JP2017183051A - リチウムイオン二次電池用負極活物質、これを用いたリチウムイオン二次電池用負極、及び、これを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極活物質、これを用いたリチウムイオン二次電池用負極、及び、これを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極活物質、それを用いた負極及びリチウムイオン二次電池の提供。【解決手段】表面にカテコール誘導体の重合体を含有する被膜が形成されているリチウムイオン二次電池用負極活物質。カテコール誘導体は、ドーパミン、没食子酸、ピロガロール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、カテコールー4−酢酸、ノルアドレナリン、アドレナリン、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン等から選択される。被膜の厚みは1〜200nmであるリチウムイオン二次電池用負極活物質。負極活物質が、Siを主成分とする金属、Snを主成分とする金属又はSiOの内の一種を含むリチウムイオン二次電池用負極活物質。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極活物質、これを用いたリチウムイオン二次
電池用負極、及び、これを用いたリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等と比べ、
軽量、高容量であるため、携帯電子機器用電源として広く応用されている。また、近年
ではハイブリッド自動車や、電気自動車用に搭載されている。そして、近年の携帯電子
機器の小型化、高機能化に伴い、これらの電源となるリチウムイオン二次電池への更な
る高容量化が期待されている。現在、リチウムイオン二次電池の負極活物質として、黒
鉛等の炭素材料の他に、黒鉛よりも放電容量の大きいシリコンや酸化シリコン等の合金
系負極活物質が数多く研究されている。
しかし、負極活物質として例えばシリコン等の材料を用いた場合、充放電に伴う負極
活物質の膨張収縮挙動が大きいため、充放電の繰り返しにより負極合剤層内における負
極活物質粒子間の導電パスの切断、負極合剤層と集電体間の剥離、などが発生し、サイ
クル特性の劣化が生じるとされている。そこで、負極活物質としてシリコン系負極活物
質を用いる場合は、ポリイミドなどの高強度のバインダーを用いるなどで電極構造を保
持する工夫がなされている。
特許文献1では、負極活物質としてケイ素系負極活物質を含む場合における、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させるための手段が開示されている。特許文献1のリチウムイオン二次電池用負極は、負極活物質と、バインダー材料とを含む負極活物質スラリーを調製する際に、結着性向上剤を用いる点に特徴を有する。ここで、バインダー材料は、ポリイミド、ポリアミド、およびポリアミドイミド、ならびにこれらのプレポリマーからなる群から選択される少なくとも1種が記載され、結着性向上剤としては、多価カルボン酸およびその誘導体、ならびに多価アミンからなる群から選択される少なくとも1種が例示されている。
WO2012/017738号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術ではサイクル特性改善としては不十分であ
り、さらなる改善が切望されている。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、サイクル特性に優
れたリチウムイオン二次電池用負極活物質、それを用いた負極及びリチウムイオン二次
電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、表面にカテコール誘導体の重合体を含有する
被膜が形成されているリチウムイオン二次電池用負極活物質を提供する。
かかる構成によれば、この負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は優れたサイクル特性を有する。この作用効果は必ずしも明確ではないが、カテコール誘導体の重合体により負極活物質とバインダーとの結着性が向上することにより、充放電の繰り返しによっても負極活物質粒子間の導電パスの切断を防止していることによるものと推察される。このことは親水性と疎水性を共に有するカテコール誘導体の重合体が持つ特有の優れた結着性から、親水性から疎水性に渡る様々な表面物性を有する負極活物質において、種類を問わず効果が得られるものであると考えられる。
本発明にかかる前記被膜の厚みは、1nm〜200nmであることが好ましい。
かかる構成によれば、この負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、より優れたサイクル特性が得られると共にレート特性の向上も得られる。
また、本発明にかかる前記カテコール誘導体は、ドーパミン、没食子酸、ピロガロール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、カテコール−4−酢酸、ノルアドレナリン、アドレナリン、3−(3、4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、5、6−ジヒドロキシインドール、カテキン、イソフラボンエラグ酸、4−tert−ブチルピロカテコール、5−sec−ブチルピロガロール、4−フェニルピロガロール、4−メチル−1、2、3−ベンゼントリオール、4、5、6−トリクロロピロガロール、4、5、6−トリメチルピロガロール、4、5−ジメチルピロガロール、4、6−ジメチルピロガロールの群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
かかる構成によれば、この負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、より優れたサイクル特性が得られると共にレート特性の向上も得られる。
また、本発明にかかる前記負極活物質は、Siを主成分とする金属、Snを主成分とする金属、またはSiOのうちいずれか1種を含有していることが好ましい。
かかる構成によれば、この負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、より優れたサイクル特性が得られると共にレート特性の向上も得られる。
本発明にかかるリチウムイオン二次電池用負極は、前記リチウムイオン二次電池用負極活物質及びバインダーを含有する合剤層が、負極集電体上に形成された構成である。
本発明にかかる前記バインダーは、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基またはイミド基を有する高分子であることが好ましい。
かかる構成によれば、カテコール誘導体の重合体中の水酸基と、負極中のバインダーに存在する水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基またはイミド基と、化学結合を形成する。その結果、負極活物質粒子とバインダーとが強固に結合する。また、同様に、集電体である銅箔表面、または、導電助剤のカーボンブラック表面にも水酸基が存在する。それらの水酸基とカテコール誘導体の重合体中の水酸基とが、化学結合を形成する結果、強固に結合する。これらの作用のため、サイクル特性が向上する。
本発明にかかる前記バインダーが、ポリアクリル酸、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−水酸化ビニル共重合体、アクリル酸エステル−アミノエチルアクリレート共重合体、ポリアミック酸から成る群から選択される一つまたはそれらの混合物であることが好ましい。
かかる構成によれば、カテコール誘導体の重合体中の水酸基とバインダー中の水酸基とは、化学結合を形成しやすく、サイクル特性が向上するため好ましい。
本発明にかかる前記バインダーが、ポリアミド、ポリイミドまたはポリアミドイミドもしくはそれらの混合物であることが好ましい。
かかる構成によれば、カテコール誘導体の重合体中の水酸基と、バインダー中の酸素原子とは、化学結合を形成しやすく、サイクル特性が向上するため好ましい。
本発明にかかる前記カテコール誘導体の重合体と前記バインダーが共有結合していることが好ましい。
本発明にかかる前記カテコール誘導体の重合体と前記バインダーが水素結合していることが好ましい。
本発明にかかる上述したリチウムイオン二次電池用負極を用い、その他、電解質及び正極を備えるリチウムイオン二次電池を構成することにより、優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池が得られる。
本発明によれば、本発明の負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は優れたサイクル特性を有する。
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を示す模式断面図である。 図2は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
以下、電極が、リチウムイオン二次電池に用いられる電極である場合について、図1を参照しながら具体的に説明する。図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100を示す模式断面図である。
リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60、62を備えている。
積層体30は、一対の正極10、負極20がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、板状(箔状)の正極集電体12上に正極合剤層14が設けられたものである。負極20は、板状(箔状)の負極集電体22上に負極合剤層24が設けられたものである。正極合剤層14及び負極合剤層24がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード60、62が接続されており、リード60、62の端部はケース50の外部にまで延びている。
以下、正極10及び負極20を総称して、電極と言い、正極集電体12及び負極集電体22を総称して集電体と言い、正極合剤層14及び負極合剤層24を総称して合剤層と言う。
まず、正極10及び負極20について具体的に説明する。
(正極)
正極10は、板状(箔状)の正極集電体12上に正極合剤層14が設けられたものである。
(正極集電体)
正極集電体12は、充電によって腐食しにくく電子導電性の材料であれば良く、例えば、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属箔を用いることができる。
(正極合剤層)
正極合剤層14は、正極活物質、バインダー及び導電助剤を含むものである。
(正極活物質)
正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵・放出、挿入・脱離(インターカレーション・デインターカレーション)、または、該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF 、BF またはClO )のドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知のリチウムイオン二次電池に用いられている正極活物質を使用できる。例えば、リチウム含有金属酸化物、リチウム含有金属りん酸化物、リチウム非含有フッ化物などが挙げられる。リチウム含有金属酸化物としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z=1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiVOPO、Li(PO)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFeを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、FeFなどが挙げられる。
(バインダー)
正極活物質と正極活物質、正極活物質と導電助剤、正極活物質と集電体とを接着させるために、正極合剤層にはバインダーを添加する。バインダーに要求される特性としては、電解液に溶解しないこと、耐酸化性があること、接着性が良いことが挙げられる。正極合剤層に用いられるバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはそのコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、無水マレイン酸をグラフト化したポリプロピレン(PP)、無水マレイン酸をグラフト化したポリエチレン(PE)、またはこれらの混合物などが挙げられる。中でも、特にPVDFが好ましい。
正極合剤層14におけるバインダーの含有率は特に限定されないが、正極活物質、導電助剤及びバインダーの質量の総和を基準にして、1質量%〜15質量%であることが好ましく、3質量%〜10質量%であることがより好ましい。バインダーの含有率を上記範囲とすることにより、得られた合剤層において、バインダーの量が少なすぎて強固な正極合剤層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、放電容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
(導電助剤)
導電助剤は、正極合剤層14の電子導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェンなどの炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄などの金属微粉、ITOなどの導電性酸化物、またはこれらの混合物が挙げられる。
正極合剤層14における導電助剤の含有率も特に限定されないが、導電助剤を添加する場合には通常、正極活物質、導電助剤及びバインダーの質量の総和を基準にして、0.5質量%〜20質量%であることが好ましく、1質量%〜12質量%とすることがより好ましい。
(負極)
負極20は、板状(箔状)の負極集電体22上に負極合剤層24が設けられたものである。
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材であれば良く、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄などの金属箔を用いることができる。
(負極合剤層)
負極合剤層24は、負極活物質、バインダー及び必要に応じた量の導電助剤を含むものである。
(負極活物質)
負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入を可逆的に進行させることができれば特に限定されず、公知のリチウムイオン二次電池に用いられている負極活物質を使用することができる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、メソカーボンファイバー(MCF)、コークス類、ガラス状炭素、有機化合物焼成体などの炭素材料、シリコン、シリコン合金、SiO、アルミニウム、すずなどのリチウムと化合することができる金属、これらの合金、これら金属と炭素材料との複合材料、チタン酸リチウム(LiTi12)、SnOなどの酸化物、などが挙げられる。特に、充電時の体積膨張率が大きく、バインダー、集電体または導電助剤からの剥離が問題となる、シリコン、シリコン合金、SiO、シリコン複合材料(これらのシリコンを含む活物質を以後、シリコン系負極活物質と呼ぶ)、すず、すず合金、などを負極活物質として用いる場合に、本発明は特に効果的である。
本実施形態に係るシリコン系負極活物質は、シリコン、シリコン合金、SiO、シリコン複合材料またはこれらの混合物のいずれかからなるものとすることができる。ここで、シリコンは、Si、ケイ素、けい素、珪素または硅素のいずれとも同義である。
シリコン系負極活物質の形状は、特に限定されない。シリコン系負極活物質が粒子の場合、その平均粒子径は、電気化学反応の起こりやすさ(LiがSiに挿入脱離するし易さ)、薄膜(厚み数μm〜数十μm)状の電極にするし易さなどを考慮し、数nmから20〜30μmが好ましい。なお、平均粒子径とは、レーザー光回折法による粒度分布測定における体積平均粒子径のことである。また、シリコン系負極活物質は、ナノワイヤ、薄片であっても良い。ナノワイヤの場合、その平均直径は数nmから20〜30μm、平均長さは数μmから20〜30μmが好ましい。薄片の場合は、厚み数nmから20〜30μm、直径は数μmから20〜30μmが好ましい。なお、本発明における平均直径または平均長さは、SEM(走査型電子顕微鏡)観察から求めるものである。
シリコン系負極活物質のBET法(Brunauer、Emmett、Teller法)による比表面積は、0.5〜100m2/gが望ましく、1〜20m/gがより望ましい。0.5m/gよりも小さいと、電気化学反応(LiがSiに挿入脱離するし易さ)が起こりにくく、100m/gを超えるとシリコン系負極活物質を電極化するときに、バインダーを通常よりも多く添加しないと電極化が出来なく難くなり、電極の単位体積当たりの容量、エネルギーが減少する。
シリコン系負極活物質は、結晶質であっても非晶質(アモルファス)であっても良い。アモルファスのシリコン系負極活物質は、メルトスパン法、ガスアトマイズ法などで作製する。
シリコン系負極活物質のうちシリコンは、原子番号14の元素であり、リチウムと合金を作る。
シリコンは、様々な元素と合金を作る。本実施形態に係るにおけるシリコン合金は、どのようなシリコン合金であっても良い。シリコンと合金を作る元素は、Ba、Mg、Al、Ca、Ti、Sn、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Ba、W、Auなどが挙げられる。
シリコン合金は、シリコンと特定の比率で化合物を生成する金属間化合物すなわちシリサイドであっても良い。シリサイドは、MgSi、CaSi、CaSiAl、TiSi、TiSi、VSi、FeSi、CoSi、NbNiSi、MoSi、MoSi、MoSi、MoSiB、などが挙げられる。
SiOは、微細なナノサイズのSiクラスターがSiOマトリックス中に分散したものである。
シリコン複合材料は、シリコン、シリコン合金またはSiO粒子の表面に炭素材料、Al、Ti、Fe、Ni、Cu、Zn、Ag、Snなどの導電性材料を被覆したものが挙げられる。例えば、シリコン粒子の表面に炭素材料を数nmの厚さで被覆したもの、粒径数μmの黒鉛粉末を被覆したもの、カーボンナノチューブを被覆したものなどが挙げられる。
炭素材料の被覆量は特に限定されるものではないが、シリコン、シリコン合金またはSiO粒子の表面に炭素材料を被覆した粒子全体に対して0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。炭素材料の被覆量を0.01質量%以上とすることで、十分な導電性を維持することができる。その結果としてリチウムイオン二次電池用負極活物質とした時のサイクル特性を改善することができる。また炭素材料の被覆量が30質量%を超えると、活物質全体に占める炭素材料の割合が多くなって放電容量が低下する。
シリコン、シリコン合金またはSiO粒子の表面を導電性材料で被覆する方法は特に限定されない。例えば、メカニカルアロイング法、化学蒸着法、湿式法、高分子を表面に被覆後、熱分解炭素化する方法が挙げられる。
(被膜)
本実施形態の負極活物質は、その粒子の表面が、カテコール誘導体の重合体で被覆されたものである。
カテコール誘導体としては、ドーパミン、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、カテコール―4−酢酸、ノルアドレナリン、アドレナリン、3−(3、4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、5、6−ジヒドロキシインドール、カテキン、イソフラボン、没食子酸、エラグ酸、4−tert−ブチルピロカテコール、ピロガロール、5−sec−ブチルピロガロール、4−フェニルピロガロール、4−メチル−1、2、3−ベンゼントリオール、4、5、6−トリクロロピロガロール、4、5、6−トリメチルピロガロール、4、5−ジメチルピロガロール、4、6−ジメチルピロガロールなどが挙げられる。
上記カテコール誘導体の中では、負極活物質表面への被覆性が極めて良好な点でドーパミンが好適である。ドーパミンの構造式を下記化学式(1)に示す。
Figure 2017183051
なお、カテコール誘導体は、これら例示したものに限定されるものではない。
負極活物質への、カテコール誘導体の重合体の被覆は、これに限定されるものではないが、湿式法、化学蒸着法、スパッター法などがある。
湿式法を以下に説明する。湿式法のフローチャートを図2に示す。水にカテコール誘導体を溶解させた水溶液を準備する。カテコール誘導体の水溶液中の濃度は、0.001M〜0.5Mである。0.001M未満であると、負極活物質への重合体の被覆量が少なくなるため、効果が小さくなる。0.5Mを超えると、負極活物質への重合体の被覆量が多すぎて、負極活物質の重量当たりまたは体積当たりの放電容量が少なくなるので好ましくない。また、負極活物質を被覆せずに水溶液中に析出してしまう重合体も生成する。このため、負極活物質と重合体とを分離する工程がさらに必要となるので、好ましくない。
また、水溶液のpHを適当な範囲に保つために緩衝溶液(緩衝剤)を添加しても良い。緩衝溶液(緩衝剤)の例としては、トリスヒドロキシメチルアミノメタン緩衝溶液(pH=8.0)、酢酸緩衝溶液(pH=4.8)、グリシン緩衝溶液(pH=2.4)、リン酸緩衝溶液(pH=2.2)、フタル酸緩衝溶液(pH=4.0)、クエン酸(pH=3.1)、バルビツール酸緩衝溶液(pH=4.0)、コハク酸緩衝溶液(pH=4.2)、炭酸緩衝溶液(pH=6.4)、リン酸緩衝溶液(pH=7.2)、ホウ酸緩衝溶液(pH=9.2)、グリシン緩衝溶液(pH=9.6)などがある。
水溶液の温度は、20℃から60℃が好ましい。20℃未満であると、重合が起こりにくくなり、60℃を超えると重合速度が速くなり過ぎ活物質を被覆せずに水溶液中に析出してしまう重合体の割合が多くなる。
水溶液中では、負極活物質表面でカテコール誘導体が重合して表面を被覆する。重合には、酸素が関与している。水溶液中の酸素濃度は、数ppmから飽和溶存酸素濃度までが好ましい。例えば、参考に、水温と飽和溶存酸素濃度を挙げると以下のようになる。かっこの前の数値が飽和溶存酸素濃度で、かっこ内が水温である。8.84ppm(20℃)、8.11ppm(25℃)、7.53ppm(30℃)、6.59ppm(40℃)、5.5ppm(50℃)、5.0ppm(60℃)。また、水溶液中に酸素ガスをバブリングしても良い。
カテコール誘導体水溶液を準備したら、次に被覆される負極活物質を投入する。この負極活物質と水溶液とが接しているときに、負極活物質の表面をカテコール誘導体の重合体が被覆する。
カテコール誘導体の重合体の例として、ポリドーパミンの構造式を下記化学式(2)に示す。
Figure 2017183051
式(2)において、p、o、n及びmは、任意の整数である。
負極活物質を投入する際には、活物質が沈降しないように、水溶液が撹拌されていることが好ましい。また、負極活物質の沈降防止または大気中の酸素を水溶液中に取り込むために、投入後も撹拌を継続することが好ましい。
負極活物質をカテコール誘導体水溶液に投入するタイミングは、カテコール誘導体水溶液を準備したらなるべく早くが良い。なぜなら、水にカテコール誘導体粉末を投入すると、短時間でカテコール誘導体の重合が開始するからである。例えば、カテコール誘導体がドーパミンの場合、1分以内で重合が開始される。カテコール誘導体水溶液を準備してから、負極活物質を投入しないで時間が経過すると、水溶液中にカテコール誘導体の重合体が析出してしまい、その後に負極活物質を投入すると、負極活物質へのカテコール誘導体の重合体の被覆量が少なくなる。
また、カテコール誘導体の水溶液の作製を行った後に、負極活物質を水溶液に投入することが望ましい。逆に、負極活物質を水に投入させた後に、カテコール誘導体を水に溶解させることは、好ましくない。その理由は、負極活物質が撥水性である場合、負極活物質を始めに水に投入しても、撥水性のために負極活物質が水中に分散できないからである。分散できずに水の表面に負極活物質が浮遊しているので、カテコール誘導体を水に溶解させることも困難となる。
負極活物質の表面を被覆する、カテコール誘導体の重合体の量は次の(1)から(6)のパラメータを適宜調節して決める。
(1)カテコール誘導体の水溶液中の濃度
(2)水溶液中の緩衝剤の濃度
(3)水溶液中で負極活物質を分散(撹拌)する時間
(4)水溶液と負極活物質の比率
(5)水溶液中の溶存酸素濃度
(6)水溶液の温度
上記水溶液中で負極活物質を所定時間、分散(撹拌)したら、その分散液を濾過し、負極活物質と水溶液とをフィルターで分離する。
上記の分離後に、負極活物質を水(純水)で洗浄する。洗浄方法は、フィルター上に残っている負極活物質上に水を掛けながらバキュームしても良い。または、フィルター上に残っている負極活物質を再度、新しい水(純水)に分散し濾過しても良い。
濾過後には、負極活物質を乾燥し水分を蒸発させる。乾燥温度は、作業性を考慮し60℃から100℃が好ましい。
(バインダー)
負極活物質と負極活物質、負極活物質と導電助剤、負極活物質と集電体とを接着させるために、負極合剤層にはバインダーを添加する。バインダーに要求される特性としては、電解液に溶解しないこと、耐還元性があること、接着性が良いことが挙げられる。負極合剤層に用いられるバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはそのコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、無水マレイン酸をグラフト化したポリプロピレン(PP)、またはこれらの混合物などが挙げられる。中でも、ポリアミドイミドが好ましい。尚、ポリイミドは、前駆体のポリアミック酸として添加し、電極形成後に熱処理してポリイミドとなる。
負極合剤層24におけるバインダーの含有率は特に限定されないが、負極活物質、導電助剤及びバインダーの質量の総和を基準にして、1質量%〜15質量%であることが好ましく、3質量%〜10質量%であることがより好ましい。バインダーの含有率を上記範囲とすることにより、得られた負極合剤層において、バインダーの量が少なすぎて強固な負極合剤層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、放電容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。負極合剤層24における導電助剤の含有率も特に限定されないが、導電助剤を添加する場合には通常、活物質に対して0.5質量%〜20質量%であることが好ましく、1質量%〜12質量%とすることがより好ましい。
(導電助剤)段落0036で述べた正極で用いた炭素材料などの導電助剤が、負極でも使用できる。
次に、本実施形態に係る電極10、20の製造方法について説明する。本実施形態に係る電極10、20の製造方法は、活物質、バインダー及び導電助剤を含む塗料を集電体上に塗布する工程(以下、「塗布工程」ということがある。)と、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去する工程(以下、「溶媒除去工程」ということがある。)と、を備える。
(塗布工程)
塗料を集電体12、22に塗布する塗布工程について説明する。塗料は、活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒を含む。活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒などの塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。例えばまず、活物質、導電助剤を乾式混合し、得られた混合物に、バインダーを含む溶液を加えて混合し、塗料を調整する。上述した活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒を、上記集電体12、22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
(溶媒除去工程)
続いて、集電体12、22上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去法は特に限定されず、塗料が塗布された集電体12、22を、例えば60℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。そして、このようにして合剤層14、24が形成された電極を、その後、必要に応じて例えば、ロールプレス装置などによりプレス処理すればよい。ロールプレスの線圧は例えば、100〜1000kgf/cmとすることができる。
以上の工程を経て、本実施形態に係る電極を作製することができる。
ここで、上述のように作製した電極を用いたリチウムイオン二次電池100の他の構成要素を説明する。
(電解質)
電解質は、正極合剤層14、負極合剤層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充放電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解質溶液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiC(SOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、LiN(COC、LiBCなどの塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、ジアリルカーボネート、2、5−ジオキサヘキサン2酸ジメチル、2、5−ジオキサヘキサン2酸ジエチル、フラン、2、5−ジメチルフラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1、3−ジオキサン、1、4−ジオキサン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ジフルオロ酢酸メチル、トリフルオロ酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、イソ酪酸メチル、シアノ酢酸メチル、酢酸ビニル、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、δ―バレロラクトン、ε―カプロラクトン、γ―ヘキサノラクトン、γ―ウンデカラクトン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリn−プロピル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、メトキシ−ノナフルオロブタン、エトキシ−ノナフルオロブタン、1−メトキシヘプタフルオロプロパン、2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデコフルオロヘキサン、メチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテルなどが好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
なお、本実施形態において、電解質は液体以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル電解質であってもよい。また、電解質溶液に代えて、固体電解質(固体高分子電解質又はイオン伝導性無機材料からなる電解質)が含有されていてもよい。
(セパレータ)
セパレータ18は、電気絶縁性の微多孔膜であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリオレフィンからなるフィルムの単層微多孔膜または積層微多孔膜、上記高分子の混合物フィルムの、乾式法または湿式法により作製される微多孔膜、または、セルロース、ポリエステル、ポリエチレンまたはポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる不織布が挙げられる。
(外装体)
外装体50は、その内部に積層体30及び電解質溶液を密封するものである。外装体50は、電解液の外部への漏出や、外部からの電気化学デバイス100内部への水分などの侵入などを抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、外装体50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミニウム箔を、高分子膜54としてはポリプロピレンなどの膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミドなどが好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが好ましい。
(リード)
リード60,62は、アルミニウム、ニッケルなどの導電材料から形成されている。
そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体12、負極集電体22にそれぞれ溶接し、正極10の正極合剤層14と負極20の負極合剤層24との間にセパレータ18を挟んだ状態で、電解液と共に外装体50内に挿入し、外装体50の入り口を熱シールすればよい。
以上、電極の製造方法、それにより得られた電極、及び当該電極を備えるリチウムイオン二次電池の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、電極は、リチウムイオン二次電池以外の電気化学素子にも用いることができる。電気二重層キャパシタなどが挙げられる。これらの電気化学素子は、携帯電話(スマートフォンを含む)、ノートブックパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、電動ドリル、車両、据置型電源などの用途に使用することが可能である。
(実施例)
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。各実施例及び比較例におけるカテコール誘導体の種類など実験条件、電池特性及び電池厚みを、表1〜6にまとめた。
(実施例1)
以下の方法で電池を作製し、評価を行った。
<負極活物質の調製>
1000cmの蒸留水にトリスヒドロキシメタン塩酸塩(純正化学株式会社製、以後trisと表す)1.211g及びドーパミン1.896g(東京化成工業株式会社製)をこの順序で投入し、溶解させた。tris及びドーパミンの濃度は約0.01Mとなる(メスアップして1000cmにしたのでないので、約0.01Mとなる。)。ここで、M=molL−1である。この水溶液のpHは、8.0であった。ドーパミンは重合して負極活物質の表面に被膜を形成する。trisは、pHの緩衝剤である。
負極活物質として平均粒径(D50)10μmの黒鉛40gを用意した。この黒鉛は表面が疎水性であり、水に分散しにくい。上記の水溶液に撹拌子を入れ撹拌しながら、黒鉛40gを投入した。黒鉛を投入してから撹拌を停止するまでの時間を反応時間と呼ぶことにする。本実施例では、反応時間は220分とした。黒鉛は、水溶液に投入しされるとすぐに均一に分散した。この水溶液をフィルターでろ過し、黒鉛を取り出した。さらに、この黒鉛を新しい蒸留水250mlに分散し、ろ過した。この洗浄操作を3回繰り返した。次にこの処理した黒鉛を、60℃で12時間乾燥した。熱重量測定により、この処理した黒鉛のポリドーパミンの含有率は0.3質量%であった。また、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)で、黒鉛上のポリドーパミンの厚みを測定したところ、約10nmであった。
<負極の作製>
上記のポリドーパミンを被覆した黒鉛、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、DAB50)及びバインダーのポリアクリル酸の15質量%水溶液をそれぞれ10g、0.231g及び7.584g樹脂製容器に秤量し、自転公転する撹拌装置((株)キーエンス製 商品名:ハイブリッドミキサー)で混合して塗料を作製した。この塗料を集電体である銅箔(厚み10μm)にドクターブレード法で塗布後、90℃で乾燥し、線圧600kgf/cmで圧延した。この負極を、真空雰囲気下、150℃で20時間熱処理した。
なお、集電体には外部引き出し端子(リード)を溶接するために、塗料を塗布しない部分を設けておいた。この負極を赤外分光法で分析したところ、エステル結合が確認された。このエステル結合は、ポリドーパミンの水酸基とポリアクリル酸のカルボキシル基の水酸基とが、脱水縮合して生成したものである。つまり、ポリドーパミンとポリアクリル酸とが共有結合したものである。
<正極の作製>
正極活物質としてLiNi0.8Co15Al0.05を85g、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、DAB50)を5g、黒鉛(ティムカル(株)製 、商品名:KS−6)を5g、及びバインダーのポリフッ化ビニリデン(PVDF)溶液(呉羽化学工業(株)製、商品名:KF7305、PVDFを5質量%含んだNMP溶液)を50g、樹脂製容器に秤量し、ハイブリッドミキサーで混合して塗料を作製した。この塗料を集電体であるアルミニウム箔(厚み20μm)にドクターブレード法で塗布後、90℃で乾燥し、圧延した。なお、集電体には外部引き出し端子(リード)を溶接するために、塗料を塗布しない部分を設けておいた。
<電池の作製>
上述のように作製した正極、負極及びセパレータ(ポリオレフィン製の微多孔質膜 )を所定の寸法に切断した。続いて、正極、負極、及びセパレータをこの順序で積層した 。積層するときには、正極、負極、及びセパレータがずれないようにホットメルト接着剤(エチレン−メタアクリル酸共重合体)を少量塗布し固定した。正極及び負極には、それぞれ、外部引き出し端子としてアルミニウム箔(幅4mm、長さ40mm、厚み100μm)、ニッケル箔(幅4mm、長さ40mm、厚み100μm )を超音波溶接した。外部端子と外装体とのシール性を向上させるために、この外部引き出し端子に、無水マレイン酸をグラフト化したポリプロピレン(PP)を巻き付け熱接着させた。正極、負極、及びセパレータを積層した電池要素を封入する電池外装体はアルミニウムラミネート材料からなり、その構成は、PET(厚さ12μm)/Al(厚さ40μm)/PP(厚さ50μm)のものを用意した(PETは、ポリエチレンテレフタレートの略称である)。この時、PPが内側となるように製袋した。この外装体の中に電池要素を入れ電解質溶液(エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(EC:DEC=30:70vol%)にLiPFを1Mになるように溶解させた電解液)を適当量添加し、外装体を真空密封しリチウムイオン二次電池を作製した。
(電池試験方法)
充放電試験は、25℃の恒温槽内にて行った。充放電電流の表記は、以降C(シー)レート表記を使う。nC(mA)は、公称容量(mAh)を1/n(h)で充放電できる電流である。例えば、公称容量70mAhの電池の場合、0.05Cの電流は3.5mA(計算式70×0.05=3.5)である。同様に、0.2Cの電流は14mA、2Cの電流は140mAである。本電池は、第1サイクルは、0.05Cで3h充電後、0.2Cで4.2Vまで定電流定電圧(CCCVと言う)充電した。放電は、0.2Cで3.0Vまで放電した。第2サイクル以降の充電は、全て0.5Cで4.2VまでCCCV充電を行った。第2サイクルから第9サイクルでは、放電電流を0.2C、0.5C、1C及び2Cで各2サイクルずつ放電し、電池の放電レート特性を調べた。0.2C放電容量の平均値を100として、各放電レートの放電容量を規格化した。表2に2C放電容量を記載した。
また、別の電池でサイクル特性試験(サイクル寿命試験)を行った。充放電条件は、0.5Cで4.2VまでCCCV充電を行い、1Cで3.0Vまで放電した。この充放電を500イクルまで繰り返した。表2にサイクル数と放電容量の関係を示した。表2では、第1サイクルの放電容量を100として、第500サイクルの放電容量を規格化している(相対放電容量と呼ぶ)。
(電池厚み変化率)
また、充放電を開始する前の電池厚み及びレート特性終了後すなわち第9サイクル後の電池厚みを測定し、下式(3)に定義される電池厚み変化率を求めた。
電池厚み変化率(%)=第9サイクル放電後の電池厚み/充放電を開始する前の電池厚み×100 (3)
その結果を表2に示した。
(実施例2)
負極活物質をD50が10μmのシリコンに変更し、反応時間を5分にしたこと以外は実施例1と全て同様に行った。
(実施例3)
反応時間を15分にしたこと以外は実施例2と全て同様に行った。
(実施例4)
反応時間を1時間40分にしたこと以外は実施例2と全て同様に行った。
(実施例5)
反応時間を3時間30分にしたこと以外は実施例2と全て同様に行った。
(実施例6)
反応時間を7時間10分にしたこと以外は実施例2と全て同様に行った。
(実施例7)
反応時間を18時間40分にしたこと以外は実施例2と全て同様に行った。
(実施例8)
反応時間を36時間30分にしたこと以外は実施例2と全て同様に行った。
(実施例9)
反応時間を56時間にしたこと以外は実施例2と全て同様に行った。
(実施例10)
反応時間を75時間にしたこと以外は実施例2と全て同様に行った。
(実施例11)
反応時間を79時間にしたこと以外は実施例2と全て同様に行った。
(実施例12)
カテコール誘導体を没食子酸にしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例13)
カテコール誘導体をピロガロールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例14)
カテコール誘導体を3−メチルカテコールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例15)
カテコール誘導体を4−メチルカテコールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例16)
カテコール誘導体をカテコール−4−酢酸にしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例17)
カテコール誘導体をノルアドレナリンにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例18)
カテコール誘導体をアドレナリンにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例19)
カテコール誘導体を3−(3、4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニンにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例20)
カテコール誘導体を5、6−ジヒドロキシインドールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例21)
カテコール誘導体をカテキンにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例22)
カテコール誘導体をイソフラボンにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例23)
カテコール誘導体をエラグ酸にしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例24)
カテコール誘導体を4−tert−ブチルピロカテコールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例25)
カテコール誘導体を5−sec−ブチルピロガロールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例26)
カテコール誘導体を4−フェニルピロガロールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例27)
カテコール誘導体を4−メチル−1、2、3−ベンゼントリオールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例28)
カテコール誘導体を4、5、6−トリクロロピロガロールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例29)
カテコール誘導体を4、5、6−トリメチルピロガロールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例30)
カテコール誘導体を4、5−ジメチルピロガロールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例31)
カテコール誘導体を4、6−ジメチルピロガロールにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例32)
負極活物質をSiOに変更した以外は、実施例5と全て同様に行った。このSiOは、平均粒径(D50)が5μmの粒子で、SiOの中にnmサイズのSi粒子が分散している。また、SiOの粒子表面を非晶質炭素が被覆している。
(実施例33)
ポリアクリル酸を水溶性ポリアミドにしたこと以外は実施例5と全て同様に行った。
(実施例34)
ポリアクリル酸をポリイミドに変更し、及び負極の熱処理条件を真空下、350℃で3時間に変更した以外は、実施例5と全て同様の操作を行った。
(実施例35)
ポリアクリル酸をポリアミドイミドに変更し、及び負極の熱処理条件を真空下、350℃で3時間に変更した以外は、実施例5と全て同様の操作を行った。
(実施例36)
ポリアクリル酸をエチレン−アクリル酸共重合体に変更したこと以外は、実施例5と全て同様の操作を行った。
(実施例37)
ポリアクリル酸をエチレン−メタクリル酸共重合体に変更したこと以外は、実施例5と全て同様の操作を行った。
(実施例38)
ポリアクリル酸をエチレン−水酸化ビニル酸共重合体に変更したこと以外は、実施例5と全て同様の操作を行った。
(実施例39)
ポリアクリル酸をアクリル酸エステル−アミノエチルアクリレート共重合体に変更したこと以外は、実施例5と全て同様の操作を行った。
(実施例40)
負極を真空雰囲気下、150℃で20時間熱処理しなかったこと以外は、実施例5と全て同様の操作を行った。この負極を赤外分光法で分析したところ、水素結合が確認された。この水素結合は、ポリドーパミンの水酸基とポリアクリル酸のカルボキシル基の水酸基とが、生成したものである。
(比較例1)
カテコール誘導体を被覆しない黒鉛を負極活物質として用いた以外は、実施例1と全て同様の操作を行った。
(比較例2)
カテコール誘導体を被覆しないシリコンを負極活物質として用いた以外は、実施例1と全て同様の操作を行った。
(比較例3)
カテコール誘導体を被覆しないSiOを負極活物質として用いた以外は、実施例1と全て同様の操作を行った。
(比較例4)
ポリアクリル酸を水溶性ポリアミドに変更した以外は、比較例2と全て同様の操作を行った。
(比較例5)
負極のバインダーをポリイミドに変更し、及び負極の熱処理条件を真空下、350℃で3時間に変更した以外は、比較例2と全て同様の操作を行った。
(比較例6)
負極のバインダーをポリアミドイミドに変更し、及び負極の熱処理条件を真空下、350℃で3時間に変更した以外は、比較例2と全て同様の操作を行った。
(比較例7)
負極のバインダーをエチレン−アクリル酸共重合体に変更した以外は、比較例2と全て同様の操作を行った。
(比較例8)
負極のバインダーをエチレン−メタクリル酸共重合体に変更した以外は、比較例2と全て同様の操作を行った。
(比較例9)
負極のバインダーをエチレン−水酸化ビニル共重合体に変更した以外は、比較例2と全て同様の操作を行った。
(比較例10)
負極のバインダーをアクリル酸エステル−アミノエチルアクリレート共重合体に変更した以外は、比較例2と全て同様の操作を行った。
(比較例11)
負極を真空雰囲気下、150℃で20時間熱処理しなかったこと以外は、比較例2と全て同様の操作を行った。
(比較例12)
特許文献1と同様の方法で、負極を作製した。
<負極の作製>
D50が10μmのシリコン、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、DAB50)、バインダーのバインダ材料としてのポリアミック酸(Pyre−ML(登録商標)5019、数平均分子量100000)、結着性向上剤としてのピロメリット酸ジエチル(PMA−Et)をそれぞれ10g、0.231g、1.138g及び0.1gを樹脂製容器に秤量し、自転公転する撹拌装置((株)キーエンス製 商品名:ハイブリッドミキサー)で混合して塗料を作製した。この塗料を集電体である銅箔(厚み10μm)にドクターブレード法で塗布後、90℃で乾燥し、線圧600kgf/cmで圧延した。その後、真空条件下(酸素分圧26Pa)300℃で30分間熱処理することによって負極を作製した。なお、熱処理により上記ポリアミック酸はポリイミド(PI)に変換される。なお、集電体には外部引き出し端子(リード)を溶接するために、塗料を塗布しない部分を設けておいた。他は、実施例1と全て同様に行った。
表1に、カテコール誘導体、負極活物質、負極活物質上の重合体の厚み、負極活物質中のカテコール重合体の含有率、バインダーの種類及びバインダーの官能基をまとめた。
Figure 2017183051
表2に、熱処理条件、tris濃度、カテコール誘導体濃度、反応時間、500サイクル後の相対放電容量、2C放電容量及び電池厚み変化率をまとめた。
Figure 2017183051
表2から分かるように、表面がカテコール誘導体の重合体で被覆されたリチウムイオン二次電池用負極活物質を用いた実施例1〜40は、被覆されていない比較例1〜11に比較し、500サイクル後の容量維持率が向上した。また、2C放電容量が大きかった。また、電池厚み変化率も小さい結果となり、サイクル特性、レート特性及び寸法安定性に優れたリチウムイオン二次電池であることが確認された。
実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例32と比較例3、実施例33〜39と比較例4〜10とを比較すると、負極活物質の表面にカテコール誘導体の重合体を被覆すると、電池特性(サイクル特性及びレート特性)及び寸法安定性に優れたリチウムイオン二次電池が得られることが分かる。
また、実施例2〜11において、カテコール誘導体の重合体の厚みを変化させている。これによると、重合体の厚みが1nm以下であると、負極活物質とバインダー、負極活物質と集電体、または、負極活物質と導電助剤との密着性の向上が不十分となり、サイクル特性の向上の度合いが小さくなる恐れがある。また、前記重合体の厚みが200nmを超えると、Li拡散の抵抗となり、レート特性が悪くなる恐れがある。
また、実施例5及び実施例12〜31と比較例2を比較すると、種々のカテコール誘導体においても、電池特性(レート特性及びサイクル特性)及び寸法安定性に優れたリチウムイオン二次電池が得られることが分かる。種々のカテコール誘導体の中でも、特にドーパミン、没食子酸及びピロガロールを用いたものが、サイクル特性に優れている。
また、実施例5及び実施例33〜39と比較例2及び比較例4〜10を比較すると、バインダーの種類を変更しているが、ポリアミド、ポリイミドまたはポリアミドイミドが、特にサイクル特性に優れている。
また、実施例5と実施例40とを比較すると、実施例5のように熱処理を行うとレート特性、サイクル特性及び寸法安定性に優れたリチウムイオン二次電池が得られることが分かる。この理由は以下のように考えられる。熱処理した場合には、カテコール誘導体の重合体中の水酸基と負極中のバインダーに存在する水酸基とが、脱水縮合して共有結合を形成する。その結果、負極活物質粒子とバインダーとが、熱処理しない場合に比較し強固に結合する。また、同様に、集電体である銅箔表面、または、導電助剤のカーボンブラック表面にも水酸基が存在する。それらの水酸基とカテコール誘導体の重合体中の水酸基も、熱処理すると脱水縮合して共有結合を形成する。その結果、熱処理しない場合に比較し、強固に結合する。このように、活物質とバインダー、集電体及び導電助剤とが強固に結合しているため、活物質が膨張収縮しても、活物質がバインダー、集電体及び導電助剤から剥離し難いため、サイクル特性が向上する。
実施例40のように負極を熱処理しない場合には、脱水縮合が生成していない。従って、水素結合のままである。水素結合は共有結合よりは弱い結合ではあるが上記と同様、サイクル特性が向上する。また、カテコール誘導体の重合体の被膜がない比較例に比較すると、電池厚みの増加が抑制される。
また、実施例34と比較例12とを比較すると、負極活物質の表面にカテコール誘導体の重合体を被覆すると、ピロメリット酸ジエチルの場合よりも、電池特性(サイクル特性及びレート特性)及び寸法安定性に優れたリチウムイオン二次電池が得られることが分かる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり 、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。


Claims (11)

  1. 表面にカテコール誘導体の重合体を含有する被膜が形成されているリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  2. 前記被膜の厚みが1nm〜200nmである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  3. 前記カテコール誘導体が、ドーパミン、没食子酸、ピロガロール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、カテコール−4−酢酸、ノルアドレナリン、アドレナリン、3−(3、4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、5、6−ジヒドロキシインドール、カテキン、イソフラボンエラグ酸、4−tert−ブチルピロカテコール、5−sec−ブチルピロガロール、4−フェニルピロガロール、4−メチル−1、2、3−ベンゼントリオール、4、5、6−トリクロロピロガロール、4、5、6−トリメチルピロガロール、4、5−ジメチルピロガロール、4、6−ジメチルピロガロールの群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  4. 前記負極活物質は、Siを主成分とする金属、Snを主成分とする金属、またはSiOのうちいずれか1種を含有している請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質と、バインダーとを含有する合剤層が、負極集電体上に形成されたリチウムイオン二次電池用負極。
  6. 前記バインダーが、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基またはイミド基を有する高分子である請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  7. 前記バインダーが、ポリアクリル酸、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−水酸化ビニル共重合体、アクリル酸エステル−アミノエチルアクリレート共重合体、ポリアミック酸から成る群から選択される一つまたはそれらの混合物である、請求項5または6に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  8. 前記バインダーが、ポリアミド、ポリイミドまたはポリアミドイミドもしくはそれらの混合物である、請求項5または6に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  9. 前記カテコール誘導体の重合体と前記バインダーが共有結合している、請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  10. 前記カテコール誘導体の重合体と前記バインダーが水素結合している、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  11. 請求項5〜10のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極、電解質、及び正極を備えたリチウムイオン二次電池。


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