JP2017171661A - コバルト触媒を用いる脱水素シリル化および架橋 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱水素シリル化を効率的にかつ選択的に触媒する、非貴金属系触媒の提供。
【解決手段】下記式で表される三座ピリジンジ-イミン配位子を含有するコバルト錯体、ならびにその効率的かつ選択的な脱水素シリル化及び架橋物質製造用の触媒としての使用。一つ以上の不飽和基を含有する不飽和化合物と、一つ以上のシリルヒドリド官能基を含有するシリルヒドリドを溶媒中で前記触脱水素化シリル産物を製造するステップを含有する、プロセス。脱水素化シリル化産物が、シリル基と不飽和基を有するシラン又はシロキサンを含有し、不飽和基がシリル基に対してα又はβ位にあることが、好ましい、プロセス。
Figure 2017171661

【選択図】なし

Description

本発明は、遷移金属含有化合物に関し、より詳細にはピリジンジ−イミン配位子含有コバルト錯体ならびに効率的な脱水素シリル化触媒および架橋触媒としてのその使用に関する。
典型的にシリルヒドロリドと不飽和有機基との間の反応を含むヒドロシリル化の化学は、シリコーン界面活性剤、シリコーン流体およびシランならびにシーラント、接着剤およびシリコーン系コート剤産物のような多くの付加硬化産物のような市販のシリコーン系産物の製造の合成経路の基礎である。例えば、Delisらの米国特許出願公開2011/0009573A1を参照できる。典型的なヒドロシリル化反応は、オレフィンのような不飽和基へのシリル−ヒドリド(Si−H)の付加を触媒するために貴金属触媒を使用する。これらの反応において、生じる産物は、シリル置換され、飽和した化合物である。これらのケースの多くにおいて、シリル基の付加は反マルコフニコフ則によって進行し、これはすなわち不飽和基のより置換されていない炭素原子へと付加される。多くの貴金属触媒されたヒドロシリル化は末端不飽和オレフィンとにおいてよりよく機能し、内部の不飽和は一般的に非反応性であるかまたは貧弱な反応のみである。オレフィンの一般的なヒドロシリル化のための限られた方法のみしか存在せず、Si−H基の付加後、基の基質の不飽和がまだ残存している。この反応は脱水素シリル化と呼ばれ、シラン、シリコーン流体、架橋シリコーンエラストマーならびに、ポリオレフィン、不飽和ポリエステルのようなシリル化もしくはシリコーン架橋の有機ポリマーなどの新規のシリコーン物質の合成において使用される可能性がある。
さまざまな貴金属錯体触媒が当分野において既知である。例えば、米国特許第3,775,452号は、不飽和シロキサンを配位子として含有する白金錯体を開示する。この型の触媒はKarstedt’s触媒として知られる。文献に記載される他の例示的な白金系ヒドロシリル化触媒は、米国特許第3,159,601に開示されるAshbyの触媒、米国特許第3,220,972に開示されるLamoreauxの触媒、Speier,J.L、Webster,J.A.およびBarnes,G.H.、J.Am.Chem.Soc.79、974(1957)に開示されるSpeierの触媒を含む。
限定されたヒドロシリル化および脱水素シリル化を促進するためのFe(CO)の使用の例がある(Nesmeyanov,A.N.;Freidlina,R.Kh.;Chukovskaya,E.C.;Petrova,R.G.;Belyavsky,A.B. Tetrahedron,1962、3、371およびMarciniec,B.;Majchrzak,M. Inorg.Chem.Commun.2000、3、371を参照)。Fe(CO)12の使用が、EtSiHとスチレンとの反応における脱水素シリル化を示すことが見出された(Kakiuchi,F;Tanaka,Y.;Chatani,N.;Murai,S. J.Organomet.Chem. 1993、456、45を参照)。また、いくつかのシクロペンタジエン鉄錯体が、Nakazawaの研究においてさまざまな成功の度合いで用いられ、1,3−ジ−ビニルジシロキサンと共に用いられるときに、興味深い分子内の脱水素シリル化/水素化を示した(Roman N Naumov、Masumi Itazaki、Masahiro KamitaniおよびHiroshi Nakazawa、Journal of the American Chemical Society、2012、134巻2号804−807)。
ロジウム錯体は、アリルシランおよびビニルシランの低いものから中程度までの収量をもたらすことが見出された(Doyle,M.P.;Devora G.A.;Nevadov,A.O.;High,K.G. Organometallics、1992、11、540−555)。イリジウム錯体は、良好な収量でビニルシランをもたらすことが見出された(Falck,J.R.;Lu,B. J.Org Chem、2010、75、1701−1705)。アリルシランはロジウム錯体を用いて高収量で調製できる(Mitsudo,T.;Watanabe,Y.;Hori,Y. Bull.Chem.Soc.Jpn. 1988、61、3011−3013)。ビニルシランはロジウム錯体の使用によって調製できる(Murai,S.;Kakiuchi,F.;Nogami,K;Chatani,N.;Seki,Y. Organometallics、1993、12、4748−4750)。脱水素シリル化はイリジウム錯体を使用するときに起こることが見出された(Oro,L.A.;Fernandez,M.J.;Esteruelas,M.A.;Jiminez,M.S. J.Mol.Catalysis, 1986、37、151−156およびOro,L.A.;Fernandez,M.J.;Esteruelas,M.A.;Jiminez,M.S. Organometallics、1986、5、1519−1520)。ビニルシランはルテニウム錯体を用いて調製できる(Murai,S.;Seki,Y.;Takeshita,K.;Kawamoto,K.;Sonoda,N. J.Org.Chem. 1986、51、3890−3895)。
最近、パラジウム触媒されたシリルHeck反応がアリルシランおよびビニルシランの形成を生じると報告された(McAtee JRら、Angewandte Chemie, International Edition in English(2012年3月1日)。
米国特許5,955,555は、特定の鉄もしくはコバルトピリジン−ジイミンジアニオン錯体の合成を開示した。好ましいアニオンはクロリド、ブロミドおよびテトラフルオロボラートである。米国特許第7,442,819号は、2つのイミノ基で置換される"ピリジン"環を含有する特定の三環系配位子の鉄およびコバルト錯体を開示する。米国特許第6,461,994号、米国特許6,657,026号および米国特許第7,148,304号は、特定の遷移金属−PDI錯体を含有するいくつかの触媒系を開示する。米国特許第7,053,020号は、とりわけ一つもしくはそれ以上のビスアリールイミノピリジン鉄もしくはコバルト触媒を含有する触媒系を開示する。しかしながら、それらの引用物に開示される触媒および触媒系は、オレフィン重合化および/もしくはオリゴマー化の過程における使用を記載するが、脱水素シリル化反応の過程における使用ではない。
シリル化産業において、脱水素シリル化を効率的にかつ選択的に触媒するのに有用な非貴金属系の触媒に対する必要性がいまだ存在する。本発明はその必要性に対する一つの解決を提供する。
一つの態様において、本発明は、(a)少なくとも一つの不飽和官能基を含有する不飽和化合物、(b)少なくとも一つのシリルヒドリド官能基を含有するシリルヒドリド、および(c)触媒を含有する混合物を、任意選択で溶媒の存在下で脱水素シリル化産物を製造するために反応させるステップを含有する脱水素シリル化産物を製造するプロセスを志向し、ここで触媒は、式(I):
Figure 2017171661

の錯体もしくはその付加物であり、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造を形成してもよく、
Lはヒドロキシルであるかまたは、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリール基、または成分(a)〔Lは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する〕である。
他の態様において、本発明は、式(II)の化合物を志向し、
Figure 2017171661

式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造を形成してもよい。
他の態様において、本発明は、(a)少なくとも一つの不飽和官能基を含有する不飽和化合物、(b)少なくとも一つのシリルヒドリド官能基を含有するシリルヒドリド、および(c)触媒を含有する混合物を、任意選択で溶媒の存在下で脱水素シリル化産物を製造するために反応させるステップを含有する脱水素シリル化産物を製造するプロセスを志向し、ここで触媒は、式(III):
Figure 2017171661

の錯体もしくはその付加物であり、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造を形成してもよく、
Lはヒドロキシルであるかまたは、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリール基からなる群より選択されるアニオン性配位子であるか、または成分(a)〔Lは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する〕であり、
Yは中性の配位子であり、そして
Qは非配位性アニオンである。
他の態様において、本発明は(a)シリルヒドリド含有ポリマー、(b)モノ不飽和オレフィンもしくは不飽和ポリオレフィンまたはそれらの混合物、(c)触媒を含有する反応混合物を任意選択で溶媒の存在下で架橋物質を製造するために反応させるステップを含有する、架橋物質を製造するプロセスを志向し、ここで触媒は式(I):
Figure 2017171661

の錯体もしくはその付加物であり、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造を形成してもよく、
Lはヒドロキシルであるかまたは、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリール基、または成分(a)〔Lは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する〕である。
本発明はピリジンジ−イミン配位子を含有するコバルト錯体、ならびに効率的な脱水素シリル化および架橋の触媒としてのその使用に関する。本発明の実施態様において、前記脱水素シリル化および架橋反応での使用のために上述の式(I)、(II)もしくは(III)の錯体が提供され、ここでCoは任意の価数であるか任意の酸化状態(例えば+1、+2、+3)である。特に、本発明の一実施態様によると、コバルトピリジンジ−イミン錯体の類は脱水素化シリル化反応可能であると見出された。
ここで「アルキル」は直鎖、分岐および環状のアルキル基を含むことを意味する。アルキルの非限定的な具体例は、メチル、エチル、プロピル、およびイソブチルを含むが、これらに限定されない。
ここで「置換アルキル」は一つもしくはそれ以上の置換基を含有するアルキル基を意味し、置換基はそれらの基を含有する化合物が供されるプロセス条件において不活性である。置換基はまた、プロセスには実質的に干渉せず、有害な干渉もしない。
ここでは「アリール」は、一つの水素原子が取り除かれた任意の芳香族炭化水素の基を非限定的に意味する。アリールは一つもしくはそれ以上の芳香族環を含んで良く、それらは縮合しているかまたは単一の結合もしくは他の基と結合している。アリールの非限定的な具体例は、トリル、キシリル、フェニルおよびナフタレニルを含むが、これらに限定されない。
ここでは「置換アリール」は上の「置換アルキル」の定義に説明されるように置換される芳香族基を意味する。アリールと同様に、置換アリールは一つもしくはそれ以上の芳香族環を含んで良く、それらは縮合しているかまたは単一の結合もしくは他の基と結合する。しかしながら、置換アリールがヘテロ芳香族環を持つとき、置換アリール基中の自由原子価は、炭素を代替するヘテロ芳香族環のヘテロ原子(たとえば窒素のような)であり得る。他に言及されないときには、ここでの置換アリール基は1から約30の炭素原子を含有することが好ましい。
ここでは「アルケニル」は、一つもしくはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含有する、直鎖の、分岐のもしくは環状のアルケニル基を意味し、ここで置換の位置が炭素−炭素二重結合において、もしくは基内のどこかのいずれかであり得る。アルケニルの非限定的な具体例は、ビニル、プロペニル、アリル、メタリル、エチリデニルノルボルナンを含むがこれらには限定されない
ここでは「アルキニル」は、一つもしくはそれ以上の炭素−炭素三重結合を含有する任意の直鎖の、分岐のもしくは環状のアルキニル基を意味し、ここで置換の位置が炭素−炭素三重結合において、もしくは基内のどこかのいずれかであり得る。
「不飽和」によって、一つもしくはそれ以上の二重結合もしくは三重結合を意味する。好ましい実施態様において、それは炭素−炭素結合もしくは三重結合を指す。
ここでは「不活性の官能基」は、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビル以外の基を意味し、それらの基はその基を含有する化合物が供されるプロセス条件において不活性である。不活性の官能基はまた、それらを持つ化合物が参加する可能性のあるここで記載される任意のプロセスとは実質的に干渉せず、有害な干渉もしない。不活性の官能基の例は、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモおよびイオド)、−OR30〔R30はヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビル〕のようなエーテルを含む。
ここでは「ヘテロ原子」は、炭素を除く13〜17族元素の任意のものを意味し、例えば、酸素、窒素、ケイ素、リン、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含み得る。
ここでは「オレフィン」は、一つもしくはそれ以上の脂肪族炭素−炭素不飽和を含有する任意の脂肪族もしくは芳香族の炭化水素を意味する。そのようなオレフィンは、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、上述のヘテロ原子で置換されていてもよいが、ただし置換が脱水素シリル化産物を製造する所望の反応コースと実質的に干渉せず、有害な干渉もしないという条件である。一実施態様において、脱水素シリル化の反応物として有用な不飽和の化合物は、構造基、RC=C−CHR〔式中Rは有機フラグメントもしくは水素である〕を持つ有機化合物である。
上述のように、本発明は、(a)少なくとも一つの不飽和官能基を含有する不飽和化合物、(b)少なくとも一つのシリルヒドリド官能基を含有するシリルヒドリド、および(c)触媒を含有する混合物を、任意選択で溶媒の存在下で脱水素シリル化産物を製造するために反応させるステップを含有する脱水素シリル化産物を製造するプロセスを志向し、ここで触媒は、式(I):
Figure 2017171661

の錯体もしくはその付加物であり、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造を形成してもよく、
Lはヒドロキシルであるかまたは、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリール基、または成分(a)〔Lは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する〕である。
本発明のプロセスにおいて使用される触媒は上述の式(I)に示され、式中Coは任意の価数であるか任意の酸化状態(例えば+1、+2、+3)である。一実施態様において、RおよびRの少なくとも一つは、
Figure 2017171661

であり、
式中、
、R、R10、R11およびR12の各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜R12は、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する。RおよびR12はさらに、独立してメチル、エチル、もしくはイソプロピル基を含み得、そしてR10は水素もしくはメチルであってよい。一つの好ましい実施態様において、R、R10およびR12はそれぞれメチルであり得、RおよびRは独立してメチルもしくはフェニル基であり得、そしてR、RおよびRは水素であり得る。一実施態様において、触媒は式(III)の錯体のMeB(C もしくはテトラキス(パーフルオロアリール)ボラート塩である。
本発明のプロセスの触媒の一つの特に好ましい実施態様は、式(II)
Figure 2017171661

の化合物であり、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造を形成してもよい。
代替的な実施態様において、本発明のプロセスにおいて使用する触媒は、式(III):
Figure 2017171661

の形状もしくはその付加物であり、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造を形成してもよく、
Lはヒドロキシルであるかまたは、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリール基からなる群より選択されるアニオン性配位子であるか、または成分(a)〔Lは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する〕であり、
Yは中性の配位子であり、そして
Qは非配位性アニオンである。
ここに記載されるように、「中性の配位子」は、荷電していない任意の配位子を意味する。「非配位性アニオン」は、カチオンと弱い相互作用しかしないアニオンを意味する。非配位性アニオンQの例は、[B[3,5−(CF]、B(C 、Al(OC(CF 、およびCB1112 を含むがそれらに限定されない。中性の配位子Yの例は、二窒素(N)、ホスフィン類、CO、ニトロシル類、オレフィン類、アミン類、エーテル類等を含む。Yの具体例は、PH、PMe、CO、NO、エチレン、THFおよびNHを含むがそれらに限定されない。
本発明のプロセスにおいて使用する触媒を調製するためにさまざまな方法を使用できる。一実施態様において、触媒は、触媒前駆体と活性化剤とを、溶媒、シリルヒドリド、少なくとも一つの不飽和基を含有する化合物、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの成分を含有する液体メディウムの存在下で接触させることによってその場で生成でき、ここで該触媒前駆体は構造式(IV)
Figure 2017171661

によって表され、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造を形成してもよく、そして
Xは、F、Cl、Br、I、CF40SO もしくはR50COOからなる群より選択され、式中、R40は共有結合もしくはC1〜C6のアルキレン基であり、そしてR50はC1〜C10のヒドロカルビル基である。
活性化剤は、NaHBEt、CHLi、DIBAL−H、LiHMDSならびにそれらの組み合わせのような還元剤もしくはアルキル化剤であってよい。好ましくは、還元剤は、−0.6Vよりもより負の還元電位を持つ(Chem.Rev. 1996、96、877−910に記載されるように対フェロセン。より大きな負の数はより大きな還元電位を示す)。好ましくは、還元電位は−0.76〜−2.71Vの範囲である。もっとも好ましい還元剤は−2.8〜−3.1Vの範囲の還元電位を持つ。
触媒を調製する方法は当分野の当業者に既知である。例えば米国特許出願公開2011/0009573A1に開示されるように、触媒はPDI配位子とFeBrのような金属ハライドとを反応させることによって調製し得る。典型的には、PDI配位子は、適切なアミンもしくはアニリンと2,6−ジアセチルピリジンおよびその誘導体と縮合させることによって製造できる。もし所望なら、PDI配位子は、公知の芳香族置換化学によってさらに修飾し得る。
本発明のプロセスにおいて、触媒は、炭素、シリカ、アルミナ、MgCl、もしくはジルコニアのような支持体上、または例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(アミノスチレン)、もしくはスルホン化ポリスチレンのようなポリマーもしくはプレポリマー上において支持されていなくても固定されていてもよい。金属錯体もまたデンドリマー上に支持されていてもよい。
ある実施態様において、本発明の金属錯体を支持するために接着させることを目的として、金属錯体のR〜Rの少なくとも一つ、好ましくはRが、支持体へと共有結合するのに効果的である官能基を持つことが望ましい。例示的な官能基は、SH、COOH、NHもしくはOH基を含むがそれらに限定されない。
一実施態様において、シリカで支持される触媒が、例えばMacromol.Chem.Phys.2001、202、No.5、645−653ページ;Journal of Chromatography A、1025(2003)65−71のような文献に記載されるようなRing−Opening Metathesis Polymerization(ROMP)技術によって調製され得る。
デンドリマーの表面に触媒を固定するための一つの方法は、Journal of Organometallic Chemistry673(2003)77−83にKimによって示されるような、基部の存在下におけるSi−Cl結合の元のデンドリマーと官能化PDIとの反応によるものである。
本発明のプロセスにおいて使用される少なくとも一つの不飽和基を含有する不飽和化合物は、一つ、二つ、三つもしくはそれ以上の不飽和を持つ化合物であり得る。そのような不飽和化合物の例は、オレフィン、シクロアルケン、アルキルキャップアリルポリエーテルのような不飽和ポリエーテル、ビニル官能化アルキルキャップアリルもしくはメタリルポリエーテル、アルキルキャップ末端不飽和アミン、アルキン、末端不飽和アクリラートもしくはメタクリラート、不飽和アリールエーテル、ビニル官能化ポリマーもしくはオリゴマー、ビニル官能化シラン、ビニル官能化シリコーン、不飽和脂肪酸、不飽和エステルおよびそれらの組み合わせを含む。
脱水素シリル化反応に好適な不飽和ポリエーテルは好ましくは一般式:
(OCHCH(OCHCHR−OR (式V)もしくは
O(CHRCHO)(CHCHO)−CR −C≡C−CR −(OCHCH(OCHCHR (式VI)もしくは
C=CRCHO(CHOCH(CHOCHRCHCR=CH (式VII)
を持つポリオキシアルキレンであり、
式中、Rは、アリル、メチルアリル、プロパギルもしくは3−ペンチニルのような2〜10個の炭素原子を含有する不飽和の有機基を示す。不飽和がオレフィンのとき、それは望ましくは円滑な脱水素シリル化を促進するために末端である。しかしながら、不飽和が三重結合である時、それは内部にあり得る。Rは水素、ビニル、もしくはアルキル基:CH、n−C、t−Cもしくはi−C17;CHCOO、t−CCOOのようなアシル基、CHC(O)CHC(O)Oのようなベータ−ケトエステル基、またはトリアルキルシリル基のような1〜8個の炭素原子のポリエーテルキャップ基である。RおよびRは、例えばメチル、エチル、イソプロピル、2−エチルヘキシル、ドデシルおよびステアリルのようなC1−C20アルキル基、例えばフェニルおよびナフチルのようなアリール基、例えばベンジル、フェニレチルおよびノニルフェニルのようなアルカリルもしくはアラルキル基、または例えばシクロヘキシルおよびシクロオクチルのようなシクロアルキル基のような一価の炭化水素基である。Rはまた、水素であっても良い。メチルはもっとも好ましいRおよびR基である。zの各々は0から100以下であり、そしてwの各々は0から100以下である。zおよびwの好ましい値は1から50以下である。
本発明のプロセスにおいて有用な好ましい不飽和の具体例は、N,N−ジメチルアリルアミン、アリロキシ置換ポリエーテル、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、スチレン、ビニルノルボルナン、5−ビニル−ノルボルナン、1−オクタデセンのような長鎖、直鎖のアルファオレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネンおよび3−ヘキセンのような内部オレフィン、イソブチレンおよび3−メチル−1−オクテンのような分岐オレフィン、例えばポリブタジエン、ポリイソプレンおよびEPDMのような不飽和ポリオレフィン、オレイン酸、リノール酸およびメチルオレアートのような不飽和酸もしくはエステル、式(VIII)のビニルシロキサンならびにそれらの組み合わせを含み、ここで式(VIII)は
Figure 2017171661

であり、
式中、Rの各々は独立してC1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、ビニル、アリール、もしくは置換アリール、そしてnは0より大きいかもしくは0と等しい。ここで定義されるとき、「内部オレフィン」は、3−ヘキセンのようにオレフィン基が鎖もしくは分岐の末端に配置されないことを意味する。
反応において使用されるシリルヒドリドは特には限定されない。RSiH4−a、(RO)SiH4−a、O およびそれらの組み合わせからなる群より選択される任意の化合物であり得る。シリルヒドリドは直鎖、分岐もしくは環状ならびにそれらの組み合わせの構造を含有し得る。ここで使用されるとき、Rの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキルであり、式中、Rは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、aの各々は独立して1〜3の値を持ち、p、u、v、yおよびzの各々は独立して0から20の値を持ち、wおよびxは0から500であり、ただしp+x+yは1から500に等しく、シリルヒドリド中のすべての元素の価は満たされている。好ましくは、p、u、v、yおよびzは0から10であり、wおよびxは0から100であり、ここでp+x+yは1から100と等しい。
ここで用いられるとき、「M」基は、式R’SiO1/2の単官能基を表わし、「D」基は、式R’SiO2/2の二官能基を表わし、「T」基は、式R’SiO3/2の三官能基を表わし、そして「Q」基は、式SiO4/2の四官能基を表わし、「MH」基はHR’3−gSiO1/2を表わし、「T」はHSiO3/2を表わし、「D」は、R’HSiO2/2を表わす。ここで用いられるとき、gは1から3の整数である。R’の各々は独立してC1−C18アルキル、C1−C18置換アルキルであり、ここでR’は任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する。
少なくとも一つのシリルヒドリド官能基を含有するシリルヒドリドの例は、RSiH4−a、(RO)SiH4−a、HSiR(OR)3−a、RSi(CH(SiRO)SiRH、(RO)Si(CH(SiRO)SiRH、Q およびそれらの組み合わせを含み、式中、QはSiO4/2であり、TはR’SiO3/2であり、TはHSiO3/2であり、DはR’SiO2/2であり、DはR’HSiO2/2、MはHR’3−gSiO1/2であり、MはR’SiO1/2であり、RおよびR’の各々は独立してC1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびR’は任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、aの各々は独立して1から3の値を持ち、fは1から8の値を持ち、kは1から11の値を持ち、gは1から3の値を持ち、pは0から20であり、uは0から20であり、vは0から20であり、wは0から1000であり、xは0から1000であり、yは0から20であり、そしてzは0から20であり、p+x+yは1から3000に等しいという条件であり、そしてシリルヒドリド中のすべての元素の価数は満たされている。上述の式中、p、u、v、yおよびzは0から10であってよく、wおよびxは0から100であってよく、ここでp+x+yは1から100に等しい。
一実施態様において、シリルヒドリドは以下の構造の一つを持ち得る:
(RO)SiH (式IX)
Figure 2017171661

式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、Rは水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、xおよびwは独立して0より大きいかもしくは0と等しく(式Xではxは少なくとも1と等しい)、そしてaおよびbは0から3の整数であり、a+b=3であるという条件である。
式(I、IIおよびIII)で示される触媒は、脱水素シリル化反応を触媒するのに有用である。例えば、トリエトキシシラン、トリエチルシラン、MDMもしくはシリルヒドリド官能性ポリシロキサン(例えば、Momentive Performance Materials., Inc.からのSL6020)のような適切なシリルヒドリドは、Co触媒の存在下でオクテン、ドデセン、ブテンなどのようなモノ不飽和炭化水素と反応し、生じる産物は、末端シリル置換アルケンであり、不飽和はシリル基と比べてベータ位にある。反応の副産物は水素化オレフィンである。反応がシラン対オレフィンの0.5:1のモル比で実施される場合、生じる産物は1:1の比率で形成される。例は下の反応図に示される。
Figure 2017171661
反応は典型的には周囲温度と周囲気圧で容易であるが、より低い温度もしくはより高い温度(0℃から300℃)またはより低い気圧もしくはより高い気圧(周囲気圧から3000psi)で実施可能である。N,N−ジメチルアリルアミン、アリロキシ置換ポリエーテル、シクロヘキサン、および直鎖アルファオレフィン類(すなわち、1−ブテン、1−オクテン、1−ドデセンなど)のような不飽和の化合物の範囲がこの反応において利用できる。内部二重結合を含有するアルケンが使用されるとき、触媒は第一にオレフィンを異性化でき、生じる反応産物は末端不飽和アルケンが使用されるときと同じである。
Figure 2017171661
反応が1:1シリルヒドリド対オレフィンの比率において実施されると、反応はbis−置換シランをもたらし、シリル基が化合物の末端に位置し、そして産物中にはまだ不飽和基が存在する。
Figure 2017171661
触媒が末端置換シリルアルケンを調製するために最初に用いられるとき、第二のシランが非対称置換bis−シリルアルケンを製造するために添加され得る。生じるシランは両端で末端置換されている。このbis−シランは、シリル化産物より容易に誘導できるジオールもしくは他の化合物のようなアルファ,オメガ−置換アルカンもしくはアルケンの製造に有用な開始物質となり得る。長鎖アルファ,オメガ−置換アルカンもしくはアルケンは今日では容易には調製できず、独自のポリマー(ポリウレタンのような)や他の有用な化合物の調製のためのさまざまな用途を持ち得る。
Figure 2017171661
アルケンの二重結合はこれらのコバルト触媒を用いる脱水素シリル化反応中において保存されているので、単不飽和オレフィンがポリマーを含有するシリルヒドリドを架橋するのに使用される。例えば、SL6020(MD15 30M)のようなシリルヒドリドポリシロキサンは、本発明のコバルト触媒の存在下で1−オクテンと反応でき、架橋した弾性物質を製造し得る。ヒドリドポリマーや架橋に用いるオレフィンの長さを変更することによってこの方法でさまざまな新規の物質を製造し得る。従って本発明のプロセスで使用される触媒は、例えば剥離コートのようなコート、室温加硫化物、シーラント、接着剤、農業およびパーソナルケア用途のための産物、およびポリウレタン泡を安定化させるシリコーン界面活性剤を含むがそれらに限定されない有用なシリコーン産物の調製に有用である。
さらに、脱水素シリル化は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、EPDM型コポリマーのような任意の数の不飽和ポリオレフィンで実行でき、従来用いられるよりより低い温度でこれらの商業的に重要なポリマーをシリル基で官能化するかもしくはそれらを複数のSiH基を持つヒドロシロキサンを用いて架橋する。これは、これらのすでに価値のある材料の用途をより新しい商業的に有用な領域へと拡張する可能性を提供する。
一実施態様において、触媒は、シリルヒドリドを含有する組成物と少なくとも一つの不飽和基を含有する化合物との脱水素シリル化に有用である。プロセスは、化合物を、支持されているかもしくは支持されていない触媒の金属錯体へと接触させ、シリルヒドリドを少なくとも一つの不飽和基を持つ化合物と反応させて、金属錯体触媒を含んでいるかもしれない脱水素シリル化産物を製造することを含む。脱水素シリル化反応は任意選択で溶媒の存在下で実施できる。所望なら、脱水素シリル化反応が完了したあと、金属錯体を反応産物から磁気分離および/もしくはろ過によって除去し得る。これらの反応は原液でも適切な溶媒に希釈してでも実施できる。典型的な溶媒は、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテルなどを含む。反応を不活性雰囲気下で実施することは好ましい。触媒は、適切な還元剤を用いる還元によってその場で生成し得る。
本発明の触媒錯体は、脱水素シリル化反応を触媒する際には、効率的かつ選択的である。例えば、本発明の触媒錯体がアルキルキャップアリルポリエーテルもしくは不飽和基を含有する化合物の脱水素シリル化において使用されるとき、反応産物は、反応しないアルキルキャップアリルポリエーテルおよびその異性化産物を実質的に含まない。一実施態様において、反応産物は、反応しないアルキルキャップアリルポリエーテルおよびその異性化産物を含まない。さらに、不飽和基を含有する化合物が不飽和アミン化合物であるとき、脱水素シリル化産物は、内部付加産物、反応しない不飽和アミンおよび不飽和アミン化合物のイソマー化産物を実質的に含まない。ここで用いるとき「実質的に含まない」は、ヒドロシリル化産物の総重量に基づいて10%未満を、好ましくは5%未満を意味する。「内部付加産物を実質的に含まない」はケイ素が末端炭素へと付加する事を意味する。
以下の実施例は例示を意味し、本発明の範囲の限定を意味するものではない。他に明示的に述べられない限りすべての部およびパーセントは重量の基づくもので、すべての温度は摂氏によるものである。本出願において引用されるすべての出版物および米国特許は、参照によりそのすべての内容をここに組み入れる。
一般的な考慮事項
すべての空気および湿気感受性の操作は、標準的な真空ラインSchlenkとカニューレ技術を用いるかまたは、精製窒素の環境を持つMBraun不活性環境乾燥ボックス中で実施された。空気および湿気感受性の操作のための溶媒は、文献的手順を用いて最初に乾燥して脱酸素化された(Pangborn,ABら、Organometallics 15:1518(1996))。クロロフォルム−dおよびベンゼンdは、Cambridge Isotope Laboratoriesより購入された。錯体(iPrPDI)CoN(Bowman ACら、JACS 132:1676(2010))、(EtPDI)CoN(Bowman ACら、JACS 132:1676(2010))、(iPrBPDI)CoN(Bowman ACら、JACS 132:1676(2010))、(MesPDI)CoCH(Humpheries,MJ Organometallics 24:2039.2(2005))、(MesPDI)CoCl(Humpheries,MJ Organometallics 24:2039.2(2005))、[(MesPDI)CoN][MeB(C](Gibson,VCら、J.Chem.Comm.2252(2001))、および[(MesPDI)CoCH][BArF24](Atienza,CCHら、Angew.Chem.Int.Ed.50:8143(2011))が、文献に報告される手順に従って調製された。Bis(トリメチルシロキシ)メチルシラン(MD’M)、(EtO)SiHおよびEtSiHがMomentive Performance Materialsより入手され、使用前に水素化カルシウムから蒸留された。基質、1−オクテン(TCI America)、tert−ブチルエチレンもしくはTBE(Alfa Aesar)、N,N−ジメチルアリルアミン(TCI America)およびスチレン(Alfa Aesar)は水素化カルシウム上で乾燥され、使用前に減圧下で蒸留された。1−ブテン(TCI America)、アリルアミン(Alfa Aesar)およびアリルイソシアナート(Alfa Aesar)が4オングストロームのモレキュラーシーブ上で乾燥された。SilForce(登録商標)SL6100(Mvi120vi)、SilForce(登録商標)SL6020(M15 30M)、およびアリルポリエーテルがMomentive Performance Materialsより入手され、使用前に12時間、高圧下で乾燥された。
H NMRスペクトルは、Inova 400および500分光器上でそれぞれ399.78および500.62MHzで操作して記録された。13C NMRスペクトルは、Inova500分光器上で125.893MHzで操作して記録された。すべてのHと13CのNMRの化学シフトは、第二の標準として溶媒のH(残余)および13Cの化学シフトを用いてSiMeと比較して記録された。以下の略語と用語が使用された。bs:ブロード・シングレット(broad singlet)、s:シングレット(singlet)、t:トリプレット(triplet)、bm:ブロードマルチプル(broad multiple)、GC:ガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography)、MS:質量分析(Mass Spectroscopy)、THF:テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)。
Shimadzu AOC−20sオートサンプラーおよびShimadzu SHRXI−5MSキャピラリーカラム(15m×250μm)を備えたShimadzu GC−2010ガスクロマトグラフにおいてGC分析が実施された。装置は1μlの投入容量で、20:1のインレットスプリット比で、それぞれ250℃と275℃のインレットと検出器の温度にセットされた。UHP−グレードのヘリウムが、1.82ml/分の流速で担体ガスとして使用された。すべての分析で使用される温度プログラムは以下のようであった:60℃1分、250℃まで15℃/分、2分。
以下に記載される触媒の充填は、コバルト錯体のモル%によって報告される(モルCo錯体/モルオレフィン×100)。
実施例1:(MesPDI)CoNの合成
この化合物は、0.500g(0.948ミリモル)の(MesPDI)CoCl、0.110g(4.75gミリモル、5.05当量)のナトリウムおよび22.0g(108ミリモル、114当量)の白金を用いて(iPrPDI)CoNの合成(上述のBowman)と同様の方法で調製された。3:1ペンテン/トルエンからの再結晶化で0.321(70%)の非常に暗いティール色の結晶を得、(MesPDI)CoNと識別された。C2731Coの分析:計算値 C、66.93;H、6.45;N、14.45。実測値 C、66.65;H、6.88;N、14.59。H NMR(ベンゼン−d):3.58(15Hz)、4.92(460Hz)。IR(ベンゼン)νNN=2089cm−1
実施例2:(MesPDI)CoOHの合成
20mlのシンチレーションバイアルに0.100(0.203ミリモル)の(MesPDI)CoCl、0.012g(0.30ミリモル、1.5当量)のNaOHおよびおおよそ10mlのTHLを充填した。反応は2日間攪拌され、溶液の色は暗いピンクから赤へと変化した。THFは真空中で除去され、そして残余物はおおよそ20mlのトルエンに溶解された。生じる溶液はCeliteでろ過され、溶媒はろ過物より真空中で除去された。3:1ペンテン/トルエンからの粗生成物の再結晶化で0.087g(90%)の暗いピンク色の結晶を得、(MesPDI)CoOHと識別された。化合物は溶液中で2色性で、緑がかったピンク色を示した。C2732CoNOの分析:計算値 C、68.49;H、6.81;N、8.87。実測値 C、68.40;H、7.04;N、8.77。H NMR(ベンゼン−d):δ=0.26(s、6H、C(CH))、1.07(s、1H,CoOH)、2.10(s、12H、o−CH)、2.16(s、6H、p−CH)、6.85(s、4H、m−アリール))、7.49(d、2H、m−ピリジン)、8.78(t、1H、p−ピリジン)。13C{H}NMR(ベンゼン−d):δ=19.13(o−CH)、19.42(C(CH))、21.20(p−CH)、114.74(p−ピリジン)、121.96(m−ピリジン)、129.22(m−アリール)、130.71(o−アリール)、134.78(p−アリール)、149.14(i−アリール)、153.55(o−ピリジン)、160.78(C=N)。IR(ベンゼン)νOH=3582cm−1
実施例3:さまざまなCo錯体を用いる1−オクタンのHDMでのシリル化
窒素で満たされた乾燥ボックス中で、シンチレーションバイアルに0.100(0.891ミリモル)の1−オクテン、および0.009ミリモル(1モル%)のコバルト錯体(具体的な量は表1を参照)を充填した。0.100g(0.449ミリモル、0.50当量)のMDMが混合物へと添加され、反応は1時間室温で攪拌された。反応は空気に曝すことによって停止され、産物の混合物はガスクロマトグラフィーとNMR分光法で分析された。
Figure 2017171661
Figure 2017171661
実施例4:(MesPDI)CoCHおよび(MesPDI)CoNを用いる1−オクテンの異なるシランでのシリル化
窒素で満たされた乾燥ボックス中において、シンチレーションバイアルに0.100g(0.891ミリモル)の1−オクテンおよび0.009ミリモル(1モル%)のコバルト錯体(0.004gの(MesPDI)CoCHもしくは0.004gの(MesPDI)CoN)が充填された。0.449ミリモル(0.5当量)のシラン(0.100gのMDM、0.075gの(EtO)SiHもしくは0.052gのEtSiH)が混合物へと添加され、反応は所望の時間、室温で攪拌された。反応は空気に曝すことによって停止され、産物の混合物はガスクロマトグラフィーとNMR分光法で分析された。結果を表2に示す。
Figure 2017171661
実施例3:コバルトプレ触媒のその場での活性化
20mlシンチレーションバイアルに0.100g(0.891ミリモル)の1−オクテン、0.100g(0.449ミリモル)のMDMおよび0.005g(0.009ミリモル、1モル%)の(MesPDI)CoClが添加された。0.019ミリモル(2モル%)の活性化剤(0.019mlのトルエン中の1.0M NaHBEt;0.012mlのジエチルエーテル中1.6M CHLi;0.019mlのトルエン中1.0M DIBAL−H;0.003gのLiHMDS)がその後に混合物へと添加され、反応は1時間室温で攪拌された。反応は空気に曝すことによって停止され、GCによる混合物の分析が後に続いた。すべての事例において、1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテンとオクタンのおおよそ1:1の混合物への1−オクテンの完全な転換が観察された。
実施例4:(MesPDI)CoCHを用いるcis−およびtrans−4−オクテンの異なるシランでのシリル化。
反応は、0.100g(0.891ミリモル)のcis−もしくはtrans−4−オクテンならびに0.009ミリモル(1モル%)のコバルト錯体(0.004gの(MesPDI)CoCH)、ならびに0.629ミリモル(0.5当量)のシラン(0.100gのMDM、0.075gの(EtO)SiHもしくは0.052gのEtSiH)を用いて1−オクテンのシリル化と同様の方法で実施された。反応は24時間室温で攪拌され、空気に曝すことによって停止され、そしてガスクロマトグラフィーとNMR分光法で分析された。結果を表3に示す。
Figure 2017171661
実施例5:(MesPDI)CoCHを用いるHの存在下での1−オクテンのMDMでのシリル化
窒素を充填した乾燥ボックス内で、厚肉ガラス容器に0.200g(1.78ミリモル)の1−オクテンおよび0.400g(1.80ミリモル)のMDMが充填された。溶液は冷水溜め中で凍結され、0.008(0.017ミリモル、1モル%)の(MesPDI)CoCHが凍結溶液の表面に添加された。反応容器はすばやくキャップされ、乾燥ボックスより取り出され、そして液体窒素で満たされたデュワーへと配置され、凍結溶液が保持された。容器は脱気され、おおよそ1気圧のHが入れられた。溶液は解凍され、1時間攪拌された。反応はガラス容器を空気に向けて開口することで停止された。GCによる産物の混合物の分析は1−オクテンからオクタン(74%)および1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリルオクタン(24%)への98%以上の転換を示した。
Figure 2017171661
実施例6:[(MesPDI)CoN][MeB(C]を用いる1−オクタンのMDMでのヒドロシリル化
[(MesPDI)CoN][MeB(C]を発生させるために、20mlのシンチレーションバイアルに0.004g(0.008ミリモル)の(MesPDI)CoCH、0.005g(0.01ミリモル、1.2当量)のB(Cおよびおおよそ2mlのトルエンが充填された。反応は10分間攪拌され、溶媒の真空中の除去が後に続いた。0.100g(0.891ミリモル)の1−オクテンおよび0.200g(0.899ミリモル)のMDMがバイアルに添加され、反応は室温で24時間攪拌された。反応は空気に曝して停止された。GCおよびHNMR分光法による分析は、開始物質から1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリルオクタン(68%)、1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテン(12%)およびオクタン(10%)への90%の転換を示した。
Figure 2017171661
産物:
Figure 2017171661

の分析
1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテン
H NMR(ベンゼン−d):δ=0.16(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.18(s、18H、OSi(CH)、0.90(t、3H、H)、1.27(m、2H、H)、1.29(m、2H、H)、1.40(m、2H、H)、1.59(d、2H{75%}、H−trans異性体)、1.66(d、2H{25%}、H−cis異性体)、2.07(m、2H{75%}、H−trans異性体)、2.11(m、2H{25%}、H−cis異性体)、5.44(m、1H{75%}、H−trans異性体)、5.48(m、1H{25%}、H−cis異性体)、5.55(m、1H{75%}、H−trans異性体)、5.60(m、1H{25%}、H−cis異性体)。13C{H}NMR(ベンゼン−d):δ=−0.46((OTMS)SiCH)、2.04(OSi(CH)、14.35(C)、22.99(C−trans)、23.05(C−cis)、24.12(C)、29.87(C−cis)、30.00(C−trans)、31.79(C−trans)、32.05(C−cis)、33.37(C)、124.37(C−cis)、125.14(C−trans)、129.06(C−cis)、130.47(C−trans)。
1−トリエトキシシリル−2−オクテン
H NMR(ベンゼン−d):δ=0.88(t、3H、H)、1.19(t、9H、OCHCH)、1.26(m、2H、H)、1.26(m、2H、H)、1.36(m、2H、H)、1.74(d、2H{75%}、H−trans異性体)、1.78(d、2H{25%}、H−cis異性体)、2.02(m、2H{75%}、H−trans異性体)、2.13(m、2H{25%}、H−cis異性体)、3.83(q、6H、OCHCH)、5.45(m、1H{75%}、H−trans異性体)、5.49(m、1H{25%}、H−cis異性体)、5.66(m、1H{75%}、H−trans異性体)、5.69(m、1H{25%}、H−cis異性体)。13C{H}NMR(ベンゼン−d):δ=14.35(C)、17.14(C)、18.61(OCHCH)、22.98(C)、17.14(C)、29.87(C)、31.72(C)、33.26(C−trans)、33.47(C−cis)、58.69(OCHCH)、123.38(C−cis)、124.46(C−trans)、130.94(C−trans)、130.98(C−cis)。
1−トリエチルシリル−2−オクテン
H NMR(ベンゼン−d):δ=0.55(t、6H、Si(CHCH)、0.91(t、3H、H)、0.97(t、9H,Si(CHCH)、1.28(m、2H、H)、1.32(m、2H、H)、1.36(m、2H、H)、1.50(d、2H{75%}、H−trans異性体)、1.54(d、2H{25%}、H−cis異性体)、2.03(m、2H{75%}、H−trans異性体)、2.08(m、2H{25%}、H−cis異性体)、5.47(m、1H{75%}、H−trans異性体)、5.50(m、1H{25%}、H−cis異性体)、5.36(m、1H{75%}、H−trans異性体)、5.38(m、1H{25%}、H−cis異性体)。13C{H}NMR(ベンゼン−d):δ=2.82(Si(CHCH)、7.70(Si(CHCH)、14.42(C)17.70(Ca−trans)、17.71(C−cis)、23.04(C)、23.19(C)、29.94(C)、32.40(C−trans)、32.47(C−cis)、126.41(C−trans)、126.46(C−cis)、129.31(C−trans)、129.33(C−cis)。
実施例7:(MesPDI)CoCHを用いる1−ブテンの異なるシランでのシリル化
肉厚ガラス容器に0.449ミリモルのシラン(0.100gのMD’M、0.075gの(EtO)SiHもしくは0.052gのEtSiH)および0.004g(0.009ミリモル)の(MesPDI)CoCHを充填した。混合物は液体窒素で凍結され、反応容器は脱気された。0.891ミリモルの1−ブテンが容器へ校正ガスバルブを用いて投入された。混合物は解凍され、室温で1時間攪拌された。揮発性物質はCDClを含有するJ.Youngチューブへと蒸留され、NMR分光法で分析された。残った残余物は空気に曝され、そしてGCおよびNMR分光法で分析された。結果は表4に示される。
Figure 2017171661
産物の分析
1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−ブテン
H NMR(CDCl):δ=0.00および0.01(s、2×3H、(OTMS)SiCH)、0.08および0.09(s、2×18H、OSi(CH)、1.38および1.45(d、2×2H、SiCHCH=CH)、1.57および1.64(d、2×3H、CH=CHCH)、5.25から5.43(m、4×1H、CH=CH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=−0.44および−0.60((OTMS)SiCH);1.98(OSi(CH);18.27(CH=CHCH);19.19および23.71(SiCHCH=CH);127.17、124.12、125.34、126.09(CH=CH)。
1−トリエトキシシリル−2−ブテン
H NMR(CDCl):δ=1.21(t、2×9H、OCHCH)、1.55および1.60(d、2×2H、SiCHCH=CH)、1.61および1.62(d、2×3H、CH=CHCH)、3.81および3.82(q、2×6H、OCHOCH)、5.38および5.48(m、4×1H、CH=CH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=11.84(SiCHCH=CH);18.20および18.23(CH=CHCH);18.36および13.38(OCHCH);58.64および58.65(OCHCH);123.33、123.68、124.46、125.31(CH=CH)。
実施例8:(MesPDI)CoCHを用いるTBEのMDMでのシリル化
反応は、0.100g(0.449ミリモル)のMDM、0.004g(0.008ミリモル)の(MesPDI)CoCHおよび0.891ミリモルのTBEを用いて1−ブテンのシリル化と同様に実施された。H NMR分光法による揮発性物質の分析は、反応しないTBEと2,2−ジメチルブタンの4:1混合物を示した(33%転換)。GCおよびNMR分光法のシラン産物の分析は、trans−1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3,3−ジメチル−1−ブテンのみを示した。
H NMR(CDCl):δ=0.00(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.09(s、18H、OSi(CH)、0.99(s、9H、OSi(CH)、5.37(d、J=19.07、1H SiCH=CH)、6.13(d、J=19.07 Hz、1H、CH=CHC(CH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=0.00((OTMS)SiCH);2.01(OSi(CH);28.96(C(CH));34.91(C(CH));121.01(SiCH=CH);159.23(SiCH=CH)。
実施例9:(MesPDI)CoCHおよび(MesPDI)CoNを用いるN,N−ジメチルアリルアミンの異なるシランでのシリル化
窒素充填乾燥ボックス中で、シンチレーションバイアルに0.090g(1.1ミリモル)のN,N−ジメチルアリルアミンおよび0.50ミリモル(0.5当量)のシラン(0.118gのMDM、0.087gの(EtO)SiHもしくは0.062gのEtSiH)が充填された。0.01ミリモル(0.1モル%)のコバルト錯体(0.005gの(MesPDI)CoCHもしくは0.005gの(MesPDI)CoN)が添加され、反応は室温で1時間攪拌された。反応は空気に曝すことで停止され、産物の混合物はNMR分光法で分析された。結果は表5に示される。
Figure 2017171661
Figure 2017171661
産物の分析
N,N−ジメチル−3−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−1−プロペニルアミン
H NMR(ベンゼン−d):δ=0.14(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.18(s、18H、OSi(CH)、1.50(dd、J=7.7、1.2Hz、2H、SiCHCH=CH)、2.35(s、6H、N(CH)、4.25(dt、J=13.6、7.7Hz、1H、CHCH=CH)、5.80(dt、J=13.6、1.2Hz、1H、CHCH=CH)。13C{H}NMR(ベンゼン−d):δ=0.61((OTMS)SiCH);2.12(OSi(CH));20.49(SiCHCH=CH)、41.08(N(CH)、94.09(CHCH=CH)、140.57(CHCH=CH)。
N,N−ジメチル−3−トリエトキシシリル−1−プロペニルアミン
H NMR(ベンゼン−d):δ=1.18(t、J=7.0、9H、OCHCH)、1.66(dd、J=7.5、1.2Hz、2H、SiCHCH=CH)、2.30(s、6H、N(CH)、3.84(q、J=7.0、6H、OCHCH)、4.31(dt、J=13.6、7.5Hz、1H、CHCH=CH)、5.85(dt、J=13.6、1.2Hz、1H、CHCH=CH)。13C{H}NMR(ベンゼン−d):13.48(SiCHCH=CH)、18.41(OCHCH)、40.98(N(CH)、58.65(OCHCH)、92.95(CHCH=CH)、140.82(CHCH=CH)。
実施例10:メチルキャップ化アリルポリエーテル(HC=CHCHO(CO)8.9CH)のメチルbis(トリメチルシロキシ)シラン(MDM)でのシリル化
シンチレーションバイアルに0.100gの平均式HC=CHCHO(CO)8.9CHのメチルキャップ化アリルポリエーテルおよび0.025g(0.11ミリモル、0.5当量)のMD’Mが充填された。ポリエーテルとシランの攪拌中の溶液に1mg(0.002ミリモル;1モル%)の(MesPDI)CoCHが添加された。シンチレーションバイアルがシールされ、乾燥ボックスより取り出され、65℃のオイルバスに配置された。反応混合物は1時間攪拌され、バイアルはオイルバスから取り出され、容器を空気へと開口して反応が止められた。産物のH HMR分光法は、シリル化産物とプロピルポリエーテルとの1:1混合物を立証した。
Figure 2017171661
(OTMS)Si(CH)CHCH=CHO(CO)8.9CH
H NMR(CDCl):δ=−0.06(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.03(s、18H、OSi(CH)、1.55(dd、J=7.8、1.1Hz、2H、SiCHCH=CH)、3.32(s、3H、OCH)、3.5−3.7(O−CHCH−O)、5.28(dt、J=18.5、1.1Hz、1H、CHCH=CH)、6.07(dt、J=18.5、7.8Hz、1H、CHCH=CH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=0.11((OTMS)SiCH)、1.65(OSi(CH)、29.24(SiCHCH=CH);59.0(OCH)、70−72(O−CHCH−O)、127.02(CHCH=CH)、144.38(CHCH=CH)。
実施例11 スチレンのヒドロシリル化
肉厚ガラス容器に0.500g(4.80ミリモル)のスチレン、1.080g(4.854ミリモル、1.01当量)のMD’Mおよび0.020g(0.042ミリモル、1モル%)の(MesPDI)CoCHが充填された。反応はオイルバスで75℃96時間攪拌され、空気に曝して停止された。産物の混合物のH NMR分光による分析は、スチレンからBis(トリメチルシロキシ)メチル(フェニレチル)シラン(15%)およびエチルベンゼン(5%)への20%転換を示した。Bis(トリメチルシロキシ)メチル(フェニレチル)シラン、[(OTMS)SiCH]はGC/MSで観測された。
Figure 2017171661
実施例12:Mvi120vi(SL6100)とMD15 30M(SL6020)の室温での架橋
シンチレーションバイアルに1.0gのMvi120vi(SL6100)(式中MviはビニルジメチルSiO)および0.044gのMD15 30M(SL6020)が充填された。第二のバイアルにおいて、触媒の溶液は0.010グラムの(MesPDI)CoCHもしくは(MesPDI)CoNをおおよそ0.300gのトルエン中に溶解することで調製された。触媒溶液はSL6100とSL6020の攪拌中の溶液に添加され、反応はゲル形成で観察された。反応を空気に曝して停止させたのちに生じたゲルは、Karstedt’s化合物を触媒として用いた同じ反応によって得られるものよりもより軟性であった。
原液条件でのポリマー架橋もまた、0.010gの(MesPDI)CoCHもしくは(MesPDI)CoNを1.0gのSL6100と0.044gのSL6020の攪拌中の溶液に添加することで調べられた。これらの反応から軟性ゲルが再び得られた。
実施例13:Mvi120vi(SL6100)とMD15 30M(SL6020)の65℃での架橋
これらの反応は、シンチレーションバイアルのシールののち、乾燥ボックスより取り出し、65℃のオイルバスに配置する追加のステップを含んで室温で実施されたものと同様の方法で実施された。反応を停止させたのちに生じたゲルは、Karstedt’s化合物を触媒として用いた同じ反応によって得られるものと識別不可能であった。結果は表6に示される。
Figure 2017171661
二重シリル化実験
実施例14:(MesPDI)CoCHを用いる1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテンのMDMでのシリル化
この実験は、0.100g(0.301ミリモル)1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテン、0.034g(0.152ミリモル、0.51当量)のMD’Mおよび0.001g(0.002ミリモル、1モル%)の(MesPDI)CoCHを用いて、1−オクテンのシリル化と同様の方法で実施された。反応は室温で24時間攪拌され、空気に曝して停止された。GC−FID、GC−MSおよびNMR分光法による混合物の分析は、1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリルオクタンおよび1,8−bis(bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル)−2−オクテン(大部分の異性体)のおおよそ1:1の混合物を示した。
1−トリメトキシシリル−2−オクテンのMDMでのシリル化の試みは、1−トリエトキシシリルオクタンの形成を伴う二シリル化産物の混合物をもたらした。同じ条件での1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテンと1−トリエトキシシリル−2−オクテンのTESでのシリル化は、それぞれ、1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリルオクタンおよび1−トリエトキシシリルオクタンの水素化産物のみをもたらした。
実施例15:(MesPDI)CoCHを用いる1−オクテンのMDMでの二重シリル化のための代替的な手順
この実験は、0.100g(0.891ミリモル)の1−オクテン、0.150g(0.674ミリモル、0.756当量)のMDMおよび0.004g(0.008ミリモル、1モル%)の(MesPDI)CoCHを用いて、1−オクテンのシリル化と同様の方法で実施された。反応は室温で24時間攪拌され、空気に曝して停止された。混合物のGC−FIDによる分析は、それぞれオクタン、1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリルオクタンおよび1,8−bis(bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル)−2−オクテン(大部分の異性体)のおおよそ1:0.5:0.5の混合物を示した。
実施例16:(MesPDI)CoCHを用いる1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−ブテンのMDMでのシリル化
この実験は、0.100g(0.361ミリモル)の1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−ブテン、0.040g(0.18ミリモル、0.50当量)のMDMおよび0.002g(0.004ミリモル、1モル%)の(MesPDI)CoCHを用いて、1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテンのシリル化と同様の方法で実施された。反応は24時間攪拌され、空気に曝して停止された。混合物のNMR分光法による分析は、以下の産物の分布を示した:50%の1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリルブタン、26%のtrans−1,4−bis(bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル)−2−ブテン、17%のcis−1,4−bis(bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル)−2−ブテン、5%のtrans−1,3−bis(bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル)−1−ブテン、および2%のtrans−1,4−bis(bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル)−1−ブテン。
産物の分析
1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリルブタン
H NMR(CDCl):δ=0.01(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.09(s、18H、OSi(CH)、0.45(m、2H、SiCHCHCHCH)、0.88(t、3H、SiCHCHCHCH)、1.26−1.33(m、4H、SiCHCHCHCH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=−0.66(OTMS)SiCH)、2.02(OSi(CH)、13.98(SiCHCHCHCH)、17.46(SiCHCHCHCH)、25.35および26.36(SiCHCHCHCH)。
Trans−1,4−bis(bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル)−2−ブテン
H NMR(CDCl):δ=0.01(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.09(s、18H、OSi(CH)、1.39(d、4H、SiCHCH=CHCHSi)、5.21(t、2H、SiCHCH=CHCHSi)。13C{H}NMR(CDCl):δ=−0.66((OTMS)SiCH)、2.02(OSi(CH)、23.95(SiCHCH=CHCHSi)、124.28(SiCHCH=CHCHSi)。
Cis−1,4−bis(bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル)−2−ブテン
H NMR(CDCl):δ=0.01(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.09(s、18H、OSi(CH)、1.41(d、4H、SiCHCH=CHCHSi)、5.31(t、2H、SiCHCH=CHCHSi)。13C{H}NMR(CDCl):δ=−0.38((OTMS)SiCH)、2.01(OSi(CH)、19.12(SiCHCH=CHCHSi)、122.86(SiCHCH=CHCHSi)。
Trans−1,3−bis(bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル)−1−ブテン
H NMR(CDCl):δ=0.01(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.09(s、18H、OSi(CH)、1.04(d、3H、CHCH)、1.64(m、1H、CHCH)、5.28(d、1H、SiCH=CH)、6.27(dd、1H、SiCH=CH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=−0.13((OTMS)SiCH)、2.00(OSi(CH)、12.07(CHCH)、31.69(CHCH)、123.37(SiCH=CH)、151.01(SiCH=CH)。
Trans−1,4−bis(bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル)−1−ブテン
H NMR(CDCl):δ=0.01(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.09(s、18H、OSi(CH)、0.58(m、2H、CHCHSi)、2.11(m、2H、CHCHSi)、5.46(d、1H、SiCH=CH)、6.20(m、1H、SiCH=CH)、13C{H}NMR(CDCl):δ=0.29((OTMS)SiCH)、2.07(OSi(CH)、16.28(CHCHSi)、29.79(CHCHSi)、125.73(SiCH=CH)、151.52(SiCH=CH)。
実施例17A−17F:(MesPDI)CoCHを用いるポリシロキサンのオレフィンでの架橋
20mlのシンチレーションバイアルに0.002g(0.004ミリモル、2000ppm触媒充填)の(MesPDI)CoCHおよびオレフィン(具体的な量は表7を参照)が充填された。均一なピンクの溶液が得られるまで混合物が攪拌された。典型的にはこのステップは5〜20分の間の攪拌を必要とした。ポリシロキサン(1:0.75のC=C対Si−H比、表7)が反応容器に添加され、混合物はオイルバスで65℃で4〜6時間攪拌された。生じるゲルはすり鉢とすりこぎを用いて粉状に粉砕され、ヘキサンを用いて洗浄されアルカン副産物が除去され、真空中で一晩乾燥された。
ヘキサン抽出サンプルのそれぞれは、Bruker AVANCE 400WB分光器で電界強度9.40T、Hの共鳴が400MHzという条件を用いて核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて分析された。マジックアングルスピニング(MAS)による単一パルス励起(SPE)パルス配配列が用いられ、{H−13C}SPE/MAS NMRスペクトルには150秒の遅延であり、{H−29Si}SPE/MAS NMRスペクトルには300秒の遅延であった。{H−13C}CP/MAS NMRスペクトルにマジックアングルスピニング(MAS)による交差偏光(CP)パルス配列が10秒の遅延と5msの接触時間で用いられた。約0.1gのそれぞれのサンプルがKel−Fのキャップと共に4mmのジルコニア(ZrO)ローターへと詰められ、ローターのスピンは29Siには〜8から10.8kHzであり、13Cには〜10.8kHzであった。共付加スキャンの数は、SPEデータには1000(13C)もしくは512(29Si)であり、CP/MAS 13Cデータのためには16,000であった。使用される処理パラメータはゼロ固定〜4×であり、13Cデータには5もしくは15HzのLBであり、29Siデータには30Hzであった。
Figure 2017171661
13C NMRの結果
1. オレフィン:1−オクテン
実施例17A、17Cおよび17Eのサンプルの化学シフトおよびその13C SPE/MASおよびCP/MASのNMRスペクトルの帰属が表8に要約される。スペクトルは、ケイ素上のメチル(CHSi)と一致するδ2からδ−2、直鎖型の炭化水素と一致するδ14〜35ならびにオレフィン(sp)炭素によるδ124〜135の3つの異なる化学シフト領域における複数のシグナルを示した。〜δ115でのシグナルが無いのは未反応の1−オクテンの残余が無いことを示す。2つの異なる実験からのデータは重大な差異を示す。CH、CHおよびオレフィン炭素の領域における重大な消失が見られる。結果は、サンプルのより移動相が飽和および不飽和の炭化水素である一方で、より硬質な相が以下の構造≡SiCHCHCH(CHCHCHCHSi≡からなるということを示した。しかしながら、CP実験において、オレフィンシグナルが大部分存在した。この結果は内部二重結合を持つ不飽和の構造≡SiCHCHCH=CH(CHCHCHCHの存在を示す(二重結合が2〜6位に存在し得ることに注意)。
δ125とδ131に見られるオレフィン炭素による2つのシグナルはおおよそ同じ強度であると見出された。このシグナルは2位と6位にある二重結合と一致する。サンプル17AのCPデータは、δ14に観測される非常に弱いピークを示し、二重結合が6位にあるとき大部分の構造がtransであるということを示す。trans6位におけるメチル基−CH=CHCHは、δ18に見られるシグナルと重なる。δ130付近の弱いシグナルは3、4もしくは5位の二重結合と一致する。
Figure 2017171661
2. オレフィン:1−オクタデセン
実施例17B、17Dおよび17Fのサンプルの化学シフトおよびその13C SPE/MASおよびCP/MASのNMRスペクトルの帰属が表9に要約される。スペクトルは1−オクテン架橋サンプルと非常に似ていて、ケイ素上のメチル(CHSi)と一致するδ2からδ−2、直鎖型の炭化水素と一致するδ14〜35ならびにオレフィン(sp)炭素によるδ124〜135の3つの異なる化学シフト領域における複数のシグナルを示した。しかしながら〜δ30にみられるシグナルは、1−オクタデセン開始物質のメチレン基(CH)のより大きい数のために、有意に強かった。第二の差異はオレフィン化学シフト範囲に見られた。〜δ125に見られるピークは〜δ131に見られるピークと同じではなかった。これは二重結合が末端の1つの近辺にあるのではなく内部にあることを示唆する。
以下のリストは1−オクテンのデータの結果と類似する点を要約する。
・〜δ115においてピークが見られず、未反応の1−オクタデセンの残余がないことを示す。
・SPEおよびCPのデータが、CH、CHおよびオレフィン炭素のピーク領域において有意に消失していることを示す。
・サンプルのより移動相が飽和および不飽和の炭化水素である一方で、より硬質な相が以下の構造≡SiCHCHCH(CH12CHCHCHSi≡からなる。
・CP実験は以下の型の構造を示す大部分のオレフィンシグナルを示した。≡SiCHCHCH=CH(CH12CHCHCH(二重結合が2〜16位に存在し得ることに注意)。CP/MAS実験で見られるδ15付近のCHピークの消失が、移動相での炭化水素型分子と関連するメチル基と以下の型の構造≡SiCHCHCH=CH(CH13CHの組み合わせのためであり、そして消失する強度が分子末端に存在する基によるものであって、より大きい移動度を生じる。メチル基はまた、架橋点からでもある。
Figure 2017171661
実施例17の6つのサンプルの29Si SPE/MAS NMRスペクトルの化学シフトおよび帰属は表10に要約される。δ−26で観測されるシグナルはアリルもしくは2つの位置に二重結合を持つオルガノ官能性基を持つD、≡SiCHCH=CHCH(CHCHに帰属する。このシグナルは、実施例17Aにおいては、他のサンプルのスペクトルに比べて非常に強かった。また、サンプルが1−オクタデセンによって調製されるよりも1−オクテンを用いて調製されるときの方がピークが少し広いという傾向がわずかに見られる。このシグナルの積分は、ピークがサンプルの大部分と重なるので、δ−22に見られるより強いシグナルとグループ化された。
SiH流体、MD30 15Mによって調製される2つのサンプル(実施例17Aおよび17B)のスペクトルは、環状DおよびD型の種の組み合わせであるものを多く示し、δ−35でのシグナルを含有しない。
Figure 2017171661
産物のレオロジー特性について、架橋密度および架橋分子の鎖長に基づいて分子より生じる異なるモジュラスが予想される。
実施例18A〜18B
これらの実施例は、ヒドロシロキサンとオレフィンの反応が(MesPDI)CoCHによって触媒されるときの脱水素ヒドロシリル化の発生を立証するために実施される重水素標識実験を示す。
実施例18A:1−オクテンの(OTMS)CHSi−D(MDM−d)でのシリル化
この反応は、0.050g(0.45ミリモル)の1−オクテン、0.050g(0.22ミリモル、0.5当量)のMDM−d(70%重水素化)、および0.002g(0.004ミリモル、1モル%)の(MesPDI)CoCHを用いて、1−オクテンのMDMでのシリル化と同様の方法で実施された。1時間室温での攪拌の後、反応は停止された。産物の混合物のH NMRスペクトルは、オクタンのメチルおよびメチレン基の両方に対する重水素の組み込み、ならびに1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテン上のC、CおよびC上の重水素の痕跡を示した。
実施例18B:1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテンの重水素化
窒素が充填された乾燥ボックス中で、J.Youngチューブに0.080g(0.24ミリモル)の1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテン、0.005g(0.011ミリモル、4モル%)の(MesPDI)CoCH、およびおおよそ0.7mlのベンゼン−dが充填された。チューブは脱気され、おおよそ1気圧のDが入れられた。溶液は室温に解凍され、オイルバスに45℃16時間配置された。産物の混合物のHおよびH NMRスペクトルの解析は、開始物質の部分的な重水素化から両方の化合物のオクチル鎖に沿ってすべて集まる重水素で完全に飽和した産物までを示した。重水素化は基本的にはC2およびC3位で起こり、開始物質の不飽和は主にアリルでありビニルではないことを示す。
実施例19A−19D:オレフィン異性化実験
実施例19Aは(MesPDI)CoCHが1−オクテンを異性化しないことを示す。
シンチレーションバイアルに、0.100g(0.891ミリモル)の1−オクテンと0.004g(0.008ミリモル、1モル%)の(MesPDI)CoCHが充填された。溶液は室温で1時間攪拌され、空気に曝して反応が停止された。産物のH NMRスペクトルは、1−オクテンと微量の遊離した配位子のみを示し、オレフィン異性化は示されなかった。
実施例19Bは1−オクテン異性化が(MesPDI)CoCHによって観測されず、ヒドリドトリシロキサンMDMが微量であることを示す。
実験は、0.100g(0.891ミリモル)の1−オクテンと0.004g(0.008ミリモル、1モル%)の(MesPDI)CoCHおよび0.014g(0.063、7モル%)のMDMを用いて上述の実施例19Aに記載される実験と同様に実施された。産物のH NMRスペクトルは、1−オクテンのみを示し、微量の遊離した配位子および1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−2−オクテンを示し、オレフィン異性化は示されなかった。
実施例19Cは、(MesPDI)CoCHを用いるN,N−ジメチルアリルアミン(CH)NCHCH=CHの異性化を示す。
J.Youngチューブに0.017g(0.20ミリモル)のN,N−ジメチルアリルアミン、0.002g(0.004ミリモル、2モル%)の(MesPDI)CoCHならびにおおよそ0.7mlのベンゼン−dを充填した。溶液は室温に配置され、H NMR分光法で観察された。開始物質のN,N−ジメチル−1−プロペニルアミン、(CHNCH=CHCHへの異性化は8時間後に20%完了し、46時間後に65%完了した。
実施例19Dは、(MesPDI)CoCHを用いるN,N−ジメチルアリルアミン(CH)NCHCH=CHの異性化と微量のヒドリドトリシロキサンMDMを示す。
この反応は、0.091g(1.1ミリモル)のN,N−ジメチルアリルアミン、0.003g(0.006ミリモル、0.6モル%)の(MesPDI)CoCH、および0.006g(0.03ミリモル、3モル%)のMDMを用いて上述の実施例19Cに記載される実験と同様に実施された。開始物質からN,N−ジメチル−1−プロペニルアミン、(CHNCH=CHCHへの異性化は8時間後に90%完了し、24時間後に>95%完了した。
実施例20A−20C:(MesPDI)CoCHを用いるプロピレンの異なるシランでのシリル化
この反応は0.11ミリモルのシラン(0.025gのMDM、0.018gの(EtO)SiHもしくは0.015gの(OEt)CHSiH)、0.001g(0.002ミリモル)の(MesPDI)CoCHならびに5.6ミリモル(50当量)のプロピレンを用いて1−ブテンのシリル化と同様に実施された。NMR分光法で揮発しない物質が解析された。
Figure 2017171661
実施例20Aの産物の解析
3−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリル−1−プロペン
H NMR(CDCl):δ=0.03(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.09(s、18H、OSi(CH)、1.49(d、J=8.1 Hz、2H、 SiCHCH=CH)、4.86(d、J=6.3 Hz、1H、 CHCH=C(H)H)、4.88(d、J=15Hz、1H、CHCH=C(H)H)、5.77(m、1H、CHCH=CH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=−0.77((OTMS)SiCH)、1.97(OSi(CH)、25.82(SiCHCH=CH)、113.72(CHCH=CH)、134.28(CHCH=CH)。
1−bis(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロパン
H NMR(CDCl):δ=0.00(s、3H、(OTMS)SiCH)、0.09(s、18H、OSi(CH)、0.46(m、2H、SiCHCHCH)、0.95(t、3H、SiCHCHCH)、1.36(m、2H、SiCHCHCH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=−0.07((OTMS)SiCH)、1.97(OSi(CH)、16.75(SiCHCHCH)、18.05(SiCHCHCH)、20.37(SiCHCHCH)。
実施例20Bの産物の解析
3−トリエトキシシリル−1−プロペン
H NMR(CDCl):δ=1.22(t、9H、OCHCH)、1.67(d、2H、SiCHCH=CH)、3.84(q、6H、OCHHC)、4.90−5.05(d、2H、CHCH=CH)、5.81(m、1H、CHCH=CH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=18.36(OCHCH)、19.34(SiCHCH=CH)、58.73(OCHHC)、114.85(CHCH=CH)、132.80(CHCH=CH)。
1−トリエトキシシリルプロパン
H NMR(CDCl):δ=0.63(m、2H、SiCHCHCH)、0.97(t、3H、SiCHCHCH)、1.22(t、9H、OCHCH)、1.45(m、2H、SiCHCHCH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=10.94(SiCHCHCH)、12.92(SiCHCHCH)、16.50(SiCHCHCH)、18.43(OCHCH)58.40(OCHCH)。
実施例20Cの産物の解析
3−ジエトキシメチルシリル−1−プロペン
H NMR(CDCl):δ=0.11(s、3H、SiCH)、1.19(t、6H、OCHCH)、1.63(d、2H、SiCHCH=CH)、3.76(q、4H、OCHCH)、4.88(d、1H、CHCH=C(H)H)、4.93(d、1H、CHCH=C(H)H)、5.80(m、1H、CHCH=CH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=−5.19(SiCH)、18.44(OCHCH)、21.92(SiCHCH=CH)、58.41(OCHCH)、114.5(CHCH=CH)、133.36(CHCH=CH)。
1−ジエトキシメチルシリルプロパン
H NMR(CDCl):δ=0.08(s、3H、SiCH)、0.59(m、2H、SiCHCHCH)、0.94(t、3H、SiCHCHCH)、1.19(t、9H、OCHCH)、1.38(m、2H、SiCHCHCH)。13C{H}NMR(CDCl):δ=−4.76(SiCH)、16.37(SiCHCHCH)、16.53(SiCHCHCH)、18.07(SiCHCHCH)、18.50(OCHCH)、58.13(OCHCH)。
上述の記載は多くの具体例を含むが、それらの具体例は、本発明の範囲の限定を意味せず、単にその好ましい実施態様を例示しただけである。当業者ならばここに添付する請求項に定義されるような発明の範囲と精神を逸脱することなく他の多くの変更を想到し得るであろう。
本発明は、以下を含む。
<1>
脱水素シリル化産物を製造するためのプロセスであって、(a)少なくとも一つの不飽和官能基を含有する不飽和化合物、(b)少なくとも一つのシリルヒドリド官能基を含有するシリルヒドリド、および(c)触媒を含有する混合物を、任意選択で溶媒の存在下で脱水素シリル化産物を製造するために反応させるステップを含有し、ここで触媒は、式(I):
Figure 2017171661
の錯体もしくはその付加物であり、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環を形成し、
Lはヒドロキシルであるかまたは、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリール基、または成分(a)〔Lは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する〕である、
プロセス。
<2>
錯体および/もしくはその誘導体を脱水素シリル化産物より除去するステップをさらに含有する、<1>に記載のプロセス。
<3>
脱水素シリル化産物がシリル基と不飽和基を含有するシランもしくはシロキサンを含有する、<1>に記載のプロセス。
<4>
前記不飽和基が、シリル基と比べてアルファもしくはベータ位にある、<3>に記載のプロセス。
<5>
前記成分(b)中のシリルヒドリド官能基に対する前記成分(a)中の不飽和基のモル比が、1:1以下である、<1>に記載のプロセス。
<6>
前記脱水素シリル化産物のシランもしくはシロキサンが、成分(b)に由来する一つのシリル基を含有する、<5>に記載のプロセス。
<7>
前記脱水素シリル化産物が二つもしくはそれ以上の成分(b)に由来する末端シリル基を含有する、<5>に記載のプロセス。
<8>
前記プロセスが元のα、ω―bis(シリル)置換アルカンもしくはアルケンからのα、ω―置換アルカンもしくはアルケンジオールを産生する、<5>に記載のプロセス。
<9>
前記成分(b)中のシリルヒドリド官能基に対する前記成分(a)中の不飽和基のモル比が、1:1より大きい、<1>に記載のプロセス。
<10>
前記シランもしくはシロキサンが二つもしくはそれ以上の成分(b)に由来するシリル基を含有する、<9>に記載のプロセス。
<11>
成分(a)が、モノ不飽和化合物である、<1>に記載のプロセス。
<12>
成分(a)が、オレフィン、シクロアルケン、アルキルキャップアリルポリエーテル、ビニル官能化アルキルキャップアリルもしくはメタリルポリエーテル、アルキルキャップ末端不飽和アミン、アルキン、末端不飽和アクリラートもしくはメタクリラート、不飽和アリールエーテル、ビニル官能化ポリマーもしくはオリゴマー、ビニル官能化シラン、ビニル官能化シリコーン、不飽和脂肪酸、不飽和エステル、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、<1>に記載のプロセス。
<13>
前記成分(a)が、N,N−ジメチルアリルアミン、アリロキシ置換ポリエーテル、プロピレン、シクロヘキセン、直鎖のアルファオレフィン、内部オレフィン、分岐オレフィン、不飽和ポリオレフィン、式(VIII)のビニルシロキサンならびにそれらの組み合わせからなる群より選択され、ここで式(VIII)は
Figure 2017171661
であり、
式中、Rの各々は独立してC1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、ビニル、アリール、もしくは置換アリールであり、nは0より大きいかもしくは0と等しい、<12>に記載のプロセス。
<14>
前記成分(b)が、RSiH4−a、(RO)SiH4−a、HSiR(OR)3−a、RSi(CH(SiRO)SiRH、(RO)Si(CH(SiRO)SiRH、Q およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、
式中、QはSiO4/2であり、TはR’SiO3/2であり、TはHSiO3/2であり、DはR’SiO2/2であり、DはR’HSiO2/2であり、MはHR’3−gSiO1/2であり、MはR’SiO1/2であり、RおよびR’の各々は独立してC1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびR’は任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、aの各々は独立して1から3の値を持ち、fは1から8の値を持ち、kは1から11の値を持ち、gは1から3の値を持ち、pは0から20であり、uは0から20であり、vは0から20であり、wは0から1000であり、xは0から1000であり、yは0から20であり、そしてzは0から20であり、p+x+yは1から3000に等しいという条件であり、そしてシリルヒドリド中のすべての元素の価数は満たされている、<1>に記載のプロセス。
<15>
p、u、v、yおよびzは0から10であり、wおよびxは0から100であり、ここでp+x+yは1から100に等しい、<14>に記載のプロセス。
<16>
前記成分(b)が以下の構造の一つを持つ、<1>に記載のプロセス。
(RO)SiH (式IX)
Figure 2017171661
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、Rは水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、xおよびwは独立して0より大きいかもしくは0と等しく(式Xではxは少なくとも1と等しい)、そしてaおよびbは0から3の整数であり、a+b=3であるという条件である。
<17>
触媒が式(I)の錯体のMeB(C もしくは[B[3,5−(CF]の塩である、<1>に記載のプロセス。
<18>
およびRの少なくとも一つが、
Figure 2017171661
であり、
式中、
、R、R10、R11およびR12の各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜R12は、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する、<1>に記載のプロセス。
<19>
およびR12は独立してメチル、エチル、もしくはイソプロピル基を含み得、そしてR10は水素もしくはメチルである、<18>に記載のプロセス。
<20>
、R10およびR12がそれぞれメチルである、<19>に記載のプロセス。
<21>
およびRは独立してメチルもしくはフェニル基である、<1>に記載のプロセス。
<22>
、RおよびRは水素である、<1>に記載のプロセス。
<23>
錯体が支持体上に固定されている、<1>に記載のプロセス。
<24>
支持体が、炭素、シリカ、アルミナ、MgCl、ジルコニア、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(アミノスチレン)、スルホン化ポリスチレン、デンドリマーならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、<23>に記載のプロセス。
<25>
〜Rの少なくとも一つが、支持体と共有結合する官能基を含有する、<23>に記載のプロセス。
<26>
触媒が、触媒前駆体と活性化剤とを、溶媒、シリルヒドリド、少なくとも一つの不飽和基を含有する化合物、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの成分を含有する液体メディウムの存在下で接触させることによってその場で生成でき、ここで前記触媒前駆体は構造式(IV)
Figure 2017171661
によって表され、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造を形成し、
Xは、F、Cl、Br、I、CF40SO もしくはR50COOからなる群より選択され、式中、R40は共有結合もしくはC1〜C6のアルキレン基であり、そしてR50はC1〜C10のヒドロカルビル基であり、
して前記活性化剤は、NaHBEt、CHLi、DIBAL−H、LiHMDSならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される還元剤もしくはアルキル化剤である、
<1>に記載のプロセス。
<27>
反応が不活性環境で実施される、<1>に記載のプロセス。
<28>
反応が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される溶媒の存在下で実施される、<1>に記載のプロセス。
<29>
反応が−40℃〜200℃で実施される、<1>に記載のプロセス。
<30>
触媒および/もしくはその誘導体を含有する、<1>〜<29>のいずれか1項によるプロセスによって製造される組成物。
<31>
シラン、シリコーン流体、架橋シリコーンからなる群より選択される少なくとも一つの成分を含有する、<30>に記載の組成物。
<32>
式(II)
Figure 2017171661
の化合物であって、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環を形成する、化合物。
<33>
脱水素シリル化産物を製造するためのプロセスであって、
(a)少なくとも一つの不飽和官能基を含有する不飽和化合物、(b)少なくとも一つのシリルヒドリド官能基を含有するシリルヒドリド、および(c)触媒を含有する混合物を、任意選択で溶媒の存在下で脱水素シリル化産物を製造するために反応させるステップを含有し、ここで触媒は、式(III):
Figure 2017171661
の錯体もしくはその付加物であり、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環を形成し、
Lはヒドロキシルであるかまたは、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリール基からなる群より選択されるアニオン性配位子であるか、または成分(a)〔Lは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する〕であり、
Yは中性の配位子であり、そして
Qは非配位性アニオンである、
プロセス。
<34>
錯体および/もしくはその誘導体を脱水素シリル化産物より除去するステップをさらに含有する、<33>に記載のプロセス。
<35>
脱水素シリル化産物がシリル基と不飽和基を含有するシランもしくはシロキサンを含有する、<33>に記載のプロセス。
<36>
前記不飽和基が、シリル基と比べてアルファもしくはベータ位にある、<33>に記載のプロセス。
<37>
前記成分(b)中のシリルヒドリド官能基に対する前記成分(a)中の不飽和基のモル比が、1:1以下である、<33>に記載のプロセス。
<38>
前記脱水素シリル化産物のシランもしくはシロキサンが、成分(b)に由来する一つのシリル基を含有する、<37>に記載のプロセス。
<39>
前記成分(b)中のシリルヒドリド官能基に対する前記成分(a)中の不飽和基のモル比が、1:1と等しいか1:1より大きい、<33>に記載のプロセス。
<40>
前記シランもしくはシロキサンが二つもしくはそれ以上の成分(b)に由来するシリル基を含有する、<39>に記載のプロセス。
<41>
成分(a)が、モノ不飽和化合物である、<33>に記載のプロセス。
<42>
成分(a)が、オレフィン、シクロアルケン、アルキルキャップアリルポリエーテル、ビニル官能化アルキルキャップアリルもしくはメタリルポリエーテル、アルキルキャップ末端不飽和アミン、アルキン、末端不飽和アクリラートもしくはメタクリラート、不飽和アリールエーテル、ビニル官能化ポリマーもしくはオリゴマー、ビニル官能化シラン、ビニル官能化シリコーン、不飽和脂肪酸、不飽和エステル、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、<33>に記載のプロセス。
<43>
Qが、[B[3,5−(CF]、B(C 、Al(OC(CF 、およびCB1112 ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、<33>に記載のプロセス。
<44>
Yが、二窒素(N)、ホスフィン類、CO、ニトロシル類、オレフィン類、アミン類、エーテル類ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、<33>に記載のプロセス。
<45>
Yが、PH、PMe、CO、NO、エチレン、THFおよびNHからなる群より選択される、<44>に記載のプロセス。
<46>
前記成分(a)が、N,N−ジメチルアリルアミン、アリロキシ置換ポリエーテル、プロピレン、シクロヘキセン、直鎖のアルファオレフィン、内部オレフィン、分岐オレフィン、不飽和ポリオレフィン、式(VIII)のビニルシロキサンならびにそれらの組み合わせからなる群より選択され、ここで式(VIII)は
Figure 2017171661
であり、
式中、Rの各々は独立してC1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、ビニル、アリール、もしくは置換アリールであり、nは0より大きいかもしくは0と等しい、<42>に記載のプロセス。
<47>
前記成分(b)が、RSiH4−a、(RO)SiH4−a、HSiR(OR)3−a、RSi(CH(SiRO)SiRH、(RO)Si(CH(SiRO)SiRH、Q およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、
式中、QはSiO4/2であり、TはR’SiO3/2であり、TはHSiO3/2であり、DはR’SiO2/2であり、DはR’HSiO2/2であり、MはHR’3−gSiO1/2であり、MはR’SiO1/2であり、RおよびR’の各々は独立してC1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびR’は任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、aの各々は独立して1から3の値を持ち、fは1から8の値を持ち、kは1から11の値を持ち、gは1から3の値を持ち、pは0から20であり、uは0から20であり、vは0から20であり、wは0から1000であり、xは0から1000であり、yは0から20であり、そしてzは0から20であり、p+x+yは1から3000に等しいという条件であり、そしてシリルヒドリド中のすべての元素の価数は満たされている、
<33>に記載のプロセス。
<48>
p、u、v、yおよびzは0から10であり、wおよびxは0から100であり、ここでp+x+yは1から100に等しい、<47>に記載のプロセス。
<49>
前記成分(b)が以下の構造の一つを持つ、<33>に記載のプロセス。
(RO)SiH (式IX)
Figure 2017171661
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、Rは水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、xおよびwは独立して0より大きいかもしくは0と等しく(式Xではxは少なくとも1と等しい)、そしてaおよびbは0から3の整数であり、a+b=3であるという条件である。
<50>
触媒が式(III)の錯体のMeB(C もしくは[B[3,5−(CF]もしくはテトラキス(パーフルオロアリール)ボラートの塩である、<33>に記載のプロセス。
<51>
およびRの少なくとも一つが、
Figure 2017171661
であり、
式中、
、R、R10、R11およびR12の各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜R12は、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する、<33>に記載のプロセス。
<52>
およびR12は独立してメチル、エチル、もしくはイソプロピル基を含み得、そしてR10は水素もしくはメチルである、<51>に記載のプロセス。
<53>
、R10およびR12がそれぞれメチルである、<52>に記載のプロセス。
<54>
およびRは独立してメチルもしくはフェニル基である、<33>に記載のプロセス。
<55>
、RおよびRは水素である、<33>に記載のプロセス。
<56>
錯体が支持体上に固定されている、<33>に記載のプロセス。
<57>
支持体が、炭素、シリカ、アルミナ、MgCl、ジルコニア、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(アミノスチレン)、スルホン化ポリスチレン、デンドリマーならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、<56>に記載のプロセス。
<58>
〜Rの少なくとも一つが、支持体と共有結合する官能基を含有する、<56>に記載のプロセス。
<59>
触媒が、触媒前駆体と活性化剤とを、溶媒、シリルヒドリド、少なくとも一つの不飽和基を含有する化合物、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの成分を含有する液体メディウムの存在下で接触させることによってその場で生成でき、ここで前記触媒前駆体は構造式(IV)
Figure 2017171661
によって表され、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造を形成し、
Xは、F、Cl、Br、I、CF40SO もしくはR50COOからなる群より選択され、式中、R40は共有結合もしくはC1〜C6のアルキレン基であり、そしてR50はC1〜C10のヒドロカルビル基であり、
そして前記活性化剤は、NaHBEt、CHLi、DIBAL−H、LiHMDSならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される還元剤もしくはアルキル化剤である、
<33>に記載のプロセス。
<60>
反応が不活性環境で実施される、<33>に記載のプロセス。
<61>
反応が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される溶媒の存在下で実施される、<33>に記載のプロセス。
<62>
反応が−40℃〜200℃で実施される、<33>に記載のプロセス。
<63>
架橋物質を製造するプロセスであって、(a)シリルヒドリド含有ポリマー、(b)モノ不飽和オレフィンもしくは不飽和ポリオレフィンまたはそれらの混合物、(c)触媒を含有する混合物を任意選択で溶媒の存在下で架橋物質を製造するために反応させるステップを含有し、ここで触媒は式(I):
Figure 2017171661
の錯体もしくはその付加物であり、
式中、
、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環を形成し、
Lはヒドロキシルであるかまたは、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリール基、または成分(a)〔Lは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する〕である、プロセス。
<64>
反応が不活性環境で実施される、<63>に記載のプロセス。
<65>
反応が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される溶媒の存在下で実施される、<63>に記載のプロセス。
<66>
反応が−40℃〜200℃で実施される、<63>に記載のプロセス。

Claims (38)

  1. 脱水素シリル化産物を製造するためのプロセスであって、(a)少なくとも一つの不飽和官能基を含有する不飽和化合物、(b)少なくとも一つのシリルヒドリド官能基を含有するシリルヒドリド、および(c)触媒を含有する混合物を、任意選択で溶媒の存在下で脱水素シリル化産物を製造するために反応させるステップを含有し、ここで触媒は、式(i)、(ii)、(iii)もしくは(iv);
    Figure 2017171661

    の錯体である、プロセス。
  2. 脱水素シリル化産物がシリル基と不飽和基を含有するシランもしくはシロキサンを含有する、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記不飽和基が、前記シリル基に対してアルファもしくはベータ位にある、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記成分(b)中のシリルヒドリド官能基に対する前記成分(a)中の不飽和基のモル比が、1:1未満かもしくは1:1と等しい、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記成分(b)中のシリルヒドリド官能基に対して前記成分(a)中の不飽和基のモル比が、1:1より大きい、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記成分(a)が、モノ不飽和化合物である、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記成分(a)が、オレフィン、シクロアルケン、アルキルキャップアリルポリエーテル、ビニル官能化アルキルキャップアリルもしくはメタリルポリエーテル、アルキルキャップ末端不飽和アミン、アルキン、末端不飽和アクリラートもしくはメタクリラート、不飽和アリールエーテル、ビニル官能化ポリマーもしくはオリゴマー、ビニル官能化シラン、ビニル官能化シリコーン、不飽和脂肪酸、不飽和エステル、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記成分(a)が、N,N−ジメチルアリルアミン、アリロキシ置換ポリエーテル、シクロヘキセン、直鎖のアルファオレフィン、内部オレフィン、分岐オレフィン、不飽和ポリオレフィン、式(VIII)のビニルシロキサンならびにそれらの組み合わせからなる群より選択され、ここで式(VIII)は
    Figure 2017171661

    であり、
    式中、Rの各々は独立してC1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、ビニル、アリール、もしくは置換アリールであり、nは0より大きいかもしくは0と等しい、請求項7に記載のプロセス。
  9. 前記成分(b)が、RSiH4−a、(RO)SiH4−a、HSiR(OR)3−a、RSi(CH(SiRO)SiRH、(RO)Si(CH(SiRO)SiRH、Q およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、
    式中、QはSiO4/2であり、TはR’SiO3/2であり、TはHSiO3/2であり、DはR’SiO2/2であり、DはR’HSiO2/2であり、MはHR’3−gSiO1/2であり、MはR’SiO1/2であり、RおよびR’の各々は独立してC1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびR’は任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、aの各々は独立して1から3の値を持ち、fは1から8の値を持ち、kは1から11の値を持ち、gは1から3の値を持ち、pは0から20であり、uは0から20であり、vは0から20であり、wは0から1000であり、xは0から1000であり、yは0から20であり、そしてzは0から20であり、ただしp+x+yは1から3000に等しく、シリルヒドリド中のすべての元素の価数は満たされている、請求項1に記載のプロセス。
  10. p、u、v、yおよびzは0から10であり、wおよびxは0から100であり、ここでp+x+yは1から100に等しい、請求項9に記載のプロセス。
  11. 前記成分(b)が以下の構造の一つを持つ、請求項1に記載のプロセス:
    (RO)SiH (式IX)
    Figure 2017171661

    式中、
    、R、R、RおよびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、Rは水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、xおよびwは独立して0より大きいかもしくは0と等しく(式Xではxは少なくとも1と等しい)、そしてaおよびbは0から3の整数であり、a+b=3であるという条件である。
  12. 反応が不活性環境、かつ−40℃〜200℃で実施される、請求項1に記載のプロセス。
  13. 反応が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される溶媒の存在下で実施される、請求項1に記載のプロセス。
  14. 脱水素シリル化産物を製造するためのプロセスであって、(a)少なくとも一つの不飽和官能基を含有する不飽和化合物、(b)少なくとも一つのシリルヒドリド官能基を含有するシリルヒドリド、および(c)触媒を含有する混合物を、任意選択で溶媒の存在下で脱水素シリル化産物を製造するために反応させるステップを含有し、ここで触媒は、式:
    Figure 2017171661

    の錯体であり、
    式中、
    、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
    およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
    任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造である環を形成してもよく、そして
    Yは中性の配位子である、
    プロセス。
  15. 脱水素シリル化産物がシリル基と不飽和基を含有するシランもしくはシロキサンを含有する、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記成分(b)中のシリルヒドリド官能基に対する前記成分(a)中の不飽和基のモル比が、(i)1:1未満であるか、または、(ii)1:1と等しいかもしくはそれより大きい、請求項14に記載のプロセス。
  17. 前記シランもしくはシロキサンが二つもしくはそれ以上の成分(b)に由来するシリル基を含有する、請求項16に記載のプロセス。
  18. 前記成分(a)が、モノ不飽和化合物である、請求項14に記載のプロセス。
  19. 前記成分(a)が、オレフィン、シクロアルケン、アルキルキャップアリルポリエーテル、ビニル官能化アルキルキャップアリルもしくはメタリルポリエーテル、アルキルキャップ末端不飽和アミン、アルキン、末端不飽和アクリラートもしくはメタクリラート、不飽和アリールエーテル、ビニル官能化ポリマーもしくはオリゴマー、ビニル官能化シラン、ビニル官能化シリコーン、不飽和脂肪酸、不飽和エステル、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14に記載のプロセス。
  20. 前記成分(a)が、N,N−ジメチルアリルアミン、アリロキシ置換ポリエーテル、シクロヘキセン、直鎖のアルファオレフィン、内部オレフィン、分岐オレフィン、不飽和ポリオレフィン、式(VIII)のビニルシロキサンならびにそれらの組み合わせからなる群より選択され、ここで式(VIII)は
    Figure 2017171661

    であり、
    式中、Rの各々は独立してC1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、ビニル、アリール、もしくは置換アリールであり、nは0より大きいかもしくは0と等しい、請求項19に記載のプロセス。
  21. Yが、二窒素(N)、ホスフィン類、CO、ニトロシル類、オレフィン類、アミン類、エーテル類ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14に記載のプロセス。
  22. 前記成分(b)が、RSiH4−a、(RO)SiH4−a、HSiR(OR)3−a、RSi(CH(SiRO)SiRH、(RO)Si(CH(SiRO)SiRH、Q およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、
    式中、QはSiO4/2であり、TはR’SiO3/2であり、TはHSiO3/2であり、DはR’SiO2/2であり、DはR’HSiO2/2であり、MはHR’3−gSiO1/2であり、MはR’SiO1/2であり、RおよびR’の各々は独立してC1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびR’は任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し、aの各々は独立して1から3の値を持ち、fは1から8の値を持ち、kは1から11の値を持ち、gは1から3の値を持ち、pは0から20であり、uは0から20であり、vは0から20であり、wは0から1000であり、xは0から1000であり、yは0から20であり、そしてzは0から20であり、ただしp+x+yは1から3000に等しく、シリルヒドリド中のすべての元素の価数は満たされている、請求項14に記載のプロセス。
  23. p、u、v、yおよびzは0から10であり、wおよびxは0から100であり、ここでp+x+yは1から100に等しい、請求項22に記載のプロセス。
  24. 前記成分(b)が以下の構造の一つを持つ、請求項22に記載のプロセス:
    (RO)SiH (式IX)
    Figure 2017171661

    式中、
    、R、R、RおよびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、Rは水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、xおよびwは独立して0より大きいかもしくは0と等しく(式Xではxは少なくとも1と等しい)、そしてaおよびbは0から3の整数であり、a+b=3であるという条件である。
  25. およびRの少なくとも一つが、
    Figure 2017171661

    であり、
    式中、
    、R、R10、R11およびR12の各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜R12は、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有する、請求項14に記載のプロセス。
  26. およびR12は独立してメチル、エチル、もしくはイソプロピル基であり、そしてR10は水素もしくはメチルである、請求項25に記載のプロセス。
  27. 、R10およびR12がそれぞれメチルである、請求項26に記載のプロセス。
  28. およびRは独立してメチルもしくはフェニル基である、請求項14に記載のプロセス。
  29. 、RおよびRは水素である、請求項14に記載のプロセス。
  30. 反応が不活性環境で実施される、請求項14に記載のプロセス。
  31. 反応が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される溶媒の存在下で実施される、請求項14に記載のプロセス。
  32. 反応が−40℃〜200℃で実施される、請求項14に記載のプロセス。
  33. 架橋物質を製造するプロセスであって、(a)シリルヒドリド含有ポリマー、(b)モノ不飽和オレフィンもしくは不飽和ポリオレフィンまたはそれらの組み合わせ、(c)触媒を含有する混合物を任意選択で溶媒の存在下で架橋物質を製造するために反応させるステップを含有し、ここで触媒は式:
    Figure 2017171661

    の錯体であり、
    式中、
    、R、R、RおよびRの各々は独立して、水素、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリール、置換アリール、もしくは不活性官能基であり、ここで水素以外のR〜Rは、任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
    およびRの各々は独立して、C1〜C18のアルキル、C1〜C18の置換アルキル、アリールもしくは置換アリールであり、ここでRおよびRは任意選択で少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
    任意選択で、R、R、R、R、R、RおよびRの互いに隣接する任意の二つが一緒になって、置換のもしくは不置換の、飽和のもしくは不飽和の環状構造である環を形成してもよく、
    Yは二窒素(N)、ホスフィン類、CO、ニトロシル類、オレフィン類、アミン類、エーテル類ならびにそれらの組み合わせからなる群より選ばれる中性の配位子である、プロセス。
  34. Yが二窒素(N)である、請求項33に記載のプロセス。
  35. 反応が不活性環境で実施される、請求項33に記載のプロセス。
  36. 反応が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される溶媒の存在下で実施される、請求項33に記載のプロセス。
  37. 反応が−40℃〜200℃で実施される、請求項33に記載のプロセス。
  38. 触媒(c)が式(i)、(ii)、(iii)、もしくは(iv)の化合物より選択される、請求項33に記載のプロセス。
    Figure 2017171661
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