JP2017176378A - ミシン - Google Patents

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Motonari Nakano
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加藤 雅史
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Abstract

【課題】上糸の動的抵抗が過大となることによる不都合を回避し得て、円滑な縫製を実行することができる。
【解決手段】主軸の回転に連動して上下動する天秤と、天秤に掛け渡した上糸を通す縫針を装着可能な針棒とを備えるミシンにおいて、天秤に掛け渡した上糸を針棒に案内する第1案内通路42bを有する第1糸案内部42と、針棒に設け、第1糸案内部42が案内した上糸を縫針に案内する第2案内通路10bを有する第2糸案内部10と、を備え、主軸に沿った方向における第2案内通路10bの幅dを、主軸に沿った方向における第1案内通路42bの幅D以上とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、ミシンに係わり、特に、上糸の糸道上に糸案内部を有するミシンに関する。
ミシンは、縫製物の上面側から縫針を貫通させて上糸を縫製物の下側に送り込むとともに、釜機構を駆動させて下糸を保持する釜で上糸を引掛けて下糸と絡めることにより縫製物を縫製する。
ミシンは、上糸を糸駒、上流糸案内、副糸調子器、主糸調子器、糸掛け、中流右糸案内、天秤、中流左糸案内、下流糸案内、縫針(の針穴)の順を糸道として案内するようになっている。
ミシンは、縫針の上下動により縫製物を縫製しているとき、縫針の上下動に連動して天秤も上下動する。この際、天秤の上下動の周期は縫針の上下動の周期とは異なる。それ故に、上糸は、天秤が上死点(最上位置)にあるときに緊張状態にあり、天秤が下死点(最下位置)にあるときに弛緩状態にある。
このように、ミシンによる縫製物への縫製中において、上糸は張った緊張状態と弛んだ弛緩状態とをの間を繰り返す。上糸は、天秤及び縫針の上下動に伴って糸駒から縫針に向けて糸道を前進して消費される。
特許文献1では、上糸がこの糸道中を前進する過程において、特に天秤と縫針との間に設置した糸案内及び針棒糸案内との間で上糸の緊張と弛緩とを許容している。この際、特許文献1では、針棒糸案内は、縫針の上端を保持して縫針と一体に上下動する針棒を保持する針棒メタルに固定している。
具体的には、図11に示すように、下流糸案内100は、針棒メタル110に固定するための平面視環状の固定部101と、固定部101に連続して形成した平面視略S字状の弾性部102と、弾性部102に連続して形成した平面視環状の案内部103とを有する。弾性部102は、案内部103に通した上糸Tが、縫針の上下動に連動した緊張状態と弛緩状態との間で変化する際に発生する張力変化に応じて前後方向に弾性変形する。また、縫製安定化を主眼として、案内部103の直径は上糸Tの暴れ防止を図るために比較的狭い。
特開2008−167913号公報
しかしながら、特許文献1のミシンは、針棒糸案内100の案内部103の幅(直径に相当する)が狭く、案内部103を上糸Tが通過する際の上糸Tへの動的抵抗が大きくなり過ぎてしまう。
それ故、釜が上糸Tを引き込むときの抵抗が大きくなり、上糸Tを引き込む量及び引き込むタイミングが不安定になったり、針棒糸案内100の周辺で弛緩した上糸Tが弾性部102へ絡む、又は針棒の後ろ側に回り込むという問題が発生してしまう。故に、釜は上糸Tを滑らかに引き込むことができず、糸締まりが悪くなる問題も発生する。動的抵抗を緩和するために弾性部102を設けたとしても、針棒糸案内100が複雑な形状となって大型化し、配置スペースの確保などミシン全体の設計変更が必要という問題が発生した。
本発明の目的は、上糸の動的抵抗が過大となることによる不都合を回避し得て、円滑な縫製を実行することができるミシンを提供することにある。
本願第1発明のミシンは、主軸の回転に連動して上下動する天秤と、前記天秤に掛け渡した上糸を通す縫針を装着可能な針棒とを備えるミシンにおいて、前記天秤に掛け渡した前記上糸を前記針棒に案内する第1案内通路を有する第1糸案内部と、前記針棒に設け、前記第1糸案内部が案内した前記上糸を前記縫針に案内する第2案内通路を有する第2糸案内部と、を備え、前記主軸に沿った方向における前記第2案内通路の幅を、前記主軸に沿った方向における前記第1案内通路の幅以上としたことを特徴とする。
本願第1発明のミシンは、第1糸案内部と第2糸案内部とを設けている。第1糸案内部は、天秤に掛け渡した上糸を通す第1案内通路を備える。第2糸案内部は、第1糸案内部が案内した上糸を通す第2案内通路を備える。第2案内通路の幅は、少なくとも第1案内通路の幅以上である。第2案内通路における上糸の通過抵抗が、少なくとも、第1案内通路における通過抵抗と同等となる。第2糸案内部は、天秤から縫針へと導いて縫製物に縫い込む上糸の動きを、第1糸案内部と同等に許容することができる。
ミシンは、上糸が弛んだ状態から張力が加わる状態に変化する過程において、天秤から縫針に至る経路で上糸の動的抵抗を低減することができる。具体的には、ミシンは、天秤からの上糸を十分に縫針へ導けずに上糸が第2案内通路外へ逸れて垂れ下がるのを防止でき、釜が上糸を引き込むときの抵抗が大きくなるのを防止できる。ミシンは、上糸が垂れ下がった状態で釜が糸を引き込む時に、上糸同士が絡まったり巻き付いたりするのも防止できる。それ故、ミシンは、縫製物における縫い目の形成を安定させることができる。
本願第2発明のミシンは、上記第1発明のミシンにおいて、前記第2糸案内部は、前記針棒の外周部に沿って円弧形状に延設する円弧部と、前記円弧部の端部から一方側に直線状に延びる第1直線部と、前記第1直線部の端部のうち前記円弧部と反対側にて前記針棒と反対側に折り返す第1曲がり部と、前記第1曲がり部の端部から平面視で前記第1直線部と平行に対向し且つ直線状に延びる第2直線部と、前記第2直線部の端部にて前記針棒側に曲がり、前記第1直線部、前記第1曲がり部、及び前記第2直線部とともに閉ループ形状をなす第2曲がり部とを備え、前記閉ループ形状の内側に、前記第2案内通路を形成したことを特徴とする。
本願第2発明のミシンは、第2糸案内部が、互いに対向する第1直線部及び第2直線部と、第1曲がり部と、第2曲がり部とを備える。第2案内通路を形成する閉ループ形状が、第1直線部及び第2直線部を含む。第2案内通路は、第1直線部及び第2直線部の直線方向に沿って長い。ミシンは、第2案内通路を通過するときの上糸の自由度が向上し、上糸の動的抵抗を確実に低減することができる。
本願第3発明のミシンは、上記第2発明のミシンにおいて、前記第2糸案内部は、前記第2曲がり部の少なくとも一部が前記円弧部の上方に位置し且つ平面視で前記円弧部に重なることを特徴とする。
本願第3発明のミシンは、第2曲がり部の少なくとも一部が円弧部の上方に位置し且つ平面視で円弧部に重なる。故に第2案内通路を通過する上糸は、第2案内通路から外れにくい。ミシンは、第2案内通路にて上糸を確実に案内し、且つ上糸の動的抵抗を低減できる。
本願第4発明のミシンは、上記第1発明〜第3発明のミシンにおいて、前記第2糸案内部は、前記針棒の周方向に沿って位置調整可能であることを特徴とする。
本願第4発明のミシンは、第2糸案内部が、針棒の周方向に沿って位置調整可能である。ミシンは、第2糸案内部を周方向にスライドさせることで、脚柱部側に第2案内通路を寄せたり、逆に脚柱部から離れる側に第2案内通路を寄せたりすることができる。ミシンは、上糸の動的抵抗を調整することができる。
本発明によれば、上糸の動的抵抗が過大となることによる不都合を回避し得て、円滑な縫製を実行することができる。
ミシンの正面図である。 ミシンのアーム部先端付近の正面図である。 (A)は中流左糸案内の底面図、(B)は下流糸案内の平面図である。 比較例の下流糸案内を装着したミシンのアーム部先端付近の正面図である。 比較例の下流糸案内の平面図である。 比較例のミシンにおける天秤下降状態の説明図である。 比較例のミシンにおける天秤上昇状態の説明図である。 天秤下降状態のミシンの説明図である。 比較例の下流糸案内を使用して2枚の布地を縫製した際の縫製結果を示す説明図である。 変形例の下流糸案内の平面図である。 従来の下流糸案内の平面図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、図1の紙面上方、下方、左方、右方、表面、背面を、夫々ミシン1の上方、下方、左方、右方、前方、後方とする。
図1において、ミシン1は、ベッド部(図示略)を含む作業台2、脚柱部3、アーム部4を備える。ベッド部は作業台2の上面(作業面)と面一となるように埋め込み状態で作業台2を支持している。作業台2は、左端部上面に針板21を備える。なお、ベッド部の内部には、釜機構、糸切り機構等を備えているが、これらの縫製に関する各種機構等は公知のものを採用しているため、ここでは詳細な説明を省略する。脚柱部3は、作業台2の右方から上方に延びている。
アーム部4は、脚柱部3の上端側から左方に延び、左端部に先端部5を一体に有している。アーム部4の中央部上面には、操作部(図示略)、糸駒立て等の糸供給源(図示略)を必要に応じて設けている。アーム部4の内部には、ミシンモータ(図示略)により回転する主軸(図1中、符号Pで省略)を長手方向(左右方向)に沿って配置している。先端部5は、下端部がアーム部4よりも下方に突出させた部分である。
先端部5は、糸駒等の上糸供給源(図示略)から引き出す上糸Tの糸道として上流側から順に、上流糸案内6、副調子装置20、主調子装置30、中流糸案内7、上糸ガイド部材40、天秤8、下流糸案内10及び縫針11の針孔11aを備える。なお、各糸案内における上流、中流、下流とは、説明の便宜上のものであって一つとは限らず、複数の糸案内を含む場合がある。先端部5は、針板21の上面にセットした加工布Nを縫製する際に、加工布Nを送り機構(図示略)と協働で送り、且つ縫針11の上下動による縫製時に加工布Nに発生する衝撃(上下動)を抑制する押え足ユニット50を有する。送り機構はベッド部内に設けてあり、公知の構成なので詳細な説明を省略する。
上流糸案内6は、先端部5の上面から起立する棒状の金属等からなり、上下2つの案内孔6a,6bを有する。糸駒から引き出した上糸Tは、後方(裏側)から前方(前側)に上側の案内孔6aを通り、再び後方に回り込ませたうえで後方から前方に下側の案内孔6aを通った後に、副調子装置20に架け渡している。
副調子装置20は、上糸Tの張力を上流側で調節する。副調子装置20は、糸供給源から上糸Tの不測な糸出しを抑制し、上糸Tに主調子装置30よりも小さい張力を付与する副張力付与装置として機能する。なお、副調子装置20の具体的な構成、作用は公知のものを用いているため、ここではその詳細な説明は省略する。
主調子装置30は、上糸Tの張力を下流側で調節する。主調子装置30は、上糸Tに副調子装置20よりも大きく、縫製時に上糸Tに張力を付与する主張力付与装置として機能する。なお、主調子装置30の具体的な構成、作用は公知のものを用いているため、ここではその詳細な説明は省略する。
中流糸案内7は、主調子装置30を経由した上糸Tを、上方の天秤8に向けて折り返して案内する。
上糸ガイド部材40は、略同一平面上に左右に対向して配置した中流右糸案内41及び中流左糸案内42を備える。中流右糸案内41は、中流糸案内7で折り返した上糸Tを天秤8に向けて案内する。中流左糸案内42は、天秤8に掛け渡した上糸Tを下流糸案内10に向けて案内する。図3(A)に示すように、中流左糸案内42は、先端部5の前壁面にネジ固定するための基部42aと、基部42aの一端を前方にループ状に屈曲させて上糸Tを案内する第1糸案内部42cとを有する。第1糸案内部42cが基部42aとで取り囲む空間は、第1案内通路42bである。
図3(B)に示すように、下流糸案内10は略棒状であり、針棒メタル12に固定するための環状の円弧部10aと、第1糸案内部42cが案内した上糸Tを縫針11に案内する第2案内通路10bを有する第2糸案内部10cと、第2糸案内部10cに連続して形成した環状部10dとを有する。円弧部10aは、針棒メタル12の外径と略同一形状であり、針棒メタル12に固定する。針棒メタル12は、下端部に径方向に凹む溝を有する。下流糸案内10は、円弧部10aを該溝部に嵌め込むことで固定できる。
第2糸案内部10cは、円弧部10aと、第1直線部10eと、第1曲がり部10fと、第2直線部10gとを備える。円弧部10aは、針棒9の外周部に沿って円弧形状に延設する。第1直線部10eは、一端部が円弧部10aの端部に連続し、一端部から一方側に直線状に延びる。第1曲がり部10fは、一端部が第1直線部10eの他端部に連続し、一端部から針棒9と反対側に折り返す。第2直線部10gは、一端部が第1曲がり部10fの他端部に連続し、一端部から平面視で第1直線部10eと平行に対向し且つ直線状に延びる。環状部(第2曲がり部)10dは、第2直線部10gの他端部にて針棒9側に曲がり、第1直線部10e、第1曲がり部10f、及び第2直線部10gとともに閉ループ形状をなす。閉ループ形状の内側は、第2案内通路10bである。
第2案内通路10bは、第2糸案内部10cを円弧部10aから折り返すように連続して形成することによって主軸Pに沿う左右方向に長軸な長孔状に形成している。第2案内通路10bは、左右方向に沿う幅dを第1案内通路42bの左右方向の幅D以上としている。第2案内通路10bの幅dの左右方向における中心(図3(B)で示す上糸Tの位置付近)と第1案内通路42bの幅Dの左右中心(図3(A)で示す上糸Tの位置付近)とは上下方向において略同一中心位置としている。
天秤8は、糸道において中流右糸案内41と中流左糸案内42との間にあって、主軸Pの回転に連動して上下動することによって上糸Tを引き上げる。天秤8は、針棒9の針棒本体13及び縫針11の上下動に連動して上下動する。天秤8は、通常では図1に示すように、天秤カバー8Aが覆っていて縫製中に作業者が不測に手を触れないようになっている。なお、図2等では説明の便宜上、天秤カバー8Aの図示は省略している。
針棒9は、先端部5の下端部に設けた筒状の針棒メタル12と、針棒メタル12にて上下動可能に保持した針棒本体13とを有する。
針棒本体13は先端部5の内部を上下方向に延びる略円柱状であり、主軸Pの左側面視時計回り方向の回転によりクランク機構(図示略)を介して上下(直線上)に往復移動する。針棒本体13は、その下端に縫針11を交換可能に設けている。針棒本体13は下端に糸案内穴13aを形成している。糸案内穴13aには上糸Tが外側から内側に通り、上糸Tを縫針11の針孔11aに案内する。糸案内穴13aは、円柱状の針棒本体13に対して略真円状(正面視において略縦長の楕円形状)に形成している。糸案内穴13aの中心は第2案内通路10bの幅dの左右方向における中心(図3(B)で示す上糸Tの位置付近)と上下方向において略同一である。糸案内穴13aの直径は、第2案内通路10bの幅d及び第1案内通路42bの幅Dよりも狭い。
図1に示すように、押え足ユニット50は、押え棒51と、押え足52と、押え棒ホルダ53と、調整ホルダ54と、調整ねじ55とを有する。押え棒51は、先端部5の内部を上下方向に延びる略円柱状である。押え足52は、押え棒51の下端部に着脱可能(交換可能)に装着する。押え棒ホルダ53は、先端部5の下部に設け、押え棒51を上下動可能に保持する筒状である。調整ホルダ54は、先端部5の内部において押え棒51の上端を上下動可能に支持する。調整ホルダ54は、先端部5の上面から上方に突出する。調整ホルダ54は外周に雄螺子を形成している。調整ホルダ54は、先端部5にねじ込む量を変更することで上下方向の位置を調整し、押え足52による加工布Nの押え力を調整する。ナット55は、先端部5の上面にて調整ホルダ54の雄螺子にねじ込み、調整ホルダ54の上下位置を位置決めする。なお、押え足ユニット50は、公知の構成のものを用いることができるため、ここではその詳細な説明は省略する。また、押え足ユニット50は、説明の便宜上、図1にのみ図示している。
このようなミシン1の基本構成において、本実施の形態のミシン1は、主軸Pの回転に連動して上下動する天秤8と、天秤8に掛け渡した上糸Tを通す縫針11を装着可能な針棒9とを備えるミシン1において、天秤8に掛け渡した上糸Tを針棒9に案内する第1案内通路42bを有する第1糸案内部42cと、針棒9に設け、第1糸案内部42cが案内した上糸Tを縫針11に案内する第2案内通路10bを有する第2糸案内部10cと、を備え、主軸Pに沿った方向における第2案内通路10bの幅dを、主軸Pに沿った方向における第1案内通路42bの幅D以上とした。
このように、本実施の形態では、第1糸案内部42cと第2糸案内部10cとを設けている。第1糸案内部42cは、天秤8に掛け渡した上糸Tを通す第1案内通路42bを備える。第2糸案内部10cは、第1糸案内部42cが案内した上糸Tを通す第2案内通路10bを備える。第2案内通路10bの幅dは、少なくとも第1案内通路42bの幅D以上である。それ故、第2案内通路10bにおける上糸Tの通過抵抗が、少なくとも、第1案内通路42bにおける通過抵抗と同等となる。第2糸案内部10cは、天秤8から縫針11へと導いて縫製物に縫い込む上糸Tの動きを、第1糸案内部42cと同等に許容することができる。
ミシン1は、上糸Tが弛んだ状態から張力が加わる状態に変化する過程において、天秤8から縫針11に至る経路で上糸Tの動的抵抗を低減することができる。具体的には、ミシン1は、天秤8からの上糸Tを十分に縫針11へ導けずに、上糸Tが第2案内通路10bの外へ逸れて垂れ下がるのを防止でき、釜が上糸Tを引き込むときの抵抗が大きくなるのを防止できる。ミシン1は、上糸Tが垂れ下がった状態で釜が糸を引き込む時に、上糸T同士が絡まったり巻き付いたりするのも防止できる。それ故、ミシン1は、縫製物における縫い目の形成を安定させることができる。
第2糸案内部10cは、互いに対向する第1直線部10e及び第2直線部10gと、第1曲がり部10fと、第2曲がり部とを備える。第2案内通路10bを形成する閉ループ形状が、第1直線部10e及び第2直線部10gを含む。第2案内通路10bは、第1直線部10e及び第2直線部10gの直線方向に沿って長い。ミシン1は、第2案内通路10bを通過するときの上糸Tの自由度が向上し、上糸Tの動的抵抗を確実に低減することができる。
上糸Tの自由度が向上するので、上糸Tの弛みは、天秤8が下がった状態においても小さくすることができ、その後、天秤8が再び上昇した状態でも一直線に上糸Tが通るようになる。
したがって、タイミングが異なって上下動する天秤8及び針棒本体13の間に配置した中流左糸案内42及び下流糸案内10は、それぞれ天秤8及び針棒本体13の上下動に伴って発生する上糸Tの張力変化を吸収する機能を有する。ここで、縫針11の上下動に連動した緊張状態と弛緩状態との間で変化する際に発生する上糸Tの張力変化は、針棒本体13の直上に配置した下流糸案内10に設けた幅dの第2案内通路10bで吸収する。天秤8の上下動に連動した緊張状態と弛緩状態との間で変化する際に発生する上糸Tの張力変化は、天秤8の直下の中流左糸案内42に設けた幅Dの第1案内通路42bで吸収する。
しかも、第2案内通路10bの主軸Pに沿った方向における幅dを第1案内通路42bの主軸Pに沿った方向における幅D以上としていることから、余分な衝撃吸収のための構成を設けることに起因するミシン1の全体の設計変更等を考慮する必要がなく、第1案内通路42bの幅dが広いために動的抵抗を小さくすることができ、下流糸案内10に対する上糸絡みを発生し難くすることができる。
具体的に、図4及び図5に示すように、下流糸案内10に替えて、下流糸案内60を配置した場合で比較する。下流糸案内60は略棒状であり、針棒9の針棒メタル12に固定するための環状の固定部60aと、第1糸案内部42cが案内した上糸Tを縫針11に案内する第2案内通路60bを有する第2糸案内部60cと、第2糸案内部60cに連続して形成した環状部60dとを有する。第2案内通路60bの主軸Pに沿う方向の幅d’は、第2案内通路10bの主軸Pに沿う方向の幅dよりも狭い。
この比較例では、図6に示すように、天秤8が下降して上糸Tが弛んだ状態となったとき、上糸Tの弛みによって上糸Tは先端部5の右側に流れようとする。該時、幅d’が幅dよりも狭いために、弛んだ上糸Tは下流糸案内60に引っ掛かり、下流糸案内60の上下左右の全体に広がるようにループを形成する。
それ故、図7に示すように、天秤8が上昇して上糸Tが緊張状態になろうとすると、上糸Tが下流糸案内60に絡み付いてしまい易いという不具合が生じていた。上糸Tが下流糸案内60が絡み付くと、上糸Tは、固定部60aと、第2糸案内部60cと、針棒9との間に進入する。故に、上糸Tが弛んだ状態から張力が加わる状態に変化する過程において、天秤8から縫針11に至る経路で上糸Tの動的抵抗が増加する。
これに対し、下流糸案内10では、図8に示すように、天秤8が下降して上糸Tが弛んだ状態となったとき、幅dが幅d’よりも広いために、弛んだ上糸Tは下流糸案内10の下側にのみ弛んだ状態となる。
それ故、図2に示すように、天秤8が上昇して上糸Tが緊張状態になろうとすると、上糸Tが下流糸案内10に絡み付くことなく、緊張状態に復帰することができる。
下流糸案内10は、円弧部10aによって針棒9の針棒メタル12の溝部に嵌め込むだけでネジ等による固定はしていない。それ故、例えば、図3(B)円弧状両端矢印に示すように、円弧部10aを針棒メタル12の周方向に沿って平面視反時計回り又は時計回りにスライドさせれば第2案内部10cの向きを調整することが可能となっている。
したがって、下流糸案内10を図3(B)の平面視反時計回りにスライドさせればミシン1の右側に第2案内通路10bを寄せることができ、逆に下流糸案内10を図3(B)の平面視時計回りにスライドさせればミシン1の左側に第2案内通路10bを寄せることができる。それ故、下流糸案内10の周辺の糸道を左・右に微調整することができることとなり、上糸Tの動的抵抗をさらに細かく調整することも可能となる。
また、動的抵抗を少なくすることができることから、例えば、上述した従来技術のような厚手の加工布Nに対する縫製だけでなく、例えば、女性用ブラウスのように「非常に薄い布地」の縫製に対する対応が可能となる。
図9を参照し、下流糸案内60を使用して2枚の布地を縫製した際の縫製結果を示す。図9では、2枚の布地を上側布地N1、下側布地N2とし、上側布地N1を下側布地N2の上に重ねて縫製する。
図9(A)は、上側布地N1、下側布地N2が非常に薄い布地の場合に比較的強い張力を加えて縫製を行った時を示す。該時、上側布地N1を上から見ると、縫目の周囲にしわが寄ってしまう、所謂パッカリングが発生し易いという問題が発生した。
これに対し、パッカリングの発生を回避するためには、弱めの張力(例えば、5グラム、10グラム)にせざるを得ない。パッカリングの発生のみに主眼をおいて張力を弱くしてしまうと、下流糸案内60では、上糸Tへの動的抵抗に起因し、パッカリングの発生は回避できても「糸締まり」が悪くなる。糸締まりが悪い場合、図9(B)に示すように、上側布地N1を上から見ると問題なく縫目ができているように見える。しかし、図9(C)に示すように、上側布地N1の端部を捲って見開き状に広げてみた場合に、上側布地N1と下側布地N2の間に隙間Sができてしまう。
これに対し、下流糸案内10では、上糸Tへの動的抵抗の問題が解消したことにより、張力を弱めに設定しても、「糸締まり」が悪くなりにくい。即ち、上側布地N1と下側布地N2の間に隙間Sができにくい。故に、ミシン1は縫製品質を落とすことなく低張力での縫製ができる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が可能である。
例えば、下流糸案内10は、環状部(第2曲がり部)10dの少なくとも一部が円弧部10aの上方に位置し且つ平面視で円弧部10aに重なってもよい。図10に示すように、下流糸案内110は、円弧部10aと、第2糸案内部10cと、環状部110dとを有する。環状部110dは、第2直線部10gの他端部にて針棒9側に曲がり、円弧部10aの上方に位置し且つ平面視で円弧部10aに重なる。該場合、下流糸案内110は、第2案内通路10bを通る上糸Tが円弧部10aと環状部110dとの間から外れにくくできる。該場合でも、環状部110dは、第2直線部10gの他端部にて針棒9側に曲がり、第1直線部10e、第1曲がり部10f、及び第2直線部10gとともに閉ループ形状をなす。
下流糸案内10は、円弧部10aを針棒メタル12の周方向に沿って平面視反時計回り又は時計回りにスライドできるが、例えばネジ等で針棒メタル12に固定してもよい。
第2案内通路10bは、左右方向に沿う幅dが第1案内通路42bの左右方向の幅D以上であればよい。例えば第1直線部10eと第2直線部10gは、互いに離反する方向に湾曲してもよい。第1曲がり部10fは、一端部と他端部が夫々直角に屈曲し、一端部と他端部の間が直線状でもよい。
1 ミシン
8 天秤
9 針棒
42 中流左糸案内
42b 第1案内通路
42c 第1糸案内部
10 下流糸案内
42b 第2案内通路
42c 第2糸案内部

Claims (4)

  1. 主軸の回転に連動して上下動する天秤と、
    前記天秤に掛け渡した上糸を通す縫針を装着可能な針棒と
    を備えるミシンにおいて、
    前記天秤に掛け渡した前記上糸を前記針棒に案内する第1案内通路を有する第1糸案内部と、
    前記針棒に設け、前記第1糸案内部が案内した前記上糸を前記縫針に案内する第2案内通路を有する第2糸案内部と
    を備え、
    前記主軸に沿った方向における前記第2案内通路の幅を、前記主軸に沿った方向における前記第1案内通路の幅以上とした
    ことを特徴とするミシン。
  2. 前記第2糸案内部は、
    前記針棒の外周部に沿って円弧形状に延設する円弧部と、
    前記円弧部の端部から一方側に直線状に延びる第1直線部と、
    前記第1直線部の端部のうち前記円弧部と反対側にて前記針棒と反対側に折り返す第1曲がり部と、
    前記第1曲がり部の端部から平面視で前記第1直線部と平行に対向し且つ直線状に延びる第2直線部と、
    前記第2直線部の端部にて前記針棒側に曲がり、前記第1直線部、前記第1曲がり部、及び前記第2直線部とともに閉ループ形状をなす第2曲がり部と
    を備え、
    前記閉ループ形状の内側に、前記第2案内通路を形成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記第2糸案内部は、
    前記第2曲がり部の少なくとも一部が前記円弧部の上方に位置し且つ平面視で前記円弧部に重なる
    ことを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記第2糸案内部は、
    前記針棒の周方向に沿って位置調整可能である
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のミシン。
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