JP2017185221A - 吸着カラム - Google Patents

吸着カラム Download PDF

Info

Publication number
JP2017185221A
JP2017185221A JP2017062371A JP2017062371A JP2017185221A JP 2017185221 A JP2017185221 A JP 2017185221A JP 2017062371 A JP2017062371 A JP 2017062371A JP 2017062371 A JP2017062371 A JP 2017062371A JP 2017185221 A JP2017185221 A JP 2017185221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
blood
adsorption
solid
solid yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017062371A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6834677B2 (ja
Inventor
上野 良之
Yoshiyuki Ueno
良之 上野
洋暁 藤枝
Hiroaki Fujieda
洋暁 藤枝
誠之 山田
Masayuki Yamada
誠之 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Publication of JP2017185221A publication Critical patent/JP2017185221A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6834677B2 publication Critical patent/JP6834677B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、多孔質中実糸を用いて、被吸着物質の吸着性能を向上させることが可能な吸着カラムを提供することにある。【解決手段】多孔質中実糸がカラムケースの長手方向に対して略平行に挿入されており、(イ)前記多孔質中実糸の平均細孔半径が5nm〜100nm、(ロ)流路断面の相当直径が10μm以上、250μm以下(ハ)ウシ血液を流速200mL/分で流したときの圧力損失が2kPa〜30kPaである、吸着カラム。【選択図】図1

Description

本発明は、吸着カラムに関するものであり、血液や血液成分等の処理液から被吸着物質を吸着する用途に好適に用いられる。特定の被吸着物質を除去しなければならない疾患、例えば、タンパク質であるβ−ミクログロブリンや、サイトカイン、自己免疫抗体、脂質・タンパク質複合体である低密度リポタンパク質などを除去するための体外循環カラムに好適に用いられる。
血液等の処理液を体外に取り出し、処理液中の病因物質などを吸着カラムによって除去し、浄化してから戻す治療としては、人工透析以外に、アフェレシスと呼ばれる血液浄化療法が普及している。アフェレシス療法としては主に単純血漿交換療法、二重濾過血漿交換療法、血液から血漿を分離した後で血漿の有害物質を除去する血漿吸着療法、全血のまま有害物質を除去する血液吸着療法がある。
血漿吸着療法や血液吸着療法において、特定の物質を吸着除去するために、特定の物質と相互作用するリガンドを吸着担体に固定化する試みが行われてきた(特許文献1、2)。
実際に、血漿吸着療法においては、自己抗体を吸着除去する「イムソーバ」(登録商標)(旭化成クラレメディカル株式会社)や、低密度リポ蛋白質を吸着除去する「リポソーバ」(登録商標)(株式会社カネカ)などの吸着カラムが実用化されている。血液吸着療法においては、エンドトキシンを吸着除去する「トレミキシン」(登録商標)(東レ株式会社)や、β−ミクログロブリン(以下、β−MG)を吸着除去する「リクセル」(登録商標)(株式会社カネカ)などの吸着カラムが実用化されている。これらの何れも除去対象物質と相互作用するリガンドが吸着担体に固定されたものである。
吸着担体の形態として「トレミキシン」が通常の糸を編み地として用いていることを除けば、上記すべての製品においてビーズが用いられている。この理由としては、ビーズ形状の吸着担体は、吸着カラム内に均一に充填できるため、被処理液の流れの偏りが少なく、カラム設計をしやすい利点を有することが挙げられる。
一方で、吸着カラムにおける被吸着物質の吸着性能を向上させようとすると、一般的には吸着カラムの容積を増やし、吸着担体量を増やすことが考えられるが、体外循環処理液量(処理液容量)も増え、処理液が血液の場合は血圧低下や貧血などの副作用を惹起することになり、好ましい解決手段ではない。吸着性能向上のための他の手段としては、吸着担体の体積あたりの表面積を増やすことが挙げられるが、吸着担体がビーズ状である場合は、上記表面積を増やすためにビーズ径を小さくすると、各ビーズ間の隙間が狭くなり、流路抵抗が高くなって圧力損失の増加により、処理液を流すことが困難になる。
ビーズ以外の形態として、編み地や中空糸膜などが挙げられる。ただし、編み地の場合は、流路抵抗を抑えた設計にすることはできるが、繊維に吸着孔を設けるための多孔質化が製造上容易ではない。
吸着担体が中空糸膜の場合は、膜の内側と外側の両方に処理液を流す構造とすることで吸着性能が高まる。またビーズと異なり処理液流路が内外にはっきりと区分され、ビーズよりも血液流れに関しては良好である。特許文献3には、血液透析膜の用途において、中空糸膜の細孔半径を制御することでβ−MGの除去性能を向上させることが記載されている。しかしながら、血液透析治療においては中空糸内側から外側にかけて濾過をかけており、濾過と拡散を合わせた効果により血液から水を除去し、尿毒素物質の除去効率も高めていることから、当該発明においては、細孔半径は濾過をかけることを前提とした設計となっている。
また、特許文献4には、血球除去用吸着体に関し、中空糸についても記載され、ケーシングに装填した中空糸束の両端をメッシュで押さえてヘッダーを取り付け、血液が中空糸の内外両方に流れる構造としたものが記載されている。しかしながら、ここでは単に中空糸の表面に白血球および血小板を吸着させることを目的として表面の凹凸を制御することが記載されたのみで、具体的な実施例では中空糸膜の製造段階においてあえて相分離が生じない工夫がされており、中空糸内部の相分離による孔形成を利用した多孔質構造の制御についての思想はなく、そもそも細孔についての記載自体がない。
特許文献5には、体液中の成分を吸着するための吸着材として多孔質支持体を中実繊維で構成することが記載されており、中実繊維の細孔の平均孔径は0.01μm以上10μm以下と記載されている。
特開昭59−17355号公報 特開2004−129975号公報 特開昭63−109871号公報 特開2009−254695号公報 特開平6−296860号公報
上記特許文献3に記載の発明について、まず、血液透析器と異なり、吸着カラムでは濾過をかけることがないので、被吸着物質の中空糸膜表面から中空糸膜内部への移動は拡散のみに支配されることから、糸表面の細孔半径について別の設計としなければならない。また、血液透析器においては、中空糸膜の外側を透析液が効率的に流れるように中空糸の配置やケース形状・寸法が設計されるが、透析液を流すことのない吸着カラムの設計において、これらを同じ設計思想で設計した場合では、β−MGを含めたタンパク質等の被吸着物質を効率的に吸着させることができない。
上記特許文献3および特許文献4に記載の発明に関して、被吸着物質を中空糸内部、外部の両方に効率的に吸着させるためには、中空糸膜の内側および外側に流れる血液流量の分配比についての設計が重要となるが、それらの思想は記載されていない。
上記の通り、タンパク質の中空糸膜内部への吸着を拡散のみによる場合の細孔半径、中空糸膜の内側のみならず外側の表面も含めた構造制御、さらには、中空糸膜の内側と外側における処理液の流量の分配比の制御等について、上記従来技術を組み合わせたのみでは高い吸着性能を有する吸着カラムを実現することに困難があった。
また、上記特許文献5においては、吸着物質を含む体液が吸着剤と接触する機会を増やすことを目的として、ケースの形状および、単なるケース形状のみでなく中実繊維の充填率等からも定まる体液の流路面積をどの程度確保することが適当であるかについて記載がない。
従来技術において、例えば吸着担体が多孔質ビーズの場合、球形であるために、体積あたりの表面積が小さい。このため、多孔質ビーズの表面に処理液成分が堆積して細孔を塞ぎ、ビーズ内部の細孔に吸着余力があっても有効に吸着サイトが活用できない問題がある。中空糸膜の場合は中空糸膜内外の表面設計、中空糸膜内外での処理液流量の分配比の制御の困難性がある。中実糸を用いた場合は、カラムケースの適正化については考慮がされていなかった。
本発明の目的は、上記ビーズや中空糸膜、さらには中実糸などを用いた従来技術において見られた欠点を改良することにある。
そして、本発明によれば、被処理液の残留(血液の場合、残血)が抑制され、被吸着物質の吸着性能に優れた吸着カラムを提供することができる。
本発明者らは上記課題を達成するため鋭意検討を進めた結果、被吸着物質の吸着性能を向上させた吸着カラムは、下記の構成によって達成されることを見出した。
(1)多孔質中実糸が筒状のカラムケースの長手方向に対して略平行に配置されており、
(イ)前記多孔質中実糸の平均細孔半径が5nm〜100nm、
(ロ)流路断面の相当直径が10μm以上、250μm以下
(ハ)ウシ血液を流速200mL/分で流したときの圧力損失が2kPa〜30kPaである、吸着カラム。
(2)前記多孔質中実糸の相当直径が1μm〜1000μmである、上記(1)に記載の吸着カラム。
(3)前記多孔質中実糸の有効長が5cm〜50cmである、上記(1)または(2)に記載の吸着カラム。
(4)前記多孔質中実糸の開孔率が1%〜40%である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の吸着カラム。
(5)前記多孔質中実糸の抱液率が150%〜1000%である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の吸着カラム。
(6)前記多孔質中実糸がポリスルホン系ポリマー、エステル基含有ポリマー、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタンおよびこれらの誘導体から選ばれる1種類以上である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の吸着カラム。
(7)中実糸との血液接触面積が3mの場合に、血液流速が200mL/分のときの循環1時間後のβ−ミクログロブリンのクリアランスが40mL/分以上である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の吸着カラム。
本発明における吸着カラムは、処理液を体外に取り出し、効率的に病因タンパク質を除去し、浄化してから体内に戻すことができ、治療後の吸着カラムに残る被処理液(血液の場合、残血と呼ばれる)も少なくすることができる。β−MGを除去する吸着カラムであれば透析アミロイド治療に好適に用いることができる。また、抗体を吸着するカラムであれば、自己免疫疾患治療に好適に用いることができる。
本発明に用いられる吸着カラムの一態様を示す。 内接円、外接円を説明するための中実糸断面の一態様を示す。 β−MGクリアランス測定における回路を示す。 人工腎臓モジュールのβ−MGクリアランス測定回路図を示す。 異形断面中実糸の紡糸口金の吐出形状を示す。
本発明においては、吸着カラムにおける吸着担体として、多孔質中実糸に着目した。さらに、多孔質中実糸のカラムへの配置の仕方と多孔質中実糸の形状および多孔質構造を組み合わせることで、目的とする被吸着物質の吸着性能を著しく向上させつつ、返血性(被処理液が血液の場合)に優れた吸着カラムを発明するに至ったものである。
本発明に係る中実糸はカラムケース内に配置されており、カラムケースは筒状で、被処理液の出口、入口があり、好ましくは両端が開放されてそれぞれ出口、入口となっている。
まず、多孔質中実糸のカラムへの配置の仕方としては、中実糸束をカラムケースの長手方向に対して略平行に挿入・配置することである。略平行とは、カラムケースの長手方向に対して平行であることが好ましいが、45度までの傾きを有している糸を含んでいても良いことを意味する。ここでカラムケースの長手方向とは、筒軸の方向である。この利点としては、返血性に優れることである。
また、吸着という現象を考えた場合、血液がカラム内を通過する間に被吸着物質が中実糸に接触し、吸着しなければならない。そのため、中実糸の吸着性能を最大限活用するには、中実糸と接触したタンパク質が速やかに中実糸内部に拡散していくことが重要である。中実糸束をカラムケースの長手方向に対して略平行に挿入・配置すると、被処理液は中実糸の長手方向に沿って流れるため、乱流になりにくい。
また、本発明では、被処理液がカラム内を通過する間に、被吸着物質が中実糸に接触する機会を増やすためには、流路断面の相当直径が重要であることを見出した。ここで、流路とはカラム長手方向に略平行に配置された中実糸間における被処理液の流れ得る空間であり、流路断面とは、かかる流路のケース長手方向に垂直な断面である。また、相当直径とは、流路断面を円形とみなした場合の直径を表すものであるが、具体的には下記(1)式により求められる、流路の広さを示すものである。すなわち、流路断面の相当直径が大きいと、被吸着物質が中実糸表面に接触する機会は少なくなる。しがたって、流路断面の相当直径は250μm以下であり、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましい。一方、流路断面積が小さすぎると、カラムの圧力損失が大きくなる。また、後述するが、適度な圧力損失は必要であるが、高すぎると血液を活性化し、好ましくない。そのため、流路断面の相当直径は10μm以上であり、30μm以上がより好ましい。
上記、流路断面の相当直径(D)は下記(1)式により得られる。
=((Dcase/2)−(Dfiber/2)×N)×2/(Dcase+Dfiber×N)・・・(1)
case:カラムケースの内径、Dfiber:中実糸の相当直径、N:中実糸の糸本数
本発明において、中実糸は多孔質であるため、タンパク質は中実糸内部に入り込み吸着される。そこで、中実糸の内部までタンパク質が移動しやすいような中実糸形状および多孔質構造が必要である。さらに本発明では、カラムの圧力損失を大きくすることで、中実糸内部にタンパク質が移動しやすくなることを見出した。一方で、圧力損失が大きすぎると、血液を活性化することになる。すなわち、カラムにウシ血液を流速200mL/分で流したときの圧力損失は2kPa以上であり、好ましくは3kPa以上、より好ましくは4kPa以上であり、一方で上限としては30kPa以下であり、20kPa以下が好ましく、より好ましくは12kPa以下、特に好ましくは8kPa以下である。圧力損失はカラムへの中実糸の充填率、ケース内径、中実糸径、中実糸本数などを調節することによって制御することができる。圧力損失の測定方法については後述する。
本発明においては、ケースに対する糸の充填率は35%以上が好ましく、45%以上がより好ましく、48%以上がさらに好ましい。一方で70%以下が好ましく、65%以下がより好ましく、58%以下がさらに好ましい。なお、充填率が35%以上であると、流れムラが起こり難くなり、返血性が良くなるため、残血し難くなる。また、ケース内径としては、2cm以上が好ましく、3cm以上がより好ましく、4cm以上がさらに好ましい。一方で15cm以下が好ましく、10cm以下がより好ましく、8cm以下がさらに好ましい。
中実糸の相当直径としては1μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上がさらに好ましい。一方で1000μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、200μm以下がさらに好ましい。中実糸の相当直径が1μm以上であると、紡糸性が良好となり、また血小板や白血球が付着し難くなる。一方で、中実糸の相当直径が1000μm以下であると、タンパク質等の吸着対象物質が中実糸内部まで、拡散により入り易くなり、中実糸の吸着性能が向上する。
なお、タンパク質等の吸着性能を高めるために、中実糸にリガンドを導入したり、吸着物質を混錬したりしても良い。リガンドとしては、多孔構造内部まで固定化しても良いし、中実糸表面に固定化しても良い。さらには、血小板や白血球の付着を抑制するために、中実糸表面に抗血栓性のポリマーをコートするなどしても良い。
充填率とは、ケースの断面積と長さから計算されるケース体積(Vc)と個々の中実糸断面積およびケース長、中実糸本数から計算される中実糸体積(Vf)の比率であり、以下の(2)〜(4)式から求められる。
Vc=ケース胴部の断面積×有効長・・・(2)
Vf=中実糸断面積×中実糸本数×有効長・・・(3)
Vf/Vc×100(%)・・・(4)
中実糸の断面形状としては、円形であってもよいが、異形であることが好ましい。本発明に用いられる多孔質中実糸の相当直径とは、中実糸の断面積から得られる直径の値であって、中実糸断面を円形とみなした場合に算出される直径である。
異形度は、糸断面を観察した際の内接円と外接円の直径の比、すなわち、内接円の直径Diと外接円の直径Doとの比Do/Diによって表す。ここで、異形断面については線対称性、点対称性などの対称性を保持した形状であっても、非対称性であってもよいが、均一な中実糸を有する点で、概ね対称性を有する形状であることが好ましい。異形断面が概ね線対称性、点対称性を保持すると判断される場合、内接円とは中実糸横断面において中実糸の輪郭をなす曲線に内接する円であり、外接円とは中実糸横断面において中実糸の輪郭をなす曲線に外接する円である。図2には、フィン数3の異形断面中実糸とした場合の外接円、内接円及び直径Do、Diを示す。 一方、異形断面が線対称性、点対称性を全く保持しない形状であると判断される場合には、中実糸の輪郭をなす曲線と少なくとも2点で内接し、中実糸の内部にのみ存在して内接円の円周と中実糸の輪郭をなす曲線とが交差しない範囲においてとりうる最大の半径を有する円を内接円とする。外接円は中実糸の輪郭を示す曲線において少なくとも2点で外接し、中実糸横断面の外部にのみ存在し、外接円の円周と中実糸の輪郭が交差しない範囲においてとりうる最小の半径を有する円を外接円とする。
この異形度が1.2以上あれば、中実糸が除去対象物質を吸着する能力を高くすることが可能となる。異形度は、一般には、増大するにしたがって体積当りの表面積が増大するため、吸着性能を向上させることができるためである。したがって、好ましい異形度の下限は1.2以上であり、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは1.8以上、特に好ましくは2.0以上である。一方、異形度を一定以下にすることにより、糸断面中心部やフィン部が細長くなり、糸の強伸度が低下することでフィンの折れ曲がりやフィンの切断が発生することを防ぐことができ、紡糸安定性を高め、中実糸形状の保持が可能となる。また、糸束化してケースを挿入する際も、フィン部の欠けなどが起き難い。このことから、異形度には一定の上限を設けることがよく、本発明においては6.6以下が好ましい範囲であり、より好ましくは4.5以下、さらに好ましくは3.6以下である。なお、フィンの数が3以上、10以下の中実糸がカラムに内蔵されていることが好ましい。
なお、異形度や相当直径の2種類以上の中実糸がケースに内蔵されている場合は、平均異形度、平均相当直径とする。
異形度の測定方法としては、測定対象となる中実糸の両端を、0.1g/mmの張力を付与した状態で固定し、無作為の位置で切断する。その後、切断面を光学顕微鏡、例えばスカラ社製DIGITAL MICROSCOPE DG−2で拡大して写真撮影する。撮影の際、同一倍率でスケールも撮影する。当該画像をデジタル化した後、例えばスカラ(株)の画像解析ソフト「Micro Measure ver.1.04」を用い、繊維の横断面の外接円の直径Doと、内接円の直径Diを計測する。そして先の式により各繊維の異形度を求める。この測定を30箇所について行い、値を平均化し、小数点以下第2位を四捨五入した値を異形度とする。
カラム内に異形中実糸が含まれる場合、中実糸の体積あたりの血液接触面積が増えるため、吸着性能が高くなるメリットを有するが、円形中実糸と異なり異方性を有するため、後述する糸束の品位を適正にしなければ、血液の流れムラが起こりやすく、中実糸本来の吸着性能を発現させることができない。
中実糸の有効長(樹脂などで覆われていない、被処理液と接することのできる部分の長さ)については、短すぎても、長すぎても、タンパク質吸着性能は低くなるため、2.5cm以上が好ましく、3.5cm以上がより好ましく、4.5cm以上がさらに好ましい。一方で50cm以下が好ましく、30cm以下がより好ましく、10cm以下がさらに好ましい。有効長はケース内径に対して0.25倍以上、10倍以下であることが好ましく、0.5倍以上、3倍以下であることがより好ましく、0.7倍以上、1倍以下であることがさらに好ましい。
本発明に係る吸着カラムは、ケースの出口、入口にヘッダー部を有することが好ましく、カラムのヘッダー部をケース両端面部分に接続したとき、被処理液が入口・出口間を流通できることが好ましい。中実糸がケースの長手方向に束状に配置されているため、中実糸の端面部に血液が導入され、もう一方の端面部から導出されることになる。その結果、血液は中実糸間に流れ易くなる。そのため流れムラが起こりにくくなり、残血性は低く、吸着性能も高くすることができる。
また、中実糸をケースの長手方向に束状に配置させ、中実糸端部から血液を流す際には、中実糸束の品位が流れムラに影響を及ぼす。ここで、中実糸束の品位が悪いとは、ケースに挿入された束が崩れて楕円状になっていたり、束が2つに割れたようになっていたり、中実糸の束内の密度のムラが大きいことを言う。糸束品位を上げる観点からは、複数の糸束を合わせてケースに挿入することは好ましくなく、また紡糸時の糸の巻き取り時の張力は0.5gf/本〜10gf/本が好ましい。また、中実糸はグリセリン水溶液などの粘度の高い液体で湿潤しているほうが、糸束品位を保つことができる。グリセリン水溶液の濃度としては30〜90質量%が好適である。さらには、ケースに対する好ましい糸の充填率は上記の通りである。流れムラはパルス試験によって定量化できる。測定の詳細は後述するが、パルス試験から得られるピークトップの空間時間は0.85以上1以下が好ましく、0.9以上1以下がより好ましい。
中実糸の多孔質構造は、被吸着物質の吸着速度に影響を及ぼす重要な因子である。平均細孔半径が小さいと、被吸着物質が拡散によって孔の内部に入り込むことが難しくなり、吸着効率が低下する。一方で細孔半径が大きすぎる場合には、孔の空隙部分に被吸着物質が吸着されないため、逆に吸着効率が低下する。すなわち、除去対象とする被吸着物質の大きさに応じて最適な孔径が存在し、孔径の選択を誤ると十分な被吸着物質の吸着が出来ない。これらのことから、中実糸の平均細孔半径は5〜100nmの範囲内がよく、この範囲であれば、低分子物質や、タンパク質、低密度リポ蛋白質などのタンパク質・脂質集合体等の物質の吸着が可能となる。タンパク質を吸着除去する際の平均細孔半径は、5nm以上、100nm以下であることが好ましく、7nm以上、50nm以下であることがより好ましい。分子量1万〜3万程度のタンパク質には、透析アミロイド症の原因となるβ−ミクログリブリン(β−MG)や、急性期の多臓器不全を引き起こすサイトカイン、例えばインターロイキン1β、インターロイキン6、ハイモビリティーグループボックス1(HMGB1)などが存在し、これらのタンパク質の除去は好ましい様態である。この分子量領域のタンパク質を吸着するためには10nm以上、30nm以下が好ましい。また、分子量が10万以上のタンパク質には、悪性関節リュウマチなどの原因となる自己抗体などが存在する。この分子量領域のタンパク質を吸着するためには15nm以上、50nm以下が好ましい。
本願発明においては、特にβ−MGを吸着除去のターゲットとしており、上述の範囲に適宜設定することで高い吸着率とすることが可能である。β−MGの吸着性能の測定方法については後述するが、中実糸との血液接触面積が3mのカラムにおいて、血液流速が200mL/分のときの循環1時間後のクリアランスは40mL/分以上が好ましく、50mL/分以上がより好ましく、60mL/分以上がさらに好ましい。また、このときのカラムの血液容積(ヘッダー部容積+ケース内容積−中実糸容積(π×中実糸半径×有効長×糸本数))は170mL以下であることが好ましく、130mL以下であることがより好ましい。なお、血液接触面積が3mのカラム作製が困難な場合、1m〜6mの間であれば、総括物質移動係数から3m値に換算しても良い。
中実糸の平均細孔半径についての測定方法の詳細は実施例にて後述するが、示差走査熱量測定(DSC)により、細孔内の水の毛管凝集による氷点降下度を測ることで求められる。
中実糸の表面構造についても、膜内部への被吸着物質の移動に影響を及ぼすため、重要な因子である。表面の開孔率が小さいと、タンパク質は膜内部に移動しにくい傾向にある。一方で開孔率が大きすぎると、表面の凹凸が大きくなるため、血液を活性化しやすくなる。特に、血小板や白血球が活性化し、付着を惹起する傾向にある。したがって、膜内表面および外表面の開孔率は1%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、4%以上がさらに好ましい。一方で40%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
中実糸の表面の平均孔径について、これは糸表面にて確認できる二次元形状の細孔の径であるが、これが小さすぎるとタンパク質は膜内部に拡散しにくく、大きすぎると血液を活性化しやすい。このため、表面の平均孔径(直径)としては0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。一方で、10μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。ここで、表面の孔径が円形で無い場合は、孔の外周で囲まれる面積と同一の面積の円の求められる相当直径を用いることができる。また、表面の孔の形状としては、楕円やスリット形状のほうが開孔率を上げることができ、好ましい。具体的には、孔の長径部分の長さ(孔のなかで最も長い半径)は、短径部分の長さ(孔のなかで最も短い半径)の1.5倍以上が好ましく、2倍以上がより好ましい。一方で、長径の比が大きくなりすぎると、糸強度が低下する場合があることから、長径部分の長さは、短径部分の長さの10倍以下が好ましく、5倍以下がより好ましい。
平均細孔直径よりも表面の平均孔径(直径)が大きいことが好ましい。この理由としては、表面の孔径が細孔半径よりも大きい場合、タンパク質が中実糸の内部に入り込みやすくなり、吸着効率が上がるためである。
開孔率や平均孔径についての測定方法の詳細は後述するが、中空糸膜表面の電子顕微鏡像を撮影し、画像処理を行い、算出するものである。
中実糸内部の比表面積は、大きい方が、吸着容量が増えるため好ましい。一方で、中実糸の強度を維持するために、比表面積を一定以下とすることが好ましい。このため、比表面積は10m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましく、一方で10000m/g以下が好ましく、1000m/g以下がより好ましい。
また、中実糸の組成としては、疎水性ポリマーを有していることが、疎水性相互作用によりタンパク質等の疎水性物質の吸着効果を期待できるため好ましい。一方で、タンパク質が膜内部に拡散せずに、膜表面に吸着、堆積し、細孔を塞いでしまい、アルブミンが多く吸着されることを避けるため、疎水性を一定以下とすることが好ましい。したがって、疎水性としては、ポリマーをフィルムに成形した際に、接触角が40°以上であることが好ましく、50°以上がより好ましく、60°以上がさらに好ましく、一方で110°以下が好ましく、100°以下がより好ましく、90°以下がさらに好ましい。疎水性ポリマーとしては、ポリスルホン系ポリマー、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートや酢酸セルロース系ポリマーなどのエステル基含有ポリマー、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリルおよびこれらの誘導体が挙げられる。ポリスルホン系ポリマーとしてはポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルエーテルスルホンがあり、エステル基含有ポリマーとしてはポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース系ポリマーとしてはセルロースジアセテート、セルローストリアセテートがある。また、誘導体としては、共重合体や官能基が導入された変性体が挙げられる。共重合体としては、上記のポリマーに繰り返しモノマーあたり10mol%以下の範囲で他のモノマーを配合することが好ましく、5mol%以下の範囲がより好ましい。また、官能基導入量としては、繰り返しモノマーあたり、20mol%以下の範囲で官能基を導入することが好ましく、10mol%以下の範囲がより好ましい。特にイオン性基や親水性基はポリマーに適度な親水性を付与し得るもので、中実糸表面への付着が細孔を塞ぐことを防ぐ効果がある。
中実糸の表面構造および細孔半径を制御する方法としては、ポリマー溶液の相分離を利用した手法が用いられる。相分離を利用した手法は大きく熱誘起相分離法と非溶媒誘起分離法に分けることができ、何れの方法が好適かはポリマーの種類や望ましい孔径の範囲によって変わる。
中実糸の抱液率は、中実糸の空孔率と素材に依存する。中実糸の内部に水が入り込めるスペースが吸着に寄与する多孔質部になるので、抱液率は吸着に関する指標となる。すなわち、抱液率が低いと空孔率が低いため、吸着性能が低い。また、中実糸の疎水性が高い場合には、微細な孔に水が入りにくいため、抱液率は実際の空孔率に比べて低くなる。したがって、この場合においても、吸着性能が低くなる。また、抱液率が高い場合には、空孔率が高いか、中実糸の親水性が高い。一方で、中実糸の親水性が高すぎる場合には、タンパク質が細孔に入っても吸着しにくい。以上のことから、中実糸の抱液率は150%以上、1000%以下の範囲内であることが好ましく、180%以上、700%以下の範囲内であることがより好ましい。抱液率(%)は飽和含水状態の膜質量/乾燥膜質量×100で求められる。
本発明に係る中実糸の大まかな製造工程としては、次のとおりであるが、必ずしも以下に限定されるものではない。まず、ポリマーを溶媒に溶かした紡糸原液を調整する。次いで、紡糸原液を口金から吐出する。口金から吐出後、一定の雰囲気に制御された空中部分(乾式部)を通した後に凝固浴に導く。ここまでの工程で、中実糸の表面の構造および内部の多孔質構造は、ほぼ決定される。その後、水洗工程を経てから、巻き取って糸束を得る。乾燥により膜性能が変化する場合は、グリセリンなどの保湿剤を付与する工程があっても良い。
本発明の多孔質構造を達成するには、上記の疎水性ポリマーの内、エステル基含有ポリマー、中でもエステル基が側鎖にあるポリマーが好適に用いられる。特にポリメチルメタクリレートおよびポリメチルメタクリレート誘導体が好適に用いられる。仮に疎水性が強すぎると、タンパク質などの被吸着物質が膜内部に拡散する前に表面に吸着してファウリング層を形成し、膜内部を吸着のために有効に活用できないことがある。したがって、膜の素材としてはある程度の親水性も重要であり、かかる親水−疎水バランスを膜表面に付与するためにはエステル基の極性基が有効である。また、ポリメチルメタクリレートのように、繰り返し単位の分子量が110で、エステル基を1個有するポリマーは、親水性と疎水性のバランスが良く好適である。なお、エステル基としてはポリマーの主鎖よりもポリマー側鎖にあることが好ましい。ポリメチルメタクリレートを膜素材として中実糸を製造する場合は、ポリマー濃度が15〜30質量%になるように、ジメチルスルホキシドなどの良溶媒に溶解することが好ましい。この溶液を環状紡糸口金から吐出して、乾式部を通過させた後、凝固浴に導く。乾式部において、冷却気体を吹き付ける。この際、冷却気体は乾球温度5〜20℃が好ましく、8〜17℃がより好ましい。また、含有水分の尺度である露点は0〜20℃が好ましく、5〜15℃がより好ましい。乾式部の雰囲気は表面構造に大きく影響を及ぼす。冷風は糸条に対して垂直方向から当てることが好ましい。さらに冷風流速としては、3〜10m/秒が好ましく、6〜8m/秒がより好ましい。
吐出した糸が乾式部を通過する時間としては、0.01〜2秒が好ましく、0.1〜1秒がより好ましい。
吐出時のドラフト率について、これは紡糸原液の紡糸口金から出る速度及び生成された中実糸の引き取り速度の比として定義されるパラメータであるが、このドラフト率が大きいと、糸の細孔が引き延ばされて楕円状となり、球状の細孔に比べて空間あたりの表面積が小さくなる。ドラフト率は小さすぎても、大きすぎても紡糸安定性が悪くなる。以上のことから、ドラフト率は1.5〜30が好ましく、3〜20がより好ましい。
次いで、水を主体とした凝固浴に導いて固化、脱溶媒する。凝固浴温度を高くすることにより、上記細孔半径を大きくすることが出来る。この機序は正確には明らかではないが、原液からの脱溶媒と凝固収縮との競争反応で、高温浴では脱溶媒が速く、収縮する前に凝固固定されるからではないかと考えられる。しかしながら、凝固浴温度が高くなりすぎると、前述のように細孔半径が大きくなりすぎることから、凝固浴温度は40℃以上が好ましく、42℃以上がより好ましく、一方で55℃以下が好ましく、48℃以下がより好ましい。また、水以外にジメチルスルホキシドなどの糸形成ポリマーにとっての良溶媒を少量添加することで、細孔半径の大きさを均一に制御できる。ただし、多すぎると、紡糸安定性が悪くなるので、水以外の良溶媒の濃度としては、1〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。糸が凝固浴に浸漬している時間が長いほうが、細孔の大きさを均一に制御できる。一方で、長すぎると紡糸安定性が悪い。以上のことから、糸が凝固浴に浸漬している時間は0.01〜2秒が好ましく、0.1〜1秒がより好ましい。また、紡糸後、延伸工程を入れて引き延ばすことも有効である。
次いで、凝固した中実糸に付着している溶媒を洗浄する。中実糸を洗浄する手段は特に限定されないが、多段の水を張った浴(水洗浴)中に中実糸を通過させる方法が好んで用いられる。水洗浴中の水の温度は、洗浄効率の観点から、30〜50℃が好適である。
また、中実糸の孔径を保持するために、保湿成分を付与する工程があってもよく、好適には上記水洗工程の後に行われる。保湿成分の代表例としてはグリセリンやその水溶液などがある。
また、収縮性の高い中実糸の寸法安定性を高めるため、加熱した保湿成分の水溶液が満たされた浴(熱処理浴)の工程を通過させることも可能であり、好適には上記水洗工程、保湿工程の後に行われる。熱処理浴には加熱した保湿成分の水溶液が満たされており、中実糸がこの熱処理浴を通過することで、熱的な作用を受けて収縮し、以後の工程で収縮しにくくなり、膜構造を安定させることが出来る。このときの熱処理温度は、75℃以上が好ましく、83℃以上がより好ましい。一方、90℃以下が好ましく、86℃以下がより好ましい温度として設定される。この熱処理工程時に糸を延伸すると、効率的に膜表面の開孔率を向上させるとともに、表面の孔を楕円形にすることができる。
得られた中実糸を巻き取り、糸束にした後、カラムに挿入する。まず、中実糸を必要な長さに切断し、必要本数を束ねた後、吸着カラムの筒部分となるプラスチックケースに挿入する。中実糸の長手方向がケースの長手方向に略平行となるよう配置する。中実糸をカラムケース内部に留めておく方法として2つの方法が挙げられる。1つ目は、糸束端面部にメッシュを配置させる方法である。2つ目は、糸束端面部にて糸束をケースと樹脂層からなるポッティング部(ポット層)で固定化する方法である。このとき、ポッティング部には、中実糸が配置されたケース内部とケース外部、すなわちヘッダー部とを連通する連通孔が必要である。連通孔を形成させるには、糸束端面部に小さいピン状の筒を挿入した上で樹脂を端面部付近に流してポッティングを行う方法が挙げられる。樹脂が固化した後、両端をカッター等で切断して中実糸が樹脂で閉塞している部分を取り除くとともに、上記ピン状の筒を取り除けば、ポット層端部には、連通孔の開口部が形成される。
この後、ヘッダーと呼ばれる処理液入り口、出口ポートをケース両端にそれぞれ取り付けて吸着カラムを得ることができる。
ここで、被処理液が血液の場合、体外循環治療後に生理食塩液を用いて、カラムや回路内の血液を体内に戻す返血という操作を行った際、カラム内に血液が残る現象を残血と呼ぶ。残血の起きる原因としては、生理食塩液のカラム内の流れが悪いため血液が残る場合と、血液の凝固系が活性化し、血液粘度が上昇して残る場合とがある。本発明においては、吸着カラムの返血性についても考慮することが好ましい。特に中実糸は、紡糸時や巻き取り時、糸束挿入時に傷がついてしまうことが多い。中実糸の表面に傷がついて、凹凸がある場合には、血液が活性化され、血球成分がその部位に付着し、残血の原因となりうる。すなわち、糸を導くためのローラーやガイドなど、糸と接触する部位の粗度を小さくすることが好ましい。
また、本発明においては、中実糸をケースの長手方向に対して略平行に配置するが、糸束に多数の中実糸が含まれると、ケース挿入する際に、全ての糸を略平行に挿入することができない場合があり、特に糸が捻れて挿入されると、返血性は悪くなる。以上のことから、カラム長手方向を0°とした場合、カラム長手方向に対して、中実糸の挿入角度が10°以上の糸が外周部の糸の本数の10%以下となることが好ましく、5%以下となることがより好ましい。ここでいう、外周部の糸とは、カラムの側面から目視で確認できる糸のことを指す。一方、中実糸の表面が平坦過ぎても、血球成分との接触面積が大きくなり、血小板や白血球の付着が多くなる。したがって、表面の凹凸として、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、一方で5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。
返血試験の詳細については後述するが、試験時のカラム内の残血量は5mL以下が好ましく、1mL以下がより好ましい。
なお、本明細書において上記した数値範囲で規定される全ての各項目については、各項目における上限、好ましい上限、より好ましい上限等のいずれかの数値と、下限、好ましい下限、より好ましい下限等のいずれかの数値とを組み合わせたいずれの数値範囲であってもよい。
以下実施例と比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
1.吸着カラムの作製
1.(1) PMMA中実糸の作製
質量平均分子量が51万のアイソタクチックポリメチルメタクリレート(iso−PMMA)3.5質量部と、質量平均分子量が89万のシンジオタクチックポリメチルメタクリレート(syn−PMMA)13.3質量部と、パラスチレンスルホン酸ソーダを1.5mol%含む分子量30万の共重合シンジオタクチックポリメチルメタクリレート(syn−PMMA)4.2質量部をジメチルスルホキシド79質量部と混合し、110℃で8時間撹拌し紡糸原液を調製した。
得られた紡糸原液を96℃に保温された直径0.3mmの環状口金から空気中に吐出した。紡糸された糸を、その後、長さ38cmに設定した乾式部を走行させた後、凝固浴に導いた。乾式部雰囲気としては、温度15℃、露点12℃の冷風を7m/秒の速度で糸条に垂直に当てた。また、凝固浴には水85質量%、ジメチルスルホキシド15質量%の混合水溶液を入れて用いた。中実糸の糸径、浴温は後述の各実施例、比較例に示す通り各種条件で実施した。
凝固浴を経た後、水洗浴に導き、保湿剤としてグリセリンを63質量%水溶液として付与し、83℃の熱処理工程を経た後、余分のグリセリンをスクレーパーで除去し、巻き取り、中実糸を得た。
1.(2) カラム化
得られた中実糸もしくは中空糸について、図1に示す吸着カラムを作製した。すなわち、カラムのケースに糸束を挿入し、ケース長手方向に略平行に配置した。さらに、ケース両端にそれぞれメッシュ、Oリング、ヘッダーを取り付けてカラム化した。カラムのケース内径、糸本数、有効長は、後述の実施例、比較例に示す通りであった。カラム化後に糸に残っているグリセリンを水で洗浄し、カラム内を水で充填した後、25kGyのγ線を照射し滅菌した。
2.測定方法
下記の通り平均細孔半径、中実糸の相当直径、表面開孔率等の測定機器を特定した。ただし、測定精度が同等以上であれば、別の機器を用いて測定してもよい。
2.(1) 中実糸の平均細孔半径測定
中実糸の平均細孔半径は示差走査熱量測定(DSC)によって求めた。ナノサイズの細孔に閉じ込められた氷の融点は、通常のバルク氷(融点:0℃)に比べて低下する。この現象を利用して、DSC曲線の融点の分布からLaplaceの式とGibbs-Duhemの式を組み合わせることで、細孔半径分布が算出され、平均細孔半径を求めることができる。
具体的には、融点低下度ΔT は細孔半径 R が小さいほど大きく、ΔTとRは以下の式で表される。
ここでαは温度の関数としての定数(nmK)で、凍結過程に対して56.36ΔT−0.90、融解過程に対して33.30ΔT−0.32である。式の第1項のα/ΔTは凍結可能な細孔内の水の径を示す。式の第2項のβは、細孔表面に吸着する凍結しない細孔水の厚さを示す。
また、DSC曲線の形状は多孔質体の細孔分布曲線を反映し、DSC 曲線(dq/dt)から細孔分布曲線(dV/dR)を算出することができる。
ここで、V:累積細孔容積、m:多孔質体(中実糸)の質量、ΔH(T):温度Tでの融解熱量、ρ(T):温度Tでの細孔水の密度、z:細孔の形状因子(円筒 2.0、球状 3.0)である。
測定方法としては、水中に浸漬した中実糸試料の表面の付着水を除いた後、約5mmの長さにしたもの数十本を密閉パンにつめて秤量し、DSCにかけた。試料は−55℃に冷却してから、0.3℃/minの昇温速度で加温して測定した。DSCの装置としてTA Instruments 社製DSC Q100を用いた。
2.(2) 中実糸の相当直径の測定
カラム内に充填された中実糸のうち、任意に20本を抽出し、純水で洗浄して糸内部を純水で置換する。その後中実糸をスライドグラスとカバーガラスの間に挟み、投影機(Nikon社製V−10A)を用いて測定し、20本の平均値を求め、小数点以下を四捨五入した値を算出した。
2.(3) ウシ血液での圧力損失測定
下記の2.(6)β−MG クリアランス(β−MG CL)測定において、循環開始5分後の血液側入口(Bi)と血液側出口(Bo)の圧力差を測り、BiとBoの圧力差を圧力損失とした。
2.(4) 表面開孔率測定
中実糸をスパッタリングし、Pt−Pdの薄膜を中実糸表面に形成させて、試料とした。この試料をフィールドエミッション型走査型電子顕微鏡(日立社製S800)にて倍率10000倍で観察した。このとき、画像の明るさ、コントラストは装置の自動機能を用いた。次に、“Microsoft Paint”(登録商標)(Microsoft Ltd.)を用いて、孔の部分を黒く塗りつぶした。二値化した後、“Matrox Inspector2.2” (登録商標)(Matrox Electronic Systems Ltd.)を用いて、孔の部分を白く、それ以外の部分を黒く反転させる画像処理を行い、白い孔の個数及び白い孔の部分の開孔の直径および総開孔面積を求め、開孔率を算出した。また、孔の全体が写っておらず、端が切れている場合でも、画像に写っている箇所については、算出対象とした。これらの測定作業を、糸3本につきそれぞれランダムに5箇所ずつ場所を選んで画像撮影を行い、計15枚の画像についての平均値を求め、孔の直径については小数点第二位を四捨五入し、開孔率については小数点以下を四捨五入した値として算出した。
孔の形が円でない場合は、その孔の面積と同面積の円に相当する直径を算出して孔径とした。また、孔径が0.2μm未満のものはノイズとみなし、計数しなかった。
2.(5) パルス試験
吸着カラムに回路を接続し、回路および吸着カラムに超純水を200mL/分で1L流し、洗浄した。超純水で110倍に希釈した墨汁1mLをシリンジにて回路のポート部分から2秒以内に注入した。
墨汁を注入開始した時点を0秒として、3秒後から1秒毎に3mLずつサンプリングを行った(計100秒、98サンプル)。墨汁の濃度の測定には分光光度計(日立社製 U−2000)を用いて、波長600nmで検量線を作成した後、サンプルを測定した。
得られたデータからX軸を空間時間(φ)、Y軸を無次元濃度(E)とした散布図を作成し、無次元濃度(E)が最も高かったサンプルの空間時間(φ)をピークトップとした。ここで、φおよびEはそれぞれ下記の式(5)、(6)で表される。
φ=t/TI=t/(VI/v) ・・・(5)
TI :カラム理論通過時間
t :サンプリング時間(墨汁の注入開始時を0 secとする)
VI :理論カラム体積
v :流速 (200ml/sec)
E=C/C0 ・・・(6)
C:各サンプリング溶液中の墨汁の濃度
C0:墨汁の初期濃度
2.(6)β−MG クリアランス(β−MG CL)測定
吸着カラムの性能評価として、β−MGのクリアランスを測定した。β−MGは、長期透析合併症である透析アミロイドーシスの原因タンパク質であることが知られている。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを添加したウシ血液について、ヘマトクリットが30±3%、総タンパク量が6.5±0.5g/dLとなるように調整した。採血後、5日以内のウシ血液を用いた。
次に、β−MG濃度が1mg/Lになるように加え、撹拌した。かかるウシ血液について、その2Lを循環用に、1.5Lをクリアランス測定用として分けた。
回路を図2のようにセットした。Bi回路入口部を上記で調整したウシ血液2L(37℃)の入った循環用ビーカー内に入れ、流速を200mL/分としてBiポンプ11をスタートし、Bo回路出口部から排出される液体90秒間分を廃棄後、ただちにBo回路出口部を循環用ビーカー内に挿入れて循環状態とした。
循環を1時間行った後ポンプを停止した。
次に、Bi回路入口部を上記で調整したクリアランス測定用のウシ血液内に入れ、Bo回路出口部を廃棄用ビーカー内に入れた。
流速は200mL/分として、ポンプをスタートしてから2分経過後、クリアランス測定用のウシ血液(37℃)からサンプルを10ml採取し、Bi液とした。スタートから4分30秒経過後に、Bo回路出口部から流れたサンプルを10ml採取し、Bo液とした。これらのサンプルは−20℃以下の冷凍庫で保存した。
各液のβ−MGの濃度からクリアランスを下記I式によって算出した。ウシ血液のロットによって測定値が異なる場合があるので、実施例、比較例には全て同一ロットのウシ血液を使用した。異なる血液ロットになる場合は、2ロット以上の平均値を採用することが好ましい。
Co(ml/分)=(CBi−CBo)×Q/CBi (I)
(I)式において、C=β−MGクリアランス(ml/分)、CBi=Bi液におけるβ−MG濃度、CB=Bo液におけるβ−MG濃度、Q=Biポンプ流量(ml/分)である。
2.(7) 返血性試験
吸着カラムを、生理食塩水を用いて、下から上に流速200mL/分で700mL流して洗浄した。このとき、吸着カラムに振動を与えるなどの泡抜き操作は実施しなかった。
その後、ウシ血液を流速200mL/分で下から導血した。ウシ血液にはヘパリンを添加し、ヘマトクリットが30%、総タンパク量が6.5g/dLとなるように調整したものを用いた。ウシ血液が吸着カラムの上側のヘッダー内に現れたことを確認してから、吸着カラムを上下反転させ、血液が上から下に流れるようにした。この状態で1時間循環させた。
返血は生理食塩水をカラムの血液容積の2〜3倍量用いて、上から下にワンパス方式流速100mL/分で流した。カラム下から流出した返血液を経時的にサンプリングし、最後の100mLの返血液(カラムの血液容積が100mLであれば、生理食塩液を200〜300mL流した間の液)を、純水で2倍に希釈して溶血させ、紫外可視分光光度計(島津社製 UV−160)により波長414nmにおける吸光度を計測することで液中に含まれるヘモグロビン量を算出し、カラム内の残血量として求めた。検量線についてはヘマトクリットが30%、総タンパク量が6.5g/dLとなるように調整したウシ血液を用いて作製した。
[実施例1]
上記1.(1)において凝固浴温度48℃で紡糸して、相当直径が113μmの中実糸を得た。該中実糸を内径46mmのケースに有効長140mmの中実糸60000本を挿入した吸着カラムを作製した。各種の結果は表1に示したとおりであり、高いβ−MGクリアランスと良好な残血性(少ない残血量)が得られた。また、パルス試験の結果、ピークトップは0.77であり良好な流れであった
[実施例2]
実施例1と同じ糸、ケースを用いて、中実糸82000本を挿入した以外は、同様に吸着カラムを作製した。各種の結果は表1に示したとおりであり、高いβ−MGクリアランスと良好な残血性(少ない残血量)が得られた。圧力損失が実施例1に比べて高いので、β−MGクリアランスも実施例1よりも高い値が得られたと考えられる。
[実施例3]
上記1.(1)において、相当直径が280μmの中実糸を得た。該中実糸を内径46mmのケースに有効長140mmの中実糸13500本を挿入した吸着カラムを作製した。各種の結果は表1に示したとおりであり、高いβ−MGクリアランスと良好な残血性(少ない残血量)が得られた。
[実施例4]
上記1.(1)において凝固浴温度50℃で紡糸して、相当直径が127μmの中実糸を得た。該中実糸を内径46mmのケースに有効長140mmの中実糸69000本を挿入した吸着カラムを作製した。各種の結果は表1に示したとおりであり、高いβ−MGクリアランスと良好な残血性(少ない残血量)が得られた。実施例2よりも圧力損失がやや高く、表面開孔率、表面の平均孔径(直径)が高かったので、β−MGクリアランスも実施例2よりも高い値が得られたと考えられる。
[実施例5]
上記1.(1)において凝固浴温度50℃で紡糸して、相当直径が102μmの中実糸を得た。該中実糸を内径58mmのケースに有効長47.8mmの中実糸166200本を挿入した吸着カラムを作製した。各種の結果は表1に示したとおりであり、高いβ−MGクリアランスと良好な残血性(少ない残血量)が得られた。実施例2よりも圧力損失が低いが、表面開孔率、表面の平均孔径(直径)が高かったので、β−MGクリアランスは実施例2と同程度の値が得られたと考えられる。
[比較例1]
実施例1と同じ糸、ケースを用いて、中実糸40000本を挿入した以外は、同様に吸着カラムを作製した。各種の結果は表1に示したとおり、β−MGクリアランス、残血性ともに実施例1に比べて悪い結果が得られた。圧力損失が低かったため、β−MGクリアランスが低く、充填率が低かったため、残血量も多かったと考えられる。また、パルス試験の結果、ピークトップは0.28であり、あまり流れは均一ではなかった。
[比較例2]
実施例3と同じ糸、ケースを用いて、有効長が350mmの中実糸8500本を挿入した以外は、同様に吸着カラムを作製した。各種の結果は表1に示したとおりであり、β−MGクリアランスは低かった。流路断面の相当直径が大きかったためと考えられる
[比較例3]
凝固浴温度40℃で紡糸して、糸径が165μmの中実糸を得た。該中実糸42000本を有効長140mmとして内径46mmのケースに挿入した吸着カラムを作製した。各種の結果は表1に示したとおりであり、β−MGクリアランスは低かった。中実糸の平均細孔半径が小さかったためと考えられる。
[比較例4]
実施例1と同じ水準の中実糸について、約20mmに細断することで、糸本数を約4200000本用意し、内径46mmのケースにランダムに挿入し、吸着カラムを作製した。各種の結果は表1に示したとおりであり、β−MGクリアランスは低く、残血量も多かった。
本発明に係る吸着カラムは、処理液として血液を用いてβ−MG等のタンパク質を吸着除去する用途に好適に用いることができ、血液に限らず、生体の体液、排液に含まれるタンパク質の吸着除去用途に用いることも可能である。また、中実糸の平均細孔半径を適宜設計することで、タンパク質の吸着除去に限らず、広く被吸着物質の吸着除去に用いることが可能である。
1 中実糸
2 ケース
3 ポッティング剤
4 血液側入口(Bi)
5 血液側出口(Bo)
6 透析液側入口(Di)
7 透析液側出口(Do)
8 基準線
9 透析装置
10 中空糸膜モジュール
11 Biポンプ
12 Fポンプ
13 廃棄用容器
14 循環用ウシ血液
15 クリアランス測定用ウシ血液
16 Bi回路
17 Bo回路
18 Di回路
19 Do回路
20 温水槽
21 メッシュ
22 ヘッダー
23 Oリング

Claims (7)

  1. 多孔質中実糸が筒状のカラムケースの長手方向に対して略平行に配置されており、
    (イ)前記多孔質中実糸の平均細孔半径が5nm〜100nm、
    (ロ)流路断面の相当直径が10μm以上、250μm以下
    (ハ)ウシ血液を流速200mL/分で流したときの圧力損失が2kPa〜30kPaである、吸着カラム。
  2. 前記多孔質中実糸の相当直径が1μm〜1000μmである、請求項1に記載の吸着カラム。
  3. 前記多孔質中実糸の有効長が5cm〜50cmである、請求項1または2に記載の吸着カラム。
  4. 前記多孔質中実糸の開孔率が1%〜40%である、請求項1〜3のいずれか一項記載の吸着カラム。
  5. 前記多孔質中実糸の抱液率が150%〜1000%である、請求項1〜4のいずれか一項記載の吸着カラム。
  6. 前記多孔質中実糸がポリスルホン系ポリマー、エステル基含有ポリマー、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタンおよびこれらの誘導体から選ばれる1種類以上である、請求項1〜5のいずれか一項記載の吸着カラム。
  7. 中実糸との血液接触面積が3mの場合に、血液流速が200mL/分のときの循環1時間後のβ−ミクログロブリンのクリアランスが40mL/分以上である、請求項1〜6のいずれか一項記載の吸着カラム。
JP2017062371A 2016-03-30 2017-03-28 吸着カラム Active JP6834677B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016068094 2016-03-30
JP2016068094 2016-03-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017185221A true JP2017185221A (ja) 2017-10-12
JP6834677B2 JP6834677B2 (ja) 2021-02-24

Family

ID=60045114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017062371A Active JP6834677B2 (ja) 2016-03-30 2017-03-28 吸着カラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6834677B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109758633A (zh) * 2019-01-28 2019-05-17 江苏关怀医疗科技有限公司 一种丝状吸附剂灌流器
WO2021070857A1 (ja) 2019-10-08 2021-04-15 東レ株式会社 繊維束およびその製造方法ならびに浄化カラム

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61207638A (ja) * 1985-03-11 1986-09-16 カネボウ株式会社 不透明性に優れた織物
JPS6215321A (ja) * 1985-07-12 1987-01-23 Mitsubishi Rayon Co Ltd ポリエステル異断面混繊糸の製造方法
JPH06296860A (ja) * 1993-04-19 1994-10-25 Asahi Medical Co Ltd 多孔質支持体と吸着材
JPH0941221A (ja) * 1995-07-28 1997-02-10 Toray Ind Inc 快適性に優れた合成繊維
JPH1076004A (ja) * 1996-09-05 1998-03-24 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 体液処理用吸着材及び体液処理用吸着器
WO2006106972A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-12 Toray Industries, Inc. 吸着材および体外循環用カラム
WO2014126014A1 (ja) * 2013-02-12 2014-08-21 東レ株式会社 血液浄化カラム
JP2014210174A (ja) * 2013-04-04 2014-11-13 東レ株式会社 浄化カラムおよび浄化カラムの製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61207638A (ja) * 1985-03-11 1986-09-16 カネボウ株式会社 不透明性に優れた織物
JPS6215321A (ja) * 1985-07-12 1987-01-23 Mitsubishi Rayon Co Ltd ポリエステル異断面混繊糸の製造方法
JPH06296860A (ja) * 1993-04-19 1994-10-25 Asahi Medical Co Ltd 多孔質支持体と吸着材
JPH0941221A (ja) * 1995-07-28 1997-02-10 Toray Ind Inc 快適性に優れた合成繊維
JPH1076004A (ja) * 1996-09-05 1998-03-24 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 体液処理用吸着材及び体液処理用吸着器
WO2006106972A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-12 Toray Industries, Inc. 吸着材および体外循環用カラム
WO2014126014A1 (ja) * 2013-02-12 2014-08-21 東レ株式会社 血液浄化カラム
JP2014210174A (ja) * 2013-04-04 2014-11-13 東レ株式会社 浄化カラムおよび浄化カラムの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109758633A (zh) * 2019-01-28 2019-05-17 江苏关怀医疗科技有限公司 一种丝状吸附剂灌流器
WO2021070857A1 (ja) 2019-10-08 2021-04-15 東レ株式会社 繊維束およびその製造方法ならびに浄化カラム
CN114531853A (zh) * 2019-10-08 2022-05-24 东丽株式会社 纤维束及其制造方法以及净化柱
KR20220080084A (ko) 2019-10-08 2022-06-14 도레이 카부시키가이샤 섬유 다발 및 그 제조 방법 및 정화 칼럼
EP4026573A4 (en) * 2019-10-08 2023-10-04 Toray Industries, Inc. FIBER BUNDLE, ASSOCIATED PRODUCTION METHOD AND PURIFICATION COLUMN
CN114531853B (zh) * 2019-10-08 2024-03-19 东丽株式会社 纤维束及其制造方法以及净化柱

Also Published As

Publication number Publication date
JP6834677B2 (ja) 2021-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6465234B2 (ja) 中空糸膜モジュール、中空糸膜の製造方法および中空糸膜モジュールの製造方法
JP6877702B2 (ja) 多孔質繊維、吸着材料及び浄化カラム
TWI683933B (zh) 中空絲膜模組及其製造方法
JP6565187B2 (ja) 多孔質膜、多孔質膜を内蔵する血液浄化用モジュールおよび多孔質膜の製造方法
JP6919563B2 (ja) 多孔質繊維、吸着材料及び浄化カラム
WO2013129384A1 (ja) 吸着カラム
JP6834677B2 (ja) 吸着カラム
JP2011092928A (ja) 分離膜および分離膜モジュール
JP6924357B2 (ja) 吸着繊維束及び体液浄化カラム
JP6728743B2 (ja) 浄化カラム
US20220379000A1 (en) Fiber bundle, method for producing same, and purification column
JP6547518B2 (ja) 中空糸膜モジュール及びその製造方法
JP2020157293A (ja) 多孔質繊維、吸着材料及び浄化カラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210118

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6834677

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151