JP2017175405A - 再生装置、及び再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザが適切に周囲の音を聴くことができる再生装置、及び再生方法を提供する。【解決手段】本実施の形態にかかる再生装置は、音楽を再生するための再生信号を出力する音楽プレーヤ103と、ユーザUの左右の耳に向けて音をそれぞれ出力する左右の出力ユニットを有するイヤホン105と、周囲音を収音して、収音信号を取得する1つ以上の指向性マイク101と、収音信号及び再生信号の少なくとも一方に対して頭外定位処理を行うことで、イヤホン105から出力される際の収音信号の定位位置と再生信号の定位位置とを異ならせる頭外定位処理部102と、収音信号と再生信号とを合成して、前記出力部に出力する合成部104と、を備えたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、再生装置、及び再生方法に関する。
デジタルオーディオプレーヤなどの携帯型音楽再生装置によって、屋外でのジョギング中等に音楽を受聴することが可能となっている。屋外でユーザがイヤホンやヘッドホンを装着している場合において、アナウンス音等の周囲の音を聴くことができないと、不都合が生じる場合がある。
特許文献1には、ヘッドホンで音楽を聴いている状況下において、ヘッドホンを利用して周囲の音をユーザの耳に届ける携帯機器が開示されている。特許文献1の携帯機器では、マイクによって周囲の音を収音している。そして、携帯機器は、マイクから入力された音をデータベースに格納されたデータと比較して、出力されるべき音であるか否かを判定している。入力音が出力されるべき音と判定した場合、注意喚起モードに移行して、出力音声にミキシングしている。
特許文献2には、イヤホンとマイクとを有する音再生装置が開示されている。イヤホンは、音信号を耳の中に放音している。マイクは、耳の外の音を収音している。音再生装置は、自動車やバイクなどの移動体の放出音の帯域を通過するフィルタを用いて、移動体の放出音を抽出している。音再生装置は、収音信号の時間勾配を算出して、移動体が近づいているか否かを判定している。移動体が近づいている場合、音再生装置は、イヤホンに供給する音信号のレベルを低下している。このようにすることで、ユーザが、移動体が近づいていることを知ることができる。
特許文献3には、音楽用プレーヤから出力される音楽を受聴者の頭外に定位させ、携帯電話機から呼び出される呼び出し音を頭内に定位させるヘッドホン装置が開示されている。
特開2007−243493号公報 特開2012−248964号公報 特開2004−201195号公報
特許文献1の装置では、注意喚起モードになった場合に、周囲の音を出力音声にミキシングしている。しかしながら、周囲の音と音楽は、いずれも耳元で鳴っているように聴こえる。このため、マスキング効果によって周囲音が聞き取りづらい場合がある。
特許文献2の装置では、移動体が近づいている場合に、音信号のレベルを低下させている。しかしながら、特許文献1と同様に、周囲の音と音楽が耳元で鳴っているように聴こえる。このため、マスキング効果によって周囲音が聞き取りづらい場合がある。遮音性の高いイヤホンやヘッドホンを用いた場合、移動体の放出音が遮音されてしまう。また、周囲音を聴けるように遮音性を低くしても、再生している音楽の音量が大きいと周囲音は聴こえづらくなってしまう。したがって、特許文献2の装置では、ユーザが周囲の音を聴くことが困難な場合がある。特許文献3の装置でも、同様に、ユーザが周囲の音を聴くことが困難な場合がある。さらに、遮音性が低いイヤホンを用いた場合、再生音量を大きくすると音漏れしてしまう場合がある。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、ユーザが適切に周囲の音を聴くことができる再生装置、及び再生方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる再生装置は、再生音を再生するための再生信号を出力する再生部と、ユーザの左右の耳に向けて音をそれぞれ出力する左右の出力ユニットを有する出力部と、周囲音を収音して、収音信号を取得する1つ以上のマイクと、前記収音信号及び前記再生信号の少なくとも一方に対して頭外定位処理を行うことで、前記出力部から出力される際の前記収音信号の定位位置と前記再生信号の定位位置とを異ならせる定位処理部と、前記収音信号と前記再生信号とを合成して、前記出力部に出力する合成部と、を備えたものである。
本発明の一態様にかかる再生方法は、再生音を再生するための再生信号を出力するステップと、1つ以上のマイクを用いて周囲音を収音して、収音信号を取得するステップと、前記収音信号及び前記再生信号の少なくとも一方に対して頭外定位処理を行うステップと、前記頭外定位処理の後、前記収音信号と前記再生信号とを合成して、合成信号を生成するステップと、左右の出力ユニットを有する出力部から、ユーザの左右の耳に向けて、前記合成信号をそれぞれ出力するステップと、を備えたものである。
本発明によれば、ユーザが適切に周囲の音を聴くことができる再生装置、及び再生方法を提供することができる。
本実施の形態1に係る再生装置の構成を示すブロック図である。 再生装置に用いられるイヤホンの構成を模式的に示す図である。 マイクからの収音信号をユーザ後方に定位させるフィルタを生成する構成を示す概念図である。 再生信号の定位位置Aと、収音信号の定位位置Bを示す図である。 本実施の形態2に係る再生装置に用いられるイヤホンの構成を模式的に示す図である。 本実施の形態3に係る再生装置の構成を示すブロック図である。 本実施の形態にかかる再生方法において、非定常音を検出するための処理を示すフローチャートである。 非定常音の音源方向を説明するための図である。 平常時と非定常音検出時の収音信号の変化を模式的に示す図である。 平常時と非定常音検出時の信号を模式的に示す図である。 非定常音の音源方向を特定する処理を示すフローチャートである。 音源方向に応じてフィルタを切り替える処理を示すフローチャートである。 音源方向に応じたフィルタを生成する構成を示す概念図である。 定位位置の実施例1を示す図である。 定位位置の実施例2を示す図である。 定位位置の実施例3を示す図である。
本実施の形態にかかる再生装置は、再生音を再生する再生部と、イヤホン又はヘッドホン等の出力部とを備えている。再生部は、典型的には、デジタルオーディオプレーヤ、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型音楽プレーヤや携帯型動画プレーヤであり、内部メモリ又はクラウドに予め再生音を録音している。再生音は、音楽や動画再生時の音声である。ユーザがイヤホン又はヘッドホンを装着した状態で、音楽プレーヤが出力部に再生信号を出力する。携帯型の再生装置を用いることで、ユーザが屋外等で音楽を受聴することができる。
実施の形態1.
本実施の形態にかかる再生装置について、図1、図2を用いて説明する。図1は、実施の形態1にかかる再生装置100の制御構成を示すブロック図である。図2は、再生装置100に用いられるイヤホン105及び指向性マイク101の構成を模式的に示す図である。再生装置100は、指向性マイク101と、頭外定位処理部102と、音楽プレーヤ103と、合成部104と、イヤホン105と、を備えている、
音楽プレーヤ103は、例えば、デジタルオーディオプレーヤやスマートフォンのアプリであり、予め録音されている音楽を再生する。音楽プレーヤ103は再生した音楽に基づく再生信号を、合成部104に出力する。再生信号は、ステレオ入力信号である。すなわち、再生信号は、イヤホン105の左出力ユニット105Lに入力されるLchのステレオ入力信号と、右出力ユニット105Rに入力されるRchのステレオ入力信号を含んでいる。Lchのステレオ入力信号は、左出力ユニット105Lからユーザの左耳に出力され、Rchのステレオ入力信号は、右出力ユニット105Rからユーザの右耳に向けて出力される。ここでは、再生音が音楽であるため、音楽プレーヤ103を用いているが、再生音が動画の音声である場合、音楽プレーヤ103の代わりに、動画再生可能なアプリ等を用いることができる。
指向性マイク101は、ユーザの周囲の音を収音するマイクである。指向性マイク101は、周囲音に基づく収音信号を頭外定位処理部102に出力する。例えば、指向性マイク101は、ユーザの後方で発生する音を収音する。すなわち、指向性マイク101は、ユーザの後方に指向性を持つマイクである。
頭外定位処理部102は、指向性マイク101からの収音信号に対して、頭外定位処理を行う。具体的には、頭外定位処理部102には収音信号に対してフィルタを畳み込む。こうすることで、頭外定位処理部102は、定位処理された収音信号を生成する。頭外定位処理部102は、定位処理された収音信号を合成部104に出力する。頭外定位処理部102は、頭部伝達関数HRTF(Head Related Transfer Function)等の伝達特性を畳み込むことにより、頭外定位処理を行う。
具体的には、頭外定位処理部102には、左耳に対する伝達特性に応じたLchのフィルタと、右耳に対する伝達特性に応じたRchのフィルタが設定されている。頭外定位処理部102は、指向性マイク101からの収音信号に対してLchのフィルタを畳み込むことで、定位処理されたLchの収音信号を生成する。同様に頭外定位処理部102は、指向性マイク101からの収音信号に対してRchのフィルタを畳み込むことで、定位処理されたRchの収音信号を生成する。頭外定位処理部102に用いられるフィルタについては後述する。
合成部104は、定位処理された収音信号と、再生信号とを合成するミキサーである。具体的には、合成部104は、収音信号と再生信号の音量バランスを調整して、合成することで、合成信号を生成する。合成部104は合成信号をイヤホン105に出力する。
例えば、合成部104は、収音信号と再生信号とに対して、音量バランスに応じた係数を乗じる。そして、合成部104は、係数が乗じられた収音信号と再生信号とを加算することで、合成信号を生成する。また、合成部104は、Lchの信号とRchの信号とのそれぞれに対して合成処理を行う。すなわち、合成部104は、Lchの収音信号とLchの再生信号を加算することで、Lchの合成信号を生成する。同様に、合成部104は、Rchの再生信号とRchの収音信号とを加算することで、Rchの合成信号を生成する。合成部104はLchの合成信号とRchの合成信号をイヤホン105に出力する。
イヤホン105は、図2に示すように、左出力ユニット105Lと右出力ユニット105Rとを備えている。そして、左出力ユニット105Lと右出力ユニット105Rは、ネックバンド110で連結されている。ネックバンド110には、指向性マイク101が取り付けられている。指向性マイク101は、ネックバンド110の左右中央に設けられている。ユーザが105を装着した時に、指向性マイク101が後方を向くように、ネックバンド110に取り付けられている。指向性マイク101は、ユーザの後方の音を収音する。
ユーザがネックバンド110を首に掛けて、イヤホン105を装着する。左出力ユニット105Lは、Lchの合成信号をユーザの左耳に向けて出力する。右出力ユニット105Rは、Rchの合成信号をユーザの右耳に向けて出力する。すなわち、イヤホン105は、合成信号に基づいて、周囲音と音楽がミキシングされた音を再生する。
このようにすることで、ユーザの周囲で発生した周囲音を頭外に定位させることができる。一方、音楽プレーヤ103で再生された音楽は、頭外定位されていないため、ユーザの耳元で鳴り、頭内に定位して聴こえる。収音信号の定位位置と、再生信号の定位位置とが異なっている。周囲音と音楽の定位を分離している。頭外定位処理部102は、収音信号及び再生信号の少なくとも一方に対して頭外定位処理を行うことで、イヤホン105から出力される際の収音信号の定位位置と再生信号の定位位置とを異ならせている。
図3を用いて、収音信号の定位位置と再生信号の定位位置とについて説明する。図3は、再生信号(音楽)の定位位置Aと収音信号(周囲音)の定位位置Bとを模式的に示す図である。
上記したように、頭外定位処理部102は、収音信号に対して頭外定位用のフィルタを畳み込んでいる。したがって、収音信号がユーザUの頭外に定位している。具体的には、収音信号の定位位置BがユーザUの後方であるため、後方に定位する頭外定位フィルタを用いて畳み込み処理を行う。
一方、再生信号に対しては、畳み込み処理が施されていない。すなわち、音楽プレーヤ103から再生される音楽には、フィルタ処理が施されていない。よって、音楽は通常通りに耳元で鳴るため、頭内に定位して聴こえる。すなわち、再生信号の定位位置AはユーザUの耳9L、9Rの近傍になっている。
このように、再生信号の定位位置Aと収音信号の定位位置Bとが異なっている。周囲音のみにフィルタを畳み込むことにより、音楽プレーヤ103で再生される音楽は耳元で鳴るため、頭内に定位するが、周囲音はユーザUの頭部の後方に定位する。再生信号の音楽は耳元から聴こえるのに対して、収音信号の周囲音が後方から聴こえる。ユーザUにとって、音楽と周囲音が異なる位置で発生しているように聴こえる。したがって、収音信号の音量レベルが再生信号の音量レベルに対して低い場合であっても、ユーザUが周囲音を聴きやすくなる。また、合成部104は、音楽再生レベルに連動して周囲音のレベルを変化させ、周囲音が音楽に埋もれないようにしてもよい。
周囲音のみを後方に定位させることにより、耳元で鳴っている音楽と周囲音との定位が分離される。このため、音楽再生中でも周囲音が聴き取りやすくなり、周囲音をより正確に察知することができる。一方、音楽と周囲音が同じ定位だと、マスキング効果により周囲音が聞き取りづらくなってしまう。定位位置が異なるため、大音量で音楽を再生している場合でも周囲音を聴き取ることが出来るようになる。換言すると、再生信号の音量レベルに対する収音信号の相対的な音量レベルが小さい場合であっても、ユーザUが周囲音を聴き取りやすい。よって、イヤホン105が収音信号を常時出力していたとしても、ユーザUが効果的に音楽を聴くことができる。さらに、周囲音が大きくなると、イヤホン105から出力される周囲音も大きくなる。よって、ユーザが適切に周囲音と音楽とを聴き分けることができる。
また、指向性マイク101が後方からの周囲音を収音する。よって、ユーザUに対して、後方への注意喚起を行うことができる。例えば、後方から自動車、自転車、バイクなどの車両が接近している場合、車両の接近音が周囲音としてイヤホン105の左右の出力ユニット105L、105Rから出力されている。そして、周囲音が後方に定位している。よって、後方からの車両の接近を正確に察知することができ、後方への注意を促すことができる。
遮音性の高いイヤホン105を用いた場合でも、ユーザUが適切に周囲音を聴くことができる。遮音性の高いイヤホン105を用いることができるため、音漏れを防止することができる。さらに、指向性マイク101をオフするなどしておけば、使用状況に応じて周囲音を聴こえなくすることも可能である。すなわち、周囲音を聞く必要がない場合は、マイク101をオフしておけばよい。あるいは、合成部104が周囲音の音量バランスを0にすればよい。室内で音楽を聴く場合などは、イヤホン105が周囲音を出力せずに、音楽のみ再生すればよい。
頭外定位処理部102における定位処理について、図4を用いて説明する。図4は、定位処理に用いられるフィルタを生成する構成を示す概念図である。
また、受聴者1の後方には、ステレオスピーカ5が配置されている。ステレオスピーカ5は、左スピーカ5Lと右スピーカ5Rを有している。左スピーカ5Lは受聴者1の斜め左後方に設置され、右スピーカ5Rは、受聴者1の斜め右後方に設置されている。左スピーカ5Lと右スピーカ5Rは受聴者1に対して左右対称に配置されている。左スピーカ5Lと右スピーカ5Rは、インパルス応答測定を行うためのインパルス音等を出力する。
受聴者1の左耳9Lにはマイク2Lが設置され、右耳9Rにはマイク2Rが設置されている。具体的には、左耳9L、右耳9Rの外耳道入口又は鼓膜位置にマイク2L、2Rを設置することが好ましい。マイク2L、2Rは、ステレオスピーカ5から出力された測定信号を収音して、収音信号を取得する。なお、受聴者1は、再生装置100を用いるユーザUであることが好ましいが、ユーザU以外の人での測定で得られた伝達特性を用いてもよい。さらに、受聴者1は、人でもよく、ダミーヘッドでもよい。すなわち、本実施形態において、受聴者1は人だけでなく、ダミーヘッドを含む概念である。
上記のように、左右のスピーカ5L、5Rで出力されたインパルス音をマイク2L、2Rで測定することでインパルス応答が測定される。インパルス応答測定に基づいて取得した収音信号はメモリなどに記憶される。これにより、左スピーカ5Lと左マイク2Lとの間の伝達特性Hls、左スピーカ5Lと右マイク2Rとの間の伝達特性Hlo、右スピーカ5Rと左マイク2Lとの間の伝達特性Hro、右スピーカ5Rと右マイク2Rとの間の伝達特性Hrsが測定される。すなわち、左スピーカ5Lから出力された測定信号を左マイク2Lが収音することで、伝達特性Hlsが取得される。左スピーカ5Lから出力された測定信号を右マイク2Rが収音することで、伝達特性Hloが取得される。右スピーカ5Rから出力された測定信号を左マイク2Lが収音することで、伝達特性Hroが取得される。右スピーカ5Rから出力された測定信号を右マイク2Rが収音することで、伝達特性Hrsが取得される。
このように測定された伝達特性Hls〜Hrsに応じたフィルタが生成される。具体的には、伝達特性Hls〜Hrsが所定のフィルタ長で切り出されて、頭外定位処理部102の畳み込み演算に用いられるフィルタとして生成される。また、頭部伝達関数(HRTF)を用いて、フィルタを生成してもよい。
本実施の形態では、指向性マイク101がモノラルマイクであるので、頭外定位処理部102は、モノラル信号である収音信号に、4つの伝達特性Hls〜Hrsに応じたフィルタをそれぞれ畳み込む。頭外定位処理部102は、伝達特性Hlsが畳み込まれた収音信号と伝達特性Hroが畳み込まれた収音信号とを加算して、Lchの収音信号とする。伝達特性Hloが畳み込まれた収音信号と伝達特性Hrsが畳み込まれた収音信号とを加算して、Rchの収音信号とする。このように受聴者1の後方にステレオスピーカ5を設置した状態でのインパルス応答測定によって、ユーザUの後方に周囲音を定位させることができる。
実施の形態2.
本実施の形態にかかる再生装置について、図5は再生装置100に用いられるイヤホン105の構成を模式的に示す図である。なお、本実施の形態では、イヤホン105に装着された指向性マイク101が実施の形態1と異なっている。なお、指向性マイク101以外の構成については、実施の形態1と同様であるため、適宜説明を省略する。
本実施の形態2では、図5に示すように、ネックバンド110に2つの指向性マイク101L、101Rに取り付けられている。指向性マイク101Lは、ネックバンド110の中央よりも左側に設けられ、指向性マイク101Rは右側に設けられている。指向性マイク101L、101Rは左右対称に取り付けられることが好ましい。なお、指向性マイク101L、101Rで収音された収音信号はステレオ信号となる。指向性マイク101L、101Rは、頭外定位処理部102に収音信号を出力する
頭外定位処理部102は、指向性マイク101Lからの収音信号には、伝達特性Hls、Hloをそれぞれ畳み込む。頭外定位処理部102は、指向性マイク101Rからの収音信号に対して、伝達特性Hro、Hrsをそれぞれ畳み込む。頭外定位処理部102は、伝達特性Hlsが畳み込まれた収音信号と伝達特性Hroが畳み込まれた収音信号とを加算して、Lchの収音信号とする。伝達特性Hloが畳み込まれた収音信号と伝達特性Hrsが畳み込まれた収音信号とを加算して、Rchの収音信号とする。本実施の形態においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態では、指向性マイク101L、101Rがステレオマイクであるため、周囲音を後方にステレオ音場で定位させることができる。
実施の形態3.
本実施の形態にかかる再生装置について、図6を用いて説明する。図6は、実施の形態3にかかる再生装置の構成を示す制御ブロック図である。本実施の形態では、非定常音検出部106が追加されている。なお、非定常音検出部106以外の構成については、実施の形態1、2と同様であるため説明を省略する。
非定常音検出部106はユーザUの周囲で非定常音が発生しているか否かを検出する。非定常音としては、自動車、バイク、自転車等の乗り物の走行音が挙げられる。非定常音が発生した場合、非定常音検出部106は制御信号を合成部104に出力する。合成部104は、制御信号に応じて、周囲音と音楽の音量レベルを制御する。具体的には、合成部104は、非定常音の検出時に、周囲音の音量レベルを高くする。
このようにすることで、非定常音の検出時のみ、高い音量レベルで周囲音を出力することができる。すなわち、非定常音が検出されていないときは、低い音量レベルで周囲音を出力することができる。イヤホン105は、通常、周囲音を低めに出力しているが、後方の非定常音を検出した場合に、周囲音の音量を上げて出力する。こうすることで、再生装置100が、非定常音を強調することができる。よって、後方への注意喚起を適切に行うことができる。
本実施の形態にかかる再生方法について、図7を用いて説明する。図7は非定常音検出部106における処理を示すフローチャートである。
まず、指向性マイク101が後方音を検出する(S11)。なお、指向性マイク101は実施の形態1のようにモノラルマイクであってもよいし、実施の形態2のようにステレオマイクであってもよい。次に、指向性マイク101からの収音信号を周波数領域に変換する(S12)。たとえば、収音信号を離散フーリエ変換することで、周波数領域に変換することができる。なお、収音信号は、頭外定位処理部102によって頭外定位処理する前の収音信号を用いることができる。
非定常音検出部106は、周波数スペクトルの時間変化を監視する(S13)。そして、スペクトルが急激に変化したか否かを判定する(S14)。非定常音検出部106は、周波数スペクトルを連続して取得して、その変化を算出する。
スペクトルが急激に変化した場合(S14のYES)、非定常音検出部106は、後方に非定常音が発生していると判断する(S15)。例えば、非定常音検出部106は、後方から車や自転車等の車両が接近していると判断する。すると、非定常音検出部106が制御信号を合成部104に出力して、合成部104が周囲の音量を上げる(S16)。
例えば、ユーザUに車両が接近している場合、スペクトルが大きく変化する。非定常音検出部106は、連続して取得された周波数スペクトルのピーク値を求める。そして、ピーク値に大きな変動があった場合、非定常音検出部106は、スペクトルが急激に変化したと判定する。連続する2つのスペクトルのピーク値の差分をしきい値と比較することで、急激に変動したか否かを判定する。
スペクトルが急激に変化していない場合(S14のNO)、非定常音が発生していなので、ステップS12に戻る。非定常音検出部106は、周波数スペクトルを継続的に監視して、スペクトルに大きな変動があったか否かを判定する。このようにすることで、非定常音検出部106は非定常音の有無を検出することができる。そして、後方に非定常音が発生している場合に、周囲音の音量レベルを高くすることができる。よって、後方への注意喚起を適切に行うことができる。
実施の形態4.
本実施の形態では、ステレオマイクを用いて非定常音の音源方向を特定している。そのため、図5に示すような、指向性マイク101L、101Rをネックバンド110に設けている。左右の指向性マイク101L、101Rからの収音信号に基づいて、非定常音検出部106が非定常音の方向を検出している。例えば、非定常音検出部106が、2つの収音信号の音量差や到達時間差を用いて、非定常音の音源方向を特定する。なお、再生装置100の基本的な構成、及び処理については、上記した実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
図8に、ユーザUを基準とする方向を示す。図8では、ユーザUを原点として、ユーザUの前方を0°、右方向を90°、後方を180°、左方向を270°としている。90°〜120°をR3方向、120°〜150°をR2方向、150°〜180°をR1方向、180°〜210°をL1方向、210°〜240°をL2方向、240°〜270°をL3方向とする。
非定常音検出部106は、方向別に音圧の変化を監視する。図9では、R2方向において、非定常音が大きく変化している。この場合、非定常音検出部106は、非定常音の音源方向をR2方向と特定する。そして、図10に示すように、収音信号の音源方向R2の音圧を上げて、強調する。このようにすることで、より周囲音を適切に聴くことができる。例えば、車両が接近している方向から車両の走行音が聴こえる。よって、より効果的にユーザが車両の接近を察知することができる。
具体的には、非定常音検出部106が、音源方向に応じて、フィルタを切り替える。すなわち、頭外定位処理部102は、R3〜L3の方向毎にフィルタを格納している。そして、頭外定位処理部102が強調する音源方向のフィルタを収音信号に畳み込めばよい。このようにすることで、音源方向に周囲音を定位させることができるため、音源方向を強調することができる。
具体的には、音源がL3方向である場合、L3方向を強調するフィルタHls_L3、Hlo_L3、Hro_L3、Hrs_L3を収音信号に畳み込む。同様に、音源がL2方向である場合、L2方向を強調するフィルタHls_L2、Hlo_L2、Hro_L2、Hrs_L2を収音信号に畳み込む。音源がL1方向である場合、L1方向を強調するフィルタHls_L1、Hlo_L1、Hro_L1、Hrs_L1を収音信号に畳み込む。音源がR1方向である場合、R1方向を強調するフィルタHls_R1、Hlo_R1、Hro_R1、Hrs_R1を収音信号に畳み込む。音源がR2方向である場合、R2方向を強調するフィルタHls_R2、Hlo_R2、Hro_R2、Hrs_R2を収音信号に畳み込む。音源がR3方向である場合、R3方向を強調するフィルタHls_R3、Hlo_R3、Hro_R3、Hrs_R3とする。
次に、図11を用いて、音源方向を特定するための処理について説明する。図11は、音源方向を特定するための処理を示すフローチャートである。非定常音検出部106が、一定時間毎に、指向性マイク101が収音信号を周波数領域に変換する(S21)。なお、非定常音検出部106は、複数の指向性マイク101が取得した収音信号をそれぞれ周波数領域に変換している。ここでは、頭外定位処理部102でフィルタが畳み込まれる前の収音信号が周波数領域に変換されている。
次に、非定常音検出部106は、スペクトルの一部が大きく変化したか否かを判定する(S22)。スペクトルの一部が大きく変化していない場合(S22のNO)、ステップS21に戻る。スペクトルの一部が大きく変化した場合(S22のYES)、非定常音と判定する(S23)。
次に、非定常音検出部106は、左の指向性マイク101Lの音量と右の指向性マイク101Rの音量の差分Mを求める(S24)。非定常音検出部106は、指向性マイク101Lの収音信号のスペクトルと、指向性マイク101Rの収音信号のスペクトルの差分Mを求める。ここで、差分を求める周波数帯は特に限定されるものではない。例えば、スペクトルが大きく変化したピーク周波数のみの差分を算出してもよく、スペクトル全体の差分を算出してもよい。あるいは、非定常音検出部106は時間領域における左右の収音信号の差分を求めてもよい。
そして、非定常音検出部106は、差分Mの値に応じて音源方向を特定する。例えば、差分Mが+6dB以上である場合、非定常音検出部106はL3方向に音源があると判定する(S25)。すなわち、指向性マイク101Lの音量が指向性マイク101Rの音量に比べてかなり大きい場合、非定常音検出部106は、非定常音の音源がL3方向にあると判定する。
差分Mが+3dB以上、+6dB未満である場合、非定常音検出部106はL2方向に音源があると判定する(S26)。差分Mが0dB以上、+3dB未満である場合、非定常音検出部106はL1方向に音源があると判定する(S27)。差分Mが−3dB以上、0dB未満である場合、非定常音検出部106はR1方向に音源があると判定する(S28)。差分Mが−6dB以上、−3dB未満である場合、非定常音検出部106はR2方向に音源があると判定する(S29)。差分Mが−6dB未満である場合、非定常音検出部106はR3方向に音源があると判定する(S30)。
このように、非定常音検出部106はマイク音量の差分Mに応じて音源方向を特定している。具体的には、差分Mが大きいほど、非定常音検出部106は、左方向(270°)に音源があると判定する。なお、音量差に限らず、左右のマイクで収音した信号の位相差を用いて音源方向を特定してもよい。音量差(または音量比)と位相差とを組み合わせて音源方向を特定してもよい。
次に、音源方向に応じてフィルタを切り替える処理について、図12を用いて説明する。図12は、フィルタを切り替える処理を示すフローチャートである。
非定常音を検出していない平常時は、頭外定位処理部102が後方正面のフィルタ(Hls、Hlo、Hro、Hrs)を収音信号に畳み込む(S41)。なお、後方正面のフィルタ(Hls、Hlo、Hro、Hrs)は、図4に示す測定により取得することができる。そして、上記したように、非定常音検出部106が非定常音を検出したか否かを判定する(S42)。非定常音を検出していない場合(S42のNO)、ステップS41に戻る。すなわち、頭外定位処理部102が引き続き、後方正面のフィルタ(Hls、Hlo、Hro、Hrs)を収音信号に畳み込む。
非定常音を検出した場合(S42のYES)、非定常音検出部106は、音源方向を判定する(S43)。すなわち、図11に示した処理により音源方向がL3〜R3のいずれにあるかを非定常音検出部106が判定する。ステップS43は、図11に示す処理に対応している。
音源方向がL3方向である場合(S43のL3方向)、頭外定位処理部102は、L3方向のフィルタHls_L3、Hlo_L3、Hro_L3、Hrs_L3を畳み込む(S44)。音源方向がL2方向である場合(S43のL2方向)、頭外定位処理部102は、L2方向のフィルタHls_L2、Hlo_L2、Hro_L2、Hrs_L2を畳み込む(S45)。音源方向がL1方向である場合(S43のL1方向)、頭外定位処理部102は、L1方向のフィルタHls_L1、Hlo_L1、Hro_L1、Hrs_L1を畳み込む(S46)。
音源方向がR1方向である場合(S43のR1方向)、頭外定位処理部102は、R1方向のフィルタHls_R1、Hlo_R1、Hro_R1、Hrs_R1を畳み込む(S47)。音源方向がR2方向である場合(S43のR2方向)、頭外定位処理部102は、R2方向のフィルタHls_R2、Hlo_R2、Hro_R2、Hrs_R2を畳み込む(S48)。音源方向がR3方向である場合(S43のR3方向)、頭外定位処理部102は、R3方向のフィルタHls_R3、Hlo_R3、Hro_R3、Hrs_R3を畳み込む(S49)。
このように、非定常音検出部106が非定常音の音源方向を特定する。そして、頭外定位処理部102は、方向毎に設定されたフィルタを畳み込む。このようにすることで、収音信号が音源方向に定位されるため、音源方向の非定常音を強調することができる。
なお、方向毎にフィルタを生成する方法について、図13を用いて説明する。図13は、フィルタを生成するための測定構成を模式的に示す図である。図13では、後方正面のフィルタHls、Hlo、Hro、Hrsと、R2方向のフィルタHls_R2、Hlo_R2、Hro_R2、Hrs_R2と、を生成するための測定構成が示されている。
図13に示すように、生成するフィルタに応じて、ステレオスピーカ5の設置位置を変えている。例えば、非定常音を検出していない平常時のフィルタHls、Hlo、Hro、Hrsを生成する場合、左スピーカ5Lと右スピーカ5Rとの中間点が180°の方向になっている。R2方向のフィルタHls_R2、Hlo_R2、Hro_R2、Hrs_R2を生成する場合、左スピーカ5Lと右スピーカ5Rとの中間点が135°の方向になっている。なお、ここでの角度は、図8で示した角度に対応している。
ステレオスピーカ5の位置を変えて測定を行うことで、方向別のフィルタを生成することができる。すなわち、受聴者1を回転中心として、左スピーカ5Lと右スピーカ5RをL3〜R3方向に対応する角度だけ回転させる。これにより、方向別のフィルタを簡便に生成することができる。
なお、上記の説明では、特定する音源方向をL3方向〜R3方向の6つに分割したが、分割数は6個に限定されるものではない。音源方向の特定精度に応じて、音源方向を2以上に分割していればよい。例えば、音源方向の特定精度が低い場合、左斜め後方と右斜め後方の2方向にのみ音源方向を特定できればよい。もちろん、音源の特定方向は6以上であってもよく、6未満であってもよい。
定位位置の実施例
なお、上記の説明では収音信号(周囲音)を後方に定位し、再生信号(音楽)を耳元で鳴らす(頭内に定位させる)例について説明したが、定位位置は特に限定されるものではない。以下、定位位置A、Bの実施例について、図14〜図16を用いて説明する。図14〜図16はそれぞれ実施例1〜3にかかる定位位置を示す図である。
図14に示す実施例1では、再生信号の定位位置AがユーザUの前方となっており、収音信号の定位位置BがユーザUの耳元になっている(頭内に定位している)。この場合、頭外定位処理部102が再生信号に対してのみ頭外定位処理を行う。すなわち、頭外定位処理部102が再生信号にのみフィルタを畳み込み、収音信号にはフィルタを畳み込まない。このようにすることで、図14に示すような定位位置A、Bを実現することができる。
図15に示す実施例2では、再生信号の定位位置AがユーザUの前方となっており、収音信号の定位位置BがユーザUの後方になっている。この場合、頭外定位処理部102が再生信号、及び収音信号の両方に対して頭外定位処理を行う。すなわち、頭外定位処理部102が再生信号に前方定位用のフィルタを畳み込み、収音信号には後方定位用のフィルタを畳み込む。このようにすることで、図15に示すような定位位置A、Bを実現することができる。なお、前方定位用のフィルタは、ステレオスピーカ5を受聴者1の前方に設置した測定に基づいて生成される。
図16に示す実施例3では、再生信号の定位位置AがユーザUの前方となっている。そして、非定常音の有無に応じて、収音信号の定位位置Bが変化している。非定常音が検出されていない場合、収音信号の定位位置Bが耳元になっている(頭内に定位している)。非定常音が検出された場合、収音信号の定位位置B’が後方になっている。すなわち、非定常音に応じて、フィルタを切り替えることで、収音信号の定位位置Bを変えている。このようにすることで、図16に示すような定位位置A、Bを実現することができる。
もちろん、再生信号の定位位置Aと収音信号の定位位置Bは上記したものに限定されるものではない。適切なフィルタを用いることで、任意の位置に定位させることができる。再生信号のみフィルタ処理を行ってもよく、収音信号のみフィルタ処理を行ってもよい。あるいは、再生信号と収音信号の両方にフィルタ処理を行ってもよい。また、非定常音の有無に応じて、頭外定位処理部102が再生信号の定位位置Aを切り替えてもよい。さらに、非定常音の有無に応じて、頭外定位処理部102が再生信号の定位位置A、及び収音信号の定位位置Bの両方を切り替えてもよい。
なお、上記の説明では、合成信号を出力する出力部をイヤホン105として説明したが、出力部はヘッドホンであってもよい。また、再生信号により再生される音は音楽プレーヤ103から出力される音楽として説明したが、動画と共に再生される再生音であってもよい。例えば、合成部104で収音信号に合成される再生信号は、映画の音声などに基づく再生信号であってもよい。さらに、マイクの数は3以上であってもよい。周囲音を収音するマイクは、指向性マイクに限られるものではない。例えば、音楽プレーヤ103としてスマートフォンのアプリを用いた場合、スマートフォンのマイクを用いて、周囲音を収音してもよい。
さらに、上記の処理は、スマートフォンなどの携帯端末で実行されてもよく、イヤホンやヘッドホンに内蔵されたDSP(Digital Signal Processor)等で実行されてもよい。もちろん、上記の処理に一部が携帯端末で実行され、残りがイヤホンやヘッドホンに内蔵されたDSPで実行させてもよい。スマートフォンなどの携帯端末が頭外定位処理を行う場合、指向性マイク101が携帯端末の音声入力端子に接続される。
上記信号処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されてもよい。上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
U ユーザ
1 受聴者
2L 左マイク
2R 右マイク
5L 左スピーカ
5R 右スピーカ
9L 左耳
9R 右耳
101 指向性マイク
101L 左の指向性マイク
101R 右の指向性マイク
102 頭外定位処理部
103 音楽プレーヤ
104 合成部
105 イヤホン
105L 左出力ユニット
105R 右出力ユニット
106 非定常音検出部
110 ネックバンド

Claims (6)

  1. 再生音を再生するための再生信号を出力する再生部と、
    ユーザの左右の耳に向けて音をそれぞれ出力する左右の出力ユニットを有する出力部と、
    周囲音を収音して、収音信号を取得する1つ以上のマイクと、
    前記収音信号及び前記再生信号の少なくとも一方に対して頭外定位処理を行うことで、前記出力部から出力される際の前記収音信号の定位位置と前記再生信号の定位位置とを異ならせる定位処理部と、
    前記収音信号と前記再生信号とを合成して、前記出力部に出力する合成部と、を備えた再生装置。
  2. 前記定位処理部は、前記収音信号をユーザの後方に定位させる請求項1に記載の再生装置。
  3. 前記マイクが前記ユーザの後方の音を収音する指向性マイクである請求項1、又は2に記載の再生装置。
  4. 前記収音信号に、非定常音が含まれるか否かを検出する非定常音検出部をさらに備え、
    前記非定常音検出部が、前記非定常音を検出した場合に、前記再生信号に対する前記収音信号の相対的な音量レベルを変化させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の再生装置。
  5. 前記マイクが2つ以上設けられ、
    前記2つ以上のマイクが収音した収音信号に基づいて、前記収音信号に含まれる非定常音の音源方向を特定し、
    前記非定常音の音源方向に基づいて、前記収音信号の定位位置を変化させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の再生装置。
  6. 再生音を再生するための再生信号を出力するステップと、
    1つ以上のマイクを用いて周囲音を収音して、収音信号を取得するステップと、
    前記収音信号及び前記再生信号の少なくとも一方に対して定位処理を行うステップと、
    前記定位処理を行った後、前記収音信号と前記再生信号とを合成して、合成信号を生成するステップと、
    左右の出力ユニットを有する出力部から、ユーザの左右の耳に向けて、前記合成信号をそれぞれ出力するステップと、を備えた再生方法。
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