JP2017183534A - プラズマエッチングガス及びプラズマエッチング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン酸化膜を高選択的にエッチング可能な、プラズマエッチングガスを提供する。【解決手段】本発明のプラズマエッチングガスは、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である臭素化合物を含有し、且つ、フッ素原子を含有しない。【選択図】なし

Description

本発明は、プラズマエッチングガス及びプラズマエッチング方法に関するものであり、特に、シリコン酸化膜を選択的にプラズマエッチング可能な方法に関するものである。
半導体デバイスの製造においては、被処理体上に形成された薄膜を微細加工するにあたり、処理ガスを用いてプラズマエッチングを行うことがある。かかる薄膜は、例えば、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜等のシリコン化合物膜や、アモルファスカーボンや、フォトレジスト組成物などにより形成されうる、炭素を主成分とする有機膜や、多結晶シリコンやアモルファスシリコン等により形成されうる、無機物を主成分とする無機膜でありうる。これらの複数種の薄膜の中のうちの一つのエッチング加工対象とし、他の薄膜を非加工対象とする場合には、同じ被処理体上に形成された非加工対象に対して、加工対象を選択的にエッチングする必要がある。即ち、エッチング時の選択性を高める必要がある。
そこで、従来、被処理体である基板上に設けられたシリコン酸化膜を選択的にエッチングするためのプラズマエッチング方法が提案されてきた(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1には、少なくとも一つ以上の不飽和結合及び/又はエーテル結合を有し、且つ、臭素原子を有する、炭素数3又は4のフルオロカーボンを含有するプラズマエッチングガスを用いたプラズマエッチング方法が開示されている。また、特許文献2には、一般式Cxryz (ただしx,y,zは原子数を示す自然数であり、x≧2,y+z=2x+2の条件を満足する。)で表されるブロモフルオロカーボン化合物を含むエッチングガスを用いて酸化シリコン系材料層をエッチングするエッチング方法が開示されている。
国際公開第2012/124726号 特開平5−152255号公報
近年、半導体デバイスの製造にあたり、エッチングにより形成される構造の高精度化に対する要求が高まっている。エッチングにより形成される構造を高精度化するためには、エッチング時の選択性を高めることが重要である。しかし、特許文献1及び2に開示されたプラズマエッチング方法は、シリコン酸化膜のエッチング選択性に改善の余地があった。
そこで、本発明は、シリコン酸化膜を高選択的にエッチング可能な、プラズマエッチングガス及びプラズマエッチング方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、プラズマエッチング用の処理ガスとして、臭素原子数/炭素原子数の比率が特定範囲内である臭素化合物を含有し、フッ素原子を含有しないガスを用いることで、シリコン酸化膜を高選択的にエッチング可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のプラズマエッチングガスは、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である臭素化合物を含有し、且つ、フッ素原子を含有しないことを特徴とする。臭素原子数/炭素原子数の比率が上記特定範囲内である臭素化合物を含有し、フッ素原子を含有しないプラズマエッチングガスによれば、シリコン酸化膜を高選択的にエッチングすることができる。
ここで、本発明において「選択的に」エッチングするとは、エッチング選択比が1超であることを意味し、特に、「シリコン酸化膜を高選択的に」エッチングするとは、エッチング選択比が2以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは無限大であることを意味する。
なお、本明細書において、「エッチング選択比」とは、単位時間当たりの加工対象のエッチング深さを、非加工対象のエッチング深さで除して得られる値である。具体的には、「シリコン酸化膜の非加工対象に対するエッチング選択比」は、単位時間当たりのシリコン酸化膜のエッチング深さを、非加工対象のエッチング深さで除して得られた値である。ここで、非加工対象とは、例えば、シリコン窒化膜、無機膜、又は有機膜でありうる。
ここで、本発明のプラズマエッチングガスは、前記臭素化合物の炭素原子数が2又は3であることが好ましい。エッチング時のエッチング効率を一層向上させることができるからである。
また、本発明のプラズマエッチングガスは、前記臭素化合物の沸点が、50℃以下であることが好ましい。プラズマエッチング装置及び配管等への負荷が小さく、さらに、プラズマエッチング処理を効率化することができるからである。
また、本発明のプラズマエッチングガスは、前記臭素化合物が水素原子を含むことが好ましい。エッチング時の選択性を一層向上させることができるからである。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のプラズマエッチング方法は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を有する被処理体をプラズマエッチングするプラズマエッチング方法であって、処理容器内に前記被処理体を載置する準備工程と、上述した何れかのプラズマエッチングガスのプラズマにより、前記被処理体上のシリコン酸化膜をプラズマエッチングするエッチング工程と、を含み、前記シリコン酸化膜のシリコン窒化膜に対するエッチング選択比が2以上であり、且つ、シリコン酸化膜の有機膜及び/又は無機膜に対するエッチング選択比が2以上であることを特徴とする。臭素原子数/炭素原子数の比率が上記特定範囲内である臭素化合物を含有し、フッ素原子を含有しないプラズマエッチングガスを用いたプラズマエッチング方法によれば、シリコン酸化膜を高選択的にエッチングすることができる。
本発明によれば、シリコン酸化膜を高選択的にエッチング可能な、プラズマエッチングガス及びプラズマエッチング方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明のプラズマエッチングガス及びプラズマエッチング方法は、半導体デバイスの製造プロセスにおいて用いられうる。本発明のプラズマエッチング方法は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を有する被処理体をプラズマエッチング可能なプラズマエッチング方法である。被処理体は、プラズマエッチングで加工可能な対象物であれば特に限定されることなく、あらゆる対象物でありうる。被処理体としては、例えば、ガラス基板、シリコン単結晶ウエハー、ガリウム−砒素基板が挙げられる。そして、例えば、被処理体としてシリコン単結晶ウエハーを用いた場合には、被処理体上には、必要に応じて、例えば、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、有機膜、及び/又は、無機膜が形成されている。
なお、本明細書において、「シリコン窒化膜」とは、Si(SiN)、SiCN、SiBCN等の窒素原子を含有するシリコン化合物により形成される膜のことをいう。さらに、本明細書において、「シリコン酸化膜」とは、SiО、SiOC、SiOCH等の酸素原子を含有するシリコン化合物により形成される膜のことをいう。さらにまた、本明細書において、「有機膜」 とは、炭素を主成分とする膜をいう。「炭素を主成分とする」とは膜を形成する材料に含まれる炭素の割合が50質量%超であることをいい、具体的にはアモルファスカーボン等の炭素系材料や、フォトレジスト組成物などにより形成される膜(以下、レジスト膜とも称する)のことをいう。なお、フォトレジスト組成物としては、KrFレジスト組成物、ArFレジスト組成物、及びX線レジスト組成物等が挙げられる。さらに、本発明において、「無機膜」とは、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜以外の、無機物を主成分とする膜であり、膜を形成する材料の50%超が無機物である膜をいい、具体的には、多結晶シリコン膜、及びアモルファスシリコン膜等が挙げられる。
また、本発明のプラズマエッチング方法において、「エッチング」とは、半導体デバイスの製造プロセスなどで用いられる被処理体に、極めて高集積化された微細パターンを食刻する技術をいう。また、「プラズマエッチング」とは、処理ガスに高周波の電場を印加してグロー放電を起こし、処理ガスを化学的に活性なイオン、電子、中性種に分離させて、これらの活性種とエッチング対象材料との化学的反応及び物理的衝突による反応を利用してエッチングを行う技術をいう。
(プラズマエッチングガス)
本発明のプラズマエッチングガスは、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である臭素化合物を含有し、且つ、フッ素原子を含有しないこと必要とする。かかるプラズマエッチングガスによれば、シリコン窒化膜に対してシリコン酸化膜を高選択的にエッチングすることができる。上記条件を満たすプラズマエッチングガスとしては、例えば、炭素‐臭素結合を有する有機臭素化合物が挙げられ、具体的には、一般式C25Brにより表されうるブロモエタン、一般式C23Brで表されうる臭化ビニル、及び一般式CH3Brで表される臭化メチルが挙げられる。
ここで、本発明を完成するにあたり、まず、本発明者らは、プラズマエッチングガスとして臭素化合物のガスを使用した場合に、臭素化合物に含まれるBr原子の数がC原子の数の0.4倍未満である臭素化合物のガスは、シリコン酸化膜を選択的にエッチングすることができないことを見出した。さらに、本発明者らが検討を重ねたところ、プラズマエッチングガスにフッ素原子が含まれていると、シリコン窒化膜がエッチングされ易くなり、シリコン窒化膜に対してシリコン酸化膜を選択的にエッチングすることができないことが判明した。さらにまた、本発明者らは、臭素化合物に含まれるBr原子の数がC原子の数の1.0倍超となると、プラズマエッチングガスとして適さないことも見出した。そこで、本発明者らはこれらの知見に基づいて、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である臭素化合物を含有し、且つ、フッ素原子を含有しないガスが、シリコン窒化膜に対してシリコン酸化膜を選択的に加工するためのプラズマエッチングガスとして好適に使用しうることを見出し、本発明を完成させた。
さらに、プラズマエッチングガスにおいて、臭素化合物の炭素原子数が2又は3であることが好ましい。プラズマエッチングガスに含有される臭素化合物の炭素原子数が2又は3であれば、プラズマエッチングガスとして用いた場合に、脱離種の形成が容易であり、エッチング効率を向上させることができる。
また、プラズマエッチングガスにおいて、臭素化合物の沸点が、50℃以下であることが好ましく、40℃以下であることがより好ましい。プラズマエッチングガスに含有される臭素化合物の沸点が50℃以下であれば、プラズマエッチングガスをプラズマエッチング装置に導入する際、配管等内での液化を防ぎ、液化に起因する障害の発生を回避することができるため、プラズマエッチング処理を効率化することができる。
さらに、プラズマエッチングガスは、上述した臭素化合物が、更に水素原子を含むことが好ましい。より具体的には、臭素化合物が炭素-水素結合を含み、プラズマ条件下にてCHα(αは整数)のラジカルやイオンなどの活性種を生じうることが好ましい。これらの活性種は、シリコン窒化膜との反応性が比較的低く、シリコン窒化膜に対してシリコン酸化膜を一層選択的にエッチングすることが可能となるからである。さらに、臭素化合物が水素を含有することで、気相中の水素ラジカルがフッ素ラジカルと反応し、フッ化水素となり、シリコン窒化膜のエッチャントであるフッ素ラジカルを低減するため、シリコン窒化膜のエッチングが抑制されることによっても、シリコン窒化膜に対するシリコン酸化膜のエッチング選択性を一層向上させることができる。
(プラズマエッチング方法)
本発明のプラズマエッチング方法は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を有する被処理体をプラズマエッチングするプラズマエッチング方法である。また、本発明のプラズマエッチング方法は、処理容器内に被処理体を載置する準備工程と、上述したプラズマエッチングガスのプラズマにより、被処理体上のシリコン酸化膜をプラズマエッチングするエッチング工程とを含む。そして、本発明のプラズマエッチング方法では、シリコン酸化膜のエッチング速度が、シリコン窒化膜のエッチング速度の2倍以上であり、且つ、シリコン酸化膜のエッチング速度が、有機膜及び/又は無機膜のエッチング速度の2倍以上である。以下、各工程について説明する。
<準備工程>
まず、被処理体を、プラズマエッチング装置に備えられるドライエッチングチャンバー(すなわち、処理容器)内に載置し、処理容器内を脱気して真空にする。なお、本発明のプラズマエッチング方法は、特に限定されることなく、一般的なプラズマエッチング装置を用いて実施することができる。なかでも、反応性イオンエッチング(RIE)装置を用いることが好ましい。RIE装置としては、ヘリコン波方式プラズマエッチング装置、高周波誘導方式プラズマエッチング装置、平行平板型プラズマエッチング装置、マグネトロン方式プラズマエッチング装置、又はマイクロ波方式プラズマエッチング装置等が挙げられる。本発明においては、平行平板型プラズマエッチング装置、高周波誘導方式プラズマエッチング装置、及びマイクロ波方式プラズマエッチング装置が好適に使用されうる。高密度領域のプラズマを容易に発生させることができるからである。
さらに、準備工程において、被処理体の温度を、例えば、−50℃以上、より好ましくは−20℃以上、さらに好ましくは−10℃以上、好ましくは300℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは100℃以下に調節しても良い。なお、被処理体の温度は、例えば、ヘリウムガスなどの冷却ガス及び冷却装置を用いて制御することができる。そこへ、上述したプラズマエッチングガス、並びに、任意で、酸素ガス、及び希ガスを、所定の速度及び圧力となるように導入する。プラズマエッチングガスの導入速度は、処理ガス中における各種ガスの混合割合に比例させて決定すればよい。そして、処理容器内に処理ガスを供給している間、処理容器内の圧力は、通常、0.0013Pa以上1300Pa以下、好ましくは、0.13Pa以上5Pa以下の範囲に保持する。
任意でプラズマエッチングガスと共に処理容器内に供給可能な、希ガスとしては、例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、クリプトンガス、及びキセノンガスからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なかでも、希ガスとしてはアルゴンガスを好適に使用することができる。処理ガスに対して希ガスや酸素ガスを混合して用いることにより、エッチング速度を必要に応じて調節することができる。処理ガスに希ガスを混合して用いる場合、希ガスの混合割合は、上述したプラズマエッチングガス100体積部に対して、通常、20000体積部以下、好ましくは15000体積部以下である。また、処理ガスに酸素ガスを混合して用いる場合、酸素ガスの混合割合は、上述したプラズマエッチングガス100体積部に対して、通常、1体積部以上、好ましくは30体積部以上、通常5000体積部以下、好ましくは、200体積部以下である。
なお、プラズマエッチングガス、並びに任意でプラズマエッチングガスと併用可能な、希ガス、及び酸素ガス等の各ガスは、通常、それぞれ独立して、ボンベ等の容器に充填されて運搬され、プラズマエッチング装置に接続、設置される。そして、ボンベ等のバルブを開くことにより、各ガスが、プラズマの作用を受ける処理容器内に所定割合で導入され、各ガスにプラズマが作用し、後述するエッチング工程等にてエッチングを進行させることができる。
<エッチング工程>
エッチング工程は、プラズマエッチングガスのプラズマにより、被処理体上のシリコン酸化膜を非加工対象に対して選択的にプラズマエッチングする工程である。かかる選択的なエッチングは、上述したような、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である臭素化合物を含有し、且つ、フッ素原子を含有しないプラズマエッチングガスを用いることによって実施することができる。非加工対象は、シリコン窒化膜と、有機膜及び/又は無機膜でありうる。より具体的には、非加工対象は、Si膜と、ArFレジスト組成物により形成された有機膜及び/又は多結晶シリコン膜でありうる。特に、エッチング工程におけるシリコン酸化膜のシリコン窒化膜に対するエッチング選択比、及びシリコン酸化膜の有機膜及び/又は無機膜に対するエッチング選択比は、2以上であり、10以上であることが好ましく、無限大であることがより好ましい。
なお、プラズマエッチングの効果をより良好に発現させる観点から、高密度プラズマ雰囲気下でエッチング工程を行うのが望ましい。エッチング工程におけるプラズマ密度は、特に限定されることなく、好ましくは1012/cm3以上、より好ましくは1012/cm3以上1013/cm3以下である。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において使用した被処理体、プラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング条件は、それぞれ、以下の通りであった。また、実施例および比較例におけるエッチング選択比は、以下のようにして評価した。
<被処理体>
被処理体として、シリコン単結晶ウエハーのチップ片を複数用意した。用意した複数のシリコン単結晶ウエハーのチップ片には、表面にシリコン窒化膜(Si膜)を有するものと、表面にシリコン酸化膜(SiO膜)を有するものと、表面に多結晶シリコン膜(Si膜)を有するものと、表面にArFレジスト組成物により形成された膜(ArF膜)を有するものとがあった。なお、ArF膜は、(メタ)アクリル樹脂ベースの(メタアクリル樹脂の含有比率が50質量%超である)市販の化学増幅型ArFレジスト組成物を用いて形成された膜であった。
<プラズマエッチング装置>
プラズマエッチング装置としては、平行平板型プラズマプラズマエッチング装置を使用した。平行平板型プラズマエッチング装置は、エッチングチャンバー(処理容器)内に、上部電極と、下部電極とを有し、上部電極の下面と下部電極の上面との間隔は35mmであった。平行平板型プラズマ発生装置の上部電極の周波数は60MHzであり、下部電極の周波数は2MHzであった。
<プラズマエッチング条件>
エッチング工程は、上部電極の電力を500W、下部電極の電力を200Wとし、処理容器内圧力を2.7Pa(約20mTorr)で一定にして行った。温度条件は、上部電極の温度が80℃、処理容器側壁部の温度が60℃、そして、下部電極の温度が20℃となるようにした。被処理体の温度は、下部電極の温度と同じ20℃であった。また、実施例、比較例にてプラズマエッチングの時間は全て60秒間とした。よって、実施例、比較例にて得られた被処理体のエッチング深さの値は、そのまま各プラズマエッチング方法の1分当たりのエッチング速度に相当した。
<エッチング選択比>
実施例、比較例において、各種ウエハーのエッチング前後の膜厚をエリプソメーターで測定し、その測定値からエッチング速度を算出した。なお、実施例、比較例では、エッチング時間は全て60秒間としたため、エッチング前の膜厚からエッチング後の膜厚を差し引いて得られた値は、そのままエッチング速度の値に対応する。そして、得られた速度から、以下の式に従ってエッチング選択比を算出した。なお、分母となる値が0以下となる場合には、選択比は無限大(∞)であったとした。また、分子となる値が0以下となる場合には、選択比は計測不能であったとして「-」と表記した。エッチング選択比の値が大きいほど、エッチング対象とする膜が優先的にエッチングされることを意味し、特にエッチング選択比の値が∞である場合には、エッチング工程においてエッチング対象ではない、分母とした膜(即ち、非加工対象である、シリコン窒化膜、多結晶シリコン膜、又はArF膜)が、全くエッチングされないか、むしろ非加工対象の膜上に堆積物が生じて保護されていたということを意味する。一方、分子となる値が0以下の場合には、エッチングされるべきである膜(即ち、シリコン酸化膜)が全くエッチングされていないか、むしろシリコン酸化膜上に堆積物が生じていたということを意味する。この場合、エッチング工程においてエッチング反応が進行せず、むしろ堆積反応が進行したことを意味する。
シリコン窒化膜に対するシリコン酸化膜のエッチング選択比(SiO/SiN)=(SiO膜のエッチング速度/Si膜のエッチング速度)
多結晶シリコン膜に対するシリコン酸化膜のエッチング選択比(SiO/Si)=(SiO膜のエッチング速度/Si膜のエッチング速度)
ArF膜に対するシリコン酸化膜のエッチング選択比(SiO/ArF)=(SiO膜のエッチング速度/ArF膜のエッチング速度)
(実施例1)
まず、準備工程において、処理容器内に表面にSi膜を有する被処理体と、表面にSiO膜を有する被処理体と、表面にSi膜を有する被処理体と、表面にArF膜を有する被処理体とを各1枚ずつ配置し、処理容器内を真空とした。そして、処理容器内にブロモエタン(CBr、臭素原子数/炭素原子数=0.5、沸点38℃)ガスを25sccmの速度で、酸素ガスを10sccmの速度で、アルゴンガスを200sccmの速度で導入し、上述したプラズマエッチング条件下でエッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング選択比を評価した結果を表1に示す。
(実施例2)
酸素ガスの導入速度を15sccmに変更した以外は、実施例1と同様にしてエッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング選択比を評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
ブロモエタンガスに代えて、2‐ブロモ‐3,3,3,‐トリフルオロプロペン(CBrF、臭素原子数/炭素原子数=0.3、沸点34℃)ガスを25sccmで処理容器内に導入した以外は実施例1と同様にして、エッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング選択比を評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
ブロモエタンガスに代えて、2‐ブロモ‐3,3,3,‐トリフルオロプロペン(CBrF、臭素原子数/炭素原子数=0.3、沸点34℃)ガスを25sccmで処理容器内に導入した以外は実施例2と同様にして、エッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング選択比を評価した結果を表1に示す。
(比較例3〜10)
ブロモエタンガスに代えて、2‐ブロモ‐3,3,3,‐トリフルオロプロペン(CBrF、臭素原子数/炭素原子数=0.3、沸点34℃)ガスを処理容器内に導入し、かかる2‐ブロモ‐3,3,3,‐トリフルオロプロペンガスの導入速度と、酸素ガスの導入速度を表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、エッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング選択比を評価した結果を表1に示す。
(比較例11)
ブロモエタンガス、酸素ガス、及びアルゴンガスに加えて、四フッ化炭素(CF)を5sccmの速度で、処理容器内に導入した以外は実施例1と同様にして、エッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング選択比を評価した結果を表1に示す。
(比較例12)
ブロモエタンガスに代えて、2‐ブロモ‐1‐プロペン(CBr、臭素原子数/炭素原子数=0.3、沸点48℃)ガスを25sccmで処理容器内に導入した以外は、実施例1と同様にして、エッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング選択比を評価した結果を表1に示す。
(比較例13〜18)
2‐ブロモ‐1‐プロペンガスの供給量を表1に示す通りに変更した以外は、比較例12と同様にして、エッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング選択比を評価した結果を表1に示す。
Figure 2017183534
表1より、以下のことが分かる。まず、実施例1〜2のように、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.5でありフッ素原子を含有しないブロモエタンガスをプラズマエッチングガスとして用いた場合、全ての非加工対象に対するシリコン酸化膜のエッチング選択比が無限大となっており、高選択的にシリコン酸化膜をエッチングできたことが分かる。一方、フッ素原子を含有する、及び/又は、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4未満である臭素化合物を含有するプラズマエッチングガスを用いた比較例1〜18では、シリコン窒化膜に対するシリコン酸化膜のエッチング選択比が2未満であるか、或いは、Si膜及び/又はArF膜に対するシリコン酸化膜のエッチング選択比が2未満であり、シリコン酸化膜を高選択的にエッチングできなかったことが分かる。
特に、比較例1〜10の臭素原子数/炭素原子数の比率が0.3である、2‐ブロモ‐3,3,3,‐トリフルオロプロペンガスをプラズマエッチングガスとして用いた場合では、加工対象であるシリコン酸化膜上に堆積膜が堆積する、又は、シリコン酸化膜のエッチング速度に対して、シリコン窒化膜のエッチング速度が同等かそれ以上となるため、シリコン酸化膜が選択的にエッチングできないことがわかる。
また、比較例11にて使用した臭素原子数/炭素原子数の比率が0.5であるブロモエタンガスと、少量の四フッ化炭素とを含むプラズマエッチングガスでは、加工対象であるシリコン酸化膜上にも堆積膜が堆積するため、シリコン酸化膜が選択的にエッチングできないことがわかる。
さらに、フッ素を含有せず、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.3である2‐ブロモ‐1‐プロペンガスをプラズマエッチングガスとして用いた比較例12〜14、16〜18では、加工対象であるシリコン酸化膜上に堆積膜が堆積するか、又は、シリコン窒化膜のエッチング速度も比較的早くなるためにエッチング選択比の値が2未満と低く、シリコン酸化膜を選択的にエッチングできなかったことが分かる。
特に、2‐ブロモ‐1‐プロペンガスをプラズマエッチングガスとして用いた比較例15では、シリコン窒化膜に対するシリコン酸化膜のエッチング選択比は良好であるが、Si膜及びArF膜に対してシリコン酸化膜を選択的にエッチングすることができなかったことが分かる。
本発明によれば、シリコン酸化膜を高選択的にエッチングすることができる。

Claims (5)

  1. 臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である臭素化合物を含有し、且つ、フッ素原子を含有しないプラズマエッチングガス。
  2. 前記臭素化合物の炭素原子数が2又は3である、請求項1に記載のプラズマエッチングガス。
  3. 前記臭素化合物の沸点が、50℃以下である、請求項1又は2に記載のプラズマエッチングガス。
  4. 前記臭素化合物が水素原子を含む、請求項1〜3の何れかに記載のプラズマエッチングガス。
  5. シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を有する被処理体をプラズマエッチングするプラズマエッチング方法であって、
    処理容器内に前記被処理体を載置する準備工程と、
    請求項1〜4の何れかに記載のプラズマエッチングガスのプラズマにより、前記被処理体上のシリコン酸化膜をプラズマエッチングするエッチング工程と、を含み、
    前記シリコン酸化膜のシリコン窒化膜に対するエッチング選択比が2以上であり、且つ、シリコン酸化膜の有機膜及び/又は無機膜に対するエッチング選択比が2以上である、
    プラズマエッチング方法。
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