JP2017155637A - エンジン及びこれを備えた車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】要求トルクが急減する場合であっても筒内温度を低下させることなく混合気を適切に自己着火させること。【解決手段】エンジン(1)は、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射装置(11)を備え、空気と燃料を混合した混合気を筒内で圧縮して自己着火させる予混合圧縮着火式のエンジンである。エンジンでは、予混合圧縮着火を実施する際に、排気バルブの目標閉時期(EVC)までバルブタイミングを進角できない場合には、膨張行程時に燃料噴射を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジン及びこれを備えた車両に関し、特に、予混合圧縮着火式のエンジン及びこれを備えた車両に関する。
昨今のエンジンにおいては、更なる燃費向上を目的として、予混合圧縮着火(HCCI:Homogeneous Charge Compression Ignition)式のガソリンエンジンが検討されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のエンジンでは、筒内温度が混合気の自己着火に適した温度となるように、アクセル開度等の変化(要求トルクの増減)に応じてバルブタイミングや燃料噴射量が調整される。例えば、特許文献1では、次サイクルの可変バルブタイミング機構の作動量を推定し、燃料噴射量の算出に用いられる要求トルクを当該可変バルブタイミング機構の作動量に基づいて補正する。
特開2011−220121号公報
しかしながら、前サイクルの排気ガスを筒内に残留させることで混合気の温度を上げる方法を用いたHCCIエンジンにおいては、要求トルクが急激に減少した場合に、燃料噴射量を調整する(減らす)だけでは混合気の新気及び既燃ガス量と燃料量の比(G/F)が大きくなるために排気温度が低下し、次サイクルの混合気の温度(筒内温度)が低下してしまう。この結果、混合気の自己着火に必要な温度が得られず失火してしまい、適切にHCCI燃焼を継続することができないという問題が想定される。この場合、排気バルブが閉じられるタイミング(EVC:Exhaust Valve Close)を進角して混合気の温度(筒内温度)の低下を防止することも考えられるが、可変動弁装置の応答性の観点から、EVCの進角がトルク変化に追従しないことも想定される。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、要求トルクが急減する場合であっても筒内温度を低下させることなく、混合気を適切に自己着火させることが可能なエンジン及びこれを備えた車両を提供することを目的とする。
本発明に係るエンジンは、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射装置を備え、空気と燃料を混合した混合気を筒内で圧縮して自己着火させる予混合圧縮着火が可能なエンジンであって、予混合圧縮着火を実施する際に、排気バルブの目標閉時期までバルブタイミングを進角できない場合には、膨張行程時に燃料噴射を行うことを特徴とする。
この構成によれば、排気バルブの目標閉時期までバルブタイミングを進角できない場合、膨張行程時に燃料が噴射されることで、次サイクルの燃焼前の筒内温度を上昇させることができる。よって、要求トルクが急減する場合であっても混合気の自己着火に必要な温度を確保することができ、失火させることなく適切に混合気を自己着火させることが可能になる。
また、本発明に係る上記エンジンにおいて、時間に対するエンジン出力の減少量が所定値以上である場合には、膨張行程時に燃料噴射を行うことが好ましい。この構成によれば、エンジン出力が急激に減少した場合であっても、適切に混合気を自己着火させることが可能になる。
また、本発明に係る上記エンジンにおいて、膨張行程時に燃料噴射を行う場合、当該膨張行程の前の吸気行程又は圧縮行程における燃料噴射量を減量することが好ましい。この構成によれば、吸気行程又は圧縮行程における燃料噴射量が減量されることで、要求トルク以上のトルク増加を抑制することができる。
また、本発明に係る車両は、上記したエンジンを備えることが好ましい。この構成によれば、上記したエンジンによる作用効果を車両で享受することができる。
本発明によれば、排気バルブの目標閉時期までバルブタイミングを進角できない場合、膨張行程時に燃料を噴射することで、要求トルクが急減する場合であっても筒内温度を低下させることなく混合気を適切に自己着火させることができる。
本実施の形態に係るエンジンの概念図である。 本実施の形態に係るエンジンの各サイクル毎のタイムチャートを示すグラフである。 本実施の形態に係るエンジンの制御フローを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係るエンジンを自動四輪車に適用した例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明に係るエンジンを他のタイプの車両(例えば自動二輪車)に適用してもよい。また、以下の各図では、説明の便宜上、一部の構成を省略している。
図1を参照して、本実施の形態に係るエンジンの概略構成について説明する。図1は本実施の形態に係るエンジンの概念図である。なお、本実施の形態において、自動四輪車が通常備えている構成(例えばクランク角センサ等)は備えているものとし、説明は省略する。
本実施の形態に係るエンジン1は、点火装置(不図示)による混合気の火花点火(SI:Spark Ignition)と、点火装置を用いず、予め空気と燃料を混合した混合気を圧縮して自己着火させる予混合圧縮着火(HCCI:Homogeneous Charge Compression Ignition)とを切替え可能に構成されている。エンジン1は、例えば、直列多気筒(本実施の形態では4気筒)のガソリンエンジンである。
エンジン1は、シリンダブロック10の各気筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射装置11を備えている。各気筒内には、筒内の圧力を検知する筒内圧センサ12が設けられている。また、エンジン1には、可変バルブタイミング機構(不図示)を備えた動弁装置13が設けられている。動弁装置13は、エンジン負荷やエンジン回転数に応じて吸気バルブ及び排気バルブ(共に不図示)の開閉タイミングを変更することにより、バルブオーバラップ期間を調整する。
エンジン1の吸気側には、インテークマニホールド14を介して吸気管15が接続されている。吸気管15には、上流側からエアフローセンサ15a、スロットルバルブ16、過給機17(コンプレッサ17b)、インタークーラ18、及び吸気温度センサ15bが設けられている。一方、エンジン1の排気側には、エキゾーストマニホールド19を介して排気管20が接続されている。排気管20には、上流側からLAFセンサ21、過給機17(タービン17a)、触媒装置22が設けられている。
燃料噴射装置11は、直噴式のインジェクタで構成され、後述するECU26からの命令に応じて筒内に燃料を噴射する。筒内圧センサ12は、例えば圧電素子を備えたピエゾ式圧力センサであり、筒内の燃焼圧力に応じた電圧信号を出力する。当該電圧信号は、ECU26に出力される。スロットルバルブ16は、運転者のアクセル操作に応じて開度を調整する弁体である。スロットルバルブ16の開度が調整されることで吸入空気の流量が調整される。
エアフローセンサ15aは、スロットルバルブ16の上流側に設けられている。エアフローセンサ15aは、過給機17に導入される吸入空気の流量を検出する。検出された流量の値は、ECU26に出力される。
過給機17は、排気ガスの圧力でタービン17aを回してコンプレッサ17bを駆動するターボチャージャーであり、コンプレッサ17bで吸入空気を圧縮する。具体的に過給機17は、排気管20側に設けられるタービン17aと吸気管15側に設けられるコンプレッサ17bとがターボシャフト17cによって同軸に接続されている。インタークーラ18は、過給機17で圧縮された吸入空気を冷却する。
吸気温度センサ15bは、インテークマニホールド14と吸気管15との接続部分に設けられている。吸気温度センサ15bは、吸気チャンバー(不図示)へ流入する流入空気の温度を検出する。検出された温度の値は、ECU26に出力される。
LAFセンサ21(Linear Air-fuel Ratio Sensor)は、排気ガス中の酸素濃度から空燃比を検出する。LAFセンサ21は、例えば、ジルコニア式酸素センサで構成され、酸素濃度に応じて変化する電流値から空燃比を検出する。当該空燃比は、ECU26に出力される。触媒装置22は、排気ガスを浄化するものであり、例えば、三元触媒で構成される。触媒装置22は、排気ガス内の汚染物質(一酸化炭素、炭化水素や窒素酸化物等)を無害な物質(二酸化炭素、水、窒素等)に変換する。
また、本実施の形態に係るエンジン1には、排気ガスの一部を吸気側に戻して再燃焼させるEGRシステム(Exhaust Gas Recirculation system)が採用されている。具体的には、触媒装置22の下流側の排気管20とスロットルバルブ16の下流側の吸気管15とが配管23によって接続されている。当該配管23には、排気側から順に、排気ガスを冷却するEGRクーラ24と、排気ガスの吸入量を調整するEGRバルブ25が設けられている。
また、エンジン1は、上記構成の他、エンジン1内の各種動作を統括制御するECU26を備えている。ECU26は、エンジン1内の各種処理を実行するプロセッサやメモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体で構成される。メモリには、エンジン1の各部を制御する制御プログラム等が記憶されている。
特にECU26は、エンジン負荷やエンジン回転数に基づいたマップデータ(不図示)をメモリに記憶している。このマップデータには、点火装置を用いた点火が可能な火花点火領域と、予混合圧縮着火が可能な予混合圧縮着火領域とが含まれている。ECU26は、運転者のアクセル操作に伴うアクセル開度等から目標エンジン負荷を算出し、図示しないクランク角センサから検出されるエンジン回転数と当該エンジン負荷に基づいて、上記したマップデータから火花点火と予混合圧縮着火とを切替えるようにエンジン1の各種動作を制御する。
また、詳細は後述するが、ECU26は、エアフローセンサ15aや吸気温度センサ15bの出力値等から次々サイクルの吸気圧予測値や吸気温度予測値等を算出し、それらの値から次サイクルのEVC要求値Tr(図2参照)を算出する。また、次サイクルで機構的に実現可能なEVC最小値を算出する。そして、ECU26は、当該EVC要求値Trから、次サイクルの膨張行程において燃料噴射(後述するアフター噴射)を実施するか否かを判定する。なお、ECU26では、上記したEVC要求値Trを算出するための各種パラメータを示すテーブル(マップ)が予めメモリに記憶されている。
このように構成されるエンジン1では、運転者のアクセル操作に応じてスロットルバルブ16の開度が調整され、エアクリーナ(不図示)を経由したクリーンな吸入空気が過給機17に導入される。過給機17では吸入空気が圧縮され、吸入空気は、インタークーラ18で冷却された後に筒内へ供給される。筒内では、所定のタイミングで燃料が噴射され、吸入空気と燃料とが混合される。このとき、点火装置による火花点火、又は予混合圧縮自己着火によって混合気が燃焼される。燃焼後の排気ガスは、エキゾーストマニホールド19から排気管20及び触媒装置22を通じて外に排出される。
ところで、予混合圧縮着火式のエンジンにおいては、可変バルブタイミング機構によって前サイクルの排気バルブ閉じ時期(EVC)を早め、既燃ガスの一部を筒内に残留させるものが提案されている。この場合、既燃ガスの一部が次サイクルの吸気行程で新気と混合されることにより、混合気の温度が高められる。このようなエンジンでは、要求トルクや前サイクルの排気温度等に応じて、次サイクルの吸気圧やEVCが最適な値となるように制御される。
例えば、運転者のアクセル操作等に応じてエンジンの要求トルクが減少した場合、燃料噴射量を減少させると共に吸気圧を低下させる。そして、次サイクルの圧縮端温度の低下防止のために、上記のように前サイクルのEVCを進角して既燃ガスの一部を筒内に残留させる。特に、要求トルクが急激に減少する場合には、吸気圧の応答性が悪いために吸気圧の低下が要求トルクの変化に追従できない。このため、次サイクルで単に燃料噴射量を減少させるだけでは混合気のG/Fが大きくなり、次々サイクルの混合気の温度が低下してしまう。
この場合、次々サイクルの混合気の温度低下を防止するために、次サイクルのEVCをより大きく進角し、次サイクルで残留させる既燃ガスを増量することが考えられる。しかしながら、EVCを進角させる可変バルブタイミング機構では、EVCを進角させる際の動作の応答性に限界がある。このため、必要なEVCまで進角されず、筒内に残留させる既燃ガスの量が不足して次々サイクルの混合気の温度が低下する結果、失火してしまうことが想定される(図2Bの破線部分参照)。
そこで、本実施の形態では、エアフローセンサ15aや吸気温度センサ15bの出力値から排気バルブ(不図示)の目標閉時期(EVC)を算出し、その目標閉時期までバルブタイミングを進角可能かどうかを判定するようにしている。バルブタイミングを進角できない場合は、膨張行程時に燃料を噴射する、いわゆるアフター噴射を実施する。これにより、次サイクルの混合気の自己着火に必要な筒内の既燃ガス温度を確保している。この結果、要求トルクが急激に減少するような場合であっても、失火することなく適切に混合気を自己着火させることが可能になった。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るエンジンの筒内温度や燃料噴射タイミングについて説明する。図2は、本実施の形態に係るエンジンにおいて、HCCI運転中の各サイクル毎のタイムチャートを示すグラフである。図2Aは時間に対するトルク変化を示すグラフであり、図2Bは時間に対する筒内温度の変化を示すグラフである。図2のグラフの横軸は時間を示し、図2Aの縦軸がトルク、図2Bの縦軸が筒内温度をそれぞれ示している。
また、図2Bのハッチング部分は、燃料噴射を実施している時間を示している。さらに、図2BのIVO(Intake Valve Open)は吸気バルブの開くタイミングを示し、IVC(Intake Valve Close)は吸気バルブの閉まるタイミングを示している。一方、EVO(Exhaust Valve Open)は排気バルブの開くタイミングを示し、EVC(Exhaust Valve Close)は排気バルブの閉まるタイミングを示している。なお、図2では、HCCI運転中の所定サイクル(前サイクル)において要求トルクが急激に減少した場合を例にして説明する。
図2Aでは、破線が要求トルクを示し、実線が実際のトルクを示している。図2Aに示すように、要求トルクは、前サイクルの吸気行程開始から排気行程終了までに急激に減少している。これに対し、実際のトルクは、要求トルクに対して半サイクル遅れて減少している。具体的に実際のトルクは、前サイクルの膨張行程から次サイクルの膨張行程にかけて減少している。このように、要求トルクが急減している状況を前提として、以下、筒内温度の変化について説明する。
図2Bに示すように、前サイクルの吸気行程において吸気バルブが開かれると(IVO)、筒内に吸入空気が導入され、筒内温度が僅かに下がる。このとき、所定のタイミングで燃料噴射が実施され、吸入空気及び筒内に残留する既燃ガスと燃料が筒内で混合される。その後、吸気バルブが閉じられて(IVC)圧縮行程に移行すると、混合気が圧縮されることで筒内温度が徐々に上昇する。
そして、クランクシャフト(不図示)の上死点近傍において、混合気の自己着火が可能な温度に達したところで混合気が自己着火して燃焼が開始される。混合気が燃焼されると、筒内温度が急激に上昇して膨張行程に移行する。次に、排気バルブが開かれて(EVO)、燃焼後の排気ガスが筒内から外へ排出される(排気行程)。
なお、HCCI燃焼においては、排気バルブが閉じられた後(EVC)、所定時間経過してから再び吸気バルブが開かれて(IVO)、次サイクルが開始される。すなわち、排気行程から吸気行程に移行する間に、排気バルブ及び吸気バルブが共に閉じられた期間、いわゆる負のバルブオーバラップ期間が設けられている。負のバルブオーバラップ期間においては、排気バルブ吸気バルブが共に閉じられることで筒内の温度を高め、混合気の自己着火をし易くさせることができる。
上記したように、前サイクルから次サイクルにかけて実際のトルクが急減しているため、次サイクルの吸気行程で噴射される燃料量が少なくなるように調整される。具体的には、燃料噴射時間が短く調整される。この結果、次サイクルでは、前サイクルより大きいG/Fで混合気が燃焼される。この場合、燃焼時の筒内温度の上昇度合いが前サイクルに比べて小さくなるため、そのまま次々サイクルに移行すると、図2Bの破線部分で示すように、筒内温度が混合気の自己着火に必要な温度に到達せずに失火してしまうおそれがある。
これに対し、本実施の形態では、次サイクルで混合気が燃焼した後、又は混合気の燃焼中に膨張行程で燃料噴射を行い(アフター噴射)、次サイクルの燃焼熱を利用して膨張行程においても燃料を燃焼させている。この結果、図2Bの実線部分で示すように、膨張行程で筒内温度を上昇させることができ、次々サイクルで失火するのを防止することが可能になっている。
また、膨張行程で燃料を噴射したとしても、図2Aに示すように、実際のトルクの要求トルクとのずれは起こらない。よって、運転者の意図しないトルク増加を防止することができ、運転者の操作感の悪化や変速ショックの発生、横滑り防止性能の低下等を抑制することができる。なお、アフター噴射によって実際のトルクが上昇してしまうと想定される場合には、次々サイクルの吸気行程における燃料噴射(主噴射)の量を減少させることが好ましい。この場合、要求トルクよりも実際のトルクが上昇し過ぎてしまうのを防止することができる。
次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態に係るエンジンの具体的な制御フローについて説明する。図3は、本実施の形態に係るエンジンの制御フローを示す図である。なお、以下に示す制御フローでは、特に明示が無い限り、動作(算出や判定等)の主体はECUとする。
図2及び図3に示すように、制御が開始されると、先ず、次サイクルのEVC要求値Trが算出される(ステップST101)。ここでEVC要求値Trとは、筒内温度の低下を防止するために必要なバルブタイミング(EVC)を表している。具体的にEVC要求値Trは、次々サイクルの吸気圧予測値及び吸気温度予測値、次サイクルの排気温度予測値、ターボ回転数予測値等に基づいて算出される。
次サイクルの吸気圧予測値は、前サイクルの吸気チャンバー(インテークマニホールド14(図1参照))への流入空気量推定値と、前サイクルの吸気チャンバーからの流出空気量推定値との差に基づいて算出される。ここで、前サイクルの流入空気量推定値は、前サイクルにおけるエアフローセンサ15a(図1参照)の出力値や吸気圧、ターボ回転数等から算出される。一方、前サイクルの流出空気量推定値は、前々サイクルの残留ガス量推定値と、前サイクルのバルブタイミングや吸気圧等から算出される。なお、前々サイクルの残留ガス量推定値は、排気圧力、バルブタイミング、排気温度等から算出される。
また、次々サイクルの吸気圧予測値は、次サイクルの吸気チャンバーへの流入空気量予測値と、次サイクルの吸気チャンバーからの流出空気量予測値との差に基づいて算出される。ここで、次サイクルの流入空気量予測値は、前サイクルの排気圧推定値及び排気温度推定値、ターボ回転数、吸気圧、吸気量(上記したエアフローセンサ15aの出力値)等から算出される。なお、前サイクルの排気圧推定値及び排気温度推定値は、前サイクルの燃料噴射量や筒内ガス量、ターボ回転数から算出される。また、次サイクルの流入空気量予測値に加えて、次サイクルのターボ回転数予測値も、次サイクルの流入空気量予測値と同じパラメータを用いて算出される。
次サイクルの流出空気量予測値は、前サイクルの残留ガス量推定値と、次サイクルのバルブタイミング、先に算出した次サイクルの吸気圧予測値に基づいて算出される。なお、前サイクルの残留ガス量推定値は、排気圧力、バルブタイミング、排気温度等から算出される。ここで、次サイクルのバルブタイミングは、前サイクルのバルブタイミングと同一であると仮定してもよい。以上により、次々サイクルの吸気圧予測値が算出される。なお、吸気圧の変化は要求トルクが急減する場合より比較的遅いため、前サイクルの吸気圧を次々サイクルの吸気圧予測値としてもよい。
次々サイクルの吸気温度予測値は、前サイクルの吸気温度センサ15bの出力値、冷却水温度、次々サイクルの吸気圧予測値等に基づいて算出される。なお、吸気温度の変化も吸気圧と同様に、要求トルクが急減する場合より比較的遅い。また、次々サイクルの吸気温度と吸気チャンバーの温度との差はそれほど大きくない。このため、前サイクルの吸気温度センサ15bの出力値を次々サイクルの吸気温度予測値としてもよい。
次に、上記した次々サイクルの吸気圧予測値から、予め記憶されている吸気圧テーブルに基づいて、次々サイクルのIVCにおける筒内ガス温度要求値が算出される。この場合、筒内壁面の平均温度等に基づいて筒内ガス温度要求値を補正してもよい。次に、算出された次々サイクルの筒内ガス温度要求値及び吸気圧予測値から、予め記憶されている温度マップに基づいて、次サイクルの残留ガス熱量要求値が算出される。そして、当該残留ガス熱量要求値や上記した次サイクルの排気温度予測値、ターボ回転数予測値等に基づいて、次サイクルのEVC要求値Trが算出される。
図3の制御フローに戻り、次に、EVC要求値TrがEVC最小値Tminより大きいか否かが判定される(ステップST102)。ここで、EVC最小値Tminとは、可変バルブタイミング機構が機構的に進角可能なEVCの最小値を表している。なお、バルブリフト量を変更可能とする可変リフト機構を備える場合には、この可変リフト機構も加味してEVC最小値Tminを求めてもよい。
EVC最小値Tminは、例えば、予め実測値に基づいて算出された最大進角量を前サイクルのEVCから減算することで算出される。当該最大進角量は、前々サイクルから前サイクルにおけるEVCの時間に対する変化率から算出することができる。なお、油圧を用いた可変バルブタイミング機構の応答性は油温や油圧に依存するため、油温や油圧に応じて最大進角量を補正してもよい。
EVC要求値TrがEVC最小値Tminより大きい場合、すなわちEVC要求値Trに必要な進角量がEVCの最大進角量より小さい場合(ステップST102:YES)、膨張行程時の燃料噴射(アフター噴射)が不要であるとして、次サイクルでは、吸気行程時の燃料噴射(主噴射)のみ実施して(ステップST103)、制御が終了する。
一方、EVC要求値TrがEVC最小値Tminより大きくない場合、すなわちEVC要求値Trに必要な進角量がEVCの最大進角量より大きい場合(ステップST102:NO)、次サイクルのEVCをTminとする(ステップST104)。この場合、EVCの進角のみでは混合気の自着火に必要な温度が確保されないおそれがあるため、アフター噴射が必要であるとして、燃料の噴射量及び噴射タイミングが算出される(ステップST105)。
アフター噴射の燃料噴射量は、次サイクルで主噴射のみ実施した場合の残留ガス熱量と、次サイクルの残留ガス熱量要求値(アフター噴射による残留ガス熱量要求値)との差に基づいて算出される。主噴射のみ実施した場合の残留ガス熱量は、次サイクルの主噴射のみ実施した場合の排気温度予測値から算出される。排気温度予測値は、要求トルクから算出される次サイクルの燃料量、筒内ガス量、前サイクルの排気圧推定値に基づいて算出される。また、アフター噴射のタイミングは、上記したアフター噴射による残留ガス熱量要求値等に基づいて算出することができる。
なお、アフター噴射によって実際のトルクが上昇してしまうと想定される場合には、次々サイクルの吸気行程における燃料噴射(主噴射)の量を補正することも可能である。主噴射の補正量は、アフター噴射の燃料噴射量と予め記憶された燃料噴射タイミングのマップに基づいて算出される。
そして、上記した燃料噴射量及び噴射タイミングに基づいて主噴射及びアフター噴射を実施し、制御が終了する(ステップST106)。
以上のように、本実施の形態によれば、予混合圧縮着火を実施する際に、排気バルブの目標閉時期(EVC)までバルブタイミングを進角できない場合には、膨張行程時に燃料噴射(アフター噴射)を行うことで、次サイクルの燃焼前の筒内温度を上昇させることができる。よって、要求トルクが急減する場合であっても混合気の自己着火に必要な温度を確保することができ、失火させることなく適切に混合気を自己着火させることが可能になる。
特に、時間に対するエンジン出力の減少量が所定値以上である場合に、アフター噴射を行うことが好ましい。この構成によれば、エンジン出力が急激に減少した場合であっても、適切に混合気を自己着火させることが可能になる。また、膨張行程時に燃料噴射(アフター噴射)を行う場合、当該膨張行程の前の吸気行程又は圧縮行程における燃料噴射量を減量することが好ましい。この構成によれば、吸気行程又は圧縮行程における燃料噴射量が減量されることで、要求トルク以上のトルク増加を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
また、上記した実施の形態においては、主噴射を吸気行程中で実施する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、主噴射を圧縮行程中に実施してもよい。
以上説明したように、本発明は、要求トルクが急減変する場合であっても筒内温度を低下させることなく混合気を適切に自己着火させることができるという効果を有し、特に、予混合圧縮着火式のエンジン及びこれを備えた車両に有用である。
1 エンジン
11 燃料噴射装置
26 ECU
EVC 排気バルブの目標閉時期
Tr EVC要求値

Claims (4)

  1. 筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射装置を備え、空気と燃料を混合した混合気を筒内で圧縮して自己着火させる予混合圧縮着火が可能なエンジンであって、
    予混合圧縮着火を実施する際に、排気バルブの目標閉時期までバルブタイミングを進角できない場合には、膨張行程時に燃料噴射を行うことを特徴とするエンジン。
  2. 時間に対するエンジン出力の減少量が所定値以上である場合には、膨張行程時に燃料噴射を行うことを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 膨張行程時に燃料噴射を行う場合、当該膨張行程の前の吸気行程又は圧縮行程における燃料噴射量を減量することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンジンを備える車両。
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