側の開口は、第2弁座形成部151a(吐出弁形成板151)によって閉塞されている。区画壁351bには挿通孔351b1が形成されている。
弁ハウジング351の内部は、第1弁座形成部353、周壁351a及び区画壁351bで囲まれた第1弁室351cと、第2弁座形成部151a、周壁351a及び区画壁351bで囲まれた第2弁室351dとに区画されている。換言すれば、弁ハウジング351の周壁351aは、第1弁室351c及び第2弁室351dを構成する内側空間を有しており、第1弁室351cと第2弁室351dとは区画壁351bによって区画されている。そして、弁体352の第1弁部352aが第1弁室351cに配置され、弁体352の第2弁部352bが第2弁室351dに配置され、弁体352の軸部352cが区画壁351bに形成された挿通孔351b1に挿通されている。
第1弁座形成部353には、第1ポート353a及び第1弁座353bが形成されている。すなわち、第1弁室351cは、第1ポート353a及び第1弁座353bを有している。第1ポート353aは、第1弁座形成部353に貫通形成され、第1弁室351cに開口すると共に、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aに連通している。第1弁座353bは、第1弁座形成部353の第1弁室351c側の面における第1ポート353aの周囲に形成されている。第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bに離接することによって第1ポート353aが開閉される。
第2弁座形成部151a(吐出弁形成板151)には、第2ポート151a1及び第2弁座151a2が形成されている。すなわち、第2弁室351dは、第2ポート151a1及び第2弁座151a2を有している。第2ポート151a1は、第2弁座形成部151aに貫通形成され、第2弁室351dに開口すると共に、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bに連通している。また、第2弁座151a2は、第2弁座形成部151aの第2弁室351d側の面における第2ポート151a1の周囲に形成されている。第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2に離接することにより第2ポート151a1が開閉される。なお、ここでは吐出弁形成板151が第2弁座形成部151aとして用いられているが、これに限られるものではない。シリンダブロック101とシリンダヘッド104との間に配置される他の板状部材、すなわち、バルブプレート103やヘッドガスケット153が第2弁座形成部151aとして用いられてもよい。
また、弁ハウジング351の周壁351aには、第2弁室351dと吸入室141とを連通する第3ポート351a1が形成されている。すなわち、第2弁室351dは、第2ポート151a1及び第2弁座151a2に加えて第3ポート351a1を有している。
なお、弁ハウジング351、第1弁座形成部353及び弁体352は、例えばアルミニウム系、黄銅系などの金属材料で形成されている。
上述のように、弁体352は、第1弁室351cに配置されて第1弁座353bに離接する第1弁部352aと、第2弁室351dに配置されて第2弁座151a2に離接する第2弁部352bと、第1弁部352aと第2弁部352bとを連結すると共に区画壁351bに形成された挿通孔351b1に挿通される軸部352cと、を含む。本実施形態において、弁体352の第1弁部352aと軸部352cとは一体形成されている。弁体352の第2弁部352bは、第1弁部352a及び軸部352cとは別体で形成されて、軸部352cに圧入固定されている。
具体的には、弁体352は、第2弁部352bに形成された貫通孔に軸部352cを圧入することによって形成され、また、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2に当接したとき、同時に第1弁部352aの他端面352a2が区画壁351bの一端面(第1弁室351c側の面)351b2に当接するように、第2弁部352bの前記貫通孔に対する軸部352cの軸方向の圧入位置が調整されている。以下、図6を参照して説明する。
まず、第2弁部352bの一端面352b1を水平面上に置く。次いで、弁ハウジング351の前記他端側の面351a3を下向きにして、第2弁部352bを弁ハウジング351内に収容するように、換言すれば、第2弁部352bが、第2弁室351dとなる空間内に位置するように、弁ハウジング351の前記他端側の面351a3を同一水平面上に置く。
次いで、第1弁部352aと軸部352cとの一体形成物を、弁ハウジング351の前記一端側(1弁室351cとなる空間側)から挿入し、軸部352cを挿通孔351b1に挿通する。
次いで、軸部352cの先端を第2弁部352bの前記貫通孔に位置合わせし、第1弁部352aの他端面352a2が区画壁351bの一端面(第1弁室351c側の面)351b2に当接するまで、前記一体形成物を下向きに押圧して軸部352cを第2弁部352bの前記貫通孔に圧入する。
そして、第1弁座形成部353を弁ハウジング351の前記一端側の開口に圧入嵌合することにより、弁ハウジング351、弁体352及び第1弁座形成部353で構成される弁組立体350aが完成する。弁組立体350aの第1弁座形成部353側の所定範囲が第2収容孔104dに収容(嵌合)され、その後、弁ハウジング351(周壁351a)の前記他端側の開口が、第2弁座形成部151aによって閉塞されることによって切替弁350が構成される。
本実施形態においては、弁組立体350aの段階で第1弁部352aと第2弁部352bとの軸方向の位置調整が完了する。このため、試験治具等を用いることによって、弁組立体350aの状態において、第1弁部352aの一端面352a1と第1弁座353bとの当接状態が適切か否か(冷媒等の漏れが生じ得るか否か)、第2弁部352bの一端面352b1面が第2弁座151a2に適切に当接し得るか否か(冷媒等の漏れが生じ得るか否か)、及び/又は、第1弁室351cと第2弁室351dとの連通が適切に遮断されるか否かなどが検査可能である。
図5及び図6を参照して、弁体352の構成についてさらに説明する。弁体352の第1弁部352aは、第1弁座353b側の一端部(弁座側部位)352a3と、区画壁351b側の他端部(区画壁側部位)352a4と、一端部352a3と他端部352a4との間に配置された中間部(中間部位)352a5とで構成されている。中間部位352a5の外径は、弁座側部位352a3の外径及び区画壁側部位352a4の外径よりも大きく、中間部位352a5の外周面が第1弁室351cの内周面に所定の隙間を有して支持されている。
弁体352の第2弁部352bは、有底円筒状に形成され、その底壁に軸部352cが圧入される前記貫通孔が形成されると共に、環状の開口端面が第2弁座151a2に離接する一端面352b1となっている。
また、弁体352は、内部通路352dを有している。内部通路352dは、軸方向に延びる第1通路352d1と、第1通路352d1に接続する第2通路352d2とを含む。第1通路352d1の一端は、第2弁部352bに圧入された軸部352cの端面に開口し、第1通路352d1の他端は、閉塞されている。第2通路352d2は、第1弁部352aの弁座側部位352a3に形成されて第1通路352d1と第1弁室351cとを連通している。
したがって、第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bから離間して第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2に当接すると、第2ポート151a1と第3ポート351a1との間の連通が遮断されると共に、第1ポート353aと第2ポート151a1とが内部通路352dを経由して連通する。一方、第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bに当接して第1ポート353aを閉じると、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2から離間して第2ポート151a1と第3ポート351a1とが連通する。
ここで、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2に当接したとき、第1弁部352aの他端面352a2が区画壁351bの一端面(第1弁室351c側の面)351b2に当接するため、第1弁室351cと第2弁室351dとの挿通孔351b1を介した連通が遮断される。したがって、第1弁室351cから第2弁室351dへの挿通孔351b1を経由する流れが遮断される。
また、内部通路352dは、第2通路352d2とは別に、第1通路352d1と第1弁室351cとを連通する第3通路352d3をさらに含んでいる。第3通路352d3は、第1弁部352aの区画壁側部位352a4に形成されて、第1通路352d1と第1弁室351cとを連通している。
したがって、第1弁部352aの他端面352a2が区画壁351bの一端面351b2に当接しているとき、第1弁部352aの中間部位352a5の外周面と第1弁室351cの内周面との隙間、及び、第1弁部352aの区画壁側部位352a4の外周面と第1弁室351cの内周面との間に冷媒の流れが形成される。このため、第1ポート353aから第1弁室351cに流入した冷媒に異物等が含まれている場合であっても、弁体352の移動を阻害する前記異物等の停留が防止される。
このように、切替弁350は、弁体352の移動により第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bに当接して第1ポート353aを閉じることによって圧力供給通路145を閉じる。このとき、切替弁350においては、第2弁部の一端面352b1が第2弁座151a2から離間し、第2ポート151a1と第3ポート351a1とが連通する。この結果、切替弁350(第2ポート151a1)とクランク室140との間の圧力供給通路145bが吸入室141に連通することとなり、圧力供給通路145bが、切替弁350(第2ポート151a1)とクランク室140との間の第1放圧通路146aに切り替えられる。
一方、切替弁350は、弁体352の移動により第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bから離間して第1ポート353aを開くことによって圧力供給通路145を開く。このとき、切替弁350においては、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2に当接して第2ポート151a1と第3ポート351a1との連通が遮断されると共に、第1ポート353aと第2ポート151a1とが内部通路352dを経由して連通する。この結果、切替弁350(第2ポート151a1)とクランク室140との間の第1放圧通路146aが吐出室142に連通することとなって、第1放圧通路146aが、切替弁350(第2ポート151a1)とクランク室140との間の圧力供給通路145bに切り替えられる(戻される)。
切替弁350の動作についてさらに詳しく説明する。
弁体352の一端面(第1弁部352aの一端面352a1)は、第1ポート353a側の圧力(圧力供給通路145aの圧力)Pc′を受ける。弁体352の他端面(第2弁部352bの一端面352b1)は、第2ポート151a1側の圧力(圧力供給通路145bの圧力)、すなわち、クランク室140の圧力Pcを受ける。また、第2弁室351dは、第3ポート351a1を介して吸入室141に連通しているので、弁体352には吸入室141の圧力Psが作用している。
ここで、第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bに当接したときの圧力Pc′の受圧面積をS1、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2に当接したときの圧力Pcの受圧面積をS2、第1弁部352aの他端面352a2が区画壁351bの一端面351b2に当接したときの当接部の径で規定される面積をS3とする。
第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bに当接した状態では、クランク室140の圧力Pcは吸入室141の圧力Psとなっているので、第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bから離間するための条件は、下式(3)となる。
Pc′・S1>Ps・S1+f+F1・・・(3)
ここで、fは、摩擦力であり、F1は、第2ポート151a1側からの冷媒流が衝突することによって第2弁部352bの一端面352b1に作用する動圧による力である。
したがって、制御弁300を開いて(すなわち、圧力供給通路145を開いて)、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aに吐出室142内の冷媒(吐出ガス)を供給してPc′を上昇させることによって、第1弁部352aの一端面352a1を第1弁座353bから離間させ、第2弁部352bの一端面352b1を第2弁座151a2に当接させることができる。
また、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2に当接し、第1弁部352aの他端面352a2が区画壁351bの一端面351b2に当接している状態を保持するための条件は、下式(4)となる。
Pc′・S3+F2>Ps・(S3−S2)+Pc・S2・・・(4)
ここで、F2は、第1ポート353a側からの冷媒流が衝突することによって第1弁部352aの一端面352a1に作用する動圧による力である。
但し、S3=S2としてあるので、(Pc′―Pc)・S2+F2>0・・・(4′)
圧力供給通路145が開かれていれば、すなわち、圧力供給通路145を冷媒が流れていれば、Pc′>Pcとなるので、静圧差(Pc′―Pc)による力と動圧による力F2とによって、弁体352は、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2を当接(押圧)した状態に保持される。
また、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2から離間するための条件は、式(4′)の左辺を負とすればよい。
制御弁300を閉じる(すなわち、圧力供給通路145を閉じる)と、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aには吐出室142内の冷媒(吐出ガス)が供給されないので、F2=0となる。また、圧力供給通路145a内の冷媒は、絞り通路320を経由して吸入室141に流出する(排出される)のでPc′<Pcとなる。この結果、式(4′)の左辺が負となって、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2から離間すると共に、第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bに当接する。
したがって、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2に当接した状態で制御弁300を閉じて圧力供給通路145を閉じたときに、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2から離間するための条件は、下式(5)となる。
Pc・S2+F3>Pc′・S2+f・・・(5)
(Pc−Pc′)・S2+F3>f・・・(5′)
ここで、F3は、内部通路352d(第1通路352d1)を逆流する冷媒が衝突することによって第1通路352d1の端面に作用する動圧による力である。
圧力供給通路145a内の冷媒は、絞り通路320を経由して吸入室141に流れてPc′<Pcとなる。そして、静差圧(Pc−Pc′)による力及び内部通路352d(第1通路352d1)を逆流する冷媒によって発生する動圧による力F3によって、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2から離間し、第1弁部の一端面352a1が第1弁座353bに当接する。
このように、切替弁350は、制御弁300が圧力供給通路145を開いたとき、第1弁部352aの一端面352a1に作用する第1ポート353a側の圧力Pc′の上昇を利用して弁体352を移動させて、第2弁部352bの一端面352b1を第2弁座151a2に当接させる。これにより、第2ポート151a1と第3ポート351a1との間の連通が遮断されると共に、第1ポート353aと第2ポート151a1とが内部通路352dを介して連通する。この結果、切替弁350とクランク室140との間の第1放圧通路146aが圧力供給通路145bに切り替えられる。
また、切替弁350は、制御弁300が圧力供給通路145を閉じたとき、第1弁部352aの一端面352a1に作用する第1ポート353a側の圧力Pc′の低下を利用して弁体352を移動させて、第1弁部352aの一端面352a1を第1弁座353bに当接させる。これにより、第1ポート353aが閉じられると共に、第2ポート151a1と第3ポート351a1とが連通する。この結果、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bが第1放圧通路146aに切り替えられる。なお、弁体352の各受圧面積S1、S2、S3は、弁体352の円滑な動作を踏まえて、適宜調整され得る。
「切替弁350の設置」
弁組立体350aは、シリンダヘッド104のシリンダブロック101との合わせ面(以下「開放端面」という)104g側から第2収容孔104dに設置される。詳しくは、第2収容孔104dは、シリンダヘッド104の開放端面104g側(シリンダブロック101側)に開口を有した円柱状の孔として形成されている(図5参照)。第2収容孔104dの底壁104d1には、連通路104eの一端が開口している。そして、弁組立体350aは、弁ハウジング351の一端面351a2が第2収容孔104dの底壁104d1に対峙するように、換言すれば、第1弁座形成部353が第2収容孔104dの底壁104d1を向くように、第2収容孔104dに設置され、弁ハウジング351の外周面が第2収容孔104dの内周壁104d2に嵌合される。
切替弁350は、駆動軸110の軸線より重力方向下側の領域に配置されている(図1参照)。シリンダヘッド104の開放端面104g側に開口を有した第2収容孔104dは、具体的には、シリンダヘッド104の開放端面104gよりもシリンダブロック101から離れた位置に設けられて、吸入室141(の内壁)に開口している。弁組立体350aは、弁ハウジング351の周壁351aの前記一端側(第1弁座形成部353側)が第2収容孔104dの内周壁104d2に圧入嵌合され、弁ハウジング351の周壁351aの前記他端側が吸入室141内に突出して、第3ポート351a1が吸入室141内に位置している。
また、弁組立体350aは、シリンダヘッド104において、弁ハウジング351の前記他端側の面351a3が第2弁座形成部151a(吐出弁形成板151)に当接するように位置決めされている。以下、図7を参照して弁組立体350aの位置決め方法を説明する。
まず、弁ハウジング351の前記他端側の面351a3がシリンダヘッド104の開放端面104gから所定量hだけ突出するように、弁組立体350aを第2収容孔104dに仮圧入する。
次に、前記圧縮機本体を組み立てる。すなわち、フロントハウジング102、シリンダブロック101、吸入弁形成板150、バルブプレート103、吐出弁形成板151、シリンダヘッド104などを順次接続する。これにより、シリンダヘッド104の開放端面104gから突出した弁ハウジング351の前記他端の面351a3が第2弁座形成部151a(吐出弁形成板151)に当接する。
そして、前記圧縮機本体を複数の通しボルト105で締結して可変容量圧縮機100とする。これにより、弁組立体350aが第2収容孔104dの奥側へと押し込まれ、弁ハウジング351の前記他端側の面351a3が第2弁座形成部151a(吐出弁形成板151)に当接した状態、さらに言えば、弁ハウジング351の前記他端側の面351a3が第2弁座形成部151a(吐出弁形成板151)を押圧した状態で、弁組立体350aが位置決めされる。
このようにすると、前記圧縮機本体(又は可変容量圧縮機100)の組立と同時に、弁ハウジング351の外周面と第2収容孔104dの内周壁104d2との間、及び、弁ハウジング351の前記他端側の面351a3と第2弁座形成部151aとの間がシールされ得るので、別にシール部材等を設ける必要がなく、構造が簡素化される。
「可変容量圧縮機100の動作」
図8は、車両のエンジンが停止している場合など、可変容量圧縮機100が停止している状態を示している。この状態においては、制御弁300のモールドコイル314への通電はOFFになっており、制御弁300は圧力供給通路145を最大に開き(通路断面積を最大とし)、かつ、絞り通路320は閉じられている。切替弁350は、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2に当接して第2ポート151a1と第3ポート351a1との連通が遮断され、第1ポート353aと第2ポート151a1とが内部通路352dを経由して連通している状態となっている。このため、クランク室140と吸入室141とは、第2放圧通路146bのみによって連通しており、クランク室140と吸入室141とを連通する前記放圧通路の開度(通路断面積)は最小となる。
上記の状態で車両のエンジンが始動し、可変容量圧縮機100の駆動軸110が回転すると、吐出逆止弁200が吐出通路を閉じており、また、絞り通路320が閉じられているため、圧縮吐出された冷媒(吐出室142内の冷媒)のすべてが圧力供給通路145を経由してクランク室140に供給される。このため、クランク室140の圧力が確実に上昇して斜板111の傾角は最小となり、ピストン136のストローク(吐出容量)が最小となる。このとき、可変容量圧縮機100は非作動状態で運転されている状態となっている。なお、前記圧縮吐出された冷媒は、オイルを含んでおり、吐出室142、圧力供給通路145、クランク室140、第2放圧通路146b、吸入室141及びシリンダボア101aで構成される内部循環路を循環し、可変容量圧縮機100の内部を潤滑する。
次いで、前記エアコンシステムが作動すると、制御弁300のモールドコイル314に電流が流れて弁体304が弁孔301cを閉じ、同時に絞り通路320が開く。この場合は、前記圧縮吐出された冷媒が制御弁300と切替弁350の間の圧力供給通路145aに供給されず、また。圧力供給通路145a内の冷媒は、絞り通路320を経由して吸入室141に流出する。この結果、圧力供給通路145aの圧力が吸入室141と同等になる。このとき切替弁350においては、第2ポート151a1側から内部通路352d(第1通路352d1)を経由して第1弁室351cに向けて冷媒が逆流し、この内部通路352d(第1通路352d1)を逆流する冷媒によって、弁体352を第1弁座353bに向けて移動させる動圧が発生する。
このため、弁体352は、第2ポート151a1側の圧力と第1ポート353a側の圧力との差(静圧差)による力と、内部通路352dを逆流する冷媒による動圧による力とによって第1弁座353b側に移動し、第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bに当接して第1ポート353aが閉じ、かつ、第2ポート151a1と第3ポート351a1が連通する。すなわち、切替弁350は、圧力供給通路145bを第1放圧通路146aに切り替える。この結果、クランク室140と吸入室141とは、第1放圧通路146a及び第2放圧通路146bによって連通し、クランク室140と吸入室141とを連通する前記放圧通路の開度(通路断面積)が最大となる(図9参照)。
したがって、クランク室140内の冷媒が速やかに吸入室141に流出して(排出されて)、クランク室140の圧力が吸入室141の圧力と同等となる。このため、斜板111の傾角が最大となり、ピストン136のストローク(吐出容量)が最大となる。また。吐出逆止弁200が開いて前記エアコンシステムを冷媒が循環し、前記エアコンシステムが作動状態となる。ここで、クランク室140に液冷媒が貯留されている場合は、内部通路352dに液冷媒が流れることになる。この場合、冷媒の密度がガス状態に比べて著しく大きくなって前記動圧が増大し、弁体352を第1弁座353bに向かう方向により確実に移動させることが可能になる。
その後、吸入室141の圧力がモールドコイル314に流れる電流によって設定された設定圧力まで低下すると、制御弁300の弁体304が弁孔301cを開き、これによって、前記圧縮吐出された冷媒が制御弁300と切替弁350の間の圧力供給通路145aに供給されて圧力供給通路145aの圧力が上昇する。これにより、弁体352に作用する第1ポート353a側の圧力がその反対側に作用する吸入室141の圧力を上回り、第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座353bから離間すると共に、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座151a2に当接する。つまり、切替弁350は、第1放圧通路146aを圧力供給通路145bに切り替える。このため、クランク室140と吸入室141とは、第2放圧通路146bのみによって連通し、クランク室140と吸入室141とを連通する放圧通路の開度(通路断面積)は最小となる(図10参照)。したがって、制御弁300による圧力供給通路145の開度(通路断面積)の調整に応じてクランク室140内の圧力が上昇し、斜板111の傾角が減少してピストン136のストローク(吐出容量)が減少し、吐出容量制御状態となる。
以上説明したように、本実施形態において、切替弁350は、制御弁300が圧力供給通路145を閉じたとき、切替弁350とクランク室140との間の圧力供給通路145bを、吐出室142に連通する状態から吸入室141に連通する状態(すなわち、第1放圧通路146a)に切り替える。これにより、クランク室140側から制御弁300に向かう冷媒の逆流が阻止され、また、前記放圧通路の開度(通路断面積)は、圧力供給通路145が開いているときよりも大きくなる(最大となる)。つまり、切替弁350は、クランク室140からの冷媒の排出を制御する機能と、クランク室149から制御弁300に向かう冷媒の逆流を阻止する機能とを有している。このため、専用の逆止弁が設けられる必要はなく、可変容量圧縮機内のレイアウトが容易になる。
また、切替弁350は、制御弁300が圧力供給通路を閉じたとき、第2ポート151a1側の圧力と第1ポート353a側の圧力との差(静圧差)による力だけではなく、第2ポート151a1側から内部通路352dを経由して第1弁室351cに向かう冷媒の流れによる動圧による力も利用して弁体352を移動させている。このため、圧力供給通路145aから第1放圧通路146aへの切り替えが速やかに行われる。特に、クランク室140内に液冷媒が貯留された状態で可変容量圧縮機100が起動されたときに、切替弁350が速やかかつ確実に動作し、クランク室140内の液冷媒が吸入室141に速やかに排出される。
〔第2実施形態〕
図11は、第2実施形態に係る切替弁350Bの構成を示す断面図である。第2収容孔104dと連通路104eとがほぼ同軸に形成される場合、前記切替弁は、第2収容孔104dの底壁104d1が前記第1弁座形成部として機能するように構成され得る。この場合、弁ハウジング351及び弁体352で弁組立体350aが構成され、第2収容孔104dの底壁104d1における連通路104eの開口が前記第1ポートとなり、第2収容孔104dの底壁104d1における連通路104eの開口周囲が第1弁部352aの一端面352a1が離接する前記第1弁座となる。このようにすると、前記第1弁座形成部のための専用の部品が不要となり、弁組立体350aの構成が簡素化される。
〔第3実施形態〕
図12は、第3実施形態に係る切替弁350Cの構成を示す断面図である。第2収容孔104dと連通路104eとがほぼ同軸に形成される場合、前記切替弁は、第2収容孔104dの底壁104d1が前記第1弁座形成部として機能するように構成され、さらに弁ハウジング351の周壁351aの内側が第2弁室351dのみを構成するように形成され得る。この場合も、前記第2実施形態と同様、弁ハウジング351及び弁体352で弁組立体350aが構成される。また、第2収容孔104dは、例えば、シリンダヘッド104の開放端面104g側(シリンダブロック101側)から順に、大径孔部104d21と、大径孔部104d21よりも小径の小径孔部104d22とを有するように形成される。そして、弁ハウジング351の周壁351aの外周面が大径孔部104d21の内周面に圧入嵌合されると共に、第1弁部352aの外周面が小径孔部104d22の内周面に所定の隙間をあけて支持されるように構成される。このようにしても、前記第2実施形態と同様、前記第1弁座形成部のための専用の部品が不要となり、弁組立体350aの構成が簡素化される。
〔第4実施形態〕
図13は、第4実施形態に係る切替弁350Dの構成を示す断面図である。弁ハウジング351、弁体352及び第1弁座形成部353で構成される弁組立体350aが第2収容孔104dに着脱可能に構成されてもよい。この場合、図13に示されるように、好ましくは、弁ハウジング351の周壁351aと第2収容孔104dの内周壁104d2との間にOリングなどの弾性を有するシール部材160が配置される。
さら好ましくは、第2収容孔104dの底壁104d1と弁ハウジング351の一端面351a2との間に付勢部材170が配置される。付勢部材170は、弁ハウジング351の前記他端側の面351a3が第2弁座形成部151aを介してバルブプレート103を押圧するように、弁組立体350aを第2弁座形成部151aに向けて付勢する。付勢部材170は、特に制限されないが、ウェーブワッシャー、皿バネ及び/又はコイルバネなどであり得る。
付勢部材170は、弁組立体350aが第2収容孔104dに入れられたときに、弁ハウジング351の前記他端側の面352a3をシリンダヘッド104の開放端面104gから所定量h′だけ突出させ、弁ハウジング351の前記他端側の面352a3が押圧されることによって弁ハウジング351の前記他端側の面352a3がシリンダヘッド104の開放端面104gまで移動し得るように形成されている。そして、第2収容孔104dに入れられた弁組立体350aは、前記圧縮機本体の形成時、具体的には、複数の通しボルト105による締結時に、弁ハウジング351の前記他端側の面352a3が押圧されて第2収容孔104dの奥側へと押し込まれる。これにより、弁組立体350aは、第2収容孔104d内の適切な位置に設置され、弁ハウジング351の前記他端の面351a3が第2弁座形成部151a(吐出弁形成板151)を介してバルブプレート103を押圧する。
弁組立体350aは、第2収容孔104dに入れられたときに、弁ハウジング351の周壁351aと第2収容孔104dの内周壁104d2との間に配置されたOリングなどのシール部材160の弾性力によって第2収容孔104d内に保持される。このため、シリンダヘッド104の開放端面104gが重力方向下側に向けられた場合であって弁組立体350a及び付勢部材170が第2収容孔104dから脱落することがなく、可変容量圧縮機100の組立性が損なわれることがない。
〔第5実施形態〕
図14は、第5実施形態に係る切替弁350Eの構成を示す断面図である。弁ハウジング351の前記一端側に固定された第1弁座形成部353と同様に、第2弁座形成部354が弁ハウジング351の周壁351aの前記他端側に固定されてもよい。この場合、第2収容孔104dは、例えば、シリンダヘッド104の開放端面104gに形成されて、第2収容孔104dの内部と吸入室141とは区画され、第2収容孔104dと吸入室141とは連通路104hを介して連通するように構成される。
弁ハウジング351の周壁351aと第2収容孔104dの内周壁104d2との間にOリングなどのシール部材160、161が配置されている。シール部材160は、弁ハウジング351の周壁351aと第2収容孔104dの内周壁104d2との隙間を介した圧力供給通路145aと吸入室141との連通を遮断し、シール部材161は、弁ハウジング351の周壁351aと第2収容孔104dの内周壁104d2との隙間を介した圧力供給通路145bと吸入室141との連通を遮断する。そして、弁組立体350aは、シール部材160、161の弾性力によって第2収容孔104d内に保持される。
〔第6実施形態〕
図15は、第6実施形態に係る切替弁350Fの構成を示す断面図である。図15(a)は、クランク室140への圧力供給状態を示し、図15(b)は、クランク室140からの放圧状態圧を示す。第6実施形態に係る切替弁350Fは、シリンダヘッド104ではなく、シリンダブロック101における駆動軸110の軸線よりも重力方向下側に配置されている。
切替弁350Fは、シリンダブロック101に形成された第3収容孔101fと、リング状部材355と、弁体352と、吸入弁形成板150とを含む。
第3収容孔101fは、シリンダブロック101の前記他端側の面(シリンダヘッド104との合わせ面)101gに形成されている。第3収容孔101fは、有底の段付き円孔状に形成されており、シリンダブロック101の前記他端側の面101gに開口する大径孔部101f1と、大径孔部101f1よりも小径の小径孔部101f2とを有する。また、第3収容孔101fの大径孔部101f1の開口は、吸入弁形成板150で閉塞されている。
リング状部材355は、第3収容孔101fの大径孔部101f1に装着されている。リング状部材355は、第3収容孔101f内を第1弁室101f3と第2弁室101f4とを区画している。第1弁室101f3は、大径孔部101f1の内周壁、リング状部材355及び吸入弁形成板150で囲まれており、第2弁室101f4は、小径孔部101f2の内周壁、リング状部材355及び第3収容孔101fの底壁101f5で囲まれている。すなわち、リング状部材355は、上述の弁ハウジング351の区画壁351bに相当するものである。
弁体352は、前記第1実施形態と同様、第1弁部352a、第2弁部352b、第1弁部352aと第2弁部352bとを連結する軸部352c及び内部通路352d(352d1、352d2、352d3)と、を有する。そして、第1弁部352aが第1弁室101f3に収容され、第2弁部352bが第2弁室101f4に収容され、軸部352cがリング状部材355の孔部(挿通孔)355aに挿通されている。
吸入弁形成板150における第3収容孔101fの大径孔部101f1の開口を閉塞する領域(閉塞部)150a、換言すれば、第1弁室101f3の壁部には、第1ポート150a1及び第1弁座150a2が形成されている。第1ポート150a1は、吸入弁形成板150に貫通形成されており、第1弁室101f3に開口すると共に、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aに連通している。第1弁座150a2は、吸入弁形成板150の閉塞部150aにおける第1ポート150a1の周囲に形成されている。そして、弁体352の第1弁部352aの一端面352a1が第1弁座150a2に離接することによって第1ポート150a1が開閉される。すなわち、本実施形態においては、吸入弁形成板150(の閉塞部150a)が前記第1弁座形成部として用いられている。但し、これに限るものではなく、バルブプレート103、シリンダガスケット152又は吐出弁形成板151などのシリンダブロック101とシリンダヘッド104との間に配置される、吸入弁形成板150以外の板状部材が前記第1弁座形成部として用いられてもよい。
第3収容孔101fの底壁101f5、換言すれば、第2弁室101f4の壁部には、クランク室140と第3収容孔101f(第2弁室101f4)とを連通する連通路101c′の一端を構成する第2ポート101f5aが開口している。また、第3収容孔101fの底壁101f5における第2ポート101f5aの周囲には、第2弁座101f5bが形成されている。そして、弁体352の第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座101f5bに離接することによって第2ポート101f5aが開閉される。すなわち、本実施形態においては、第3収容孔101fの底壁101f5が前記第2弁座形成部としての機能を有している。
また、第3収容孔101fの小径孔部101f2の内周壁、すなわち、第2弁室101f4の他の壁部には、吸入室141と第3収容孔101f(第2弁室101f4)とを連通する連通路104h′の一端を構成する第3ポート101f2aが開口している。
本実施形態において、弁体352及びリング状部材355は弁組立体350a′として第3収容孔101fに配置される。弁組立体350a′の組立及び弁組立体350a′の第3収容孔101fへの設置は次のようにして行われる。なお、本実施形態においても、弁体352の第1弁部352aと軸部352cとは一体形成され、弁体352の第2弁部352bに形成された貫通孔(圧入孔)に軸部352cを圧入することによって弁体352が形成される。
まず、弁体352の軸部352cがリング状部材355の孔部(挿通孔)355aに挿通された状態で、第2弁部352bの前記貫通孔を軸部352cに仮圧入して弁組立体350a′を形成する。仮圧入状態の弁組立体350a′は、第3収容孔101fに収容されたときに、リング状部材355が大径孔部101f1と小径孔部101f2との接続部(段差面)に当接し、かつ、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座101f5bに当接した状態で、第1弁部352aの他端面352a2とリング状部材355の一端面355b1との間に所定の隙間を有するように、形成される。
次いで、前記仮圧入状態の弁組立体350a′を第3収容孔101fに収容し、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座101f5bに当接した状態で、第1弁部352aの他端面352a2がリング状部材355の一端面355b1に当接するように、第2弁部352bの前記貫通孔に対する軸部352cの圧入位置を調整する。
これにより、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座101f5bに当接したとき、第1弁部352aの他端面352a2がリング状部材355の一端面355b1に当接してリング状部材355の孔部(挿通孔)355aを介した第1弁室101f3と第2弁室101f4との連通が遮断される。
切替弁350Fは、制御弁300が圧力供給通路145を開いたとき、第1弁部352aの一端面352a1に作用する第1ポート150a1側の圧力Pc′の上昇を利用して弁体352を移動させて、第2弁部352bの一端面352b1を第2弁座101f5bに当接させる。これにより、第2ポート101f5aと第3ポート101f2aとの間の連通が遮断され、第1ポート150a1と第2ポート101f5aとが内部通路352dを介して連通する。この結果、切替弁350F(第2ポート101f5a)とクランク室140との間の第1放圧通路146aが圧力供給通路145bに切り替えられる。
また、切替弁350Fは、制御弁300が圧力供給通路145を閉じたとき、第1弁部352aの一端面352a1に作用する第1ポート側の圧力Pc′の低下を利用して弁体352を移動させて、第1弁部352aの一端面352a1を第1弁座150a2に当接させる。これにより、第1ポート150a1が閉じられると共に、第2ポート101f5aと第3ポート101f2aとが連通する。この結果、切替弁350F(第2ポート101f5a)とクランク室140との間の圧力供給通路145bが第1放圧通路146aに切り替えられる。
なお、第2弁部352bの一端面352b1が第2弁座101f5b当接したとき、第1弁部352aの他端面352a2がリング状部材355の一端面355b1に当接するため、第1弁室101f3から第2弁室101f4への挿通孔355aを経由する流れが遮断される。
以上、本発明の実施形態ついて説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形や変更が可能である。そのうちのいくつかを以下に記載する。
前記切替弁において、第2弁部352bの一端面352b1に溝又は絞り通路などが形成され、第2弁部352bの一端面352b1が前記第2弁座に当接したとき、前記第2ポートと前記第3ポートとを完全に遮断されないように構成されてもよい。また、第1弁部352aの一端面352aが前記第1弁座に当接したとき、僅かな漏れが許容される構成としてもよい。さらに、第1弁部352aの他端面352a2が弁ハウジング351の区画壁351b又はリング状部材355の前記一端面に当接したとき、前記第1弁室から前記第2弁室への僅かな流れが許容されるように構成されてもよい。
前記切替弁において、弁ハウジング351の周壁351aと区画壁351bとが別部材で構成されてもよい。この場合、前記第1弁座形成部又は前記第2弁座形成部が周壁351aに一体形成され得る。
絞り通路320は、制御弁300内を経由せずに、制御弁300と切替弁350との間の圧力供給通路145aと、吸入室141とを連通させるように構成されてもよい。例えば、絞り通路320は、前記切替弁の内部を経由すると共に、第1弁部352aの他端面352a2が弁ハウジング351の区画壁351b又はリング状部材355の前記一端面に当接したときに絞り部が形成されるように構成されてもよい。
制御弁300は、ソレノイドの無い機械式制御弁であってもよいし、ベローズ等の感圧部材を有さない電磁弁であってもよい。
可変容量圧縮機は、斜板式のクラッチレス圧縮機に限られず、電磁クラッチを装着した可変容量圧縮機やモータで駆動される可変容量圧縮機としてもよい。
100…可変容量圧縮機、101…シリンダブロック、102…フロントハウジング、104…シリンダヘッド、110…駆動軸、140…クランク室、104d…第2収容孔、141…吸入室、142…吐出室、145a,145b…圧力供給通路、146a,146b…放圧通路、151…吐出弁形成板、151a…第2弁座形成部、151a1…第2ポート、151a2…第2弁座、300…制御弁、350…切替弁、350a…弁組立体、351…弁ハウジング、351a…周壁、351a1…第3ポート、351b…区画壁、351b1…挿通孔、351c…第1弁室、351d…第2弁室、352…弁体、352a…第1弁部、352b…第2弁部、352c…軸部、353…第1弁座形成部、353a…第1ポート、353b…第1弁座

Claims (17)

  1. クランク室内の調圧によって吐出容量が制御される可変容量圧縮機であって、
    吐出室とクランク室とを連通する圧力供給通路に設けられた制御弁と、
    駆動軸の軸線よりも重力方向下側に配置され、前記圧力供給通路における前記制御弁よりも前記クランク室側に設けられると共に吸入室に連通する連通部を有する切替弁と、
    前記制御弁と前記切替弁との間の圧力供給通路と前記吸入室とを連通する絞り通路と、
    を含み、
    前記切替弁は、前記制御弁が前記圧力供給通路を閉じたとき、前記制御弁と前記切替弁との間の前記圧力供給通路と前記切替弁と前記クランク室との間の圧力供給通路との連通を遮断すると共に、前記切替弁と前記クランク室との間の前記圧力供給通路と前記吸入室とを前記連通部を介して連通させるように構成されている、
    可変容量圧縮機。
  2. 前記切替弁は、前記制御弁が前記圧力供給通路を閉じたときに前記切替弁と前記クランク室との間の前記圧力供給通路を前記吸入室に連通させることによって、前記制御弁が前記圧力供給通路を開いているときに比べて、前記クランク室と前記吸入室とを連通する放圧通路の通路断面積を増加させる、請求項1に記載の可変容量圧縮機。
  3. 前記切替弁は、
    前記制御弁と前記切替弁との間の前記圧力供給通路に連通する第1ポート及び前記第1ポートの周囲に設けられた第1弁座を有する第1弁室と、
    前記切替弁と前記クランク室との間の前記圧力供給通路に連通する第2ポート、前記第2ポートの周囲に設けられた第2弁座及び前記吸入室に連通する第3ポートを有する第2弁室と、
    前記第1弁室に配置されて前記第1弁座に離接する第1弁部、前記第2弁室に配置されて前記第2弁座に離接する第2弁部、及び、前記第2弁部が前記第2弁座に当接しているときに前記第2ポートと前記第1弁室とを連通させる内部通路を有する弁体と、
    を含み、
    前記制御弁が前記圧力供給通路を閉じたとき、前記第1ポート側の圧力の低下及び前記第2ポート側から前記内部通路を経由して前記第1弁室に向かう冷媒の流れによる動圧を利用して前記第1弁部を前記第1弁座に当接させて前記第1ポートを閉じると共に、前記第2弁部を前記第2弁座から離間させて前記第2ポートと前記第3ポートとを連通させ、これによって、前記制御弁と前記切替弁との間の前記圧力供給通路と前記切替弁と前記クランク室との間の前記圧力供給通路との連通を遮断すると共に、前記切替弁と前記クランク室との間の前記圧力供給通路と前記吸入室とを連通させて、前記クランク室と前記吸入室とを連通する放圧通路の通路断面積を最大とし、
    前記制御弁が前記圧力供給通路を開いたとき、前記第1ポート側の圧力の上昇を利用して前記第1弁部を前記第1弁座から離間させて前記第1ポートを開いて前記第1ポートと前記第2ポートとを前記内部通路を介して連通させると共に、前記第2弁部を前記第2弁座に当接させて前記第2ポートと前記第3ポートとの連通を遮断又は遮断に近い状態とし、これによって、前記制御弁と前記切替弁との間の前記圧力供給通路と前記切替弁と前記クランク室との間の前記圧力供給通路とを連通させると共に、前記放圧通路の通路断面積を最小とするように構成されている、
    請求項1又は2に記載の可変容量圧縮機。
  4. 前記第1弁室と前記第2弁室とは区画壁によって区画され、
    前記弁体は、前記第1弁部と前記第2弁部とを連結すると共に前記区画壁に形成された挿通孔に挿通される軸部を有し、前記第2弁部が前記第2弁座に当接したとき、前記第1弁部が前記区画壁に当接して前記第1弁室と前記第2弁室との前記挿通孔を介した連通を遮断するように構成されている、
    請求項3に記載の可変容量圧縮機。
  5. 前記切替弁は、
    前記第2弁室を構成する内側空間を有すると共に前記第3ポートが形成された周壁と、前記区画壁とを有する弁ハウジングと、
    前記第1ポート及び前記第1弁座が形成され、前記弁ハウジングと共に前記第1弁室を形成する第1弁座形成部と、
    前記第2ポート及び前記第2弁座が形成され、前記弁ハウジングと共に前記第2弁室を形成する第2弁座形成部と、
    を含み、
    前記弁ハウジング及び前記弁体が弁組立体として構成され、さらに前記弁体は前記第1弁部と前記第2弁部とが別部品で形成されて前記第1弁部と前記第2弁部との軸方向の相対的な位置が調整可能に構成されている、
    請求項4に記載の可変容量圧縮機。
  6. 前記切替弁は、
    前記前記第1弁室及び前記第2弁室を構成する内側空間を有すると共に前記第3ポートが形成された周壁と、前記区画壁とを有する弁ハウジングと、
    前記第1ポート及び前記第1弁座が形成され、前記弁ハウジングと共に前記第1弁室を形成する第1弁座形成部と、
    前記第2ポート及び前記第2弁座が形成され、前記弁ハウジングと共に前記第2弁室を形成する第2弁座形成部と、
    を含み、
    前記弁ハウジング、前記弁体及び前記第1弁座形成部が弁組立体として構成され、さらに前記弁体は前記第1弁部と前記第2弁部とが別部品で形成されて前記第1弁部と前記第2弁部との軸方向の相対的な位置が調整可能に構成されている、
    請求項4に記載の可変容量圧縮機。
  7. 前記第1弁座形成部は、前記弁ハウジングに一体形成されている、請求項6に記載の可変容量圧縮機。
  8. 前記回転軸は、シリンダブロック、前記シリンダブロックの一端側に設けられて前記シリンダブロックと協働して前記クランク室を形成するフロントハウジング及び前記シリンダブロックの他端側に設けられて前記吸入室と前記吐出室とが区画形成されたシリンダヘッドとを含む圧縮機本体に回転可能に支持され、
    前記制御弁及び前記切替弁は、前記シリンダヘッドに配置されている、
    請求項1〜7のいずれか一つに記載の可変容量圧縮機。
  9. 前記回転軸は、シリンダブロック、前記シリンダブロックの一端側に設けられて前記シリンダブロックと協働して前記クランク室を形成するフロントハウジング及び前記シリンダブロックの他端側に設けられて前記吸入室と前記吐出室とが区画形成されたシリンダヘッドとを含む圧縮機本体に回転可能に支持され、
    前記弁ハウジングと前記弁体との弁組立体は、前記圧力供給通路の一部を構成するように前記シリンダヘッドに形成された収容孔に配置され、
    前記収容孔は、前記シリンダヘッドの前記シリンダブロックとの合わせ面側に開口を有すると共にその底壁が前記第1弁座形成部として機能するように形成され、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドの間に配置された板状部材が前記第2弁座形成部として用いられている、
    請求項5に記載の可変容量圧縮機。
  10. 前記回転軸は、シリンダブロック、前記シリンダブロックの一端側に設けられて前記シリンダブロックと協働して前記クランク室を形成するフロントハウジング及び前記シリンダブロックの他端側に設けられて前記吸入室と前記吐出室とが区画形成されたシリンダヘッドとを含む圧縮機本体に回転可能に支持され、
    前記弁ハウジング、前記弁体及び前記第1弁座形成部の弁組立体は、前記圧力供給通路の一部を構成するように前記シリンダヘッドに形成された収容孔に配置され、
    前記収容孔は、前記シリンダヘッドの前記シリンダブロックとの合わせ面側に開口を有し、前記弁組立体は、前記第1弁座形成部が前記収容孔の底壁を向くように前記収容孔に配置され、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドの間に配置された板状部材が前記第2弁座形成部として用いられている、
    請求項6又は7に記載の可変容量圧縮機。
  11. 前記収容孔の前記底壁と前記弁組立体との間に配置され、前記弁組立体を前記第2弁座形成部に向けて付勢する付勢部材と、
    前記組立体と前記収容孔の内周壁との間に配置された弾性を有するシール部材と、
    を含む、請求項10に記載の可変容量圧縮機。
  12. 前記吸入室は、前記シリンダヘッドに形成され、
    前記収容孔は、前記吸入室に開口し、
    前記弁組立体は、前記第3ポートが前記吸入室内に位置するように前記収容孔に配置されている、
    請求項9〜11のいずれか一つに記載の可変容量圧縮機。
  13. 前記切替弁は、
    前記第1ポート及び前記第1弁座が形成され、前記区画壁と共に前記第1弁室を形成する第1弁座形成部と、
    前記第2ポート及び前記第2弁座が形成され、前記区画壁と共に前記第2弁室を形成する第2弁座形成部と、
    を含み、
    前記区画壁及び前記弁体が弁組立体として構成され、さらに前記弁体は前記第1弁部と前記第2弁部とが別部品で形成されて前記第1弁部と前記第2弁部との軸方向の相対的な位置が調整可能に構成されている、
    請求項4に記載の可変容量圧縮機。
  14. 前記回転軸は、シリンダブロック、前記シリンダブロックの一端側に設けられて前記シリンダブロックと協働して前記クランク室を形成するフロントハウジング及び前記シリンダブロックの他端側に設けられて前記吸入室と前記吐出室とが区画形成されたシリンダヘッドとを含む圧縮機本体に回転可能に支持され、
    前記制御弁は、前記シリンダヘッドに配置され、
    前記切替弁は、前記シリンダブロックに配置されている、
    請求項1〜4及び13のいずれか一つに記載の可変容量圧縮機。
  15. 前記回転軸は、シリンダブロック、前記シリンダブロックの一端側に設けられて前記シリンダブロックと協働して前記クランク室を形成するフロントハウジング及び前記シリンダブロックの他端側に設けられて前記吸入室と前記吐出室とが区画形成されたシリンダヘッドとを含む圧縮機本体に回転可能に支持され、
    前記区画壁及び前記弁体の弁組立体は、前記圧力供給通路の一部を構成するように前記シリンダブロックに形成された収容孔に配置され、
    前記収容孔は、前記シリンダブロックの前記シリンダヘッドとの合わせ面に開口を有すると共にその底壁が前記第2弁座形成部として機能するように形成され、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドの間に配置された板状部材が前記第1弁座形成部として用いられている、
    請求項1〜4及び13のいずれか一つに記載の可変容量圧縮機。
  16. 前記絞り通路は、前記制御弁の内部を経由して前記制御弁と前記切替弁との間の圧力供給通路と前記吸入室とを連通するように形成されている、請求項1〜15のいずれか一つに記載の可変容量圧縮機。
  17. 前記制御弁は、前記圧力供給通路を最大に開いたときに前記絞り通路を閉じるように構成された弁機構を有する、請求項16に記載の可変容量圧縮機。
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