JP2017214614A - 電解研磨された金属成形体の製造方法 - Google Patents

電解研磨された金属成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電解研磨された金属成形体の製造方法において、簡便な方法及び簡便な装置により、研磨時間を短縮しつつ、研磨ムラが少なく均一な研磨面が得られる金属成形体の製造方法の提供。【解決手段】電解研磨液中で、下記(a)条件で電解研磨する第1電解研磨工程を1回以上と、下記(b)条件で電解研磨する第2電圧電解研磨工程とを1回以上含み、下記(b)条件で最終の電解研磨を行う、金属成形体の製造方法。(a)電圧を一定時間印加する条件、(b)前記(a)条件より高い電圧を一定時間印加する条件。(a)の条件の電圧が10〜30Vであり、(b)の条件の電圧が20〜45Vである、金属成形体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、金属成形体を、電解研磨液中で、電気化学的に研磨する電解研磨された金属成形体の製造方法に関する。
電解研磨は、種々の金属成形体の表面を鏡面に仕上げる加工方法で、一般的に、産業界において広く普及している。これまでに種々の金属成形体の電解研磨方法が開発されているが、例えば、表面が酸化されやすい卑金属である、鉄、クロム、マグネシウム、アルミニウム、チタン等を含有する金属成形体は、表面に形成された酸化皮膜のために、電解研磨が困難な傾向があった。特に、チタンまたはチタン合金からなる金属成形体の電解研磨は、表面の酸化皮膜が除去(溶解)しにくいことから、その傾向が顕著であった。
チタンまたはチタン合金は、軽量、高強度、耐腐食性に優れる等、他の金属よりも優れた特性を有する。そのため、チタンまたはチタン合金は、半導体デバイス等の電子機器、光学機器、化学機器、医療材料など広い分野で使用されている。特に、形状記憶特性・超弾性特性を有するニッケルとチタンの原子比がおよそ1:1であるニッケルチタン合金は、医療材料としての使用が進んでおり、歯列矯正ワイヤ、ガイドワイヤ、ステント等の医療用具に広く用いられている。
このようなステントに代表される医療用具の表面は、非常に平滑であることが求められる。表面が粗いと人体内への移植中、もしくは移植後において体内の組織を傷つけたり、あるいは過度に刺激することによって、炎症の原因となりうるため、一般的には、医療用具の製造の後工程において、表面を平滑に仕上げる加工が施される。このような医療用具の表面を加工する方法としては、電解研磨方法が好適に用いられている。
しかしながら、金属成形体の電解研磨において、使用する電解研磨液の劣化や、あるいは、長時間にわたる電解研磨によって、電解研磨液中に発生する気泡、研磨液の温度変化や液中イオン濃度勾配等の影響により、研磨面の一部あるいは全面に、不均一に形成された凹凸状の酸化金属皮膜層が形成され、白く曇った研磨表面となってしまうという課題があった。
電解研磨は、被研磨物をアノードとして電解研磨液に浸漬し、アノード溶解とアノード酸化をバランスよく拮抗させて行うが、電解研磨能力が低下した、すなわち、アノード溶解能力が低下した電解研磨液を使用した場合に、アノード酸化が優勢となって、白色の曇り面の発生はより顕著となる傾向があった。
尚、電解研磨液の使用による劣化とは、電解研磨能力に寄与するイオンの消費、あるいは、被研磨物金属成分の溶解により粘性抵抗が大きくなっている状態を指す。
特に、チタンを含む金属材料においては、形成される酸化チタン皮膜層は、強固に付着するため、剥離が困難であり、電解研磨後に白色の曇り面を生じやすい。強固に付着した酸化チタン皮膜層を溶解して除去するために、従来はフッ化物を含む電解研磨液が多く利用されてきたが、健康面ならびに環境面への負荷を伴うため、フッ化物を含まない電解研磨液が利用される様になってきている。しかし、フッ化物を含まない電解研磨液は、酸化チタン皮膜を除去しにくく、電解研磨後に白色の曇り面を生じやすい傾向があった。
特許文献1では、金属成形体に対して、酸化皮膜の成長を抑えることを目的に、電解液を振動攪拌する操作を含む電解研磨方法が提案されている(電流密度:3〜500A/dm=30〜5000mA/cm)。
特許文献2では、金属成形体に対して、比較的低い電圧(電流密度:1〜40mA/cm)を印加して電解研磨する工程と、表面から皮膜を除去することを目的に、電解液中で超音波処理に付す工程とを含む電解研磨方法が提案されている。
特許文献3では、金属成形体に対して、比較的高い電圧(電流密度:40〜200mA/cm)で電解研磨を実施した後、比較的低い電圧(電流密度:5〜40mA/cm)で電解研磨を実施することで、白色の曇り面のない研磨面を得る電解研磨方法が提案されている。
また、特許文献1〜3においては、金属成形体の電解研磨に対して、アルコールと金属塩化物とを含有するフッ化物を含まない電解研磨液が例示されている。
特開2004−060004号公報 特開2004−018954号公報 特開2005−240144号公報
特許文献1ならびに特許文献2の金属成形体の電解研磨方法は、電解研磨中に生成する酸化金属皮膜除去のために振動撹拌操作もしくは超音波処理を行うことが必須であるため、操作が煩雑となり、またそのための装置が必要であった。また、特許文献2の電解研磨方法は、比較的低い電圧(電流密度)を印加して電解研磨するため、通常の電解研磨方法と比較して研磨時間が長くかかるという課題があった。
特許文献3の金属成形体の電解研磨方法は、特許文献1および特許文献2のような付加的な設備を要する振動撹拌操作や超音波処理を必要としないが、最終的に比較的低い電圧(電流密度)を印加して電解研磨するため、通常の電解研磨方法と比較して研磨時間が長くかかるという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するために、金属成形体の電解研磨において、簡便な方法及び簡便な装置を用いて、研磨時間を短縮しつつ、研磨ムラの少ない均一な研磨面を得られる電解研磨方法を提供することにある。
本発明者は、上記の課題解決のために鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記(1)〜(15)の金属成形体の製造方法を提供する。
(1).
電解研磨液中で、下記(a)条件で電解研磨する第1電解研磨工程を1回以上と、下記(b)条件で電解研磨する第2電解研磨工程を1回以上含み、下記(b)条件で最終の電解研磨を行うことを特徴とする、金属成形体の製造方法。
(a)電圧を一定時間印加する条件
(b)前記(a)条件より高い電圧を一定時間印加する条件
(2).
前記(a)条件の電圧値が、10V以上、30V以下の範囲から選択されることを特徴とする(1)に記載の金属成形体の製造方法。
(3).
前記(b)条件の電圧値が、20V以上、45V以下の範囲から選択されることを特徴とする、(1)または(2)に記載の金属成形体の製造方法。
(4).
前記(a)工程および前記(b)工程における電流値が、40mA/cm以上の範囲から選択されることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
(5).
前記(b)工程における電圧の印加時間が、前記(a)工程における電圧の印加時間と同じ、または、短いことを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
(6).
前記(a)工程における電圧の印加時間が10秒以上、60秒以下の範囲、および前記(b)工程における電圧の印加時間が1秒以上、10秒以下の範囲で選択されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
(7).
前記電解研磨液がフッ化物を含んでいない、もしくはフッ化物の含有量が5重量%以下であることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
(8).
前記電解研磨液がアルキルスルホン酸を含んでいることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
(9).
前記電解研磨液が、アミノカルボン酸型キレート剤を含んでいることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
(10).
前記金属成形体が卑金属からなることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
(11).
前記金属成形体が鉄、クロム、マグネシウム、アルミニウム、チタンから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする、(10)に記載の金属成形体の製造方法。
(12).
前記金属成形体がチタンまたはチタン合金からなることを特徴とする、(11)に記載の金属成形体の製造方法。
(13).
前記金属成形体がニッケルチタン合金からなることを特徴とする、(12)に記載の金属成形体の製造方法。
(14).
前記金属成形体が医療用管状体であることを特徴とする、(1)〜(13)のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
(15).
前記医療用管状体が、ステントであることを特徴とする(14)に記載の金属成形体の製造方法。
本発明によれば、簡便な方法および簡便な装置を用いて、研磨時間を短縮しつつ、ムラの少ない均一な研磨面を有する金属成形体を製造することができる。また、長期間使用した電解研磨液であっても、白色の曇り面のない研磨面を得られる電解研磨方法を提供することで、電解研磨液の高寿命化に貢献する。
本発明の実施の一形態である電解研磨方法を示す概略図である。 本発明の実施の一形態である電解研磨方法の第1電解研磨工程における(i)電流密度値、(ii)電圧値を示す説明図である。 本発明の実施の一形態である電解研磨方法の第2電解研磨工程における(iii)電流密度値、(iv)電圧値を示す説明図である。 本発明の実施の一形態である電解研磨方法を示す概略図である。 本発明の実施例1に係るステントの実体顕微鏡画像である。 本発明の比較例1に係るステントの実体顕微鏡画像である。 本発明の実施例4に係るステントの実体顕微鏡画像である。 本発明の比較例4に係るステントの実体顕微鏡画像である。 本発明の実施例5に係るワイヤの実体顕微鏡画像である。 本発明の比較例5に係るワイヤの実体顕微鏡画像である。 本発明の実施例6に係るワイヤの実体顕微鏡画像である。 本発明の比較例6に係るワイヤの実体顕微鏡画像である。 本発明の実施例7に係るワイヤの実体顕微鏡画像である。 本発明の比較例7に係るワイヤの実体顕微鏡画像である。 本発明の比較例8に係るステントの実体顕微鏡画像である。 本発明の実施例1に係るステントのSEM画像である。 本発明の比較例1に係るステントのSEM写真である。 本発明の実施例1に係る断面のステントのSTEM断面画像である。 本発明の比較例1に係る断面のステントのSTEM断面画像である。
本発明の金属成形体の電解研磨方法は、電解研磨液中で、下記(a)条件で電解研磨する第1電解研磨工程を1回以上と、下記(b)条件で電解研磨する第2電解研磨工程を1回以上含み、下記(b)条件で最終の電解研磨を行うことを特徴としている。
(a)電圧を一定時間印加する条件
(b)前記(a)条件より高い電圧を一定時間印加する条件
比較的高い電圧を印加して電解研磨した後に、その電圧よりも高い電圧を印加して電解研磨を実施することで、従来よりも短い研磨時間で、白色の曇り面が少なく、平滑性の優れた金属成形体を製造することができる。
以下に、本発明に係る金属成形体の電解研磨方法について、実施の一形態について図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<金属成形体>
本発明における被研磨体の金属成形体は、本発明の電解研磨方法で電解研磨できる金属であれば特に限定されないが、表面が酸化されやすい卑金属からなる金属成形体が好適に用いられる。卑金属からなる金属成形体としては、例えば、鉄、クロム、マグネシウム、アルミニウム、チタンから選ばれる1種以上を含有する金属成形体が好適に用いられる。ここで言う卑金属とは、化学的に、イオン化傾向が水素より大きい金属のことを言う。とりわけ、表面に強固な酸化皮膜を形成するチタンまたはチタン合金を含む金属成形体(以下、チタン系金属成形体と称することがある。)を特に好適に用いることが出来る。
本発明の電解研磨方法の被研磨体の、チタン系金属成形体は、純チタンからなる成形体のほか、チタンとその他の少なくとも1種の金属からなる成形体を含む。
チタン系金属は、純チタン、チタン合金及びチタン系形状記憶合金から選ばれる1種であることが好ましい。
チタンまたはチタン合金の具体例としては、純チタン;Ti−15Mo、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−6Al−4V、ELI、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−7Nb、Ti−15Mo−5Zr、Ti−5Al−3Mo−4Zr、Ti−13Nb−13Ta、Ti−12Mo−6Zr−2Fe、Ti−15Zr−4Nb−2Ta−0.2Pd、Ti−35.3Nb−5.1Ta−4.6Zr、Ti−29Nb−13Ta−4.6Zr、Ti−15Sn−4Nb−2Ta−0.2Pd、その他Tiを多量に含む合金等;Ni−Ti系、Ni−Ti−Co系、Ni−Ti−Fe系、Ni−Ti−Cr系、Ni−Ti−Cu系、Ni−Ti−Cu−Cr系形状記憶合金、その他、Ni、Tiを主成分とする各種の形状記憶合金などが挙げられ、特に、チタンとニッケルの原子比がおよそ1:1であるニッケルチタン合金であることが好ましい。特に約50%〜約60%のニッケルを含む、ニッケルチタン合金であることが好ましい。
上述のニッケルチタン合金を含む金属成形体は、特に医療材料としての使用が進んでおり、その具体例としては、ステント、心房中隔欠損症治療用の塞栓デバイス、動脈瘤塞栓コイル、血栓フィルター、ガイドワイヤ、歯列矯正アーチワイヤ、脳動脈瘤ワイヤ等が挙げられる。
<ステント>
医療用のステントとは、血管などの狭窄部拡張後の再狭窄を防ぐ為に、体内に留置されるメッシュ状の医療用管状体の1種である。医療用のステントには、例えば、(イ)1本の線状の金属もしくは高分子材料からなるコイル状のタイプ、(ロ)金属チューブをレーザーなどによって切り抜き加工したタイプ、(ハ)線状の部材をレーザーなどで溶接して組み立てたタイプ、(ニ)複数の線状金属を織って作ったタイプ等がある。
本発明に係るステントとしては、例えば、体内管腔構造に挿入される大きさである第1の径から、管状体の外表面の少なくとも一部が血管壁に接触する第2の径まで拡径する管状体が挙げられる。
特に、血管、尿管、胆管等の体内管腔構造の形成術に用いられる医療用管状体として、ステントを好ましく用いることが出来る。
ステントに用いられる材料としては、形状記憶特性・超弾性特性を有し、加工性にも優れる点でニッケルチタン合金を好ましく用いることができる。また、ニッケルチタン合金の中でも、特に約50%〜約60%のニッケルを含む、ニッケルチタン合金を好ましく用いることができる。
金属製のステントを製造する方法としては、チューブ状材料をレーザーで網目状に切り抜き加工した後、電解研磨を行う方法を好ましく用いることができる。
電解研磨は、ステントの屈曲した線状部分であるストラット部分のレーザー加工、あるいはレーザー加工後の熱処理等により生成した表面酸化皮膜の除去や、ストラットの断面の鋭利なエッジの丸め(ラウンド形状)加工等を目的として行われる。電解研磨は、金属溶出の低減、疲労特性の向上、清潔性の向上等の様々な目的のために特に最終の仕上げの工程として施されることが好ましい。
<電解研磨液>
本発明の電解研磨方法に用いられる電解研磨液は、電解研磨に用いられる一般的な電解研磨液を使用することが出来るが、フッ化物を含まない電解研磨液を好ましく用いることが出来る。フッ化物としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化アンモニウム、フッ化水素等が挙げられる。フッ化物を含有した電解研磨液の使用は、健康面ならびに環境面への負荷を伴うため、フッ化物を含まない電解研磨液を使用することが好ましく、含有量が5重量%以下であることが好ましい。
本発明で用いられる電解研磨液は、アルキルスルホン酸を含有していることが好ましい。本発明に用いることの出来るアルキルスルホン酸は、電解研磨効果を有していれば特に限定されず、市販のアルキルスルホン酸を好適に用いることが出来る。市販のアルキルスルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸などを挙げることができる。それらの中では、メタンスルホン酸が研磨効率が高いため好ましい。アルキルスルホン酸の含有量としては、電解研磨液全量に対して20重量%以上、99.9重量%以下含有していることが好ましい。
また、本発明に用いられる電解研磨液は、更にアミノカルボン酸型キレート剤を含有していることが好ましい。本発明におけるアミノカルボン酸型系キレート剤は、アミノ基とカルボキシル基とを有した化合物である。通常、カルボキシル基を複数備えた多価分子で、カルボキシル基がヒドロキシル基に置換されたものや、カルボキシル基の水素がナトリウムやカルシウム等で置換された誘導体の構造も含まれる。
アミノカルボン酸型キレート剤の具体例としては、例えば、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸、ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、ジアミノプロパノール四酢酸、エチレンジアミン−2−プロピオン酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸、またはそれらの塩などが挙げられる。特に、コストの観点からも優れている、エチレンジアミン四酢酸またはその塩が好適に用いられる。
アミノカルボン酸型キレート剤の含有量は、電解研磨液全量に対して0.1重量%以上、5重量%以下含有していることが好ましい。アミノカルボン酸型キレート剤は、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いられる電解研磨液は、ノニオン界面活性剤を含有していることが好ましい。ノニオン界面活性剤は、液中に溶解したときにイオン性を示さないが、界面活性を呈する界面活性剤である。
ノニオン界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、更にはパーフルオロアルキル基含有エチレンオキシド付加物などが挙げられる。特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、または、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを好ましく用いることができ、これらのエチレンオキシドの付加モル数は1〜30が好ましく、2〜15が特に好ましい。
ノニオン界面活性剤の含有量は、電解研磨液全量に対して0.001重量%以上、0.1重量%以下含有していることが好ましい。ノニオン界面活性剤は、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いられる電解研磨液は、更にグリコール類を含んでいてもよい。グリコール類は、鎖式脂肪族炭化水素または環式脂肪族炭化水素の2つの炭素原子に1つずつヒドロキシ基が置換している構造を持つ化合物であり、ジオール化合物とも呼ばれる。
グリコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられ、特に、エチレングリコールを好適に用いることができる。
グリコール類の含有量は、電解研磨液中に1重量%以上、80重量%以下含有していることが好ましい。グリコール類は、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
なお、電解研磨液の各成分の含有量は、電解研磨するチタン系金属成形体の種類、形状、電解研磨面積の大きさ等に応じて適宜決定できる。
電解研磨液は、使用環境により、空気中の水分を吸水したり、金属成形体の残存水分の影響などにより、研磨液中の水分含有量が高くなる事がある。2重量%を超える水分を含有すると、金属成形体の電解研磨後の研磨面に白色の曇り面が発生しやすくなったり、更には表面の平滑性が十分に得られない傾向がある。そのため研磨面に金属酸化膜を発生させにくい、又は、研磨面の平滑性に優れる点で、研磨液に含有される水分量は、研磨液全量に対して2重量%以下であることが好ましい。しかしながら本発明の電解研磨方法によれば、白色の曇り面が発生しくいため、電解研磨液を長く使用できるという利点がある。電解研磨液の水分量の測定は、公知の方法によって行うことが可能であり、例えばカールフィッシャー法が例示される。
従来の電解研磨方法では、金属成形体の電解研磨量(金属の溶解量)が多くなると、電解研磨後の研磨面に白色の曇り面が発生しやすくなる傾向がある。特に、電解研磨液において、金属成形体が4g/L以上(電解研磨液1Lあたり金属が4g以上)電解研磨によって溶解されている場合に、電解研磨後の研磨面に白色の曇り面が発生しやすくなり、金属成形体が8g/L以上(電解研磨液1Lあたり金属が8g以上)電解研磨によって溶解されている場合に、更に発生しやすくなる傾向がある。このような状態の電解研磨液の使用は控えられるべきであり、通常は新しい電解研磨液への交換が必要となる。しかしながら、本発明の電解研磨方法によれば、白色の曇り面が発生しくいため、電解研磨液を長く使用できるという利点がある。
なお、電解研磨液の各成分の含有量は、電解研磨する金属成形体の種類、形状、電解研磨面積の大きさ等に応じて適宜決定でき、これらに限定されるものではない。
<電解研磨方法>
本発明における電解研磨方法では、カソードと、アノードとして作用する金属成形体を、電解研磨液に浸漬し、カソードとアノードとの間に電圧を一定時間印加する条件(a)で電解研磨する第1電解研磨工程を1回以上含み、(a)条件の電圧より高い電圧を一定時間印加して条件(b)で電解研磨する第2電解研磨工程を1回以上含んでおり、更に、前記(b)条件で最終の電解研磨を行うことを特徴としている。
また、研磨される金属成形体の形状や研磨面積に応じて、金属成形体を固定するために、電極と成形体を電気的に導通できるアノード導電性部材を使用することができる。
図1には、金属成形体である金属成形体14に電極を接触させて電解研磨する電解研磨方法を示している。
電解研磨は、電解液槽15に貯留された電解研磨液17中において、導電性ワイヤ12aで電源11のプラス極と接続されたアノード導電性部材13が金属成形体14に接している。また、導電性ワイヤ12bで電源11のマイナス極と接続されたカソード16が金属成形体14から乖離して設置される。このような配置状態において、アノード導電性部材13とカソード16との間に電圧が印加されると、アノードとして作用する金属成形体14において表面の金属元素が電解研磨液17中に溶解する。これにより、金属成形体14は、電解研磨され、表面が平滑になり光沢を生じさせることができる。
アノード導電性部材13の材料としては、使用される電解研磨液の種類に応じて適宜選択でき、十分な導電性を有していれば特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、チタン、銅、アルミニウム、白金、金等の金属あるいはそれらの合金を挙げることができる。
アノード導電性部材13の形状は、使用される金属成形体の種類に応じて適宜選択でき、金属成形体14を導通して固定可能であれば特に限定されないが、例えば、板状、ワイヤ状、ロッド状、芯状であっても良いし、図1に示したような、クリップ形状であってもよい。
カソード16の材料としては、使用される電解研磨液の種類に応じて適宜選択でき、十分な導電性を有していれば特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、チタン、銅、アルミニウム、白金、金等の金属あるいはそれらの合金を挙げることができる。
カソード16の形状としては、使用される金属成形体の種類に応じて適宜選択でき、金属成形体14が電解研磨可能であれば特に限定されないが、例えば、板状、芯状、棒状、ワイヤ状等を挙げる事ができ、カソード16の表面積を大きくとるために、また電解研磨時に発生した気泡、温度変化や液中イオンの濃度勾配を避ける目的で、カソード16にメッシュ形状やパンチング形状を形成させてもよい。また、研磨する製品の形状に応じて、電流が均一に流れるような形状にすることが好ましく、例えば、金属成形体を囲むような円筒状とすることができる。
図2は、本発明の電解研磨方法の第1電解研磨工程における(i)研磨時間に対する電流密度値、(ii)研磨時間に対する電圧値の一例を示している。
図3は、本発明の電解研磨方法の第2電解研磨工程における(iii)研磨時間に対する電流密度、(iv)研磨時間に対する電圧値の一例を示している。
本発明の方法によれば、電圧21(電流密度22)を印加して電解研磨する第1電解研磨工程と、第1電解研磨工程よりも高い電圧31(電流密度32)を印加して電解研磨する第2電解研磨工程とを組み合わせ、更に第2工程の(b)条件で最終の電解研磨を行うことにより、白色の曇り面のない表面が平滑な金属成形体を、短時間で得ることができる。
第1電解研磨工程または第2電解研磨工程において電圧21、31は、一定の電圧21、31を一定時間印加することが好ましい。一定の電圧21、31を印加すると、電圧印加直後に電流密度22、32が急激に増大し、その後漸減しながら安定化していく。本発明における電流密度22、32とは、所望の電圧21、31に到達して示される極大値から、電解研磨終了時までに測定された値の範囲を示す。またその間の電圧21、31が印加されている時間を電解研磨時間23、33と称する。なお、第1電解研磨工程または第2電解研磨工程において電圧21、31が一定ではなく、徐々に大きくしたり、徐々に小さくしたりすると、研磨ムラを引き起こし易い傾向がある。特に、第2電解研磨工程の電圧31を徐々に大きくすると、第1電解研磨工程の電圧21との乖離が大きくなり、研磨ムラを引き起こす要因となり得る。
本発明における第1電解研磨工程において、表面形状の粗い酸化金属皮膜発生の抑制や平滑な研磨面が得られやすい、短時間で処理出来るという効率面に優れる点で、10V以上、30V以下の範囲で電圧21を供給して電解研磨することが好ましく、15V以上、25V以下で電圧21を供給して電解研磨することがより好ましい。
本発明の第1電解研磨工程の電解研磨時間23は、図2に示したように、電圧21を印加した後に電流密度22が極大値を示し、その後漸減して電流密度22が安定化するまで続けることが好ましい。電流密度22が安定化するまで電解研磨を続けることで、殆どの部分は良好な研磨面が得られるが、一部に表面形状の粗い酸化金属皮膜による白色の曇り面が発生する場合がある。しかし、第2電解研磨工程で白色の曇り面を除去することができる。第1電解研磨工程の1回の電解研磨時間23としては、具体的には、下限が10秒以上であることが好ましく、20秒以上であることが特に好ましい、また上限は60秒以内が好ましく、40秒以内が特に好ましい。
次に、本発明の第2電解研磨工程において、第1電解研磨工程と比べて高い電圧31(電流密度32)を印加して電解研磨を行うことで、第1電解研磨工程で表面形状の粗い酸化金属皮膜が発生した場合に、酸化金属膜を除去することができる。具体的には、第1電解研磨工程よりも0.1V〜30V高い電圧を印加することが好ましく、3V〜15V高い電圧を印加することがより好ましい。第2電解研磨工程では20V以上、45V以下の範囲で電圧31を印加して電解研磨することが好ましく、25V以上、35V以下の範囲で電圧31を印加して電解研磨することがより好ましい。なお、第2電解研磨工程において研磨ムラを引き起こさないために、第2電解研磨工程の電圧31が第1電解研磨工程よりも少なくとも50%未満大きい範囲にあることが好ましく、40%未満大きい範囲にあることがより好ましく、30%未満大きい範囲にあることが特に好ましい。
本発明の第2電解研磨工程の電解研磨時間33は、表面形状の粗い酸化金属皮膜を除去しやすく、新たに表面形状の粗い酸化金属皮膜の発生を抑制しやすい点で、第1電解研磨工程と同じ、または、短いことが好ましい。図3に示したように、電圧31を印加して、電流密度32が極大値を示して漸減していく途中の段階までに、電解研磨を停止することが好ましい。
本発明の第2電解研磨工程の1回の電解研磨時間33としては、良好な研磨面が得られやすい点で、下限が1秒以上であることが好ましく、3秒以上であることが特に好ましい。また上限は10秒以下が好ましく、5秒以下が特に好ましい。
なお、第1電解研磨工程および第2電解研磨工程の両方において、電流密度22、32は40mA/cm以上であることが好ましく、50〜5000mA/cmの範囲であることがより好ましい。
本発明の電解研磨方法における第1電解研磨工程ならびに第2電解研磨工程はともに、電解研磨液が撹拌されていることが好ましい。特に、良好な研磨面を安定的に得るため、第1電解研磨工程及び第2電解研磨工程が同様の流速で撹拌されていることが好ましい。例えば、第2電解研磨工程が第1電解研磨工程よりも撹拌力の大きな流速で撹拌されていると、研磨ムラを引き起こす要因となり得る。第1電解研磨工程の流速としては、10cm/sec以上、1000cm/sec以下であることが好ましく、20cm/sec以上、500cm/sec以下がより好ましく、40cm/sec以上、200cm/sec以下が特に好ましい。第2電解研磨工程の流速としては、10cm/sec以上、1000cm/sec以下が好ましく、20cm/sec以上、500cm/sec以下より好ましく、40cm/sec以上、200cm/sec以下が特に好ましい。電解研磨液の撹拌方法としては、電解研磨液の液流を生み出せればどのような方法でもよく、ポンプ、撹拌棒、撹拌板、撹拌翼、マグネチックスターラー等を使用することができる。
本発明の電解研磨方法は、第1電解研磨工程ならびに第2電解研磨工程は各々1回以上含まれていればよいが、第1電解研磨工程ならびに第2電解研磨工程ともに複数回実施することが好ましい。第1電解研磨工程は、2回以上実施することが好ましく、3回以上がより好ましく、4回以上が特に好ましい。回数が多過ぎると工程の時間がかかり過ぎるため、30回以下が好ましく、20回以下がより好ましく、15回以下が特に好ましい。第2電解研磨工程は、2回以上実施することが好ましく、3回以上がより好ましく、4回以上が特に好ましい。回数が多過ぎると工程の時間がかかり過ぎるため、30回以下が好ましく、20回以下がより好ましく、15回以下が特に好ましい。
また、最終工程が第2電解研磨工程であれば特に限定されず、第1電解研磨工程を複数回連続的に行った後に、第2電解研磨工程を複数回連続的行っても良いし、第1電解研磨工程と第2電解研磨工程を交互に行うこともできる。
特に、第2電解研磨工程は、第1電解研磨工程以上の高い電圧31を印加して、第1電解研磨工程以下の短い電解研磨時間33で電解研磨されるため、複数回に分けて電解研磨を実施したほうが、効率的に表面形状が粗い酸化金属皮膜による白色の曇り面の除去や新たな発生を抑制でき、全体的に平滑な研磨面を得られやすい。
第1電解研磨工程あるいは第2電解研磨工程の工程ごとに金属成形体14を電解研磨液17から取り出し、アルコール、水、硝酸、または、それらを組み合わせた溶液で金属成形体14を洗浄することもできる。
また、洗浄は、最終的には、超音波浴中に室温で1〜30分間浸漬して行うのが好ましい。
本発明に係る電解研磨方法において、電解研磨は10℃以上、80℃以下の範囲の温度において実施されることが好ましい。特に、20℃以上、40℃以下の範囲の温度が好ましく、25℃以上、30℃以下の範囲の温度が更に好ましい。
本発明の電解研磨方法は、簡便に平滑な表面が得られやすいため、医療用の管状体、例えばステント、に好ましく用いることができる。
以下に、本発明の電解研磨方法について、金属成形体としてステントを例に図4を参照しながらより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
図4に示した電解研磨装置は、ステント414などを電解研磨するための電解研磨装置である。主に、電源411、電解研磨液417、アノード導電性部材413、カソード416、電解研磨液槽415で構成され、ステント414を、実質的に円形になるようにほぼ均等に拡径した状態で、ステント414の内面を支持するアノード導電性部材413を有している。
アノード導電性部材413は、ステント414と4点の電気接点418で接するように4本の細長部材41を有している。各細長部材41がステント414の長手方向全長に亘って延在しており、その横断面において電気接点418を4点形成している。また、細長部材41同士が接合した頂点から外側へ延在する延長部42が接合されている。アノード導電性部材413は、電解研磨装置本体のアノード導電性部材413を固定するためのアノード接続部43に電気的に導通して接続されている。
本発明の電解研磨方法における電解研磨工程は、図4の状態において電源411を作動させて、ステント414とカソード416との間に電圧を印加し電解研磨することができる。
尚、アノード接続部のネジを緩めることによって延長部42を取り外しできるようになっており、電解研磨工程間にアノード導電性部材413をアノード接続部43から取り外し、アノード導電性部材413にステント414を取り付けたまま洗浄することができる。また、各電解研磨工程ごとに円周方向にステント414を移動させてステント414とアノード導電性部材413の細長部材41との電気接点418を変えることが好ましい。
アノード接続部43上にアノード回転部44を有し、更に、アノード支持部45の上にアノード全体回転部46を有しているため、電解研磨工程においてステント414やアノード支持部45全体を回転させることができる。電解研磨液に417に濃度勾配や温度差を生じにくいため、平滑な研磨表面を得られやすい。
なお、回転と電力の供給のため、アノード全体回転部46ならびにアノード回転部44にはロータリーコネクタを用いていることができる。
また、カソード416は、ステント414との電極間距離が実質的に等距離となるように、各ステント414の外周の周囲を囲むような円筒形状を有している。
電解研磨液417の温度を一定に保持するために、電解液槽415は、循環水入口47および循環水出口48を有している。
マグネチックスターラー400でスターラーバー49を回転させることにより、電解研磨液417を撹拌し液の均一な状態を保つことが出来る。以上のように、本発明の実施の形態にかかる金属成形体の電解研磨方法について具体例を用いて説明したが、本発明は上記実施の形態によって制限を受けるものでなく、前・後記の主旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例および比較例はすべて、図4に示した電解研磨装置を用いて、電解研磨を実施した。
下記に本発明の実施形態について、本発明に係る電解研磨液の製造例1〜3、ならびに、本発明に係る実施例1〜7および比較例1〜8を具体的に示す。なお、製造例1〜3の電解研磨液の成分組成を表1に示す。
(製造例1)
990gのメタンスルホン酸に10gのエチレンジアミン四酢酸を溶解し、混合溶液1を作製した。得られた混合溶液1でニッケルチタン合金(ASTM F2063−05に適合)を4g/L電解研磨にて溶解させた後、溶液に水を30g添加した電解研磨液1を調整した。
(製造例2)
332gのエチルアルコール、142gのイソプロピルアルコール、36gの塩化アルミニウム、150gの塩化亜鉛を混合して電解研磨液2を調整した。
(製造例3)
558gのエチレングリコール、50gの塩化リチウムを混合して電解研磨液3を調整した。
(実施例1)
金属成形体として、内径が8.0mmのニッケルチタン合金(ASTM F2063−05に適合)製のステントを用意した。
金属成形体を外径が8.5mmのSUS304製のアノード導電性部材に対して、金属成形体が均等に拡径するように挿通して、金属成形体の全長の断面においてステントの内面がアノード導電性部材の細長部材と4点で電気接点を形成するように固定した。アノード導電性部材の細長部材として外径が1.2mmの円柱状の部材を用いた。
電解研磨液槽内に製造例1で調整した電解研磨液1を投入後25℃にて貯留しマグネチックスターラーで撹拌速度が平均100cm/secになるように攪拌し、金属成形体との電極間距離が45mm〜55mmに実質的に等距離になるように湾曲形状のSUS304製のカソードを設置した。
<第1電解研磨工程(1)>
金属成形体を電解研磨液中に浸漬し、電圧20Vで30秒間、電解研磨液に対して電力供給し、金属成形体の表面の電解研磨を行った。電力供給完了後、金属成形体を電解研磨液から取り出した後、水で洗浄して乾燥させ、金属成形体を円周方向に45°移動させて金属成形体とアノード導電性部材の電気接点を変更した。
<第2電解研磨工程(1)>
金属成形体を電解研磨液に浸漬し、電圧25Vで3秒間、電解研磨液に対して電力供給し、金属成形体の表面の電解研磨を行った。電力供給完了後、金属成形体を電解研磨液から取り出した後、水で洗浄して乾燥させ、金属成形体を円周方向に45°移動させて金属成形体とアノード導電性部材の電気接点を変更した。
第1電解研磨工程(1)を連続して10回繰り返し実施した後に、第2電解研磨工程(2)を5回連続して繰り返し実施した。すべての電解研磨時の電流密度は100〜2000mA/cmの範囲内であった。表2に記す。
(実施例2)
金属成形体として、外径が1.0mmの純チタン製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた以外は、実施例1と同様の方法で電解研磨を実施した。尚、実施例1における電気接点の変更は行わなかった。また、すべての電解研磨時の電流密度は100〜2000mA/cmの範囲内であった。
(実施例3)
金属成形体として、外径が1.0mmのチタン合金Ti−6Al−4V製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた以外は、実施例1と同様の方法で電解研磨を実施した。尚、実施例1における電気接点の変更は行わなかった。また、すべての電解研磨時の電流密度は100〜2000mA/cmの範囲内であった。
(実施例4)
金属成形体として、外径が1.0mmの純チタン製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた。
電解研磨液槽内に製造例2で調整した電解研磨液2を投入後、電解研磨液を25℃にて貯留しマグネチックスターラーで撹拌速度が平均100cm/secになるように攪拌し、金属成形体との電極間距離が45mm〜55mmに実質的に等距離になるように湾曲形状のSUS304製のカソードを設置した。
<第1電解研磨工程(2)>
金属成形体を電解研磨液に浸漬し、電圧25Vで60秒間、電解研磨液に対して電力供給し、金属成形体の表面の電解研磨を行った。電力供給完了後、被研磨物を電解研磨液から取り出した後、水で洗浄して乾燥させた。
<第2電解研磨工程(2)>
金属成形体を電解研磨液に浸漬し、電圧30Vで10秒間、電解研磨液に対して電力供給し金属成形体の表面の電解研磨を行った。電力供給完了後、金属成形体を電解研磨液から取り出した後、水で洗浄して乾燥させた。
第1電解研磨工程(2)を連続して10回繰り返し実施した後に、第2電解研磨工程(2)工程を10回連続して繰り返し実施した。尚、電気接点の変更は行わなかった。すべての電解研磨時の電流密度は50〜300mA/cmの範囲内であった。
(実施例5)
金属成形体として、外径が1.2mmのステンレス鋼SUS304製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた。
電解研磨液槽内に製造例3で調整した電解研磨液3を投入後、電解研磨液を25℃にて貯留しマグネチックスターラーで撹拌速度が平均100cm/secになるように攪拌し、金属成形体との電極間距離が45mm〜55mmに実質的に等距離になるように湾曲形状のSUS304製のカソードを設置した。
<第1電解研磨工程(3)>
金属成形体を電解研磨液に浸漬し、電圧20Vで60秒間、電解研磨液に対して電力供給し、金属成形体の表面の電解研磨を行った。電力供給完了後、金属成形体を電解研磨液から取り出した後、水で洗浄して乾燥させた。
<第2電解研磨工程(3)>
金属成形体を電解研磨液に浸漬し、電圧25Vで10秒間、電解研磨液に対して電力供給し金属成形体の表面の電解研磨を行った。電力供給完了後、金属成形体を電解研磨液から取り出した後、水で洗浄して乾燥させた。
第1電解研磨工程(3)を連続して10回繰り返し実施した後に、第2電解研磨工程(3)工程を10回連続して繰り返し実施した。尚、電気接点の変更は行わなかった。すべての電解研磨時の電流密度は50〜300mA/cmの範囲内であった。
(実施例6)
金属成形体として、外径が1.6mmのマグネシウム合金AZ61製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた。
それ以外は、実施例5と同様の方法で電解研磨を実施した。すべての電解研磨時の電流密度は50〜300mA/cmの範囲内であった。
(実施例7)
金属成形体として、外径が1.5mmの純アルミニウムA1070製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた。
電解研磨液槽内に製造例2で調整した電解研磨液2を投入後、電解研磨液を25℃にて貯留しマグネチックスターラーで撹拌速度が平均100cm/secになるように攪拌し、金属成形体との電極間距離が45mm〜55mmに実質的に等距離になるように湾曲形状のSUS304製のカソードを設置した。
<第1電解研磨工程(4)>
金属成形体を電解研磨液に浸漬し、電圧20Vで60秒間、電解研磨液に対して電力供給し、金属成形体の表面の電解研磨を行った。電力供給完了後、金属成形体を電解研磨液から取り出した後、水で洗浄して乾燥させた。
<第2電解研磨工程(4)>
金属成形体を電解研磨液に浸漬し、電圧25Vで10秒間、電解研磨液に対して電力供給し金属成形体の表面の電解研磨を行った。電力供給完了後、金属成形体を電解研磨液から取り出した後、水で洗浄して乾燥させた。
第1電解研磨工程(4)を連続して10回繰り返し実施した後に、第2電解研磨工程(4)工程を10回連続して繰り返し実施した。尚、電気接点の変更は行わなかった。すべての電解研磨時の電流密度は50〜300mA/cmの範囲内であった。
(比較例1)
金属成形体として、内径が8.0mmのニッケルチタン合金(ASTM F2063−05に適合)製のステントを用意した。
実施例1の第1電解研磨工程(1)のみを10回連続して繰り返し実施した以外は、実施例1と同様の方法で電解研磨を実施した。すべての電解研磨時の電流密度は100〜1600mA/cmの範囲内であった。
(比較例2)
金属成形体として、外径が1.0mmの純チタン製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた。
実施例1の第1電解研磨工程(1)のみを10回連続して繰り返し実施した以外は、実施例1と同様の方法で電解研磨を実施した。尚、実施例1における電気接点の変更は行わなかった。また、すべての電解研磨時の電流密度は100〜1600mA/cmの範囲内であった。
(比較例3)
金属成形体として、外径が1.0mmのチタン合金Ti−6Al−4V製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた。
実施例1の第1電解研磨工程(1)のみを10回連続して繰り返し実施した以外は、実施例1と同様の方法で電解研磨を実施した。尚、実施例1における電気接点の変更は行わなかった。また、すべての電解研磨時の電流密度は100〜1600mA/cmの範囲内であった。
(比較例4)
金属成形体として、外径が1.0mmの純チタン製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた。
実施例4の第1電解研磨工程(2)のみを10回連続して繰り返し実施した以外は、実施例4と同様の方法で電解研磨を実施した。尚、電気接点の変更は行わなかった。また、すべての電解研磨時の電流密度は50〜250mA/cmの範囲内であった。
(比較例5)
金属成形体として、外径が1.2mmのステンレス鋼SUS304製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた。
実施例5の第1電解研磨工程(3)のみを10回連続して繰り返し実施した以外は、実施例5と同様の方法で電解研磨を実施した。尚、電気接点の変更は行わなかった。また、すべての電解研磨時の電流密度は50〜250mA/cmの範囲内であった。
(比較例6)
金属成形体として、外径が1.6mmのマグネシウム合金AZ61製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた。
実施例5の第1電解研磨工程(3)のみを10回連続して繰り返し実施した以外は、実施例5と同様の方法で電解研磨を実施した。尚、電気接点の変更は行わなかった。すべての電解研磨時の電流密度は50〜250mA/cmの範囲内であった。
(比較例7)
金属成形体として、外径が1.5mmの純アルミニウムA1070製のワイヤを用意した。
アノード導電性部材の延長部を取り外し、アノード接続部にワイヤを直接取り付けた。
実施例7の第1電解研磨工程(4)のみを10回連続して繰り返し実施した以外は、実施例7と同様の方法で電解研磨を実施した。尚、電気接点の変更は行わなかった。すべての電解研磨時の電流密度は50〜250mA/cmの範囲内であった。
(比較例8)
金属成形体として、内径が8.0mmのニッケルチタン合金(ASTM F2063−05に適合)製のステントを用意した。
実施例1の第1電解研磨工程(1)の電圧を25Vに変更した工程のみを10回連続して繰り返し実施した以外は、実施例1と同様の方法で電解研磨を実施した。すべての電解研磨時の電流密度は100〜2000mA/cmの範囲内であった。
(実体顕微鏡による外観評価)
各実施例および各比較例で作製した金属成形体について、実体顕微鏡(Nikon製 MM−400)を用いて、50倍の倍率で表面外観を観察することにより外観評価を行った。
その結果、各実施例ではすべて、平滑な表面外観を確認したが、各比較例ではすべて、白色の曇り面が表面にあることを確認した。尚、実施例1、比較例1、実施例4、比較例4、実施例5、比較例5、実施例6、比較例6、実施例7、比較例7、比較例8について、実体顕微鏡にデジタル一眼レフカメラ(Canon製 EOS Kiss X5)を接続して拡大写真を撮影した表面観察結果を図5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15に示した。
(SEMによる外観評価)
実施例1および比較例1で作製した金属成形体について、SEM(走査型電子顕微鏡; Carl Zeiss製 UltraPlus)を用いて、加速電圧2.0kV、2000倍の倍率で、表面外観を観察することにより外観評価を行った。
その結果、実施例1では、非常に優れた平滑な表面外観を有していることがわかった。また比較例1では、実体顕微鏡観察で白色の曇り面に見えた表面部分に約2μm程度の凹凸状の表面が形成されていることがわかった。尚、実施例1、比較例1の観察結果を図16、図17に示した。
(STEMならびにEDXによる断面分析)
実施例1および比較例1で作製した金属成形体について、FIB(集束イオンビーム; 日立製 FB−2100)により加速電圧40kV(仕上げ10kV)で断面を作製し、STEM(走査透過電子顕微鏡; 日立製 HD−2700)を用いて、加速電圧200kV、30000倍と700000倍の倍率で観察した。
その結果、SEMで確認された凹凸の有無の実施例1と比較例1との差が、断面STEM観察でも同様に確認することができ、各試料表面におよそ5nm程度の厚みの層が確認された。
その後、EDX(エネルギー分散型X線分析装置; EDAX製 TEAM)を用いて、加速電圧200kVで、700000倍の倍率の断面の元素分析を実施した。測定による汚染残渣等を考慮して、検出元素のうち、O、Ti、Niの3元素で元素濃度比を計算した。その結果、実施例1ならびに比較例1の試料のどちらについても、試料表面(point1、point3)では、断面の内部(point2、point4)と比較して、Niの強度の低下とOの強度の上昇が顕著に見られた。一方で、Tiの強度は大きく変化していなかった。これらの結果から、試料表面の層は酸化チタンからなる酸化皮膜であることがわかった。したがって、試料表面の凹凸の有無が白色曇り面の原因と示唆された。
尚、実施例1、比較例1の断面観察結果を図18、図19に示した。また、実施例1、比較例1の元素分析の結果を表3に示した。
(表面粗さ測定)
実施例1および比較例1で作製した金属成形体について、レーザー顕微鏡(KEYENCE社、VK−9510)を用いて、JIS B0601−1994に基づき、算術平均粗さRaと最大高さRyを測定した。実施例1および比較例1の表面粗さ測定結果を表4に示した。実施例1のほうが比較例1よりも算術平均粗さRaと最大高さRyがともに小さく、実施例1は比較例1よりも平滑性に優れていることがわかった。
(結果)
実施例1〜7では、本発明の効果により、研磨面に白色の曇り面を発生させることなく、一様に平滑で光沢のある研磨面が得られた。
比較例1〜8では、研磨面に白色の曇り面を発生させてしまい、凹凸を有する光沢があまりない研磨面が得られた。特に、比較例8では白色の曇り面以外に研磨ムラも確認された。
このことから、本発明は、簡便な方法及び簡便な装置により、研磨時間を短縮しつつ、研磨ムラが少なく均一な研磨面が得られる金属成形体の電解研磨方法であることがわかる。また、本来であれば、電解研磨液を交換しなくてはならないような状態であっても、本発明の電解研磨方法の効果により、白色の曇り面が発生しくいため、電解研磨液を長く使用できるという利点があることがわかる。
11 電源
12a、12b 導電性ワイヤ
13 アノード導電性部材
14 金属成形体
15 電解研磨液槽
16 カソード
17 電解研磨液
18 電気接点
21 電圧
22 電流密度
23 電解研磨時間
41 細長部材
42 延長部
43 アノード接続部
44 アノード回転部
45 アノード支持部
46 アノード全体回転部
47 循環水入口
48 循環水出口
49 スターラーバー
400 マグネチックスターラー
411 電源
412a、412b 導電性ワイヤ
413 アノード導電性部材
414 ステント
415 電解研磨液槽
416 カソード
417 電解研磨液
418 電気接点

Claims (15)

  1. 電解研磨液中で、下記(a)条件で電解研磨する第1電解研磨工程を1回以上と、下記(b)条件で電解研磨する第2電解研磨工程を1回以上含み、下記(b)条件で最終の電解研磨を行うことを特徴とする金属成形体の製造方法。
    (a)電圧を一定時間印加する条件
    (b)前記(a)条件より高い電圧を一定時間印加する条件
  2. 前記(a)条件の電圧値が、10V以上、30V以下の範囲から選択されることを特徴とする請求項1に記載の金属成形体の製造方法。
  3. 前記(b)条件の電圧値が、20V以上、45V以下の範囲から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属成形体の製造方法。
  4. 前記(a)工程および前記(b)工程における電流値が、40mA/cm以上の範囲から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
  5. 前記(b)工程における電圧の印加時間が、前記(a)工程における電圧の印加時間と同じ、または、短いことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
  6. 前記(a)工程における電圧の印加時間が10秒以上、60秒以下の範囲、および前記(b)工程における電圧の印加時間が1秒以上、10秒以下の範囲で選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
  7. 前記電解研磨液がフッ化物を含んでいない、もしくはフッ化物の含有量が5重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
  8. 前記電解研磨液がアルキルスルホン酸を含んでいることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
  9. 前記電解研磨液が、アミノカルボン酸型キレート剤を含んでいることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
  10. 前記金属成形体が卑金属からなることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
  11. 前記金属成形体が鉄、クロム、マグネシウム、アルミニウム、チタンから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする、請求項10に記載の金属成形体の製造方法。
  12. 前記金属成形体がチタンまたはチタン合金からなることを特徴とする、請求項11に記載の金属成形体の製造方法。
  13. 前記金属成形体がニッケルチタン合金からなることを特徴とする、請求項12に記載の金属成形体の製造方法。
  14. 前記金属成形体が医療用管状体であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の金属成形体の製造方法。
  15. 前記医療用管状体が、ステントであることを特徴とする請求項14に記載の金属成形体の製造方法。

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