JP2017216614A - 信号処理装置および信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】音響空間の伝達系に起因するカラーレーションおよび信号処理に起因するカラーレーションの両方を低減する信号処理装置および信号処理方法を提供する。【解決手段】音場支援システム1のコントローラ30は、マイク割当部22を制御して、測定対象となる1系統について複数の音響帰還系のうち、少なくとも1つの音響帰還系をオープンとし、かつ少なくとも1つの音響帰還系をクローズとしたセミオープン状態において、インパルス応答を取得する取得部151と、取得部151が取得したインパルス応答に基づいて、EQ24のパラメータであるゲイン補正量を算出し、算出されたゲイン補正量を出力する算出部152と、を備えている。【選択図】図6

Description

この発明は、入力された信号を分析してゲイン補正量を算出する信号処理装置および信号処理方法に関する。
コンサートホール等の施設では、様々なジャンルの音楽が演奏されたり、講演等のスピーチが行なわれたりする。このような施設は、多様な音響特性(例えば残響特性)が求められる。例えば、演奏では比較的長い残響が求められ、スピーチでは比較的短い残響が求められる。
しかし、ホール内の残響特性を物理的に変化させるには、例えば天井を移動させる等して音響空間の大きさを変化させる必要があり、非常に大がかりな設備が必要であった。
そこで、例えば特許文献1に示すような音場制御装置は、マイクで取得した音をFIRフィルタで処理することにより残響音を生成し、ホール内に設置されたスピーカから当該残響音を出力することで、音場を支援する処理を行なっている。
しかし、音場制御装置では、スピーカから出力された音が音響空間の伝達系を経て再びマイクで取得され、FIRフィルタで処理された後にスピーカから出力される。すなわち、音場制御装置では、音響帰還系が形成される。したがって、音場支援を行なうと、特定の周波数成分が増大して、ハウリングまたはカラーレーションが発生する可能性がある。
そこで、例えば特許文献2の音場支援装置は、インパルス応答の振幅特性を平滑化する信号処理を行なうことで、ハウリングまたはカラーレーションを抑制する処理を行なっている。
特開平6−284493号公報 特開2012−060333号公報
しかし、カラーレーションの原因は、音響空間の伝達系に起因するものだけではない。カラーレーションは、音響空間における独自の定在波により、室内でインパルスが発生した時に、減衰過程で特定の定在波が長く残ることにより発生するものと、システムの音響帰還に起因するものと、がある。システムの音響帰還に起因するものとして、例えば、突発的な音が発生した場合に、当該突発的な音が信号処理により増幅され、特定の周波数成分が増大する場合もある。
そこで、この発明は、音響空間の伝達系に起因するカラーレーションおよび信号処理に起因するカラーレーションの両方を低減する信号処理装置および信号処理方法を提供することを目的とする。
信号処理装置は、複数の音響帰還系のうち、少なくとも1つの音響帰還系をオープンとし、かつ少なくとも1つの音響帰還系をクローズとしたセミオープン状態において、インパルス応答を取得する取得部と、前記取得部が取得したインパルス応答に基づいて、ゲイン補正量を算出し、算出されたゲイン補正量を出力する算出部と、を備えている。
このように、信号処理装置は、セミオープン状態でインパルス応答を取得するため、音響空間および信号処理を含めた伝達特性を取得することになる。したがって、信号処理装置は、音響空間の伝達系に起因するカラーレーションだけでなく、信号処理に起因するカラーレーションも低減することができる。
信号処理装置は、音響空間の伝達系に起因するカラーレーションおよび信号処理に起因するカラーレーションの両方を低減する。
音響空間を模式的に示した透過斜視図である。 音場支援(AFC)システムの構成を示すブロック図である。 AFCシステムおよびPCのブロック図である。 信号処理装置の動作を示すフローチャートである。 オープン状態のAFCシステムの構成を示すブロック図である。 セミオープン状態のAFCシステムの構成を示すブロック図である。 周波数別のインパルス応答を示す図である。 振幅補正の処理を示す図である。 周波数特性を示す図である。 補正処理の有無を示す比較図である。 定量評価の結果を示す図である。 信号処理装置の動作を示すフローチャートである。
図1は、音響空間を模式的に示した透過斜視図である。図2は、音場支援(AFC:Active Field Control)システム1の構成を示すブロック図である。
音響空間内には、マイク11A、マイク11B、マイク11C、マイク11D、スピーカ51A、スピーカ51B、スピーカ51C、スピーカ51D、スピーカ51E、およびスピーカ51Fが設置されている。
この例においては、マイクの数は4個であるが、AFCシステム1は、少なくとも1個以上のマイクが設置されていれば動作可能である。また、スピーカの数も6個に限るものではなく、AFCシステム1は、少なくとも1個以上のスピーカが設置されていれば動作可能である。
マイク11A、マイク11B、マイク11C、およびマイク11Dは、音源61の直上の天井に設置されている。マイク11A、マイク11B、マイク11C、およびマイク11Dは、主に、音源61が発する音を収音する。
スピーカ51A、スピーカ51B、スピーカ51C、スピーカ51D、スピーカ51E、およびスピーカ51Fは、聴取者65の直上の天井付近に設置されている。なお、マイクおよびスピーカの設置位置は、この例に限るものではない。
図2に示すように、AFCシステム1は、フロントエンド回路(HA&AD)21、マイク割当部(MIC Assign)22、FIRフィルタ23、イコライザ(EQ)24、レベルマトリクス(Level Matrix)25、EQ26、DAコンバータ27、パワーアンプ(Power Amp)28、コントローラ30、および記憶部31を備えている。
フロントエンド回路21は、マイクアンプおよびADコンバータを内蔵する。フロントエンド回路21は、マイク11A、マイク11B、マイク11C、およびマイク11Dが出力したアナログ信号を増幅し、デジタル信号として出力する。
マイク割当部22は、EMR(Electronic Microphone Rotator)の機能を備えている。EMRは、入力される4系統のデジタル信号と、出力する4系統のデジタル信号との接続関係を時々刻々と切り替える機能である。これにより、マイク割当部22は、音響空間62からマイク、信号処理、増幅処理、およびスピーカを経て再び音響空間62に至る、音響帰還系の周波数特性を平坦化する。
FIRフィルタ23は、入力される4系統のデジタル信号にインパルス応答を畳み込み、残響音を生成する。インパルス応答に係るデータは、記憶部31に記憶されている。コントローラ30は、記憶部31から所定のインパルス応答に係るデータを読み出し、該インパルス応答に対応するフィルタ係数をFIRフィルタ23に設定する。
EQ24は、例えば複数のパラメトリックイコライザ(PEQ)からなる。EQ24は、入力される4系統のデジタル信号のそれぞれについて、指定された周波数を中心として、所定帯域幅(Q値)のゲインを補正する。中心周波数、Q値、およびゲインは、コントローラ30から指定される。
レベルマトリクス25は、入力される4系統のデジタル信号を6つの出力系統に分配する。レベルマトリクス25は、各出力系統のゲイン調整およびディレイ調整も行なう。各出力系統のゲインおよびディレイは、コントローラ30から指定される。
EQ26は、レベルマトリクス25から入力される6系統のデジタル信号のそれぞれについて、周波数特性の補正を行なう。
DAコンバータ27は、EQ26から出力される6系統のデジタル信号のそれぞれをアナログ信号に変換する。
パワーアンプ28は、DAコンバータ27から出力された各アナログ信号を増幅し、それぞれスピーカ51A、スピーカ51B、スピーカ51C、スピーカ51D、スピーカ51E、およびスピーカ51Fに出力する。
コントローラ30は、記憶部31に記憶されているプログラムを読み出し、AFCシステム1を統括的に制御する。ここで、記憶部31は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD、またはSSD等により構成される。コントローラ30は、当該プログラムをCPU301に実行させることより、取得部151および算出部152の機能を実現する。すなわち、コントローラ30が、本発明の信号処理装置に対応し、CPU301が取得部151および算出部152に対応する。
なお、コントローラ30の機能は、図3に示すように、外部装置(ここではPC100)により実現することも可能である。図3の例では、AFCシステム1に接続されるPC100がコントローラ101を備えている。コントローラ101は、PC100のCPU105がアプリケーションプログラムを実行することで実現される。コントローラ101は、AFCシステム1の各種構成の制御を行なう。また、この例では、PC100のCPU105が実行するアプリケーションプログラム(チューニングツール102)の機能として、取得部151および算出部152が実現される。チューニングツール102は、本発明の信号処理装置に対応する。
取得部151は、後述のインパルス応答を取得し、算出部152は、取得したインパルス応答に基づいて、EQ24のパラメータ(ゲイン補正量)を算出し、EQ24に出力する。
図4は、AFCシステム1の動作を示すフローチャートである。まず、AFCシステム1は、自動調整(粗調整)を行なう(s11)。粗調整とは、音響空間62のインパルス応答を測定し、ハウリングが発生する可能性のある周波数を検出して、該周波数のゲインを抑制する処理を行なうことである。
この場合、図5に示すように、コントローラ30は、マイク割当部22を制御して、信号の出力を停止し、オープン状態とする。なお、この例では、コントローラ30がマイク割当部22を制御してオープン状態とする態様を示しているが、いずれかのブロックにおける信号の出力を停止させることで、オープン状態とする態様も可能である。また、レベルマトリクス25までのいずれかのブロックの間にスイッチを設け、当該スイッチをオフすることでも、オープン状態とすることができる。
そして、コントローラ30は、4系統のうちいずれかの系統に測定音(インパルス音)を出力し、該測定音をマイクを介して入力して、インパルス応答を取得する。コントローラ30は、取得したインパルス応答をFFT等の手法により周波数信号に変換する。コントローラ30は、周波数軸上で、突出して高レベルを示すピークの周波数を検出する。コントローラ30は、例えば所定の閾値以上のレベルを示す周波数を、ピーク周波数として検出する。最後に、コントローラ30は、検出したピーク周波数のレベルを抑制するように、EQ24に対して、中心周波数、Q値、およびゲインを設定する。
コントローラ30は、以上の様な測定を入力4系統の全てについて行うことで、粗調整を行なう。これにより、コントローラ30は、ハウリングの発生を抑制して、AFCシステム1を安定した状態とする。
次に、図4に戻り、コントローラ30は、各系統のインパルス応答をセミオープンの状態で取得する(s12)。
この場合、図6に示すように、コントローラ30は、マイク割当部22を制御して、測定対象となる1系統についてはオープン状態として、他の系統についてはクローズ状態とする。なお、上述のように、コントローラ30がマイク割当部22を制御してもよいし、コントローラ30がいずれかのブロックにおける信号の出力を停止させることで、セミオープン状態とする態様も可能である。また、レベルマトリクス25までのいずれかのブロックの間にスイッチを設け、当該スイッチをオン/オフすることでも、セミオープン状態とすることができる。
また、このとき、マイク割当部22におけるEMRの機能は停止している。すなわち、各系統のマイクから入力されたデジタル信号は、それぞれの系統でそのまま出力される。ただし、EMRの機能を実行したまま処理を行なってもよい。
コントローラ30は、オープン状態とした系統に測定音(インパルス音)を出力し、該測定音をマイクを介して入力して、インパルス応答を取得する。このようにセミオープンの状態でインパルス応答を取得する処理は、コントローラ30における取得部151の機能により実行される。一方で、図4のフローチャートに示すs13以下の処理は、コントローラ30における算出部152の機能により実行される。
次に、コントローラ30は、取得したインパルス応答について、200Hz未満の帯域をカットし、200Hz以上の範囲を抽出する(s13)。
図7(A)および図7(B)は、周波数別のインパルス応答を示す図である。縦軸は周波数を示し、横軸は時間を示す。
図7(A)に示すように、低周波数帯域は、音響空間62における暗騒音によるレベルが大きく、カラーレーションの影響を分析することが困難である。したがって、コントローラ30は、200Hz未満の帯域をカットし、カラーレーションの影響が大きい200Hz以上の帯域を抽出する処理を行なう。
また、コントローラ30は、取得したインパルス応答から算出した残響減衰波形(図8(B)を参照。)において、その所定のレベル範囲(例えば−30dB〜−50dB)を抽出する(s14)。例えば、図7(B)の例では、1.2sec.〜2.2sec.の範囲が、−30dB〜−50dBとなる範囲に対応する。図7(B)に示すように、直接音が入力されてからしばらくの間は、高レベルの信号が入力されるため、カラーレーションの影響を分析することが困難である。一方で、低レベルの信号になると、暗騒音の影響が大きくなる。そこで、コントローラ30は、取得したインパルス応答のレベルが所定のレベル範囲(例えば−30dB〜−50dB)となる時間帯を抽出することで、カラーレーションの影響が大きい時間帯を処理対象とする。
次に、コントローラ30は、抽出されたインパルス応答に、非直線減衰補正を行なう(s15)。非直線減衰補正とは、インパルス応答のレベルが減衰しないように、時間経過とともにゲインを上昇させる処理を行なうことである(“非直線減衰を持つ室内音場の減衰除去インパルス応答の計算”、羽入他、日本音響学会講演論文、2014/3を参考)。
図8(A)は、インパルス応答(リニアスケール)を、対象のレベル範囲で切り取ったものを示す図であり、図8(B)は、インパルス応答(対数スケール)から算出した残響減衰曲線を示す図である。図8(A)に示すように、インパルス応答は、リニアスケール上では時間経過とともにエクスポネンシャル状にレベルが低下する。また、図8(B)に示すように、インパルス応答は、対数スケール上で見ても、直線減衰ではなく、減衰度合いは時間経過と共に変化する。
そこで、コントローラ30は、インパルス応答のレベルが減衰しないように、インパルス応答の減衰特性に応じたレベル補正を行なう。すなわち、コントローラ30は、インパルス応答の減衰特性に対し、逆特性のゲインを設定する。特に、コントローラ30は、細かく区切った時間範囲内(例えば0.5sec.範囲内)で、インパルス応答の減衰特性を都度算出し、レベル補正の値を求めることが好ましい。例えば、先に示した羽入法では各時刻において、±5dBの区間における短時間減衰率を算出する。
これにより、図8(C)に示すように、インパルス応答は、時間経過によりレベルが減衰しない、減衰除去IRとなる。
次に、コントローラ30は、算出した減衰除去IRを、FFT等の手法により周波数信号に変換する(s16)。図9(A)は、減衰除去IRの周波数特性(リニアスケール)および移動平均の特性を示す図であり、図9(B)は、減衰除去IRの周波数特性(対数スケール)および移動平均の特性を示す図である。
コントローラ30は、図9(A)および図9(B)に示すような減衰除去IRの周波数特性から、カラーレーションに影響する対象周波数を算出する。
コントローラ30は、まずs16の処理でFFTをした後の周波数特性に対して移動平均を算出する(s17)。コントローラ30は、例えば、1/3オクターブ幅で周波数帯域を移動させながら、振幅の平均値を算出する。また、コントローラ30は、最も振幅値の高いピークから順に所定数(ここでは8つ)のピークを抽出する(s18)。そして、コントローラ30は、抽出した8つのピークについて、それぞれ振幅値と、移動平均の値と、の差分を算出する(s19)。その後、コントローラ30は、抽出した8つのピークを、振幅の大きい順に並べ替える(s20)。なお、コントローラ30は、振幅値の高いピークから順に、相対的にレベルの高レベル側となるピークを基準として、該基準とするピークの周波数を中心とする所定帯域(例えば1/3オクターブ幅)内に、他のピークが存在する場合、該他のピークは除外する処理を行なう(s21)。
最後に、コントローラ30は、s21の除去処理の後に残ったピークの周波数について、振幅値と、上記移動平均との差分を求め、ゲイン補正量を算出し、EQ24における対応する系統に適用する(s22)。ゲイン補正量は、例えば、各ピークの振幅値が、移動平均値+10dBとなるような値とする。なお、Q値については任意であるが、ここでは、コントローラ30は、EQ24が設定可能な最大のQ値を設定する。
以上の様な処理により、EQ24において、カラーレーションに影響する周波数のゲインが低減されるため、カラーレーションを抑制することができる。特に、コントローラ30は、セミオープンの状態でインパルス応答を取得するため、AFCシステム1の信号処理を含めたカラーレーションの抑制処理を行なうことになる。
コントローラ30は、以上の処理を、4系統のそれぞれについて行い、EQ24における各系統のゲイン補正量を設定する。なお、実際の動作時には、マイク割当部22においてEMRが機能する。したがって、コントローラ30は、好ましくは、EMRによる全ての接続形態について、カラーレーションとなる対象周波数を算出し、ゲイン補正量を算出することが好ましい。また、上述したように、コントローラ30は、マイク割当部22におけるEMRの機能を実行した状態において、インパルス応答の取得を行なってもよい。
また、上述の例では、分析対象となる系統をオープンとし、他の系統は全てクローズとするセミオープンの状態の態様を示したが、コントローラ30は、少なくとも1つの音響帰還系(分析対象の系統)をオープンとし、かつ少なくとも1つの音響帰還系をクローズとしたセミオープン状態として、各種の処理を行なってもよい。
次に、図10は、補正処理の有無を示す比較図(周波数別のインパルス応答を示す図)である。図10に示すように、補正前のインパルス応答は、いくつかの周波数において数秒程度経過しても減衰しない部分が存在する。これらの減衰しない周波数成分は、カラーレーションとなる。しかし、補正前のインパルス応答は、これらの周波数成分が抑制されている。したがって、補正処理により、カラーレーションが抑制されている。
また、図11は、カラーレーションの定量評価の結果を示す図である。横軸は、周波数特性の標準偏差である。高レベルのピークを示す周波数成分が多くなるほど、標準偏差が大きくなる。縦軸は、心理指標であり、カラーレーションを感じる人の割合に対応する。
図11に示すように、標準偏差は、カラーレーションの発生と高い相関を有する。すなわち、図11のグラフからは、標準偏差が低下すると、カラーレーションが抑制されていることがわかる。図中の「OFF」は、AFCシステム1が稼働しない状態である。AFCシステム1が稼働しない場合、音響空間62における自然の残響音だけが生じ、音響帰還系が存在しないため、カラーレーションを感じる人は極めて少ない。一方で、図中の右側「ON:補正無し」は、図4のs11で示した粗調整を行なった後に、AFCシステム1を稼働させた状態である。AFCシステム1を稼働させると、音響帰還系が形成されるため、標準偏差が大きくなり、カラーレーションを感じる人の割合が増える。しかし、図中の「ON:補正有り」に示すように、本実施形態に示したs12以後の各種処理を行なうと、標準偏差が小さくなり、カラーレーションを感じる人の割合が減る。
したがって、コントローラ30は、セミオープン状態でインパルス応答を取得し、取得したインパルス応答に基づいてゲイン補正量を算出することで、音響空間の伝達系に起因するカラーレーションおよび信号処理に起因するカラーレーションの両方を低減することができる。
次に、図12は、変形例に係るコントローラ30の動作を示すフローチャートである。図4と同じ処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
この変形例では、コントローラ30は、s19において算出した差分の大きい順に、抽出した8つのピークを、並べ替える(s30)。すなわち、変形例では、各ピークの振幅値の大きさではなく、移動平均との差が大きいものが優先される。したがって、コントローラ30は、聴感的により自然な補正を行なうことができる。
なお、本実施形態では、高レベルのピーク周波数を、カラーレーションとなる対象周波数とする例を示したが、カラーレーションとなる対象周波数の抽出手法は、この例に限らない。例えば、取得したインパルス応答について、所定周波数帯域(例えば1/3オクターブ幅)毎のパワーを測定し、測定したパワーが所定の閾値を超える場合に、当該周波数帯域を抑制する処理を行なってもよい。また、移動平均との差が所定の値よりも小さい周波数を特定し、その周波数以外の周波数をカラーレーションとなる対象周波数としてもよい。
本実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…AFCシステム
11A,11B,11C,11D…マイク
21…フロントエンド回路
22…マイク割当部
23…FIRフィルタ
24…EQ
25…レベルマトリクス
26…EQ
27…DAコンバータ
28…パワーアンプ
30…コントローラ
31…記憶部
51A,51B,51C,51D,51E,51F…スピーカ
60…舞台
61…音源
62…音響空間
65…聴取者
100…PC
101…コントローラ
102…チューニングツール
151…取得部
152…算出部

Claims (10)

  1. 複数の音響帰還系のうち、少なくとも1つの音響帰還系をオープンとし、かつ少なくとも1つの音響帰還系をクローズとしたセミオープン状態において、インパルス応答を取得する取得部と、
    前記取得部が取得したインパルス応答に基づいてゲイン補正量を算出し、算出したゲイン補正量を出力する算出部と、
    を備えた信号処理装置。
  2. 請求項1に記載の信号処理装置において、
    前記算出部は、カラーレーションの対象周波数を算出し、該対象周波数のゲインを抑制するように、前記ゲイン補正量を算出する、
    信号処理装置。
  3. 請求項2に記載の信号処理装置において、
    前記算出部は、1以上のピークを示す周波数を、前記対象周波数とする、
    信号処理装置。
  4. 請求項3に記載の信号処理装置において、
    前記1以上のピークは、少なくとも2つのピークからなり、
    前記算出部は、相対的にレベルの大きいピークを基準として、該基準とするピークの周波数を中心とする所定帯域内に、他のピークの周波数が存在する場合に、該他のピークを除外して前記対象周波数を算出する、
    信号処理装置。
  5. 請求項3に記載の信号処理装置において、
    前記算出部は、周波数軸上における移動平均と、各ピークのレベルと、の差を算出し、
    前記算出部は、相対的に前記差の大きいピークを基準として、該基準とするピークの周波数を中心とする所定帯域内に、他のピークの周波数が存在する場合に、該他のピークを除外して前記対象周波数を算出する、
    信号処理装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の信号処理装置において、
    前記算出部は、前記インパルス応答の周波数特性のうち、所定の周波数帯域を抽出する、
    信号処理装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の信号処理装置において、
    前記算出部は、前記インパルス応答のうち、所定のレベル範囲となる時間帯を抽出する、
    信号処理装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の信号処理装置において、
    前記算出部は、前記インパルス応答について、減衰特性に応じたレベル補正を行なう、
    信号処理装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の信号処理装置において、
    前記算出部は、前記インパルス応答の周波数軸上における移動平均を算出し、
    前記インパルス応答のレベルと、前記移動平均のレベルと、に基づいて、前記ゲイン補正量を算出する
    信号処理装置。
  10. 複数の音響帰還系のうち、少なくとも1つの音響帰還系をオープンとし、かつ少なくとも1つの音響帰還系をクローズとしたセミオープン状態において、インパルス応答を取得して、
    取得した前記インパルス応答に基づいて、ゲイン補正量を算出し、算出したゲイン補正量を出力する、
    信号処理方法。
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