JP2003012934A - 熱可塑性樹脂用加工性改良剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂用加工性改良剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物

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JP2003012934A
JP2003012934A JP2001193495A JP2001193495A JP2003012934A JP 2003012934 A JP2003012934 A JP 2003012934A JP 2001193495 A JP2001193495 A JP 2001193495A JP 2001193495 A JP2001193495 A JP 2001193495A JP 2003012934 A JP2003012934 A JP 2003012934A
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thermoplastic resin
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acrylate
meth
processability
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JP2001193495A
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English (en)
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Akinori Shu
明▲徳▼ 周
Ryotaro Tsuji
良太郎 辻
Tomoki Hiiro
知樹 日色
Takenobu Sunakawa
武宣 砂川
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カレンダ成形などのポリマーの加工におい
て、高温金属面からの優れた剥離性を付与し、かつプレ
ートアウトをなくし、押出成形においては滑性の長期持
続性を向上させることで長時間の押出を可能とするよう
な熱可塑性樹脂用加工性改良剤およびそれを含む熱可塑
性樹脂組成物を得ること。 【解決手段】 炭素数1〜20のアルキル基を有するア
ルキルアクリレート10〜99.9重量%、エステル結
合の他に酸素原子を有する(メタ)アクリレート0.1
〜10重量%、および該アルキルアクリレートおよび該
(メタ)アクリレートに共重合可能な他のビニルモノマ
ー0〜89.9重量%を含む単量体の共重合を行うこと
により得られる共重合体でなる熱可塑性樹脂用加工性改
良剤であって、該共重合体のゲル透過クロマトグラフィ
ー(GPC)測定により求めた重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布
(Mw/Mn)が1.5以下であり、そして重量平均分
子量が1万〜30万である、熱可塑性樹脂用加工性改良
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレンダ成形、ブ
ロー成形、押出成形、インジェクション成形などにおけ
る熱可塑性樹脂用加工性改良剤、および該加工性改良剤
を含む熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特に塩化ビニル系樹脂、
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、メタクリル樹脂、ABS樹脂等はその物理
的性質、経済性、および利用性の優れたポリマーであ
り、種々の分野で広く利用されている。例えば、これら
の樹脂の有用性は、加工に先立って滑剤、安定剤、着色
剤、充填剤、顔料、架橋剤、粘着剤、可塑剤、変性剤
(衝撃変性剤、熱変形温度改良剤など)などを物理的に
混合することによって向上させることができる。しか
し、樹脂により異なるが、加工に関しては、一般に、溶
融粘度が高く、流動性が悪く、かつ熱分解しやすいた
め、成形加工領域が狭いこと、高温加工において装置の
金属表面に固着する傾向があること、などの種々の問題
がある。
【0003】上記加工上の問題を克服するための多くの
技術が知られている。例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、メタクリル樹脂、ABS樹脂等の成形加工性の
向上を目的として、従来からこれらの樹脂と相容性を有
する共重合体のいくつかが、加工性改良剤として検討さ
れてきた。例えば、塩化ビニル系樹脂に、メチルメタク
リレートとスチレンとの共重合体を加える方法(特公昭
32−4140)、スチレンとアクリロニトリルとの共
重合体を加える方法(特公昭29−5246)、メチル
メタクリレートを主成分とする共重合体を加える方法
(特公昭40−5311)、スチレンとアルキルアクリ
レートとの共重合体を加える方法(特公昭37−138
46)などがある。これらはいずれも、塩化ビニル系樹
脂の溶融速度を速め、高温での引張伸度が増大するなど
の2次加工性を改良するが、成形機金属面への粘着性を
低下させる効果は全く認められていない。
【0004】成形機金属面への粘着性を低下させること
を目的として、塩化ビニル系樹脂に、スチレンとアルキ
ル(メタ)アクリレートとエステル結合の他に酸素原子
を有する(メタ)アクリレートとの共重合体を加える方
法(特公昭58−56536)が検討され、改良効果が
認められている。しかし、この方法は必ずしも市場の要
求を充分に満足するものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するためになされたものであり、その目的は、カ
レンダ成形などの樹脂加工において、成形時の高温金属
面からの優れた剥離性を付与し、かつプレートアウトを
なくし、押出成形においては滑性の長期持続性を向上さ
せることにより長時間の押出を可能とするような、熱可
塑性樹脂用加工性改良剤および該改良剤を含む熱可塑性
樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定種および
特定量の単量体の重合を行って得られた分子量分布の狭
い共重合体を、加工性改良剤として用いることにより上
記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
【0007】本発明は、炭素数1〜20のアルキル基を
有するアルキルアクリレート10〜99.9重量%、エ
ステル結合の他に酸素原子を有する(メタ)アクリレー
ト0.1〜10重量%、および該アルキルアクリレート
および該(メタ)アクリレートに共重合可能な他のビニ
ルモノマー0〜89.9重量%を含む単量体の共重合を
行うことにより得られる共重合体でなる熱可塑性樹脂用
加工性改良剤であって、該共重合体のゲル透過クロマト
グラフィー(GPC)測定により求めた重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子
量分布(Mw/Mn)が1.5以下であり、そして重量
平均分子量が1万〜30万である、熱可塑性樹脂用加工
性改良剤を提供する。
【0008】好適な実施態様では、上記分子量分布(M
w/Mn)は1.3以下である。
【0009】他の好適な実施態様では、上記共重合は、
分子内に2個のパーオキシ基を有する有機過酸化物を重
合開始剤として使用して行われる。
【0010】好適な実施態様では、上記共重合は、ター
シャリーブチルパーオキシ基を有する有機過酸化物を重
合開始剤として使用して行われる。
【0011】さらに好適な実施態様では、上記重合開始
剤は上記単量体100重量部に対して0.1〜5重量部
の割合で使用される。
【0012】好適な実施態様では、上記エステル結合の
他に酸素原子を有する(メタ)アクリレートはエポキシ
基含有(メタ)アクリレートである。
【0013】好適な実施態様では、上記エステル結合の
他に酸素原子を有する(メタ)アクリレートはヒドロキ
シ基含有(メタ)アクリレートである。
【0014】好適な実施態様では、上記エステル結合の
他に酸素原子を有する(メタ)アクリレートはアルコキ
シ基含有(メタ)アクリレートである。
【0015】他の好適な実施態様では、上記共重合体中
に、一分子中に少なくとも一つのチオカルボニルチオ構
造を有する重合体が50%以上存在する。
【0016】さらに好適な実施態様では、上記一分子中
に少なくとも一つのチオカルボニルチオ構造を有する重
合体が70%以上存在する。
【0017】本発明は、熱可塑性樹脂および上記熱可塑
性樹脂用加工性改良剤を含む、熱可塑性樹脂組成物を提
供する。
【0018】好適な実施態様では、上記熱可塑性樹脂1
00重量部に対して、上記熱可塑性樹脂用加工性改良剤
が0.1〜20重量部の割合で含有される。
【0019】好適な実施態様では、上記熱可塑性樹脂用
加工性改良剤は、複数種の上記共重合体でなり、該複数
種の共重合体のうちの少なくとも2種の共重合体の重量
平均分子量(Mw)は1000以上異なる。
【0020】好適な実施態様では、上記熱可塑性樹脂
は、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリカーボネート、メタクリル樹
脂、またはABS樹脂である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性樹脂用加工性改
良剤は、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル
アクリレート、エステル結合の他に酸素原子を有する少
量の(メタ)アクリレートを含む単量体、および必要に
応じてこれらに共重合可能な他のビニルモノマーを含む
単量体の共重合を行って得られる、重量平均分子量が1
万〜30万の分子量分布の狭い共重合体である。この共
重合体の調製に使用される単量体、該共重合体の調製、
該共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物などについて、順
次説明する。
【0022】[加工性改良剤である共重合体の調製に使
用される単量体]本発明の加工性改良剤である共重合体
の調製に用いられる炭素数1〜20のアルキル基を有す
るアルキルアクリレート(以下、アルキルアクリレート
(A)という場合がある)は、特に限定されない。得ら
れる共重合体を用いたときの加工時における樹脂の剥離
性向上の点で、アルキル基の炭素数3〜8のアルキルア
クリレートであることが好ましい。このようなアルキル
アクリレート(A)の例としては、2−エチルヘキシル
アクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレー
トなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。これらは重合に供
する単量体総重量の10〜99.9重量%の割合で含有
される。このことにより、得られる共重合体を加工性改
良剤として用いた場合に、該改良剤を含む樹脂の成形時
に高温金属面からの優れた剥離性が発現される。この範
囲未満またはこの範囲を超える場合には、充分な剥離効
果が得られない。高温金属面からの剥離効果の点で、1
0〜59.5重量%が好ましく、10〜39.5重量%
がさらに好ましい。
【0023】エステル結合の他に酸素原子を有する(メ
タ)アクリレート(以下、(メタ)アクリレート(B)
という場合がある)としては、エポキシ基含有(メタ)
アクリレート、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレー
ト、アルコキシ基含有(メタ)アクリレートなどがあ
る。化合物の入手性の点で、次の化合物が好ましいが、
それらに限定されない:グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキ
シエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレー
ト、エトキシエチルメタクリレートなど。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらは重合に供する単量体総重量の0.1〜10
重量%の割合で含有される。このことにより、得られる
共重合体を加工性改良剤として用いた場合に、該改良剤
を含む樹脂の成形時に高温金属面からの優れた剥離性が
発現される。この範囲未満またはこの範囲を超える場合
には、充分な剥離効果が得られない。高温金属面からの
剥離効果の点で、0.5〜5重量%が好ましく、0.5
〜2重量%がさらに好ましい。
【0024】アルキルアクリレート(A)と、(メタ)
アクリレート(B)とに共重合可能な他のビニルモノマ
ー(以下、ビニルモノマー(C)という場合がある)と
しては、以下の化合物が挙げられるが、それらに限定さ
れない:メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート
などのアルキルメタクリレート;スチレン、α−メチル
スチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル;アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなど。特に好ましいビ
ニルモノマー(C)は、メチルメタクリレート、スチレ
ン、およびアクリロニトリルである。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。こ
れらは重合に供する単量体中に必ずしも含まれなくても
よいが、含まれる場合は、重合に供する単量体総重量の
89.9重量%以下の割合で含有される。このことによ
り、得られる共重合体を加工性改良剤として用いた場合
に、該改良剤を含む樹脂の成形時に高温金属面からの優
れた剥離性が発現される。この範囲を超える場合には、
充分な剥離効果が得られない。高温金属面からの剥離効
果の点で、40〜89.5重量%が好ましく、60〜8
9.5重量%がさらに好ましい。
【0025】[チオカルボニルチオ構造を有する化合
物]本発明の加工性改良剤である分子量分布の狭い共重
合体は、一般に知られているリビング重合により合成で
きる。例えば、その製造法として、チオカルボニルチオ
構造を有する化合物の存在下で行うラジカル重合法が挙
げられる。このようなラジカル重合に関しては、以下に
挙げる文献に記載されている:国際特許WO98/01
478、国際特許WO99/05099、国際特許WO
99/31144、Macromolecules19
98年31巻16号5559〜5562ページ、Mac
romolecules1999年32巻6号2071
〜2074ページ、Polym.Prepr.1999
年40巻2号342〜343ページ、Polym.Pr
epr.1999年40巻2号397〜398ページ、
Polym.Prepr.1999年40巻2号899
〜900ページ、Polym.Prepr.1999年
40巻2号1080〜1081ページ、Macromo
lecules1999年32巻21号6977〜69
80ページ、Macromolecules2000年
33巻2号243〜245ページ、Macromol.
Symp.2000年150巻33〜38ページなど。
【0026】上記ラジカル重合に使用し得るチオカルボ
ニルチオ構造を有する化合物としては、上記文献に記載
の化合物を用いることができる。例えば、一般式(1)
【0027】
【化1】
【0028】(式中、Rは炭素数1以上のp価の有機
基であり、該p価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫
黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および
金属原子のうちの少なくともひとつを含んでいてもよ
く、高分子量体であってもよく;Zは水素原子、ハロ
ゲン原子、または炭素数1以上の1価の有機基であり、
該1価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハ
ロゲン原子、ケイ素原子、およびリン原子のうちの少な
くともひとつを含んでいてもよく、高分子量体であって
もよく;Zが複数個存在する場合、それらは互いに同
一でもよく、異なっていてもよく;pは1以上の整数で
ある)で示される化合物(以下、「チオカルボニル構造
を有する化合物(1)」、あるいは単に「化合物
(1)」という場合がある)、および一般式(2)
【0029】
【化2】
【0030】(式中、Rは炭素数1以上の1価の有機
基であり、該1価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫
黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および
金属原子のうちの少なくともひとつを含んでいてもよ
く、高分子量体であってもよく;Zは酸素原子(q=
2の場合)、硫黄原子(q=2の場合)、窒素原子(q
=3の場合)、または炭素数1以上のq価の有機基であ
り、該q価の有機基は,窒素原子、酸素原子、硫黄原
子、ハロゲン原子、ケイ素原子、およびリン原子のうち
の少なくともひとつを含んでいてもよく、高分子量体で
あってもよく;Rは互いに同一でもよく、異なってい
てもよく;qは2以上の整数である)で示される化合物
(以下、「チオカルボニル構造を有する化合物
(2)」、あるいは単に「化合物(2)」という場合が
ある)が挙げられる。
【0031】上記チオカルボニルチオ構造を有する化合
物(1)のRは特に限定されない。化合物の入手性の
点で、好ましくは、Rの炭素数は、1〜20であり、
そしてpは6以下である。Rの例としては、アルキル
基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル
基、2価以上の脂肪族炭化水素基、2価以上の芳香族炭
化水素基、芳香環を有する2価以上の脂肪族炭化水素
基、脂肪族基を有する2価以上の芳香族炭化水素基、ヘ
テロ原子を含む2価以上の脂肪族炭化水素基、ヘテロ原
子を含む2価以上の芳香族置換炭化水素基などがある。
化合物の入手性の点で、次の基が好ましい:ベンジル
基、1−フェニルエチル基、2−フェニル−2−プロピ
ル基、1−アセトキシエチル基、1−(4−メトキシフ
ェニル)エチル基、エトキシカルボニルメチル基、2−
エトキシカルボニル−2−プロピル基、2−シアノ−2
−プロピル基、t−ブチル基、1,1,3,3−テトラ
メチルブチル基、2−(4−クロロフェニル)−2−プ
ロピル基、ビニルベンジル基、t−ブチルスルフィド
基、2−カルボキシルエチル基、カルボキシルメチル
基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノ
−2−ブチル基、および次式で示される有機基:
【0032】
【化3】
【0033】(式中、rは0以上の整数を示し、sは1
以上の整数を示す)。上記式中のrおよびsは、化合物
の入手性の点で、好ましくは500以下である。
【0034】さらにRは、上記のように、高分子量体
であってもよく、その例としては、次の基が挙げられ
る:ポリエチレンオキシド構造を有する炭化水素基、ポ
リプロピレンオキシド構造を有する炭化水素基、ポリテ
トラメチレンオキシド構造を有する炭化水素基、ポリエ
チレンテレフタレート構造を有する炭化水素基、ポリブ
チレンテレフタレート構造を有する炭化水素基、ポリジ
メチルシロキサン構造を有する炭化水素基、ポリカーボ
ネート構造を有する炭化水素基、ポリエチレン構造を有
する炭化水素基、ポリプロピレン構造を有する炭化水素
基、ポリアクリロニトリル構造を有する炭化水素基な
ど。これらの炭化水素基には酸素原子、窒素原子、およ
び硫黄原子のうちの少なくともひとつが含まれていても
よく、シアノ基、アルコキシ基などが含まれていてもよ
い。これらの分子量は、通常、500以上である。以
下、本発明において高分子量体の基とは、上記のような
基を指していう。
【0035】上記化合物(1)のZは特に限定されな
い。化合物の入手性の点で、Zが有機基である場合
に、その炭素数は、好ましくは1〜20である。Z
しては、次の基が挙げられる:アルキル基、置換アルキ
ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、
置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、N
−アリール−N−アルキルアミノ基、N,N−ジアリー
ルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、チオアルキ
ル基、ジアルキルホスフィニル基など。化合物の入手性
の点で、次の基が好ましい:フェニル基、メチル基、エ
チル基、ベンジル基、4−クロロフェニル基、1−ナフ
チル基、2−ナフチル基、ジエトキシホスフィニル基、
n−ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ
基、チオメチル基(メチルスルフィド)、フェノキシ
基、チオフェニル基(フェニルスルフィド)、N,N−
ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−フ
ェニル−N−メチルアミノ基、N−フェニル−N−エチ
ルアミノ基、チオベンジル基(ベンジルスルフィド)、
ペンタフルオロフェノキシ基、および次式:
【0036】
【化4】
【0037】で示される有機基。
【0038】また、上記チオカルボニルチオ構造を有す
る化合物(2)のRは特に限定されない。化合物の入
手性の点で、好ましくは、Rの炭素数は、1〜20で
ある。Rの例としては、アルキル基、置換アルキル
基、アラルキル基、置換アラルキル基などがある。その
例としては、入手性の点で、次の基が好ましい:ベンジ
ル基、1−フェニルエチル基、2−フェニル−2−プロ
ピル基、1−アセトキシエチル基、1−(4−メトキシ
フェニル)エチル基、エトキシカルボニルメチル基、2
−エトキシカルボニル−2−プロピル基、2−シアノ−
2−プロピル基、t−ブチル基、1,1,3,3−テト
ラメチルブチル基、2−(4−クロロフェニル)−2−
プロピル基、ビニルベンジル基、t−ブチルスルフィド
基、2−カルボキシルエチル基、カルボキシルメチル
基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノ
−2−ブチル基、および次式で示される有機基:
【0039】
【化5】
【0040】(式中、rは0以上の整数を示し、sは1
以上の整数を示す)。上記式中のrおよびsは、化合物
の入手性の点で、好ましくは500以下である。
【0041】上記化合物(2)のZは特に限定されな
いが、qは好ましくは6以下である。化合物の入手性の
点で、Zが有機基である場合に、その炭素数は、好ま
しくは1〜20である。Zの例としては、2価以上の
脂肪族炭化水素基、2価以上の芳香族炭化水素基、芳香
環を有する2価以上の脂肪族炭化水素基、脂肪族基を有
する2価以上の芳香族炭化水素基、ヘテロ原子を含む2
価以上の脂肪族炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価以上
の芳香族置換炭化水素基などがある。化合物の入手性の
点で、次式:
【0042】
【化6】
【0043】で示される有機基が好ましい。
【0044】上記チオカルボニルチオ構造を有する化合
物としては、両末端にチオカルボニルチオ構造を有する
重合体を容易に製造できる点で、一般式(3)で示され
る、チオカルボニルチオ構造を両末端に有する化合物が
好ましい:
【0045】
【化7】
【0046】(式中、Rは炭素数1以上の2価の有機
基であり、該2価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫
黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および
金属原子のうちの少なくともひとつを含んでいてもよ
く、高分子量体であってもよく;Zは水素原子、ハロ
ゲン原子、または炭素数1以上の1価の有機基であり、
該1価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハ
ロゲン原子、ケイ素原子、およびリン原子のうちの少な
くともひとつを含んでいてもよく、高分子量体であって
もよく;2個のZは互いに同一でもよく、異なってい
てもよい)。
【0047】上記チオカルボニルチオ構造を両末端に有
する化合物のRは特に限定されないが、化合物の入手
性の点で、好ましくは、Rの炭素数は、1〜20であ
る。入手性の点で、次式:
【0048】
【化8】
【0049】で示される構造が好ましい。
【0050】上記チオカルボニルチオ構造を両末端に有
する化合物のZは、特に限定されない。化合物の入手
性の点で、Zが有機基である場合に、その炭素数は、
好ましくは1〜20である。Zとしては、次の基が挙
げられる:アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アリール基、置換アリール基、
アラルキル基、置換アラルキル基、N−アリール−N−
アルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N,
N−ジアルキルアミノ基、チオアルキル基、ジアルキル
ホスフィニル基など。化合物の入手性の点で、次の基が
好ましい:フェニル基、メチル基、エチル基、ベンジル
基、4−クロロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフ
チル基、ジエトキシホスフィニル基、n−ブチル基、t
−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、チオメチル基
(メチルスルフィド)、フェノキシ基、チオフェニル基
(フェニルスルフィド)、N,N−ジメチルアミノ基、
N,N−ジエチルアミノ基、N−フェニル−N−メチル
アミノ基、N−フェニル−N−エチルアミノ基、チオベ
ンジル基(ベンジルスルフィド)、ペンタフルオロフェ
ノキシ基、および次式で示される有機基:
【0051】
【化9】
【0052】(式中、rは0以上の整数を示し、sは1
以上の整数を示す)。上記式中のrおよびsは、化合物
の入手性の点で、好ましくは500以下である。
【0053】上記チオカルボニルチオ構造を有する化合
物の具体例としては、以下の式で示される化合物などが
挙げられるが、これらに限定されない:
【0054】
【化10】
【0055】(式中、Meはメチル基、Etはエチル
基、Phはフェニル基、Acはアセチル基を示す)。
【0056】チオカルボニルチオ構造を有する化合物の
うち、得られる重合体の分子量、および分子量分布を精
密に制御できる点で、適用する重合条件における連鎖移
動定数が0.1以上の化合物を使用することが好まし
い。連鎖移動定数については、当該分野で一般に知られ
ており、例えば、上記文献に記載されている。本発明で
使用するチオカルボニルチオ構造を有する化合物は、よ
り分子量分布の小さい重合体を得られる点および高温金
属面からの剥離性を向上させる点で、連鎖移動定数が1
以上であることが好ましく、10以上であることがより
好ましい。
【0057】重合反応時におけるチオカルボニルチオ構
造を有する化合物の使用量は、特に限定されない。この
化合物と単量体とのモル比を調節することによって、重
合体の重合度および数平均分子量を制御することが可能
である。例えば、重合度1000の重合体を合成する場
合には、単量体1000モルに対してチオカルボニルチ
オ構造が1モルとなる割合でチオカルボニルチオ構造を
有する化合物を添加する。
【0058】[加工性改良剤として用いられる共重合体
の調製の概略]本発明の熱可塑性樹脂用加工性改良剤と
して用いられる共重合体は、上記重合に供するアルキル
アクリレート(A)、(メタ)アクリレート(B)、お
よび必要に応じてビニルモノマー(C)をラジカル共重
合することにより得られる。好ましくは、上記チオカル
ボニルチオ構造を有する化合物の存在下で共重合を行う
ことにより、後述のように、チオカルボニルチオ構造が
導入された共重合体が得られる。
【0059】上記チオカルボニルチオ構造を有する化合
物を用いた重合反応では、該チオカルボニルチオ構造を
有する化合物が連鎖移動剤として働き、可逆的付加脱離
連鎖移動(RAFT)重合が起こり、(メタ)アクリル
系共重合体が形成される。例えば、下記のスキームに示
すように、チオカルボニルチオ構造を有する化合物
(1)に、アルキルアクリレート(A)およびエステル
結合の他に酸素原子を有する(メタ)アクリレート
(B)を反応させると、(メタ)アクリル系共重合体
(4)が形成される。チオカルボニルチオ構造を有する
化合物(2)を用いた場合には、(メタ)アクリル系共
重合体(5)が形成される。
【0060】
【化11】
【0061】上記スキームにおいて、nおよびn
結合した単量体の数を示す。Z、R、p、Z、R
、およびqは、上述のチオカルボニルチオ構造を有す
る化合物の項で規定したとおりである。(An/Bn
)は、アルキルアクリレート(A)と(メタ)アクリ
レート(B)を共重合成分として含有するポリマー鎖を
示す。AおよびBの仕込み量や反応条件により、n
よびnが変わる。これらはランダム共重合体、ブロッ
ク共重合体などの形態の共重合体であり得る。pまたは
qが3以上の場合には分枝した(メタ)アクリル系共重
合体が形成される。
【0062】[重合に用いられる溶剤および重合用添加
剤]本発明の加工性改良剤である(メタ)アクリル系共
重合体を調製するための、上記単量体を用いたラジカル
重合の形式については、特に限定されない。溶液重合、
乳化重合、懸濁重合、塊状重合など当該分野で通常用い
られる方法を適用することが可能である。
【0063】上記ラジカル重合を行う際に、必要に応じ
て当該分野で通常用いられる重合用の添加剤が使用され
得る。用いられる添加剤としては、例えば、分散乳化
剤、重合開始剤、pH調整剤、酸化防止剤などが挙げら
れる。これらの化合物の使用方法および使用量について
も当該分野で通常用いられる方法に従って適宜決定され
得る。
【0064】上記単量体を溶液重合させる場合、使用さ
れる有機溶剤としては、次の溶剤が挙げられるが、それ
らに限定されない:ヘプタン、ヘキサン、オクタン、シ
クロヘキサン、ミネラルスピリットなどの炭化水素系溶
剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの
エステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど
のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブ
タノールなどのアルコール系溶剤;n−ブチルエーテ
ル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒド
ロフランなどのエーテル系溶剤;ベンゼン、トルエン、
キシレン、スワゾール310(コスモ石油社製)、スワ
ゾール1000(コスモ石油社製)、スワゾール150
0(コスモ石油社製)などの芳香族石油系溶剤など。こ
れらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよ
い。
【0065】上記重合用の添加剤のうち分散乳化剤は、
乳化重合または懸濁重合させる場合、水系の乳化液また
は懸濁液中での単量体の分散安定性を向上させ、重合を
効率的に行う目的で添加される。分散乳化剤としては、
次の乳化剤が挙げられるが、それらに限定されない:脂
肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホコハク
酸ジエステル塩(例えば、ジオクチルスルホコハク酸エ
ステルソーダ)などのアニオン性界面活性剤;ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステルなどの非イオン性界面活性剤など。これらの
乳化剤は単独で用いてもよく、複数を組合せて用いても
よい。乳化剤の使用量は特に限定されないが、通常、重
合に供される単量体100重量部に対して1〜10重量
部である。
【0066】上記重合添加剤のうち懸濁安定剤は、懸濁
重合を行う場合に、重合を効率的に行うために、用いら
れる。懸濁安定剤としては、次の懸濁安定剤が挙げられ
るが、それらに限定されない:部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコールおよびその部分ケン化物、ゼ
ラチン、デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、無水マレイン
酸−スチレン共重合体、ポリエチレンオキサイドなど。
これらは単独で使用されても、2種以上が併用されても
よい。
【0067】上記重合反応の際に使用される重合開始剤
は、特に限定されず、重合開始剤として通常用いられる
有機過酸化物などが用いられる。例えば、分子内に2個
のパーオキシ基を有する有機過酸化物またはターシャリ
ーブチルパーオキシ基を有する有機過酸化物が好適に用
いられる。特に、上記有機過酸化物と還元剤との組合せ
によるレドックス型の重合開始剤がより好適に用いられ
る。一般的な有機過酸化物を併用して用いてもよい。
【0068】上記分子内に2個のパーオキシ基を有する
有機過酸化物としては、2,5−(ジメチルヘキサン)
−2,5−ジハイドロパーオキサイド、α,α’−ビス
(ターシャリーブチルパーオキシ)p−イソプロピルベ
ンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリー
ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジターシャリーブチルジ
パーオキシフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどが挙げられる。
【0069】上記ターシャリーブチルパーオキシ基を有
する有機過酸化物としては、ターシャリーブチルハイド
ロパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイ
ド、ターシャリーブチル−α−クミルパーオキサイド、
ターシャリーブチルイソプロピルカーボネート、ターシ
ャリーブチルパーオキシアセテート、ターシャリーブチ
ルパーオキシイソブチレート、ターシャリーブチルパー
オキシオクトエート、ターシャリーブチルパーオキシラ
ウレート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、
ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエート、ター
シャリーブチルパーオキシベンゾエートなどが挙げられ
る。
【0070】これらの有機過酸化物は、単独あるいは2
種以上を組み合わせて用いることができる。これらは重
合に供される単量体100重量部に対して0.1〜5重
量部含まれることが好ましく、0.5〜3重量部がより
好ましい。このことにより、得られた共重合体を加工性
改良剤として用いた場合に、熱可塑性樹脂組成物の成形
加工時に高温金属面からの優れた剥離効果が発現され
る。
【0071】上記レドックス型の重合開始剤に組み合わ
せて用いられる還元剤としては、還元状態の金属イオ
ン、アミン類などが挙げられる。還元剤としては、ナト
リウムホルムアルデヒドハイドロサルファイト、亜硫酸
ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、硫
酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどが
用いられる。
【0072】[(メタ)アクリル系共重合体の調製]本
発明の加工性改良剤である(メタ)アクリル系共重合体
を調製するには、上述のように、アルキルアクリレート
(A)、(メタ)アクリレート(B)、および必要に応
じてビニルモノマー(C)を用いて、ラジカル重合を行
う。好適には上記チオカルボニル構造を有する化合物の
存在下で、ラジカル重合を行う。ラジカル重合方法に特
に制限はなく、上述のように、溶液重合、乳化重合、懸
濁重合、塊状重合など、当該分野で通常用いられる方法
が適用可能である。重合の実施形態についても特に制限
はなく、回分法、連続法、逐次添加法など、当該分野で
通常用いられる方法を広く適用可能である。
【0073】例えば、チオカルボニルチオ構造を有する
化合物を用いた重合法を採用する場合に、チオカルボニ
ルチオ構造を有する化合物の重合反応系への添加時期に
ついては特に制限はない。例えば、重合開始前に反応容
器に仕込んでおいてもよく、重合開始と共に反応容器内
に導入してもよく、あるいは重合反応中で反応容器内に
導入してもよい。種々の添加法のうち、分子量分布の小
さい重合体を得られる点で、重合開始前に反応容器に仕
込んでおく方法および重合開始と共に反応容器内に導入
する方法が好ましく、重合開始前に反応容器に仕込んで
おく方法がより好ましい。重合開始剤は、仕込み工程の
任意のタイミングで仕込むことが可能である。
【0074】上記乳化重合の方法としては、特に限定さ
れず、例えば、一括重合法、モノマー滴下法、エマルジ
ョン滴下法など、いずれの方法が採用されてもよい。ま
た、使用される媒体は、通常、水である。
【0075】上記乳化重合を用いる場合には、得られた
共重合体の乾燥後のパウダー特性を適宜調整することも
可能である。例えば塩化ビニル系樹脂の加工性改良剤と
して用いる場合には、塩化ビニル系重合体と相容性がよ
く、かつ硬いポリマー特性を与えるエチレン性不飽和モ
ノマーを、上記単量体の重合後にさらに添加してもよ
い。これにより、該モノマーが重合し、粒子として存在
している上記共重合体表面に付着する。あるいは、該エ
チレン性不飽和モノマーを重合させて得られるラテック
スを上記共重合体ラテックス状とブレンドしてもよい。
このようにエチレン性不飽和モノマーは、好適には、重
合に供する単量体100重量部に対して0〜12重量部
の割合で用いられる。
【0076】本発明の加工性改良剤は、1段重合体であ
ってもよく、または2段および3段重合体などの多段重
合体であってもよい。
【0077】上記重合反応時の温度、時間などに特に限
定はない。通常の温度、時間などが採用され得、所望の
分子量および粒子径になるように適宜調整すればよい。
【0078】このようにして、上記アルキルアクリレー
ト(A)、(メタ)アクリレート(B)、および必要に
応じてビニルモノマー(C)を共重合成分として含む共
重合体ができる。上記チオカルボニルチオ構造を有する
化合物を用いた場合には、チオカルボニルチオ構造が導
入された共重合体が得られる。
【0079】このようにして得られる共重合体は、後述
の各種添加剤と混合した場合に、該共重合体には導入さ
れたチオカルボニルチオ構造が存在するため、熱可塑性
樹脂と、安定剤、滑剤などの添加物との相容性を向上さ
せ、物性向上に寄与する。したがって、本発明の熱可塑
性樹脂の物性向上の点で、上記共重合体においては、一
分子中に少なくとも一つのチオカルボニルチオ構造を有
する重合体が50%以上存在することが好ましく、70
%以上存在することがより好ましい。ここでいう割合
は、重合体分子の数(モル数)を基準としている。
【0080】上記のような観点から、本発明の加工性改
良剤としては、一分子中に複数のチオカルボニル構造を
有するものが好ましく、両末端にチオカルボニルチオ構
造を有する共重合体がより好ましい。
【0081】得られた重合体の分子量は、ゲル浸透クロ
マトグラフィー(GPC)測定により求めた重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される
分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下であり、そし
て、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により
求めた数平均分子量(Mn)が1万〜30万である。得
られた共重合体を加工性改良剤として用いた場合に、熱
可塑性樹脂組成物の成形加工時に高温金属面からの優れ
た剥離効果が得られる点で、分子量分布(Mw/Mn)
が1.3以下であることが好ましい。また、数平均分子
量(Mn)については、得られる共重合体を用いたとき
の加工時における樹脂の剥離性の点で、5万〜25万が
好ましい。重量平均分子量(Mw)が1,000以上異
なる少なくとも2種の共重合体を含む複数種の共重合体
を、上記加工性改良剤として混合して用いてもよい。こ
のような複数種の共重合体を用いることにより、各々の
共重合体特有の特性を有する加工性改良剤が得られるた
め、目的に応じて必要とされる加工特性が得られる。
【0082】[熱可塑性樹脂]本発明に使用される熱可
塑性樹脂は、特に限定されず、通常使用されている熱可
塑性樹脂であればいずれも使用し得る。成形時において
高温金属面との剥離性を向上させる点で、熱可塑性樹脂
としては、特に、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、メタ
クリル樹脂、ABS樹脂などが好ましく、中でも塩化ビ
ニル系樹脂が最も好ましい。
【0083】塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル成
分80〜100重量%および塩化ビニルに共重合可能な
その他の単量体成分0〜20重量%からなる重合体が好
ましい。
【0084】塩化ビニルに共重合可能なその他の単量体
としては、例えば、酢酸ビニル、プロピレン、スチレ
ン、アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を組み合わせたものでもよ
い。
【0085】上記塩化ビニル系樹脂の平均重合度などに
は特別な限定はなく、従来から使用されている塩化ビニ
ル系樹脂であればいずれも使用し得る。
【0086】このような塩化ビニル系樹脂の具体例とし
ては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル単量体80
重量%以上とその他の共重合可能な単量体(例えば、酢
酸ビニル、プロピレン、スチレン、アクリル酸エステル
など)との共重合体、後塩素化ポリ塩化ビニルなどが挙
げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0087】上記ポリオレフィンとしては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
【0088】上記ポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタラートなどが挙げられる。
【0089】上記メタクリル樹脂としては、ポリメチル
メタクリレートなどが挙げられる。
【0090】[熱可塑性樹脂組成物]本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂、上記熱可塑性樹脂用
加工性改良剤、および必要に応じて各種添加剤を含有す
る。本発明の組成物に含有される添加剤としては、安定
剤、滑剤、耐衝撃強化剤、可塑剤、着色剤、充填剤など
が挙げられる。本発明の熱可塑性樹脂組成物において
は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記加工
性改良剤が、好ましくは0.1〜20重量部の割合で、
より好ましくは0.5〜3重量部の割合で含有される。
上記加工性改良剤の量が0.1重量部未満では、加工性
改良効果が充分発現できず、20重量部を超えると、透
明性が低下し、フイッシュアイが多くなる傾向がある。
【0091】本発明の組成物を用いて、所望の成形体が
製造される。例えば、上記熱可塑性樹脂、加工性改良
剤、および必要に応じて各種添加剤を混合し、通常のプ
ロセスにより製造が行われる。本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、加工性に優れるため、ブロー成形、インジェク
ション成形、カレンダー成形、押出成形などの方法で成
形することができる。得られる成形体は、透明性、光
沢、表面の平滑性などの外観および二次加工性に優れる
という特性を有しているため、熱可塑性樹脂の加工を要
する多方面にわたる分野、例えばフィルム、シート、異
型成形体などに用いられる。
【0092】本発明をさらに具体的に説明するために、
以下に実施例および比較例を示すが、本発明はこれらの
実施例のみに限定されるものではない。
【0093】
【実施例】以下の実施例では特にことわりのない限り
「部」は重量部、「%」は重量%を表す。実施例におい
ては、水は全てイオン交換水を用いた。
【0094】以下の実施例および比較例で用いた物性の
評価方法を以下にまとめて示す。
【0095】(i)重合転化率は、次式により算出し
た。 重合転化率(%)=重合生成量/単量体仕込量×100
【0096】(ii)数平均分子量、重量平均分子量、
および分子量分布は、以下に示すGPC分析装置および
方法で測定した。システム:Waters社製GPCシ
ステム(製品名510)、カラム:昭和電工(株)製S
hodex K−802.5およびK−804(ポリス
チレンゲル)、移動相:クロロホルム。数平均分子量な
どはポリスチレン換算で求めた。
【0097】(iii)チオカルボニルチオ構造の同定
には、VARIAN製NMR(Gemini−300)
を用い、重水素化溶媒としてCDCl(重クロロホル
ム)を用いた試料溶液を作成して測定した。
【0098】(iv)チオカルボニルチオ構造を有する
重合体の含有率は以下の方法で算出した。まず、試料中
の全硫黄含有量を元素分析(酸素フラスコ燃焼法を利
用;吸収液として過酸化水素水を使用し、イオンクロマ
トグラフィにより測定;ダイオネクス製DX−500
GP40,ED40)により定量した。次に、得られた
硫黄濃度から上記GPCにより求めた各試料の分子量を
基準としてチオカルボニルチオ構造含有率を算出した。
【0099】(v)以下の各種加工性試験には、熱可塑
性樹脂としてポリ塩化ビニル(鐘淵化学工業社製、カネ
ビニールS1007)100部、共重合体試料1部、オ
クチルスズメルカプト系安定剤(日東化成社製、TVS
#8831)2.0部、滑剤(花王社製、カルコール8
668)1.0部、およびフタル酸ジオクチル(DO
P)3.0部の混合物を配合して得られた塩化ビニル系
樹脂組成物を用いた。
【0100】(v−1)ロール剥離性 190℃の1対の6インチロールを用いて上記熱可塑性
樹脂組成物を混練し、一方のロール表面に樹脂組成物で
なるシートを形成させた。混練開始後の所定時間に、ロ
ールの回転を止め、該ロールの表面のシートに切れ目を
入れ、該シートをロールから剥離した。このときの剥離
性を比較した。評価は10点法を採用した。ロール表面
からシートが剥離可能である状態が混練開始後10分以
上持続する場合を10(剥離特性最高)とした。同様
に、剥離可能な時間が9分以上10分未満である場合を
9、8分以上9分未満を8、というように評価し、2分
以上3分未満を2、2分未満を1(剥離特性最低)とし
た。
【0101】(v−2)透明性 8インチテストロールを用いて170℃で5分間の混練
を行った後、180℃で15分間加圧プレスし、厚さ3
mmのプレス板の全光線透過率および曇価を積分球式光
線透過率測定装置を用いて測定した(JIS−6714
に準ず)。全光線透過率は数字が大きいほど透明性がよ
いことを示す。曇価は数字が小さいほど透明性がよいこ
とを示す。
【0102】(実施例1)攪拌機および冷却器付きの8
リットル反応容器に、蒸留水200部、分散乳化剤とし
てジオクチルスルホコハク酸エステルソーダ1.0部、
およびレドックス型重合開始剤の還元剤としてエチレン
ジアミンテトラ酢酸ナトリウム0.01部と、硫酸第一
鉄7水塩0.005部と、ナトリウムホルムアルデヒド
ハイドロサルファイト1.0部とを入れた。次いで容器
内を窒素で置換した後、攪拌しながら反応容器を60℃
に昇温した。次に、アルキルアクリレート(A)として
ブチルアクリレート(BA)39部、(メタ)アクリレ
ート(B)として2−ヒドロキシエチルアクリレート
(2HEA)1.0部、ビニルモノマー(C)としてス
チレン(St)60部、チオカルボニルチオ構造を有す
る化合物として2−(2−フェニルプロピル)ジチオベ
ンゾエート(PCU)0.1部、および重合開始剤とし
て2,5−(ジメチルヘキサン)−2,5−ジハイドロ
パーオキサイド(DMHP)0.2部の混合物を6時間
にわたって連続添加した。添加終了後、さらに2時間攪
拌し、その後冷却して、ラテックスを得た。
【0103】ラテックス中の共重合体における重合転化
率は97.0%であった。得られたラテックスを塩化カ
ルシウム水溶液で塩析凝固させ、90℃まで昇温熱処理
した後に、遠心脱水機を用いて濾過した。得られた共重
合体の脱水ケーキを水洗し、平行流乾燥機により50℃
で15時間乾燥させて、白色粉末状の共重合体試料
(1)を得た。共重合体試料の各種物性を表1に示す。
【0104】次いで、得られた共重合体試料を用いて評
価方法(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価を
行った。結果を表1に示す。
【0105】(実施例2) (メタ)アクリレート(B)としてグリシジルメタクリ
レート(GMA)を用いたこと以外は、実施例1と同様
の方法により、試料(2)を得た。得られた試料を用い
てロール剥離性評価を行った。結果を表1に示す。
【0106】(比較例1)チオカルボニルチオ構造を有
する化合物の代わりにターシャリードデシルメルカプタ
ン(TDM)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方
法により、試料(3)を得た。結果を表1に示す。
【0107】(実施例3)攪拌機および冷却器付きの8
リットル反応容器に、蒸留水200部、分散乳化剤とし
てジオクチルスルホコハク酸エステルソーダ1.0部、
およびレドックス型重合開始剤の還元剤としてエチレン
ジアミンテトラ酢酸ナトリウム0.01部と、硫酸第一
鉄7水塩0.005部と、ナトリウムホルムアルデヒド
ハイドロサルファイト0.5部とを入れた。次いで容器
内を窒素で置換した後、攪拌しながら反応容器を60℃
に昇温した。次に、アルキルアクリレート(A)として
ブチルアクリレート(BA)19部、(メタ)アクリレ
ート(B)として2−ヒドロキシエチルアクリレート
(2HEA)1.0部、ビニルモノマー(C)としてス
チレン(St)30部、チオカルボニルチオ構造を有す
る化合物として2−(2−フェニルプロピル)ジチオベ
ンゾエート(PCU)0.1部、および重合開始剤とし
て2,5−(ジメチルヘキサン)−2,5−ジハイドロ
パーオキサイド(DMHP)0.2部の混合物を4時間
にわたって連続添加した。添加終了1時間後に、さら
に、ビニルモノマー(C)としてメチルメタクリレート
(MMA)50部および重合開始剤であるDMHP0.
2部の混合物を、4時間にわたって連続添加し、添加終
了後さらに1時間攪拌し、その後冷却して、ラテックス
を得た。
【0108】ラテックス中の共重合体における重合転化
率は98.0%であった。得られたラテックスを塩化カ
ルシウム水溶液で塩析凝固させ、90℃まで昇温熱処理
した後に、遠心脱水機を用いて濾過した。得られた共重
合体の脱水ケーキを水洗し、平行流乾燥機により50℃
で15時間乾燥させて、白色粉末状の2段共重合体試料
(4)を得た。共重合体試料の各種物性を表1に示す。
【0109】次いで、得られた共重合体試料を用いて評
価方法(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価を
行った。結果を表1に示す。
【0110】(実施例4) (メタ)アクリレート(B)としてグリシジルメタクリ
レート(GMA)を用いたこと以外は、実施例3と同様
の方法により、試料(5)を得た。得られた試料を用い
てロール剥離性評価を行った。結果を表1に示す。
【0111】(比較例2)チオカルボニルチオ構造を有
する化合物の代わりにターシャリードデシルメルカプタ
ン(TDM)を用いたこと以外は、実施例3と同様の方
法により、試料(6)を得た。結果を表1に示す。
【0112】(実施例5)攪拌機および冷却器付きの8
リットル反応容器に、蒸留水200部、分散乳化剤とし
てジオクチルスルホコハク酸エステルソーダ1.2部、
およびレドックス型重合開始剤の還元剤としてエチレン
ジアミンテトラ酢酸ナトリウム0.01部と、硫酸第一
鉄7水塩0.005部と、ナトリウムホルムアルデヒド
ハイドロサルファイト0.5部とを入れた。次いで容器
内を窒素で置換した後、攪拌しながら反応容器を60℃
に昇温した。次に、ビニルモノマー(C)としてメチル
メタクリレート(MMA)28部およびスチレン(S
t)12部、チオカルボニルチオ構造を有する化合物と
して2−(2−フェニルプロピル)ジチオベンゾエート
(PCU)0.1部、ならびに重合開始剤として2,5
−(ジメチルヘキサン)−2,5−ジハイドロパーオキ
サイド(DMHP)0.2部の混合物を2時間にわたっ
て連続添加した。添加終了1時間後に、アルキルアクリ
レート(A)としてブチルアクリレート(BA)20
部、(メタ)アクリレート(B)として2−ヒドロキシ
エチルアクリレート(2HEA)1.0部、ビニルモノ
マー(C)としてSt30部、およびDMHP0.2部
の混合物を3時間にわたって連続添加した。添加終了1
時間後に、さらに、ビニルモノマー(C)としてメチル
メタクリレート(MMA)10部および重合開始剤であ
るDMHP0.1部の混合物を30分間にわたって連続
添加し、添加終了後さらに1時間攪拌し、その後冷却し
て、ラテックスを得た。
【0113】ラテックス中の共重合体における重合転化
率は97.0%であった。得られたラテックスを塩化カ
ルシウム水溶液で塩析凝固させ、90℃まで昇温熱処理
したのちに、遠心脱水機を用いて濾過した。得られた共
重合体の脱水ケーキを水洗し、平行流乾燥機により50
℃で15時間乾燥させて、白色粉末状の3段共重合体試
料(7)を得た。。共重合体試料の各種物性を表1に示
す。
【0114】次いで、得られた試料を用いて、評価方法
(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0115】(実施例6) (メタ)アクリレート(B)としてグリシジルメタクリ
レート(GMA)を用いたこと以外は、実施例5と同様
の方法により、試料(8)を得た。得られた試料を用い
て、評価方法(v−1)に記載のように、ロール剥離性
評価を行った。結果を表1に示す。
【0116】(比較例3)チオカルボニルチオ構造を有
する化合物の代わりにターシャリードデシルメルカプタ
ン(TDM)を用いたこと以外は、実施例5と同様の方
法により、試料(9)を得た。結果を表1に示す。
【0117】
【表1】
【0118】表1の結果より、試料(1)、(2)、
(4)、(5)、(7)および(8)のように共重合体
の分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下である場合に
は、良好なロール剥離性を有する組成物が得られること
がわかる。一方、共重合体の分子量分布(Mw/Mn)
が大きい試料(3)、(6)および(9)を用いた場合
には、ロール剥離性が低下することがわかる。
【0119】(実施例7)熱可塑性樹脂としてポリ塩化
ビニル(鐘淵化学工業社製、カネビニールS1007)
100部、加工性改良剤である実施例4で得られた試料
(5)1.0部、オクチルスズメルカプト系安定剤(日
東化成社製、TVS#8831)2.0部、滑剤(花王
社製、カルコール8668)1.0部、およびDOP
3.0部の混合物を配合してブレンドし、塩化ビニル系
樹脂組成物を得た。得られた組成物について、評価方法
(v−1)および(v−2)に記載のように、透明性お
よびロール剥離性評価を行った。結果を表2に示す。
【0120】(実施例8)実施例4で得られた試料
(5)を0.3部としたこと以外は、実施例7と同様に
して塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた組成物に
ついて、評価方法(v−1)および(v−2)に記載の
ように、透明性およびロール剥離性評価を行った。結果
を表2に示す。
【0121】(実施例9)実施例4で得られた試料
(5)を15部としたこと以外は、実施例7と同様にし
て塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた組成物につ
いて、評価方法(v−1)および(v−2)に記載のよ
うに、透明性およびロール剥離性評価を行った。結果を
表2に示す。
【0122】(比較例4)実施例4で得られた試料
(5)を加えなかったこと以外は、実施例7と同様にし
て塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた組成物につ
いて、評価方法(v−1)および(v−2)に記載のよ
うに、透明性およびロール剥離性評価を行った。結果を
表2に示す。
【0123】(比較例5)実施例4で得られた試料
(5)を25部としたこと以外は、実施例7と同様にし
て塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた組成物につ
いて、評価方法(v−1)および(v−2)に記載のよ
うに、透明性およびロール剥離性評価を行った。結果を
表2に示す。
【0124】
【表2】
【0125】表2の結果より、熱可塑性樹脂100重量
部に対して、本発明の加工性改良剤の添加量が0.1〜
20重量部である場合には、得られた樹脂組成物は、良
好なロール剥離性を示し、そして透明性を損なうことも
ないことがわかる。
【0126】(実施例10)熱可塑性樹脂として後塩素
化塩化ビニル(CPVC)(耐熱カネビニールH−53
6(鐘淵化学工業社製))を用いたこと以外は、実施例
7と同様にして塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られ
た組成物について、評価方法(v−1)に記載のよう
に、ロール剥離性評価を行った。結果を表3に示す。
【0127】(実施例11)熱可塑性樹脂としてポリプ
ロピレン(PP)(ハイポールB−200(グランドポ
リマー社製))100部および加工性改良剤である実施
例4で得られた試料(5)1.0部を配合してブレンド
し、PP樹脂組成物を得た。得られた組成物について、
評価方法(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価
を行った。結果を表3に示す。
【0128】(実施例12)熱可塑性樹脂としてポリエ
チレンテレフタラート(PET)(バイロペットEMC
307(東洋紡績社製))を用いたこと以外は、実施例
11と同様にしてPET樹脂組成物を得た。得られた組
成物について、評価方法(v−1)に記載のように、ロ
ール剥離性評価を行った。結果を表3に示す。
【0129】(実施例13)熱可塑性樹脂としてポリカ
ーボネート(PC)(レキサン141R−111(日本
ジーイ−プラスチックス(株)製))を用いたこと以外
は、実施例11と同様にしてPC樹脂組成物を得た。得
られた組成物について、評価方法(v−1)に記載のよ
うに、ロール剥離性評価を行った。結果を表3に示す。
【0130】(実施例14)熱可塑性樹脂としてポリス
チレン(PS)(スタイロンGPPS685(旭化成社
製))を用いたこと以外は、実施例11と同様にしてP
S樹脂組成物を得た。得られた組成物について、評価方
法(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価を行っ
た。結果を表3に示す。
【0131】(実施例15)熱可塑性樹脂としてポリメ
チルメタクリレート(PMMA)(パラペットG100
0((株)クラレ製))を用いたこと以外は、実施例1
1と同様にしてPMMA樹脂組成物を得た。得られた組
成物について、評価方法(v−1)に記載のように、ロ
ール剥離性評価を行った。結果を表3に示す。
【0132】(実施例16)熱可塑性樹脂としてABS
樹脂(ABS)(カネカMUH(鐘淵化学工業社製))
を用いたこと以外は、実施例11と同様にしてABS樹
脂組成物を得た。得られた組成物について、評価方法
(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価を行っ
た。結果を表3に示す。
【0133】(実施例17)熱可塑性樹脂としてPVC
70部およびABS30部を用いたこと以外は、実施例
7と同様にして塩化ビニル−ABS樹脂組成物を得た。
得られた組成物について、評価方法(v−1)に記載の
ように、ロール剥離性評価を行った。結果を表3に示
す。
【0134】(比較例6)実施例4で得られた試料
(5)を加えなかったこと以外は、実施例10と同様に
して塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた組成物に
ついて、評価方法(v−1)に記載のように、ロール剥
離性評価を行った。結果を表3に示す。
【0135】(比較例7〜13)実施例4で得られた試
料(5)を加えなかったこと以外は、それぞれ実施例1
1〜17と同様にして樹脂組成物を得た。得られた組成
物について、それぞれ評価方法(v−1)に記載のよう
にロール剥離性評価を行った。結果を表3に示す。
【0136】
【表3】
【0137】表3の結果より、本発明の加工性改良剤を
添加した場合には、熱可塑性樹脂100重量部に対して
1.0重量部という少量の添加で、いずれの熱可塑性樹
脂においても、良好なロール剥離性を有する熱可塑性樹
脂組成物が得られることがわかる。
【0138】(実施例18)攪拌機および冷却器付きの
8リットル反応容器に、蒸留水200部、分散乳化剤と
してジオクチルスルホコハク酸エステルソーダ1.0
部、およびレドックス型重合開始剤の還元剤としてエチ
レンジアミンテトラ酢酸ナトリウム0.01部と、硫酸
第一鉄7水塩0.005部と、ナトリウムホルムアルデ
ヒドハイドロサルファイト1.0部とを入れた。次いで
容器内を窒素で置換した後、攪拌しながら反応容器を6
0℃に昇温した。次に、アルキルアクリレート(A)と
してブチルアクリレート(BA)39部、(メタ)アク
リレート(B)として2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト(2HEA)1.0部、ビニルモノマー(C)として
スチレン(St)60部、チオカルボニルチオ構造を有
する化合物として2−(2−フェニルプロピル)ジチオ
ベンゾエート(PCU)0.1部、および重合開始剤と
してターシャリーブチルハイドロパーオキサイド(TB
HP)0.2部の混合物を6時間にわたって連続添加し
た。添加終了後、さらに2時間攪拌し、その後冷却し
て、ラテックスを得た。
【0139】ラテックス中の共重合体における重合転化
率は98.2%であった。得られたラテックスを塩化カ
ルシウム水溶液で塩析凝固させ、90℃まで昇温熱処理
した後に、遠心脱水機を用いて濾過した。得られた共重
合体の脱水ケーキを水洗し、平行流乾燥機により50℃
で15時間乾燥させて、白色粉末状の共重合体試料(1
0)を得た。共重合体試料の各種物性を表4に示す。
【0140】次いで、得られた共重合体試料を用いて評
価方法(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価を
行った。結果を表4に示す。
【0141】(実施例19) (メタ)アクリレート(B)としてグリシジルメタクリ
レート(GMA)を用いたこと以外は、実施例18と同
様の方法により、試料(11)を得た。得られた試料を
用いてロール剥離性評価を行った。結果を表4に示す。
【0142】(比較例14)チオカルボニルチオ構造を
有する化合物の代わりにターシャリードデシルメルカプ
タン(TDM)を用いたこと以外は、実施例18と同様
の方法により、試料(12)を得た。結果を表4に示
す。
【0143】(実施例20)攪拌機および冷却器付きの
8リットル反応容器に、蒸留水200部、分散乳化剤と
してジオクチルスルホコハク酸エステルソーダ1.0
部、およびレドックス型重合開始剤の還元剤としてエチ
レンジアミンテトラ酢酸ナトリウム0.01部と、硫酸
第一鉄7水塩0.005部と、ナトリウムホルムアルデ
ヒドハイドロサルファイト0.5部とを入れた。次いで
容器内を窒素で置換した後、攪拌しながら反応容器を6
0℃に昇温した。次に、ビニルモノマー(C)としてメ
チルメタクリレート(MMA)30部およびスチレン
(St)19部、チオカルボニルチオ構造を有する化合
物として2−(2−フェニルプロピル)ジチオベンゾエ
ート(PCU)0.1部、ならびに重合開始剤としてタ
ーシャリーブチルハイドロパーオキサイド(TBHP)
0.2部の混合物を4時間にわたって連続添加した。添
加終了1時間後に、さらに、アルキルアクリレート
(A)としてブチルアクリレート(BA)15部、(メ
タ)アクリレート(B)として2−ヒドロキシエチルア
クリレート(2HEA)1.0部、ビニルモノマー
(C)としてスチレン(St)35部、およびTBHP
0.2部の混合物を4時間にわたって連続添加した。添
加終了後さらに1時間攪拌し、その後冷却して、ラテッ
クスを得た。
【0144】ラテックス中の共重合体における重合転化
率は98.5%であった。得られたラテックスを塩化カ
ルシウム水溶液で塩析凝固させ、90℃まで昇温熱処理
した後に、遠心脱水機を用いて濾過した。得られた共重
合体の脱水ケーキを水洗し、平行流乾燥機により50℃
で15時間乾燥させて、白色粉末状の2段共重合体試料
(13)を得た。共重合体試料の各種物性を表4に示
す。
【0145】次いで、得られた共重合体試料を用いて評
価方法(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価を
行った。結果を表4に示す。
【0146】(実施例21) (メタ)アクリレート(B)としてグリシジルメタクリ
レート(GMA)を用いたこと以外は、実施例20と同
様の方法により、試料(14)を得た。得られた試料を
用いてロール剥離性評価を行った。結果を表4に示す。
【0147】(比較例15)チオカルボニルチオ構造を
有する化合物の代わりにターシャリードデシルメルカプ
タン(TDM)を用いたこと以外は、実施例20と同様
の方法により、試料(15)を得た。結果を表4に示
す。
【0148】(実施例22)重合開始剤としてターシャ
リーブチルハイドロパーオキサイド(TBHP)を用い
たこと以外は、実施例5と同様に重合を行って、ラテッ
クスを得た。ラテックス中の共重合体における重合転化
率は99.0%であった。得られたラテックスを塩化カ
ルシウム水溶液で塩析凝固させ、90℃まで昇温熱処理
したのちに、遠心脱水機を用いて濾過した。得られた共
重合体の脱水ケーキを水洗し、平行流乾燥機により50
℃で15時間乾燥させて、白色粉末状の3段共重合体試
料(16)を得た。共重合体試料の各種物性を表4に示
す。
【0149】次いで、得られた試料を用いて、評価方法
(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価を行っ
た。結果を表4に示す。
【0150】(実施例23) (メタ)アクリレート(B)としてグリシジルメタクリ
レート(GMA)を用いたこと以外は、実施例22と同
様の方法により、試料(17)を得た。得られた試料を
用いて、評価方法(v−1)に記載のように、ロール剥
離性評価を行った。結果を表4に示す。
【0151】(比較例16)チオカルボニルチオ構造を
有する化合物の代わりにターシャリードデシルメルカプ
タン(TDM)を用いたこと以外は、実施例22と同様
の方法により、試料(18)を得た。結果を表4に示
す。
【0152】
【表4】
【0153】表4の結果より、試料(10)、(1
1)、(13)、(14)、(16)および(17)の
ように共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が1.5以
下である場合には、良好なロール剥離性を有する組成物
が得られることがわかる。一方、共重合体の分子量分布
(Mw/Mn)が大きい試料(12)、(15)および
(18)を用いた場合には、ロール剥離性が低下するこ
とがわかる。
【0154】(実施例24)熱可塑性樹脂としてポリ塩
化ビニル(鐘淵化学工業社製、カネビニールS100
7)100部、加工性改良剤である実施例21で得られ
た試料(14)1.0部、オクチルスズメルカプト系安
定剤(日東化成社製、TVS#8831)2.0部、滑
剤(花王社製、カルコール8668)1.0部、および
DOP3.0部の混合物を配合してブレンドし、塩化ビ
ニル系樹脂組成物を得た。得られた組成物について、評
価方法(v−1)および(v−2)に記載のように、透
明性およびロール剥離性評価を行った。結果を表5に示
す。
【0155】(実施例25)実施例21で得られた試料
(14)を0.3部としたこと以外は、実施例24と同
様にして塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた組成
物について、評価方法(v−1)および(v−2)に記
載のように、透明性およびロール剥離性評価を行った。
結果を表5に示す。
【0156】(実施例26)実施例21で得られた試料
(14)を15部としたこと以外は、実施例24と同様
にして塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた組成物
について、評価方法(v−1)および(v−2)に記載
のように、透明性およびロール剥離性評価を行った。結
果を表5に示す。
【0157】(比較例17)実施例21で得られた試料
(14)を25部としたこと以外は、実施例24と同様
にして塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた組成物
について、評価方法(v−1)および(v−2)に記載
のように、透明性およびロール剥離性評価を行った。結
果を表5に示す。
【0158】
【表5】
【0159】表5の結果より、熱可塑性樹脂100重量
部に対して、本発明の加工性改良剤の添加量が0.1〜
20重量部である場合には、得られた樹脂組成物は、良
好なロール剥離性を示し、そして透明性を損なうことも
ないことがわかる。
【0160】(実施例27)熱可塑性樹脂として後塩素
化塩化ビニル(CPVC)(耐熱カネビニールH−53
6(鐘淵化学工業社製))を用いたこと以外は、実施例
24と同様にして塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得ら
れた組成物について、評価方法(v−1)に記載のよう
に、ロール剥離性評価を行った。結果を表6に示す。
【0161】(実施例28)熱可塑性樹脂としてポリプ
ロピレン(PP)(ハイポールB−200(グランドポ
リマー社製))100部および加工性改良剤である実施
例21で得られた試料(14)1.0部を配合してブレ
ンドし、PP樹脂組成物を得た。得られた組成物につい
て、評価方法(v−1)に記載のように、ロール剥離性
評価を行った。結果を表6に示す。
【0162】(実施例29)熱可塑性樹脂としてポリエ
チレンテレフタラート(PET)(バイロペットEMC
307(東洋紡績社製))を用いたこと以外は、実施例
28と同様にしてPET樹脂組成物を得た。得られた組
成物について、評価方法(v−1)に記載のように、ロ
ール剥離性評価を行った。結果を表6に示す。
【0163】(実施例30)熱可塑性樹脂としてポリカ
ーボネート(PC)(レキサン141R−111(日本
ジーイープラスチックス(株)製))を用いたこと以外
は、実施例28と同様にしてPC樹脂組成物を得た。得
られた組成物について、評価方法(v−1)に記載のよ
うに、ロール剥離性評価を行った。結果を表6に示す。
【0164】(実施例31)熱可塑性樹脂としてポリス
チレン(PS)(スタイロンGPPS685(旭化成社
製))を用いたこと以外は、実施例28と同様にしてP
S樹脂組成物を得た。得られた組成物について、評価方
法(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価を行っ
た。結果を表6に示す。
【0165】(実施例32)熱可塑性樹脂としてポリメ
チルメタクリレート(PMMA)(パラペットG100
0((株)クラレ製))を用いたこと以外は、実施例2
8と同様にしてPMMA樹脂組成物を得た。得られた組
成物について、評価方法(v−1)に記載のように、ロ
ール剥離性評価を行った。結果を表6に示す。
【0166】(実施例33)熱可塑性樹脂としてABS
樹脂(ABS)(カネカMUH(鐘淵化学工業社製))
を用いたこと以外は、実施例28と同様にしてABS樹
脂組成物を得た。得られた組成物について、評価方法
(v−1)に記載のように、ロール剥離性評価を行っ
た。結果を表6に示す。
【0167】(実施例34)熱可塑性樹脂としてPVC
70部およびABS30部を用いたこと以外は、実施例
24と同様にして塩化ビニル−ABS樹脂組成物を得
た。得られた組成物について、評価方法(v−1)に記
載のように、ロール剥離性評価を行った。結果を表6に
示す。
【0168】
【表6】
【0169】表6には、参考のために、加工性改良剤を
含まない樹脂についての比較例4および6〜13の結果
も併記する。表6の結果より、本発明の加工性改良剤を
添加した場合には、熱可塑性樹脂100重量部に対して
1.0重量部という少量の添加で、いずれの熱可塑性樹
脂においても、良好なロール剥離性を有する熱可塑性樹
脂組成物が得られることがわかる。
【0170】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂用加工性改良剤を
用いると、熱可塑性樹脂が本来有する優れた物理的およ
び化学的特性を損なうことなく、加工性を向上させるこ
とができる。特に、カレンダ成形などの樹脂加工におい
て、高温金属面への粘着防止効果(すなわち、剥離性)
が飛躍的に向上する。さらに、プレートアウトが発生せ
ず、押出成形においては滑性の長期持続性が向上するた
め、長時間の押出を可能とする。また、本発明の熱可塑
性樹脂用加工性改良剤として、分子量の異なる共重合体
を複数組み合わせて用いてもよい。これにより、目的に
応じた加工性の改善が可能となる。
【0171】このように、本発明の熱可塑性樹脂用加工
性改良剤を含む熱可塑性樹脂組成物は、従来の熱可塑性
樹脂組成物と比較して高温金属表面からの剥離性が優れ
ており、長時間の加工を可能とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220:26) C08L 33:04 (C08L 101/00 33:04) (72)発明者 日色 知樹 大阪府摂津市鳥飼西5丁目1−1 鐘淵化 学工業株式会社内 (72)発明者 砂川 武宣 大阪府摂津市鳥飼西5丁目1−1 鐘淵化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB001 BC031 BD041 BG011 BG072 BN151 CF001 CG001 FD202 4J011 NA26 NB06 PA45 PA69 PC07 4J015 BA05 BA06 BA08 BA10 BA11 4J100 AB02R AB03R AB08R AL03P AL03R AL04P AL08Q AL09Q AM02R BC54 DA04 FA08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数1〜20のアルキル基を有するア
    ルキルアクリレート10〜99.9重量%、エステル結
    合の他に酸素原子を有する(メタ)アクリレート0.1
    〜10重量%、および該アルキルアクリレートおよび該
    (メタ)アクリレートに共重合可能な他のビニルモノマ
    ー0〜89.9重量%を含む単量体の共重合を行うこと
    により得られる共重合体でなる熱可塑性樹脂用加工性改
    良剤であって、 該共重合体のゲル透過クロマトグラフィー(GPC)測
    定により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
    (Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が
    1.5以下であり、そして重量平均分子量が1万〜30
    万である、熱可塑性樹脂用加工性改良剤。
  2. 【請求項2】 前記分子量分布(Mw/Mn)が1.3
    以下である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂用加工性改
    良剤。
  3. 【請求項3】 前記共重合が、分子内に2個のパーオキ
    シ基を有する有機過酸化物を重合開始剤として使用して
    行われる、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂用加
    工性改良剤。
  4. 【請求項4】 前記共重合が、ターシャリーブチルパー
    オキシ基を有する有機過酸化物を重合開始剤として使用
    して行われる、請求項1から3に記載の熱可塑性樹脂用
    加工性改良剤。
  5. 【請求項5】 前記重合開始剤が前記単量体100重量
    部に対して0.1〜5重量部の割合で使用される、請求
    項3または4記載の熱可塑性樹脂用加工性改良剤。
  6. 【請求項6】 前記エステル結合の他に酸素原子を有す
    る(メタ)アクリレートがエポキシ基含有(メタ)アク
    リレートである、請求項1から5のいずれかに記載の熱
    可塑性樹脂用加工性改良剤。
  7. 【請求項7】 前記エステル結合の他に酸素原子を有す
    る(メタ)アクリレートがヒドロキシ基含有(メタ)ア
    クリレートである、請求項1から5のいずれかに記載の
    熱可塑性樹脂用加工性改良剤。
  8. 【請求項8】 前記エステル結合の他に酸素原子を有す
    る(メタ)アクリレートがアルコキシ基含有(メタ)ア
    クリレートである、請求項1から5のいずれかに記載の
    熱可塑性樹脂用加工性改良剤。
  9. 【請求項9】 前記共重合体中に、一分子中に少なくと
    も一つのチオカルボニルチオ構造を有する重合体が50
    %以上存在する、請求項1から8のいずれかに記載の熱
    可塑性樹脂用加工性改良剤。
  10. 【請求項10】 前記一分子中に少なくとも一つのチオ
    カルボニルチオ構造を有する重合体が70%以上存在す
    る、請求項9に記載の熱可塑性樹脂用加工性改良剤。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂および請求項1から10
    のいずれかに記載の熱可塑性樹脂用加工性改良剤を含
    む、熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 前記熱可塑性樹脂100重量部に対し
    て、前記熱可塑性樹脂用加工性改良剤が0.1〜20重
    量部の割合で含有される、請求項11に記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 前記熱可塑性樹脂用加工性改良剤が、
    複数種の前記共重合体でなり、該複数種の共重合体のう
    ちの少なくとも2種の共重合体の重量平均分子量(M
    w)が1000以上異なる、請求項11または12に記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 前記熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹
    脂、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
    リカーボネート、メタクリル樹脂、またはABS樹脂で
    ある、請求項11から13のいずれかに記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
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