JP2017181965A - 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶濡れ広がり性に優れ、かつ液晶の配向規制力の高い液晶配向膜、および表示特性に優れた液晶表示素子が提供される。【解決手段】ジアミンとテトラカルボン酸又はその誘導体とを反応させて得られる、イミド化率が20〜100%であるポリイミドと、溶剤とを含有する液晶配向剤であって;前記テトラカルボン酸又はその誘導体は、芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体30〜100モル%と、その他のテトラカルボン酸又はその誘導体0〜70モル%とからなり;前記ジアミンは、下記の式(1−0)で表されるジアミン30〜100モル%と、その他のジアミン0〜70モル%とからなることを特徴とする、前記液晶配向剤。【化1】式中の記号は、明細書中に定義の通りである。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜およびそれを用いた液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示素子における液晶注入方法として、特に大型基板を使用する場合、従来の真空注入方式に代わってODF(One−Drop−Filling)方式と呼ばれる手法が用いられている。これは、基板上に液晶の微小液滴を滴下し、その後基板を貼り合わせ、表示素子全体に液晶を行き渡らせることで、液晶注入を行う方法である(例えば、特許文献1参照)。本手法を用いることで、工程数の削減およびタクトタイム短縮が達成できるというメリットがある。一方、デメリットとして、ODFムラと呼ばれる配向不良の発生が挙げられる(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−279914号公報 特開2015−179158号公報
ODFムラは、液晶滴下時の衝撃および液晶広がり時の流動により、液晶配向膜表面の配向が乱れることで発生すると考えられる。これを低減させるためには、液晶の濡れ広がり性の高いモノマー成分を増加させることが考えられるが、配向性悪化や保存安定性など、その他特性の低下を引き起こすことが明らかとなった。本発明は、液晶濡れ広がり性と保存安定性に優れ、かつ液晶の配向規制力の高い、液晶配向剤及び液晶配向膜を得ることを課題とする。
本発明は、下記を要旨とするものである。
1. ジアミンとテトラカルボン酸又はその誘導体とを反応させて得られる、イミド化率が20〜100%であるポリイミドと、溶剤とを含有する液晶配向剤であって;
前記テトラカルボン酸又はその誘導体は、芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体30〜100モル%と、その他のテトラカルボン酸又はその誘導体0〜70モル%とからなり;
前記ジアミンは、下記の式(1−0)で表されるジアミン30〜100モル%と、その他のジアミン0〜70モル%とからなることを特徴とする、前記液晶配向剤。
Figure 2017181965
(式中、Yは、式(1−1)で表される2価の有機基を表し;
Arは(I+2)価の有機基、Arは(I+2)価の芳香族炭化水素残基を表し;
は2価の有機基であり、K及びKは、それぞれ独立に、−(CH−(nは1〜5の整数)、−CH=CH−、−C≡C−、−O−C(=O)−*1、−C(=O)−O−*1、−S−C(=O)−*1、−C(=O)−S−*1、−O−、−S−又は−NR−(ただし、Rは水素、炭素数1〜6の1価の炭化水素基、又は熱により水素原子に置き換わる保護基Dであり、RとDとが結合して窒素含有複素環を形成してもよく、K及びKが−NR−である場合に2つのRが結合してDと共に窒素含有複素環を形成してもよい。*1を付した結合手がDに結合する。)であり;
、tは、それぞれ独立に、炭素数1〜6の1価の炭化水素基、又は熱により水素原子に置き換わる保護基D、ハロゲン原子から選ばれる、一価の有機基である。
、I はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表し(但し、I、I が、同時に、0を示すことはない。)、t、t、Xの少なくとも一つは、保護基Dを有する。*を付した結合手が、アミンの窒素原子に結合する。)
本発明によれば、液晶濡れ広がり性に優れ、かつ液晶の配向規制力の高い液晶配向膜、および表示特性に優れた液晶表示素子が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明は、ジアミンとテトラカルボン酸又はその誘導体とを反応させて得られる、イミド化率が20〜100%であるポリイミドと、溶剤とを含有する液晶配向剤である。そのポリイミドは、テトラカルボン酸又はその誘導体とジアミンとの反応で得られるポリアミック酸、又はポリアミック酸エステルを閉環して得ることができる。テトラカルボン酸誘導体としては、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドが挙げられる。
前記ポリイミドは、下記式(1)で表される構造単位を含む、重合体として表すこともできる。
Figure 2017181965
(式中、Xはテトラカルボン酸から4つのカルボキシル基を除いた4価の残基を示し、Yは、ジアミンから2つのアミノ基を除いた2価の有機基を示す。Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。M1、M2、M3は、モル分率を表すものであって;
0≦M1<1、0≦M2≦1、0≦M3≦1であり、0.2≦M2/2+M3≦1を満たす。)
上記式(1)中、Rは、加熱によるイミド化のしやすさの点から、水素原子、メチル基又はエチル基が好ましい。
本発明において、上記テトラカルボン酸又はその誘導体は、芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体30〜100モル%と、その他のテトラカルボン酸又はその誘導体0〜70モル%とからなる。
上記芳香族テトラカルボン酸とは、同一の又は異なる芳香環に、合計で4つのカルボキシル基が結合する化合物である。芳香環の数は、1〜4が好ましい。この場合、芳香環が一つであれば、当該芳香環に4つのカルボキシル基が結合することが好ましい。また、芳香環が2つ以上であれば、一つの芳香環に2つのカルボキシル基が結合するとともに他の芳香環に2つのカルボキシル基が結合するテトラカルボン酸であることが好ましい。
芳香族テトラカルボン酸は、下記式(3)で表すことができる。
Figure 2017181965
(Xは、以下の各構造に由来する芳香族基のいずれかであることが好ましい。)
Figure 2017181965
Figure 2017181965
Figure 2017181965
Figure 2017181965
Figure 2017181965
(*はカルボキシル基に結合する結合手である。)
上記の内、液晶配向性を高める観点から(A−1)〜(A−2)、(A−7)、(A−14)〜(A−18)、(A−20)、(A−22)、(A−27)〜(A−34)が好ましい。特に好ましいのは、(A−1)、(A−14)〜(A−18)、(A−27)〜(A−28)、(A−32)〜(A−34)である。
式(3)に示される芳香族テトラカルボン酸及びその誘導体の使用量は、本発明のポリイミドの合成に使用するテトラカルボン酸及びその誘導体の全量に対して、30〜100モル%であり、より好ましくは40〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%である。ポリイミドの合成に使用するテトラカルボン酸及びその誘導体は、上記の化合物の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ここで、式(3)に示される芳香族テトラカルボン酸及びその誘導体の使用量が、本発明のポリイミドの合成に使用するテトラカルボン酸及びその誘導体の全量に対して30〜100モル%であるポリイミドとは、例えば前記式(1)のX全体における30〜100モル%がXである重合体として表すことができる。
芳香族テトラカルボン酸の誘導体としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸ジアルキルエステル又は芳香族テトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドが挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物とは、芳香環に結合する少なくとも1つのカルボキシル基を含めて4つのカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物のことである。
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、好ましくは同一の又は異なる芳香環に結合する4つのカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物である。この場合、芳香環が1つであれば、当該芳香環に結合する4つのカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物が好ましい。また、芳香環が2つ以上であれば、一の芳香環に結合する2つのカルボキシル基が分子内脱水するとともに他の芳香環に結合する2つのカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物、又は隣接する2個の芳香環のうち一方に結合するカルボキシル基と他方に結合するカルボキシル基が分子内脱水するとともに隣接する2個の芳香環のうち一方に結合するカルボキシル基と他方に結合するカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物が好ましい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物は、下記式(3−1)で表すことができる。
Figure 2017181965
(Xは、式(3)のXと同義である。)
本発明の芳香族テトラカルボン酸ジアルキルエステルは、下記式(E−1)〜(E−2)で表わすことができ、上記式(3−1)の芳香族テトラカルボン酸二無水物とROH(Rは式(1)のRと同定義である。)で表されるアルコールとを反応させることで得られる。
Figure 2017181965
(式中、Xは、式(3)のXと同一であり、Raは式(1)のRと同定義である。)
芳香族テトラカルボン酸ジアルキルエステルとしては、液晶配向性を高める観点から、式(E−2)で表される化合物を用いることが好ましい。
本発明の芳香族テトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドは、下記式(CL−1)〜(CL−2)で表わすことができ、上記式(E−1)〜(E−2)のテトラカルボン酸ジアルキルエステルをそれぞれ塩素化させることで得られる。
Figure 2017181965
(式中、Xは、式(3)のXと同一であり、Rは式(1)のRと同定義である。)
芳香族テトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドとしては、液晶配向性を高める観点から、式(CL−2)で表される化合物を用いることが好ましい。
本発明のポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸及びその誘導体を用いることにより、作製される液晶配向膜において、液晶の配向規制力を高めることができる。また、液晶配向膜への液晶の濡れ性を高めることもできる。但し、本発明のテトラカルボン酸又はその誘導体としては、上記芳香族テトラカルボン酸及びその誘導体のみを用いてもよいが、上記芳香族テトラカルボン酸及びその誘導体に加えて、その他のテトラカルボン酸を用いても良い。その他のテトラカルボン酸としては、脂肪族テトラカルボン酸及びその誘導体、並びに、脂環式テトラカルボン酸及びその誘導体の少なくとも一方が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸とは、鎖状炭化水素構造に合計で4つのカルボキシル基が結合する化合物である。但し、鎖状炭化水素構造のみで構成されている必要はなく、その一部に脂環式構造や芳香環構造を有していてもよい。
同様に、脂環式テトラカルボン酸とは、脂環式構造に合計で4つのカルボキシル基が結合する化合物である。但し、これら4つのカルボキシル基はいずれも芳香環には結合していない。また、脂環式構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状炭化水素構造や芳香環構造を有していてもよい。
脂肪族及び脂環式テトラカルボン酸として、具体的には下記式(3c)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2017181965
(Xは、以下の各構造に由来する脂肪族基又は脂環式基のいずれかであることが好ましい。)
Figure 2017181965
(*はカルボキシル基に結合する結合手である。)
上記構造のうち、好ましくは、(B−1)〜(B−7)、(B−13)〜(B−14)であり、特に好ましいのは、(B−1)〜(B−5)、(B−13)〜(B−14)である。
式(3c)に示されるテトラカルボン酸及びその誘導体の使用量は、本発明のポリイミドの合成に使用するテトラカルボン酸及びその誘導体の全量に対して、5〜70モル%、より好ましくは5〜60モル%、さらに好ましくは5〜50モル%である。ポリイミドの合成に使用する式(3c)のテトラカルボン酸及びその誘導体は、上記の化合物の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ここで、式(3c)に示されるテトラカルボン酸及びその誘導体の使用量が5〜70モル%であるポリイミドとは、例えば前記式(1)のX全体における5〜70モル%がXである重合体として表すことができる。
脂肪族テトラカルボン酸の誘導体としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂肪族テトラカルボン酸ジアルキルエステル又は脂肪族テトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドが挙げられる。同様に、脂環式テトラカルボン酸の誘導体としては、脂環式テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸ジアルキルエステル又は脂環式テトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドが挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物は、鎖状炭化水素構造に結合する4つのカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物のことである。但し、鎖状炭化水素構造のみで構成されている必要はなく、その一部に脂環式構造や芳香環構造を有していてもよい。
脂環式テトラカルボン酸二無水物は、脂環式構造に結合する少なくとも1つのカルボキシル基を含めて4つのカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物のことである。但し、これら4つのカルボキシル基はいずれも芳香環には結合していない。また、脂環式構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状炭化水素構造や芳香環構造を有していてもよい。
脂肪族及び脂環式テトラカルボン酸二無水物として、具体的には下記式(3c−1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2017181965
(Xは、式(3c)のXと同義である。)
本発明の脂肪族及び脂環式テトラカルボン酸ジアルキルエステルは、下記式(E2−1)〜(E2−2)で表わすことができ、上記式(3c−1)の化合物とROH(Rは式(1)のRと同定義である。)で表されるアルコールとを反応させることで得られる。
Figure 2017181965
(式中、Xは、式(3c)のXと同一であり、Rは式(1)のRと同定義である。)
本発明の脂肪族及び脂環式テトラカルボン酸ジアルキルエステルとしては、液晶配向性を高める観点から、式(E2−2)で表される化合物を用いることが好ましい。
本発明の脂肪族及び脂環式テトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドは、下記式(CL2−1)〜(CL2−2)で表わすことができ、上記式(E2−1)〜(E2−2)のテトラカルボン酸ジアルキルエステルをそれぞれ塩素化させることで得られる。
Figure 2017181965
(式中、Xは、式(3c)のXと同一であり、Rは式(1)のRと同定義である。)
脂肪族及び脂環式テトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドとしては、液晶配向性を高める観点から、式(CL2−2)で表される化合物を用いることが好ましい。
本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸又はその誘導体とジアミンとの反応で得られるポリアミック酸、又はポリアミック酸エステルを閉環して得ることができる。
上記ポリイミドは、ジアミンの少なくとも一種に、上記式(1−0)で表されるジアミン(以下、特定ジアミンと言う)を用いる。
[ジアミン]
本発明で用いられる特定ジアミンは、下記式(1−0)で表わすことができる。
Figure 2017181965
(式中、Yは、式(1−1)で表される2価の有機基を表し;
Arは(I+2)価の有機基、Arは(I+2)価の芳香族炭化水素残基を表し;
は2価の有機基であり、K及びKは、それぞれ独立に、−(CH−(nは1〜5の整数)、−CH=CH−、−C≡C−、−O−C(=O)−*1、−C(=O)−O−*1、−S−C(=O)−*1、−C(=O)−S−*1、−O−、−S−又は−NR−(ただし、Rは水素、炭素数1〜6の1価の炭化水素基、又は熱により水素原子に置き換わる保護基Dであり、RとXとが結合して窒素含有複素環を形成してもよく、K及びKが−NR−である場合に2つのRが結合してDと共に窒素含有複素環を形成してもよい。*1を付した結合手がDに結合する。)であり;
、tは、それぞれ独立に、炭素数1〜6の1価の炭化水素基、又は熱により水素原子に置き換わる保護基D、ハロゲン原子から選ばれる、一価の有機基である。
、I はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表し(但し、I、I が、同時に、0を示すことはない。)、t、t、Xの少なくとも一つは、保護基Dを有する。)
、tのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
Ar、Arで表される二価の芳香族炭化水素基としては、好ましくは炭素数6ないし12の芳香族炭化水素基、例えばナフタレン、ビフェニレン、又はフェニレン、最も好ましくは、フェニレンである。
用語「フェニレン」は、好ましくは、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレン基を示す。フェニレン基が、1,3−又は1,4−フェニレン基のいずれかであることが好ましい。1,4−フェニレン基が特に好ましい。
上記式(1−1)において、Dの2価の有機基としては、例えば2価の炭化水素基、2価の炭化水素基の炭素−炭素結合間に−O−、−COO−、−COS−、−CO−、−CONRa−、−S−、−NRa−、−SO−、−Si(R−等のヘテロ原子含有基(ただし、Raは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基又は熱により水素原子に置き換わる保護基Dであり、Rは炭素数1〜12の1価の炭化水素基である。)を有する基、複素環を有する2価の基、などが挙げられる。また、これら各基において、炭素原子に結合する水素原子の少なくとも1個が置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、水酸基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、「−Si(R」(ただし、Rは炭素数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基であり、複数のRは同じでも異なってもよい。)、アルコキシ基等が挙げられる。
ここで、「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味する。但し、鎖状構造は直鎖状であっても分岐状であってもよく、飽和でも不飽和でもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。「複素環を有する2価の基」とは、環系を構成する原子の中に、炭素以外の原子(酸素、硫黄、窒素)が一個以上含まれる環を有する2価の基を意味する。複素環を有する2価の基は、炭素数4〜20のものが好ましく、炭素数4〜15のものがより好ましい。複素環を有する2価の基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。
複素環を有する2価の基として、芳香族性を有する好ましい基は、例えば、イミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、2H−ピロール環、3H−インドール環、1H−インダゾール、プリン環、イソキノリン環、4H−キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環
、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ペリミジン環、トリアジン環、ベンズイソキノリン環、チアゾール環、チアジアジン環、アゼピン環、アゾシン環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、及びベンゾチアゾール環が挙げられる。
複素環を有する2価の基として、芳香族性を有していない好ましい基は、たとえばアジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ホモピペラジン環、等が挙げられる。
保護基Dは、室温においては脱離せず、好ましくは、80℃以上、より好ましくは100℃以上、特に好ましくは150〜200℃で脱離し、水素原子になるのが好適である。例えば、1,1−ジメチル−2−クロロエトキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−シアノエトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基である。
の好ましい例としては、例えば下記式(r−1)で表される基が挙げられる。
Figure 2017181965
(式(r−1)中、K及びKは、それぞれ独立に炭素数1〜15のアルカンジイル基、炭素数1〜15のアルカンジイル基の炭素−炭素結合間に、−O−、−CO−、−COO−、−COS−、−CO−、−CONRa−、−S−、−NRa−、−SO−、(ただし、Raは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基又は熱により水素原子に置き換わる保護基Dである。)である。Xcは、シクロへキシレン基、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基であり、環に結合する水素原子の少なくとも1個がフッ素原子若しくは−Si(Rで置換されていてもよい。d、e及びfは、それぞれ独立に0又は1である。ただし、d、e及びfが同時に0になることはない。)
上記式(r−1)において、K及びKの炭素数1〜15のアルカンジイル基は、例えばメチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基等が挙げられ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。本発明のポリイミド重合体に柔軟性を付与し、高い液晶配向規制力を塗膜に発現させる観点から、好ましくは直鎖状である。Xは、柔軟性を付与する観点ではシクロヘキシレン基であることが好ましく、本発明のポリイミド重合体から得られる配向膜の液晶配向性を向上させる観点では、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基であることが好ましい。
及びKが−NR−である場合、Rの1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。RとDとが結合して形成される窒素含有複素環、及び2つのRが結合してRと共に形成される窒素含有複素環としては、3〜7員の窒素脂肪族ヘテロ環が好ましい。
3〜7員の窒素脂肪族ヘテロ環としては、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ホモピペラジン環、等が挙げられる。
式(r−1)の保護基Dは、式(1−1)の保護基Dと同義である。
本発明の式(1−1)で表わされる2価の有機基は、下記式(3−1)〜(3−3)で表される構造から選ばれる少なくとも一つの構造であることが好ましい。
Figure 2017181965
(A及びAは、それぞれ独立して、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基であり;
及びAは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基であり;
は、−C(=O)−、炭素数1〜6のアルキレン基、シクロアルキレン基、又はフェニレン基であり;
B1及びB2は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−NH−、−NMe−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)NMe−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−、又は−N(Me)C(=O)−を表し;
は、−(CH)−、−O−、−S−、−NH−、であり;
は、−O−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NH(=CO)NH−、−NH−、−C(=O)−、であり;
は、保護基Dと同義であり;
は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、炭素数2〜6のアルキニレン基であり;
Sは、水素原子、保護基D、又は、炭素数1〜3のアルキル基であり;
aは、それぞれ独立して、0又は1であり;Meはメチル基を示し;
m1、m2は、1≦m1+m2≦4を満たす整数で、m3は0〜1の整数であり;
nは2〜6の整数であり、*を付した結合手が、アミンの窒素原子に結合する。)
式(3−3)において、下記式(3−3−C)で表される部分構造は、2価の環状アミノ基を示し、好ましくは、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンから選ばれる化合物から2つの水素原子を除いた、2価の有機基である。
Figure 2017181965
式(3−1)〜(3−3)において炭素数1〜3のアルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。好ましくは、メチル基、エチル基である。
式(3−1)〜(3−3)において炭素数1〜6のアルキレン基とは、たとえばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトタメチレン基、ペンタメチレン基又はヘキサメチレン基等が挙げられる。
式(3−1)〜(3−3)において炭素数1〜6のシクロアルキレン基とは、シクロプロパン基、シクロブタン基、シクロペンタン基、シクロヘキサン基等が挙げられる。好ましくは、シクロヘキサン基である。
式(3−1)〜(3−3)において炭素数2〜6のアルケニレン基とは、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、等が挙げられる。
式(3−1)〜(3−3)において炭素数2〜6のアルキニレン基とは、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、等が挙げられる。
式(3−1)〜(3−3)において炭素数6〜12の芳香族炭化水素基とは、例えばフェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基、最も好ましくは、フェニレン基である。
液晶の配向規制力を高める観点から、より好ましい式(1−1)で表わされる2価の有機基は、下記式(4−0)〜(4−3)から選ばれる少なくとも1つの構造を有する、2価の有機基である。
Figure 2017181965
(式中、A〜A、B〜B、C〜C、S、D、nは、上記式(3−1)〜式(3−3)と同義であり、*を付した結合手が、アミンの窒素原子に結合する。)
さらに好ましい式(1−1)は、下記式から選ばれる少なくとも1つの構造を有する、2価の有機基である。
Figure 2017181965
(式中、Qは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、;
m3、m4は、それぞれ独立して、1〜4の整数を表し;
は、炭素数1〜4のアルキレン基、又は、フェニレン基を表し;
Sは、水素原子、又は基Dを表し、それぞれ、上記式(3−1)〜式(3−3)と同義であり、
*を付した結合手が、アミンの窒素原子に結合する。)
式(6−0)〜式(6−3)において炭素数1〜5のアルキレン基とは、たとえばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトタメチレン基、ペンタメチレン基等が好ましい。
最も好ましい式(1−1)で表わされる2価の有機基は、下記式(7−0)〜式(7−6)から選ばれる少なくとも1つの構造を有する、2価の有機基である。
Figure 2017181965
(Bocは、tert−ブトキシカルボニル基を示す。*を付した結合手が、アミンの窒素原子に結合する。)
これら特定ジアミンの使用量は、本発明のポリイミドの合成に使用するジアミンの全量に対して、30〜100モル%、より好ましくは40〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%である。
ポリイミドの合成に使用するジアミンの全量に対して、特定ジアミンの使用量が30〜100モル%であるポリイミドは、例えば前記式(1)のY全体における30〜100モル%が式(1−1)である重合体として表すことができる。
本発明では、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記特定ジアミン以外の他のジアミンを用いることもできる。上記ポリアミック酸の合成に用いられる他のジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4−(アミノメチル)アニリン、3−(アミノメチル)アニリン、2−(4-アミノフェニル)エチルアミン、2−(3-アミノフェニル)エチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンおよび下記式(N1)〜(N14)で表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
Figure 2017181965
(*は、−NHを示す。)
下記式(O1)〜(O12)で表されるジアミン;
Figure 2017181965
(*は、−NHを示す。)
下記式(P1)〜(P3)で表されるジアミン;
Figure 2017181965
(*は、−NHを示す。)
下記式(Q1)〜(Q2)などのウレタン基若しくはウレア基を有するジアミン;
Figure 2017181965
3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、4,4’−ジアミノビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、3,3’−ジアミノビフェニル−2,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン−3−カルボン酸、及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸等のカルボキシル基を有するジアミン;
下記式(S1)〜(S3)などの主鎖に二重結合又は三重結合を有するジアミン;
Figure 2017181965
(*は、−NHを示す。)
国際公開公報2015/053140の10ページの(Y−76)〜12ページの(Y−97)、12ページの(Y−109)〜(Y−110)などの側鎖基を有するジアミン、などを挙げることができる。これらのジアミンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジアミン、上記式O5で表わされる化合物のうちn=1〜5で表わされる化合物、O6で表わされる化合物のうちn=2で表わされる化合物、O7で表わされる化合物のうちn=1〜5で表わされる化合物、O8で表わされる化合物のうちn=1〜5で表わされる化合物、P1、Q1で表わされる化合物のうちn=1〜5で表わされる化合物、Q2で表される化合物のうちn=1〜5で表される化合物が好ましい。これらの他のジアミンは、全ジアミンに対し、好ましくは5〜70モル%、さらに好ましくは5〜60モル%、最も好ましくは5〜50モル%で用いられる。
式(1)で表される構造単位を含む重合体は、本発明の効果を損なわない範囲において、下記式(4−A)で表される構造単位を含んでいても良い。
Figure 2017181965
式(4−A)において、Xはテトラカルボン酸誘導体に由来する4価の有機基であり、Yは式(1−1)の構造を主鎖方向に含まないジアミンに由来する2価の有機基であり、Rは、前記式(1)の定義と同じであり、R、Rのいずれかは炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子を表わしてもよい。好ましい例は、Rは、メチル基、エチル基が好ましく、Rは、水素原子であることが好ましい。
上記式(4−A)で表される構造単位を含む重合体は、例えば下記式(3a)で表される少なくとも1種類の化合物と、下記式(3b)で表される少なくとも1種類の化合物との反応によって得ることができる。式(4−A)におけるXは式(3a)で表される全ての化合物に対応する構造を含むことができる。同様に、式(4−A)におけるY、RおよびRは式(3b)で表される全ての化合物に対応する構造を含むことができる。
Figure 2017181965
(式(3a)及び式(3b)におけるX,Yは、式(4−A)のそれぞれと同じ定義であり、Rは、式(4−A)のRと同じ定義である)
式(4−A)におけるXの具体例としては、上記式(A−1)〜(A−34)、上記式(B−1)〜(B−18)の構造などが挙げられる。また、式(4−A)におけるYは式(1−1)の構造を主鎖方向に含まないジアミンに由来する二価の有機基であり、例えば上記で例示した、その他のジアミンが挙げられる。Yは重合体の溶媒への溶解性や液晶配向剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷など、必要とされる特性の程度に応じて適宜選択され、同一重合体中に1種類であってもよく、2種類以上が混在していても良い。
以下に、好ましい(3b)の構造を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017181965
式(1)で表される構造単位を含む重合体が、式(4−A)で表される構造単位を同時に含む場合、式(4−A)を含む構造単位は、式(1)で表される構造単位を含む重合体の全体の合計量に対して10モル〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは20〜50モル%である。
[分子量調節剤]
本発明の重合体を合成するに際して、上記の如きテトラカルボン酸二無水物及びジミアンとともに、適当な分子量調節剤を用いて末端修飾型の重合体を合成することとしてもよい。かかる末端修飾型の重合体とすることにより、本発明の効果を損なうことなく液晶配向剤の塗布性(印刷性)をさらに改善することができる。
前記分子量調節剤としては、例えば酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを挙げることができる。これらの具体例としては、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを;
モノアミン化合物として、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミンなどを;
モノイソシアネート化合物として、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを、それぞれ挙げることができる。
分子量調節剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100質量部に対して、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下とすることがより好ましい。
[ポリアミック酸の合成]
上記ポリアミック酸は、上記ジアミンと上記テトラカルボン酸二無水物とを任意の溶媒中にて混合することにより合成でき、ポリアミック酸溶液が得られる。ポリアミック酸の製造方法としては、公知方法を含め、ポリアミック酸を製造可能な任意の方法を適用できる。中でも、有機溶媒中でポリアミック酸を合成することが好ましい。ポリアミック酸の合成において用いられる溶媒として、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、フェノール、クレゾール等が挙げられる。これらは単独又は2種以上混合して用いられる。
ポリアミック酸を合成する際の混合物における、ジアミンのテトラカルボン酸二無水物に対するモル比は、0.8〜1.2の範囲内であることが好ましい。この場合、分子量が大きく、伸度等にも優れるポリアミック酸が得られる。上記モル比は、より好ましくは0.9〜1.1である。
[ポリアミック酸エステルの合成]
本発明に用いられるポリアミック酸エステルは、国際公開公報WO2013−157586に示すとおり、次の3つの方法で合成することができる。
(1)ポリアミック酸から合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンから得られるポリアミック酸をエステル化することによって合成することができる。
(2)テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンとの反応により合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンから合成することができる。
(3)テトラカルボン酸ジエステルとジアミンからポリアミック酸エステルを合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンを重縮合することにより合成することができる。
上記3つのポリアミック酸エステルの合成方法の中でも、高分子量のポリアミック酸エステルが得られるため、上記(1)又は上記(2)の合成法が特に好ましい。
上記のようにして得られるポリアミック酸エステルの溶液は、よく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、ポリマーを析出させることができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して精製されたポリアミック酸エステルの粉末を得ることができる。貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
上記ポリアミック酸エステルは、本発明の目的である液晶の配向規制力を高める観点から、本発明のポリイミドが有する全繰り返し単位に対して下記式(4)で表される繰り返し単位を、1モル%以上有していることが好ましく、10モル%以上有していることがより好ましく、20モル%以上有していることが更に好ましい。また、下記式(4)で表される繰り返し単位の含有量の上限は、ポリイミドの溶解性を高める観点から、80モル%以下とすることが好ましく、70モル%以下とすることがより好ましく、最も好ましくは60モル%以下である。
Figure 2017181965
(式中、X、Y、Rは式(1)と同義である。)
[イミド化重合体の合成]
本発明の液晶配向剤を構成するイミド化重合体は、上記ポリアミック酸およびポリアミック酸エステルを脱水閉環することにより合成することができる。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。本発明のポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造が併存する部分イミド化物であってもよい。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200 ℃であり、より好ましくは60〜170℃ である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、所望するイミド化率によるが、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0 .01〜10 モルとするのが好ましい。イミド化率は上記の脱水剤、脱水閉環剤の使用量を多くするほど高くすることができる。イミド化率は、シール材との密着性を良好にする観点から、20〜100%であり、好ましくは20〜90%であり、より好ましくは20〜80%である。また、液晶配向性を良好にし、かつ液晶濡れ広がり性を高める観点から、30〜80%であることがより好ましく、40〜80%であることが更に好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒と同じものを挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180 ℃であり、より好ましくは10〜150℃である。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法におけると同様の操作を行うことにより、イミド化重合体を精製することができる。
ポリアミック酸エステルの脱水閉環も、上記ポリアミック酸の脱水閉環と同様の方法で行うことができる。
[溶液粘度]
上記合成で得られるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミドは、それぞれ、濃度10質量%の溶液としたときに、20〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、30〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。
上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒を用いて調製した濃度10質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
本発明に用いるポリイミド及びポリアミック酸およびポリアミック酸エステルの分子量は、重量平均分子量で2,000〜500,000が好ましく、より好ましくは5,000〜300,000であり、さらに好ましくは、10,000〜100,000である。
本発明の液晶配向剤は、式(1−1)で表される2価の基を主鎖に有するポリイミド重合体(特定重合体)を含有するものであるが、異なる構造の重合体(その他の重合体)を2種以上含有していてもよい。その他の重合体の種類としては、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレンまたはその誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらの中でも、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、が好ましい。本発明の液晶配向剤がその他の重合体を含有する場合、全重合体成分に対する特定重合体の割合は5質量%以上であることが好ましく、その一例として5〜95質量%が挙げられる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10質量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1質量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、一方固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合には固形分濃度1.5〜9質量%の範囲が特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9質量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5質量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃であり、より好ましくは20℃〜60℃である。
液晶配向剤に含有される溶剤(以下、溶剤Gとする)は、重合体成分が均一に溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を挙げるならば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、イソプロポキシ−N−イソプロピル−プロピオンアミド、n−ブトキシ−N−イソプロピル−プロピオンアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−(n−プロピル)−2−ピロリドン、N−イソプロピル−2−ピロリドン、N−(n−ブチル)−2−ピロリドン、N−(t−ブチル)−2−ピロリドン、N−(n−ペンチル)−2−ピロリドン、N−メトキシプロピル−2−ピロリドン、N−エトキシエチル−2−ピロリドンおよびN−メトキシブチル−2−ピロリドンジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(以上、溶剤G1とする。)などを挙げることができる。なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、又はγ−ブチロラクトンを用いることが好ましい。
また、液晶配向剤に含有される溶剤は、上記のような溶媒に加えて液晶配向剤を塗布する際の塗布性や塗膜の表面平滑性を向上させる溶媒を併用した混合溶媒を使用することが好ましい。
前記塗布性や塗膜の表面平滑性を向上させる溶剤として、グリコール系溶剤(以下、G2とする)が好ましい。グリコール系溶剤とは、−O−A−O−で表される構造単位を有し、窒素原子を有さない有機溶剤をいう。前記Aは、炭素数2〜10のアルキレン基である。
グリコール系溶剤(G2)としては、例えば、R−(O−A)n−ORで表される溶剤が挙げられる。前記式中、Aは炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基であり、nは1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数であり、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数2〜4、好ましくは炭素数2〜3のアシル基である。
グリコール系溶剤(G2)としては、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、トリエチレングリコールジアルキルエーテルが好ましい。
ジエチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。ジエチレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルが挙げられる。
エチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、が挙げられる。エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが挙げられる。
ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートが挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルが挙げられる。
ジプロピレングリコールジアルキルエーテルとしては、ジプロピレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネートが挙げられる。
トリエチレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えば、トリエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
グリコール系溶剤(G2)としては、保存安定性を良好にする観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。また、印刷膜のエッジ部において寸法安定性を高める観点から、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
グリコール系溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。溶剤(G1)とグリコール系溶剤(G2)とを併用する場合において、これらの量比は以下のとおりである。(G1)および(G2)の合計100質量%中、溶剤(G1)の量が10〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%である。量比が前記範囲にあると、基板に液晶配向剤を塗布した際にハジキなどが起こりにくいという点で好ましい。
塗布膜の膜厚均一性をさらに高める観点から、前記グリコール系溶剤(G2)を使用する場合において、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる少なくとも一種の溶剤を、(G1)及び(G2)の合計量100質量%中、20〜80質量%含有することが好ましい。保存安定性を良好にする観点から、より好ましくは、30〜80質量%が好ましく、更に好ましくは40〜70質量%である。
膜厚均一性を高める観点で最も好ましいのは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる少なくとも一種の溶剤とジプロピレングリコールモノメチルエーテルとを組み合わせることが好ましい。
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルの含有量としては、(G2)の全体量100質量%中、5質量%〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは5質量%〜50質量%である。
本発明の液晶配向剤に使用される溶剤としては、塗布ムラの少ない液晶配向膜が得られる観点から、上記グリコール系溶剤で表される化合物を用いてもよく、あるいは上記グリコール系溶剤で表される化合物のほかに他の溶剤を使用、又は併用してもよい。
ここで使用することのできる他の溶剤としては、酢酸4−メチル−2−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸2−メチルシクロヘキシル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、酪酸イソアミル、乳酸イソアミル、ジアセトンアルコール、プロピレンカーボネート、3−エトキシプロピオン酸エチル、4−ヘプタノン、2−ノナノン、5−ノナノン、4,6−ジメチル−2−ヘプタノン及びジイソブチルケトン等を挙げることができる。
本発明の液晶配向剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、重合体成分及び有機溶媒以外の成分を追加的に含有しても良い。このような追加成分としては、液晶配向膜と基板との密着性や液晶配向膜とシール材との密着性を高めるための密着助剤、液晶配向膜の強度を高めるための架橋剤、液晶配向膜の誘電率や電気抵抗を調整するための誘電体や導電物質などが挙げられる。これら追加成分の具体例としては、液晶配向剤に関する公知の文献に種々開示されているとおりであるが、あえてその一例を示すなら、公開公報2015/060357号パンフレットの53ページ[0105]〜55ページ[0116]に開示されている成分などが挙げられる。
これらの化合物の添加量は、液晶配向剤中に含有される重合体成分の100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量部であり、さらに好ましくは1〜20質量部である。最も好ましくは、1〜10質量部であり、さらに最も好ましくは1〜5質量部である。
本発明の液晶配向膜は、前記液晶配向剤から得られるものである。液晶配向剤から液晶配向膜を得る方法の一例を挙げるなら、塗布液形態の液晶配向剤を基板に塗布し、乾燥し、焼成して得られた膜に対してラビング処理法又は光配向処理法で配向処理を施す方法が挙げられる。
液晶配向剤を塗布する基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板とともに、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板等を用いることもできる。その際、液晶を駆動させるためのITO電極などが形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならば、シリコンウエハーなどの不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウムなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット法などが一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナー法、スプレー法などがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン、IR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、溶媒を蒸発させ、焼成する。液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができる。通常は、含有される溶媒を十分に除去するために、50〜120℃で1〜10分焼成し、その後、150〜300℃で、5〜120分焼成する条件が挙げられる。
焼成後の液晶配向膜の厚みは、特に限定されないが、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5〜300nmであることが好ましく、10〜200nmがより好ましく、10〜100nmが最も好ましい。
本発明の液晶配向膜は、TN型、STN型、VA型、横電解型(IPS方式、FFS方式)に好適に適用することができるが、IPS方式やFFS方式などの横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜としてより好適である。特に、FFS方式の液晶表示素子の液晶配向膜として有用である。
本発明の液晶表示素子は、上記液晶配向剤から得られる液晶配向膜付きの基板を得た後、既知の方法で液晶セルを作製し、該液晶セルを使用して素子としたものである。
液晶セルの作製方法の一例として、パッシブマトリクス構造の液晶表示素子を例にとり説明する。なお、画像表示を構成する各画素部分にTFT(Thin Film Transistor)などのスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス構造の液晶表示素子であってもよい。
具体的には、透明なガラス製の基板を準備し、一方の基板の上にコモン電極を、他方の基板の上にセグメント電極を設ける。これらの電極は、例えばITO電極とすることができ、所望の画像表示ができるようパターニングされている。次いで、各基板の上に、コモン電極とセグメント電極を被覆するようにして絶縁膜を設ける。絶縁膜は、例えば、ゾル−ゲル法によって形成されたSiO−TiOからなる膜とすることができる。次に、前記のような条件で、各基板の上に液晶配向膜を形成する。
次いで、液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に例えば紫外線硬化性のシール材を配置し、さらに液晶配向膜面上の所定の数カ所に液晶を配置した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせて圧着することにより液晶を液晶配向膜前面に押し広げた後、基板の全面に紫外線を照射してシール材を硬化することで液晶セルを得る。
または、基板の上に液晶配向膜を形成した後の工程として、一方の基板上の所定の場所にシール材を配置する際に、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておき、液晶を配置しないで基板を貼り合わせた後、シール材に設けた開口部を通じて液晶セル内に液晶材料を注入し、次いで、この開口部を接着剤で封止して液晶セルを得る。液晶材料の注入には、真空注入法でもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法でもよい。
上記のいずれの方法においても、液晶セル内に液晶材料が充填される空間を確保する為に、一方の基板上に柱状の突起を設けるか、一方の基板上にスペーサーを散布するか、シール材にスペーサーを混入するか、又はこれらを組み合わせるなどの手段を取ることが好ましい。
上記の液晶材料としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、ポジ型液晶材料やネガ型液晶材料のいずれを用いてもよい。次に、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に一対の偏光板を貼り付けることが好ましい。
なお、本発明の液晶配向膜及び液晶表示素子は、本発明の液晶配向剤を用いている限り上記の記載に限定されるものでは無く、その他の公知の手法で作成されたものであっても良い。液晶配向剤から液晶表示素子を得るまでの工程は、例えば特開2015−135393(日本国特許公開公報)の17ページ[0074]〜19ページ[0081]などの他、数多くの文献でも開示されている。
以上より、本発明のポリイミドから得られる液晶配向膜は、ODFムラの少ない液晶表示素子を得ることができる。
以下に本発明の製造方法の詳細について、原料の組成や配合比率を検討した実験方法及びその結果並びに典型的な製造方法である実施例等を挙げて説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例及び比較例で使用した化合物の略号、及び特性評価の方法は、以下のとおりである。
Figure 2017181965
Figure 2017181965
<有機溶媒>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
GBL:γ―ブチロラクトン
DMI:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
BCS:ブチルセロソルブ(別名:エチレングリコールモノブチルエーテル)
BCA:ブチルセロソルブアセテート(別名:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)
DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
H−NMRの測定)
装置:Varian NMR system 400NB(400MHz)(Varian社製)、及びJMTC−500/54/SS(500MHz)(JEOL社製)
測定溶媒:DMSO−d6(重水素化ジメチルスルホキシド)
基準物質:TMS(テトラメチルシラン)(δ:0.0ppm,H)
<粘度測定>
合成例及び比較合成例において、重合体の粘度は、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)で測定した。
<イミド化率の測定>
ポリイミドを重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でHNMRを測定した。得られたH−NMRスペクトルから、下記数式(1)で示される式によりイミド化率[%]を求めた。
イミド化率[%]=(1−A1/A2×α)×100 …(1)
(数式(1)中、A1は化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、A2はその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは、ポリアミック酸又はポリアミック酸エステルにおけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
<重合体の合成>
ポリアミック酸の合成
[合成例1:PAA−1の合成]
撹拌装置付きおよび窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコにd−1を6.15g(18.0mmol)加えた後、NMP75.5gを加え、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらt−1を3.73g(17.1mmol)加え、NMPを6.50g加えた後、さらに25℃条件下にて2時間攪拌することで固形分濃度10質量%のポリアミック酸溶液(PAA−1)を得た。このポリアミック酸溶液の25℃における粘度は49mPa・sであった。
[合成例2〜合成例4、比較合成例1:PAA−2〜PAA−4、r−PAA−1の合成]
上記合成例1において、反応に使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類及び量を下記表1の通り変更した以外は合成例2−1と同様にしてポリアミック酸を得た。なお、表1中の数値は、テトラカルボン酸二無水物については、反応に使用したテトラカルボン酸二無水物の全体量に対する使用割合(モル%)を示し、ジアミンについては、反応に使用したジアミンの全体量に対する使用割合(モル%)を示す。また、得られた重合体の粘度、イミド化時の作製条件、ポリイミドのイミド化率を示す。ピリジン量および無水酢酸量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対する、モル当量を表す。
ポリイミドの合成
[合成例5:PI−1−1の合成]
合成例1で得られた(PAA−1)を20g秤取し、ピリジンをポリアミック酸の繰り返し単位に対して2倍モル(0.58g)、無水酢酸をポリアミック酸の繰り返し単位に対して0.75倍モル(0.29g)添加して、50℃で3時間脱水閉環反応を行った。反応混合物を大過剰のクロロホルム中に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。回収した沈殿物をクロロホルムで洗浄した後、減圧下60℃にて7時間乾燥することにより、イミド化率23%のポリイミド(PI−1−1)を得た。
[合成例6〜11:PI−1−2〜PI−4−1、r−PI−1の合成]
上記合成例5で、反応に使用するポリアミック酸、及びピリジン及び無水酢酸の量を下記表1の通り変更した以外は、合成例5と同様にして、ポリイミド(PI−1−2)〜(PI−4−1)、(r−PI−1)を得た。
Figure 2017181965
<配向剤の調製>
[実施例1:液晶配向剤(1)の調製]
合成例5で得られた(PI−1−1)をサンプル管に0.4g秤取し、NMPを3.6g、BCAを0.4g加えた後、24時間撹拌して、液晶配向剤(1)を得た。
[実施例2〜実施例8、比較例1、比較例3:液晶配向剤(2)〜(8)、(R−1)の調製]
上記実施例1において、使用する溶媒の種類及び比率を下記表2、表3の通り変更した以外は実施例1と同様にして液晶配向剤を得た。表2、表3において、実施例で使用した重合体の種類、溶媒の種類とその質量割合、液晶配向剤の固形分濃度を示す。溶媒の質量割合は、溶媒全量に対する各溶媒の質量割合とし、液晶配向剤の固形分濃度は、ポリイミド系重合体と溶媒との合計量における、ポリイミド系重合体の濃度を示す。
[比較例2:液晶配向剤(R−2)の調製]
合成例1で得られたポリアミック酸をサンプル管に6.0g秤取し、NMPを3.0g、BCSを1.0g加えた後、24時間撹拌して、液晶配向剤(R−2)を得た。
Figure 2017181965
Figure 2017181965
<保存安定性評価>
液晶配向剤が含まれるサンプル管を、23℃の恒温下、1週間放置した。析出が見られなかったものを「良好」と定義して評価し、析出物が見られたものを「不良」と定義した。
<液晶の濡れ拡がり性の評価>
得られた液晶配向剤を1.0μmのフィルターで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃で20分間焼成して、膜厚100nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜をレーヨン布で1回ラビング(ロール径120mm、回転数1000rpm、移動速度20mm/sec、押し込み量0.4mm)した。上記の配向膜付きの基板と、液晶MLC−6608(メルク・ジャパン製)、及び全自動接触角計CA−W(協和界面科学製)を用い、液晶の濡れ拡がり性の評価を行った。評価は、液晶が配向膜に着液して10秒後の液晶の接触角を測定し、その液晶の接触角が低いほど、配向膜上における液晶の濡れ拡がり性が高いとした。尚、接触角は、ラビング方向と平行な方向における、液晶の接触角とした。
<配向性評価>
上記で得られたラビング処理(配向処理)を施した配向膜付きガラス基板を、MORITEX社製液晶配向膜検査装置(LayScan)を用い、屈折率異方性(リタデーション(nm))を測定した。
<実施例9〜15>
合成例で得られた液晶配向剤を用いて、保存安定性評価、配向性評価、液晶の濡れ広がり性評価を行った。結果を表4に示す。
<比較例3〜4>
比較合成例4〜6で得られた液晶配向剤を用いて、保存安定性評価、配向性評価、液晶の濡れ広がり性評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2017181965
Figure 2017181965
以上の結果より、本発明の液晶配向剤によって、保存安定性に優れ、液晶の濡れ広がり性に優れ、かつ液晶配向規制力の高い特性を同時に実現することが可能な液晶配向膜が得られることが判る。

Claims (8)

  1. ジアミンとテトラカルボン酸又はその誘導体とを反応させて得られる、イミド化率が20〜100%であるポリイミドと、溶剤とを含有する液晶配向剤であって;
    前記テトラカルボン酸又はその誘導体は、芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体30〜100モル%と、その他のテトラカルボン酸又はその誘導体0〜70モル%とからなり;
    前記ジアミンは、下記の式(1−0)で表されるジアミン30〜100モル%と、その他のジアミン0〜70モル%とからなることを特徴とする、前記液晶配向剤。
    Figure 2017181965
    (式中、Yは、式(1−1)で表される2価の有機基を表し;
    Arは(I+2)価の有機基、Arは(I+2)価の芳香族炭化水素残基を表し;
    は2価の有機基であり、K及びKは、それぞれ独立に、−(CH−(nは1〜5の整数)、−CH=CH−、−C≡C−、−O−C(=O)−*1、−C(=O)−O−*1、−S−C(=O)−*1、−C(=O)−S−*1、−O−、−S−又は−NR−(ただし、Rは水素、炭素数1〜6の1価の炭化水素基、又は熱により水素原子に置き換わる保護基Dであり、RとDとが結合して窒素含有複素環を形成してもよく、K及びKが−NR−である場合に2つのRが結合してDと共に窒素含有複素環を形成してもよい。*1を付した結合手がDに結合する。)であり;
    、tは、それぞれ独立に、炭素数1〜6の1価の炭化水素基、又は熱により水素原子に置き換わる保護基D、ハロゲン原子から選ばれる、一価の有機基である。
    、I はそれぞれ独立して、0〜4の整数を表し(但し、I、I が、同時に、0を示すことはない。)、t、t、Xの少なくとも一つは、保護基Dを有する。*を付した結合手が、アミンの窒素原子に結合する。)
  2. 前記溶剤が、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドよりなる群から選択される少なくとも1種からなる第一溶剤と、グリコール系溶剤から選ばれる少なくとも1種からなる第二溶剤とを含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記式(1−1)で表わされる2価の有機基が、下記式(3−1)〜(3−3)で表される構造から選ばれる少なくとも一つの構造である、請求項1または請求項2に記載の液晶配向剤。
    Figure 2017181965

    (A及びAは、それぞれ独立して、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基であり;
    及びAは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基であり;
    は、−C(=O)−、炭素数1〜6のアルキレン基、シクロアルキレン基、又はフェニレン基であり;
    及びBは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−NH−、−NMe−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)NMe−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−、又は−N(Me)C(=O)−を表し;
    は、−(CH)−、−O−、−S−、−NH−、であり;
    は、−O−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NH(=CO)NH−、−NH−、−C(=O)−、であり;
    は、保護基Dと同義であり;
    は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、炭素数2〜6のアルキニレン基であり、
    Sは、水素原子、保護基D、又は、炭素数1〜3のアルキル基であり;
    aは、それぞれ独立して、0又は1であり;Meはメチル基を示し、
    m1、m2は、1≦m1+m2≦4を満たす整数で、m3は0〜1の整数であり;
    nは2〜6の整数であり、*を付した結合手が、アミンの窒素原子に結合する。)
  4. 前記式(1−1)で表わされる2価の有機基が、下記式から選ばれる少なくとも1つの構造である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2017181965
    (式中、A〜A、B〜B、C〜C、S、n、Dは、上記式(3−1)〜式(3−3)と同義であり、*を付した結合手が、アミンの窒素原子に結合する。)
  5. 前記式(1−1)で表わされる2価の有機基が、下記式から選ばれる少なくとも1つの構造である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2017181965
    (式中、Qは炭素数1〜5のアルキレン基を表し;
    m3、m4は、それぞれ独立して、1〜4の整数を表し;
    は、炭素数1〜4のアルキレン基、又は、フェニレン基を表し;
    Sは、水素原子、又は基Dを表し、それぞれ、上記式(3−1)〜式(3−3)と同義であり、
    *を付した結合手が、アミンの窒素原子に結合する。)
  6. 前記式(1−1)で表わされる2価の有機基が、下記式(7−0)〜式(7−6)から選ばれる少なくとも1つの構造である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2017181965
    (Bocは、tert−ブトキシカルボニル基を示す。*を付した結合手が、アミンの窒素原子に結合する。)
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
  8. 請求項7に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。













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