JP2017208397A - 裏面照射型固体撮像素子及び撮影装置 - Google Patents

裏面照射型固体撮像素子及び撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】裏面照射型CMOS型撮像素子の厚みが厚いほど、電位の傾きが弱くなることによる電荷移動スピードの低下や結晶欠陥等による暗電流の増加が懸念される。【解決手段】半導体基板の裏面側に光入射面を持つ裏面照射型固体撮像素子を、半導体基板内に形成された光電変換部と、半導体基板内であって、裏面と反対の表面側に形成されており、光電変換部にて生成された電荷を保持する電荷保持部とを備える構成とし、半導体基板の裏面と電荷保持部とが、半導体基板の厚み方向において、光入射面に入射される光の最大波長及び該半導体基板の光吸収係数に基づいて定められた距離だけ離れて位置している。【選択図】図3

Description

本発明は、裏面照射型固体撮像素子及び撮影装置に関する。
ローリングシャッタ方式で問題となる動体歪みを解消するため、グローバルシャッタ機能を持つCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型撮像素子が知られている。グローバルシャッタ機能を持つCMOS型撮像素子は、多数のトランジスタ及び電荷保持容量を画素内に備える構造上、フォトダイオードの占有面積が狭いため、高感度に設計することが難しいという問題を抱えている。
近年、上記の問題を解消することが可能な裏面照射型CMOS型撮像素子が知られている。裏面照射型CMOS型撮像素子では、半導体基板の光入射面(裏面)側に配線層等を設ける必要が無い。そのため、この種の撮像素子は、フォトダイオードの占有面積が狭いながらも、開口率が高く、感度が高い。
例えば特許文献1に、グローバルシャッタ機能を持つ裏面照射型CMOS型撮像素子の具体的構成が記載されている。特許文献1では、裏面照射型CMOS型撮像素子の表面側に電荷保持容量を設けてグローバルシャッタ機能を持たせる構成において、裏面照射型CMOS型撮像素子の厚みを厚くすることにより、電荷保持容量に漏れ込む電荷量を低減させる(言い換えると、固体撮像素子のシャッタ性能(遮光性能)を向上させる)ことが記載されている。
特開2015−220255号公報
しかし、裏面照射型CMOS型撮像素子の厚みが厚いほど、電位の傾きが弱くなることによる電荷移動スピードの低下や結晶欠陥等による暗電流の増加が懸念される。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電荷移動スピードの低下や暗電流の増加を抑えつつ固体撮像素子のシャッタ性能を向上させるのに好適な裏面照射型固体撮像素子及び撮影装置を提供することである。
本発明の一実施形態に係る裏面照射型固体撮像素子は、半導体基板の裏面側に光入射面を持つものであり、半導体基板内に形成された光電変換部と、半導体基板内であって、裏面と反対の表面側に形成されており、光電変換部にて生成された電荷を保持する電荷保持部とを備える。かかる裏面照射型固体撮像素子において、半導体基板の裏面と電荷保持部とが、半導体基板の厚み方向において、光入射面に入射される光の最大波長及び該半導体基板の光吸収係数に基づいて定められた距離だけ離れて位置している。
また、本発明の一実施形態において、光入射面に入射される光の最大波長は、例えば、半導体基板の裏面に取り付けられた赤外カットフィルタによって規定されている。
また、本発明の一実施形態において、上記の距離は、寄生感度にも基づいて定められているものであってもよい。
本発明の一実施形態に係る撮影装置は、上記の裏面照射型固体撮像素子を備える。
本発明の一実施形態によれば、電荷移動スピードの低下や暗電流の増加を抑えつつ固体撮像素子のシャッタ性能を向上させるのに好適な裏面照射型固体撮像素子及び撮影装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る撮影装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る固体撮像素子の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る固体撮像素子の画素の構造を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るシリコン基板の光吸収係数の波長依存性(図4(a))及びシリコン基板の光吸収係数の波長依存性を用いて計算されたPDとMEMの分光感度特性(図4(b))を示す図である。 本発明の一実施形態に係る測距センサに取り付けられる赤外カットフィルタの分光透過特性(図5(a))及び赤外カットフィルタが測距センサに取り付けられているときのPD及びMEMの分光感度特性(図5(b))を示す図である。 本発明の一実施形態に係るPDとMEMとの面積比(MEM/PD)が0.05である場合の寄生感度とシリコン基板の厚みとの関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るPDの厚みと分光感度特性との関係(図7(a))及び各厚みのPDを持つ測距センサに赤外カットフィルタを取り付けた場合のPDの分光感度特性(図7(b)及び図7(c))を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る撮影装置について図面を参照しながら説明する。以下においては、本発明の一実施形態として、デジタル一眼レフカメラについて説明する。なお、撮影装置は、デジタル一眼レフカメラに限らず、例えば、ミラーレス一眼カメラ、コンパクトデジタルカメラ、ビデオカメラ、カムコーダ、タブレット端末、PHS(Personal Handy phone System)、スマートフォン、フィーチャフォン、携帯ゲーム機など、固体撮像素子を備える別の形態の装置に置き換えてもよい。
[撮影装置1全体の説明]
図1は、本発明の一実施形態に係る撮影装置1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、撮影装置1は、カメラ本体10と、カメラ本体10に着脱可能な交換レンズ20を備えている。
カメラ本体10は、システムコントローラ回路102、ROM(Read Only Memory)104、操作スイッチ群106、測光センサ108、測距センサ110、撮像センサ112、撮像センサ駆動回路114、レンズ制御回路116、画像処理回路118、画像メモリ120、表示器122、第一ミラー124、第二ミラー126及びメカシャッタ128を有している。
交換レンズ20は、レンズCPU(Central Processing Unit)202、撮影レンズ204、絞り206及び駆動機構208を有している。なお、図1では、便宜上、撮影レンズ204が2枚構成で示されているが、実際には、撮影レンズ204は、より多い枚数で構成されている。
操作スイッチ群106には、電源スイッチやレリーズスイッチ、ズームスイッチ、撮影モードスイッチなど、ユーザが撮影装置1を操作するために必要な各種スイッチが含まれる。ユーザにより電源スイッチが操作されると、図示省略されたバッテリから撮影装置1の各種回路に電源ラインを通じて電源供給が行われる。
システムコントローラ回路102は、カメラCPUを含む。システムコントローラ回路102は電源供給後、ROM104にアクセスして制御プログラムを読み出してワークエリア(不図示)にロードし、ロードされた制御プログラムを実行することにより、撮影装置1全体の制御を行う。
例えばズームスイッチが操作されると、システムコントローラ回路102は、レンズ制御回路116を介してレンズCPU202にズーム制御信号を出力する。レンズCPU202は、レンズ制御回路116より入力されるズーム制御信号に基づいて駆動機構208を制御して、撮影レンズ204内の一部のレンズ群(ズームレンズ)を他のレンズに対して光軸方向に相対移動させることにより、撮影レンズ204の焦点距離を変化させる。
また、例えばレリーズスイッチが半押し操作されると、システムコントローラ回路102は、被写体光束を基にAF(Autofocus)制御を行う。具体的には、被写体光束は、撮影レンズ204及び絞り206を介して第一ミラー124に入射される。第一ミラー124の一部の領域は、ハーフミラー領域となっている。そのため、被写体光束の一部は、第一ミラー124(ハーフミラー領域)を透過して、第一ミラー124の後段に配置された第二ミラー126にて下方に反射されて、測距センサ110に入射される。
測距センサ110は、入射光束に応じた信号をシステムコントローラ回路102に出力する。システムコントローラ回路102は、測距センサ110より入力される信号に基づいてデフォーカス演算を行い、演算によって求められたフォーカス制御信号を、レンズ制御回路116を介してレンズCPU202に出力する。
レンズCPU202は、レンズ制御回路116より入力されるフォーカス制御信号に基づいて駆動機構208を制御して、撮影レンズ204内の一部のレンズ群(フォーカスレンズ)を他のレンズに対して光軸方向に相対移動させることにより、撮影レンズ204のピント位置を適正位置に調節する。
また、例えばレリーズスイッチが全押し操作されると、システムコントローラ回路102は、測光センサ108による測光値(言い換えると、被写体の明るさ)に基づいて適正露出が得られるように、不図示の駆動回路を介してメカシャッタ128を駆動制御すると共に、レンズ制御回路116を介してレンズCPU202に絞り制御信号を出力する。
レンズCPU202は、レンズ制御回路116より入力される絞り制御信号に基づいて駆動機構208を制御することにより、絞り206を適正な絞り値に達するまで駆動する。なお、メカシャッタ128及び絞り206の駆動制御は、プログラムAE(Automatic Exposure)、シャッタ優先AE、絞り優先AEなど、撮影モードスイッチにより指定されるAE機能に基づいて行われる。また、絞り206は、絞り値の調節だけでなく、静止画撮影時には露光秒時調節用のシャッタとして機能するものであってもよい。
システムコントローラ回路102は、第一ミラー124をクイックリターンさせる。すなわち、システムコントローラ回路102は、メカシャッタ128(ここではフォーカルプレーンシャッタ)の先膜走行開始直前から後幕走行終了直後の期間に限り、第一ミラー124をアップすることにより、撮影レンズ204の光軸と平行な光路から第一ミラー124を退避させる。また、第二ミラー126は、第一ミラー124とメカ的に連動する構成となっており、第一ミラー124のミラーアップと共に光路から退避する。
被写体光束は、第一ミラー124のミラーアップ中、撮影レンズ204、絞り206及びメカシャッタ128を通過して、メカシャッタ128の後段に配置された撮像センサ112の受光面上で結像される。
撮像センサ112は、CMOS型イメージセンサ及びその周辺回路をチップ化したものである。CMOS型イメージセンサは、ベイヤ配列の原色カラーモザイクフィルタがオンチップで形成された2次元単板式カラーセンサであり、M×N画素を有している。撮像センサ112は、受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積し、画像信号を生成して撮像センサ駆動回路114に出力する。なお、CMOS型イメージセンサは、ベイヤ配列フィルタ等の原色系フィルタに限らず、補色系フィルタ(例えば補色市松フィルタ)が搭載されたものであってもよい。
撮像センサ駆動回路114は、撮像センサ112の撮像動作を制御すると共に、撮像センサ112より入力される画像信号をA/D変換してシステムコントローラ回路102に出力する。システムコントローラ回路102は、撮像センサ駆動回路114より入力されるA/D変換後の画像信号の一時的な保存場所として画像メモリ120を用いつつ、該画像信号を適時のタイミングで画像処理回路118に転送する。画像処理回路118は、システムコントローラ回路102より転送される画像信号に対して各種信号処理(デモザイキング、ガンマ補正、マトリックス演算、ホワイトバランス等)を施す。
システムコントローラ回路102は、各種信号処理後の画像データをカメラ本体10の内蔵メモリや不図示のカードスロットに着脱可能に差し込まれているメモリカードに保存し、また、表示器122に出力する。
表示器122は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)である。表示器122がシステムコントローラ回路102より入力される画像データを基に液晶を変調制御することで、被写体の撮影画像が表示器122の表示画面に表示される。
[固体撮像素子に関する説明]
測光センサ108は、適正な露光条件を算出するため、撮像センサ112による本撮影前に被写体の明るさを極短時間で検出する必要があり、高感度であることが求められる。測光センサ108はまた、フラッシュ撮影に対応するため、同時性が要求される。
測距センサ110は、撮影レンズ204のピント調節を行うため、撮像センサ112による本撮影前に被写体までの距離を極短時間で検出する必要があり、高感度であることが求められる。測距センサ110はまた、デフォーカス演算の際、異なる画素列の画素信号の相互演算を行う必要上、画素間の画素信号に同時性が要求される。
撮影装置1には、固体撮像素子として、測光センサ108、測距センサ110及び撮像センサ112が備えられている。本実施形態において、測光センサ108、測距センサ110及び撮像センサ112の各固体撮像素子は、何れも、グローバルシャッタ機能を持つ裏面照射型CMOS型撮像素子である。特に、測光センサ108及び測距センサ110は、上述したように、高感度及び同時性の要求が強いため、グローバルシャッタ機能を持つ裏面照射型CMOS型撮像素子であることが好適である。
図2(a)に、本実施形態に係る測光センサ108及び撮像センサ112に適用される固体撮像素子の概略構成例を示す。図2(a)に示されるように、測光センサ108及び撮像センサ112は、シリコン基板SSCを有している。シリコン基板SSC上には、複数の画素PXよりなる画素領域APX、垂直駆動回路CVD、カラム信号処理回路C、水平駆動回路CHD、出力回路C、制御回路CCTLが設けられている。
画素PXは、フォトダイオード(PD)よりなる光電変換部及び複数の画素トランジスタを有している。画素PXを構成する画素トランジスタには、例えば、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、増幅トランジスタが挙げられる。
画素領域APXは、シリコン基板SSC上にマトリックスアレイ状に配列された複数の画素PXから構成されている。画素領域APXは、入射された光を光電変換して生成した信号電荷を増幅してカラム信号処理回路Cに読み出す有効画素領域、及び黒レベルの基準値を出力するための黒基準画素領域を有している。
制御回路CCTLは、垂直同期信号、水平同期信号、マスタクロックに基づいて、垂直駆動回路CVD、カラム信号処理回路C、水平駆動回路CHD等の動作の基準となるクロック信号や制御信号等を生成する。
垂直駆動回路CVDは、例えばシフトレジスタによって構成されており、画素領域APXの各画素PXを行単位で垂直方向に順次選択走査し、各画素2のPDにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素信号を、垂直信号線LVSを介してカラム信号処理回路Cに出力する。
カラム信号処理回路Cは、例示的には、画素PXの列毎に配置されており、1行分の画素PXから出力される画素信号に対し、画素列毎に黒基準画素領域より出力される信号を用いて、ノイズ除去や信号増幅等の信号処理を施す。
水平駆動回路CHDは、例えばシフトレジスタによって構成されており、水平走査パルスを順次出力する。これにより、カラム信号処理回路Cの各々が順に選択され、選択された各カラム信号処理回路Cから画素信号が出力回路Cに出力される。
出力回路Cは、カラム信号処理回路Cより入力される画素信号を処理して、システムコントローラ回路102等の後段回路に出力する。
図2(b)に、本実施形態に係る測距センサ110に適用される固体撮像素子の概略構成例を示す。図2(b)に示されるように、測距センサ110は、基本的には、測光センサ108や撮像センサ112と同じ構成を有している。測光センサ108等との相違点として、測距センサ110がラインセンサの形態で構成されている点が挙げられる。
本実施形態では、AF方式として、位相差検出方式が採用されている。そのため、被写体光束は、第二ミラー126にて反射された後、セパレータレンズ等の光学素子にて瞳分割されて、測距センサ110に入射される。瞳分割された被写体光束は、画素領域APX内において同一ライン(同一行)上に配置された基準画素列PXと参照画素列PXに結像される。測距センサ110は、各像の位相ずれからデフォーカス量に応じた信号を生成してシステムコントローラ回路102に出力する。
図3(a)に、測距センサ110の画素PXの構造を模式的に示す。また、図3(b)に、図3(a)に示される画素PXの構造の一部拡大図を示す。
図3(a)及び図3(b)に示されるように、測距センサ110の各画素PXは、裏面110Aから順に、p領域110a、PD(n領域)110b、p領域110c、p領域110d、pウェル110eを有している。pウェル110e上には、VDD(Voltage Drain)110f、RG(Reset Gate)110g、FD(Floating Diffusion)110h、FDG(Floating Diffusion Gate)110i、電荷保持部であるMEM110j、TG(Transfer Gate)110k、ABG(Antiblooming Gate)110lが形成されている。p領域110a、PD(n領域)110b及びp領域110cの側面には、電気的及び光学的なクロストークを低減するためのDTI(Deep Trench Isolation)110mが形成されている。PD110b及びMEM110jの表面には、バリア層110mが形成されている。
PD110bにて光電変換されることによって発生した電荷は、全画素一斉にTG110kを介してMEM110jに転送される。MEM110jに転送された電荷は、FDG110iを介してFD110hに転送されて電圧に変換され、不図示の画素ソースフォロアアンプSF及び選択トランジスタSELを介して順次読み出される。
図3(c)に、本発明の別の一実施形態に係る測距センサの画素PXの構造を模式的に示す。図3(c)に示されるように、別の一実施形態に係る固体撮像素子の各画素PXは、裏面1110Aから順に、p領域1110a、n領域1110b、pウェル1110c、n領域1110dを有している。pウェル1110c上には、VDD1110e、RG1110f、FD1110g、FDG1110h、MEM1110i、TG1110jが形成されている。n領域1110d及びMEM1110iの表面には、バリア層1110kが形成されている。
図3(b)及び図3(c)に示されるように、本実施形態に係る固体撮像素子(ここでは例示として測距センサ)の画素PXは、特許文献1に記載されている画素と比べて、シリコン基板SSCの厚み方向に関し、その裏面からMEMまでの距離Dが広く取られている。概略的には、裏面に入射される光の最大波長及びシリコン基板SSCの光吸収係数に基づいて定められた値に距離Dが設定されていることにより、MEMに漏れ込む電荷量を低減(固体撮像素子のシャッタ性能を向上)させつつ、電荷移動スピードの低下及び暗電流(特に、p領域110d等の領域で発生するもの)の増加の抑制が達成されている。
図4(a)に、シリコン基板SSCの光吸収係数の波長依存性を例示する。図4(a)中、縦軸は、光吸収係数(単位:/μm)を示し、横軸は、波長(単位:nm)を示す。図4(a)に示されるように、波長の長い光ほど、シリコン基板SSCにおける光吸収係数が小さく、シリコン基板SSC内への深達度が大きい。
図4(b)に、図4(a)に示されるシリコン基板SSCの光吸収係数の波長依存性を用いて計算されたPD110bとMEM110jの分光感度特性を例示する。図4(b)中、太実線は、PD110bの分光感度特性を示し、細実線は、MEM110jの分光感度特性を示す。また、図4(b)中、縦軸は、感度(単位:任意)を示し、横軸は、波長(単位:nm)を示す。
図4(b)に示されるように、PD110bは、シリコン基板SSC(画素PX)の光入射面(裏面110A)側に配置されているため、可視光領域に高い感度を持っている。
一方、MEM110jは、シリコン基板SSCの表面側の位置、すなわち光入射面から見て深い位置に配置されている。そのため、短波長成分(青色等)の光がMEM110jに到達する前に吸収される一方、長波長成分(赤色〜赤外等の領域)の光は、MEM110jに到達する。従って、図4(b)に示されるように、MEM110jは、短波長成分に対しては感度が低く、長波長成分に対しては感度が高い。
なお、MEM110jの感度は、シリコン基板SSCの厚み(より正確には、シリコン基板SSCの厚み方向における、裏面110AからMEM110jまでの距離D)に応じて変わる。シリコン基板SSCの厚みが厚いほど(距離Dが長いほど)、MEM110jの感度のピークは長波長側にシフトする。
図1に示されるように、測光センサ108、測距センサ110、撮像センサ112の各固体撮像素子の受光面の前段には、それぞれ、赤外カットフィルタ108IR、110IR、112IRが取り付けられている。図5(a)に、測距センサ110に取り付けられる赤外カットフィルタ110IRの分光透過特性例を2つ示す。図5(a)中、太実線は、分光透過特性1を示し、細実線は、分光透過特性2を示す。また、図5(a)中、縦軸は、透過率(単位:無次元)を示し、横軸は、波長(単位:nm)を示す。カットオフ波長は、分光透過特性1よりも分光透過特性2の方が大きい。
図5(b)に、図5(a)に示される分光透過特性1を持つ赤外カットフィルタ110IRが測距センサ110に取り付けられているときのPD110b及びMEM110jの分光感度特性を例示すると共に、図5(a)に示される分光透過特性2を持つ赤外カットフィルタ110IRが測距センサ110に取り付けられているときのPD110b及びMEM110jの分光感度特性を例示する。図5(b)中、太実線は、分光透過特性1を持つ赤外カットフィルタ110IRが測距センサ110に取り付けられているときのPD110bの分光感度特性を示し、細実線は、分光透過特性2を持つ赤外カットフィルタ110IRが測距センサ110に取り付けられているときのPD110bの分光感度特性を示し、太破線は、分光透過特性1を持つ赤外カットフィルタ110IRが測距センサ110に取り付けられているときのMEM110jの分光感度特性を示し、細破線は、分光透過特性2を持つ赤外カットフィルタ110IRが測距センサ110に取り付けられているときのMEM110jの分光感度特性を示す。また、図5(b)中、縦軸は、感度(単位:任意)を示し、横軸は、波長(単位:nm)を示す。
赤外カットフィルタ110IRの分光透過特性を考慮すると、MEM110jの感度が殆どないことが図5(b)から判る。また、カットオフ波長の大きい分光透過特性2を持つ赤外カットフィルタ110IRが取り付けられている方がMEM110jの感度が高いことが判る。また、シリコン基板SSCの厚みが厚いほど(距離Dが長いほど)MEM110jの感度のピーク(図4(b)参照)が長波長側にシフトし、且つMEM110jに到達し得る長波長成分の光が赤外カットフィルタ110IRでカットされるため、MEM110jの感度がより一層抑えられる。
図4及び図5から判るように、赤外カットフィルタ110IRの分光透過特性(主にカットオフ波長であり、言い換えると、裏面110Aに入射される光の最大波長)が決まっていれば、その分光透過特性に合わせてシリコン基板SSCの厚み(距離D)を設定することにより、シリコン基板SSCの厚みを必要以上に厚くすることなく(すなわち、シリコン基板SSCの厚みを厚くすることによる、電荷移動スピードの低下及び暗電流の増加を抑えつつ)、MEM110jの感度の抑制、すなわち、MEM110jに漏れこむ電荷量を低減させることによる測距センサ110のシャッタ性能の向上が達成される。
図6に、PD110bとMEM110jとの面積比(MEM/PD)が0.05である場合の寄生感度PLSとシリコン基板SSCの厚み(距離D)との関係を例示する。図6中、太実線は、赤外カットフィルタ110IRの分光透過特性が分光透過特性1の場合を示し、細実線は、赤外カットフィルタ110IRの分光透過特性が分光透過特性2の場合を示す。また、図6中、縦軸は、寄生感度PLS(単位:dB)を示し、横軸は、シリコン基板SSCの厚み(より正確には、距離Dであり、単位:μm)を示す。寄生感度PLSは、PD110bの感度をSPDと記し、MEM110jの感度をSMEMと記した場合に、次式により示される。
PLS=SMEM/SPD
例えばPD110bのダイナミックレンジとして12bit相当が必要である場合を考える。この場合、寄生感度の目標値は、−72dBとなる。図6から、赤外カットフィルタ110IRの分光透過特性が分光透過特性1の場合、シリコン基板SSCの厚み(距離D)として13μm程度必要となり、また、赤外カットフィルタ110IRの分光透過特性が分光透過特性2の場合、シリコン基板SSCの厚み(距離D)として18μm程度必要になることが判る。
図6から、赤外カットフィルタ110IRの分光透過特性(主にカットオフ波長であり、言い換えると、裏面110Aに入射される光の最大波長)が決まっていれば、その分光透過特性に合わせてシリコン基板SSCの厚み(距離D)を設定することにより、シリコン基板SSCの厚みを必要以上に厚くすることなく(すなわち、シリコン基板SSCの厚みを厚くすることによる、電荷移動スピードの低下及び暗電流の増加を抑えつつ)、寄生感度を適正な値以下に抑えられることが判る。無駄に厚いシリコン基板SSCが不要なため、製造時にイオン打ち込みエネルギーを必要以上に高くしなくてよく、また、拡散工程における拡散時間を必要以上に長くしなくてもよい。そのため、製造コストが抑えられる。
図7(a)に、PD110bの厚みと分光感度特性との関係を例示する。図7(a)中、太実線は、厚みy1を持つPD110bの分光感度特性を示し、細実線は、厚みy2を持つPD110bの分光感度特性を示し、破線は、厚みy3を持つPD110bの分光感度特性を示し、一点鎖線は、厚みy4を持つPD110bの分光感度特性を示す。また、図7(a)中、縦軸は、感度(単位:任意)を示し、横軸は、波長(単位:nm)を示す。ここでは、y1<y2<y3<y4となっている。すなわち、PD110bの厚みが厚いほどPD110bの分光感度が高いことが図7(a)から判る。
図7(b)に、図7(a)に示される各厚みのPD110bを持つ測距センサ110に図5(a)に示される分光透過特性1を持つ赤外カットフィルタ110IRを取り付けた場合のPD110bの分光感度特性を例示する。図7(c)に、図7(a)に示される各厚みのPD110bを持つ測距センサ110に図5(a)に示される分光透過特性2を持つ赤外カットフィルタ110IRを取り付けた場合のPD110bの分光感度特性を例示する。図7(b)、図7(c)の各図中の線種及び軸については、図7(a)と同じである。
図7(b)から、PD110bの厚みを必要以上に厚くしても(シリコン基板SSCの厚みを厚くして距離Dを長くしても)、PD110bの感度の向上には殆ど寄与しないことが判る。図7(c)の例では、図7(b)の例と比べてカットオフ波長が大きい分だけ、PD110bの厚みが厚いほどPD110bの感度が向上していることが判る。しかし、その効果は非常に限定的であり、実質的には、PD110bの厚みを必要以上に厚くしてもPD110bの感度の向上には殆ど寄与しないといえる。
このように、本実施形態によれば、シリコン基板SSCの厚み(より正確には距離D)が裏面に入射される光の最大波長(ここでは赤外カットフィルタ110IRのカットオフ波長)及びシリコン基板SSCの光吸収係数に基づいて定められた値に設定されている。これにより、MEMに漏れ込む電荷量を低減(固体撮像素子のシャッタ性能の向上)させつつ、電荷移動スピードの低下及び暗電流の増加の抑制が達成されている。また、距離Dを設定する際、PD110bの厚みや寄生感度PLSも考慮すると、固体撮像素子のシャッタ性能をより一層向上させることができると共にシリコン基板SSCの厚みをより適正な厚みに設定することができる。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。
1 撮影装置
10 カメラ本体
20 交換レンズ
102 システムコントローラ回路
104 ROM
106 操作スイッチ群
108 測光センサ
110 測距センサ
112 撮像センサ
114 撮像センサ駆動回路
116 レンズ制御回路
118 画像処理回路
120 画像メモリ
122 表示器
124 第一ミラー
126 第二ミラー
128 メカシャッタ
202 レンズCPU
204 撮影レンズ
206 絞り
208 駆動機構

Claims (4)

  1. 半導体基板の裏面側に光入射面を持つ裏面照射型固体撮像素子において、
    前記半導体基板内に形成された光電変換部と、
    前記半導体基板内であって、前記裏面と反対の表面側に形成されており、前記光電変換部にて生成された電荷を保持する電荷保持部と、
    を備え、
    前記半導体基板の裏面と前記電荷保持部とが、
    前記半導体基板の厚み方向において、前記光入射面に入射される光の最大波長及び該半導体基板の光吸収係数に基づいて定められた距離だけ離れて位置している、
    裏面照射型固体撮像素子。
  2. 前記最大波長は、
    前記半導体基板の裏面に取り付けられた赤外カットフィルタによって規定されている、
    請求項1に記載の裏面照射型固体撮像素子。
  3. 前記距離は、
    寄生感度にも基づいて定められている、
    請求項1又は請求項2に記載の裏面照射型固体撮像素子。
  4. 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の裏面照射型固体撮像素子を備えた、
    撮影装置。
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