JP2017187516A - 基板の貼合装置及び貼合方法並びに画像表示装置 - Google Patents

基板の貼合装置及び貼合方法並びに画像表示装置 Download PDF

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優貴 立山
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Abstract

【課題】第1の基板に反りがある場合や貼合時に反りが発生した場合であっても第1の基板と第2の基板との間の粘着層界面に気泡が入り込むことなく2枚の基板を精度良く貼合する。
【解決手段】液晶パネル106を吸着保持する平坦な可撓性板状部材12と、可撓性板状部材12を窓ガラス102に吊るすハンガーユニット14と、可撓性板状部材12を湾曲させる湾曲手段24と、可撓性板状部材12の背面から窓ガラス102に向けて押圧して貼合荷重を付与することにより貼合するローラ16と、を備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、基板の貼合装置及び貼合方法並びに画像表示装置に関する。
粘着層を介して2枚の基板を貼合する際には、基板同士の間の粘着層界面に気泡を巻き込ませることなく貼合を行うことが密着貼合のために望まれている。特に、窓ガラスの被貼合面に、デジタルサイネージ用の画像表示パネルを貼合して画像表示装置を製造する場合には、巻き込んだ気泡が画質に悪影響を与えることから細心の注意が必要となる。
2枚の基板の間の粘着層界面に気泡を巻き込まないように2枚の基板を密着させて貼合する装置としては、例えば特許文献1がある。
特許文献1の図3に示す貼合装置によれば、ワーク支持構造に吸着保持される第1ワーク(第1の基板)と、可動テーブルに吸着保持される第2ワーク(第2の基板)とを、所定の貼合隙間を介して正対させ、第1ワークをローラ機構で第2ワークに押し付けて貼合を行なう基板貼合装置であって、ローラ機構は、両ワークの貼合始端から貼合終端の間を往復移動する駆動台と、駆動台で昇降可能に支持されるローラ支持枠と、それぞれローラ支持枠で回転自在に軸支されるメインローラ、およびメインローラの周面2個所を支持する中間ローラと、中間ローラを介してメインローラを押圧操作する押圧構造と、を含み、押圧構造が、メインローラの中心軸に沿って一定間隔おきに配置される複数個の押圧台と、各押圧台で回転自在に軸支される複数個の矯正ローラと、各押圧台と駆動台との間に設けられるエアーシリンダとを含み、メインローラが複数個のエアーシリンダで、矯正ローラと中間ローラを介して浮動支持して構成されている。このように、メインローラの中心軸に沿って一定間隔で配置された押圧構造によって、基板(第1ワーク)の貼合面に湾曲手段やうねりなどがある場合でも、機能性シート(第2ワーク)などの貼合対象を密着貼合できるとされている。
特許第5177909号公報
ところで、ガラス板等の第1の基板は完全な平坦面ではなく、微小な反りを有していることがある。例えば、2m×1mサイズの第1の基板の場合、1mm程度の反りがあり、この程度の反りであっても密着貼合を阻害する。また、第1の基板に反りがない場合でも、貼合する際の貼合荷重によって第1の基板に反りが発生する場合もある。したがって、第1の基板の反り対策は基板貼合における重要な課題になる。
しかしながら、例えばビルの窓ガラス(第1の基板)に画像表示パネル(第2の基板)を貼合する、いわゆる現場貼合の場合には、引用文献1の貼合装置を使って貼合することは困難である。すなわち、ビルの窓ガラスを引用文献1の貼合装置のワーク支持構造に吸着保持できないので、引用文献1の貼合装置を使えない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、第1の基板に反りがある場合や貼合時に反りが発生した場合であっても第1の基板と第2の基板との間の粘着層界面に気泡が入り込むことなく2枚の基板を精度良く貼合することができるので、例えばビル等の窓ガラスにデジタルサイネージ用の画像表示パネルを貼合する現場貼合において特に有効な基板の貼合装置及び貼合方法並びに画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の基板の貼合装置は、床面に対して鉛直方向又は鉛直方向から傾斜して設けられる第1の基板に粘着層を介して第2の基板を貼合する基板の貼合装置において、前記第2の基板を吸着固定する弾性変形可能な可撓性板状部材と、前記第1の基板に前記可撓性板状部材を支持させる支持手段と、前記可撓性板状部材を湾曲させることにより、貼合方向に向かって前記第2の基板を前記第1の基板に対して凸状に湾曲させる湾曲手段と、前記可撓性板状部材を湾曲に抗して貼合方向に向かって矯正させ、貼合方向と直交する方向で前記第1の基板に倣うように変形させながら前記第2の基板を前記第1の基板に順次貼合する押圧手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様の基板の貼合方法は、床面に対して鉛直方向又は鉛直方向から傾斜して設けられる第1の基板に粘着層を介して第2の基板を貼合する貼合方法において、前記第2の基板を弾性変形可能な可撓性板状部材に着脱自在に保持させる保持工程と、前記第1の基板に支持手段を着脱自在に支持するとともに、前記支持手段に前記可撓性板状部材を着脱自在に取り付ける支持工程と、前記可撓性板状部材を湾曲させることにより、貼合方向に向かって前記第2の基板を前記第1の基板に対して凸状に湾曲させる湾曲工程と、前記可撓性板状部材を押圧して貼合荷重を移動させることにより、前記可撓性板状部材を湾曲に抗して貼合方向に向かって矯正させ、貼合方向と直交する方向で第1の基板の形状に倣うように変形させながら前記第2の基板を前記第1の基板に順次貼合する貼合工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の貼合方法及び貼合装置によれば、第2の基板に直接貼合荷重を付与するのではなく、第2の基板を可撓性板状部材に保持することにより、可撓性板状部材を介して貼合荷重を付与するようにした。
これにより、第1の基板に反りがあっても反りに追従し易くなるので、密着貼合を行うことができる。
以上説明したように本発明の貼合方法及び貼合装置によれば、第1の基板に反りがある場合や貼合時に反りが発生した場合であっても第1の基板と第2の基板との間の粘着層界面に気泡が入り込むことなく2枚の基板を精度良く貼合することができる。
画像表示装置の縦断面図 図1のA部の拡大断面図 (A)は貼合装置の正面図、(B)は貼合装置の側面図 可撓性板状部材の断面図 可撓性ローラによる貼合荷重分布の説明図 図3(A)のC−C’線からみた矢視図 可撓性ローラによる貼合状況を示した要部側面図 湾曲手段の説明図 現場貼合における貼合装置の組み立て手順を示した説明図 現場貼合における貼合装置の組み立て手順を示した説明図 現場貼合における貼合装置の組み立て手順を示した説明図 貼合時のスポンジ部材の説明図 現場貼合における貼合装置の組み立て手順を示した説明図 現場貼合における貼合装置の組み立て完成図 現場貼合における貼合工程を時系列的に示した説明図 粘着部材を備えた可撓性板状部材の断面図 (A)〜(D)は粘着部材の配置形態を示した可撓性板状部材の平面図
以下、添付図面に従って本発明に係る基板の貼合装置及び貼合方法並びに画像表示装置の好ましい実施形態について説明する。
まず、実施形態の基板の貼合装置及び貼合方法によって貼合されて構成された画像表示装置について説明する。
図1は、画像表示装置100の縦断面図、図2は、図1のA部の拡大断面図である。
〈画像表示装置100〉
画像表示装置100は、第1の基板である窓ガラス102、粘着層、第1の粘着層114、透明面材であるガラス板110、第2の粘着層116、及び第2の基板である液晶パネル106の順に積層して構成される。以下、各部材について説明する。
(第1の基板)
第1の基板としては、透明部材を例示できる。例えば店舗、オフィス等に用いられる既設の透明部材が挙げられる。透明部材としては、ガラス、アクリルなどの樹脂または、ガラスと樹脂の積層体等が挙げられる。
(透明面材)
透明面材は、後述する液晶パネル106を窓ガラス102に貼合する際に、液晶パネル106と窓ガラス102との間に介在される板状体である。透明面材の例として、ガラス板、樹脂板等が挙げられる。液晶パネル106からの射出光や反射光に対して透明性が高い点はもちろん、耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面擦傷性、高い機械的強度を有する観点から、透明面材としてガラス板110を用いることが最も好ましい。透明面材として、第1の粘着層114及び第2の粘着層116を構成する光硬化性樹脂組成物を硬化させる光に対して高い透過率を有する観点でも、ガラス板の使用が好ましい。
ガラス板の例として、ソーダライムガラス等のガラス材料が挙げられる。また、樹脂板の例としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の透明性の高い樹脂材料が挙げられる。
透明面材の形状は、貼合対象である液晶パネル106の平面形状に合わせて決定すればよく、一例として矩形である。透明面材110の厚さは、機械的強度、透明性等の点から、ガラス板であれば、0.2〜2.0mm程度が好ましい。観察者に表示画像の奥行き感を強く感じさせないためには、透明面材110の厚さは0.2〜1.1mm程度がより好ましい。樹脂板であれば、透明面材110の厚さは0.1〜1.0mm程度が好ましい。
(遮光部)
透明面材は、周端部に遮光部を有することが好ましい。遮光部を備えることで、液晶パネル106を窓ガラス102に貼合した際に、液晶パネル106に接続されたフレキシブルプリント配線板等の配線部材等を隠すことができる。透明面材がガラス板の場合、黒色顔料を含むセラミック印刷等の印刷法を用いて遮光部を形成することが、遮光性が高く好ましい。なお、遮光部は、種々の薄膜形成法を用いて形成できる。
(粘着層)
粘着層は、液状の光硬化性樹脂組成物を硬化させた透明樹脂から構成されている。粘着層の原料となる光硬化性樹脂組成物は、光硬化性を有する硬化性化合物、光重合開始剤、及び、必要に応じて非硬化性オリゴマーを含む液状の組成物が好ましい。非硬化性オリゴマーは、光硬化性樹脂組成物の硬化時に組成物中の硬化性化合物と硬化反応を生じない水酸基を有するオリゴマーが好ましい。第1の粘着層114および第2の粘着層116の透明樹脂は同一でも異なってもよい。
粘着層の厚さは、0.1〜2.0mm程度が好ましく、0.2〜0.8mm程度がより好ましい。第1の粘着層114および第2の粘着層116の厚は同一でもよく異なってもよい。
第1の粘着層114と第2の粘着層116との面積は、透明面材の大きさに応じて調整される。第1の粘着層114および第2の粘着層116の面積は、同一でもよく異なってもよい。面積が異なる場合の例としては、ガラス板110の第2の面110bに遮光部112を有する場合に、第1の粘着層114がガラス板110の第1の面110aの全域に設けられているのに対し、第2の粘着層116がガラス板110の第2の面110bの一部の領域に設けられている。これにより、ガラス板110の第2の面110bは、第2の粘着層116が設けられた領域と、第2の粘着層116が設けられていない領域と、を有する。
第2の基板としては、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)、有機ELディスプレイパネル(OELD:Organic Electro Luminescence Display)等の画像表示パネルを挙げることができる。
図2に示すように、液晶表示ユニット104は、液晶パネル106と、一対の偏光板122、124と、バックライト126と、フレーム128と、ケース130と、を備える。液晶パネル106は、一対のガラス基板132、134と、これらガラス基板132、134の間に封入された液晶(不図示)と、を備える。一対のガラス基板132、134は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)を備えたTFT素子基板と、カラーフィルターを備えたカラーフィルター基板と、から構成される。
バックライト126は、発光ダイオード等の発光素子136と、導光板138と、プリズムシート(不図示)と、光拡散シート等の複数の光学フィルム140と、ミラー142と、を備える。発光素子136から射出された光は、導光板138に入射して内部を導光する間にミラー142で反射し、複数の光学フィルム140を介して液晶パネル106に向けて射出される。複数の光学フィルム140は、導光板138から射出された光の強度を均一化する機能を有する。そのため、複数の光学フィルム140と液晶パネル106とは、間隔をおいて配置されている。
液晶パネル106は、粘着層または粘着層とガラス板110を介して窓ガラス102に支持される。液晶パネル106とバックライト126とは独立しているため、バックライト126は、液晶パネル106とは別に窓ガラス102に支持される。
バックライト126は、断面がL字状のアングル144を介して窓ガラス102に支持される。図1では、アングル144は、ガラス板110の第2の面110b上の遮光部112に両面粘着テープ146によって固定されている。すなわち、バックライト126はフレーム128に固定され、フレーム128はケース130に固定され、ケース130は、ボルト148によってアングル144に固定され、アングル144が遮光部112に固定されている。これにより、バックライト126は、ガラス板110を介して窓ガラス102に支持される。
《本発明の基板の貼合装置及び貼合方法》
次に、本発明の基板の貼合装置及び貼合方法について説明する。
本発明は、第1の基板の表面(貼合面)に粘着層を介して第2の基板の表面(貼合面)を貼合する基板の貼合方法及び貼合装置であり、第1の基板及び第2の基板を特に限定するものではないが、上述の基板に適用することが好ましい。
本発明の基板の貼合装置及び貼合方法は、第1の基板が鉛直方向又は鉛直方向から傾斜した状態、あるいは水平方向の状態の何れにも適用することができる。さらに、第2の基板の形状は限定されない。第2の基板の形状は、円形、矩形または正方形等とすることができ、矩形の場合には、縦横の比は特に限定されず、縦長または横長でもよい。
実施形態では、図1〜図2に基づき、建築物に固定された既設の窓ガラス102(第1の基板)に粘着層を介して液晶パネル106(第2の基板)を貼合して、窓ガラス102、第1の粘着層114、透明面材110、第2の粘着層116および、液晶パネル106の順で有する画像表示装置を製造する一例で説明する。また、窓ガラス102は鉛直方向に配置されているものとする。また、貼合される液晶パネル106の画面サイズは、一例として42インチである。なお、実施形態では、窓ガラス102と透明面材110との貼合を省略した貼合方法について説明する。
〔貼合装置10〕
図3(A)は、実施形態の貼合装置10を用いて矩形状の液晶パネル106を、窓枠(図示せず)に固定された窓ガラス102に貼合するために、貼合装置10を窓ガラス102に着脱自在に支持させた正面図であり、(B)は(A)の側面図である。
図3(A)、(B)に示すように、貼合装置10は、可撓性板状部材12、支持手段であるハンガーユニット14、押圧手段であるローラ16、及び湾曲手段24であるプッシャ24B(図8(A)参照)を備えて構成される。本実施形態の貼合装置10では、任意構成である、ローラ支持部18と、ローラ16に貼合荷重を付与する伸縮性の貼合荷重調整機構部20を備えた押圧部22を備えた形態として説明する。
先ず、貼合装置10の各構成要素について詳しく説明する。
〈可撓性板状部材12〉
本実施の形態において、可撓性板状部材12は、矩形状の液晶パネル106の裏面(非貼合面)を保持する平坦な部材であり、液晶パネル106の面積サイズよりも大きな面積サイズに構成される。
液晶パネル106を保持する可撓性板状部材12の保持構造として、実施形態では、吸着保持の例と吸着保持および粘着保持を併用する例で説明する。
図4は、可撓性板状部材12の縦断面図である。
図4の如く、可撓性板状部材12は、矩形状の可撓板26、可撓板26の周面部に貼り合わされた額縁状の独立気泡のスポンジ部材28、及びスポンジ部材28の内周側の可撓板26に貼り合わされた矩形状の多孔性シート30によって構成される。
額縁状のスポンジ部材28と多孔性シート30との間は額縁状の隙間32が形成される。スポンジ部材28及び多孔性シート30は、可撓板26に接着剤(又は両面接着テープ)34を用いて貼り付けられる。
可撓板26の内部には、一端が隙間32に連通され、他端が複数の吸引ポート36(図3(A)参照)に連通される吸引路35が備えられる。吸引ポート36は、可撓板26の両端部(液晶パネル106を吸着しない部分)に複数備えられ、これらの吸引ポート36は、吸引ホース38を介して真空ポンプ40に接続される。
図4に戻り、可撓性板状部材12によって液晶パネル106を吸着保持する場合には、液晶パネル106の周面をスポンジ部材28に載置して、額縁状の隙間32の上面を液晶パネル106によって閉塞する。この状態で、真空ポンプ40を駆動すると、吸引ホース38、吸引ポート36、吸引路35、及び隙間32を介して空気が吸引される。これによって多孔性シート30の吸着面30Aに吸着力が発生するので、吸着面30Aに液晶パネル106が吸着保持される。
多孔性シート30の厚さは2mm以下であることが好ましく、1mm以下(例えば0.5mm)であることがより好ましい。また、スポンジ部材28の厚さは多孔性シート30の厚さよりも厚くして、液晶パネル106を吸着保持した際に弾性変形して多孔性シート30の厚さまで弾性変形することが好ましい。これにより、隙間32を確実に閉空間とすることができるので、液晶パネル106を吸着保持する吸着力が増大する。
多孔性シート30は導電性を有することが好ましい。後述する粘着層の面に貼り付けられた剥離シートを剥離する際や、貼合後に可撓性板状部材12と液晶パネル106とを取り外す際等において、静電気の発生を抑えることができる。
また、可撓板26は、適度な可撓性が必要であり、例えば厚さが2mm以上3mm以下の塩化ビニル樹脂板が好適である。この場合、一枚の塩化ビニル樹脂板でもよいが、図4のように、厚さが2mmの塩化ビニル樹脂板26Aと厚さが0.5mmの塩化ビニル樹脂板26Bとを接着剤(あるいは両面接着テープ)42で貼り合わせて構成することもできる。可撓板26の多孔性シート30の貼り合わせた面の反対側の面に導電性シート(図示しない)を貼り合わせることが好ましい。これにより、貼合時等において、静電気の発生を抑えることができる。
(粘着部材)
図16の如く可撓性板状部材12には粘着部材88が設けられることが好ましい。図16は、粘着部材88を備えた可撓性板状部材12の断面図であり、図4に示した可撓性板状部材12の断面図と対応している。図16に示すように、粘着部材88は、スポンジ部材28と多孔性シート30との間の額縁状の隙間32に配置される。具体的には、隙間32において、不図示の両面接着テープを介して塩化ビニル樹脂板26Bに接着されている。また、前記両面接着テープの厚さを含む粘着部材88の厚さは、多孔性シート30の厚さと接着剤34の厚さとを合算した厚さに設定されている。
前記多孔性シート30の吸着面30Aの吸着力に加えて、粘着部材88の粘着力を併用すると、可撓性板状部材12は液晶パネル106をさらに十分に保持できる。また、貼合中に可撓性板状部材12の撓み過ぎ等に起因して、多孔性シート30の吸着面30Aの吸着力が失われても、粘着部材88の粘着力により可撓性板状部材12が液晶パネル106から完全に外れることを防止できる。
なお、液晶パネル106の貼合完了後には、前記真空吸着を解除し、可撓性板状部材12を液晶パネル106に対して撓ませることで、液晶パネル106から粘着部材を容易に外すことができる。
粘着部材88の硬度はショアA70以下が好ましく、粘着部材88の表面粗さ(Ra)は、0.2μm以下であることが好ましい。粘着部材88の硬度は、JIS Z 2246(2000年)に準拠した試験方法にて測定した値である。粘着部材88の表面粗さ(Ra)は、JIS B 0601(2000年)に準拠した試験方法により測定した値である。上記の条件を満たす粘着部材88は、安定した粘着力を得ることができ、また、繰り返して吸着、剥離可能なので作業性が良好となる。このような粘着部材88としては、ウレタン製又はシリコン製などのゴムシートが好適に挙げられる。
図17(A)、(B)、(C)、(D)は、可撓性板状部材12に対する粘着部材88の配置形態を示した可撓性板状部材12の平面図であり、模式的に示している。
隙間32に対する粘着部材88の配置形態の一例として、図17(A)に示した形態は、短冊状に構成した4枚の粘着部材88を、隙間32の4辺に沿って配置した形態である。この形態において粘着部材88は、矩形状の可撓性板状部材12の4辺に沿って配置される。
図17(B)に示した形態は、短冊状に構成した2枚の粘着部材88を、隙間32の対向する2辺に沿って配置した形態である。この形態において粘着部材88は、矩形状の可撓性板状部材12の2辺に沿って配置される。
図17(C)に示した形態は、図17(B)の形態に対し、多孔性シート30を矩形のシートに2分割し、そのシート間の隙間32Aに、粘着部材88を追加配置した形態である。つまり、粘着部材88は、可撓性板状部材12の少なくとも2辺に沿って配置される。
図17(D)に示した形態は、四角形状の4枚の粘着部材88を、隙間32の角部に沿って配置した形態である。この形態において粘着部材88は、矩形状の可撓性板状部材12の角部に配置される。角部に配置される粘着部材88の形状は、四角形状に限定されず、円形であっても多角形であってもよい。
なお、粘着部材88の形態は、上記4形態に限定されるものではなく、配置位置、及び大きさ等は、粘着部材88が持つ粘着力、可撓性板状部材12及び液晶パネル106の大きさ、質量等によって適宜選択されるものである。
〈ハンガーユニット14〉
図3に示すハンガーユニット14は、液晶パネル106を吸着保持した可撓性板状部材12を吊り下げ支持する冶具である。また、ハンガーユニット14は、窓ガラス102の貼合位置に対し所定の貼合隙間を介して、液晶パネル106を正対させた状態で、可撓性板状部材12の鉛直方向の位置、傾き、及び水平方向の位置を調整できる冶具であることが好ましい。本実施の形態では、ハンガーユニット14が、水平方向の位置と鉛直方向の位置及び傾きを調整する冶具として説明する。
図3(A)の如く、ハンガーユニット14は、鉛直方向に設置された窓ガラス102の面に沿って、可撓性板状部材12の水平方向の位置を調整する水平方向位置調整部44、及び窓ガラス102の面に沿って、可撓性板状部材12の鉛直方向の位置を調整する鉛直方向位置調整部46を備える。また、ハンガーユニット14は、一対のハンド吸着盤48を備えている。これらのハンド吸着盤48を、窓ガラス102の面に吸着させることにより、ハンガーユニット14が窓ガラス102に支持される。なお、ハンド吸着盤48に代えて、真空ポンプ(図示せず)に連結した吸着盤も使用可能であるが、現場貼合の場合にはハンドリング性の良いハンド吸着盤48が好ましい。ハンド吸着盤48としては、シンワ測定株式会社製の許容荷重が25kgf/1個のものを好適に使用することができる。また、ハンド吸着盤48の吸着位置は、窓ガラス102に限定されるものではなく、窓ガラスを支持する建築物の壁(支持体)に吸着してもよい。
(水平方向位置調整部44)
水平方向位置調整部44は、レール状部材44Aに2台のリニアスライダ44B、44Bが、レール状部材44Aの長手方向に沿ってスライド自在に支持されることにより構成される。2台のリニアスライダ44B、44Bにそれぞれハンド吸着盤48が設けられる。
(鉛直方向位置調整部46)
鉛直方向位置調整部46は、一対のターンバックル50、50によって構成される。一対のターンバックル50、50は、その上端がレール状部材44Aの両端部に取り付けられることにより、レール状部材44Aに吊設される。
(ハンガーユニット14の作用)
ハンガーユニット14を使用する場合には、まず、レール状部材44Aの長手方向が水平方向を向くように2台のハンド吸着盤48を窓ガラス102の面に吸着させる。ハンド吸着盤48の吸着位置は、液晶パネル106の貼合位置に対応した大まかな位置である。そして、一対のターンバックル50、50の下端に設けたフック50Aに、可撓性板状部材12の上端に取り付けられたリング12Aを着脱自在に係合させる。これにより、液晶パネル106を吸着保持した可撓性板状部材12が、ハンガーユニット14に吊り下げ支持される。そして、レール状部材44Aを水平方向に移動させる、及び一対のターンバックル50、50の鉛直方向の長さを個別に調整する。ターンバックル50、50の長さを同じだけ伸ばすと液晶パネル106の位置は鉛直方向に下降し、同じだけ縮めると鉛直方向に上昇し、鉛直方向の位置を調整できる。ターンバックル50、50の一方を伸ばし、他方を縮めると傾きを調整することができる。これにより、窓ガラス102に対する液晶パネル106の貼合位置を所望の位置に容易に調整することができる。
なお、水平方向位置調整部44、及び鉛直方向位置調整部46の構成は、上記の例に限定されるものではなく、液晶パネル106の水平方向の位置及び鉛直方向の位置及び傾きを調整可能な機能を有するものであれば適用できる。
〈ローラ16〉
ローラ16は、液晶パネル106の幅と同等かそれ以上の軸長を有している。また、ローラ16は、可撓性板状部材12の背面から窓ガラス102に向けて可撓性板状部材12を押圧し、可撓性板状部材12に貼合荷重を付与する。更に、ローラ16は、液晶パネル106の上端である貼合開始端から、液晶パネル106の下端である貼合終了端へ下方に向けて移動される。この動作によって、窓ガラス102に液晶パネル106が貼合される。なお、前記貼合荷重は、後述する押圧部22からローラ16を介して可撓性板状部材12に付与されるものである。
図5は、ローラ16によって、液晶パネル106が窓ガラス102に貼合されている時の貼合荷重分布Pを示した説明である。図5の符号52は粘着層である。なお、図5は窓ガラス102に粘着層52を設けた場合であるが、液晶パネル106に粘着層52を設けた場合も同様である。また、図5では、図面の煩雑さを避けるため、可撓性板状部材12の図示を省略している。
窓ガラス102と液晶パネル106との間の粘着層界面に気泡が入り込まないように貼合するためには、貼合荷重分布Pの幅Wを可能な限り狭くするとともに、分布中央部Qの貼合荷重が可能な限り大きくなるようにすることが好ましい。換言すると、ローラ16がヘルツ接触(線接触)した状態で貼合荷重を液晶パネル106に付与することが好ましい。
このため、ローラ16は、ローラ表面が硬く且つローラ直径が細い方が貼合荷重を線接触状態で付加させ易くなるので好ましいが、気泡が入り込まないようにするためには、窓ガラス102の反りに追従するようにローラ16は可撓性を有することが好ましい。この条件を満足するローラ16としては、例えば外径10〜30mm(例えば20mm)、肉厚が0.3〜3.0mm(例えば1mm)のステンレス製又はアルミニウム製の円筒管を好適に使用することができる。この場合、ローラ表面に薄膜状にゴム等の弾性部材を被服させてもよい。
また、粘着層52の層厚が厚く、粘着層52の弾性率が大きく、かつ粘着層52が貼合荷重によって弾性変形し易い方が窓ガラス102と液晶パネル106との間の粘着層界面に気泡が入り込み難い。このため、粘着層52の厚さは、0.1〜2.0mm程度に設定され、好ましくは0.2〜0.8mm程度に設定されている。粘着層52の厚さが0.1mm以上であれば、外力による衝撃等を粘着層が効果的に緩衝し、画像表示パネルを保護できる。また、窓ガラス102と液晶パネル106との間に粘着層52の厚さを超えない異物が混入しても、粘着層52の厚さが大きく変化することがなく、光透過性能への影響が少ない。粘着層52の厚さが2.0mm以下であれば、画像表示パネルの厚さが不要に厚くならない。
また、粘着層52のせん断弾性率は、10〜10Paの範囲にあることが好ましく、10〜10Paの範囲にあることがより好ましい。
〈ローラ支持部18〉
図3に戻り、ローラ支持部18は、ローラ16及び貼合荷重調整機構部20等を有する押圧部22を、窓ガラス102に着脱自在に支持させる工程にて使用される部材である。
ローラ支持部18は、レールフレーム54、及びレールフレーム54を窓ガラス102に吸着保持させる4個のハンド吸着盤48によって構成される。レールフレーム54は、可撓性板状部材12の幅よりも広い間隔で縦方向に平行に配置された一対のレール56、56と、レール56、56を連結する2本の連結材58、58から構成される。なお、ハンド吸着盤48の個数は5個以上でもよい。
図6は、図3(A)のC−C’線からみた矢視図であり、ローラ16による貼合状況を示す説明図である。図7は、ローラ16による貼合状況を示した要部側面図である。
〈押圧部22〉
図6、図7に示すように、押圧部22は、ローラ16の軸方向に平行に配置された角材のローラ操作バー60、ローラ操作バー60の両端部に設けられ、対向する一対のレール56、56にスライド自在に係合する係合部62、及びローラ操作バー60の軸方向に沿って設けられ、ローラ16の貼合荷重調整工程にて使用される貼合荷重調整機構部20によって構成される。
係合部62は、車輪軸が直交方向に配置された車輪64と車輪ユニット66とからなる。
図6に示す車輪64は、ローラ操作バー60の端部から側方に延設されたL字形状のブラケット68に軸64Aを介して回転自在に支持され、レール56の内壁面56Aに転接される。また、車輪ユニット66は、図6の如く一対の車輪66Aを備えている。これらの車輪66Aは、ブラケット68に軸66Bを介して回転自在に支持され、レール56のローラガイド面56Bに転接される。レール56の内壁面56Aとローラガイド面56Bとは、互いに直交する面であり、内壁面56Aに車輪64が転接され、かつローラガイド面56Bに一対の車輪66Aが転接されることにより、押圧部22がローラ支持部18に対して鉛直方向に沿って移動自在に支持される。
車輪ユニット66には、さらにディスクダンパー(図示しない)を備えることが好ましい。これにより、車輪66Aの回転速度を制御でき、貼合中にローラ操作バー60を離しても押圧部22が高速で下降することを防止できる。その結果、貼合面に泡が入ることを防止できる。ディスクダンパーには、例えば、不二ラテックス株式会社製FDN−47A−R(L)163を用いることができる。
また、図7に示すように、ローラガイド面56Bの上端(図7の右端)には、傾斜したテーパ形状のスロープ70が備えられる。また、ローラガイド面56Bには、スロープ70に連続して窓ガラス102に平行な水平面72が備えられる。スロープ70を利用して係合部62の車輪66Aを、図7の実線の如く水平面72に転接させることにより、ローラ16を貼合開始位置に円滑に位置させることができる。
〈貼合荷重調整機構部20〉
図6に示すように、貼合荷重調整機構部20は、ローラ16の軸方向の中央位置、両端位置、及び中央位置と両端位置との中間位置の5か所に設けられる。貼合荷重調整機構部20は、ローラ16に貼合荷重を付与するとともに外力に応じて伸縮可能に構成される。
貼合荷重調整機構部20は、一対のスライダ74、ブラケット76、スプリング78、及び一対のバックアップローラ80から構成される。貼合荷重調整機構部20は、回転支持ピン等によって首振りが可能になっていることが好ましい。ローラ16が窓ガラス102の反りに追従して変形する際に、一対のバックアップローラ80をローラ16に密着させることができ、精度良く窓ガラス102の反りに追従することができる。
スライダ74は、ローラ操作バー60の窓ガラス102に対向する面から窓ガラス102の面に対して直交方向に突没自在に設けられ、この2本のスライダ74の先端にブラケット76が固定される。スプリング78は、ローラ操作バー60とブラケット76との間に介在され、スプリング78の付勢力によってブラケット76が窓ガラス102に向けて付勢されている。
一対のバックアップローラ80は、軸80Aを介してブラケット76に回動自在に支持され、同方向に回転されるローラ16に転接されてローラ16の回転を支持する。
ローラ16は、図6の如く、ブラケット68から突設されたピン82が内部に挿入されることにより、ローラ操作バー60からの脱落が防止されている。一対のバックアップローラ80は、クラウン形状であることが好ましい。クラウン形状のバックアップローラ80を使用すれば、ローラ16が窓ガラス102の反りにさらに精度良く追従できる。両端に位置する一対のバックアップローラ80の端は、液晶パネル106の端よりはみ出ていることが好ましい。これにより、液晶パネル106の端にまで十分な貼合圧力を加えることができる。
貼合荷重調整機構部20によれば、図7の2点鎖線で示すように、押圧部22がローラ操作バー60のスロープ70の部分に位置する時には、スプリング78が伸長した状態でローラ16が可撓性板状部材12に当接される。この後、図7の実線で示すように、押圧部22がスロープ70から水平面72に移動すると、ローラ16が可撓性板状部材12を押圧し、その反力によってスプリング78が収縮し、スプリング78に付勢力が発生する。この付勢力がローラ16に付与される貼合荷重となる。
〈湾曲手段24〉
湾曲手段24は、液晶パネル106とともに可撓性板状部材12を、その上端部から下端部にかけて、窓ガラス102から退避する方向に円弧状に湾曲させる冶具である。これにより、可撓性板状部材12に吸着保持された液晶パネル106を、窓ガラス102に対して凸状に湾曲させることができる。
(湾曲手段24の形態)
図8(A)、(B)に示した貼合状況を示す説明図の如く、2形態の湾曲手段24が示されている。
湾曲手段24は、可撓性板状部材12の下端部であって可撓性板状部材12の幅方向の少なくとも2か所に着脱自在に設けられる。なお、図3(A)では、4か所に湾曲手段24が備えられている。
図8(A)の湾曲手段24は、可撓性板状部材12の下端部を、スプリング24Dの付勢力によって窓ガラス102から退避する方向に押し上げる押上方式である。この湾曲手段24は、可撓性板状部材12の下端部にプレート24Aが着脱自在に固定され、このプレート24Aの開口部(不図示)に棒状のプッシャ24Bが挿抜自在に取り付けられている。プッシャ24Bの先端部には、窓ガラス102に当接される弾性体24Cが取り付けられ、スプリング24Dは、プレート24Aと弾性体24Cとの間に介在され、スプリング24Dにプッシャ24Bが挿通されている。
図8(B)の湾曲手段24は、可撓性板状部材12の下端部を窓ガラス102から退避する方向に、ウエイト部材24Eの自重によって牽引する牽引方式である。この湾曲手段24は、プレート24Aに牽引ロープ24Fを介してウエイト部材24Eを吊り下げて構成される。また、ウエイト部材24Eの自重をプレート24Aに水平方向に付与するために、牽引ロープ24Fはプーリ24Gに巻き掛けられている。
これらの湾曲手段24によれば、液晶パネル106とともに可撓性板状部材12をその上端部から下端部にかけて、窓ガラス102から退避する方向に円弧状に湾曲させることができる。また、ローラ16によって可撓性板状部材12を窓ガラス102側に押圧した場合であっても、スプリング24Dの付勢力によって、ローラ16による貼合中の位置よりも下流側の可撓性板状部材12を貼合進行方向に沿って上向きに湾曲させることができる。したがって、貼合中の位置より下流側の液晶パネル106が窓ガラス102に先貼りされるのを防止できる。
可撓性板状部材12に対するプレート24Aの固定形態は、特に限定されないが、例えばクランプ方式やハンド吸着盤方式等を採用することにより可撓性板状部材12に対して着脱自在に取り付けることができる。
(粘着層52)
図5に示した粘着層52は、窓ガラス102と液晶パネル106といずれに設けられていてもよい。貼合位置の調整のし易さから、液晶パネル106に粘着層52を設ける方が好ましい。粘着層52は上述した粘着層が使用される。
上記した可撓性板状部材12、ハンガーユニット14、ローラ16、ローラ支持部18、貼合荷重調整機構部20を備えた押圧部22、及び湾曲手段24は、それぞれ独立したユニットとして構成され、それぞれのユニットは最大重量が15kg以下に構成されている。これにより、作業者が各ユニットを容易に取り扱うことができる。したがって、現場貼合する場合には、各ユニットを現場に運び込み、作業者は現場で貼合装置10を容易に組み立てることができる。
〔貼合方法〕
本実施の形態では、建築物に設置された窓ガラス102について、現場で貼合装置10を組み立てて、組み立てた貼合装置10を用いて窓ガラス102に液晶パネル106を貼合する貼合方法を説明する。
なお、粘着層52は液晶パネル106の一面に設けられているものとし、液晶パネル106は、粘着層52の面に剥離シート(図示せず)が貼り付けられた形態で貼合現場に搬入されるものとする。
〈貼合装置10の組立手順〉
まず、図9〜図14に従って貼合装置10の組立手順を説明する。
図9(A)の正面図、(B)の側面図に示すように、作業者は、鉛直に設置されている窓ガラス102に、ハンガーユニット14のハンド吸着盤48をレール状部材44Aがほぼ水平になるように吸着させる。
(保持工程)
次に、図10に示すように、現場貼合する建築物の床面等において平置き状態で可撓性板状部材12に液晶パネル106を吸着保持する。本実施の形態においては、液晶パネル106の一面に粘着層52が設けられているので、液晶パネル106の粘着層52が設けられていない面を可撓性板状部材12に吸着する。その後、可撓性板状部材12に湾曲手段24を取り付け、液晶パネル106から前記剥離シートを剥離する。
図10(A)は、液晶パネル106が吸着保持された可撓性板状部材12の正面図であり、図10(B)は図10(A)の側面図である。図10(A)に示すように、可撓性板状部材12には、スポンジ部材84とダミーシート86を設けてもよい。
図10(B)及び図11(A)に示すように、厚さが液晶パネル106の厚さよりも厚い帯状のスポンジ部材84を設けると、貼合工程において押圧する前に粘着層52と窓ガラス102とが接触することを防止できる。また、図11(B)に示すように、スポンジ部材84は、貼合時にはローラ16による貼合荷重によって液晶パネル106の厚さまで圧縮されるので、液晶パネル106は窓ガラス102に問題なく貼合される。
スポンジ部材84は、液晶パネル106を囲むように設けてもよく、粘着層52が窓ガラス102に接触するおそれのある液晶パネル106の上縁に沿って設けてもよい。
図10(B)及び図11に示すように、液晶パネル106と同じ厚さのダミーシート86を設けると、貼合開始位置および貼合終了位置の前後において、可撓性板状部材12の剛性の差を解消できるので、貼合開始時の貼合を円滑に実施することができる。図7に示したように、レール56のスロープ70を利用してローラ16を、実線で示す貼合開始位置に装着する場合、貼合開始位置よりも上流側の可撓性板状部材12にも、ローラ16からの貼合荷重が付加される。ダミーシート86を介在させると、貼合開始位置の前後において、可撓性板状部材12の剛性の差を解消できて、気泡の発生を低減できるため好ましい。
図10(B)では、ダミーシート86を貼合開始位置よりも上流側と貼合終了位置の下流側に設けているが、上流側または下流側のいずれか一方だけ設けてもよい。
保持工程において、粘着層52から剥離シートを剥離すると、スポンジ部材84を設けても、液晶パネル106を吸着保持した可撓性板状部材12を、窓ガラス102に対して位置調整する際に、粘着層52が窓ガラス102に接触するおそれがある。この接触を防止する方法としては、粘着層52が窓ガラス102から離れる位置に可撓性板状部材12を吊り下げることが挙げられる。この場合、貼合時には、ターンバックル50の下端が窓ガラス102へ近づくように移動させた後に貼合工程を行う。
(支持工程)
次に、図12(A)、(B)に示すように、ハンガーユニット14の一対のターンバックル50のフック50Aに、液晶パネル106を吸着保持した可撓性板状部材12のリング12Aを着脱自在に係合させ、液晶パネル106とともに可撓性板状部材12を、ハンガーユニット14を介して窓ガラス102に吊り下げ支持する。
この後、ハンガーユニット14によって、可撓性板状部材12を水平方向及び鉛直方向に移動させることによって、窓ガラス102の貼合位置に液晶パネル106の位置を調整する。
(湾曲工程)
可撓性板状部材12を湾曲手段24によって湾曲する。支持工程では、可撓性板状部材12が湾曲された状態で液晶パネル106の貼合位置が調整されることが好ましい。
(可撓性ローラ支持工程)
次に、図13(A)、(B)に示すように、吊り下げ支持した可撓性板状部材12を囲むようにローラ支持部18を窓ガラス102に装着する。すなわち、ローラ支持部18のレールフレーム54に設けられた4個のハンド吸着盤48を窓ガラス102に吸着させる。これにより、ローラ支持部18が窓ガラス102に支持される。
次に、図14(A)、(B)に示すように、押圧部22をローラ支持部18のレール56のスロープ70部分から装着する。これにより、貼合装置10が組み立てられる。
(貼合工程)
次に、図15に従って、窓ガラス102と液晶パネル106との貼合手順について説明する。なお、図15では、図面の煩雑さを避けるため、ローラ支持部18の図示を省略している。
図15(A)〜(C)は、押圧部22をローラ支持部18のレール56に装着する手順を細かく説明したものであり、図15(A)の如く、押圧部22は、レール56の上方から図15(B)の如く、レール56の上端(図7の二点鎖線で示す位置)に装着される。
この状態でローラ操作バー60を把持し、ローラ操作バー60を押し下げてローラ16による貼合を開始する。
図15(B)の位置から、実質的な貼合開始位置である図15(C)に示す位置(図7の実線で示す位置)までのローラ16の移動において、前述したダミーシート86の作用によって、ローラ16は可撓性板状部材12の剛性の差による影響を受けることなく、実質的な貼合開始位置に円滑に移動される。
次に、図15(C)〜(E)に示すように、ローラ操作バー60を介して可撓性のローラ16を可撓性板状部材12の背面から窓ガラス102に向けて押圧して貼合荷重を付与する。これによって、液晶パネル106の上端(貼合開始端)を窓ガラス102に貼合する。そして、可撓性板状部材12の上端から下端に向けてローラ16を下降移動させる。これにより、ローラ16の移動方向に存在する可撓性板状部材12部分の湾曲が、スプリング24Dの付勢力に抗して平坦に矯正されていくので、液晶パネル106の貼合面は、上端から下端に向けて窓ガラス102に順次貼合されていく。このようなスプリング24D及び可撓性のローラ16による作用によって、液晶パネル106の貼合面は、気泡を巻き込むことなく窓ガラス102に貼合される。
図15(E)に示すように、押圧部22は、液晶パネル106の下方位置に配置されたスポンジ部材84を超えた位置まで移動され、ここが貼合終了位置となる。この時点で、可撓性板状部材12による液晶パネル106の吸着保持を解除する。
なお、上記貼合動作は、貼合開始位置から貼合終了位置までローラ16を1回移動させる貼合動作であるが、更に貼合終了位置から貼合開始位置までローラ16を上昇移動させ、上下一往復の貼合動作で貼合を実施してもよい。
以上の手順により窓ガラス102に対する液晶パネル106の貼合作業が終了する。
貼合作業の終了後、貼合装置10を窓ガラス102から取り外す。
その取り外し作業は、まず、押圧部22をレール56から取り外す。次に、ローラ支持部18を窓ガラス102から取り外し、可撓性板状部材12をハンガーユニット14から取り外す。そして、最後に、ハンガーユニット14を窓ガラス102から取り外す。これにより、窓ガラス102に液晶パネル106が貼合された画像表示装置を構成することができる。
〔実施形態の特徴:貼合工程〕
上記説明したように、建築物に鉛直方向に設置された窓ガラス102においては、窓ガラス102自体に反り(貼合進行方向に対して直交方向の反り)が元々ある場合、又はローラ16の貼合荷重によって貼合中に窓ガラス102に反りが発生する場合がある。これらの場合には、反りに追従する対策を施すことが必要となる。
反りに追従する対策として、ローラ16によって液晶パネル106に貼合荷重を直接付与するのではなく、弾性変形可能な可撓性板状部材12を介して貼合荷重を付与するようにした。これにより、可撓性を有するローラ16の軸方向において、複数の押圧部22が配置された位置部分の押圧力が強くその他の部分の押圧力が弱くなるというバラつきが生じ難くなる。すなわち、可撓性板状部材12によって、ローラ16の軸方向における押圧力が均一化される。これにより、窓ガラス102の反り形状に沿って液晶パネル106の反り形状を精度良く追従させることができる。
したがって、窓ガラス102自体に反りがある場合や貼合時に反りが発生した場合であっても窓ガラス102と液晶パネル106との間の粘着層界面に気泡が入り込むことなく液晶パネル106を精度良く貼合することができる。
これにより、実施形態の貼合方法及び貼合装置10によれば、窓ガラス102に反りがある場合、貼合時に反りが発生した場合であっても、窓ガラス102と液晶パネル106との間の粘着層界面に気泡が入り込むことなく、貼合することができる。よって、実施形態によれば、建築物の窓ガラス102に液晶パネル106を貼合し、画像表示装置を構成する現場貼合において特に有効である。
上記説明した実施形態では、本発明の基板の貼合装置及び貼合方法を、建築物の窓ガラス(第1の基板)に液晶パネル(第2の基板)を現場貼合する一例で説明したが、これに限定されず、第1の基板が鉛直方向又は鉛直方向から傾斜した状態、あるいは平置き状態の何れにも適用することができることは言うまでもない。
10…貼合装置、12…可撓性板状部材、12A…リング、14…ハンガーユニット(支持部)、16…ローラ(押圧手段)、18…ローラ支持部、20…貼合荷重調整機構部、22…押圧部、24…湾曲手段、24A…プレート、24B…プッシャ、24C…弾性体、24D…スプリング、24E…ウエイト部材、24F…牽引ロープ、24G…プ―リ、26…可撓板、28…スポンジ部材、30…多孔性シート、32…隙間、34…接着剤、35…吸引路、36…吸引ポート、38…吸引ホース、40…真空ポンプ、42…接着剤、44…水平方向位置調整部、44A…レール状部材、44B…リニアスライダ、46…鉛直方向位置調整部、48…ハンド吸着盤、50…ターンバックル、50A…フック、52…粘着層、54レールフレーム、56…レール、56A…内壁面、56B…ローラガイド面、58…連結棒、60…ローラ操作バー、62…係合部、64…車輪、66…車輪ユニット、68…ブラケット、70…スロープ、72…水平面、74…スライダ、76…ブラケット、78…スプリング、80…バックアップローラ、82…ピン、84…スポンジ部材、86…ダミーシート、88…粘着部材、102…窓ガラス、106…液晶パネル

Claims (11)

  1. 床面に対して鉛直方向又は鉛直方向から傾斜して設けられる第1の基板に粘着層を介して第2の基板を貼合する基板の貼合装置において、
    前記第2の基板を吸着固定する弾性変形可能な可撓性板状部材と、
    前記第1の基板に前記可撓性板状部材を支持させる支持手段と、
    前記可撓性板状部材を湾曲させることにより、貼合方向に向かって前記第2の基板を前記第1の基板に対して凸状に湾曲させる湾曲手段と、
    前記可撓性板状部材を湾曲に抗して貼合方向に向かって矯正させ、貼合方向と直交する方向で前記第1の基板に倣うように変形させながら前記第2の基板を前記第1の基板に順次貼合する押圧手段と、
    を備えたことを特徴とする基板の貼合装置。
  2. 前記第2の基板の全面が、前記可撓性板状部材に吸着されて保持されている請求項1に記載の基板の貼合装置。
  3. 前記可撓性板状部材には粘着部材が設けられ、
    前記第2の基板は、前記可撓性板状部材に真空吸着されるとともに、前記粘着部材を介して保持される請求項1又は2に記載の基板の貼合装置。
  4. 前記粘着部材は、矩形状の前記可撓性板状部材の少なくとも2辺に沿って配置されている請求項3に記載の基板の貼合装置。
  5. 前記粘着部材は、矩形状の前記可撓性板状部材の角部に配置されている請求項3に記載の基板の貼合装置。
  6. 前記粘着部材は、ショアA硬度が70以下、表面粗さがRa0.2μm以下である請求項3、4又は5に記載の基板の貼合装置。
  7. 前記第1の基板が窓ガラスであり、前記第2の基板が画像表示パネルであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の基板の貼合装置。
  8. 床面に対して鉛直方向又は鉛直方向から傾斜して設けられる第1の基板に粘着層を介して第2の基板を貼合する貼合方法において、
    前記第2の基板を弾性変形可能な可撓性板状部材に着脱自在に保持させる保持工程と、
    前記第1の基板に支持手段を着脱自在に支持するとともに、前記支持手段に前記可撓性板状部材を着脱自在に取り付ける支持工程と、
    前記可撓性板状部材を湾曲させることにより、貼合方向に向かって前記第2の基板を前記第1の基板に対して凸状に湾曲させる湾曲工程と、
    前記可撓性板状部材を押圧して貼合荷重を移動させることにより、前記可撓性板状部材を湾曲に抗して貼合方向に向かって矯正させ、貼合方向と直交する方向で前記第1の基板の形状に倣うように変形させながら前記第2の基板を前記第1の基板に順次貼合する貼合工程と、
    を備えたことを特徴とする基板の貼合方法。
  9. 前記保持工程において、前記第2の基板は、前記可撓性板状部材に真空吸着されるとともに、粘着部材を介して保持される請求項8に記載の基板の貼合方法。
  10. 前記第1の基板が窓ガラスであり、前記第2の基板が画像表示パネルであることを特徴とする請求項8又は9に記載の基板の貼合方法。
  11. 請求項10に記載の基板の貼合方法によって構成されることを特徴とする画像表示装置。
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