JP2017166876A - ヘテロダイン干渉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より低い周波数のビート画像が得られるヘテロダイン干渉装置を提案する。
【解決手段】本発明のヘテロダイン干渉装置は、キャリア信号と第1変調信号との間で振幅変調された2周波成分を有する第1信号で第1音響光学素子110を駆動することにより、第1音響光学素子110から2つのレーザ光272、274を発生させ、またキャリア信号と第2変調信号との間で振幅変調された2周波成分を有する第2信号で第2音響光学素子112を駆動することにより、第2音響光学素子112から2つのレーザ光282、284を発生させるものであり、第1音響光学素子110から発生した2つのレーザ光272、274の何れか一方と第2音響光学素子112から発生した2つのレーザ光282、284の何れか一方との間でビート画像を作成することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ヘテロダイン干渉法を原理として、対象物の高さ形状をサブミクロンメートル領域で測定することができるヘテロダイン干渉装置に関する。
近年、生物や工業などの多くの分野で波長領域、あるいは波長以下の微細な高さ形状を測定するニーズが高まり、干渉計を用いた計測が多く行われている。通常用いられる干渉計は、同じ光周波数を有する物体光と参照光の2つの光波を干渉させ、得られた干渉縞の強度分布から位相分布を算出している。この干渉縞は時間的には静止しており、静止画像を検出することになる。同じ周波数の光を干渉させる意味でホモダイン干渉法と称されるが、一般的には干渉縞の強度から位相を算出する場合の精度は波長の数10分の1程度しかなく、数10ナノメートル領域の高さ分布を測定することは困難である。
上記のホモダイン干渉法に対して、更なる高精度な測定ができる干渉計測法として、周波数の異なる2つの光波を干渉させるヘテロダイン干渉法も既知である。図6に従来のヘテロダイン干渉法の原理構成図を示して動作を説明する。レーザ光源61から出射したレーザ光はビームスプリッター(BS)611で2方向に分けられる。BS611を透過したレーザ光612は、高さ形状が測定される対象物62に照射され、それが対象物62で反射されて物体光613となる。BS611で反射された他方のレーザ光614は、周波数シフター63に入射し、レーザ光の周波数が変換される。符号64は周波数シフター駆動信号部であり、周波数シフター63を駆動して、周波数のシフト量を設定する。周波数が変換されたレーザ光は参照光615となる。なお、周波数シフター63には音響光学素子が多く用いられており、周波数のシフト量は数10MHzから数100KHzが一般的である。
上述したように、ヘテロダイン干渉法では物体光613と参照光615の周波数を異なる値に設定している。ここで、レーザ光源61から発せられるレーザ光の周波数、及び物体光613の周波数をf0とし、周波数が変換される参照光615の周波数をf1とする。そして、物体光613と参照光615をフォトダイオードなどで構成される光電変換部65に入射させると、干渉が生じて光電変換された信号が生じる。この信号がビート信号616で、周波数f0とf1の差の周波数f0−f1を持つ。この差の周波数は、低い場合で数100KHz程度であって、光領域の周波数が有する位相などの情報をビート周波数の領域の周波数で検出することができる。このビート周波数は周波数シフター駆動信号部64からの信号周波数に依存して決まる。
ビート信号616の位相は対象物62の高さに応じて変化するため、位相の検出が重要である。しかし、単独のビート信号だけからは位相が検出できない。そこで、ビート信号616と同一の周波数の比較信号617を発する比較信号器66を用いることが必要である。なお、比較信号617の位相は一定である。位相比較器67はビート信号616と比較信号617の位相を比較し、対象物62の高さに応じて変化する物体光613の位相変化を検出する。形状算出部68は検出された位相から対象物62の高さを算出する。但し、従来のヘテロダイン干渉法ではビート周波数の周波数が数100KHz以上と高いため、画像としての計測ができず、二つの電気信号間の位相を検出する構成である。
このようなヘテロダイン干渉法を用いたヘテロダイン干渉装置の具体的な構成例について、図7(a)を参照しながら説明する。レーザ光源70を出たレーザ光700は光学系71に入射する。レーザ光700の周波数はf0である。光学系71はレーザ光の周波数を変換する周波数シフターとして音響光学素子(以下AODと略記)72を含む。AOD72はAOD制御回路720により駆動され、周波数が異なる2本に分離した2ビーム光を発生する。2ビーム光の各々の周波数はf1とf2である。2ビーム光はビームスプリッター725で2つの方向に分割され、ビームスプリッター725で反射した2ビーム光は、参照光73として符号75の受光器1で光電変換されて参照光信号752になる。ビームスプリッター725を透過した2ビーム光は、対物レンズ727を介して対象物62に照射されて反射し、更にビームスプリッター725で反射して、物体光74として符号76の受光器2で光電変換されて物体光信号762になる。なお、物体光74と参照光73の各々は周波数の異なる2ビーム光である。
参照光信号752と物体光信号762は、同じ周波数であって2ビーム光の差の周波数f1−f2を有するビート信号である。参照光信号752の位相φrは一定であるが、物体光信号762の位相φsは対象物62の高さ形状に応じて変化する。位相差検出部77は、物体光信号762と参照光信号752の位相差φs−φrを比較して位相φs検出する。データ処理部78は、検出された位相差から対象物62の高さ情報を算出する。
図7(b)は、参照光信号752と物体光信号762の位相比較動作を説明するための図である。二つの信号の周波数は共にf1−f2であり、何れも2ビーム光が干渉して得られたビート信号である。参照光信号752は対象物62の情報を含まないため、位相は一定である。物体光74は対象物62の高さに応じて位相が変化するため、物体光信号762は位相が変化する。すなわち、参照光信号752の位相を0に設定したとき、検出した位相差が物体光の位相に相当する。ここで、位相φと高さの関係は、レーザ光の波長をλとした場合、位相の1度は反射光検出の場合はλ/720となり、透過光検出の場合はλ/360となる。従って、波長が633nmのHe−Neレーザの場合の位相の1度は、反射の場合で0.88nmとなり、透過の場合で1.8nmとなる。すなわち、ヘテロダイン干渉の場合は、ホモダイン干渉と比較して数10倍以上の高感度で高さ形状が測定できることになる
図7に示した従来のヘテロダイン干渉装置は、AOD72から2ビーム光を発生させる構成である。この点につき、図8(a)に示すAOD72を駆動する信号系を参照しながらその動作を説明する。この構成では、発振周波数faを発する発振器82と、発振周波数fmを発する発振器83に対して振幅変調部84で二つの信号間の振幅変調を行い、2周波数成分のfa±fmを有する信号でAOD72を駆動する。AOD72に入射したレーザ光700は、回折と周波数シフトを受けて、異なる方向に進行する2ビーム光85と86に分離する。この分離の大きさθmは周波数fmに比例し、回折される角度θaは周波数faに比例する。また、2ビーム光85と86の間の周波数の差は2fmで、その2つの光波が干渉したとき、周波数が2fmのビート信号が得られる。通常のAODの駆動周波数はfaが40〜50MHz程度であり、fmが200KHz程度である。従って、ビート信号の周波数は400KHz程度である。
図8(b)は、高さ形状が測定される対象物62に2ビーム光を照射した様子を示している。2ビーム光の強度分布は、符号850と符号860で示すように、ピーク強度間の距離が各ビームスポット径程度に分離した状態で用いることが多い。このような状態はビート周波数が数100KHz程度の場合である。微小なスポット径に集光した2ビーム光850と860が照射された2点間にΔhの高さの差があれば、2ビーム光の間に光路長の差が生じ、それがビート信号の位相の変化として検出される。すなわち、図7に示したヘテロダイン干渉装置は対象物に照射された2ビーム光の間の位相の変化を検出する差動型の構成であって、ポイント計測法であると言える。なお、本技術についての詳細な説明は、下記の非特許文献1に詳細に述べられている。
従来のヘテロダイン干渉装置は、周波数の異なる接近した2本の光波を対象物に照射し、そのスポット光が照射された2点間の光路差を位相に変換して高さ形状を測定する差動型構成である。すなわち、ポイント計測である。そのため、広がりをもつ対象物の場合、2ビーム光を2次元面内で走査する必要がある。2次元走査するには走査を行わせる2次元走査光学系を付加する必要があり、そのために光学装置が複雑、大型化する問題点がある。また、対象物を機械的に2次元移動させる場合は、測定時間が長くなるという問題点もある。
更に、ビート信号に着目すると、ビート信号の周波数が400KHz程度ということも問題である。ヘテロダイン光学装置をポイント計測から面計測へと機能アップを計る場合、例えばCCDカメラなどでビート画像を検出する方法が考えられる。そのためには、CCDカメラの応答周波数帯である、50Hz〜100Hz程度のビート画像を得ることが必要になる。そのためには、AODから発せられるビート信号の周波数を現状の1000分の1以下の低周波数に設定しなければならない。
このような問題点に対し、本願発明者らは、下記の特許文献1に示されているヘテロダイン干渉装置を提案している。図9は、特許文献1に開示した装置の構成を示している。符号90はレーザ光源であって、周波数f0のレーザ光900を発する。レーザ光900は、ヘテロダイン干渉光学系91に含まれるビームスプリッターで2方向に分割され、一方の光は第1音響光学素子(1−AOD)910に入射し、他方の光は第2音響光学素子(2−AOD)912に入射する。二つの音響光学素子は音響光学素子駆動部93で駆動され、それぞれ周波数が異なるビーム902と904に変換される。ビーム902はビームスプリッター914を通って高さ形状が測定される対象物92に照射される。対象物92で反射したレーザ光は同じビームスプリッター914で反射され、物体光としてCCDカメラなどから成る画像検出部94に入射する。2−AOD912を通ったビーム904はミラー916で反射され、参照光として画像検出部94に入射する。
ところで、物体光であるビーム902と参照光であるビーム904は互いに周波数が異なるため、二つの光が干渉したときは、物体光と参照光の差の周波数のビート信号が得られる。また、物体光と参照光は広がりを持つため、干渉した光も広がりを有する。従って、画像検出部94では広がりを持ったビート画像を検出することができる。しかし、画像検出部94としてCCDカメラを用いる場合、通常のAODは50MHz程度の周波数で駆動していて、50MHzの周波数領域で100Hzほどの差を付けることは困難であるため、このままではCCDカメラの応答周波数帯に適合するビート画像を検出することはできない。そのため特許文献1の装置では、AODを2周波数成分の信号で駆動している。
ここで、図10に示す音響光学素子駆動部93の構成例を参照しながら、AODを2周波数成分の信号で駆動する方法について説明する。DC電圧源920で発生させた電圧Vの直流電圧は、直流電圧を交流信号に変換する電圧制御発振器(VCO)921に印加される。これにより、符号922で示す交流信号源で周波数fの交流信号が発生し、符号925で示す振幅変調回路1と符号926で示す振幅変調回路2にそれぞれ印加される。符号93と94は交流信号源であって、それぞれ周波数mとnの交流信号を発生させ、周波数mの交流信号は振幅変調回路1に入力され、周波数nの交流信号は振幅変調回路2に入力される。そして振幅変調回路1は、周波数fの交流信号と周波数mの交流信号間で振幅変調を行って、周波数がf±mの2周波数成分を有する1−AOD駆動信号952を作成し、1−AOD910を駆動する。また振幅変調回路2は交流信号fとnの間で振幅変調を行って、周波数がf±nの2周波数成分を有する2−AOD駆動信号962を作成し、2−AOD912を駆動する。
1−AOD駆動信号952で駆動される1−AOD910は、2本に分離した2ビーム光972と974を発生させる。また、2−AOD駆動信号962で駆動される2−AOD912は、2本に分離した2ビーム光982と984を発生させる。2組の2ビーム光の各々はAOD内を進行する超音波によりドップラーシフトを受けて光の周波数が変調される。この超音波はAOD駆動信号に応じて発生するため、光周波数は駆動信号952と962に応じて変調される。ここで、各AODに入射するレーザ光の周波数をf0とする場合、2ビーム光を構成するビーム972の周波数はf0+f+m、ビーム974の周波数はf0+f−mである。そして2ビーム光972と974が干渉することで、周波数が2mとなるビート光波となる。同じく、2ビーム光を構成するビーム982の周波数はf0+f+n、ビーム984の周波数はf0+f−nである。また2ビーム光982と984が干渉することで、周波数が2nとなるビート光波となる。そして、物体光となる2ビーム光972と974と、参照光となる2ビーム光982と984が干渉すると、各々の周波数差である2(m−n)を周波数に持つビート画像が得られる。
ここで、例えば周波数fを50MHz、周波数mを1050Hz、周波数nを1000Hzに設定すれば、ビート画像の周波数は100Hzとなる。高い周波数fに50Hzの差を付けるのは困難であるが、低い周波数m、nに50Hzの差を付けるのは容易である。このようにAODを2周波数成分の信号で駆動することによって、画像検出部94は広がりを持ったビート画像を検出することができる。その後は、特許文献1で開示した如く、画像検出制御部95、画像処理部96、及び形状算出部97の作用下で、対象物92の高さ形状を算出することができる。
藤田宏夫著「光学」第21巻 第5号(1992)p327〜p332
特開2013−257302号公報
このように、特許文献1のヘテロダイン干渉装置によれば、周波数の低いビート画像を得ることができるため、面計測が可能となって計測時間が短くなるという効果を奏することができるが、更に低い周波数のビート画像を得ることができれば、より余裕をもって計測することができる。このため本発明では、得られるビート画像の更なる低周波数化を実現することを目的とする。
本発明は、レーザ光を発するレーザ光源と、前記レーザ光がそれぞれ入射され且つ音響光学素子駆動部から出力される相互に異なる周波数の信号で駆動される第1音響光学素子及び第2音響光学素子を有し、該第1音響光学素子から出射されるレーザ光を高さ形状を測定する対象物に照射することで該対象物にて反射或いは透過する物体光を得るとともに該第2音響光学素子から該物体光とは周波数が異なる参照光を得ることで、該物体光と該参照光の周波数の差の周波数を有するともに干渉光強度が時間的に正弦波状に変化して2次元広がりを有するビート画像を作成するヘテロダイン干渉光学系と、前記ビート画像の周波数近傍の周波数帯域で応答して該ビート画像を検出する画像検出部と、前記ビート画像の1周期の期間内の定められたタイミングに同期して該ビート画像を複数枚検出するように画像検出動作を制御する画像検出制御部と、前記検出された複数枚の画像間の強度を演算して前記ビート画像の位相を算出する画像処理部と、前記画像処理部で得られた位相から前記対象物の高さ形状を算出する形状算出部とを備えるヘテロダイン干渉装置であって、
前記音響光学素子駆動部は、キャリア信号と該キャリア信号の周波数よりも低い周波数となる第1変調信号との間で振幅変調された2周波成分を有する第1信号で前記第1音響光学素子を駆動することにより、該第1音響光学素子から2つのレーザ光を発生させ、また該キャリア信号と該キャリア信号の周波数よりも低く且つ第1変調信号の周波数とは異なる周波数となる第2変調信号との間で振幅変調された2周波成分を有する第2信号で前記第2音響光学素子を駆動することにより、該第2音響光学素子から2つのレーザ光を発生させるものであり、
前記ヘテロダイン干渉光学系は、前記第1音響光学素子から発生した2つのレーザ光の何れか一方と、前記第2音響光学素子から発生した2つのレーザ光の何れか一方との間で前記ビート画像を作成するヘテロダイン干渉装置である。
前記第2信号の周波数は、前記第1信号の周波数に対して10Hz〜100Hzの差を有することが好ましい。
本発明によるヘテロダイン干渉装置によれば、特許文献1のヘテロダイン干渉装置で得られるビート画像に対し、周波数が1/2になるビート画像を得ることができる。このため、特許文献1のヘテロダイン干渉装置が持つ、測定時間が大幅に短縮されるという効果、レーザ光の強度変動などの影響を受け難いために計測精度が大幅に向上するという効果、及び、ビート画像の周波数は音響光学素子を駆動する信号の周波数で容易に変えることができるので調整が簡略化できるという効果が、より確実なものになる。
本発明のヘテロダイン干渉装置の構成と動作を説明するブロック図である。 本発明の音響光学素子を駆動する音響光学素子駆動部の構成を表す図である。 (a)はCCDカメラで画像を検出するときの観測点を示す図、(b)はビート画像を検出するときのタイミングを説明する図である。 画像強度から位相を検出するときの式の説明である。 ヘテロダイン干渉光学系の構成例を示す図である。 従来のヘテロダイン干渉法の原理を説明する図である。 (a)は従来の差動型ヘテロダイン干渉装置の構成を説明する図、(b)はビート信号の位相を検出する図である。 (a)は従来の音響光学素子から2ビーム光を作成するときの構成を示す図、(b)は2ビーム光がサンプルに照射されたときの様子を示す図である。 特許文献1におけるヘテロダイン干渉装置の構成と動作を説明するブロック図である。 特許文献1における音響光学素子を駆動する音響光学素子駆動部の構成を表す図である。
以下、図面を参照しながら本発明に従うヘテロダイン干渉装置の一実施形態について説明する。図1は、本発明のヘテロダイン干渉装置の構成と動作を説明するブロック図である。図1において、レーザ光源10は、周波数がf0になるレーザ光100を発する。ヘテロダイン干渉光学系11は、第1音響光学素子(1−AOD)110、第2音響光学素子(2−AOD)112、及びビームスプリッターや多数のレンズなどから構成される。レーザ光源10出射されたレーザ光100は、ヘテロダイン干渉光学系11におけるビームスプリッターで2方向に分割され、一方のレーザ光は1−AOD110に入射し、他方の光は2−AOD112に入射する。二つの音響光学素子は音響光学素子駆動部13で駆動され、それぞれ周波数が異なるビーム102と104に変換される。ビーム102はビームスプリッター114を通って高さ形状が測定される対象物12に照射される。対象物12で反射したレーザ光は同じビームスプリッター114で反射され、物体光としてCCDカメラなどから成る画像検出部14に入射する。なお、反射光だけでなく、対象物12を透過した光を物体光とすることも可能である。2−AODを通ったビーム104はミラー116で反射され、参照光として画像検出部14に入射する。
本実施形態のヘテロダイン干渉装置では、特許文献1のヘテロダイン干渉装置と同様に、AODを2周波数成分の信号で駆動しているが、AODから出射される2ビーム光のうち、1つのビームを選択することによって、特許文献1の装置よりも低い周波数のビート画像を得ることができる。この点につき、図2に示す音響光学素子駆動部13の構成例を参照しながら説明する。
DC電圧源20で発生させた電圧Vの直流電圧は、直流電圧を交流信号に変換する電圧制御発振器(VCO)21に印加される。これにより、符号22で示す交流信号源から周波数fの交流信号(キャリア信号)が発生し、符号25で示す振幅変調回路1と符号26で示す振幅変調回路2にそれぞれ印加される。なお、キャリア信号はそれ自身でAODを駆動できるほどの周波数を有していて、周波数fは10MHz〜100MHz程度である。符号23は交流信号源であって、ここではキャリア信号の周波数fよりも低い周波数mの交流信号(第1変調信号)を発生させる。また符号24で示す交流信号源からは、キャリア信号の周波数fよりも低く、且つ第1変調信号の周波数mとは異なる周波数nの交流信号(第2変調信号)を発生させる。なお、周波数mと周波数nは10Hz〜10KHz程度である。また周波数mと周波数nとの差は10Hz〜100Hz程度である。そして、周波数mの交流信号は振幅変調回路1に入力され、周波数nの交流信号は振幅変調回路2に入力される。振幅変調回路1は、周波数fの交流信号と周波数mの交流信号間で振幅変調を行って、周波数がf±mの2周波数成分を有する1−AOD駆動信号(第1信号)252を作成し、1−AOD110を駆動する。また振幅変調回路2は交流信号fとnの間で振幅変調を行って、周波数がf±nの2周波数成分を有する2−AOD駆動信号(第2信号)262を作成し、2−AOD112を駆動する。
1−AOD駆動信号252で駆動される1−AOD110は、2本に分離した2ビーム光272と274を発生させる。また、2−AOD駆動信号262で駆動される2−AOD112は、2本に分離した2ビーム光282と284を発生させる。ここで、各AODに入射するレーザ光の周波数をf0とする場合、2ビーム光を構成するビーム272の周波数はf0+f+m、ビーム274の周波数はf0+f−mである。同じく、2ビーム光を構成するビーム282の周波数はf0+f+n、ビーム284の周波数はf0+f−nである。ここで本実施形態では、2ビーム光272と274のうち、ビーム272のみを選択し、これを物体光として使用する。同様に、2ビーム光282と284のうち、ビーム282のみを選択し、これを参照光として使用する。そして、物体光となるビーム272と参照光となるビーム282が干渉すると、各々の周波数差であるm−nを周波数に持つビート画像が得られる。すなわち、特許文献1の装置ではビート画像の周波数が2(m−n)であったが、本実施形態ではm−nになるため、より低い周波数のビート画像が得られることになる。
物体光と参照光は広がりを持つため、これらが干渉したビート画像も広がりを有する。すなわち、画像検出部14では広がりを持ったビート画像を検出することが可能であるため、対象物12の高さ形状を面で計測することができる。
ところで物体光は、対象物12の凹凸に応じて光路長が変化し、それが位相の変化となってビート画像の強度の変化として検出されるため、ビート画像の強度を解析することが重要である。ところが、ビート画像の強度は、時間的には正弦波状に変化するため、1枚だけのビート画像の強度から位相を検出することができない。これは、時間的に正弦波状に変化するビート画像強度の振幅、バイアス強度が不定のため、どの位相で画像を検出したかを決定できないためである。このため、画像検出制御部15でビート画像の検出タイミングを決定し、ビート画像の1周期の特定のタイミングに同期して複数の画像を検出する。本実施形態では、ビート画像の1周期をN分割したタイミングを決定するものとする。そして、画像検出部14で検出された複数のビート画像を用いて、画像処理部16で画像強度の相互の演算を行う。この演算は一般に用いられる位相シフトによる画像演算で、画像強度に対応する位相を算出する。形状算出部17は画像処理部16で検出された位相データを対象物12の高さに変換するもので、画像全体の位相データから3次元形状を算出する。
ここで、複数のビート画像から位相を算出し、それを高さに変換する手順について図3を参照しながら説明する。図3(a)において符号31は、CCDカメラで検出されたビート画像の画素位置(x、y)である。全画素の画像強度はサンプル各位置の凹凸量に応じて変動しており、全画素の強度を位相に変換して高さを算出する。点(x、y)の強度をI(x、y)とすれば、
I(x、y)=Ib(x、y)+Ia・cos(φ(x、y))で表される。ここで、Ibはバイアス強度、Iaは振幅、φは位相である。ビート画像の強度から位相を算出する場合、Ib及びIaの値が未知であるため、一つの画像の強度値だけからは位相を算出することができない。そこで、複数のビート画像を検出して、ビート画像間の強度を演算することで位相を検出する方法で算出する。
図3(b)にビート画像の点(x、y)における強度の時間に対する画像検出の方法を示す。符号32はビート画像の点(x、y)における強度の時間的な変化を表し、正弦波状に強度が変化する様子を示す。ここでは、ビート画像の強度信号32の1周期の期間をTとする場合、Tを4分割したタイミングごとに画像を検出する。画像33はt=0での検出、画像34はt=T/4での検出、画像35はt=2T/4での検出、画像36はt=3T/4での検出である。検出した位置(x、y)での画像強度をI0、I1,I2,I3とする。図3(b)の実施形態では周期Tを4分割したタイミングで4枚のビート画像を検出する例を示したが、他の実施形態として、周期Tを3分割したタイミングで3枚のビート画像を検出してもよい。この場合はt=0、T/3、2T/3のタイミングでビート画像を検出する。
検出したビート画像の強度I0、I1,I2,I3から位相を算出するときの演算例を図4に示す。式1は点(x、y)における4枚のビート画像の強度で、位相φを求める。ビート画像信号の1周期を4分割したタイミングで画像検出を行っているため、位相のシフト量はπ/2のステップとなっている。式2はI0、I1,I2,I3の4つの画像強度に対して、2組の強度の差の商を演算するもので、バイアス強度Ibと振幅Iaの各々がキャンセルされることになる。従って(I3−I1)/(I0−I2)の演算により、tan(φ)が求められ、式3により位相φが決定できる。以上は画像の点(x、y)での位相算出であるが、この演算を全画素に対して行えば、対象物の凹凸に対応する位相分布が決定できる。
式4と式5に検出した位相φを対象物の高さに変換する関係式を示す。式4は対象物に照射したレーザ光が反射した場合、式5は同じく透過した場合の関係式であり、λはレーザ光の波長、hは高さである。波長λが633nmのHe−Neレーザを用いる場合、位相が1度であれば、反射の時はλ/720になるので0.88nmである。透過の場合は同じくλ/360になるので1.76nmに相当する。
図5は、本発明に従うヘテロダイン干渉光学系の構成例を示す。レーザ光源10から発せられたレーザ光100は、レンズ系50によりビーム径を変換されてビームスプリッター(BS)52に入射する。BS52を透過したレーザ光は第1音響光学素子(1−AOD)110に入射して回折し、周波数シフト作用を受けて物体光として対象物53に入射し、透過光が反射ミラーで反射する。一方、BS52で反射したレーザ光は反射ミラー55で反射され、第1音響光学素子(2−AOD)112に入射して回折し、周波数シフト作用を受けて参照光となる。なお、物体光は対象物53を透過した例で示したが、対象物53で反射した場合でも同様である。
物体光と参照光はBS56で重ね合わせられて干渉して低周波数のビート画像となる。ビート画像はレンズ57でビーム形状を変換して画像を撮影するのに適した大きさになって、CCDカメラ58で画像検出される。
以上の説明で明らかなごとく、本発明は通常のCCDカメラで検出される低周波数領域の2次元ビート画像を作成するとともに、そのビート画像信号の1周期の特定のタイミングごとに画像を検出する構成である。すなわち本発明では、物体光と参照光の両方をビート信号としてそのビート信号間の差周波数のビート画像を作成することで低周波数化を実現し、従来の静的な干渉計測で用いられていた位相シフト法をヘテロダイン干渉計測に応用して高精度な位相検出を行うことができる。更に本発明では、特許文献1のヘテロダイン干渉装置で得られるビート画像に対し、周波数が1/2になるビート画像を得ることができるため、CCDカメラでの検出をより余裕をもって行う事が可能である。
10:レーザ光源
110:第1音響光学素子
112:第2音響光学素子
12:対象物
13:音響光学素子駆動部
14:画像検出部
15:画像検出制御部
16:画像処理部
17:形状算出部

Claims (2)

  1. レーザ光を発するレーザ光源と、前記レーザ光がそれぞれ入射され且つ音響光学素子駆動部から出力される相互に異なる周波数の信号で駆動される第1音響光学素子及び第2音響光学素子を有し、該第1音響光学素子から出射されるレーザ光を高さ形状を測定する対象物に照射することで該対象物にて反射或いは透過する物体光を得るとともに該第2音響光学素子から該物体光とは周波数が異なる参照光を得ることで、該物体光と該参照光の周波数の差の周波数を有するともに干渉光強度が時間的に正弦波状に変化して2次元広がりを有するビート画像を作成するヘテロダイン干渉光学系と、前記ビート画像の周波数近傍の周波数帯域で応答して該ビート画像を検出する画像検出部と、前記ビート画像の1周期の期間内の定められたタイミングに同期して該ビート画像を複数枚検出するように画像検出動作を制御する画像検出制御部と、前記検出された複数枚の画像間の強度を演算して前記ビート画像の位相を算出する画像処理部と、前記画像処理部で得られた位相から前記対象物の高さ形状を算出する形状算出部とを備えるヘテロダイン干渉装置であって、
    前記音響光学素子駆動部は、キャリア信号と該キャリア信号の周波数よりも低い周波数となる第1変調信号との間で振幅変調された2周波成分を有する第1信号で前記第1音響光学素子を駆動することにより、該第1音響光学素子から2つのレーザ光を発生させ、また該キャリア信号と該キャリア信号の周波数よりも低く且つ第1変調信号の周波数とは異なる周波数となる第2変調信号との間で振幅変調された2周波成分を有する第2信号で前記第2音響光学素子を駆動することにより、該第2音響光学素子から2つのレーザ光を発生させるものであり、
    前記ヘテロダイン干渉光学系は、前記第1音響光学素子から発生した2つのレーザ光の何れか一方と、前記第2音響光学素子から発生した2つのレーザ光の何れか一方との間で前記ビート画像を作成するヘテロダイン干渉装置。
  2. 前記第2信号の周波数は、前記第1信号の周波数に対して10Hz〜100Hzの差を有する請求項1に記載のヘテロダイン干渉装置。
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