JP2017166053A - 高清浄鋼の溶製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高清浄鋼を製造する際に、N2ガスを用いて取鍋精錬(LF)工程でガスバブリング処理を実施することで、スラグ/メタル界面の溶鋼揺らぎを抑制し、スラグ巻き込みを防止できる高清浄鋼の溶製方法の提供。
【解決手段】LF処理にあたりN2ガスを用い、ランス2の吐出孔は平面視で円周方向に90°以上離れ且つN個(2≦N≦4)配備され、取鍋1の平面視で長径と短径が交わる位置を基準位置とし、取鍋1の平面視でランス2配備位置の基準位置と取鍋1基準位置の距離r、取鍋1基準位置とランス2配備位置の基準位置を通過し取鍋1内壁面に到達する直線を取鍋1半径Rとした場合0.35≦r/R≦0.75を満たし、ランス2配備位置の基準位置の溶鋼ヘッド深さH、取鍋1内溶鋼深さWとした場合0.75≦H/W≦0.92を満たし、ガス総量Q(Nl/min)とした場合60≦Q/NH≦170を満たすようにガスを吐出する高清浄鋼の溶製方法。
【選択図】図1A

Description

本発明は、高清浄鋼の溶製方法に関する。
周知の如く、船舶用部品、例えば船舶エンジン内のクランクシャフト等を製造するにあたっては、その元となる鋼塊や鋼材は、高い耐疲労特性が要求されるため、疲労特性に大きな影響を及ぼす介在物の非常に少ない高清浄鋼(高清浄度鋼)であることが必要不可欠である。
高清浄鋼を製造する方法としては、転炉から出鋼された溶鋼に対し2次精錬を行うことで、更なる組成調整を実施し、この二次精錬終了後の溶鋼に対して脱ガス処理を行うことで、溶鋼内に存在する水素等のガス成分の除去を行っていた。
高清浄鋼を製造する技術としては、例えば、特許文献1、2に開示されている。
特許文献1は、より清浄度を高めるための軸受鋼の精錬方法を提供することを目的としている。
詳しくは、軸受鋼の精錬においては、まず転炉にて窒素ガスを溶鋼に供給しながら一次精錬工程を行う。一次精錬工程が終了すると、転炉から取鍋に装入されて出鋼された溶鋼中に、窒素ガスを吹き込んで当該窒素ガスで撹拌するバブリング工程を行う。バブリング工程後に、真空脱ガス処理工程を行う。
なお、バブリング工程では窒素ガス(N)を用いて撹拌を行っているので、一次精錬工程時に窒素濃度がばらついていても、窒素濃度を高めた状態となるので、後工程の真空脱ガス処理を行うことができるようになっている。真空脱ガス処理工程において、非金属介在物の除去効果を向上させ、鋼の清浄度を向上させることを目的としている。
特許文献2は、インジェクションランス及び酸素ランスを用いて、容器内の溶銑の脱珪脱硫を行うに際し、脱珪処理から脱硫処理の切り替え時に、スラグを除去することなく効率よく精錬を行うことを目的としている。
詳しくは、同文献の精錬方法は、[Si]が0.25質量%以上含有する溶銑を取鍋に装入して、取鍋内の溶銑に酸素ランスから酸素を吹き付けると共にインジェクションランスから酸素ランスの方向に攪拌用ガスおよび精錬剤を吹き込むことで、溶銑の脱珪及び脱硫を行う溶銑の精錬方法であって、酸素ランス及びインジェクションランスの操業条件を規定する。また、精錬剤を脱珪剤から脱硫剤に切り替えて、脱珪から脱硫処理に移行する際のスラグ組成がCaO/SiO2=0.5〜1.0、T.Fe≦15(質量%)の範囲に調整することを目的としている。
特開2006−283090号公報 特開2013−155401号公報
ところで、鋼材中に存在する介在物の度合いである清浄度が低いと、疲労寿命の低下など、製品の品質悪化を生じさせることとなる。このような、製品の品質を悪化させないために、清浄度を高くなるように、製品の製造を行っている。
しかしながら、特許文献1は、バブリング工程で撹拌ガス流量が3500(Nl/min)と、スラグを巻き込んでしまう程のガス流量となっているため、バブリング工程において鋼材中の介在物を増加させてしまう虞がある。
一方で、特許文献2は、窒素ガスを用い、且つランス位置を規定して、溶銑の脱珪・脱硫を行う技術であるが、そもそも溶銑の精錬方法であり、二次精錬工程には転用させることは困難である。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、高清浄鋼を製造する際に、窒素ガス(N2)を用いて、適正なLFガスバブリング処理を実施することで、スラグ/メタル界面の溶鋼の揺らぎが抑制されるとともに、スラグの巻き込みを防止することが可能な高清浄鋼の溶製方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる高清浄鋼の溶製方法は、高清浄鋼を溶製するにあたり、転炉での精錬工程−取鍋精錬(LF)工程−真空脱ガス(RH)工程にて製造を行う場合、前記取鍋精錬処理において、前記取鍋内の溶鋼を、ランスを用いてガス攪拌を行うにあたり、前記ガスとして、N2ガスを用いることとし、前記ランスの先端には、前記ガスを前記溶鋼へ吐出する吐出孔が、平面視で円周方向に90°以上離れた位置に、且つN個(2≦N≦4)配備されていて、前記取鍋の平面視における当該取鍋の長径と短径が交わる位置を基準位置とし、前記取鍋の平面視において、前記ランス配備位置の基準位置と前記取鍋の基準位置との距離をr(m)とし、前記取鍋の基準位置と前記ランス配備位置の基準位置を通過し、前記取鍋の内壁面に到達する直線を、前記取鍋の半径R(m)とした場合、式(1)を満たし、
0.35≦r/R≦0.75 ・・・(1)
前記ランス配備位置の基準位置における溶鋼ヘッド深さをH(m)とし、前記取鍋内の溶鋼深さをW(m)とした場合、式(2)を満たし、
0.75≦H/W≦0.92 ・・・(2)
前記ランスのガス総量をQ(Nl/min)とした場合、式(3)を満たすように、前記ガスを前記取鍋内の溶鋼へ吐出することを特徴とする。
60≦Q/NH≦170 ・・・(3)
本発明によれば、高清浄鋼を製造する際に、窒素ガス(N2)を用いて、適正なLFガスバブリング処理を実施することで、スラグ/メタル界面の溶鋼の揺らぎが抑制されるとともに、スラグの巻き込みを防止することが可能である。
取鍋精錬(LF)工程でのN2吹きによる二次精錬工程の概略を模式的に示した図である。 真空脱ガス(RH)工程の概略を模式的に示した図である。 スラグ巻き込みを模式的に示した図である(流量大)。 スラグ巻き込みを模式的に示した図である(流量小)。 ランスの形状を模式的に示した図である。 取鍋の上方視におけるランスの配備位置を模式的に示した図である。 側方断面視におけるランスの配備位置の基準を模式的に示した図である。 上方視におけるランスの配備位置の基準を模式的に示した図である。 ランスの配備位置による溶鋼流動の違いを模式的に示した図である(取鍋の壁面よりにランスが配備されている)。 ランスの配備位置による溶鋼流動の違いを模式的に示した図である(取鍋の中央にランスが配備されている)。 スラグ系介在物の個数と、製品の不良率との関係を示す図である。 スラグ系介在物の個数と、巻き込み指数との関係を示す図である。 取鍋の半径方向におけるランスの位置を示す比率(r/R)と、巻き込み指数の関係を示す図である。 取鍋の側方断面視におけるランスの配備位置を模式的に示した図である。 吐出孔の深さを示す比率(H/W)と、巻き込み指数の関係を示す図である。 ガスの総流量を示す比率(Q/NH)と、巻き込み指数の関係を示す図である。 水モデル実験におけるランスの配備位置を模式的に示す図である。 水モデル実験におけるランスの形状を模式的に示した図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて、詳細に説明する。
まず、本発明は、高清浄度を必要とする鋼材を対象とする。理由としては、鋼材中に存在する介在物の度合いである清浄度が低いと、疲労寿命の低下など、品質悪化が生じる虞があるためである。
高清浄鋼を溶製するにあたっては、当業者常法の一般的な高清浄鋼の製造方法(転炉−LF−RH工程)を用いることとする。
図1A,Bに示すように、高清浄鋼は、転炉での一次精錬工程と、取鍋精錬(LF)工程、真空脱ガス(RH)工程での二次精錬工程から成る製鋼工程を経て製造される。なお、LF工程では、ランス2またはポーラス耐火物からのガス撹拌による成分調整、電極加熱による温度調整を実施している。
取鍋1とは、鉄製の容器(鉄皮)の内側に耐火物を備えた、転炉から出鋼された溶鋼6を装入するための容器である。
図2A,Bに示すように、ガス撹拌により、溶鋼6中の介在物の浮上が促進されるが、スラグ/メタル界面での溶鋼流動やガス気泡によるスラグ7の巻き込み、取鍋1の内壁面に形成されている耐火物が撹拌しているガスにより削られて介在物となり、清浄度を悪化させる懸念がある。
スラグ7とは、溶鋼6の保温・酸化防止や、介在物捕捉などのために、溶鋼6の上面(湯面)に散布されている溶融酸化物である。また、スラグ/メタル界面とは、溶鋼6とスラグ7との境目のことである。スラグ7は、スラグ/メタル界面から溶鋼6中へ混入して、CaOを含有するスラグ系介在物となる。
図3に示すように、ランス2とは、内部にガス配管を通した棒状の耐火物である。ランス2の先端には、溶鋼6にガスを吐出する吐出孔3が設けられている。取鍋1内の溶鋼6にランス2を浸漬させて、吐出孔3から不活性ガスを流すことで、溶鋼6の撹拌を行う。
通常、ガス撹拌には、アルゴン(Ar)ガスを用いている。なお、取鍋1内の溶鋼6にランス2を浸漬した時に、スラグ7が存在する位置となる箇所は、そのスラグ7による溶損が発生することを見越して、耐火物が厚めに形成されている。
ポーラス耐火物とは、発泡性の耐火物であり、取鍋1の底部に埋め込まれている(例えば1〜2箇所)。ポーラス耐火物からガスを流すことで、取鍋1内の溶鋼6を撹拌する。
図1Bに示すように、RH工程では、2本の浸漬管4を取鍋1内の溶鋼6へ浸漬させて、それら浸漬管4の上部に接続されている真空槽内を真空状態とすることで、溶鋼6を真空槽内の下部まで上昇させる。
浸漬管4の内側からガス(通常はArガス)を流すことで、浸漬管4内に上昇流を発生させて、2本の浸漬管4のうち1本の浸漬管4で溶鋼6を真空槽内の下部まで上昇させて、もう1本の浸漬管4から取鍋1内へ溶鋼6を還流させて、撹拌している。
上記のRH工程では、ガスによる撹拌力が大きいため、介在物の凝集浮上分離効果が大きく、清浄度が向上する。また、真空槽内では、鋼中に溶存している窒素や水素といったガス成分が脱ガスされる。
さて、本発明は、図1A,Bに示すように、LF工程において、使用するガスの種類をN2ガスとし、ランス2の吐出孔3の数、溶鋼表面からのランス2の浸漬深さ、取鍋1の半径方向におけるランス2の配備位置、吐出孔3から流出させるN2のガス流量を適正化することで、N2ガスの吹き込み時に、スラグ7の巻き込みを低減させることができる溶鋼流動とする手法である。
図1Aに示すように、ランス2の先端に設けられた吐出孔3から吐出された直後のN2ガスは、気泡の外周径(気泡径)が大きいため、溶鋼6の撹拌に必要な撹拌力(気泡が上昇する際に、気泡が抜けた位置に溶鋼が入り込む時の溶鋼の上昇流によって、溶鋼が撹拌される力)を得ることができるので、N2ガス(不活性ガス)を、ランス2を用いたガス撹拌に採用することとしている。
N2ガスの気泡が溶鋼6の上面に浮上するに従い、鋼中にN2ガスが溶解するので、スラグ/メタル界面付近では、N2ガスの気泡径が小さくなる。
このように、溶鋼6の上面において、N2ガスの気泡径が小さくなるため、スラグ/メタル界面付近での撹拌力が弱くなり、スラグ/メタル界面でのN2ガスの気泡による溶鋼6の揺らぎが小さくなる。そのため、取鍋スラグ7の巻き込みが低減される。
図3に示すように、本発明は、吐出孔3がN個設けられているランス2を用いている(2≦N≦4)。平面視における各吐出孔3の位置は、それぞれ、ランス2の円周方向で90°以上、離れた外周面としている。なお、吐出孔3の位置とは、ランス2の上下方向の軸心に対して交差する方向を向く吐出孔の軸心上のランス2表面での位置である。
複数の吐出孔3から吐出されるN2ガスについて、それぞれの吐出孔3同士が配置される角度を90°未満とした場合、吐出されるN2ガスが互いに干渉して、その気泡径が大きくなり、スラグ/メタル界面でのN2ガスの気泡による溶鋼6の揺らぎが大きくなってしまう虞がある。その故、取鍋スラグ7を巻き込みやすくなる。
一方、それぞれの吐出孔3同士が配置される角度を90°以上とした場合、吐出されるN2ガスの干渉による気泡径の粗大化を抑制することができるので、取鍋スラグ7の巻き込みを抑制することができる。
なお、吐出孔3の数が1孔とした場合、吐出孔3の閉塞時にN2ガスが流れなくなり、撹拌不良が起こる虞がある。その結果、溶鋼6の成分・温度が不均一となり、成分規格外れなどが生じて、製品の品質が悪化する。
また、吐出孔3の数が5孔以上の場合は、そもそも吐出孔3を90°以上離して配置することができない。すなわち、吐出孔3の数が5孔以上の場合、それぞれの吐出孔3が配置される角度が90°未満となる。この場合、N2ガスが互いに干渉して、その気泡径が大きくなるので、取鍋スラグ7を巻き込んでしまう虞がある。
図4に示すように、取鍋1を平面視して、その取鍋1の底部において、その内周径の長径と短径が交わる位置を基準位置とする。
取鍋1の平面視において、ランス2の配備位置の基準位置と、取鍋1の基準位置との距離をr(m)とし、取鍋1の基準位置とランス2の配備位置の基準位置を通過し、取鍋1の内壁面に到達する直線を、取鍋1の半径R(m)とした場合、式(1)を満たす。
0.35≦r/R≦0.75 ・・・(1)
「r/R」は、取鍋1内の半径方向におけるランス2の配備位置の基準位置を示すパラメータである。取鍋1の基準位置は、取鍋1底部における内周長径と内周短径の交点である。
ランス2の配備位置の基準位置は、図5A,Bに示すように、各吐出孔3の高さ方向の位置、かつ、ランス2を上方から見た時(平面視)における、ランス2の中心軸の位置である。
「r」(m)は、取鍋1の基準位置からランス2の配備位置の基準位置までの距離である。「R」(m)は、取鍋1の基準位置から、取鍋1の内壁面までの距離であって、ランス2の配備位置の基準位置上を通過する。
取鍋1は上方から見ると通常は円形であるが、楕円形の取鍋も考慮している。
理由としては、取鍋1の鉄皮が円形であっても、鉄皮の内壁面側に形成されている耐火物の厚みが、実操業によって変わることがあるので、取鍋1を上方から見ると内部が楕円形となっていることがある。それ故、本発明では、平面視で、円形、楕円形などの取鍋1も考慮することとしている。
なお本実施形態では、図4に示すように、平面視で円形の取鍋1を例に挙げて説明する。それにより、取鍋1底部における円の中心点を、取鍋1の基準位置としている。
取鍋1の半径方向におけるランス2の位置(r/R)を規定する。
また、図5に示すように、ランス2に設けられているランス2の配備位置の基準位置は、ランス2の高さ方向における、ランス2の先端から各吐出孔3の中心軸の高さで且つ、ランス2を上方から見た場合におけるランス2の中心位置(円の中心点)とする。
(r/R)を下限以上(0.35≦r/R)とすることで、図6Aに示すように、取鍋1内において溶鋼流動が干渉せずに、溶鋼6全体を一周するような大きな一様の流動ができることとなり、溶鋼6の撹拌効率が各段に向上する。それ故、介在物の浮上分離効果が増加することとなり、清浄度がさらに上昇する。
(r/R)が下限を下回る(0.35>r/R)と、図6Bに示すように、溶鋼6上部(湯面)の中心付近から壁面に向かって放射状に溶鋼流動が広がり、内壁面に沿って下方にゆき、溶鋼6下部の中心付近まで流れる溶鋼流が生じることとなる。
そのため、溶鋼6下部で溶鋼流動が互いに干渉し、攪拌効率が低下する。このように、撹拌効率が低下するので、取鍋1内における介在物の浮上分離効果が低下し、清浄度が悪化することとなる。
(r/R)が上限を超える(r/R>0.75)と、取鍋1内の耐火物へ加わる、ガスによる力が増加するので、耐火物や付着物の剥離が起きることとなり、剥離したものが溶鋼6中に介在物として混入してしまい、清浄度が悪化することとなる。
図7Aに、スラグ系介在物の個数[個/kg]と、製品の不良率[ppm]の関係を示す。図7Bに、スラグ系介在物の個数[個/kg]と、巻き込み指数[-]の関係を示す。
製品の不良率とは、鋼材をΦ2.45(mm)の球に加工後、目視でその球の表面に介在物が検出される確率のことである。
スラグ系介在物の個数とは、鋼材をスライム溶解法により溶解させた時に検出される、CaOが5(wt.%)以上含有されている介在物の個数である。
巻き込み指数とは、後述する水モデル実験によって得られたスラグ7の巻き込みを指数で表現したものである。巻き込み指数を26以下とすると、スラグ7の巻き込みが抑制され、製品の不良率の最大値を減少させることができる。
図8に、(r/R)と巻き込み指数の関係を示す。(r/R)を0.35以上0.75以下とすることで巻込み指数を26以下とすることができる。(図8中の●印)。
ここで、図9に示すように、ランス2配備位置の基準位置(図5A,Bに示す位置)における溶鋼ヘッド深さをH(m)とし、取鍋1内の溶鋼深さをW(m)と定義する。なお、溶鋼表面位置(湯面)を、ランス2配備位置の基準位置における溶鋼ヘッド深さの基準位置とする。
取鍋1内の溶鋼深さと、ランス2の配備位置における溶鋼ヘッド深さの(H/W)比は、式(2)を満たす。
0.75≦H/W≦0.92 ・・・(2)
「H/W」は、溶鋼6内でのランス2配備位置の基準位置を示すパラメータである。「H」(m)は、溶鋼湯面からランス2配備位置の基準位置までの距離である。「W」(m)は、溶鋼湯面から取鍋1の底部までの距離である。
(H/W)が下限を下回る(0.75>H/W)と、溶鋼6中において、N2ガスの気泡の滞留時間が短くなり、N2ガスの溶解量が減るので、スラグ/メタル界面でN2ガスの気泡径が粗大なままとなる虞がある。それ故、溶鋼6上部における撹拌力が低下しないので、スラグ7の巻き込みが生じてしまうこととなる。
なお、吐出孔3をランス2の先端より0.25(m)上方の位置に設け、且つ溶鋼深さW=3(m)とした場合、溶鋼湯面から吐出孔3までの距離は、H=2.75(m)のときである。そのとき、取鍋1内のランス2の配備位置の基準位置における溶鋼深さHと、取鍋1内の溶鋼深さWの比の上限は、(H/W)=0.92となる。
図10に、(H/W)と巻き込み指数の関係を示す。式(2)を満たすことで、巻き込み指数が26以下となる。
ランス2に設けられている複数の吐出孔3から吐出されるN2ガスの総量をQ(Nl/min)とした場合、以下の式(3)を満たす。
60≦Q/NH≦170 ・・・(3)
「Q/N」は、吐出孔3、1孔当たりのガス流量(Nl/min)を示すパラメータである。「Q」(Nl/min)は、溶鋼6へ流れ込むN2の総ガス流量である。「N」(個)は、径方向において、ランス2の外周壁に設けられている吐出孔3の個数である(2≦N≦4)。
「Q/NH」(Nl/min・m)は、吐出孔3の単位深さ当たりで且つ、1孔当たりのガス流量である。なお、吐出孔3の深さH(ランス2の配備位置の基準位置)によって、溶鋼6中における窒素(N2)気泡の滞留時間が変化するので、窒素の溶解量が変化し、撹拌ガス流量も変化する。
そのため、吐出孔3の単位深さ当たりで且つ、1孔当たりのガス流量(Q/NH)を決定する必要がある。
(Q/NH)=q(qは定数)とすると、吐出孔3、1孔当たりのガス流量(Q/N)は(Q/N)=qHとなり、吐出孔3の深さHの関数として表現される。
(Q/NH)が下限を下回る(60>Q/NH)と、N2の総ガス流量に対する溶鋼6中に溶解するN2の割合が増加するので、撹拌不足となるガス流量となってしまう虞がある。また、溶鋼静圧により、吐出孔3からN2が流れず、撹拌不能となる可能性もある。
それ故、撹拌不足によって溶鋼成分の不均一が生じ、成分の規格外れが発生する虞がある。
一方、(Q/NH)が上限を超える(Q/NH>170)と、スラグ/メタル界面に達する前において、N2ガスが溶鋼6中に十分に溶解しないので、撹拌力が強くなり、スラグ7を巻き込みやすくなる。
図11に、(Q/NH)と巻き込み指数の関係を示す。(Q/NH)が下限未満となる(60>Q/NH)と、撹拌不良となり、溶鋼成分が不均一となる。一方、(Q/NH)が上限を超える(Q/NH>170)と、巻き込み指数が26を超えてしまい、スラグ7の巻き込みを抑制することができない。
また、ガスの種類をArガスとした場合、N2ガスと比較すると、巻き込み指数が増加することとなり、スラグ7の巻き込みを抑制することができない。
なお、図8、図10、図11は、後ほど示す表2〜表5の実験結果をプロットしまとめたものである。
[実施例]
まず、水モデル実験について説明する。
図12は、水モデル実験で用いるLF装置(取鍋1)を模したものの概略を示した図である。図13は、水モデル実験で用いるランス2の概略を模式的に示した図である。
巻き込み指数を求めるにあたっては、水モデル実験における空気吹き込み時の巻き込み指数より求めた。また、実機において、N2ガス吹きを実施し、溶鋼6中へのN2の歩留りと、計算したN2の気泡滞留時間から、スラグ/メタル界面でのN2の総ガス流量を求め、水モデル実験結果からN2ガス吹き時の巻き込み指数を求めた。
水モデル実験における装置のサイズ、巻き込み指数に関しては、1/5スケールで行い、それぞれ5倍、125倍に換算して、実機相当値とした。また、撹拌ガス流量は、修正フルード数の近似から実機相当値とした。
以下に、水モデル実験の実験条件を示す。
水モデル実験用のLF装置として、スケールが1/5サイズのものを用いた。撹拌ガスの種類を、空気とした。模擬スラグを、シリコーンオイル(10cSt)とした。相似則は、修正フルード数近似とした。
ランス2は、吐出孔3の数が2〜4孔のものを用いた。ランス位置を、半径方向で160〜340(mm)とした。なお、実機換算で800〜1700(mm)である。吐出孔3の深さHを、450(mm)とした。なお、実機換算で2250(mm)である。
撹拌ガスの流量を、2.6〜10.3(Nl/min)とした。なお、実機換算で150〜600(Nl/min)である。バブリング時間を、3時間とした。
ランス2に設けられた吐出孔3は、水平方向(ランス2から直交する方向)を向いている。
なお、取鍋1内に装入された際における、各吐出孔3の方向に規定はしていない。すなわち、本発明は、取鍋1内における各吐出孔3の方向に依らず、作用効果が発現する。例えば、吐出孔3が取鍋1の内壁面を向いていてもよい。
理由としては、溶鋼6中でのN2の気泡が進む距離は、ガス流量を本発明の範囲としても、最大で0.12(m)程度であり、またランス位置を本発明の位置としても取鍋1の内壁面までN2の気泡が届かないため、各吐出孔3の方向を特に規定していない(計算式は、参考文献:「石橋政衛、山本里見:鉄と鋼, 65(1979),A133.」を参照)。
実機におけるランス2の配備位置の基準位置(ランス2の中心軸の位置)での実際のガス流量は、溶鋼静圧、温度などを考慮し、ボイルシャルルの法則を用いて、計算した。
ランス2の配備位置の基準位置での圧力は、溶鋼静圧(ρl・g・H)と、スラグ静圧(ρs・g・H)を考慮して、計算した。(ρl:溶鋼密度(kg/m3)、ρs:スラグ密度(kg/m3)、g:重力加速度(m/s2)、H:吐出孔の深さ(m)
また、N2ガス吹き込み時における温度を300(K) とし、ランス2の配備位置の基準位置における温度を1800(K)とした。
水モデル実験の実験方法としては、以下に示すようにした(図12、図13参照)。
(1) 取鍋1を模したものの浴中に水、シリコーンオイルを満たし、修正フルード数近似でランス2から空気を吐出させた。
(2) バブリング後、3つの油回収管5内のシリコーンオイル量(ml)を測定し、その測定した平均値を巻き込み指数とした。
次に、実機実験について説明する。
N2ガス吹き時における撹拌ガス流量(N2の流量)を算出するにあたっては、溶鋼6中へのN2の歩留りと、N2の気泡滞留時間から、湯面からの吐出孔3の深さHの違いによる溶鋼6中へのN2の歩留りを算出し、スラグ/メタル界面における撹拌ガス流量を計算した。
溶鋼6中におけるN2の歩留りについては、実機のLF装置において、N2バブリングを実施し、N2の総ガス流量と、溶鋼6中のN濃度の変化から、求めた。
湯面からの吐出孔3の深さHにおけるN2の気泡滞留時間については、以下に示す式を用いて算出した(参考文献:D.W.van Frevelen and P.J.Hoftijzer : Chem.Eng.Prog.,vol.46 (1950),29.」参照)。
気泡滞留時間:t=H/vb
気泡上昇速度:vb=vl+(d・g/2)0.5
溶鋼上昇速度:vl=19.9・Q/Pb/16・(g・45/(Q/Pb)2)0.24・(H/4)0.2
気泡のN2分圧:Pb=1+ρ・g・H/2/P0
ただし、 H:湯面からの吐出孔の深さ(m)
d:N2の気泡径(m)
g:重力加速度(m/s2)
Q:N2の流量(Nm3/s)
ρ:溶鋼密度(kg/m3)
P0:大気圧(Pa)
スラグ/メタル界面での撹拌ガス流量について、溶鋼6中へのN2の歩留りはN2の気泡滞留時間に比例するとして、実機での溶鋼6中へのN2の歩留りと、吐出孔3の深さHとN2の気泡滞留時間の関係から、スラグ/メタル界面における撹拌ガス流量(N2)を算出した。
次に、実機実験の実験条件を以下に示す。
一次精錬工程については、以下に示すように行った。
容量が250(ton)の転炉を用いた(ただし、tonは粗鋼トン)。なお、転炉の操業においては、当業者常法通りに処理を実施した。また、容量が250(ton)の取鍋1を用いた。
ここで、鋼材の成分範囲を表1に示す。(ただし、数値単位は全てwt%)。
二次精錬工程については、以下に示すように行った。
取鍋精錬(LF)工程について、撹拌方法をランス撹拌とした。またランス2は、吐出孔3の数が2〜4孔のものを用いた。ガスは、N2、Arを用いた。ガス流量を、300〜1800(Nl/min)とした。LF処理の時間を、40〜60分とした。なお、LF工程においては、当業者常法通りに処理を実施した。
真空脱ガス(RH)工程について、真空度を1(Torr)以下とした。還流時間を、30分以上とした。還流ガス流量を、1000〜3000(l/min) とした。還流ガスは、Arを用いた。なお、RH工程においては、当業者常法通りに処理を実施した。
なお、連続鋳造工程については、当業者常法通りの高炭素鋼ブルーム製造方法で実施した。
溶鋼6の成分不均一の評価方法については、以下に示すように行った。
LF工程において合金投入3分後以降に、溶鋼6の成分分析(溶鋼表面から300mmの深さでサンプリング)を実施し、通常の合金歩留を考慮した時の予測成分濃度より外れる場合を、溶鋼6の成分不均一とした。例えば、撹拌不良であれば、溶鋼6中で投入した合金の成分が部分的に濃化している。
スラグ系介在物の個数の評価方法については、以下に示すように行った。
スライム溶解法を用いて、ビレット(鋼材)中のスラグ系介在物の個数を評価した。なお、陽極をサンプル(ビレット)とし、陰極をSUSとした。電解液を、10%FeCl2水溶液とした。
具体的には、スライム溶解法によりサンプル(鋼材)を溶解させて、20(μm)のメッシュに捕捉された残渣から介在物を抽出し、その介在物をエネルギー分散型X線分析 (Energy dispersive X-ray spectrometry:EDX) により組成分析し、CaO濃度が5(wt.%) 以上含む介在物の個数をカウントした。
また、巻き込み指数は、水モデル実験より算出した。
なお、不良率の評価方法については、鋼材を外径2.45(mm)の球に加工後、目視で確認して、表面に介在物が検出されたものを不良品とした。
次に、本発明における高清浄度鋼の溶製方法の実施例及び比較例について、説明する。
表2に、本発明における高清浄度鋼の溶製方法の実施例を示す。表3に、高清浄度鋼の溶製方法の比較例を示す。
なお、比較例13〜比較例18は、Arガス吹きである。比較例19は、Arガス吹きで且つ、ランス深さに対する1孔当たりの吐出流量の上限外れである。比較例20、21は、吐出孔数上限外れである。比較例22、23は、吐出孔数下限外れである。比較例24、25は、取鍋1半径方向のランス位置上限外れである。比較例26、27は、取鍋1半径方向のランス位置下限外れである。比較例28〜比較例31は、溶鋼深さに対するランス深さの比の下限外れである。比較例32は、取鍋1半径方向のランス位置上限外れで且つ、溶鋼深さに対するランス深さの比の下限外れである。比較例33は、取鍋1半径方向のランス位置下限外れで且つ、溶鋼深さに対するランス深さの比の下限外れである。比較例34〜比較例36は、ランス深さに対する1孔当たりの吐出流量の上限外れである。比較例37、38は、ランス深さに対する1孔当たりの吐出流量の下限外れである。
表2のNo,1(実施例)を参照すると、N2ガス吹きである。吐出孔3の数は、4つである。(r/R)が0.75であり、式(1)を満たしている。(H/W)が0.75であり、式(2)を満たしている。(Q/NH)が156であり、式(3)を満たしている。
溶鋼6の成分不均一が無く、巻き込み指数(26以下)が25であり、スラグ7の巻き込みが抑制されていることが確認できる。
表2のNo,3(実施例)を参照すると、N2ガス吹きである。吐出孔3の数は、4つである。(r/R)が0.75であり、式(1)を満たしている。(H/W)が0.77であり、式(2)を満たしている。(Q/NH)が162であり、式(3)を満たしている。
溶鋼6の成分不均一が無く、巻き込み指数(26以下)が4であり、スラグ7の巻き込みが抑制されていることが確認できる。
表2のNo,5(実施例)を参照すると、N2ガス吹きである。吐出孔3の数は、3つである。(r/R)が0.55であり、式(1)を満たしている。(H/W)が0.84であり、式(2)を満たしている。(Q/NH)が113であり、式(3)を満たしている。
溶鋼6の成分不均一が無く、巻き込み指数(26以下)が10であり、スラグ7の巻き込みが抑制されていることが確認できる。
表2のNo,6(実施例)を参照すると、N2ガス吹きである。吐出孔3の数は、2つである。(r/R)が0.75であり、式(1)を満たしている。(H/W)が0.84であり、式(2)を満たしている。(Q/NH)が170であり、式(3)を満たしている。
溶鋼6の成分不均一が無く、巻き込み指数(26以下)が8であり、スラグ7の巻き込みが抑制されていることが確認できる。
一方、表3のNo,13(比較例)は、Arガス吹きで行っている。その結果、巻き込み指数(26以下)が58となっており、スラグ7の巻き込みが抑制されていないことが確認できる。
表3のNo,20(比較例)を参照すると、吐出孔3の数が5つのランス2を用い、N2ガス吹きを行っている。その結果、巻き込み指数(26以下)が38となっており、スラグ7の巻き込みが抑制されていないことが確認できる。
表3のNo,22(比較例)を参照すると、吐出孔3の数が1つのランス2を用い、N2ガス吹きを行っている。その結果、溶鋼6の成分不均一が発生していることが確認できる。
表3のNo,24(比較例)を参照すると、(r/R)が0.76であり、式(1)を満たしていない。その結果、巻き込み指数(26以下)が36となっており、スラグ7の巻き込みが抑制されていないことが確認できる。
表3のNo,28(比較例)を参照すると、(H/W)が0.74であり、式(2)を満たしていない。その結果、巻き込み指数(26以下)が41となっており、スラグ7の巻き込みが抑制されていないことが確認できる。
表3のNo,34(比較例)を参照すると、(Q/NH)が171であり、式(3)を満たしていない。その結果、巻き込み指数(26以下)が58となっており、スラグ7の巻き込みが抑制されていないことが確認できる。
表4に、表2、表3中の「巻き込み指数」を抜粋したものを示す。
表4より、巻き込み指数を26以下とすることで、スラグ7の巻き込みを抑制することができることが確認できる。なお、実験番号22,23,37,38(比較例)については、巻き込み指数が26以下でスラグ7の巻き込みが抑制されているが、後述する溶鋼6の成分不均一が生じている。
また、図7Aに示すように、製品の不良率は、スライム溶解法のスラグ系介在物の個数と相関があり、スラグ系介在物の個数を2(個/kg)以下に低減すると、製品の不良率の最大値は大きく減少することとなる。
図7Bに示すように、スラグ系介在物の個数は、水モデル実験における巻き込み指数と関係があり、スラグ系介在物の個数が2(個/kg)のとき、巻き込み指数が26となる。巻き込み指数が26以下とすることで、スラグ7の巻き込みが抑制され、製品の不良率を減少させることができる。
表5に、表2、表3中の「成分不均一」を抜粋したものを示す。
溶鋼6の成分不均一が発生すると、製品の成分規格から外れることとなり、製品の品質を満足することができない。なお、溶鋼6の成分不均一は、撹拌不良などが原因で生じる。また、撹拌不良は、ランス2の吐出孔3が閉塞された時や、ガス流量が少なく撹拌力が弱い時に発生する。
実験番号22,23,37,38(比較例)は、上記したようにスラグ7の巻き込みを抑制することができているが、溶鋼6の成分不均一が発生しているため、製品の成分規格から外れることとなり、製品の品質を満足していない。すなわち、実験番号22,23,37,38は、製品の不良である。
以上、本発明によれば、高清浄鋼を製造する際に、LF工程において、先端で且つ平面視で90°以上離れた位置に、吐出孔3をN個(2≦N≦4)配備したランス2を用いて、N2ガスでランスガス撹拌(LFガスバブリング処理)を行い、且つ式(1)〜(3)を満たすことで、スラグ7の巻き込みが起こりにくい溶鋼流動となり、スラグ/メタル界面での溶鋼6の揺らぎが抑制され、スラグ7の巻き込みを防止することができる。また、溶鋼6の成分不均一も発生しなくなる。また、鋼材中のスラグ系介在物の個数を低減させることができる。それ故、製品の不良率を減少させることができる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 取鍋
2 ランス
3 吐出孔
4 浸漬管
5 油回収管
6 溶鋼
7 スラグ

Claims (1)

  1. 高清浄鋼を溶製するにあたり、転炉での精錬工程−取鍋精錬(LF)工程−真空脱ガス(RH)工程にて製造を行う場合、
    前記取鍋精錬処理において、前記取鍋内の溶鋼を、ランスを用いてガス攪拌を行うにあたり、
    前記ガスとして、N2ガスを用いることとし、
    前記ランスの先端には、前記ガスを前記溶鋼へ吐出する吐出孔が、平面視で円周方向に90°以上離れた位置に、且つN個(2≦N≦4)配備されていて、
    前記取鍋の平面視における当該取鍋の長径と短径が交わる位置を基準位置とし、
    前記取鍋の平面視において、前記ランス配備位置の基準位置と前記取鍋の基準位置との距離をr(m)とし、前記取鍋の基準位置と前記ランス配備位置の基準位置を通過し、前記取鍋の内壁面に到達する直線を、前記取鍋の半径R(m)とした場合、式(1)を満たし、
    0.35≦r/R≦0.75 ・・・(1)
    前記ランス配備位置の基準位置における溶鋼ヘッド深さをH(m)とし、前記取鍋内の溶鋼深さをW(m)とした場合、式(2)を満たし、
    0.75≦H/W≦0.92 ・・・(2)
    前記ランスのガス総量をQ(Nl/min)とした場合、式(3)を満たすように、前記ガスを前記取鍋内の溶鋼へ吐出する
    60≦Q/NH≦170 ・・・(3)
    ことを特徴とする高清浄鋼の溶製方法。
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