JP2017217742A - トルク工具 - Google Patents

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Satoyuki Kobayashi
智行 小林
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Abstract

【課題】設定トルクに対してトルクリミッター部の作動のバラツキを少なくする。【解決手段】ケースに加えたトルクがトルクリミッター部を介して伝達される主軸と、主軸側に連結されたトグルシート及びケース2と一体に回転するトグルレストと、トグルシートとトグルレストの夫々対応する複数の凹部8の間にそれぞれ配置した球体10と、トグルシートを複数の球体10を介してトグルレストに押圧するコイルスプリングとを備え、ケースから主軸に伝達されるトルクが設定トルク値に達すると球体10がトグルシート6の凹部8から外れることにより、主軸に対してケース2が回転するトルクドライバー1において、トグルシート6の凹部8は、底部に設けられ球体10が当接する球面部81と、球面部81と該トグルシート6の対向面6Mとの間に設けた凸状湾曲部83とを備える。【選択図】図7

Description

本発明は、ドライバーやレンチなどの螺子の締結や締結解除といったトルク作業を行うトルク工具に関する。
従来、この種のトルク工具として、握り部をなすケースと、前記ケースに加わる締付け力がトルクリミッター部を介して伝達される主軸と、前記主軸の先端部に固定されたカプラーと、前記カプラーの先端部に装着されるビットを有し、前記ビットに係合するねじに対する締付けトルクが前記トルクリミッター部に設定する設定トルク値に達すると前記トルクリミッター部が作動し、前記主軸に対して前記ケースが回転するトルクドライバーであって、トルクリミッターとしては、トグルに鋼球を使用し、トグルレストとトグルシートに形成したトグル穴の一方をカム穴とし、他方を鋼球が遊嵌する鋼球嵌合穴とし、カム穴と鋼球嵌合穴に鋼球を部分的に嵌合させるトルクドライバー(例えば特許文献1)や、トルクリミッタのロック金具は、円板部の軸筒部を突設させた側の表面に鋼球が浅く嵌入するロック穴が同心円状に6個等間隔に設けられ、また、トルクリミッタの把持金具は、円板部に前記ロック金具の円板部に設けた各ロック穴に連通し各鋼球を保持する保持孔が6個同心円状に設けられている電動ドライバー用トルクキーパー(例えば特許文献2)などがある。
また、上記特許文献1のカム穴及び特許文献2のロック穴は、球体が嵌合する凹部であり、いずれも球面状をなすのに対して、円錐状の凹部を用いたレンチ(例えば特許文献3)もある。
特開2013−119132号公報 特開2000−6041号公報 実開平7−11277号公報
上記従来技術においては、球体が嵌合する凹部と凹部を設けた面との間に角部があるため、球体が凹部から外れる際及び入る際のトルクにバラツキが発生し易いという問題がある。
また、複数の球体が凹部から外れる際及び入る際の衝撃が比較的大きいため、医療器具などに用いるには不向きな面もある。
そこで、本発明は上述した問題点に鑑み、設定トルクに対してトルクリミッター部の作動にバラツキの少ないトルク工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ケースと、前記ケースに加えたトルクがトルクリミッター部を介して伝達される主軸とを備え、前記トルクリミッター部は、前記主軸側に連結された第1トルクリミッター部材及び前記ケースと一体に回転する第2トルクリミッター部材と、前記第1及び第2トルクリミッター部材の対向面に夫々形成した複数の凹部と、前記第1及び第2トルクリミッター部材の夫々対応する複数の凹部の間にそれぞれ配置した球体と、前記第1トルクリミッター部材を前記複数の球体を介して前記第2トルクリミッター部材に押圧する付勢手段とを備え、前記ケースから前記主軸に伝達されるトルクが所定のトルク値に達すると前記球体が前記第1及び第2トルクリミッター部材の一方の凹部から外れることにより、前記主軸に対して前記ケースが回転するトルク工具において、前記第1及び第2トルクリミッター部材の一方の凹部は、底部に設けられ前記球体が当接する当接部と、周方向両側に設けられ前記当接部と前記第1及び第2トルクリミッター部材の一方の前記対向面との間に設けた面取り部とを備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記当接部が球面部であり、前記面取り部が凸状湾曲部であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、周方向に隣り合う前記凹部の前記面取り部を連結する溝部を、前記第1及び第2トルクリミッター部材の一方の前記対向面に設け、前記溝部は前記複数の凹部の中心に対して円弧状をなすことを特徴とする。
請求項1の構成によれば、設定トルクに対してトルクリミッター部の作動にバラツキが少なくなる。
請求項2の構成によれば、凹部から球体が外れる際及び入る際の衝撃を抑えることができる。
請求項3の構成によれば、凹部から球体が外れる際及び入る際の衝撃を一層抑えることができる。
本発明の実施例1を示すケース側の断面図である。 同上、カプラー側の断面図である。 同上、ビットの側面図である。 同上、第1トルクリミッター部材の断面図である。 同上、第1トルクリミッター部材の正面図である。 同上、第1トルクリミッター部材の要部の説明断面図である。 同上、第1トルクリミッター部材の要部の拡大説明断面図である。 同上、球体と溝部の断面図であり、図8(A)が図7のA−A線拡大断面図、図8(B)は比較例の拡大断面図である。 同上、実験例と比較例の拡大写真であり、図9(A)は実験例、図9(B)は比較例を示す。 同上、実験例と比較例により検出したトルクと検出数とを表すグラフ図である。 本発明の実施例2を示す要部の拡大説明断面図である。 本発明の実施例3を示すケース側の断面図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規なトルク工具を採用することにより、従来にないトルク工具が得られ、そのトルク工具について記述する。
以下、図面を参照して、本発明のトルク工具の実施例1について説明する。
図1〜図10に示すように、本実施例のトルク工具たるトルクドライバー1は、筒状のケース2と、前記ケース2内に配置され、先端部にビット3が取付可能な主軸4と、前記ケース2から前記主軸4へ伝達されるトルクが所定のトルク値である設定トルク値に達するとトグル動作が行なわれてクリック感が得られる前記ケース2内に配置されたトルクリミッター部5とを有する。
前記トルクリミッター部5は、軸方向に沿って対向配置され、前記主軸4側に連結されたトグルシート6及び前記ケース2と一体に回転するトグルレスト7と、前記トグルシート6と前記トグルレスト7との対向面6M,7Mに夫々形成した複数の凹部8,9と、前記トグルシート6と前記トグルレスト7の夫々対応する複数の凹部8,9の間にそれぞれ配置したトグルたる鋼製の球体10と、前記トグルシート6を前記複数の球体10,10・・・を介して前記トグルレスト7に押圧する付勢手段たるコイルスプリング11と、を備え、前記ケース2に付与されたトルクが前記コイルスプリング11の付勢力により設定されたトルク値に達すると、前記複数の球体10,10・・・が凹部9から外れ、前記トグルシート6を前記コイルスプリング11の付勢力に抗して軸方向に移動させてトグル動作が行われるように構成されている。
そして、トグルシート6が第1トルクリミッター部材であり、前記トグルレスト7が第2トルクリミッター部材である。また、凹部8,9は円周方向等間隔に8箇所設けられている。
前記ケース2は、アルミニウム合金などからなり、先端側(一側)が開口した断面円形の装着孔12を有し、この装着孔12の基端部13(他側)は閉塞している。前記トグルレスト7は、一側に前記対向面7Mを有する円板部14と、この円板部14の他側に対をなして突設された回り止め突起15,15とを一体に有し、この回り止め突起15を挿入する回り止め孔部16が前記基端部13に形成されている。
また、前記円板部14の中心には、前記主軸4の基端を回動可能に挿入する段付き孔7Kが穿設され、この段付き孔7Kに対応して、前記主軸4の基端に段部18が形成されており、段付き孔7Kに主軸4の基端を挿通した状態で、挿通した基端に抜け止め部材たるリング19を外嵌固定している。尚、リング19としてはCリング(スナップリング)などが例示される。また、前記装着孔12の基端には一側に向いた段部20が形成され、この段部20に前記円板部14の他側が当接してトグルレスト7が位置決めされる。
そして、前記回り止め孔部16に前記回り止め突起15を挿入することにより、ケース2をその中心軸を中心にして回すと、該ケース2と一体にトグルレスト7が回る。また、回り止め孔部16と回り止め突起15とにより、ケース2の回転をトグルレスト7に伝達する回転伝達機構を構成している。
前記トグルシート6は、他側に前記対向面6Mを有する円板部21と、この円板部21の一側中央に突設された円柱状の装着部22とを一体に有し、この装着部22に前記コイルスプリング11の他側が外装される。また、トグルシート6は、前記装着孔12に回動可能に挿入されており、中心に前記主軸4の基端を挿通する挿通孔6Kが穿設されている。
さらに、主軸4の基端側には該主軸4の長さ方向に長い長孔23を貫通形成し、この長孔23と前記円板部21とに係合ピン24を挿通固定している。そして、長孔23は長さ方向に長く形成され、この長孔23内を係合ピン24が移動可能であるから、図1の状態から長孔23の範囲内において、コイルスプリング11の付勢に抗してトグルシート6が一側に移動可能となる。尚、主軸4の後述する係合面75とトグルレスト7の後述する係合部76とにより、トグルレスト7のトルクが主軸4に伝達される。
前記コイルスプリング11の一側には、円柱状の押し螺子体26が配置され、この押し螺子体26の外周には、前記装着孔12に形成した雌螺子部12Lに螺合する雄螺子部26Mが形成されている。また、前記押し螺子体26の中心には、前記主軸4を挿通する挿通孔26Kが貫通形成されていると共に、該押し螺子体26の他側面には、挿通孔26Kに連通するリング状の凹溝部27が形成されており、この凹溝部27内に複数の鋼製の押え球体28を配置している。
また、押し螺子体26の他側に、コイルスプリング11の一側が圧接する押え部材31を配置し、この押え部材31は、前記主軸4を挿通する筒部32と、この筒部32の一側に設けた円板部33とを一体に備え、この円板部33の他側面にコイルスプリング11の一端が圧接し、その円板部33の一側面に前記複数の押え球体28が圧接する。
前記押し螺子体26の一側には、クランプ螺子体35が配置され、このクランプ螺子体35の外周には、前記装着孔12に形成した前記雌螺子部12Lに螺合する雄螺子部35Mが形成されている。また、前記クランプ螺子体35の中心には前記主軸4を挿通する挿通孔35Kが貫通形成されている。そして、前記クランプ螺子体35は前記押し螺子体26の隣に配置される。
さらに、クランプ螺子体35には、前記挿通孔35Kの周囲に複数(4つ)の雌螺子孔36が貫通形成され、この雌螺子孔36には、工具係合部37Kを有する雄螺子37が螺合され、工具係合部37Kとしては、六角レンチが係合する六角穴などが例示される。また、押し螺子体26の一側面には、該押し螺子体26を回動操作する工具が係合するマイナス溝(図示せず)が形成されている。
そして、前記トグルシート6にコイルスプリング11を装着し、コイルスプリング11の他側に押え部材31を配置した後、押し螺子体26を雌螺子部12Lに螺入し、コイルスプリング11を所定の圧縮代で圧縮することにより、球体10を介してトグルレスト7に所定の付勢力が付与される。
この後、雌螺子部12Lにクランプ螺子体35を螺入し、このクランプ螺子体35が押し螺子体26に近接又は当接又は圧接したら、雌螺子孔36に雄螺子37を螺入し、複数の雄螺子37の先端37Sを前記押し螺子体26の一側面に圧接する。こうすると、雄螺子37により、クランプ螺子体35が一側に押されると共に、押し螺子体26が他側に押された状態となり、押し螺子体26が緩むことを防止できる。また、クランプ螺子体35の一側面には、該クランプ螺子体35を回動操作する工具が係合するマイナス溝(図示せず)が形成されている。
前記装着孔12の開口側には、略円柱状のシール部材取付体41が挿入配置され、このシール部材取付体41は、外周にOリングなどからなる外シール部材42を装着する外装着溝43を周設し、内周にOリングなどからなる内シール部材44を装着する内装着溝45を周設している。
前記シール部材取付体41は、前記装着孔12に固定した抜け止め部材たるリング46により抜け止め状態で装着孔12内に装着され、外シール部材42が装着孔12の内周に圧接し、内シール部材44が主軸4の外周に圧接し、それぞれの箇所がシールされる。尚、リング46は、装着孔12の内周に嵌合し、Cリング(スナップリング)などが用いられる。
また、装着孔12の先端側には一側に向いた段部47が形成され、この段部47に前記シール部材取付体41の他側が当接可能で、段部47位置から基端側にシール部材取付体41が挿入できないようになっており、シール部材取付体41と前記クランプ螺子体35とは離間している。
図1に示すように、前記ケース2の基端部13の外面には、筒部51が一体に突設され、この筒部51内にステンレス製のキャップ52の円柱状の挿入部53を挿入し、そのキャップ52の鍔部54を前記筒部51の先端に当接した状態で、それら筒部51と挿入部53に連結ピン55を挿入し、この連結ピンにより筒部51にキャップ52を固定している。
このようにケース2にキャップ52を設けることにより、アルミニウム合金等からなるケース2に比べて硬質なキャップ52の鍔部54を治具(図示せず)により把持し、一側は装着孔12に挿入した治具(図示せず)により、ケース2を固定し、この状態でケース2の外面にシリコンゴムなどからなるカバー部材56を射出成型などの型を用いて設けている。尚、装着孔12の開口側と前記鍔部54にはシリコンゴムを設けずにそれらは露出している。また、カバー部材56は、装着孔12に部材を挿入する前に設けられる。このように硬質なキャップ52を把持するから、カバー部材56の成形時、ケース2に傷などの発生を防止できる。
前記主軸4の先端には、ビット3を着脱自在に取り付けるカプラー61が設けられている。このカプラー61は、主軸4の先端に取り付ける内筒部62と、この内筒部62にスライド可能に外装する外筒部63と、この外筒部を図3に示す初期位置に付勢する付勢手段たるコイルスプリング64とを備える。尚、初期位置で内筒部62の先端と外筒部63の先端は略面一となる。また、外筒部63の基端側には、スライド操作の際に指を掛けることができる鍔部63Fが形成され、この鍔部63Fが指掛け部である。
前記内筒部62の先端にはビット3の基端を挿入する挿入受け孔65が設けられ、この挿入受け孔65は、多角形の例えば四角孔などからなり、その挿入受け孔65の基端側に位置して前記内筒部62には、係止部材たる係止球体66を挿入する挿入孔部62Aを形成している。この挿入孔部62Aは外側から内側に向かってテーパ状に縮小しており、係止球体66の一部が挿入受け孔65内に露出するが、係止球体66は挿入孔部62Aを通過できないように形成されている。
そして、挿入孔部62Aに対応して、前記外筒部63の内周に傾斜部63Aを設け、初期位置では、外筒部63の内周面に押されて係止球体66の一部が挿入受け孔65内に表れる。一方、コイルスプリング64の付勢に抗して外筒部63を基端側にスライドし、挿入孔部62A位置を傾斜部63Aが通過すると、係止球体66位置の外筒部63の内径が大きくなり、挿入孔部62A内に係止球体66を収納することができる。
この例では、前記ビット3は、その基端部71が前記挿入受け孔65に対応した断面四角形をなし、該ビット3の先端にはマイナス型の刃部72が形成され、マイナス溝を有する螺子などに刃部72が係合する。また、前記基端部71には前記係止球体66が係止する係止溝73が周設されている。
従って、外筒部63を基端側にスライドさせた状態で、挿入受け孔65に基端部71を挿入した後、コイルスプリング64の付勢力により外筒部63が初期位置に復帰すると、係止球体66が係止溝73に係止し、抜け止め状態でカプラー61にビット3が固定される。尚、外筒部63を基端側にスライドさせれば、ビット3を取り外すことができる。
また、図5に示すように、主軸4の外周には、前記トグルシート6の箇所に、平坦な係合面75,75が対向して形成され、前記係合面75,75が係合する係合部76,76が、前記トグルシート6の挿通孔6Kに形成されており、これにより挿通孔6Kは略小判型をなし、トグルシート6の回転が主軸4に伝達される。
以下、本発明の特徴であるトルクリミッター部5について詳述する。図5〜図9に示すように、前記トグルシート6の凹部8は、対向面6Mに対する底部が当接部たる球面部81であり、この球面部81に前記球体10が面接触する。尚、球面部81の半径Rは球体10の半径Rと略等しい。
図5に示すように、複数の凹部8,8・・・は、前記トグルシート6の中心Sを中心として、直径Dの同心円状に等間隔で配置され、周方向において隣り合う凹部8,8・・・の中心を連結するように対向面6Mには溝部82が形成され、この溝部82は前記中心Sを中心として、直径Dの同心円状に形成されている。具体的には、図5に示すように、溝部82の幅中心は直径Dの同心円をなす。
また、図8(A)に示すように、前記溝部82は、直径D方向(該溝部の幅方向)の断面において前記半径Rと同じ曲率をなし、前記球面部81の最底部81Tより浅く形成されている。尚、図6及び図7においては、中心Sに対する凹部8,8・・・の同心円を展開して図示している。
前記凹部8の周方向両側には、前記球面部81と対向面6Mの溝部82と間に、面取り部たる凸状湾曲部83を形成している。尚、この凸状湾曲部83の幅方向の中心も前記中心Sを中心として、平面視で円弧状に形成されている。また、凸状湾曲部83は、周方向においては凸であるが、周方向と交差する方向(幅方向)の断面においては、図8(A)に示すように前記半径Rと同じ曲率をなす。尚、図7などに示したように、隣り合う凹部8,8の凸状湾曲部83,83間の前記溝部82は一定深さをなす。
前記球面部81と前記凸状湾曲部83との間に角部はなく、球面部81と凸状湾曲部83とはスムーズな曲線により連結されている。同様に、凸状湾曲部83と溝部82との間に角部はなく、凸状湾曲部83と溝部82とはスムーズな曲線により連結されている。尚、凹部8の前記直径D方向両側には、球面部81と対向面6Mとの間に角部84,84が残されている。
一方、前記トグルレスト7の対向面7Mに形成した前記凹部9は、前記球体10と半径Rが同一な略半球形状をなす。即ち凹部9の深さは、球体10の半径Rの寸法と等しく、前記深さHより大きい。
実験例では、球体10の半径Rを1mm、対向面6Mに対する凹部8の深さHを0.56mm、対向面6Mに対する溝部82の深さhを0.1mm(H>h)とした。また、凸状湾曲部83の曲率半径は1.2mmで、前記半径Rより大きくした。
次に、前記トルクドライバー1の使用方法について説明する。カプラー61にビット3を取り付け、ビス等を締め付ける際、ビスの工具係合溝であるマイナス溝に刃部72を係合する。この状態で、ケース2を回してトルクを加えると、該ケース2とトグルレスト7とが一体的に回り、複数の球体10,10・・・によりトグルシート6と主軸4とが一体的に回る。これによりビスが締め付けられ、ビスが所定の締付力まで締め付けられ、主軸4に、設定されたトルク以上のトルクが加わると、コイルスプリング11の付勢力に抗してトグルシート6が一側に移動し、球体10が凹部8から外れ、球体10が隣りの凹部8に嵌り、この際、クリック感が得られ、ビスに所定の締付力を加えたことが分かる。
この場合、コイルスプリング11の付勢力に抗して球体10が凹部8から外れる際及び隣りの凹部8に入る際、凹部8の両側に面取り部である凸状湾曲部83が設けられているため、球体10の移動範囲に角部の有る従来のものに比べて、外れる際及び入る際の衝撃が少なくなり、また、設定トルクのバラツキも小さくなる。
図10は、設定したトルク値が0.7Nmで上記実験例の結果を示し、また、比較例は、前記凸状湾曲部83が無い点と、図8(B)に示すように溝部82に対応する溝部101の底部が平坦に形成されている点で前記実験例と相違し、同図は、縦軸に測定したトルク値、横軸にその検出の順番を示す。尚、縦軸の中央の0.7Nmがそれぞれに設定したトルク値である。そして、図8(A)のように、球体10の曲率と溝部82の曲率が同じ場合、複数の球体10,10・・・が溝部82を移動する際、トグルシート6とトグルレスト7との中心がずれることなく移動するため、トグルシート6がスムーズに回転する。
このように本実施例では、ケース2と、ケース2に加えたトルクがトルクリミッター部5を介して伝達される主軸4とを備え、トルクリミッター部5は、主軸4側に連結された第1トルクリミッター部材たるトグルシート6及びケース2と一体に回転する第2トルクリミッター部材たるトグルレスト7と、トグルシート6とトグルレスト7との対向面6M,7Mに夫々形成した複数の凹部8,9と、トグルシート6とトグルレスト7の夫々対応する複数の凹部8,9の間にそれぞれ配置した球体10と、トグルシート6を複数の球体10を介してトグルレスト7に押圧する付勢手段たるコイルスプリング11とを備え、ケース2から主軸4に伝達されるトルクが所定のトルク値に達すると球体10がトグルシート6の凹部8から外れることにより、主軸4に対してケース2が回転するトルク工具たるトルクドライバー1において、第1及び第2トルクリミッター部材の一方であるトグルシート6の凹部8は、底部に設けられ球体10が当接する当接部たる球面部81と、周方向両側に設けられ球面部81と該トグルシート6の対向面6Mとの間に設けた面取り部たる凸状湾曲部83とを備えるから、設定トルクに対してトルクリミッター部5の作動にバラツキが少なくなる。
また、このように本実施例では、当接部が球面部81であり、面取り部が凸状湾曲部83であるから、凹部8から球体10が外れる際及び入る際の衝撃を抑えることができる。このように球体10がトグルシート6の凹部8から外れる際及び入る際の衝撃が小さくなるから、装着用医療器具や医療補助具などの螺子締めなどに適したものとなり、装着者が感じる衝撃を小さくできる。
さらに、このように本実施例では、周方向に隣り合う凹部8の面取り部たる球面部81,81を連結する溝部82を、トグルシート6の対向面8Mに設け、溝部82は前数の凹部8,8の中心Sに対して円弧状をなすから、凹部8から球体10が外れる際及び入る際の衝撃を一層抑えることができる。
また、実施例上の効果として、トグルシート6の緩み止め部材として、クランプ螺子体35を備え、このクランプ螺子体35には、前記挿通孔35Kの周囲に複数(4つ)の雌螺子孔36が貫通形成され、この雌螺子孔36には、工具係合部37Kを有する雄螺子37が螺合され、複数の雄螺子37の先端37Sを前記押し螺子体26の一側面に圧接することにより、長期に渡って確実な緩み止め効果が得られる。また、ケース2に硬質なキャップ52を設けたから、握り部であるカバー部材56の成形時、ケース2に傷などは発生することがない。さらに、球体10の曲率と溝部82の曲率が同じ場合、複数の球体10,10・・・が溝部82を移動する際、トグルシート6とトグルレスト7との中心がずれることなく移動するため、設定したトルク値のバラツキが少ないものとなる。
図11は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記凹部8を円錐形に形成した円錐部91を設け、この円錐部91の当接部91Aは、球体10の外面がリング状に線接触する部分である。尚、図中91Tは、凹部8の最底部である。
このように本実施例では、円錐部91が当接部91Aを有し、面取り部が凸状湾曲部83であるから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
図12は、本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、第1及び第2トルクリミッター部材の一方であるトグルレスト7に、前記凹部8,溝部82,凸状湾曲部83及び角部84を設け、第1及び第2トルクリミッター部材の他方であるトグルシート6に前記凹部9を設けている。
このように本実施例では、第1及び第2トルクリミッター部材の一方であるトグルレスト7の凹部8は、底部に設けられ球体10が当接する当接部たる球面部81と、周方向両側に設けられ球面部81と該トグルシート6の対向面6Mとの間に設けた面取り部たる凸状湾曲部83とを備えるから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記第1及び第2トルクリミッター部材の他方の凹部は、円錐形でもよく、或いは有底な丸孔形状や角孔形状などでもよい。また、凹部は複数あればその数は実施例に限定されない。また、ビットに替えてレンチなどを用いてもよく、本発明のトルク工具はビットやレンチ等を選択することにより、各種の形状のものの締結や締結解除に用いることができる。さらに、面取り部は、凹部と凹部を設けた面との間の角部を取るものであれば、直線状などでもよく、実施例に限定されず各種の形状を採用することができる。
1 トルクドライバー(トルク工具)
2 ケース
3 ビット
4 主軸
5 トルクリミッター部
6 トグルシート(第1トルクリミッター部材)
6M 対向面
7 トグルレスト(第2トルクリミッター部材)
7M 対向面
8 凹部
9 凹部
10 球体
11 コイルスプリング(付勢手段)
81 球面部(当接部)
82 溝部
83 凸状湾曲部
91A 当接部

Claims (3)

  1. ケースと、前記ケースに加えたトルクがトルクリミッター部を介して伝達される主軸とを備え、
    前記トルクリミッター部は、
    前記主軸側に連結された第1トルクリミッター部材及び前記ケースと一体に回転する第2トルクリミッター部材と、前記第1及び第2トルクリミッター部材の対向面に夫々形成した複数の凹部と、前記第1及び第2トルクリミッター部材の夫々対応する複数の凹部の間にそれぞれ配置した球体と、前記第1トルクリミッター部材を前記複数の球体を介して前記第2トルクリミッター部材に押圧する付勢手段とを備え、
    前記ケースから前記主軸に伝達されるトルクが所定のトルク値に達すると前記球体が前記第1及び第2トルクリミッター部材の一方の凹部から外れることにより、前記主軸に対して前記ケースが回転するトルク工具において、
    前記第1及び第2トルクリミッター部材の一方の凹部は、底部に設けられ前記球体が当接する当接部と、周方向両側に設けられ前記当接部と前記第1及び第2トルクリミッター部材の一方の前記対向面との間に設けた面取り部とを備えることを特徴とするトルク工具。
  2. 前記当接部が球面部であり、前記面取り部が凸状湾曲部であることを特徴とする請求項1記載のトルク工具。
  3. 周方向に隣り合う前記凹部の前記面取り部を連結する溝部を、前記第1及び第2トルクリミッター部材の一方の前記対向面に設け、前記溝部は前記複数の凹部の中心に対して円弧状をなすことを特徴とする請求項1又は2記載のトルク工具。
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