JP2017204613A - 導電性鋼板 - Google Patents

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【課題】古典的渦電流損を低減できる導電性鋼板を提供する。【解決手段】導電性鋼板は、複数の薄肉部を備える。複数の薄肉部のそれぞれは、凹状に形成されている。薄肉部は、導電性鋼板に磁束が通過したときに、電磁誘導によって生じる電流の通過を阻害し、隣り合う薄肉部の間において渦電流を生じさせるように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、渦電流損を低減しうる導電性鋼板に関する。
従来、一方向性電磁鋼板の板幅方向に延びる溝を設けることで、磁区を細分化して異常渦電流損を低減することが行われている。特許文献1には、板幅方向に延びる主溝を起点として、圧延方向に延びる線分状の複数の副溝を設けることで、さらに異常渦電流損に関する特性を向上させた一方向性電磁鋼板が開示されている。
特許第4719319号
特許文献1に記載された一方向性電磁鋼板は、磁壁移動による異常渦電流損を低減するものであり、導体である鋼板に生じる渦電流による渦電流損(古典的渦電流損)を低減することはできない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、古典的渦電流損を低減できる導電性鋼板を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の導電性鋼板は、それぞれが凹状に形成された複数の薄肉部と、隣り合う前記薄肉部の間に形成された厚肉部と、を備え、磁界の中に置かれた場合に、前記薄肉部が電磁誘導によって生じる電流の通過を阻害することにより、前記厚肉部において渦電流を生じさせるように構成されている。
この態様において、前記厚肉部において凸部が、前記薄肉部において凹部が形成されており、2つの前記導電性鋼板が重ねられたときに、一方の前記導電性鋼板の前記凹部に、他方の前記導電性鋼板の前記凸部が収容されるように構成されていてもよい。
また、上記態様において、前記薄肉部及び前記厚肉部のそれぞれは、前記導電性鋼板の幅方向及び長さ方向の何れか一方に連続して繰り返し設けられていてもよい。
また、上記態様において、前記薄肉部は、屈曲可能に構成されていてもよい。
また、上記態様において、前記薄肉部及び前記厚肉部のそれぞれは、前記導電性鋼板の平面に向かい合う方向から見たときに、前記連続して繰り返す方向と直交する方向に延びるように構成されていてもよい。
また、上記態様において、前記薄肉部及び前記厚肉部のそれぞれは、前記導電性鋼板の幅方向及び長さ方向の両方に連続して繰り返し設けられていてもよい。
また、上記態様において、前記薄肉部及び前記厚肉部のそれぞれは、前記導電性鋼板の平面に向かい合う方向から見たときに四角形をなすように構成されていてもよい。
また、上記態様において、前記薄肉部及び前記厚肉部のそれぞれは、前記導電性鋼板の表面に平行な、互いに交差する3つの方向のそれぞれに連続して繰り返し設けられていてもよい。
また、上記態様において、前記薄肉部は、前記導電性鋼板の平面に向かい合う方向から見たときに三角形をなすように構成されており、前記厚肉部は、前記平面に向かい合う方向から見たときに倒立三角形をなすように構成されていてもよい。
本発明によれば、古典的渦電流損を低減できる。
実施の形態1に係る導電性鋼板の構成を示す斜視図。 実施の形態1に係る導電性鋼板の構成を示す正面図。 2つの導電性鋼板を重ねたときの状態を示す正面図。 導電性鋼板を変形させたときの状態を示す斜視図。 従来の一般的な導電性鋼板を示す斜視図。 図5に示す導電性鋼板に生じる渦電流の経路を説明するための正面断面図。 板幅が小さい導電性鋼板を複数並べた場合を示す斜視図。 図7に示す導電性鋼板に生じる渦電流の経路を説明するための正面断面図。 実施の形態1に係る導電性鋼板に生じる渦電流の経路を説明するための正面断面図。 従来の導電性鋼板における渦電流の解析結果を示す図。 実施の形態1にかかる導電性鋼板における渦電流の解析結果を示す図。 評価試験の結果を示すグラフ。 実施の形態2に係る導電性鋼板の構成を示す斜視図。 実施の形態2に係る導電性鋼板の構成を示す側面断面図。 2つの導電性鋼板を重ねたときの状態を示す側面断面図。 実施の形態2に係る導電性鋼板に生じる渦電流の経路を説明するための正面断面図。 実施の形態3に係る導電性鋼板の構成を示す平面図。 図16におけるA−A線による断面図。 図16におけるB−B線による断面図。 図16におけるC−C線による断面図。 図16におけるD−D線による断面図。 2つの導電性鋼板を重ねたときの状態を示す断面図。 実施の形態4に係る導電性鋼板に生じる渦電流の経路を説明するための断面図。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、板幅方向に延びる薄肉部及び厚肉部が圧延方向に連続して繰り返し設けられた導電性鋼板について説明する。なお、ここで導電性鋼板とは導電性を有する鋼板をいい、磁性体及び非磁性体の何れであってもよい。導電性鋼板は、軟磁性体の電磁鋼板であってもよく、また電磁鋼板である場合、無方向性及び方向性の何れの電磁鋼板であってもよい。以下の各実施の形態では、電磁鋼板ではない導電性鋼板について説明する。
図1は、本実施の形態に係る導電性鋼板の構成を示す斜視図であり、図2は、その正面図である。なお、以下の説明において、導電性鋼板の幅方向をX方向、導電性鋼板の長手方向(圧延方向)をY方向、導電性鋼板の厚さ方向をZ方向という。
図1に示すように、導電性鋼板100は、X方向視において複数の菱形の部分がY方向に並んだ構成となっている。図2に示すように、かかる菱形部分はY方向中央部分において厚さが大きく、Y方向の両側に向かうにしたがって厚さが小さくなっている。隣り合う菱形部分は、2つの菱形の対向する頂点が接続されるように連結されている。つまり、導電性鋼板100の上面にはX方向視において倒立三角状の凹部102がY方向に等間隔に並んで設けられており、その下面にはX方向視において三角状の凹部102がY方向に等間隔に並んで設けられている。上面及び下面のそれぞれに設けられた凹部102は、その頂点をZ方向に向かい合わせるようにして、Y方向の同一位置に設けられており、その2つの頂点に挟まれた領域が薄肉部101である。
薄肉部101は、導電性鋼板100の全幅に亘ってX方向に延びている。また、薄肉部101は、導電性鋼板100の全長に亘ってY方向に等間隔に連続して繰り返し設けられている。
また、Y方向に隣り合う2つの凹部102の間は、X方向視において三角状に突出した凸部103が形成されている。かかる凸部103の形状は、凹部102の形状に適合している。つまり、図2に示すように、凹部102の深さD1は、凸部103の高さでもある。また、凹部102の三角形の頂点の角度と、凸部103の三角形の頂点の角度は同一である。
隣り合う2つの薄肉部101の間の菱形の部分は、薄肉部101より厚さが大きい厚肉部104である。つまり、薄肉部101において凹部102が形成され、厚肉部104において凸部103が形成されている。厚肉部104は、導電性鋼板100の全幅に亘ってX方向に延びている。また、厚肉部104は、導電性鋼板100の全長に亘ってY方向に等間隔に連続して繰り返し設けられている。
上記のような導電性鋼板100において、凹部102が並ぶ間隔と、凸部103が並ぶ間隔とは同一である。このため、導電性鋼板100は、複数枚重ねて使用できる。図3は、2つの導電性鋼板100a,100bを重ねたときの状態を示す正面図である。図3に示すように、一方の導電性鋼板100aの凹部102aには、他方の導電性鋼板100bの凸部103bが収容される。また、導電性鋼板100bの凹部102bには、導電性鋼板100aの凸部103aが収容される。凹部102a,102bの形状と凸部103a,103bの形状とは合致しており、概ね隙間なく重ねることができる。これにより、複数の導電性鋼板100a,100bを重ねても大きく隙間が空く箇所がなく、各導電性鋼板100a,100bを互いに密着させることができる。
また、導電性鋼板100は、薄肉部101において容易に曲げることができる。図4は、導電性鋼板100を変形させたときの状態を示す斜視図である。図4に示すように、各薄肉部101において屈曲させることで、導電性鋼板100を変形させることが可能である。このため、導電性鋼板100を様々な形状に容易に変形できる。
次に、導電性鋼板100における渦電流損について説明する。図5は、従来の一般的な導電性鋼板を示す斜視図であり、図6は、当該導電性鋼板に生じる渦電流の一例を示す正面図断面である。図5に示すように、Y方向の磁束が一般的な導電性鋼板150に入射される場合を考える。この場合、磁束の変化によって電磁誘導が生じ、導電性鋼板150の内部に図6に矢印で示すような渦電流が誘起される。このとき、磁束は導電性鋼板150の正面に一様に入射し、板中を通過するものとすると、生じる損失の時間平均値Paveは、次式で表される。
ここで、板厚aが板幅bに比べて十分に小さい場合、次式が成り立つ。
(2)式より、体積Vあたりの渦電流損は、板厚aの二乗に比例する。
次に、板幅が小さい導電性鋼板を複数並べた場合について考える。図7は、板幅が小さい導電性鋼板を複数並べた場合を示す斜視図である。図7に示す例では、1つの導電性鋼板の板幅b’を、板厚aと概ね同一にしている。このときの損失の時間平均値Paveは、次式で表される。
(3)式に示すように、この場合、体積あたりの損失は半減する。これは、電磁誘導により誘起される電圧は変化しないが、電流の経路が分割されることで抵抗値が変化するためである。
図8は、図7に示す例で生じる渦電流の経路を説明するための正面断面図である。図8に示すように、各導電性鋼板160において渦電流が生じる。このときの電流経路lは次式に示すように4aに近似する。
これに対して、図6に示す例では、電流経路lは次式に示すように2bに近似する。
上記のように、断面積が小さい導電性鋼板160を並べることで、電流経路lが倍となり、抵抗値が増大する。このため、誘起される電流が減少し、ジュール損(RI)が半減する。
ここで、本実施の形態に係る導電性鋼板100について考える。図9は、本実施の形態に係る導電性鋼板に生じる渦電流の経路を説明するための正面断面図である。導電性鋼板100は、複数の箇所において薄肉部101が設けられている。この薄肉部101は、体積が小さいため抵抗値が高く、電流の通過を阻害する。このため、各薄肉部101で区切られた厚肉部104が、上記のような断面積が小さい導電性鋼板に相当すると考えることができる。したがって、導電性鋼板100には、図9に示すように、各厚肉部104において渦電流が生じる。よって、従来に比して渦電流損(古典的渦電流損)を低減することができる。
(評価試験)
従来の一般的な導電性鋼板150と、本実施の形態に係る導電性鋼板100とを対象としてFEM解析を実施し、渦電流の経路を分析した。図10Aは、従来の導電性鋼板における渦電流の解析結果を示す図であり、図10Bは、本実施の形態にかかる導電性鋼板における渦電流の解析結果を示す図である。図10Aに示すように、従来の導電性鋼板150では、断面の内部を一様に渦電流が生じている。これに対して、本実施の形態に係る導電性鋼板100では、図10Bに示すように、各厚肉部104で環流する渦電流が生じるのがわかる。
図11は、本評価試験の結果を示すグラフである。図11において、縦軸は渦電流損の大きさを示し、横軸は渦電流の周波数を示す。また、図11において、破線のグラフは従来の導電性鋼板150の結果を示し、実線のグラフは本実施の形態にかかる導電性鋼板100の結果を示している。本試験では、従来の導電性鋼板150と、本実施の形態に係る導電性鋼板100との両方について、渦電流の周波数を変化させてその損失を調べた。図11に示すように、従来の導電性鋼板150では、周波数が大きくなるにしたがって損失が大きく増加している。これに対して、本実施の形態に係る導電性鋼板100では、周波数が大きくなるにしたがって損失が増加するものの、その増加率は従来の導電性鋼板150に比べて非常に低く抑えられていることが分かる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、平面視において四角形の薄肉部及び厚肉部が圧延方向及び板幅方向のそれぞれに連続して繰り返し設けられた導電性鋼板について説明する。
図12は、本実施の形態に係る導電性鋼板の構成を示す斜視図である。図12に示すように、導電性鋼板200は、Z方向視(平面視)において複数の四角形の部分がX及びY方向のそれぞれに並んだ構成となっている。一部の四角形部分は凹部202であり、他の四角形部分は凸部203である。
凹部202及び凸部203は、市松模様状に配置されている。つまり、凹部202の4方向それぞれには凸部203が隣接しており、凸部203の4方向それぞれには凹部202が隣接している。凸部203は、隣り合う4つの凹部202に取り囲まれることで形成されており、凹部202は、隣り合う4つの凸部203に取り囲まれることで形成されている。
凹部202は、平面視において正方形をなしている。また、凸部203は凹部202と対応する形状であり、平面視において同様に正方形をなしている。かかる凸部203の正方形の一辺の長さは、凹部202の正方形の一辺の長さと実質的に同一である。より正確には、凸部203の正方形の一辺の長さは、凹部202の正方形の一辺の長さよりも若干小さい。これにより、凹部202に凸部203が収容可能となっている。
図13は、本実施の形態に係る導電性鋼板の構成を示す側面断面図である。図13に示すように、凹部202の深さD2は、凸部203の高さでもある。このように、凹部202の形状は、凸部203の形状に適合している。
また、図13に示すように、導電性鋼板200の両面それぞれには、X方向視において正方形又は長方形の凹部202がY方向に等間隔に並んで設けられている。同様にして、かかる複数の凹部202がX方向にも等間隔に並んで設けられている(図12参照)。上面及び下面のそれぞれに設けられた凹部202は、X及びY方向の同一位置に設けられており、Z方向に対向する2つの凹部202に挟まれた領域が薄肉部201である。
また、導電性鋼板200の両面それぞれにおいて、凸部203がX及びY方向に等間隔に並んでいる。上面及び下面のそれぞれに設けられた凸部203は、X及びY方向の同一位置に設けられており、Z方向に対向する2つの凸部203が重なった部分は厚肉部204である。つまり、薄肉部201において凹部202が形成され、厚肉部204において凸部203が形成されている。厚肉部204の厚さt2は薄肉部201の厚さT2に比べて十分に大きい。
上記のような導電性鋼板200において、凹部202が並ぶ方向及び間隔と、凸部203が並ぶ方向及び間隔とは同一である。このため、導電性200は、複数枚重ねて使用できる。図14は、2つの導電性鋼板200a,200bを重ねたときの状態を示す側面断面図である。図14に示すように、一方の導電性鋼板200aの凹部202aには、他方の導電性鋼板200bの凸部203bが収容される。また、導電性鋼板200bの凹部202bには、導電性鋼板200aの凸部203aが収容される。凹部202a,202bの形状と凸部203a,203bの形状とは合致しており、概ね隙間なく重ねることができる。これにより、複数の導電性鋼板200a,200bを重ねても大きく隙間が空く箇所がなく、各導電性鋼板200a,200bを互いに密着させることができる。
図15は、本実施の形態に係る導電性鋼板に生じる渦電流の経路を説明するための正面断面図である。導電性鋼板200は、複数の箇所において薄肉部201が設けられている。この薄肉部201は、体積が小さいため抵抗値が高く、電流の通過を阻害する。このため、導電性鋼板200には、図15に示すように、周囲を薄肉部201で囲まれた厚肉部204において渦電流が生じる。よって、従来に比して渦電流損(古典的渦電流損)を低減することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、平面視において三角形の薄肉部が互いに交差する3つの方向のそれぞれに連続して繰り返し設けられた導電性鋼板について説明する。
図16は、本実施の形態に係る導電性鋼板の構成を示す平面図である。図16において、破線で示しているのは基準面である。また、斜線を付した部分は基準面より窪んだ凹部302であり、斜線を付していない部分は基準面より突出した凸部303である。図16に示すように、導電性鋼板300は、Z方向視(平面視)において複数の凹部302及び凸部303のそれぞれが、図中第1方向(X方向)、第2方向、及び第3方向のそれぞれに交互に並んだ構成となっている。
凹部302及び凸部303は、平面視において三角格子状に配置されている。凹部302の第1乃至第3方向のそれぞれには凸部303が隣接しており、凸部303の第1乃至第3方向のそれぞれには凹部302が隣接している。凸部303は、隣り合う3つの凹部302に取り囲まれることで形成されており、凹部302は、隣り合う3つの凸部303に取り囲まれることで形成されている。
凹部302は、平面視において正三角形をなしている。また、凸部303は凹部302と対応する形状であり、平面視において倒立正三角形をなしている。隣り合う凹部302と凸部303とは、それぞれの三角形の一辺を共有しており、凸部303の倒立正三角形の一辺の長さと、凹部302の正三角形の一辺の長さとは同一である。
図17Aは、図16におけるA−A線による断面図であり、図17Bは、B−B線による断面図であり、図17Cは、C−C線による断面図であり、図17Dは、D−D線による断面図である。凹部302の形状は正三角錐であり、凸部303の形状もまた正三角錐である。凹部302の各辺の長さと凸部303の各辺の長さは同一であり、両正三角錐は合同である。このため、凹部302の基準面からの深さD3は、凸部303の基準面からの高さH3と実質的に同一である。このように、凹部302の形状は、凸部303の形状に適合しており、凹部302に凸部303が収容可能となっている。
また、導電性鋼板300の両面それぞれの同じ位置に、対向するように凹部302が設けられている。つまり、導電性鋼板300の両面それぞれにおいて、凹部302は第1乃至第3方向の3つの方向それぞれに等間隔に並んで設けられている(図16参照)。上面及び下面のそれぞれに設けられた凹部302は、その頂点をZ方向に向かい合わせるようにして、X及びY方向の同一位置に設けられている(図17A参照)。Z方向に向かい合う2つの凹部302に挟まれる領域のうち、Z方向に対向する2辺で挟まれる部分は特に厚さが小さい。このため、この部分が薄肉部301とされる(図16、図17A乃至図17C参照)。
同様に、導電性鋼板300の両面それぞれの同じ位置に、対向するように凸部303が設けられている。つまり、導電性鋼板300の両面それぞれにおいて、凸部303も第1乃至第3方向の3つの方向それぞれに等間隔に並んで設けられている(図16参照)。Z方向に対向する2つの凸部303が重なった部分は厚肉部304である。つまり、薄肉部301において凹部302が形成され、厚肉部304において凸部303が形成されている。厚肉部304の厚さは薄肉部301の厚さに比べて十分に大きい。
上記のような導電性鋼板300において、凹部302はZ方向視において正三角形をなす三角錐であり、凸部303はZ方向視において倒立正三角形をなす三角錐である。したがって、2枚の導電性鋼板300において、一方の導電性鋼板300の向きを変えず、他方の導電性鋼板300の向きをX方向に反転させると、一方の導電性鋼板300の凹部302の形状と、他方の導電性鋼板300の凸部303の形状が合致する。また、一方の導電性鋼板300において凹部302が並ぶ方向及び間隔と、他方の導電性鋼板300において凸部303が並ぶ方向及び間隔とは同一である。同様に、一方の導電性鋼板300における凸部303の形状、並び方向、及び間隔は、他方の導電性鋼板300における凹部302の形状、並び方向、及び間隔と合致する。このため、2枚の導電性300は、一方の導電性鋼板300の向きを変えず、他方の導電性鋼板300の向きをX方向に反転させることで重ねることができる。図18は、2つの導電性鋼板300a,300bを重ねたときの状態を示す断面図である。図18では、図16におけるA−A線による断面を示している。図18に示すように、一方の導電性鋼板300aの凹部302aには、他方の導電性鋼板300bの凸部303bが収容される。また、導電性鋼板300bの凹部302bには、導電性鋼板300aの凸部303aが収容される。凹部302a,302bの形状と凸部303a,303bの形状とは合致しており、概ね隙間なく重ねることができる。これにより、複数の導電性鋼板300a,300bを重ねても大きく隙間が空く箇所がなく、各導電性鋼板300a,300bを互いに密着させることができる。
図19は、本実施の形態に係る導電性鋼板に生じる渦電流の経路を説明するための断面図である。図19では、図16におけるA−A線による断面を示している。導電性鋼板300は、複数の箇所において薄肉部301が設けられている。この薄肉部301は、体積が小さいため抵抗値が高く、電流の通過を阻害する。このため、導電性鋼板300には、図19に示すように、周囲を薄肉部301で囲まれた厚肉部304において渦電流が生じる。よって、従来に比して渦電流損(古典的渦電流損)を低減することができる。
本発明の導電性鋼板は、渦電流損を低減しうる導電性鋼板として有用である。
100,200,300 導電性鋼板
101,201,301 薄肉部
102,202,302 凹部
103,203,303 凸部
104,204,304 厚肉部

Claims (9)

  1. それぞれが凹状に形成された複数の薄肉部と、
    隣り合う前記薄肉部の間に形成された厚肉部と、
    を備え、
    磁界の中に置かれた場合に、前記薄肉部が電磁誘導によって生じる電流の通過を阻害することにより、前記厚肉部において渦電流を生じさせるように構成されている、
    導電性鋼板。
  2. 前記厚肉部において凸部が、前記薄肉部において凹部が形成されており、
    2つの前記導電性鋼板が重ねられたときに、一方の前記導電性鋼板の前記凹部に、他方の前記導電性鋼板の前記凸部が収容されるように構成されている、
    請求項1に記載の導電性鋼板。
  3. 前記薄肉部及び前記厚肉部のそれぞれは、前記導電性鋼板の幅方向及び長さ方向の何れか一方に連続して繰り返し設けられている、
    請求項1又は2に記載の導電性鋼板。
  4. 前記薄肉部は、屈曲可能に構成されている、
    請求項3に記載の導電性鋼板。
  5. 前記薄肉部及び前記厚肉部のそれぞれは、前記導電性鋼板の平面に向かい合う方向から見たときに、前記連続して繰り返す方向と直交する方向に延びるように構成されている、
    請求項3又は4に記載の導電性鋼板。
  6. 前記薄肉部及び前記厚肉部のそれぞれは、前記導電性鋼板の幅方向及び長さ方向の両方に連続して繰り返し設けられている、
    請求項1又は2に記載の導電性鋼板。
  7. 前記薄肉部及び前記厚肉部のそれぞれは、前記導電性鋼板の平面に向かい合う方向から見たときに四角形をなすように構成されている、
    請求項6に記載の導電性鋼板。
  8. 前記薄肉部及び前記厚肉部のそれぞれは、前記導電性鋼板の表面に平行な、互いに交差する3つの方向のそれぞれに連続して繰り返し設けられている、
    請求項1又は2に記載の導電性鋼板。
  9. 前記薄肉部は、前記導電性鋼板の平面に向かい合う方向から見たときに三角形をなすように構成されており、
    前記厚肉部は、前記平面に向かい合う方向から見たときに倒立三角形をなすように構成されている、
    請求項8に記載の導電性鋼板。
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