JP2017203148A - (メタ)アクリル樹脂系成形材料、(メタ)アクリル系重合体及びそれらの製造方法、並びに成形体の製造方法。 - Google Patents
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Abstract
Description
上記の課題を解決するために、2種以上のポリマーセグメントを化学結合させたブロックコポリマーが知られている。ポリマー同士は混ざりにくい為、相分離が起こるが、互いに化学結合で連結されている為その相分離構造はナノメーターサイズになる(ミクロ相分離と呼ばれる)。そのため、各ポリマーセグメントが有する特性を損なうことなく、各ポリマーセグメントの特性を発揮することができる。
透明性や耐光性が良好なポリマーやそのポリマーから得られる透明性や耐光性が良好な成形体を得る方法として、マクロモノマー及びそのマクロモノマーと極性の異なるモノマーを含有するモノマー混合物を使用して懸濁重合する方法が知られている(特許文献1)。
しかし、この特許文献1の方法で得られるポリマー及びそのポリマーから得られる成形体は、高い透明性と耐熱性が必要な光学用途においては性能が不十分であり、改良の余地があることが判明した。
[1] 下記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)を単量体単位として含む重合体からなる(メタ)アクリル樹脂系成形材料であって、下記式(1)を満たす(メタ)アクリル樹脂系成形材料。
115+K×(1000/3)≦Tc ・・・(1)
Tc:(メタ)アクリル樹脂系成形材料の変異点温度[℃]
K :下記の測定方法1で得られる貯蔵弾性率E’[Pa]の自然対数を縦軸、
温度T[℃]を横軸として、下記式(2)で最小二乗近似法により得られる 下記式(2)を表す直線の傾き
ln(E’)=KT+C0 ・・・(2)
(C0:定数)
変異点温度(Tc)及び貯蔵弾性率E’の測定方法
重合体(成形材料)の試験片を動的粘弾性測定装置(商品名:EXSTAR DMS 6100、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を使用して、窒素雰囲気下、周波数1Hz、温度範囲−100〜200℃、昇温速度2℃/分の測定条件で前記試験片の動的粘弾性を測定して、各温度の貯蔵弾性率E’を得る。
上記方法にて測定した貯蔵弾性率E’を温度に対して対数プロットしたときの50℃から80℃までの値を指数関数で近似した直線と、ガラス転移領域における貯蔵弾性率E’の値を指数関数で近似した直線の交点を示す温度を変異点温度(Tc)とする。
[2] 前記重合体が上記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)と、アクリル酸エステル単量体(b)の共重合体である[1]に記載の(メタ)アクリル樹脂系成形材料。
[3] 前記重合体が上記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)と、アクリル酸エステル単量体(b)と、メタクリル酸エステル単量体(c)の共重合体である[1]に記載の(メタ)アクリル樹脂系成形材料。
[4] 重量平均分子量(Mw)が10万以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の(メタ)アクリル樹脂系成形材料。
[5] 上記一般式(A)のR及びR1〜Rnがすべてメチル基である[1]〜[4]のいずれかに記載の(メタ)アクリル樹脂系成形材料。
[6] 前記(a)、(b)及び(c)を含む混合物を、不活性雰囲気下で、下記式(3)及び(4)を満たす温度T1(℃)で重合反応を開始したのち、下記式(5)を満足する温度T2(℃)に昇温して重合反応を行う重合体の製造方法。
TH−17≦T1≦TH+13 ・・・(3)
TH ≦82 ・・・(4)
(TH :重合開始剤の10時間半減期温度(℃))
T1+5 ≦T2≦100 ・・・(5)
[7] 前記温度T1(℃)から前記温度T2(℃)への昇温を、マクロモノマー(a)の消費率が仕込み量に対して20〜75wt%の間で行う、[6]に記載の重合体の製造方法。
[8] 重合方法が、懸濁重合法である[6]又は[7]に記載の重合体の製造方法。
[9] (a)、(b)、(c)及び重合開始剤の混合物が、マクロモノマー(a)の粒状物を含む水性懸濁液に、(b)、(c)及び重合開始剤を添加して得られる混合物である[6]〜[8]のいずれかに記載の重合体の製造方法。
[10] [6]〜[9]のいずれかに記載の製造方法で得られた重合体を加熱成形する成形材料の製造方法。
[11] [10]に記載の製造方法で得られた成形材料から成形体を得る、成形体の製造方法。
[12] 前記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)を単量体単位として含む重合体であって、
ゲル浸透クロマトグラフと光散乱検出器と示差屈折率検出器と粘度検出器を用いて、良溶媒中で絶対分子量と固有粘度を測定したとき、下記式(6)から算出したXiの最小値Xが26以下となる重合体。
Xi=(log10Vi−log10Vi+1)/0.2×100・・・(6)
ここで、各Vi(i=1,2,3・・・)は、以下の方法で求められる値である。
測定結果からlog10Mを横軸log10Vを縦軸とする両対数グラフを作成し、得られたグラフを0.2刻みで区分し各区分の左端をMi、右端をMi+1とする(すなわちlog10Mi−log10Mi+1=0.2となるように区分する。)、このときMiに対応する固有粘度がVi、Mi+1に対応する固有粘度がVi+1である。
[13] 前記重合体が上記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)と、アクリル酸エステル単量体(b)の共重合体である請求項12に記載の(メタ)アクリル系重合体。
[14] 前記重合体が上記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)と、アクリル酸エステル単量体(b)と、メタクリル酸エステル単量体(c)の共重合体である請求項12に記載の(メタ)アクリル系重合体。
[15] 重量平均分子量(Mw)が10万以上である請求項12〜14のいずれかに記載の重合体。
[16] 上記一般式(A)のR及びR1〜Rnがすべてメチル基である請求項12〜14のいずれかに記載の重合体。
[17] [12]〜[16]のいずれかに記載の重合体を加熱成形する成形材料の製造方法。
[18] [17]に記載の製造方法で得られた成形材料から成形体を得る、成形体の製造方法。
マクロモノマー(a)は、一般式(A)で表されるものである。すなわち、マクロモノマー(a)はポリ(メタ)アクリル酸エステルセグメントの片末端にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する基を付加させたものである。ここで、マクロモノマーとは、重合可能な官能基を持ったポリマーであり、別名マクロマーとも呼ばれるものである。尚、本発明において「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を示す。
R又はR1〜Rnのアルキル基としては、例えば、炭素数1〜20の分岐又は直鎖アルキル基が挙げられる。R又はR1〜Rnのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びi−プロピル基が挙げられる。
R又はR1〜Rnの置換基としてはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(−COOR’)、カルバモイル基(−CONR’R’’)、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基(−NR’R’’)、ハロゲン、アリル基、エポキシ基、アルコキシ基(−OR’)又は親水性もしくはイオン性を示す基からなる群から選択される基又は原子が挙げられる。尚、R’又はR’’は、それぞれ独立して、複素環基を除いてRと同様の基が挙げられる。
R又はR1〜Rnの置換基のアミド基としては、炭素数が1〜20のN−モノ(アルキル)アミド基、炭素数が1〜20のN,N−ジ(アルキル)アミド基が挙げられ、例えば、ジメチルアミド基が挙げられる。
R又はR1〜Rnの置換基のハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素及び要素が挙げられる。
R又はR1〜Rnの置換基のアルコキシ基としては、例えば炭素数1〜12のアルコキシ基が挙げられ、具体例としては、メトキシ基が挙げられる。
R又はR1〜Rnの置換基の親水性又はイオン性を示す基としては、例えば、カルボキシル基のアルカリ塩、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基などのポリ(アルキレンオキシド)基及び四級アンモニウム塩基等のカチオン性置換基が挙げられる。
R及びR1〜Rnは、アルキル基及びシクロアルキル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、入手のしやすさの観点から、メチル基がより好ましい。
X1〜Xnは水素原子及びメチル基から選ばれる少なくとも1種であり、メチル基が好ましい。
X1〜Xnは、マクロモノマー(a)の合成のしやすさの観点から、X1〜Xnの半数以上がメチル基であることが好ましい。
Zは、マクロモノマー(a)の末端基である。マクロモノマー(a)の末端基としては、例えば、公知のラジカル重合で得られるポリマーの末端基と同様に、水素原子及びラジカル重合開始剤に由来する基が挙げられる。ラジカル重合開始剤に由来する基としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチル基やシアノプロピル基及び2−メチルプロピオニトリル基が挙げられる。
また、マクロモノマー(a)を得るためのモノマーとしては、得られる成形材料の耐熱性の点から、上記のメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルを含有するモノマー組成物が好ましい。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸nープロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nーブチル、アクリル酸イソブチル及びアクリル酸t−ブチルが挙げられる。これらの中で、入手のしやすさの点で、アクリル酸メチルが好ましい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸が挙げられる。マクロモノマー(a)を得るためのモノマーは、上述のモノマーを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でマクロモノマー(a)の製造方法としては製造工程数が少なく、連鎖移動定数の高い触媒を使用する点でコバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法が好ましい。
これらの中で、マクロモノマー(a)の回収工程の簡略化の点から、水系分散重合法が好ましい。水系分散重合法では溶剤として、水のみ、あるいは水及び水溶性溶剤(例えばエタノール)との混合物を使用してもよい。
本発明のアクリル酸エステル単量体(b)は、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは、必要に応じて一種以上を適宜選択して使用することができる。
メタクリル酸エステル単量体(c)は、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは、必要に応じて一種以上を適宜選択して使用することができる。
重合体を得るためのモノマー混合物(イ)は、マクロモノマー(a)1〜99質量%、アクリル酸エステル単量体(b)1〜99質量%、メタクリル酸エステル単量体(c)0〜98質量%、及び重合開始剤を含む。マクロモノマー(a)、アクリル酸エステル単量体(b)及びメタクリル酸エステル単量体(c)を組み合わせるときは、(メタ)アクリル樹脂系成形材料の変異点温度であるTcが、115℃以上になるように選択することが好ましい。
モノマー混合物(イ)中にメタクリル酸エステル系単量体(c)の含有量を10質量%以上80質量%以下とすることにより、更に本発明の成形体の透明性を良好とすることができる。モノマー混合物(イ)中のメタクリル酸エステル単量体(c)の含有量の下限値は、12質量%以上が好ましい。また、モノマー混合物(イ)中のメタクリル酸エステル単量体(c)の含有量の上限値は、78質量%以下が好ましい。
モノマー混合物の形態としては、例えばマクロモノマー(a)をアクリル酸エステル単量体(b)またはアクリル酸エステル単量体(b)及びメタクリル酸エステル単量体(c)に溶解させたシラップが挙げられる。
本発明の成形材料は、一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)を単量体単位として含む重合体からなる(メタ)アクリル系成形材料であって、下記式(1)を満たす(メタ)アクリル樹脂系成形材料である。本発明の成形材料の形態としては、例えば、ペレット、ビーズ及び粉体が挙げられる。
115+K×(1000/3)≦Tc ・・・(1)
Tc:(メタ)アクリル樹脂系成形材料の変異点温度
K :貯蔵弾性率E’[Pa]の対数を縦軸、温度T[℃]を横軸として、
下記式(2)で最小二乗近似法により得られる、下記式(2)を表す直線の傾き
ln(E’)=KT+C0 ・・・(2)
(C0:定数)
ここで、式(2)はいわゆるアレニウスの式における反応速度定数に相当するものであり、重合体を得るための重合温度を制御して、式(1)の範囲内に収めることで透明性と機械特性を両立した成形材料が得られる。
上述の式(1)を満たす成形材料は、モノマー混合物を、後述する温度条件で重合することで得られる。
成形材料のMwは、成形材料の機械強度及び熱安定性の点で、30,000以上5,000,000以下が好ましい。成形材料のMwの下限値は、100,000以上がより好ましい。また、成形材料のMwの上限値は、1,000,000以下が更に好ましい。
成形材料は、金属触媒を用いない重合法により得ることができることから、透明性に優れた、成形体及び成形体を得るために好適である。
成形材料の製造方法としては、例えば、[A]マクロモノマー(a)をアクリル酸エステル単量体(b)等を含むシラップに溶解し、ラジカル重合開始剤を添加した後に分散剤を溶解させた水溶液に分散させて得られるシラップ分散液を懸濁重合する方法及び[B]マクロモノマー(a)の粒状物を含む水性懸濁液又はマクロモノマー(a)を懸濁重合で合成して得られる水性懸濁液にモノマー混合物の分散体が形成されたシラップ懸濁液を得た後に、アクリル酸エステル単量体(b)等を添加し、このシラップ懸濁液を懸濁重合する方法が挙げられる。
マクロモノマー(a)をモノマー混合物に溶解させる際の加熱温度は30℃以上90℃以下が好ましい。加熱温度が30℃以上で、マクロモノマー(a)の溶解性を良好とすることができる傾向にあり、加熱温度が90℃以下で、アクリル酸エステル単量体(b)等の揮発を抑制できる傾向にある。加熱温度の下限値は35℃以上がより好ましく、加熱温度の上限値は75℃以下がより好ましい。
マクロモノマー(a)を溶解したアクリル酸エステル単量体(b)等を重合する際にラジカル重合開始剤を使用する際には、ラジカル重合開始剤の添加時期としてはマクロモノマー(a)をアクリル酸エステル単量体(b)等に溶解した後に添加することが好ましい。
有機過酸化物の具体例としては、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレイト、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。
アゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の添加量は、重合発熱制御の点で、マクロモノマー(a)、アクリル酸エステル単量体(b)及びメタクリル酸エステル単量体(c)の合計量100質量部に対して0.0001質量部以上10質量部以下が好ましい。
TH−17≦T1≦TH+13 ・・・(3)
TH ≦82 ・・・(4)
(TH :重合開始剤の10時間半減期温度(℃))
T1+5 ≦T2≦100 ・・・(5)
このとき、一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)の消費率が40〜75%、メタアクリル酸エステル単量体の消費率が60〜95%、アクリル酸エステル単量体の消費率が35〜85%の間に式(5)で表されるT2(℃)へ昇温し、その後、T2(℃)の温度を維持する第2工程とすることにより、本発明の成形体の透明性と耐熱性を更に良好にすることができる。
また、T2はT1+5℃以上にすることにより、成形材料中に残存するアクリル酸エステル単量体(b)を減らすことができる。T2は100℃以下にすることにより、安定な重合を行うことができる。
本発明においては、単量体混合物に後述する含硫黄連鎖移動剤を含有する原料組成物を重合して重合体を得ることができる。
本発明の成形体は、本発明の成形材料から得られるものである。
本発明の成形体の形状としては、例えば、シート、フィルム等の3次元形状が挙げられる。
本発明の成形体を得るための成型方法としては、例えば、射出成形法、圧縮成形法、中空成形法、押出成形法、回転成形法、流延法及び溶媒キャスト法が挙げられる。
本発明の(メタ)アクリル系重合体重合体は、前記式(A)で表されるマクロモノマー(a)を単量体単位として含む重合体からなる(メタ)アクリル系重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフと光散乱検出器と示差屈折率検出器と粘度検出器を用いて、良溶媒中での(メタ)アクリル系重合体の絶対分子量Mと固有粘度Vを測定したとき、下記式(γ)から算出した各Xiのうち最小値Xが26以下となる重合体である。
Xi=(logVi−logVi+1)/0.2×100・・・(γ)
ここで、各Vi(i=1,2,3・・・)は、以下の方法で求められる値である。
測定結果からlogMを横軸logVを縦軸とする両対数グラフを作成し、得られたグラフを0.2刻みで区分し各区分の左端をMi、右端をMi+1とする(すなわちlogMi−logMi+1=0.2となるように区分する。)、このときMiに対応する固有粘度がVi、Mi+1に対応する固有粘度がVi+1である。
重合を開始した直後から、10分間隔でマイクロピペッターで重合液の均一溶液を1g抜き取り、アセトン40gに溶解してサンプリング液とした。各時間でサンプリングしたサンプリング液に内部標準溶液(酢酸ブチル2ml/アセトン100ml)500μlを添加してガスクロマトグラフィー測定溶液とした。ガスクロマトグラフィー測定用液をガスクロマトグラフ(Agilent社(製)、GC6890)を用いて、以下の条件により測定を行い、予め作成した検量線から、重合液中の原料モノマーの残存量を求めた。
カラムの種類:DB−5
注入口の温度:150℃
オーブンの温度:50〜200℃
検出器の温度:250℃
スプリット比:10:1
線速度:40cm/sec
ガスクロマトグラフィーで求めた原料モノマーの残存量から、重合の各時間での原料モノマーの消費率を以下の式で求めた。
原料モノマーの消費率(%)=
((原料モノマーの仕込み量−原料モノマーの残存量)/原料モノマーの仕込み量)×100
重合を開始した直後から、10分間隔でマイクロピペッターで重合液の均一溶液を1g抜き取り、アセトン5gに溶解してサンプリング液とした。サンプリング液に重クロロホルム5gを添加し、良く撹拌して分液ロートにて、有機物が移行した重クロロホルム溶液のみを得てNMR測定用サンプル液とした。NMR測定用サンプル液を核磁気共鳴装置(Varian社(製)、500Hz)を用いて以下の条件により1H−NMR測定を行い、NMRスペクトルを得た。
積算回数:10000回
測定温度:40℃
得られたNMRスペクトルのうち、マクロモノマーの末端二重結合のスペクトルのピーク(6.21ppm、5.46ppm)の面積と重クロロホルムのスペクトルのピーク(7.24ppm)の面積の比から、各重合時間におけるサンプリング溶液のマクロモノマーの消費率を求めた。
(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)はゲル浸透クロマトグラフ(GPC)(東ソー社(製)、HLC−8320)を使用し、以下条件にて測定した。
カラム:TSK GUARD COLUMN SUPER HZ−L(4.6×35mm)と2本のTSK−GEL SUPER HZM−N(6.0×150mm)を直列に接続
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流速:0.6mL/分
尚、Mw及びMnは、Polymer Laboratories製のポリメタクリル酸メチルの標準サンプル(ピークトップ分子量が141,500、55,600、10,290及び1,590の4種)を用いて作製した検量線を使用して求めた。
成形体のヘイズは、JIS K7136に準拠して測定した。
成形体の全光線透過率は、JIS K7136に準拠して測定した。
(メタ)アクリル樹脂系成形材料の貯蔵弾性率E’の温度依存性は、動的粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製EXSTAR DMS6100)を使用して、周波数1Hz、温度範囲−100〜200℃、昇温速度2℃/分の測定条件で測定し、貯蔵弾性率(E’)−温度の曲線を得た。上記方法にて測定した貯蔵弾性率E’を温度に対して対数でプロットしたときの50℃から80℃の値を指数関数で近似した直線と、ガラス転移領域における貯蔵弾性率の値を指数関数で近似した直線の交点を示す温度を変異点温度(Tc)とした。
上記方法にて測定した貯蔵弾性率E’[Pa]を温度T[℃]に対して対数でプロットして得られる下記式(2)の50℃から80℃までの直線の傾きKと、変異点温度Tcが下記式(1)を満たすか判定し、式(1)を満たす場合は「〇」、式(1)を満たさない場合は「×」とした。
115+K×1000/3≦ Tc ・・・(1)
ln(E’)=KT+C0 (C0:切片)・・・(2)
(メタ)アクリル系重合体の絶対分子量M及び固有粘度Vを、ゲル浸透クロマトグラフ(Viscotek製GPCmaxを使用し、以下条件にて測定した。
カラム:TSKgel guardcolumn MP(XL)(6.0×40mm、東ソー(株)製)1本とTSKgel MultiporeHXL−M(5μm、7.8×300mm、東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:テトラヒドロフラン
カラム及び検出器温度:40℃
流速:1.0mL/分
検出器:TDA302(Viscotek製)
試料濃度:4mg/mL(重合体をテトラヒドロフランに溶解)
注入量:200μL
装置較正用の標準品:ポリスチレン(Viscotek製、分子量105,000)
装置付属のソフトウェア(OmniSEC)を用いて、各溶出位置における絶対分子量と固有粘度を算出した。絶対分子量の対数(log10M)が4以上となる分子量範囲において、log10Mを横軸log10Vを縦軸とする両対数グラフを作成し、得られたグラフを0.2刻みで区分し各区分の左端をMi、右端をMi+1として
(すなわちlog10Mi−log10Mi+1=0.2となるように区分する。)、このとき
Miに対応する固有粘度がVi、Mi+1に対応する固有粘度がVi+1とした。
溶出位置における絶対分子量M1及びM2がlog10Mi−log10Mi+1=0.2を満たすViを複数抽出し、M1のときの固有粘度V1及びM2のときの固有粘度V2を用いて、下記式(6)よりXの最小値を算出した。
Xi=(log10Vi−log10Vi+1)/0.2×100・・・(6)
算出したXの最小値について、24以下の場合は「◎」、24を超えて26以下の場合は「○」、26を超える場合は「×」とした。
<分散剤(1)の合成>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた容器1200Lの反応容器内に17%水酸化カリウム水溶液61.6部、メタクリル酸メチル(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリエステルM)19.1部及び脱イオン水19.3部を仕込んだ。次いで、反応装置内の液を室温にて撹拌し、発熱ピークを確認した後、更に4時間撹拌した。この後、反応装置内の反応液を室温まで冷却してメタクリル酸カリウム水溶液を得た。
次いで、攪拌機、冷却管及び温度計を備えた容量1050Lの反応溶液内に、脱イオン水9000部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウムの42質量%水溶液(三菱レイヨン(株)製、、商品名:アクリエステルSEM−Na)60部、上記のメタクリル酸カリウム水溶液10部及びメタクリル酸メチル12部を入れて撹拌し、重合装置内を窒素置換させながら、50℃に昇温した。
その中に、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製、商品名:V−50)0.08部を添加し、更に60℃に昇温した。昇温後、メタクリル酸メチルを0.24部/分の速度で75分間連続的に滴下した。反応溶液を60℃で6時間保持した後、室温に冷却して、透明な水溶液である固形分10質量%分散液(1)を得た。
<連鎖移動剤(1)の合成>
撹拌装置を備えた合成装置中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物(和光純薬(株)製、和光特級)2.00g(8.03mmol)及びあらかじめ窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテル100mlを入れ、室温で2時間撹拌した。
次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(東京化成(株)製、EPグレード)20mLを加え、更に6時間撹拌した。得られたものを濾過し、得られた濾過物をジエチルエーテルで洗浄し、100MPa以下で、20℃において12時間乾燥し、茶褐色固体の連鎖移動剤(1)5.02g(7.93mmol、収率99質量%)を得た。
<マクロモノマー(a−1)の合成>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水145部、硫酸ナトリウム0.13部及び製造例1で製造した固形分10質量%分散液(1)0.26部を入れて撹拌して、均一な水溶液とした。次に、メタクリル酸メチル(同上)100部、製造例2で製造した連鎖移動剤(1)0.0009部及び重合開始剤としてパーオクタO(日油(株)製、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、商品名)0.1部を加え、水性分散液とした。
次いで、重合装置内を十分に窒素置換し、水性分散液を80℃に昇温して4時間保持した後に92℃に昇温して2時間保持した。その後、反応液を40℃に冷却して、マクロモノマーの水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄し、40℃で16時間乾燥して、反応物を得た。反応物の末端二重結合導入量は、ほぼ100%であり、NMR測定の結果から、反応物がマクロモノマー(a−1)であることを確認した。得られたマクロモノマー(а−1)の形状はビーズ状であり、そのビーズ形状の平均粒径は95μmで、Mwは32,100で、Mnは17,000であった。
脱イオン水145部、硫酸ナトリウム0.13部及び製造例1で製造した分散剤(1)0.26部を混合して懸濁用水分散媒を調製した。
冷却管付セパラブルフラスコに、マクロモノマー(a−1)40部、アクリル酸エステル単量体(b)としてアクリル酸n−ブチル(三菱化学(株)製) 36部、メタクリル酸エステル単量体(c)としてメタクリル酸メチル(同上) 24部を仕込み、撹拌しながら50℃に加温し、原料シラップを得た。原料シラップを40℃以下に冷却した後、原料シラップに重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬製、商品名:V−60)0.5部を溶解させ、シラップを得た。
シラップに前記の懸濁用水分散媒を加えた後、窒素バブリングによりセパラブルフラスコ内の雰囲気を窒素置換しながら、撹拌回転数を上げてシラップ分散液を得た。次いで、シラップ分散液を75℃に昇温した(以降、第1工程)。昇温開始(加熱時間0分)から、10分間隔でサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィー測定によってアクリル酸エステル単量体、メタクリル酸エステル単量体の消費率を評価し、NMR測定によってマクロモノマーの消費率を算出した。
マクロモノマーの消費率が44%、アクリル酸エステル単量体の消費率が38%、メタクリル酸エステル系単量体の消費率が63%のときに、シラップ分散液の温度を85℃に昇温した(以降、第2工程)。第1工程でシラップ分散液が50℃に到達してから300分後に重合を終了し、懸濁液を得た。重合終了時にサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィー測定によってアクリル酸エステル単量体の残存量を評価した。
懸濁液を40℃以下に冷却した後に、懸濁液を濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄し、40℃で16時間乾燥して、成形材料(A−1)を得た。成形材料(A−1)のMwは222,500であった。成形材料(A−1)を、ランバルディ社製超小型射出成形機 baby plast 6/10P(射出ピストン径16φ)で射出成型を行い、幅30mm、長さ30mm、厚み2mmの成形体(1−1)と幅5mm、長さ50mm、厚み2mmの成形体(1−2)を得た。成形体(1−1)のヘイズは2.3%、全光線透過率は90.8%であった。成形体(1−2)の動的粘弾性測定を実施し、温度貯蔵−弾性率の曲線から変異点温度Tcを求めて、前記式(1)を満たすかに判定したところ、式(1)の範囲内であった。
また前述の方法で(メタ)アクリル系重合体の絶対分子量Mと固有粘度Vを測定し、式(6)を用いて最小値Xを算出したところ23であり、26以下であったため◎とした。評価結果を表1及び表2に示す。
成形材料(A)の重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)和光純薬製、商品名:V−65)を使用する以外は、実施例1と同様にして成形材料(A−2)、成形体(2−1、2−2)を得た。評価結果を表1及び表2に示す。
成形材料(A)の重合温度を重合初期から85℃の一定に変更した以外は、実施例1と同様にして成形材料(A−3)、成形体(3−1、3−2)を得た。評価結果を表1及び表2に示す。
得られた成形体(3−1)のヘイズは実施例1、2で得られた成形体のヘイズより高くなった。
成形材料(A)の第2工程への昇温のタイミングを表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして成形材料(A−1’)、成形体(1−1’、1−2’)を得た。評価結果を表1及び表2に示す。
成形材料(A−1’)を得る際に、第2工程への昇温のタイミングが遅すぎたため、得られた成形体(1−1’)は白濁した。
成形材料(A)の第2工程への昇温のタイミングを表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして成形材料(A−2’)及び成形体(2−1’、2−2’)を得た。評価結果を表1及び表2に示す。
成形材料(A−2’)を得る際に、第2工程への昇温のタイミングが遅すぎたため、得られた成形体(2−1’)は白濁した。
成形材料(A)の重合温度を重合初期から75℃の一定に変更する以外は、実施例1と同様にして成形材料(A−3’)及び成形体(3−1’、3−2’)を得た。評価結果を表1及び表2に示す。
成形材料(A−3’)を得る際に、重合全体を通して重合温度が低かったため、重合終了後のアクリル酸エステル単量体(b)の残存量が多くなった。
成形材料(A)を作製する際に、マクロモノマー(a)を表1に示す化合物に変更した以外は実施例1と同様にして成形材料(A−4’)及び成形体(4−1’、4−2’)を得た。評価結果を表1及び表2に示す。成形材料(A−4’)を得る際に、マクロモノマー(a)を用いていないので、アクリル酸n−ブチル成分とメタクリル酸メチル成分が完全に相溶化し、成形体(4−2’)の変異点温度Tcの評価は不可能となり、耐熱性は低下した。
Claims (18)
- 下記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)を単量体単位として含む(メタ)アクリル系重合体からなる(メタ)アクリル樹脂系成形材料であって、
下記式(1)を満たす(メタ)アクリル樹脂系成形材料。
115+K×(1000/3)≦Tc ・・・(1)
Tc:下記の測定方法1で得られる変異点温度[℃]
K :下記の測定方法1で得られる貯蔵弾性率E’[Pa]の自然対数を縦軸、
温度T[℃]を横軸として、下記式(2)で最小二乗法により近似して
下記式(2)を表す直線の傾き
ln(E’)=KT+C0 ・・・(2)
(C0は定数)
[測定方法1]
(メタ)アクリル樹脂系成形材料の試験片について、動的粘弾性測定装置を使用して、窒素雰囲気下、周波数1Hz、温度範囲−100〜200℃、昇温速度2℃/分の測定条件で動的粘弾性測定を行い、貯蔵弾性率E’ [Pa]を得る。
上記方法にて測定した貯蔵弾性率E’[Pa]を、温度[℃]に対して対数プロットして、温度50℃から80℃までの貯蔵弾性率E’の値を指数関数で近似した直線と、ガラス転移領域における貯蔵弾性率E’の値を指数関数で近似した直線との交点を示す温度を変異点温度(Tc)とする。
- 前記重合体が上記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)由来の構造単位と、アクリル酸エステル単量体(b)由来の繰り返し単位を含む共重合体である請求項1に記載の(メタ)アクリル樹脂系成形材料。
- 前記重合体が上記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)由来の構造単位と、アクリル酸エステル単量体(b)と、メタクリル酸エステル単量体(c)由来の繰り返し単位を含む共重合体である請求項1に記載の(メタ)アクリル樹脂系成形材料。
- 重量平均分子量(Mw)が10万以上である請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル樹脂系成形材料。
- 上記一般式(A)のR及びR1〜Rnがすべてメチル基である請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル樹脂系成形材料。
- 下記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)、アクリル酸エステル単量体(b)及びメタクリル酸エステル単量体(c)を用いた(メタ)アクリル系重合体の製造方法であって、前記(a)、(b)及び(c)を含む混合物を、不活性雰囲気下で、下記式(3)及び(4)を満たす温度T1(℃)で重合反応を開始したのち、下記式(5)を満足する温度T2(℃)に昇温して重合反応を行う重合体の製造方法。
TH−17≦T1≦TH+13 ・・・(3)
TH ≦82 ・・・(4)
(TH :重合開始剤の10時間半減期温度(℃))
T1+5 ≦T2≦100 ・・・(5)
- 前記温度T1(℃)から前記温度T2(℃)への昇温を、前記マクロモノマー(a)の消費率が仕込み量に対して20〜75wt%の間に行う、請求項6に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
- 前記重合方法が、懸濁重合法である請求項6又は7に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
- 前記混合物が、マクロモノマー(a)の粒状物を含む水性懸濁液に、前記(b)及び(c)を添加して得られる混合物である請求項6〜8のいずれかに記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
- 請求項6〜9のいずれかに記載の製造方法で得られた(メタ)アクリル系重合体を加熱成形する(メタ)アクリル樹脂系成形材料の製造方法。
- 請求項10に記載の製造方法で得られた(メタ)アクリル樹脂系成形材料から成形体を得る、成形体の製造方法。
- 下記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)を単量体単位として含む重合体であって、下記測定方法2で得られた固有粘度Viを用いて下記式(6)から算出したXiの最小値Xが26以下である(メタ)アクリル樹脂系重合体。
Xi=(logVi−logVi+1)/0.2×100 ・・・(6)
(i=1,2,3・・・)
[測定方法2]
光散乱検出器と示差屈折率検出器と粘度検出器を備えたゲル浸透クロマトグラフを用いて、前記(メタ)アクリル系重合体の良溶媒中で、該(メタ)アクリル系重合体の絶対分子量Mと固有粘度Vを測定する。測定結果をlogMを横軸、logVを縦軸とする両対数グラフにプロットし、得られたグラフの横軸を0.2刻みで区分し、各区分の左端のMの値をMi、右端のMの値をMi+1とする(すなわちlogMi−logMi+1=0.2となるように区分する。)。このとき絶対分子量Miに対応する固有粘度をVi、絶対分子量Mi+1に対応する固有粘度をVi+1とする。 - 前記(メタ)アクリル系重合体が上記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)由来の構造単位と、アクリル酸エステル単量体(b)由来の繰り返し単位を含む共重合体である請求項12に記載の重合体。
- 前記(メタ)アクリル系重合体が上記一般式(A)で表されるマクロモノマー(a)由来の構造単位と、アクリル酸エステル単量体(b)由来の繰り返し単位と、メタクリル酸エステル単量体(c)由来の繰り返し単位を含む共重合体である請求項12に記載の(メタ)アクリル系重合体。
- 重量平均分子量(Mw)が10万以上である請求項12〜14のいずれかに記載の(メタ)アクリル系重合体。
- 上記一般式(A)のR及びR1〜Rnがすべてメチル基である請求項12〜15のいずれかに記載の(メタ)アクリル系重合体。
- 請求項12〜16のいずれかに記載の(メタ)アクリル系重合体を加熱成形して成形体を得る、(メタ)アクリル樹脂系成形材料の製造方法。
- 請求項17に記載の製造方法で得られた(メタ)アクリル樹脂系成形材料から成形体を得る、(メタ)アクリル樹脂系成形体の製造方法。
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