JP2017193460A - ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】紡糸可能な程度に高いガラス安定性と、高屈折率とを有するガラスの提供。【解決手段】本発明のガラスは、酸化物基準の質量%表示で、SiO2:10.0%以上35.0%未満、B2O3:4.0%超25.0%以下、Y2O3:6.0%以上20.0%以下、La2O3:15.0%超27.0%未満、BaO:10.0%超40.0%以下、ZnO:5.0%以上11.0%未満、であり、Al2O3:0%以上13.0%以下、MgO:0%以上8.0%以下、CaO:0%以上7.0%以下、Ta2O5:0%以上15.0%以下、ZrO2:0%以上8.0%以下、Li2O:0%以上9.0%以下、Na2O:0%以上8.0%以下、K2O:0%以上8.0%以下、であり、屈折率ndが1.660以上である、ことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラスに関し、特に、高いガラス安定性と屈折率とが両立したガラスに関する。
近年、工業や医療などの様々な分野におけるライトガイド、イメージガイド、センサー用の光ファイバとして、多成分系光ファイバが利用されている。この多成分系光ファイバは、石英系光ファイバと比較して、その開口数(NA)が大きいことに特徴がある。ここで、光ファイバの開口数(NA)は、コア用ガラスの屈折率をn0、クラッド用ガラスの屈折率をn1として、次式で表される。この式から明らかなように、開口数は、コア用ガラスの屈折率n0が高いほど、大きくなる。
Figure 2017193460
また、上式におけるθを2倍した値(2θ)は、光ファイバの受光可能な角度の範囲を示す。即ち、光ファイバの開口数が大きいほど、また、コア用ガラスの屈折率n0が高いほど、光ファイバはより広範囲の光を伝送することができる。
ここで、多成分系光ファイバは、構成成分の組成を変えることによって、屈折率を比較的自由に選択できるというメリットを有する。そのため、大きな開口数を有する多成分系光ファイバを得るためには、コア用ガラスの構成成分の組成を最適化して屈折率を高めることが、重要なポイントの一つである。
ところで、光ファイバの製造方法としては、主に、二重るつぼ法及びロッドインチューブ法が挙げられる。前者は、同軸ノズルを持つ二重るつぼに屈折率の異なるコア用及びクラッド用の2種類のガラスを入れて溶融し、ガラスが適度な粘度になるよう調整して紡糸成形する方法である。後者は、コア用ガラスを円柱状に加工し、それをクラッド用ガラスの管に挿入して、一端から加熱しつつ延伸する方法である。どちらの方法も、長時間熱をかけて紡糸する工程を含むため、使用するガラスは、結晶化しないほどに安定性に優れていることが求められる。
大きな開口数を有する多成分系光ファイバを作製するためのガラスとしては、鉛(PbO)を含むガラスが良く知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、上記ガラスは、屈折率がせいぜい1.58程度であり、低い。また、環境への負荷を考慮すると、鉛を含まないものが求められる。更に、鉛を含むガラスは、鉛の自己吸収により短波長側での透過性が劣るため、長い伝送距離を有する光ファイバに用いた場合には、透過光が黄色味を帯びるといった問題が生じる。この問題は、自然色が求められる分野、例えば医療分野における内視鏡分野などでは、特に深刻なものとなる。
これに対し、多成分系光ファイバのコア用ガラスとして、鉛を含まないホウ珪酸系のガラスが知られている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
特開2004−123526号公報 特開2010−189197号公報 特開平11−092173号公報
しかしながら、上記従来のガラスは、屈折率がせいぜい1.65程度であり、屈折率が十分に高いとはいえない。従って、紡糸成形により光ファイバを製造することができるほどのガラス安定性を保持しつつ、屈折率を向上させるという点で、上記従来のガラスには改良の余地があった。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、紡糸可能な程度に高いガラス安定性と、高屈折率とを有するガラスを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、本発明のガラスは、酸化物基準の質量%表示で、
SiO2: 10.0%以上35.0%未満、
23: 4.0%超25.0%以下、
23: 6.0%以上20.0%以下、
La23: 15.0%超27.0%未満、
BaO: 10.0%超40.0%以下、
ZnO: 5.0%以上11.0%未満、
であり、
Al23: 0%以上13.0%以下、
MgO: 0%以上8.0%以下、
CaO: 0%以上7.0%以下、
Ta25: 0%以上15.0%以下、
ZrO2: 0%以上8.0%以下、
Li2O: 0%以上9.0%以下、
Na2O: 0%以上8.0%以下、
2O: 0%以上8.0%以下、
であり、
屈折率ndが1.660以上である、ことを特徴とする。
本発明のガラスは、Nb25及びTiO2を含まないことが好ましい。
本発明のガラスは、光ファイバのコア用ガラスとして好適に用いることができる。
本発明によれば、紡糸可能な程度に高いガラス安定性と、高屈折率とを有するガラスを提供することができる。
(ガラスの成分)
以下、本発明のガラスについて、詳細に説明する。まず、本発明ガラスの組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。特に断らない限り、ガラスの組成は、酸化物基準の質量%で表示する。
<SiO2
SiO2は、本発明のガラスにおいて、ガラスの網目構造を形成するガラス形成酸化物であり、また、ガラス形成時におけるガラスの失透を抑制することができる成分である。SiO2の含有量が、10.0%未満であると、ガラスの安定性を確保することができず、35.0%以上であると、所望の屈折率が得られない。そのため、本発明のガラスにおいては、SiO2の含有量を10.0%以上35.0%未満の範囲とする。また、本発明のガラスのSiO2の含有量は、ガラスの安定性をより向上させる観点から、11.0%以上が好ましく、12.0%以上がより好ましく、また、より高い屈折率を得る観点から、30.0%以下が好ましく、25.0%未満がより好ましい。
<B23
23は、本発明のガラスにおいて、SiO2と同様にガラス形成酸化物であり、また、ガラス形成時におけるガラスの失透を抑制したり、溶融温度を下げたりする(従って、ガラス製造時の作業性を向上させるとともに、製造コストを低減する)ことができる成分である。B23の含有量が、4.0%以下であると、ガラスの安定性を確保することができず、25.0%超であると、所望の屈折率が得られない。そのため、本発明のガラスにおいては、B23の含有量を4.0%超25.0%以下の範囲とする。また、本発明のガラスのB23の含有量は、より高い屈折率を得る観点から、24.0%以下が好ましく、23.0%以下がより好ましい。
なお、本発明のガラスは、B23の含有量が、上述したSiO2の含有量よりも少ないことが好ましい。これにより、溶融ガラスの温度変化に対する粘性の変化がより緩やかになり、光ファイバ等の光学部材の製造時の作業性を向上させることができる。
<Y23
23は、本発明のガラスにおいて、屈折率を上げるとともに、後述するLa23との併用によりガラスの安定性を高めることができる重要な成分である。Y23の含有量が、が6.0%未満であると、所望の屈折率が得られない上、La23との併用によるガラスの安定性の向上効果が得られず、20.0%超であると、ガラスの安定性が悪化し、結晶化する虞がある。そのため、本発明のガラスにおいては、Y23の含有量を6.0%以上20.0%以下の範囲とする。また、本発明のガラスのY23の含有量は、ガラスの結晶化を一層抑制する観点から、19.0%以下が好ましく、18.0%以下がより好ましい。
<La23
La23は、本発明のガラスにおいて、化学的耐久性を高め、屈折率を上げるとともに、前述したY23との併用によりガラスの安定性を高める効果を有する重要な成分である。La23の含有量が、15.0%以下であると、所望の屈折率が得られない上、Y23との併用によるガラスの安定性の向上効果が得られず、27.0%以上であると、ガラスの安定性が悪化する。そのため、本発明のガラスにおいては、La23の含有量を15.0%超27.0%未満の範囲とする。また、本発明のガラスのLa23の含有量は、ガラスの安定性の悪化を十分に抑制する観点から、26.0%以下が好ましく、25.0%以下がより好ましい。
<BaO>
BaOは、本発明のガラスにおいて、屈折率を高めるとともに、溶融温度を下げる成分である。BaOの含有量が、10.0%以下であると、屈折率が低くなり、所望の屈折率が得られず、40.0%超であると、ガラスの安定性が悪くなり、結晶化する虞がある。そのため、本発明のガラスにおいては、BaOの含有量を10.0%超40.0%以下の範囲とする。また、本発明のガラスのBaOの含有量は、より高い屈折率を得る観点から、15.0%以上が好ましく、20.0%以上がより好ましい。
<ZnO>
ZnOは、本発明のガラスにおいて、化学的耐久性及び屈折率を高めるとともに、溶融温度を下げる効果を有する成分である。ZnOの含有量が、5.0%未満であると、所望の屈折率を得ることができず、11.0%以上であると、ガラスが不安定になり、結晶化する虞がある。そのため、本発明のガラスにおいては、ZnOの含有量を5.0%以上11.0%未満とする。また、本発明のガラスのZnOの含有量は、ガラスの結晶化を一層抑制する観点から、10.5%以下が好ましく、10.0%以下がより好ましい。
<Al23
Al23は、本発明のガラスにおける任意成分であり、SiO2と同様にガラスの網目構造を形成するとともに、耐失透性及び化学的耐久性を高める効果を有する。Al23の含有量が13.0%超であると、ガラスが不安定になり、結晶化し易くなる。そのため、本発明のガラスにおいては、Al23の含有量を13.0%以下とする。また、本発明のガラスのAl23の含有量は、ガラスの結晶化を一層抑制する観点から、7.0%以下が好ましく、3.0%未満がより好ましい。
<MgO>
MgOは、本発明のガラスにおける任意成分であり、少量でガラスを安定化させることができる成分である。しかし、MgOの含有量が8.0%超であると、反対に結晶化が起きる虞がある。そのため、本発明のガラスにおいては、MgOの含有量を8.0%以下とする。また、本発明のガラスのMgOの含有量は、ガラスをより安定化させる観点から、6.0%以下が好ましく、5.0%以下がより好ましい。
<CaO>
CaOは、本発明のガラスにおいて、任意成分であり、溶融温度を下げるとともに、少量でガラスを安定化させることができる成分である。しかし、CaOの含有量が7.0%超であると、結晶化が起きる虞がある。そのため、本発明のガラスにおいては、CaOの含有量を7.0%以下とする。また、本発明のガラスのCaOの含有量は、ガラスをより安定化させる観点から、6.0%以下が好ましく、5.0%未満がより好ましい。
<Ta25
Ta25は、本発明のガラスにおける任意成分であり、ガラスの屈折率や化学的耐久性を高めるのに有用な成分である。しかし、Ta25の含有量が15.0%超であると、ガラスの安定性が悪くなり、結晶化する虞がある。そのため、本発明のガラスにおいては、Ta25の含有量を15.0%以下とする。また、本発明のガラスのTa25の含有量は、ガラスの結晶化を一層抑制する観点から、14.0%以下が好ましく、13.0以下がより好ましい。
<ZrO2
ZrO2は、本発明のガラスにおける任意成分であり、ガラスの化学的耐久性及び屈折率を高める効果を有する成分である。しかし、ZrO2の含有量が8.0%超であると、溶融温度が過度に高くなる上、結晶化する虞がある。そのため、本発明のガラスにおいては、ZrO2の含有量を8.0%以下とする。また、本発明のガラスのZrO2の含有量は、溶融温度の上昇及びガラスの結晶化を一層抑制する観点から、7.5%以下が好ましく、7.0%以下がより好ましい。
<Li2O>
Li2Oは、本発明のガラスにおける任意成分であり、ガラスの溶融温度を低下させるのに効果的な成分である。しかし、Li2Oの含有量が9.0%超であると、結晶化する虞がある。そのため、本発明のガラスにおいては、Li2Oの含有量を9.0%以下とする。また、本発明のガラスのLi2Oの含有量は、ガラスの結晶化を一層抑制する観点から、8.0%以下が好ましく、7.0%以下がより好ましい。
<Na2O>
Na2Oは、本発明のガラスにおける任意成分であり、Li2Oと同様にガラスの溶融温度を低下させるのに効果的な成分である。しかし、Na2Oの含有量が高くなるにつれ、ガラスの屈折率は低下し、Na2O含有量が8.0%超であると、所望の屈折率を得ることができない。そのため、本発明のガラスにおいては、Na2Oの含有量を8.0%以下とする。また、本発明のガラスのNa2Oの含有量は、ガラスの屈折率の低下を一層抑制する観点から、7.0%以下が好ましく、6.0%以下がより好ましい。
<K2O>
2Oは、本発明のガラスにおける任意成分であり、Li2O及びNa2Oと同様にガラスの溶融温度を低下させるのに効果的な成分である。しかし、K2Oの含有量が8.0%超であると、結晶化する虞がある。そのため、本発明のガラスにおいては、K2Oの含有量を8.0%以下とする。また、本発明のガラスのK2Oの含有量は、ガラスの結晶化を一層抑制する観点から、7.0%以下が好ましく、6.0%以下がより好ましい。
<Nb25及びTiO2
本発明のガラスがNb25及び/又はTiO2を含むと、短波長側の入射光の透過性が悪化する虞があり、特に当該ガラスを光ファイバなどの伝送距離が比較的長い光学部材に用いた場合には、透過光が変色する虞がある。したがって、本発明のガラスは、Nb25及びTiO2を含まないことが好ましい。
ここで、本明細書において「含まない」とは、意図して含有させない、即ち、実質的に含有しないことを意味する。
<Pb及びAs>
Pb及びAsは、環境に対する負荷が大きいので、本発明のガラスは、Pb及びAs、具体的にはPbO及びAs23を含まないことが好ましい。
<その他>
本発明のガラスは、任意に、ガラス製造時に清澄剤として機能し得るSb23を少量(例えば、0.5%以下)含んでいてもよい。また、本発明のガラスは、任意に、工業上周知である脱泡成分を少量(例えば、0.5%以下)含んでいてもよい。
ここで、本発明のガラスは、SiO2及びB23を必須成分としているが、これらは、いずれも、本発明のガラスにおいて屈折率の上昇を妨げ得る成分といえる。このことに鑑み、本発明のガラスのSiO2及びB23の総含有量を38.0%以上とする場合には、MgO、CaO、Li2O、Na2O及びK2Oの総含有量を8.0%以下とすることが、所望の屈折率を容易に得る観点から好ましい。
(ガラスの特性)
本発明のガラスは、屈折率(nd)が1.660以上である。屈折率が1.660以上であれば、例えば、当該ガラスを光ファイバのコア用ガラスとして用いたときに、ファイバの開口数が十分に大きくなり、より広範囲の光を伝送することができる。具体的な例を挙げると、よく使用されるクラッド用ガラスに、屈折率が1.515程度のものがある。そして、クラッド用ガラスの屈折率を1.515とした場合、コア用ガラスの屈折率が1.660以上であれば、開口数は0.679以上となり、受光可能な角度の範囲2θは85.5°以上となる。
また、本発明のガラスの屈折率は、例えば光ファイバのコア用ガラスとして用いたときに光ファイバの開口数をより大きくする観点から、1.670以上が好ましく、1.7000以上がより好ましい。
なお、本発明のガラスの屈折率は、例えば、各成分の組成が上述した範囲を満足することを前提として、SiO2及びB23の含有量を相対的に少なくする(又は多くする)とともに、Y23、La23、BaO、ZnO、Ta25及びZrO2の少なくともいずれかの含有量を相対的に多くする(又は少なくする)ことにより、調整することができる。
本発明のガラスは、各成分の組成が上述した範囲を満足するため、高いガラス安定性を有する。
また、本発明のガラスは、「400nmの入射光の透過率」を「500〜700nmの入射光の透過率の平均値」で割った値が、0.970以上であることが好ましい。この値が0.970以上であれば、短波長側の入射光の吸収が十分に少なく、例えば本発明のガラスを光ファイバのコア用ガラスとして用いたときに、白色の光を入射させたときの透過光が黄色味を帯びてしまうなどといった、透過光の色調への悪影響を効果的に抑制することができる。同様の観点から、本発明のガラスの上記の値は、0.975以上がより好ましい。
(ガラスの製造)
本発明のガラスは、各成分の組成が上述した範囲を満足し、且つ上述した屈折率を有してさえいればよく、その製造方法については特に限定されることなく、一般的な光学ガラスの製造方法に従って製造することができる。
例えば、まず、本発明のガラスに含まれ得る各成分の原料として、酸化物、水酸化物、炭酸塩及び硝酸塩などを所定の割合で秤量し、十分に混合したものをガラス調合原料とする。次いで、このガラス調合原料を、これら原料等と反応性のない耐熱容器(例えば、白金坩堝等)に投入して、電気炉にて1200〜1500℃に加熱して溶融しながら適時撹拌する。次いで、溶融ガラスを、電気炉内で清澄、均質化してから、適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ後、電気炉内で徐冷して歪みを取り除くことで、本発明のガラスを製造することができる。
なお、本発明のガラスの製造においては、清澄剤として機能し得るSb23及び/又はガラスの着色改善や脱泡のための工業上周知な成分を加えることができる。
ができる。
(ガラスの用途)
本発明のガラスは、屈折率などの光学特性に優れているため、特に限定されることなく、各種レンズなどの光学素子、光ファイバ、フィルター基板などに用いることができる。特に、本発明のガラスは、上述の通り、屈折率が高い上、高いガラス安定性を有するために紡糸可能であることから、光ファイバのコア用ガラスとして好適に用いて、大開口を有する光ファイバを製造することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明のガラスを具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ガラスに含まれ得る各成分の原料として、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩などを使用し、それぞれ表1〜3の実施例又は比較例に示す組成を有するガラスとなるような割合で、且つ、前記原料をガラス化したときの質量が70gとなるように、秤量して十分混合した。混合した原料を白金坩堝に投入し、電気炉にて1200〜1500℃で1〜2時間溶融した後、適宜撹拌して均質化を図り、清澄させた。次いで、ガラス融液(溶融ガラス)を、適度に予熱した金型内に鋳込んだ後、電気炉内で徐冷し、歪みを取り除き、ガラスを得た。各例のガラスについて、以下に示す手法を用い、屈折率(nd)の測定及びガラス安定性の評価を行った。また、実施例1〜14のガラスについては、以下に示す手法を用い、透過率の測定を行った。
なお、最終的にガラスが得られなかったものについては、表中の屈折率の欄に「形成せず」と記載した。
(屈折率(nd)の測定)
屈折率計(カルニュー光学工業社製 KPR−200)を用い、d線における屈折率を測定した。結果を、表1〜3に示す。
(ガラス安定性の評価)
各例のガラスの製造と同様にして、混合した原料を白金坩堝に投入した。次いで、電気炉にて1300〜1450℃で1時間溶融した後、電気炉から坩堝ごと取り出し、Pt棒を用いて手で撹拌を行った。次いで、ガラス融液が冷えて撹拌が不可能となる程に固くなるまで撹拌し続けた後、目視にてガラス中の失透(結晶及び分相)の有無を調べた。そして、失透(結晶及び分相)が無い場合には○、失透(結晶及び分相)が有る場合には×と評価した。結果を、表1〜3に示す。
(透過率の測定)
各実施例のガラスを用いて10mm厚の両面研磨ガラスを作製し、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)により、入射光の透過率を波長ごとに測定した。測定結果から、400±2nmの入射光の透過率の平均値(A)と、500〜700nmの入射光の透過率の平均値(B)とを求め、A/Bを算出した。結果を、表1に示す。A/Bの値が1に近いほど、短波長側の入射光の吸収が少なく、色味の良いガラスであることを示している。
Figure 2017193460
Figure 2017193460
Figure 2017193460
表1より、本発明に従う実施例1〜14のガラスは、いずれも、ガラス安定性に優れるため、結晶化を十分に抑制して紡糸することが可能であることが分かる。加えて、表1より、本発明に従う実施例1〜14のガラスは、いずれも、屈折率(nd)1.660以上と非常に高い屈折率を有することも分かる。
これに対して、比較例1〜23のガラスは、ガラス安定性及び屈折率の少なくともいずれかが劣っている。特に、La23を含むがY23を含まない比較例22のガラス、及び、Y23を含むがLa23を含まない比較例23のガラスでは、高いガラス安定性が得られていないことから、本発明においては、Y23及びLa23を併用することがポイントの一つであることが分かる。
また、表1の実施例3と実施例13,14との比較から、ガラスにNb25及びTiO2を含ませないことで、短波長側の入射光の吸収を抑えることができることが分かる。
本発明によれば、紡糸可能な程度に高いガラス安定性と、高屈折率とを有するガラスを提供することができる。

Claims (3)

  1. 酸化物基準の質量%表示で、
    SiO2: 10.0%以上35.0%未満、
    23: 4.0%超25.0%以下、
    23: 6.0%以上20.0%以下、
    La23: 15.0%超27.0%未満、
    BaO: 10.0%超40.0%以下、
    ZnO: 5.0%以上11.0%未満、
    であり、
    Al23: 0%以上13.0%以下、
    MgO: 0%以上8.0%以下、
    CaO: 0%以上7.0%以下、
    Ta25: 0%以上15.0%以下、
    ZrO2: 0%以上8.0%以下、
    Li2O: 0%以上9.0%以下、
    Na2O: 0%以上8.0%以下、
    2O: 0%以上8.0%以下、
    であり、
    屈折率ndが1.660以上である、ことを特徴とする、ガラス。
  2. Nb25及びTiO2を含まない、請求項1に記載のガラス。
  3. 光ファイバのコア用ガラスである、請求項1又は2に記載のガラス。
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