JP2017155544A - 落橋防止部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震後の点検が容易に短時間で行えるとともに、地震時の損傷部分の特定及び取り替えが容易な落橋防止部材を提供する。【解決手段】橋桁Hなどの橋梁上部構造体と橋台Bや橋脚などの橋梁下部構造体とを連結して橋梁上部構造体の落下を防止する落橋防止部材において、前記橋梁下部構造体と前記橋梁上部構造体とを連結するチェーンやロープなどの連結材を備え、この連結材の一部に、他の部分より地震時の衝撃荷重に対して強度が低い弱点部2を形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、橋桁の落下を防止するための落橋防止部材に関するものである。
一般的な橋梁は、橋桁などの橋梁上部構造体と橋台や橋脚などの橋梁下部構造体とが、剛接合されているのではなく、それらが支承部材を介してローラ支承やピン支承等により接合されている構造となっている。このため、人命にかかわる大事故を防止する観点から、橋梁上部構造体が橋梁下部構造体から落橋しないように防止する落橋防止チェーンなどの落橋防止部材で橋梁上部構造体が橋梁下部構造体に連結されている。
従来、この種の落橋防止部材として、地震時などに伝達される衝撃荷重により破断しないように衝撃を吸収するゴムなどの緩衝材を介在させてリンク同士を連結した緩衝チェーンが提案されている。
例えば、特許文献1には、複数のリンク6の各々が接触しないよう間隙を配して相互に嵌合させリンク6全体を直線状に整列させた状態でリンク6を弾性体7内に埋設し間隙にも弾性体7を充填することにより略棒状に形成した緩衝部材5の一端部を連結部材11と定着部材10とにより桁2の端部付近に定着させ、他端を連結部材9と定着部材8とにより橋脚1又は隣接桁2Aの端部付近に定着させた桁落下防止構造が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0017]〜[0022]、図面の図1、図2参照)。
しかし、特許文献1に記載された桁落下防止構造は、ゴムなどの弾性体7には、緩衝効果はあるものの、弾性体7はリンク6と比べて圧倒的に強度が低いため、ゴム材で被覆されている部分とそうでない部分とにおいて、強度的に殆ど差はなかった。よって、大規模な地震があった場合、複数のリンク6のどの部分で破断するかは不明であった。このため、大規模な地震があった場合は、桁落下防止構造の全ての部位を丹念にチェックしなければ、損傷しているか否かもわからず、地震後の点検に手間と時間がかかってしまうという問題があった。また、破断する場合は、緩衝部材5以外で破断する可能性があり、立体交差している橋梁等では、破断した金属片が下の橋梁に落下する落下事故の危険があるという問題もあった。
また、特許文献2には、橋台1と橋桁2に両端部がそれぞれ連結され、一部に伸縮することが可能な伸縮部11を有する連結部材11と、伸縮部11aが短縮された状態で金属スリーブ13内に収容され、その両端が金属スリーブ13の内周に固定されてなる緩衝機構とを備え、金属スリーブ13にはその軸方向に間隔を置いて周方向に延びる多数のスリット15が形成されている落橋防止装置が開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0009]〜[0013]、図面の図1、図2等参照)。
しかし、特許文献2に記載された落橋防止装置は、金属スリーブ13のスリット15等が塑性変形することにより衝撃エネルギーの一部を吸収することはできるものの、リンクチェーン11のどの部分で破断するかを特定できるものではなかった。このため、前述の特許文献1に記載された桁落下防止構造と同様に、地震後の点検に手間と時間がかかってしまうという問題や、落下事故の危険があるという問題を解決できるものではなかった。
特開平9−242019号公報 特開2010−53618号公報
そこで本発明は、前記問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、地震後の点検が容易に短時間で行えるとともに、地震時の損傷部分の特定及び取り替えが容易な落橋防止部材を提供することにある。
第1発明に係る落橋防止部材は、橋桁などの橋梁上部構造体と橋台や橋脚などの橋梁下部構造体とを連結して橋梁上部構造体の落下を防止する落橋防止部材であって、前記橋梁下部構造体と前記橋梁上部構造体とを連結するチェーンやロープなどの連結材を備え、この連結材の一部に、他の部分より地震時の衝撃荷重に対して強度が低い弱点部が形成されていることを特徴とする。
第2発明に係る落橋防止部材は、第1発明において、前記連結材は、鋼材からなるリンクが複数連結されたチェーンであり、前記弱点部は、前記リンクの線径が他の部分より小さいか、前記リンクの材質の引張強度が低いか、又は熱処理により地震時の衝撃荷重に対して他の部分より強度が低くなっていることを特徴とする。
第3発明に係る落橋防止部材は、第2発明において、前記連結材の前記複数のリンクの全体又は一部に熱処理が施された後、溶融亜鉛めっき等のめっき層が形成されていることを特徴とする。
第4発明に係る落橋防止部材は、第1発明ないし第3発明のいずれかの発明において、前記弱点部の周りがゴム弾性体で固化されていることを特徴とする。
第5発明に係る落橋防止部材は、第4発明において、前記弱点部は、ショットブラスト等の粗面処理が行われた後、前記ゴム弾性体で固化されていることを特徴とする。
第6発明に係る落橋防止部材は、第4発明又は第5発明において、固化した前記ゴム弾性体の表面には、塑性変形したことが確認可能なマークが付けられていることを特徴とする。
第7発明に係る落橋防止部材は、第6発明において、前記マークは、直線上のライン又は直線状のドットであることを特徴とする。
第1発明〜第7発明によれば、地震時の衝撃荷重に対して強度が低い弱点部が形成されているので、落橋防止部材に大きな衝撃荷重が作用した場合に破壊される箇所は弱点部となる。このため、大地震の後に、落橋防止部材の弱点部を点検しさえすれば、落橋防止部材を交換すべきか否かが判断でき、地震後の点検が容易に短時間で行える。また、弱点部だけを交換すればよく、落橋防止部材の交換費用を削減でき、ライフサイクルコストを低減することができる。
特に、第3発明によれば、焼き入れ焼き戻しなどの熱処理後にめっき処理すると熱処理により耐衝撃性や引張強度が向上していた鋼材の靭性や強度の低下が起きる。このため、第3発明によれば、従来めっき処理ではなく、別途、防錆塗装により処理していた部分も、一度にめっき処理により防錆処理を施すことができる。このため、防錆塗装に掛かっていた時間を削減でき、落橋防止部材の製作コストも低減することができる。
特に、第4発明によれば、弱点部の周りがゴム弾性体で固化されているので、破断したリンク等が周囲に飛び散るおそれがなく、破断した金属片が落下する落下事故の危険を解消することができる。その上、衝撃荷重をゴム弾性体で吸収して緩衝効果を奏することができる。
特に、第5発明によれば、弱点部は、ショットブラスト等の粗面処理が行われた後、ゴム弾性体で固化されているので、落橋防止部材の耐食性が向上するだけでなく、ゴム弾性体の付着力も落ちることが無い。このため、緩衝効果を維持しつつ耐食性を向上させて、耐久性も向上させることができる。また、ゴム弾性体で覆われていない露出部分のリンク等にゴム弾性体の被覆後に防錆処理を施す手間を省くことができる。
特に、第6発明、第7発明によれば、ゴム弾性体で被覆された部分が塑性変形したか否かが一目瞭然となるため、大地震後の落橋防止部材の点検作業を更に容易に短時間で行うことができる。このため、メンテナンス費用を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る落橋防止部材をコンクリート製の橋台Bと、H鋼からなる橋桁Hとの間に連結して架け渡した場合を示す斜視図であり、円内は、第1実施形態に係る落橋防止部の拡大図である。 同上の落橋防止部材を示す平面図である。 同上の落橋防止部材の弱点部を示す斜視図である。 同上の弱点部の弱点部チェーンのみを示す斜視図である。 同上の落橋防止部材の水平断面図である。 本発明の第2実施形態に係る落橋防止部材の弱点部を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る落橋防止部材の弱点部を示す斜視図である。 従来の落橋防止部材を示す水平断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る落橋防止部材について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
先ず、図1〜図5を用いて、本発明の第1実施形態に係る落橋防止部材について説明する。本発明の第1実施形態に係る落橋防止部材1は、図1に示すように、橋台や橋脚などの橋梁下部構造体と橋桁などの橋梁上部構造体とを長さの余裕をもってたるませた状態で連結し、橋梁上部構造体が橋梁下部構造体から落下するのを防止する機能を有している。
図1には、鉄筋コンクリート製の橋台Bと、H鋼からなる橋桁Hとを連結する場合を例示している。なお、図示形態は、落橋防止部材1を1か所のみ設置したものを例示しているが、橋梁の規模に応じて複数設けてもよいのは、勿論である。
本実施形態に係る落橋防止部材1は、図1、図2等に示すように、複数のリンクが互いに連結された本発明に係る連結材であるチェーンを基体とする部材であり、弱点部2と、それ以外の一般部3と、から主に構成されている。この弱点部2は、一般部3より地震時の衝撃荷重に対して強度が低くなっている。また、衝撃荷重に対して強度が低いとは、単純に引張強度が低いだけでなく、靭性が低く衝撃荷重に対して脆性破壊し易くなっている場合も含むものである。
<弱点部>
弱点部2は、図2〜図5に示すように、複数のリンクが互いに連結された弱点部チェーン4と、この弱点部チェーン4の一部を被覆するゴム被覆体5など、から構成されている。
(弱点部チェーン)
この弱点部チェーン4は、図4等に示すように、棒材から長円形状に加工された複数のリンク41〜45が、リンクの軸同士が直交するように連結されたリンク連結体である。この弱点部チェーン4は、図5に示すように、複数のリンク41〜45の4か所全ての連結部が所定間隔の間隙Dをあけた状態で、ゴム弾性体で被覆されて固化されている。また、図示する間隙Dは、本実施形態では、リンク41〜45の直径1個分の間隔となっている。
このリンク41〜45は、本実施形態では、クロムモリブデン鋼(SCM420H)に焼入れ、焼戻しの熱処理を行って製造された直径19mmの丸棒から長円形状に加工・連結されたものが採用されている。勿論、鋼材の種類や線径は適宜選択すればよいことは云うまでもない。
なお、本実施形態に係る落橋防止部材1の弱点部チェーン4は、5つのリンク41〜45で構成されているが、これより多いリンクで構成されていてもよい。また、本実施形態に係る落橋防止部材1では、図2に示すように、両端のリンク41,45にシャックル6を付け、長さ調整可能としている。勿論、このシャックル6は、無くても落橋防止部材として機能することは明らかである。
(ゴム被覆体)
ゴム被覆体5は、図3等に示すように、ゴム弾性体から直径100〜300mm程度の円柱状に成形された部材であり、弱点部チェーン4の両端のリンク41,45の一部が露出する状態で残りのリンク42,43,44を完全に被覆している。本実施形態に係るゴム被覆体5を構成するゴム弾性体は、抵抗力、反発力が大きいことから、天然ゴムと合成ゴムを混合して加硫した硬質ゴムが採用されている。なお、ゴム被覆体5を構成するゴム弾性体としては、耐候性、耐紫外線性に優れた硬質ゴムであることが好ましいが、衝撃荷重に対する緩衝作用のあるゴム弾性体であればばよく、衝撃荷重に対する緩衝作用があれば、ゴム被覆体5は、弾塑性体や粘弾性体など他の弾性体から構成してもよい。
なお、ここで、ゴム弾性体とは、常温でのヤング率が約1〜10MPa程度と、小さな応力で破断することなく大きく伸び、しかも外力を除くとほとんど瞬間的に元に戻るというゴム弾性を示す物体を指している。また、硬質ゴムとは、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなど、原料ゴムに多量の硫黄を加えて、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さが70°以上となったゴム弾性体を指している。
また、このゴム被覆体5は、5つのリンク41〜45の4か所の連結部において、互いに間隙Dをあけた状態で弱点部チェーン4を被覆するものである。
勿論、ゴム被覆体5の形状は、円柱状に限られず、角柱状や断面十字状など、弱点部チェーン4の一部を所定の間隔をあけた状態で被覆して固化していれば、外形等の形状は特に限定されるものではない。
<一般部>
一般部3は、図1、図2に示すように、前述の弱点部チェーン4のリンク41〜45より一回り大きい径のリンクからなる一般部チェーン7などから構成されている。一般部チェーン7を構成するリンク70は、リンク41〜45と同様に、クロムモリブデン鋼(SCM420H)に焼入れ、焼戻しの熱処理を行って製造された直径22mmの丸棒から長円形状に加工・連結されたものが採用されている。
よって、一般部チェーン7は、弱点部チェーン4と同素材から同じ熱処理が施されているとともに、弱点部チェーン4よりリンクの線径が大きいものとなっている。このため、一般部チェーン7は、弱点部チェーン4よりも地震時の衝撃荷重に対して強度が高くなっている。
<従来の落橋防止部材>
次に、比較のため、図8を用いて、従来の落橋防止部材について簡単に説明する。図8に示すように、従来の落橋防止部材10(特許文献1も参照)は、ゴム弾性体からなる円柱状のゴム被覆体R2により、チェーンR1の7つのリンク11〜17のうち、5個のリンク12〜16が完全に被覆されているとともに、両端のリンク11、17の一部が被覆されている。なお、シャックル6より先は、前述の一般部チェーン7と同等であるため同一符号を付し説明を省略する。
落橋防止部材の衝撃吸収効果は、リンク連結部の間隙に入り込んだゴム弾性体の緩衝作用の寄与が大きいと考えられる。これは、緩衝機能確認実験、繰り返し載荷性能の試験で確認されており、第1実施形態に係る落橋防止部材1は、従来の落橋防止部材10と同等以上の緩衝機能及び繰り返し載荷性能を示している。
また、従来の落橋防止部材10は、チェーンR1をゴム弾性体からなるゴム被覆体R2で被覆した後、露出部分に防錆塗装などで防錆処理を施していた。これは、チェーンR1のリンク11〜17が、クロムモリブデン鋼(SCM420H)に焼入れ、焼戻しの熱処理を行って強度及び靭性を強化したものであるため、溶融亜鉛めっきを施すと、再度熱入れして急冷することとなり、強化した強度及び靭性が元に戻って低下してしまうからである。
このため、従来の落橋防止部材10では、ゴム弾性体で被覆する部分には、ゴム弾性体との付着も考慮してめっき処理をしなかった。一方、ゴム弾性体で被覆しないシャックル6より先の部分には、溶融亜鉛めっき等を施していた。しかし、前述のように、熱処理後にめっきすると強度低下が懸念されるため、従来の落橋防止部材10では、念のため、チェーンのリンクの線径をワンランク上げていた。
<第1実施形態に係る落橋防止部材の作用効果>
これに対して、第1実施形態に係る落橋防止部材1では、あえて弱点部チェーン4及び一般部チェーン7のいずれにも、溶融亜鉛めっき等のめっき処理を施す。その後、ゴム弾性体で被覆される弱点部チェーン4にショットブラストが行われたうえ、ゴム弾性体からなるゴム被覆体5で被覆されて固化される。このようにショットブラストを施すため、落橋防止部材1は、落橋防止部材10と比べてゴム被覆体5の弱点部チェーン4への付着力がめっきしない場合と比べても遜色なく、衝撃吸収の緩衝効果も高くなっている。また、ゴム弾性体で被覆した後、弱点部チェーン4の露出部分に防錆処理を施す手間を省くことができる。
なお、防錆処理として溶融亜鉛めっきを例示して説明したが、防錆処理は、溶融亜鉛めっきに限られず、例えば、電気めっき、無電解めっき、蒸着等の他の防錆処理でも構わない。要するに、錆びるのを所望期間以上防止できる処理であればよい。また、ショットブラストも表面が粗面となるような粗面処理であり、ゴム弾性体との付着力が向上する処理であれば、特にショットブラストに限定されるものではない。
また、前述のように、第1実施形態に係る落橋防止部材1では、弱点部チェーン4と一般部チェーン7は、ショットブラストの前までは同一条件であるため、弱点部チェーン4は、一般部チェーン7よりも地震時の衝撃荷重に対して強度が低くなっている。このため、落橋防止部材1に大きな衝撃荷重が作用した場合に破壊される箇所は弱点部チェーン4となる。このため、大地震の後に、落橋防止部材1のゴム被覆体5を目視で点検しさえすれば、落橋防止部材1を交換すべきか否かが判断でき、地震後の点検が容易に短時間で行える。また、シャックル6とシャックル6との間の弱点部2だけを交換すればよく、落橋防止部材1の交換費用を削減でき、ライフサイクルコストを低減することができる。
なお、本実施形態に係る落橋防止部材1の弱点部2は、一般部3よりチェーンのリンクの線径を小さくすることで引張強度が低くなるように設定したが、弱点部チェーン4の鋼材の材質自体を引張強度が低いものとしてもよい。また、弱点部2だけ加熱急冷等するなど熱処理により一般部3より靭性を低くして地震時の衝撃荷重に対して脆性破壊し易くしてもよい。要するに、弱点部2が他の部分より地震時の衝撃荷重に対して強度が低くなっていればよい。
その上、第1実施形態に係る落橋防止部材1によれば、従来、防錆塗装により処理していた部分も、一度にめっき処理により防錆処理を施すことができる。このため、防錆塗装に掛かっていた時間を削減でき、落橋防止部材1の製作コストも低減することができる。
それに加え、第1実施形態に係る落橋防止部材1によれば、弱点部チェーン4の周りがゴム弾性体で固化されているので、破断した金属片等が周囲に飛び散るおそれがなく、破断した金属片が落下する落下事故の危険を解消することができる。その上、衝撃荷重をゴム弾性体で吸収して緩衝効果を奏することができる。
[第2実施形態]
次に、図6を用いて、本発明の第2実施形態に係る落橋防止部材について説明する。第2実施形態に係る落橋防止部材1’は、前述の第1実施形態に係る落橋防止部材1と相違する点は、弱点部2’のゴム被覆体5’の外周表面に、ゴム被覆体5’が塑性変形したことが確認可能なマークM1が付けられている点だけであるので、その点について詳細に説明し、その他の説明を省略する。
このマークM1は、ゴム被覆体5’の円柱状の外周表面の長さ方向に沿った耐候性の塗料等からなる直線状のラインである。大地震により落橋防止部材1’に大きな衝撃荷重か加わった場合、前述の弱点部チェーン4が破断する。弱点部チェーン4が破断すると、ゴム被覆体5’のゴム弾性体が塑性変形して、マークM1が直線ではなくなる。このため、目視で簡単に落橋防止部材1’の交換が必要か否かを確認することができる。
よって、第2実施形態に係る落橋防止部材1’によれば、弱点部チェーン4が破断してゴム弾性体部分が塑性変形したか否かが一目瞭然となるため、大地震後の落橋防止部材の点検作業を更に容易に短時間で行うことができ、メンテナンス費用を低減することができる。
[第3実施形態]
次に、図7を用いて、第2実施形態に係る落橋防止部材1’の弱点部2’のマークM1の変形例である第3実施形態に係る落橋防止部材1”のマークM2について説明する。図7に示すように、弱点部2’の変形例である落橋防止部材1”の弱点部2”は、直線状のラインであったマークM1がドット状のライン(ドットライン)となったマークM2となっている。
このドットラインのマークM2によれば、ドットの並びが直線状でなくなったか否かを目視することで前述のマークM1と同等の確認ができるだけでなく、弱点部チェーン4が破断してゴム被覆体5”が一部軸方向に伸びて塑性変形した場合であっても、ドットの間隔の相違により、目視により確認することができる。
以上、本発明の実施形態に係る落橋防止部材について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、リンクとして丸棒から長円形状に加工されたもの例示して説明したが、リンクは、長円形状に限られず、円形状やひし形等チェーンを構成するものであれば特に限定されるものではない。また、四角鋼、六角鋼であっても適用可能である。
1、1’、1” :落橋防止部材
2、2’、2” :弱点部
3 :一般部
4 :弱点部チェーン(連結材)
41〜45 :リンク
5、5’、5” :ゴム被覆体(ゴム弾性体)
6 :シャックル
7 :一般部チェーン(連結材)
70 :リンク
M1、M2 :マーク
D :間隙
B :橋台(橋梁下部構造体)
H :橋桁(橋梁上部構造体)
10 :従来の落橋防止部材
11〜17 :従来のリンク
R1 :従来のチェーン(連結材)
R2 :従来のゴム被覆体

Claims (7)

  1. 橋桁などの橋梁上部構造体と橋台や橋脚などの橋梁下部構造体とを連結して橋梁上部構造体の落下を防止する落橋防止部材であって、
    前記橋梁下部構造体と前記橋梁上部構造体とを連結するチェーンやロープなどの連結材を備え、この連結材の一部に、他の部分より地震時の衝撃荷重に対して強度が低い弱点部が形成されていること
    を特徴とする落橋防止部材。
  2. 前記連結材は、鋼材からなるリンクが複数連結されたチェーンであり、前記弱点部は、前記リンクの線径が他の部分より小さいか、前記リンクの材質の引張強度が低いか、又は熱処理により地震時の衝撃荷重に対して他の部分より強度が低くなっていること
    を特徴とする請求項1に記載の落橋防止部材。
  3. 前記連結材の前記複数のリンクの全体又は一部に熱処理が施された後、溶融亜鉛めっき等のめっき層が形成されていること
    を特徴とする請求項2に記載の落橋防止部材
  4. 前記弱点部の周りがゴム弾性体で固化されていること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の落橋防止部材。
  5. 前記弱点部は、ショットブラスト等の粗面処理が行われた後、前記ゴム弾性体で固化されていること
    を特徴とする請求項4に記載の落橋防止部材。
  6. 固化した前記ゴム弾性体の表面には、塑性変形したことが確認可能なマークが付けられていること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の落橋防止部材。
  7. 前記マークは、直線上のライン又は直線状のドットであること
    を特徴とする請求項6に記載の落橋防止部材。
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