JP2017179167A - 硬化性組成物、およびその硬化物の製造方法 - Google Patents

硬化性組成物、およびその硬化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】密着性及び保存安定性に優れ、かつ、硬化速度が速い硬化性組成物及びその硬化物の製造方法の提供。
【解決手段】(A)多価アルコールのアクリル酸エステル化合物等と、(B)エポキシ化合物と、(C)オキセタン化合物と、(D)特定のスルホニウム化合物と、(E)(D)と異なる特定のスルホニウム化合物と、(F)構造中に式(3)で表される骨格を有する重合体と、を含有し、(A)成分100質量部当たり、(B)成分1〜200質量部、(C)成分10〜250質量部、(D)成分1〜30質量部、(E)成分1〜30質量部、(F)成分1〜80質量部である硬化性組成物。
Figure 2017179167

(R48はアルキル;R49はH又はメチル基;*は結合手)
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物、およびその硬化物の製造方法に関し、詳しくは、密着性および保存安定性に優れ、かつ、硬化速度が速い硬化性組成物、およびその硬化物の製造方法に関する。
硬化性組成物は接着剤として広く使用されており、接着剤は、自動車、航空機、電気・電子機器を含む広い分野において用いられている。特に、近年では、電気・電子機器における接着技術の適用は、ますます多様で高度化している。また、電気・電子機器において使用される材料も新たに開発され、多種・多様になっており、従来の接着剤では、十分な要求を満足させることができなくなっている。特に、従来の接着剤では、液晶表示装置に用いられる偏光板に代表される微細な光学部品を製造する場合に求められる十分な要求を満足させることができなくなっている。
従来の接着剤としては、例えば、特許文献1では、炭素原子数2〜15個を有するポリオールのポリ(メタ)アクリレート、炭素原子数2〜10個を有するポリオールのポリグリシジルエーテル、1分子中に2個以上のオキセタニル基を有する分子量500以下の化合物、エポキシ基を有する重合体および光カチオン重合開始剤を特定割合で含有する光硬化性接着剤組成物が提案されている。また、特許文献2では、炭素原子数2〜15個を有するポリオールのポリ(メタ)アクリレート、炭素原子数2〜10個を有するポリオールのポリグリシジルエーテル、特定構造のオキセタン化合物、(メタ)アクリル系重合体および光カチオン重合開始剤を特定割合で含有する光硬化性接着剤組成物が提案されている。また、重合開始剤として、特許文献3では、優れた機能を有するエネルギー線感受性カチオン重合開始剤が提案されている。
特開2015−143352号公報 特開2015−040283号公報 特開2004−359605号公報
しかしながら、従来より提案されている接着剤は、密着性が不十分であり、また、硬化速度が遅く、さらに、長期間保存した場合に粘度が変化してしまうという問題を有していた。さらにまた、従来より提案されているエネルギー線感受性カチオン重合開始剤は、樹脂成分との組み合わせによっては硬化速度が遅い場合があるという問題点を有しており、さらなる改善が望まれているのが現状である。
そこで、本発明の目的は、密着性および保存安定性に優れ、かつ、硬化速度が速い硬化性組成物、およびその硬化物の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の組成を有する硬化性組成物であれば、上記課題意を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の硬化性組成物は、(A)多価アルコールのアクリル酸エステル化合物および多価アルコールのメタクリル酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、(B)エポキシ化合物と、(C)オキセタン化合物と、(D)下記一般式(1)、
Figure 2017179167
で表される化合物と、(E)下記一般式(2)、
Figure 2017179167
(式(1)、(2)中、R〜R47は、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいフェノキシ基およびニトロ基のいずれかから選択される基であり、Xは1価のアニオンになりうる原子団である。)で表される化合物と、(F)構造中に下記一般式(3)、
Figure 2017179167
(式(3)中、R48はアルキル基を表し、R49は水素またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)で表される骨格を有する重合体と、を含有する硬化性組成物において、
前記(A)多価アルコールのアクリル酸エステル化合物および多価アルコールのメタクリル酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物100質量部当たり、前記(B)エポキシ化合物1〜200質量部、前記(C)オキセタン化合物10〜250質量部、前記(D)一般式(1)で表される化合物1〜30質量部、前記(E)一般式(2)で表される化合物1〜30質量部、前記(F)構造中に一般式(3)で表される骨格を有する重合体1〜80質量部であることを特徴とするものである。
本発明の硬化性組成物においては、前記一般式(1)および前記一般式(2)中、Xで表されるアニオン部が、SbF 、PF 、AsF 、BF 、SbCl 、ClO 、CFSO 、CHSO 、FSO 、FPO 、p−トルエンスルフォネート、カンファースルフォネート、ノナフロロブタンスルフォネート、ヘキサデカフロロオクタンスルフォネート、テトラアリールボレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の硬化物の製造方法は、基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を基体に塗布する塗布工程と、エネルギー線を照射する照射工程と、を含む硬化物の製造方法において、
前記硬化性組成物が、本発明の硬化性組成物であることを特徴とするものである。
本発明によれば、密着性および保存安定性に優れ、かつ、硬化速度が速い硬化性組成物、およびその硬化物の製造方法を提供することができる。
本発明の硬化性組成物は、その奏する効果から、接着剤として好適に使用することができ、より具体的には、光カチオン硬化型接着剤や熱カチオン硬化型接着剤の用途に好適に使用することができ、なかでも光カチオン硬化型接着剤として特に適している。また、本発明の硬化性組成物は、硬化速度が早く、さらに密着性が高いことから、偏光板に代表される微細な光学部品を製造する場合に用いられる接着剤として好適である。上記偏光板に用いられる接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略す場合がある)系偏光子フィルムの両面にトリアセチルセルロース(以下、TACと略す場合がある)系フィルムを貼り合せる際に用いられる接着剤や、片面に保護フィルムもしくは光学補償フィルムとしてポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を、もう片面にTAC系フィルムを貼り合せる際に用いられる接着剤を好適な用途として挙げることができる。
以下、本発明の硬化性組成物、およびその硬化物の製造方法につき、詳細に説明する。
本発明の硬化性組成物は、(A)多価アルコールのアクリル酸エステル化合物および多価アルコールのメタクリル酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下「(A)成分」とも称す)と、(B)エポキシ化合物(以下「(B)成分」とも称す)と、(C)オキセタン化合物(以下「(C)成分」とも称す)と、(D)下記一般式(1)で表される化合物(以下「(D)成分」とも称す)と、(E)下記一般式(2)で表される化合物(以下「(E)成分」とも称す)と、(F)構造中に下記一般式(3)で表される骨格を有する重合体(以下「(F)成分」とも称す)と、を含有する硬化性組成物である。
Figure 2017179167
Figure 2017179167
ここで、式(1)、(2)中、R〜R47は、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもといフェノキシ基およびニトロ基のいずれかから選択される基であり、Xは1価のアニオンになりうる原子団である。
Figure 2017179167
ここで、式(3)中、R48はアルキル基を表し、R49は水素またはメチル基を表し、*は結合手を表す。
本発明の硬化性組成物においては、(A)成分100質量部当たり、(B)成分1〜200質量部、(C)成分10〜250質量部、(D)成分1〜30質量部、(E)成分1〜30質量部、(F)成分1〜80質量部である。
(A)成分における多価アルコールのアクリル酸エステル化合物は、特に限定されるものではなく、周知一般の多価アルコールのアクリル酸エステル化合物を用いることができ、単量体を用いることもできるし、アクリル酸部分を重合化させた重合体を用いることもできる。上記多価アルコールのアクリル酸エステル化合物に用いられる多価アルコールは炭素原子数2〜15の多価アルコールが好ましく、炭素原子数2〜10の多価アルコールが好ましい。
多価アルコールのアクリル酸エステルとして好ましく用いることができる化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、シクロヘキサンジメチロールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および水素添加ビスフェノールAのジアクリレート等が挙げられる。
(A)成分における多価アルコールのメタクリル酸エステル化合物は特に限定されるものではなく、周知一般の多価アルコールのメタクリル酸エステル化合物を用いることができ、単量体を用いることもできるし、メタクリル酸部分を重合化させた重合体を用いることもできる。上記多価アルコールのメタクリル酸エステル化合物に用いられる多価アルコールは炭素原子数2〜15の多価アルコールが好ましく、炭素原子数2〜10の多価アルコールが好ましい。
多価アルコールのメタクリル酸エステルとして好ましく用いることができる化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、シクロヘキサンジメチロールジメタクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、および水素添加ビスフェノールAのジメタアクリレート等が挙げられる。
(A)成分はエステル骨格やイソシアヌレート骨格を有してもよい。エステル骨格を有する化合物の具体例としては、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とアクリル酸のエステル化反応生成物や、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とメタクリル酸のエステル化反応生成物等が挙げられ、イソシアヌレート骨格を有する化合物の例としては、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のジアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のトリアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のジメタクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のトリメタクリレート等が挙げられる。
これらのうち、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とアクリル酸のエステル化反応生成物、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とメタクリル酸のエステル化反応生成物は、低粘度化、接着性および耐久性に優れ、低臭気である点で特に好ましい。
(A)成分が重合体である場合、好ましい重量平均分子量は、500〜1,000,000の範囲内であり、500〜10,000の範囲内である場合が好ましい。ここで、重量平均分子量とは、テトラヒドロフラン(THF)溶媒中、GPCにより測定し、スチレン換算で求めた重量平均分子量をいう。
本発明の硬化性組成物に用いられる(B)成分の配合量は、上記(A)成分100質量部当たり1〜200質量部の範囲である。このなかでも、50〜150質量部の範囲である場合は、接着力が高いことから特に好ましい。
上記エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物であればよく、特に限定されないが、脂肪族エポキシ化合物を好ましく使用することができ、なかでも脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを好ましく用いることができる。例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメチロールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、1,9−ノナンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、イソシアヌル酸エチレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、イソシアヌル酸エチレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールボノラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。粘度が低く接着力が高いことから、炭素原子数2〜10の多価アルコールのポリグリシジルエーテルが好ましく、なかでも炭素原子数2〜10のアルカンジオールのジグリシジルエーテルが好ましい。
エポキシ化合物の市販品には、例えば、(株)ADEKA製アデカグリシロールED−523(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル)、アデカグリシロールED−503(1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)、アデカレジンEP−4085(シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル)、アデカレジンEP−4080(水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル)、アデカレジンEP−4100L、アデカレジンEP−4901、共栄社化学(株)製エポライト100MF(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル)、ナガセケムテックス(株)製EX−321L(トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル)がある。これらの中でも、重量平均分子量が500以下である場合には、硬化性組成物を塗工する際に塗工面が均一になる効果が高いことから好ましい。また、化学純度98%以上のエポキシ化合物を用いることが好ましい。化学純度98%以上とは、エポキシ化合物中に存在するエポキシ化合物以外の不純有機物が2%未満である場合を意味する。
また、上記(B)成分として脂環式エポキシを使用することもできる。例えば、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,2:8,9ジエポキシリモネン、3、4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3、’4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等が挙げられる。これらは、ダイセル化学工業(株)より、商品名CEL2000、CEL3000、CEL2021Pで市販されている。これらのなかでも、その構造中にエポキシ基が2つ以上あるものが好ましい。
本発明の硬化性組成物に用いられる(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部当たり10〜250質量部の範囲である。このなかでも、50〜200質量部である場合は、接着力が高いことから特に好ましく、100〜200質量部の範囲である場合は特に好ましい。
オキセタン化合物は、特に限定されるものではなく、分子内に4員環エーテル、すなわち、オキセタン環を有する化合物である。本発明の硬化性組成物に用いるオキセタン化合物の例として、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンののような、アルコキシアルキル基含有単官能オキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタンののような、芳香族基含有単官能オキセタン、1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、1,2−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、4,4’−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、2,2’−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、2,7−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ナフタレン、ビス〔4−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}フェニル〕メタン、ビス〔2−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}フェニル〕プロパン、ノボラック型フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の3−クロロメチル−3−エチルオキセタンによるエーテル化変性物、3(4),8(9)−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ノルボルナン、1,1,1−トリス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕プロパン、1−ブトキシ−2,2−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ブタン、1,2−ビス〔{2−(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}エチルチオ〕エタン、ビス〔{4−(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルチオ}フェニル〕スルフィド、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン)、3−エチル−〔{(3−トリエトキシシリルプロポキシ)メチル)オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン、3−〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕プロピルトリアルコキシシランの加水分解縮合物、テトラキス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル〕シリケート、3−エチルオキセタン−3−イルメタノールとシランテトラオール重縮合物の縮合反応生成物等が挙げられる。ここで、オキセタニルシルセスキオキサンとは、オキセタニル基を有するシラン化合物、例えば、前述の3−エチル−3−〔{(3−トリエトキシシリル)プロポキシ}メチル〕オキセタンを加水分解縮合させることにより得られる、オキセタニル基を複数有するネットワーク状ポリシロキサン化合物である。これらのオキセタン化合物の中でも、1分子中に2個以上のオキセタニル基を有するオキセタン化合物が好ましく、このなかでも分子量500以下のオキセタン化合物が特に好ましい。
オキセタン化合物の市販品としては、例えば、東亞合成(株)から市販されている、商品名OXT−101(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン)、OXT−121(キシリレンビスオキセタン)、OXT−211(3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン)、OXT−221(3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン)、OXT−212(2−エチルヘキシルオキセタン)があり、OXT−221のように、その構造中にオキセタン環が2つ以上あるものが好ましい。
本発明の硬化性組成物に用いられる(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部当たり1〜30質量部の範囲である。このなかでも、1〜20質量部が好ましい。
本発明の硬化性組成物に用いられる(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部当たり1〜80質量部の範囲である。このなかでも、1〜60質量部が好ましく、5〜60質量部の範囲が好ましい。
上記一般式(1)および上記一般式(2)中のR〜R47は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、ニトロ基のいずれかから選択される基である。
これらの基のうち、好適なものとして、水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエチルオキシ基、2−ヒドロキシエチルオキシ基、1,2−ジヒドロキシプロピルオキシ基、フェニル基、トリル基、フェノキシ基、ニトロ基等を挙げることができる。
また、これらのうち全て水素原子であってもよいが、全てが水素原子以外であることは硬化性、溶解性および工業化適性等の観点から好ましくないので、好ましくはR〜R47のうち同一のベンゼン環に結合するもののうちの少なくとも1つは水素原子であることがよい。より好ましくは、R〜R47の全てが水素原子であるか、または、一般式(1)中、R11〜R18は水素原子であり、R〜Rのうちの1つが上記水素原子以外で残余が水素原子であり、R〜R10のうちの1つが上記水素原子以外で残余が水素原子であり、R19〜R23のうちの1つが上記水素原子以外で残余が水素原子であり、かつR24〜R28のうちの1つが上記水素原子以外で残余が水素原子であるものがよく、また、一般式(2)中、R39〜R47は水素原子であり、R29〜R33のうちの1つが上記水素原子以外で残余が水素原子であり、かつR34〜R38のうちの1つが上記水素原子以外で残余が水素原子であるものがよい。
アニオン部であるXは、1価のアニオンであればよいが、好ましくは、SbF 、PF 、AsF 、BF 、SbCl 、ClO 、CFSO 、CHSO 、FSO 、FPO 、p−トルエンスルフォネート、カンファースルフォネート、ノナフロロブタンスルフォネート、ヘキサデカフロロオクタンスルフォネート、テトラアリールボレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが、硬化性、工業化適性の点で好ましい。
本発明の硬化性組成物において、一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物との質量比は、特に限定されるものではないが、硬化速度を上昇させる効果および保存安定性を高める効果が向上することから、一般式(1)の化合物:一般式(2)の化合物=99:1〜1:99(モル比)が好ましく、95:5〜5:95がさらに好ましく、90:10〜10:90がより好ましく、90:10〜50:50である場合が最も好ましい。
本発明の硬化性組成物に係る一般式(1)で表される化合物、および一般式(2)で表される化合物の製法は、公知の方法を採用することができ、例えば、ジアリールスルフィドと塩素を反応させる方法、ジアリールジスルフィドを塩素およびベンゼンと反応させる方法、ジアリールスルフィドとジアリールスルホキシドを反応させる方法等の公知の方法で得ることができる。
本発明の硬化性組成物に用いられる(F)成分の配合量は、(A)成分100質量部当たり1〜30質量部の範囲である。このなかでも、1〜20質量部の範囲である場合は、接着力が高いことから特に好ましい。
(F)成分は、その構造中に一般式(3)で表される骨格を有する重合体であればよく、特に限定されるものではないが、一般式(3)で表される骨格を50モル%以上含む重合体が好ましく、80モル%以上を含む重合体がより好ましい。
一般式(3)におけるR48はアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基等を挙げることができる。これらのなかでも、R48は炭素原子数1〜10のアルキルである場合が好ましく、炭素原子数1〜4のアルキル基である場合が特に好ましい。
(F)成分は、一般式(3)で表される骨格を有する重合体であることを前提として、アクリレートやメタクリレートと共重合可能なエチレン性不飽和単量体の共重合体であってもよい。例えば、アクリレートやメタクリレートと共重合可能なエチレン性不飽和単量体の共重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有単量体;アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸およびスチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体;リン酸基含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有単量体、ビニルエステル;スチレンおよびα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;酸無水物基含有単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有単量体;アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド等のアミド基含有単量体;アミノ基含有単量体;イミド基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体;(メタ)アクリロイルモルホリン;並びにビニルエーテル等が挙げられる。(F)成分は、一般式(3)で表される骨格を有する重合体であることを前提として、これらの1種または2種以上を組み合わせた共重合体を使用することができる。
(F)成分として、一般式(3)で表される骨格を有し、酸性基含有単量体との共重合体である重合体(以下、(F−1)成分とも称す)を使用した場合は、本発明の硬化性組成物が有機溶媒に対する溶解性に優れ、さらに接着力に優れる効果が高くなることから好ましい。上記酸性基含有単量体としては、カルボキシル基含有単量体、スルホン基含有単量体、酸無水物基含有単量体およびリン酸基含有単量体等が挙げられ、カルボキシル基含有単量体が好ましい。(F−1)成分としては酸価が20mgKOH/g以下である場合は保存安定性が高いことから好ましく、酸価が15mgKOH/g以下であるものは特に好ましい。(F)成分の分子量としては、重量平均分子量で500〜500,000が好ましく、より好ましくは1,000〜200,000である。
(F)成分としては、前記した重合体から種々の重合体を使用することができるが、構成単量体単位として炭素数1〜10のアルキル基を含むアルキル(メタ)アクリレートを含み、重量平均分子量が1,000〜500,000である重合体が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物においては、本発明の効果を損なわない限り、その他の添加剤、例えば、重合開始剤、光増感剤、酸化防止剤、シランカップリング剤を配合することできる。
上記重合開始剤としては、周知一般の重合開始剤を使用することができるが、例えば、光重合開始剤や熱重合開始剤を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物を、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂やシクロオレフィン系樹脂等を他の樹脂、例えばPVA樹脂に貼り合わせるための接着剤として用いる場合には、光重合開始剤により光カチオン硬化させるのが、簡便で有利である。光重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤および光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
例えば、偏光板に保護フィルムまたは光学補償フィルムとして近年よく用いられる特殊加工を施したアクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂は、従来の接着剤によって偏光板に貼り付けても直ぐに剥がれることが問題となっていた。しかしながら、本発明の硬化性組成物を光や熱によって硬化させることにより、特殊加工を施したアクリル系樹脂やシクロオレフィン系樹脂でも偏光板に十分な接着力を発揮し、剥がれることがない。
光カチオン重合開始剤とは、可視光線、紫外線、X線、電子線等の活性エネルギー線の照射によって、カチオン種またはルイス酸を発生し、エポキシ基の重合を開始するものである。光カチオン重合開始剤の例として、スルホニウム塩やヨードニウム塩が挙げられる。
スルホニウム系の例として、例えば、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
ヨードニウム塩系の例として、例えば、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤とは、可視光線、紫外線、X線、電子線等の活性エネルギー線の照射によって、ラジカル重合を開始させる物質を放出させることが可能な化合物であり、公知のものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4’−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4’−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4’−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9’−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2’−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等が挙げられる。本発明の硬化性組成物に光ラジカル重合開始剤を組み合わせて用いると、硬化速度が非常に早くなるため好ましい。光ラジカル重合開始剤の濃度は0.1〜10質量%が好ましい。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、または二種以上を使用してもよい。本発明の硬化性組成物においては、光カチオン重合開始剤および光ラジカル重合開始剤を各々1種類以上混合して用いると、粘度が低く、接着力を高くする効果が向上することから好ましい。なかでも、光カチオン重合開始剤および光ラジカル重合開始剤を重量比で50:50〜95:5の範囲とすることが好ましく、60:40〜80:20の範囲内とすることが特に好ましい。これらの光重合開始剤の市販品には、例えば、ローディア社から市販されている商品名PI−2074や、BASF社から市販されている商品名Irg184、Irg369等がある。
また、熱重合開始剤は、周知一般の熱重合開始剤を用いることができる。例えば、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミド等が挙げられる。
これらの開始剤は、市販品を入手することが可能であり、例えば、商品名アデカオプトン CP77(以上、ADEKA(株)製)、CI−2639、CI−2624(以上、日本曹達(株)製)、サンエイド SI−80L、サンエイド SI−100L、サンエイド SI−60L(以上、三新化学工業(株)製)等が挙げられる。熱重合開始剤は、(A)成分100質量部当たり、0.5〜10質量部の範囲で配合するのが好ましい。
さらに、本発明の硬化性組成物には、必要に応じて光増感剤を併用することができる。光増感剤を使用することで、反応性が向上し、硬化物の機械強度や接着強度を向上させることができる。光増感剤としては、アントラセン系化合物、ナフタレン系化合物、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素が挙げられる。
アントラセン系化合物としては、例えば、下記式(4)で表されるものが挙げられる。
Figure 2017179167
ここで、式(4)中、R50およびR51は、各々独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜12のアルコキシアルキル基を表し、R52は水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
上記式(4)で表されるアントラセン系化合物の具体例を挙げると、次のような化合物がある。
9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジイソプロポキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジペンチルオキシアントラセン、9,10−ジヘキシルオキシアントラセン、9,10−ビス(2−メトキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−エトキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−ブトキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス(3−ブトキシプロポキシ)アントラセン、2−メチル−または2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−メチル−または2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−メチル−または2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2−メチル−または2−エチル−9,10−ジイソプロポキシアントラセン、2−メチル−または2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン、2−メチル−または2−エチル−9,10−ジペンチルオキシアントラセン、2−メチル−または2−エチル−9,10−ジヘキシルオキシアントラセン等。
ナフタレン系化合物としては、例えば、下記式(5)で表されるものが挙げられる。
Figure 2017179167
ここで、式(5)中、R53およびR54は各々独立に炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
上記式(5)で表されるナフタレン系化合物の具体例を挙げると、次のような化合物がある。
4−メトキシ−1−ナフトール、4−エトキシ−1−ナフトール、4−プロポキシ−1−ナフトール、4−ブトキシ−1−ナフトール、4−ヘキシルオキシ−1−ナフトール、1,4−ジメトキシナフタレン、1−エトキシ−4−メトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジプロポキシナフタレン、1,4−ジブトキシナフタレン等。
その他の光増感剤の例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノンのようなアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられ、これらに限定されない。また、これらは、単独で使用しても、または二種以上を使用してもよい。光増感剤の市販品には、例えばカヤキュアDETX−S(日本化薬(株)製)等が挙げられる。光増感剤は、(A)成分100質量部当たり、0.01〜5質量部の範囲で配合するのが好ましい。
酸化防止剤としては、周知一般の重合開始剤を使用することができる。酸化防止剤の市販品には、例えば、AO−20、AO−30、AO−50およびAO−80(以上、(株)ADEKA社製)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、イルガノックス1010、イルガノックス1035FF、イルガノックス565等が挙げられる。酸化防止剤の使用量は、(A)成分100質量部当たり、0〜10質量部,好ましくは0.5〜5質量部である。
シランカップリング剤としては、周知一般の重合開始剤を使用することができる。シランカップリング剤の市販品には、例えばエポキシ系(KBM403、KBM303)、ビニル系(KBM1003)、アクリル系シランカップリング剤(KBM503)、3−エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン(TESOX(東亞合成(株)製))等が挙げられる。シランカップリング剤の使用量は、(A)成分100質量部当たり、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明の硬化性組成物は、粘度が200mPa・s以下(25℃)、好ましくは120mPa・s以下(25℃)である場合が好ましい。接着剤は、粘度が低い程、塗布が行ない易く、また接着剤層の塗布厚みが薄くでき、例えば偏光板に保護フィルムまたは光学補償フィルムを貼り付けるのに好適に使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、上述した成分を容器中で撹拌し、均一な液体になるまで撹拌することで得ることができる。
本発明の硬化性組成物から硬化物を製造する方法は、基体を準備する基体準備工程と、本発明の硬化性組成物を基体に塗布する塗布工程と、エネルギー線を照射する照射工程と、を含む。
基体準備工程に用いる基体の材質としては、例えば、シリコン;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タンタル、酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン等のセラミックス;ソーダガラス、石英ガラス等のガラス;金属ルテニウム等の金属;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリビニルアルコール;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;シクロオレフィン系樹脂;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂等;が挙げられることができるが、少なくとも基体の片側は可視光を透過する樹脂フィルムである。これらのなかでも、PVA、TAC、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂およびクロオレフィン系樹脂を用いた場合は、硬化物と基体との接着力が良好なことから好ましい。非結晶性ポリオレフィン系樹脂は、通常、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような環状ポリオレフィンの重合単位を有するものであり、環状オレフィンと鎖状環状オレフィンとの共重合体であってもよい。
市販されている非結晶性ポリオレフィン系樹脂として、JSR(株)の商品名アートン、日本ゼオン(株)のZEONEX、ZEONOR、三井化学(株)のAPO、アペル等がある。非結晶性ポリオレフィン系樹脂を製膜してフィルムにするには、溶剤キャスト法、溶融押出法等、公知の方法が適宜用いられる。基体への貼り合せに先立って、樹脂フィルムの貼り合せ面に、コロナ処理、プラズマ処理、エキシマ処理、UV処理を行ってもよい。このような処理を行うことによって、接着が一層容易になる。基体の形状としては、板状、球状、繊維状、鱗片状が挙げられ、基体表面は、平面であってもよく、トレンチ構造等の三次元構造となっていてもよい。本発明の硬化物を形成する方法に用いられる基体の形状は板状が好ましく、その表面は平面であることが好ましい。
塗布工程に用いられる塗布方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段を用いることができる。各塗布方法には、それぞれ最適な粘度範囲があるため、溶剤を用いて粘度調整を行ってもよい。このための溶剤には、偏光子の光学性能を低下させることなく、光カチオン硬化型接着剤を良好に溶解するものが用いられるが、その種類に特別な限定はない。例えば、トルエンに代表される炭化水素類、酢酸エチルに代表されるエステル類等の有機溶剤が使用できる。
エネルギー線を照射する照射工程に用いられるエネルギー線の光源としては、特に限定されるものではないが、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、キセノンアーク灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、エキシマーランプ、殺菌灯、発光ダイオード、CRT光源等から得られる2000オングストロームから7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を利用することができる。好ましくは、波長300〜450nmの光を発光する超高圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯等が挙げられる。
さらに、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから有用であり、そのレーザー光としては、340〜430nmの波長の光が好適に使用されるが、エキシマーレーザー、窒素レーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、ヘリウムネオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、各種半導体レーザーおよびYAGレーザー等の可視から赤外領域の光を発するものも用いられる。これらのレーザーを使用する場合には、可視から赤外の領域を吸収する増感色素が加えられる。また、ハーフトーンマスクを使用して用いることもできる。エネルギー線を照射する工程の後、室温で一晩または40〜100℃で1〜10分間熱養生して、硬化を確実にすることが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜15および比較例1〜3]
表1に示す化合物を用いて、表2〜4に示す配合で実施例1〜15および比較例1〜3の硬化性組成物を製造した。なお、表中の配合量の単位は質量部である。
Figure 2017179167
※1:一般式(1)で表される化合物
※2:一般式(2)で表される化合物
実施例1〜15および比較例1〜3の硬化性組成物を、各々1枚のコロナ放電処理をしたTACフィルムに塗布した後、ラミネーターを用いてコロナ放電処理を施したCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルムと貼り合わせ、無電極紫外光ランプを用いて1000mJ/cmのエネルギーを照射して接着して実施例1〜15および比較例1〜3の試験片を得た。
[保存安定性]
実施例1〜15および比較例1〜3の硬化性組成物の粘度(25℃、初期粘度)を測定しておき、これを30℃で30日間保存した後に、再度この組成物の粘度(25℃、保存後粘度)を測定し、〔(保存後粘度/初期粘度)×100〕(%)として粘度上昇率を算出した。粘度上昇率が5%未満である場合を++、粘度上昇率が5%以上である場合を−として評価した。また沈殿物の析出が確認されたものは×として評価した。粘度上昇率が低いほど保存安定性が高い硬化性組成物であることを意味する。得られた結果を表2〜4に併記する。
[硬化速度評価]
実施例1〜15および比較例1〜3の硬化性組成物を、各々1枚のコロナ放電処理をしたアクリルフィルム(住友化学社製:テクノロイ123S001)に塗布した後、ラミネーターを用いてコロナ放電処理を施したシクロオレフィンポリマー(日本ゼオン社製:ゼオノアZEF014−050)フィルムと貼り合わせ、無電極紫外光ランプを用いて100mJ/cmのエネルギーを照射して接着して実施例1〜15および比較例1〜3の硬化性組成物の試験片を得た。いずれも十分な密着性を有していることを確認した。
実施例1〜15および比較例1〜3の硬化性組成物の試験片を得るために必要な照射時間を測定することで硬化速度を評価した。硬化時間が10秒未満である場合を++、10秒以上である場合を−として評価した。結果を表2〜4に示す。硬化時間が短いほど、硬化速度が早いことを意味する。
Figure 2017179167
Figure 2017179167
Figure 2017179167
表2〜4の結果より、実施例1〜15は硬化速度が速いことがわかった。一方、比較例1、2は硬化速度が遅いことがわかる。
表2〜4の結果より、本発明の硬化性組成物は高い保存安定性と速い硬化速度を両立させることができる硬化性組成物であることがわかる。

Claims (3)

  1. (A)多価アルコールのアクリル酸エステル化合物および多価アルコールのメタクリル酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、(B)エポキシ化合物と、(C)オキセタン化合物と、(D)下記一般式(1)、
    Figure 2017179167
    で表される化合物と、(E)下記一般式(2)、
    Figure 2017179167
    (式(1)、(2)中、R〜R47は、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいフェノキシ基およびニトロ基のいずれかから選択される基であり、Xは1価のアニオンになりうる原子団である。)で表される化合物と、(F)構造中に下記一般式(3)、
    Figure 2017179167
    (式(3)中、R48はアルキル基を表し、R49は水素またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)で表される骨格を有する重合体と、を含有する硬化性組成物において、
    前記(A)多価アルコールのアクリル酸エステル化合物および多価アルコールのメタクリル酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物100質量部当たり、前記(B)エポキシ化合物1〜200質量部、前記(C)オキセタン化合物10〜250質量部、前記(D)一般式(1)で表される化合物1〜30質量部、前記(E)一般式(2)で表される化合物1〜30質量部、前記(F)構造中に一般式(3)で表される骨格を有する重合体1〜80質量部であることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記一般式(1)および前記一般式(2)中、Xで表されるアニオン部が、SbF 、PF 、AsF 、BF 、SbCl 、ClO 、CFSO 、CHSO 、FSO 、FPO 、p−トルエンスルフォネート、カンファースルフォネート、ノナフロロブタンスルフォネート、ヘキサデカフロロオクタンスルフォネート、テトラアリールボレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を基体に塗布する塗布工程と、エネルギー線を照射する照射工程と、を含む硬化物の製造方法において、
    前記硬化性組成物が、請求項1または2記載の硬化性組成物であることを特徴とする硬化物の製造方法。
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