JP2017196853A - 切断工具及びサブベース - Google Patents

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博幸 斉藤
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Abstract

【課題】直角切時の操作性と傾斜切時の操作性を近づけることで作業性を向上させることができる切断工具及びサブベースの提供。【解決手段】ハウジング2と、ハウジング2内に収容されたモータ3と、上面でハウジング2を支持するベース6と、ベース6の底面6Aよりも下方に位置し前後方向に延びる傾動軸心Vを中心にベース6に対して傾動可能にハウジング2に支持されるとともにモータ3によって駆動され前方を切断方向として被切断材を切断する丸鋸刃5と、ベース6の底面6Aに着脱可能に固定され底面6Aに固定された固定状態において傾動軸心Vと上下方向における位置が一致する底面12Aを有するサブベース12と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、切断工具及びサブベースに関する。
従来より、被切断材に対して摺動させるベースと、モータを収容するハウジングと、ベースに対して傾動可能にハウジングに支持された切断刃と、を備え、ベースに対して切断刃を直角とした状態で被切断材を切断する直角切と、ベースに対して切断刃を傾動させた状態で被切断材を切断する傾斜切と、が可能な切断工具が知られている。また、このような切断工具において、被切断材を一直線に切断(直線切)する場合には、直線切補助部材が用いられる。
特許文献1には、直角切、傾斜切が可能な電動丸鋸が開示されており、特許文献2には、直線切補助部材を用いた直線切が可能な電動丸鋸及び直線切補助部材が開示されている。特許文献2の電動丸鋸においては、ベースの側壁を直線切補助部材の案内面に摺動させることで、直線切補助部材を用いた直線切を行う。特許文献1の電動丸鋸に特許文献2の直線切補助部材を適用して直線切を行う際に、特許文献1の傾斜機構によって本体をベースに対して傾斜させると、直線切補助部材の厚さ分切込位置が大きくずれてしまう。このような直線切補助部材使用時における切込位置のずれを抑制するためには、切断刃の傾動軸心をベース底面よりも下方に位置させ、傾動軸心を被切断材の上面に一致させる、すなわち、上下方向における傾動軸心の位置と直線切時における直線切補助部材の底面の位置とを一致させることが考えられる。
特開2002−264101号公報 特開2014−004723号公報
しかしながら、切断刃の傾動軸心をベース底面よりも下方に位置させた構成の切断工具においては、直線切補助部材を用いずに切断作業を行う場合、図15に示されているように、ベースBSの底面と被切断材Wの上面とが当接するため、切断刃BLの傾動軸心VAが被切断材Wの上面よりも下方となり、傾斜切時の切込位置P2が直角切時の切込位置P3からずれてしまう、すなわち、直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とが一致しなくなってしまう。このため、直線切補助部材を用いずに切断作業を行う場合の直角切時の操作性と傾斜切時の操作性とが異なり、作業性の悪化を招いていた。
そこで、本発明は、切断刃の傾動軸心をベース底面よりも下方に位置させた構成において、直線切補助部材を用いずに切断作業を行う場合の直角切時の操作性と傾斜切時の操作性を近づけることで作業性を向上させることができる切断工具及びサブベースを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明は、ハウジングと、該ハウジング内に収容されたモータと、上面で該ハウジングを支持するベースと、該ベースの底面よりも下方に位置し上下方向に直交する第1方向に延びる傾動軸心を中心に該ベースに対して傾動可能に該ハウジングに支持され、該モータによって駆動され該第1方向における一方の方向を切断方向として被切断材を切断する切断刃と、該ベースの該底面に着脱可能に固定され、該ベースの該底面に固定された固定状態において該傾動軸心と該上下方向における位置が一致する底面を有するサブベースと、を備えることを特徴とする切断工具を提供する。ここで、「上下方向における位置が一致する」とは、上下方向における傾動軸心の位置とサブベースの底面の位置とが完全に一致する場合だけでなく、略一致する場合(例えば、上下方向における傾動軸心の位置とサブベースの底面の位置とのずれが製造誤差の範囲内である場合)を含むものとする。
このような構成によると、直線切補助部材を用いずに切断作業を行う場合にサブベースをベースの底面に固定することで、直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とを一致させることができる。これにより、直線切補助部材を用いずに切断作業を行う場合の直線切時における直角切時の操作性と傾斜切時の操作性を近づけることができ、作業性を向上させることができる。
上記構成において、該サブベースは、該固定状態において該切断刃の鋸歯部の側面近傍に位置する刃口部を有することが好ましい。
このような構成によると、サブベースが刃口部を有しているため、被切断材の仕上面へのけば立ちを抑制することができる。これにより、切断作業の仕上げ程度を向上させることができる。
また、刃口部は、該固定状態において該切断刃の該鋸歯部の側面に当接することが好ましい。
このような構成によると、サブベースの刃口部が鋸歯部の側面に当接するため、被切断材の仕上面へのけば立ちをより抑制することができる。これにより、切断作業の仕上げ程度をより向上させることができる。
また、該サブベースは、該固定状態における該ベースとの相対位置を所定範囲内で調整可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によると、刃口部によるけば立ち抑制の効果を維持することができる。例えば、切断作業が繰り返し行われることで、刃口部が鋸歯部から離間する方向に後退した場合には、けば立ち抑制の効果が低下するが、上記構成によれば、固定状態におけるサブベースのベースに対する位置を刃口部が鋸歯部に近づく方向に後退した分だけ移動させることができる。これにより、刃口部が後退する前の良好なけば立ち抑制の効果を再び得ることができる。
また、該サブベースには、該サブベースを該上下方向に貫通し該第1方向及び該上下方向に直交する第2方向に延びる長孔が形成され、該ベースには、該ベースの該底面から上方に窪むネジ孔が形成され、該サブベースは、該長孔を介してネジ部材を該ベースの該ネジ孔に螺合させることで該ベースと固定されることが好ましい。
このような構成によると、ネジ部材のネジ孔に対する螺合を完全に解除することなく、単に、緩めるだけで固定状態におけるサブベースとベースとの相対位置を長孔の第2方向における寸法の範囲内で調整可能である。
また、該サブベースは、該刃口部を支持するサブベース本体をさらに有し、該刃口部は、該サブベース本体に対する相対位置を所定範囲内で調整可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によると、サブベース本体に対し刃口部のみを移動させることで刃口部によるけば立ち抑制の効果を維持することができる。
上記課題を解決するために本発明はさらに、ハウジングと、該ハウジング内に収容されたモータと、上面で該ハウジングを支持するベースと、該ベースの底面よりも下方に位置し上下方向に直交する第1方向に延びる傾動軸心を中心に該ベースに対して傾動可能に該ハウジングに支持され該モータによって駆動され該第1方向における一方の方向を切断方向として被切断材を切断する切断刃と、を備えた切断工具本体に着脱可能に固定されるサブベースであって、該ベースの該底面に固定された固定状態において該傾動軸心と上下方向における位置が一致する底面を有するサブベースを提供する。
上記構成において、該固定状態において該切断刃の鋸歯部の側面近傍に位置する刃口部を備えることが好ましい。
また、該刃口部は、該固定状態において該切断刃の該鋸歯部の側面に当接することが好ましい。
また、該固定状態における該ベースとの相対位置を所定範囲内で調整可能に構成されていることが好ましい。
また、該上下方向に貫通し該第1方向及び該上下方向に直交する第2方向に延びる長孔が形成され、該長孔を介してネジ部材を該ベースに形成されたネジ孔に螺合させることで該ベースに固定されることが好ましい。
また、該刃口部を支持するサブベース本体をさらに備え、該刃口部は、該サブベース本体に対する相対位置を所定範囲内で調整可能に構成されていることが好ましい。
本発明の作業工具によれば、切断刃の傾動軸心をベースの底面よりも下方に位置させた構成において、直線切補助部材を用いずに切断作業を行う場合の直角切時の操作性と傾斜切時の操作性を近づけ作業性を向上させることができる切断工具及びサブベースを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る電動丸鋸の外観を示す上方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸の工具本体の外観を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸の外観を示す下方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸のハウジング内部を示す部分断面後面図であり、ハウジングが第1傾動位置に位置している状態を示している。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸のハウジング内部を示す部分断面後面図であり、ハウジングが第2傾動位置に位置している状態を示している。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸のベースの底面を示す底面図である。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸の工具本体及び直線切補助部材を示す斜視図であり、工具本体のベースと直線切補助部材とが係合した状態を示している。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸の工具本体及び工具本体のベースに係合した直線切補助部材を示す部分断面後面図であり、ハウジングが第1傾動位置に位置している状態を示している。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸の工具本体及び工具本体のベースに係合した直線切補助部材を示す部分断面後面図であり、ハウジングが第2傾動位置に位置している状態を示している。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸の工具本体で直線切補助部材を用いて直線切を行う場合における直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とを示す部分拡大図である。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸のサブベースの外観を示す斜視図であり、(a)は上方から見た斜視図であり、(b)は下方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸のサブベースの外観を示す底面図である。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸の工具本体のベースに固定された状態のサブベースを示す底面図である。 本発明の実施の形態に係る電動丸鋸において、取付固定状態で切断作業を行う場合における直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とを示す部分拡大図である。 傾動軸心がベースよりも下方に位置する構成の従来の切断工具において、直線切補助部材を用いずに切断作業を行う場合における直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とを示す部分拡大図である。
本発明の実施の形態による切断工具について、図1〜図14を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態による切断工具の一例である電動丸鋸1の外観を示す上方から見た斜視図である。電動丸鋸1は、木材等の被切断材を切断する工具であり、直角切、傾斜切、直線切補助部材A(図7参照)を用いた直線切が可能に構成されている。以下の説明においては、図1中に示されている「前」を前方向、「後」を後方向、「上」を上方向、「下」を下方向、「右」を右方向、「左」を左方向と定義する。また、本明細書において寸法、数値等について「一致」といった場合には、完全に一致する場合だけでなく、略一致する場合(例えば、製造誤差の範囲内である場合)を含むものとする。なお、「同一」、「直交」、「平行」、「数値」等についても同様とする。
図1に示されているように、電動丸鋸1は、工具本体11とサブベース12とを備えている。
最初に、工具本体11について説明する。図1〜図3に示されているように、工具本体11は、ハウジング2、モータ3、動力伝達ギヤ部4、丸鋸刃5、ベース6及びベベルプレート部7を有しており、ベース6にはサブベース12がネジ止めにより着脱自在に固定可能(取付可能)である。また、ベース6には、直線切を行う場合に用いられる直線切補助部材Aが係合可能である。図2は、電動丸鋸1の工具本体11の外観を示す正面図であり、図3は、電動丸鋸1の外観を示す下方から見た斜視図である。工具本体11は、本発明における「切断工具本体」の一例である。
ハウジング2は、丸鋸刃5を回転可能に支持する本体ハウジング21と、ハンドル部22と、ソーカバー部23とを有している。また、ハウジング2は、ベベルプレート部7を介してベース6に支持されており、ベース6に対して傾動可能に構成されている。より詳細には、図4及び図5に示されているように、ハウジング2は、丸鋸刃5を支持した状態で、後面視において丸鋸刃5の右側面5Aのベース6の底面6Aに対する角度(刃角度)が直角(90°)となる第1傾動位置(図4)と、刃角度が45°となる第2傾動位置(図5)との間で傾動可能であり、且つ、第1傾動位置と第2傾動位置との間の任意の傾動位置でベース6に対して固定可能である。ユーザは、直角切を行う場合、ハウジング2を第1傾動位置に固定して切断作業を行い、傾斜切を行う場合には、第1傾動位置と第2傾動位置との間の任意の傾動位置でハウジング2をベース6に対して固定して切断作業を行う。図4及び図5は、ハウジング2内部を示す部分断面後面図であり、図4はハウジング2が第1傾動位置に位置している状態を示しており、図5はハウジング2が第2傾動位置に位置している状態を示している。また、図4及び図5において、破線で示された直線L1は、ベース6に取付けられたサブベース12の底面12A(後述)の上下方向における位置を示している。
本体ハウジング21は、例えば、樹脂製であり、モータ3及び動力伝達ギヤ部4の一部を収容している。また、本体ハウジング21の後部からは、商用交流電源に接続可能なプラグ部を有する電源コード21Aが後方に延出している。電源コード21Aは、本体ハウジング21の内部においてモータ3に電気的に接続されており、電源コード21Aのプラグ部を商用交流電源に接続することで、モータ3への電力供給が可能な状態となる。
図4に示されているように、モータ3は、ブラシ付モータであり、回転軸3Aを有している。モータ3は、ハウジング2が第1傾動位置に位置する状態で回転軸3Aが左右方向に延びるように本体ハウジング21の内部に収容されている。回転軸3Aは、本体ハウジング21に回転可能に支承されており、回転軸3Aの右端部には、ピニオンギヤ3Bが設けられている。また、ピニオンギヤ3Bの後方には、ハウジング2内に冷却風を発生されるファンが回転軸3Aと同軸一体回転するように設けられている。
動力伝達ギヤ部4は、回転軸3Aのピニオンギヤ3Bの下方に設けられており、軸部4Aと、平歯車4Bと、取付部4Cとを有している。軸部4Aは、回転軸3Aと略平行に延びており、本体ハウジング21に回転可能に支承されている。軸部4Aの右端部は、本体ハウジング21から右方に突出している。平歯車4Bは、軸部4Aの左部に軸部4Aと同軸一体回転するように固定されており、回転軸3Aのピニオンギヤ3Bと噛合している。取付部4Cは、軸部4Aの右端部に軸部4Aと同軸一体回転するよう固定されており、丸鋸刃5を着脱自在に取付可能に構成されている。
図1乃至図4に示されているように、丸鋸刃5は、円板形状をなしており、被切断材を切断するための鋸歯部5Bを有している。鋸歯部5Bは、丸鋸刃5の外周縁部に所定の間隔を持って形成されており、鋸歯部5Bの厚み(左右方向の寸法)は、丸鋸刃5の基部の厚みよりも大きく構成されている。丸鋸刃5の右側面5Aは、取付部4Cに取付けられた状態で、軸部4Aの延出方向と直交している。丸鋸刃5は、本発明における「切断刃」の一例である。
図1に示されているように、ハンドル部22は、本体ハウジング21の上方において本体ハウジング21の前部と後部とを繋ぐように延びている。ハンドル部22は、ユーザが電動丸鋸1を使用する際に把持する部分であり、モータ3を駆動させるためのトリガスイッチ22Aが設けられている。ユーザによってトリガスイッチ22Aが操作された場合、電源コード21Aを介してモータ3に商用交流電源の電力が供給され、モータ3が駆動する。モータ3が駆動すると、モータ3の回転軸3Aの回転し、当該回転が平歯車4Bに伝達され、軸部4A、平歯車4B及び取付部4Cが一体に回転し、取付部4Cに取付けられた丸鋸刃5が右側面視において反時計回りに回転する。当該丸鋸刃5を回転により、切断作業が可能となる。
図1及び図3に示すように、ソーカバー部23は、例えば、金属製であり、本体ハウジング21の右部と接続されている。ソーカバー部23は、カバー本体23A及び保護カバー23Bを備えている。カバー本体23Aは、丸鋸刃5の外縁に沿った側面視円弧形状をなしており、丸鋸刃5の上部を覆っている。保護カバー23Bは、例えば、樹脂製であり、カバー本体23Aの後部に丸鋸刃5の外縁に沿って回動可能に設けられている。カバー本体23Aと保護カバー23Bとの間には図示せぬ付勢部材が設けられている。付勢部材は、右側面視において保護カバー23Bを反時計回り方向に付勢しており、切断作業を行っていない状態において、保護カバー23Bは、丸鋸刃5の前部を除いて、下部を覆っている。
図1〜図3及び図6に示されているように、ベース6は、例えば、アルミ等の金属製であり、底面視において前後方向を長手方向とする略矩形状をなしている。図6は、ベース6の底面6Aを示す底面図である。
図6に示されているように、ベース6には、鋸刃挿通孔6aと、長溝6bと、第1雌ネジ孔6cと、第2雌ネジ孔6dと、第3雌ネジ孔6eと、第4雌ネジ孔6fとが形成されている。鋸刃挿通孔6aは、ベース6の右部において前後方向に延び上下方向に貫通する孔である。鋸刃挿通孔6aには、丸鋸刃5の下部が挿通されており、丸鋸刃5の下部は、正面視において、ベース6の底面6Aよりも下方に突出している。長溝6bは、直線切を行う場合に用いられる直線切補助部材Aのレール部A2(後述)を係合させるための溝であり、ベース6の底面6Aから上方に窪み且つ底面6Aの切断方向における両端に亘って延びている。第1雌ネジ孔6c、第2雌ネジ孔6d、第3雌ネジ孔6e、及び、第4雌ネジ孔6fは、ベース6の底面6Aから上方に窪む底面視略円形状の雌ネジ孔であり、それぞれの寸法は同一に構成されている。第1雌ネジ孔6cはベース6の前部左部に、第2雌ネジ孔6dは前部右部に、第3雌ネジ孔6eは後部左部に、第4雌ネジ孔6fは後部右部に形成されている。第1雌ネジ孔6c、第2雌ネジ孔6d、第3雌ネジ孔6e及び第4雌ネジ孔6fはそれぞれ、本発明における「ネジ孔」の一例である。
図1及び図2に示されているように、ベベルプレート部7は、第1ベベルプレート部71及び第2ベベルプレート部72を備えている。ベベルプレート部7は、ハウジング2をベース6に対して傾動させるための機構である。言い換えれば、ベベルプレート部7は、ベース6に対して丸鋸刃5を傾動させて丸鋸刃5の右側面5Aのベース6の底面6Aに対する角度(以下、「刃角度」という)を変更するための機構である。
図1に示されているように、第1ベベルプレート部71は、第1ベベルプレート71Aと、ノブ71Bと、移動部材71Cと、アーム部材71Dと、前後方向に延びる雄ネジ部材71Eを備えている。
第1ベベルプレート71Aは、正面視略扇形状をなしており、ソーカバー部23の前方においてベース6の上面に固定されている。第1ベベルプレート71Aには、円弧孔71a及び円弧溝71bが形成されている。円弧孔71aは、第1ベベルプレート71Aを前後方向に貫通する孔であり、図2に示されている点Cを中心とした円弧状に形成されている、言い換えれば、点Cを中心とした円C1の円周に沿って延びるように形成されている。円弧溝71bは、第1ベベルプレート71Aの後面から前方に窪む溝であり、円弧孔71aの半径方向外方において、点Cを中心とした円弧状に第1ベベルプレート71Aの後面の右端から左方に延びている。
点Cは、ハウジング2のベース6に対する傾動(丸鋸刃5のベース6に対する傾動)の中心となる前後方向に延びる仮想の傾動軸心Vが通過する点であり、正面視において丸鋸刃5と重なり且つベース6の底面6Aの下方に位置している。より詳細には、点C(傾動軸心V)の上下方向における位置は、直線切補助部材Aを用いて直線切を行う場合すなわち直線切補助部材Aとベース6とを係合させた状態における直線切補助部材Aの板状部A1(後述)の底面と一致している。これにより、直線切補助部材Aを用いた直線切を行う場合における傾斜切時の切込位置と直角切時の切込位置とを一致させることができる。直線切補助部材Aを用いた直線切を行う場合における傾斜切時の切込位置及び直角切時の切込位置については、後述する。なお、本実施の形態においては、ベース6の底面6Aと点C(傾動軸心V)との距離は、4mmである。前後方向は、本発明における「第1方向」の一例である。
移動部材71Cは、正面視略扇形状をなす板状の部材であり、第1ベベルプレート71Aの後方に設けられている。移動部材71Cは、円弧凸部71Fを有している。円弧凸部71Fは、移動部材71Cの前面から前方に突出しており、正面視において第1ベベルプレート71Aの円弧溝71bと略同一形状なしており、第1ベベルプレート71Aの円弧溝71bに係合している。当該係合により、円弧凸部71Fの第1ベベルプレート71Aに対する円C1の径方向外方及び内方へ移動は規制されており、円C1の円周方向の移動のみが許容されている。また、移動部材71Cには、移動部材71Cを前後方向に貫通する正面視略円形状の図示せぬ挿通孔が形成されている。挿通孔は、雄ネジ部材71Eを挿通させるための孔であり、ハウジング2が第1傾動位置に位置する状態(図2に示されている状態)において、移動部材71Cの第1ベベルプレート71Aの円弧孔71aの左端部に対応する位置に形成されている。
アーム部材71Dは、前後方向に延びる金属製の部材であり、アーム部材71Dの前端は、移動部材71Cの後面の右端部に固定されており、後端部は、ハウジング2のソーカバー部23にネジ止めされている。これにより、移動部材71Cと、アーム部材71Dと、ハウジング2とは、円C1の円周方向に関して、互いに相対移動不能となっている。
図1及び図2に示されているように、ノブ71Bは、円柱部と、円柱部の円周面から円柱部の半径方向外方に延びる延出部と、雄ネジとを有している。円柱部の内部には、六角ナットが配置されており、円柱部の前面部には図示せぬ孔が形成されている。雄ネジは、当該孔を介して六角ナットと螺合している。これにより、六角ナットは、円柱部に対して相対移動不能に固定されている。
また、ノブ71Bの円柱部(六角ナット)は、移動部材71Cの図示せぬ挿通孔及び第1ベベルプレート71Aの円弧孔71aに後方から挿通され且つ移動部材71Cに固定さた雄ネジ部材71Eの前端部と螺合している。当該螺合状態において、ノブ71Bは、第1回動位置(図2の実線)と第2回動位置(図2の破線)との間を雄ネジ部材71Eに対して回動可能に構成されている。ノブ71Bが第1回動位置に位置する状態においては、移動部材71C及び第1ベベルプレート71Aが雄ネジ部材71Eのネジ頭とノブ71Bの円柱部とによって挟み込まれ、移動部材71Cは、第1ベベルプレート71Aに固定される。
一方、ノブ71Bの円柱部と雄ネジ部材71Eとの螺合を解除する方向(図2において反時計回り)にノブ71Bを回動させ、ノブ71Bを第1回動位置から第2回動位置まで回動させた状態においては、移動部材71Cと第1ベベルプレート71Aとの面圧が減少し、移動部材71Cの第1ベベルプレート71Aに対する固定が解除される。このため、ノブ71Bが第2回動位置に位置している状態において、移動部材71Cは、円C1の円周方向に移動可能となる。なお、移動部材71Cの当該円周方向における移動可能範囲は、移動部材71Cに固定された雄ネジ部材71Eの円弧孔71a内に挿通された部分が円弧孔71a内を移動可能な範囲で決定される。
図1に示されているように、第2ベベルプレート部72は、第2ベベルプレート72A及び支持部材72Bを有している。第2ベベルプレート72Aは、正面視略扇形状をなしており、ソーカバー部23の後方においてベース6の上面に固定されている。第2ベベルプレート72Aには、円弧孔72aが形成されている。円弧孔72aは、第1ベベルプレート71Aの円弧孔71aと正面視において同一形状に形成されている。支持部材72Bは、ストッパ部とストッパ部の前面から前方に延びるピン部とを有している。支持部材72Bのピン部は、後方から円弧孔72aに挿通されており、ピン部の前端は、ソーカバー部23の後部に固定されている。
ここで、刃角度の変更について説明する。刃角度を変更する場合には、まず、ノブ71Bを第1回動位置から第2回動位置まで回動させて移動部材71Cの第1ベベルプレート71Aに対する固定を解除する。次に、当該固定を解除した状態で、ベース6に対してハウジング2を正面視(図2)において反時計回りに傾動させる。
ハウジング2をベース6に対して傾動させると、移動部材71Cの円弧凸部71Fと第1ベベルプレート71Aの円弧溝71bとの係合により、アーム部材71Dを介してハウジング2に接続された移動部材71Cが円弧溝71bにガイドされながら円C1の円周方向における正面視反時計回りに移動する。これにより、点Cを通り前後方向に延びる傾動軸心V(仮想軸)を中心として、ハウジング2と、丸鋸刃5と、第1ベベルプレート部71の移動部材71C、アーム部材71D、雄ネジ部材71E及びノブ71Bと、第2ベベルプレート部72の支持部材72Bが一体に傾動する。
そして、刃角度が任意の角度となるまでハウジング2(ハウジング2に支持された丸鋸刃5)をベース6に対して傾動させた後、ノブ71Bを第2回動位置から第1回動位置まで回動させて移動部材71Cを第1ベベルプレート71Aに対して固定し、ハウジング2をベース6に対して固定する。これにより、刃角度がベース6に対して任意の角度に固定され、当該任意の角度で傾斜切を行うことが可能となる。なお、本実施の形態においては、刃角度の変更可能範囲は、移動部材71Cの移動範囲で決定され、具体的には、直角(第1傾動位置)から45°(第2傾動位置)の範囲である。
次に、サブベース12の説明を行う前に、直線切に用いられる直線切補助部材Aについて、図7〜図10を参照しながら説明する。図7は、工具本体11及び直線切補助部材Aを示す斜視図であり、工具本体11のベース6と直線切補助部材Aとが係合した状態を示している。図8及び図9は、工具本体11及び工具本体11のベース6に係合した直線切補助部材Aを示す部分断面後面図であり、図8はハウジング2が第1傾動位置に位置している状態(直角切時)を示しており、図9はハウジング2が第2傾動位置に位置している状態(傾斜切時)を示している。図10は、直線切補助部材Aを用いた直線切を行う場合における直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とを示す部分拡大図である。なお、図10においては、直角切時における丸鋸刃5を実線で示し、傾斜切時における丸鋸刃5を破線で示している。また、図8〜10において、破線で示された直線L2は、板状部A1の底面の上下方向における位置を示している。
図7に示されているように、直線切補助部材Aは、直線切を行う場合に用いる部材であり、前後方向に延びる板状部A1と、板状部A1の上面から上方に突出し前後方向に一直線に延びるレール部A2とを備えている。また、図8及び図9に示されているように、板状部A1は、ベース6の長溝6bにレール部A2を係合させた状態(以下、「係合状態」という)で、丸鋸刃5の鋸歯部5Bの左側面近傍に位置し、被切断材Wの仕上面へのけば立ちを抑制する刃口板部A3を有している。
直線切補助部材Aを用いて直線切を行う場合には、工具本体11のベース6からサブベース12を取外し、被切断材Wの上面に載置した直線切補助部材Aのレール部A2とベース6の長溝6bとを係合させる。そして、当該係合状態で、ハンドル部22を把持し、トリガスイッチ22Aを操作して丸鋸刃5を回転させ、工具本体11を前方(切断方向)に移動させる、すなわち、ベース6の底面6Aを板状部A1の上面に対して前方に摺動させる。工具本体11を前方に移動させると、レール部A2と長溝6bとの係合により、工具本体11は、前方に一直線に案内されながら、被切断材Wが一直線に切断される。
ここで、係合状態における直線切補助部材A(板状部A1)の底面と傾動軸心Vとの位置関係について説明する。図8〜図10に示されているように、係合状態において、傾動軸心Vの上下方向における位置は、上述したように板状部A1の底面の上下方向における位置と一致しており、正面視で丸鋸刃5と重なっている。すなわち、直線切補助部材Aを用いて直線切を行う場合、丸鋸刃5の傾動軸心Vは、被切断材Wの上面に位置している。このため、刃角度を変更可能範囲(直角から45°までの範囲)内で変化させた場合、変更可能範囲内のどのような角度においても、被切断材Wに対する切込位置は図10に示されている切込位置P1から変化しない。すなわち、刃角度の変更によって切込位置が変化しない。さらに言い換えれば、刃角度の変更可能範囲内のいずれの角度においても、係合状態における直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とが一致している。さらに言い換えれば、また、係合状態における直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とが一致しているため、図8及び図9に示されているように、丸鋸刃5の鋸歯部5Bと刃口板部A3との距離が直角切時と傾斜切時とで変化しない。これにより、刃口板部A3によるけば立ち抑制の効果を直角切時と当該傾斜切時と同一とすることができる。
次に、サブベース12について説明する。図3、及び、図11〜図13に示されているように、サブベース12は、前後方向を長手方向とする矩形状をなす板状部材であり、例えば、アルミ等の金属製であり、底面12Aにはフッ素メッキが施されている。サブベース12は、工具本体11のベース6にネジ止めにより着脱自在に固定可能である。図11は、サブベース12の外観を示す斜視図であり、(a)は上方から見た斜視図であり、(b)は下方から見た斜視図である。図12は、サブベース12の外観を示す底面図である。図13は、工具本体11のベース6に固定された状態のサブベース12を示す底面図である。以下、説明の便宜上、サブベース12が工具本体11のベース6に固定された状態を「取付固定状態」という。なお、取付固定状態は、本発明における「固定状態」の一例である。
図11及び図12に示されているように、サブベース12には、鋸刃挿通孔12a、第1長孔12b、第2長孔12c、第3長孔12d及び第4長孔12eが形成されており、取付固定状態におけるベース6との相対位置を所定範囲内で調整可能に構成されている。
鋸刃挿通孔12aは、鋸刃挿通孔6aと連通して丸鋸刃5の下部を挿通させるための孔であり、サブベース12を上下方向に貫通し前後方向に延びている。丸鋸刃5の下部は、取付固定状態においては、鋸刃挿通孔12aに挿通され、サブベース12の底面12Aから下方に突出する。
図12に示されているように、鋸刃挿通孔12aは、前後方向に延びる第1縁部12Bと、第1縁部12Bの後端部から左方向に延びる第2縁部12Cと、第1縁部12Bの前端部から左方向に延び第2縁部12Cよりも短い第3縁部12Dと、第2縁部12Cの左端部から前方に延びる第4縁部12Eと、第3縁部12Dの左端部から後方に延びる刃口縁部12Fと、刃口縁部12Fの後端部と第4縁部12Eの前端部とを接続する接続縁部12Gとにより規定されている。
刃口縁部12Fは、取付固定状態において丸鋸刃5の鋸歯部5Bの左側面近傍に位置する部分である。刃口縁部12Fによって、被切断材の仕上面へのけば立ちが防止され、切断作業の仕上げ程度が良好となる。刃口縁部12Fは、本発明における「刃口部」の一例である。
第1長孔12b、第2長孔12c、第3長孔12d及び第4長孔12eは、サブベース12をベース6にネジ止めするための雄ネジ12H(図13参照)のネジ山部を挿通させるための孔であり、上下方向に貫通するとともに左右方向に延びている。なお、第1長孔12b、第2長孔12c、第3長孔12d及び第4長孔12eの形状及び寸法はすべて同一である。第1長孔12bの左右方向の長さは、ベース6の第1雌ネジ孔6cの左右方向の長さよりも長く構成されており、前後方向の長さは略同一に構成されている。また、第1長孔12b、第2長孔12c、第3長孔12d及び第4長孔12eのそれぞれの周りには、サブベース12の底面12Aから上方に窪んだ窪み部が形成されている。当該窪み部は、取付固定状態において、雄ネジ12Hのネジ頭を収容可能である。このため、当該窪み部によって、取付固定状態においてサブベース12のベース6への固定に使用された雄ネジ12Hのネジ頭が底面12Aよりも下方に突出することが防止される。第1長孔12b、第2長孔12c、第3長孔12d及び第4長孔12eはそれぞれ、本発明における「長孔」の一例である。また、左右方向は、本発明における「第2方向」の一例である。
第1長孔12b、第2長孔12c、第3長孔12d及び第4長孔12eは、それぞれ、サブベース12の前部左部、前部右部、後部左部、後部右部において、ベース6の第1雌ネジ孔6c、第2雌ネジ孔6d、第3雌ネジ孔6e及び第4雌ネジ孔6fに対応する位置に形成されている。より具体的には、刃口縁部12Fが丸鋸刃5の鋸歯部5Bの左側面近傍に位置している状態(図3及び図13の状態)において、第1長孔12bの右端とベース6の第1雌ネジ孔6cの右端とが一致し、第2長孔12cの右端とベース6の第2雌ネジ孔6dの右端とが一致し、第3長孔12dの右端とベース6の第3雌ネジ孔6eの右端とが一致し、第4長孔12eの右端とベース6の第4雌ネジ孔6fの右端とが一致している。なお、本実施の形態においては、図3及び図13の状態において、刃口縁部12Fは、丸鋸刃5の鋸歯部5Bの左側面に実質的に当接している。しかし、これに限定されず、けば立ちを抑制できる程度に刃口縁部12Fと鋸歯部5Bが近接する構成であればよく、図3及び図13の状態において、刃口縁部12Fが鋸歯部5Bの左側面から僅かに離間している構成であってもよい。なお、ここでは、刃口縁部12Fが鋸歯部5Bの左側面に接触する程度に近接している状態を「実質的に当接している」と表現している。
ここで、サブベース12のベース6に対する固定、及び、取付固定状態におけるサブベース12とベース6との相対位置を調整について説明する。
サブベース12のベース6(底面6A)に対する固定は、4つの雄ネジ12Hを用いて行われる。具体的には、サブベース12の上面とベース6の底面6Aとを接触させた状態で、第1長孔12bを介して雄ネジ12Hをベース6の第1雌ネジ孔6cに、第2長孔12cを介して雄ネジ12Hをベース6の第2雌ネジ孔6dに、第3長孔12dを介して雄ネジ12Hをベース6の第3雌ネジ孔6eに、第4長孔12eを介して雄ネジ12Hをベース6の第4雌ネジ孔6fに螺合させて締付ける。これにより、サブベース12をベース6に固定することができる。雄ネジ12Hは、本発明における「ネジ部材」の一例である。
取付固定状態におけるサブベース12とベース6との相対位置を調整する場合には、固定に使用された4つの雄ネジ12Hのすべてを緩め、ベース6に対してサブベース12を左右方向の任意の方向に移動させ、任意の位置で4つの雄ネジ12Hのすべてを再び締付け直すことで取付固定状態におけるサブベース12とベース6との相対位置を調整することができる。当該相対位置の調整範囲は、図13に示されているベース6に対するサブベース12の位置から第1長孔12bの左右方向の寸法分だけサブベース12をベース6に対して右方に移動させた位置までの間で調整可能である。サブベース12の前後及び左右方向の寸法はベース6よりも小さく形成され、取付位置が調整可能な範囲でベース6の領域から前後及び左右方向に突出しないようになっている。このため、作業に必要な領域(被切断材Wの面積等)がサブベース12の装着に伴い増加することが無く、作業性への影響を抑制できる。
なお、当該相対位置の調整は、主に、刃口縁部12Fが切断作業を繰り返すことにより丸鋸刃5の鋸歯部5Bによって削られ左方に後退してしまった場合に行われる。例えば、図13の状態から刃口縁部12Fが左方に後退した場合には、刃口縁部12Fによるけば立ち抑制の効果が低下する。このような場合に、図13の状態からサブベース12のベース6に対する位置を右方に移動させ、刃口縁部12Fと丸鋸刃5の鋸歯部5Bとの離間距離を後退した分だけ詰めて刃口縁部12Fと鋸歯部5Bとを再び当接、又は、僅かに離間した状態とすることで、後退前の良好なけば立ち抑制の効果を再び得ることができる。
サブベース12を用いて切断作業を行う場合には、工具本体11のベース6にサブベース12を固定し、ハンドル部22を把持し、トリガスイッチ22Aを操作して丸鋸刃5を回転させる。そして、被切断材の端部上面にサブベース12の底面12Aの前部を当接させ、電動丸鋸1(工具本体11及びサブベース12)を前方(切断方向)に移動させる、すなわち、サブベース12の底面12Aを被切断材の上面に対して前方(切断方向)に摺動させる。工具本体11を前方に移動させると、回転中の丸鋸刃5の鋸歯部5Bによって、被切断材が切断される。なお、サブベース12を用いずに切断作業を行うことも可能であり、この場合には、工具本体11のベース6の底面6Aを被切断材の上面に当接させ、底面6Aを被切断材の上面に対して切断方向に摺動させることで切断作業を行う。
ここで、サブベース12の厚さ(上下方向の寸法)及び取付固定状態におけるサブベース12の底面12Aと傾動軸心Vの位置関係について説明する。図14は、取付固定状態で切断作業を行う場合における直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とを示す部分拡大図である。なお、図14においては、直角切時における丸鋸刃5を実線で示し、傾斜切時における丸鋸刃5を破線で示している。また、図14において、破線で示された直線L1は、サブベース12の底面12Aの上下方向における位置を示している。
図4、図5及び図14に示されているように、サブベース12の厚さは、ベース6の底面6Aと傾動軸心Vとの離間距離と同一に構成されており、本実施の形態においては4mmである。このため、取付固定状態において、サブベース12の底面12Aと傾動軸心Vとが上下方向において一致している。このため、取付固定状態で切断作業を行う場合(サブベース12を用いて切断作業を行う場合)、上述した直線切補助部材Aを用いて直線切を行う場合と同様に、丸鋸刃5の傾動軸心Vは被切断材の上面に位置する。これにより、サブベース12を用いて切断作業を行う場合においても、刃角度の変更によって被切断材に対する切込位置は図14に示されている切込位置P1から変化しない。すなわち、サブベース12を用いた切断作業においても、直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とが一致している。また、サブベース12を用いて切断作業を行う場合の直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とが一致しているため、図4及び図5に示されているように、丸鋸刃5の鋸歯部5Bと刃口縁部12Fとの距離が直角切時と傾斜切時とで変化しない。これにより、刃口縁部12Fによるけば立ち抑制の効果を直角切時と傾斜切時とで同一とすることができる。
このように、本発明の実施の形態による電動丸鋸1においては、ハウジング2と、ハウジング2内に収容されたモータ3と、上面でハウジング2を支持するベース6と、ベース6の底面6Aよりも下方に位置し前後方向に延びる傾動軸心Vを中心にベース6に対して傾動可能にハウジング2に支持されるとともにモータ3によって駆動され前方向を切断方向として被切断材を切断する丸鋸刃5と、ベース6の底面6Aに着脱可能に固定されベース6の底面6Aに固定された取付固定状態において傾動軸心Vと上下方向における位置が一致する底面12Aを有するサブベース12と、を備えている。
このような構成によると、丸鋸刃5の傾動軸心Vをベース6の底面6Aよりも下方に位置させた構成において直線切補助部材Aを用いずに切断作業を行う場合に、サブベース12をベース6の底面6Aに固定することで、直角切時の切込位置と傾斜切時の切込位置とを一致させることができる。これにより、直線切補助部材Aを用いずに切断作業を行う場合の直線切時における直角切時の操作性と傾斜切時の操作性を近づけることができ、作業性を向上させることができる。
また、本実施の形態における電動丸鋸1のサブベース12は、取付固定状態において丸鋸刃5の鋸歯部5Bの側面近傍に位置する刃口縁部12Fを有しているため、被切断材の仕上面へのけば立ちを抑制することができる。これにより、切断作業の仕上げ程度を向上させることができる。
また、電動丸鋸1においては、サブベース12の刃口縁部12Fは、取付固定状態において丸鋸刃5の鋸歯部5Bの側面に実質的に当接している。これにより、被切断材の仕上面へのけば立ちをより抑制することができ、切断作業の仕上げ程度をより向上させることができる。
また、サブベース12の底面12Aには、フッ素メッキが施されており、作業時の底面12Aと被切断材との摩擦抵抗を減らすことができる。これにより、円滑な切断作業を行うことができる。
また、本実施の形態においてサブベース12は、取付固定状態におけるベース6との相対位置を所定範囲内(第1長孔12bの左右方向長)で調整可能に構成されている。これにより、刃口縁部12Fによるけば立ち抑制の効果を維持することができる。例えば、切断作業が繰り返し行われることで、刃口縁部12Fが鋸歯部5Bから離間する方向に後退した場合には、けば立ち抑制の効果が低下するが、上記構成によれば、取付固定状態におけるサブベース12のベース6に対する位置を刃口縁部12Fが鋸歯部5Bに近づく方向に後退した分だけ移動させることができる。これにより、刃口縁部12Fが後退する前の良好なけば立ち抑制の効果を再び得ることができる。
また、本実施の形態による電動丸鋸1においては、4つの雄ネジ12Hをそれぞれ、サブベース12の第1長孔12bを介してベース6の第1雌ネジ孔6cに、第2長孔12cを介して第2雌ネジ孔6dに、第3長孔12dを介して第3雌ネジ孔6eに、第4長孔12eを介して第4雌ネジ孔6fに螺合させることでサブベース12とベース6とを固定する構成である。このため、取付固定状態におけるサブベース12とベース6との相対位置は、雄ネジ12Hの螺合を完全に解除することなく、単に、緩めるだけで第1長孔12bの左右方向における寸法の範囲内で調整可能となる。
なお、本発明の切断工具は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本実施の形態においては切断工具の一例としての電動丸鋸1についての説明を行ったが、これに限らず、ジグソー等のベースを備えベースに対して切断刃が傾動する構成の切断工具であれば本発明を適用することができる。
また、上記実施形態における電動丸鋸1の傾動軸心Vは、サブベース12の底面12Aと重なる(一致する)ように構成されたが、この形態に限定されず、上下方向においてサブベース12の底面12Aと重なる鋸歯部5Bがハウジング2の傾動時において左右方向に移動する量を減少させることができれば直線切補助部材Aを用いずに切断作業を行う場合の直線切時における直角切時の操作性と傾斜切時の操作性を近づけることができる。
また、上記実施形態における電動丸鋸1のサブベース12の刃口縁部12Fは、サブベース12の鋸刃挿通孔12aを規定する縁部として構成されていたが、これに限られず、サブベースは、サブベース本体とサブベース本体に支持された刃口部とを有し、刃口部のサブベース本体に対する相対位置を所定範囲内で調整可能に構成してもよい。この場合、サブベース本体に対し刃口部のみを移動させることで刃口部によるけば立ち抑制の効果を維持することができる。
また、サブベースの素材は金属製に限られず、樹脂製であっても良い。その場合には潤滑加工としてフッ素メッキではなく、潤滑剤を底面に塗布することで作業時の摩擦抵抗を減らす構成としても良い。
また、サブベースの固定方法はネジ止めに限られず、例えば爪係合や、サブベースとベースとを可剥性の接着剤等によってベースに固定する方法であっても良い。この場合、工具を必要とせずに装着可能とすることができる。
1…電動丸鋸 2…ハウジング 3…モータ 4…動力伝達ギヤ部 5…丸鋸刃 5A…右側面 5B…鋸歯部 6…ベース 6A…底面 6c…第1雌ネジ孔 6d…第2雌ネジ孔 6e…第3雌ネジ孔 6f…第4雌ネジ孔 7…ベベルプレート部 11…工具本体 12…サブベース 12A…底面 12b…第1長孔 12B…第1縁部 12c…第2長孔 12C…第2縁部 12d…第3長孔 12F…刃口縁部 21…本体ハウジング 22…ハンドル部 23…ソーカバー部 A…直線切補助部材 C…点 C1…円 V…傾動軸心

Claims (12)

  1. ハウジングと、
    該ハウジング内に収容されたモータと、
    上面で該ハウジングを支持するベースと、
    該ベースの底面よりも下方に位置し上下方向に直交する第1方向に延びる傾動軸心を中心に該ベースに対して傾動可能に該ハウジングに支持され、該モータによって駆動され該第1方向における一方の方向を切断方向として被切断材を切断する切断刃と、
    該ベースの該底面に着脱可能に固定され、該ベースの該底面に固定された固定状態において該傾動軸心と該上下方向における位置が一致する底面を有するサブベースと、を備えることを特徴とする切断工具。
  2. 該サブベースは、該固定状態において該切断刃の鋸歯部の側面近傍に位置する刃口部を有することを特徴とする請求項1に記載の切断工具。
  3. 刃口部は、該固定状態において該切断刃の該鋸歯部の側面に当接することを特徴とする請求項2に記載の切断工具。
  4. 該サブベースは、該固定状態における該ベースとの相対位置を所定範囲内で調整可能に構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の切断工具。
  5. 該サブベースには、該サブベースを該上下方向に貫通し該第1方向及び該上下方向に直交する第2方向に延びる長孔が形成され、
    該ベースには、該ベースの該底面から上方に窪むネジ孔が形成され、
    該サブベースは、該長孔を介してネジ部材を該ベースの該ネジ孔に螺合させることで該ベースと固定されることを特徴とする請求項4に記載の切断工具。
  6. 該サブベースは、該刃口部を支持するサブベース本体をさらに有し、
    該刃口部は、該サブベース本体に対する相対位置を所定範囲内で調整可能に構成されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の切断工具。
  7. ハウジングと、該ハウジング内に収容されたモータと、上面で該ハウジングを支持するベースと、該ベースの底面よりも下方に位置し上下方向に直交する第1方向に延びる傾動軸心を中心に該ベースに対して傾動可能に該ハウジングに支持され該モータによって駆動され該第1方向における一方の方向を切断方向として被切断材を切断する切断刃と、を備えた切断工具本体に着脱可能に固定されるサブベースであって、
    該ベースの該底面に固定された固定状態において該傾動軸心と上下方向における位置が一致する底面を有するサブベース。
  8. 該固定状態において該切断刃の鋸歯部の側面近傍に位置する刃口部を備えることを特徴とする請求項7に記載のサブベース。
  9. 該刃口部は、該固定状態において該切断刃の該鋸歯部の側面に当接することを特徴とする請求項8に記載のサブベース。
  10. 該固定状態における該ベースとの相対位置を所定範囲内で調整可能に構成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載のサブベース。
  11. 該上下方向に貫通し該第1方向及び該上下方向に直交する第2方向に延びる長孔が形成され、
    該長孔を介してネジ部材を該ベースに形成されたネジ孔に螺合させることで該ベースに固定されることを特徴とする請求項10に記載のサブベース。
  12. 該刃口部を支持するサブベース本体をさらに備え、
    該刃口部は、該サブベース本体に対する相対位置を所定範囲内で調整可能に構成されていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のサブベース。
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