JP2017155383A - めっき繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無電解めっき液の安定性に優れると共に、無電解めっきの処理時間を短縮できるめっき繊維の製造方法の提供。
【解決手段】有機高分子繊維に電子線照射処理して窒素含有モノマーをグラフト重合させる第一工程と、窒素含有モノマーをグラフト重合された有機高分子繊維にPd/Sn触媒を付着させる第二工程と、有機高分子繊維表面に付着したPd/Sn触媒を還元して活性化処理する第三工程と、この活性化処理された有機高分子繊維をめっき液に浸漬して無電解めっき処理を行い、金属めっき層を形成する第四工程を含み、無電解めっき処理におけるめっき金属は銀であり、かつ、めっき液中における銀の濃度が50〜500mg/Lであるめっき繊維の製造方法。前記銀が硝酸銀又は硫酸銀であり、前記無電解めっき処理の温度が50〜65℃であるめっき繊維の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】有機高分子繊維に電子線照射処理して窒素含有モノマーをグラフト重合させる第一工程と、窒素含有モノマーをグラフト重合された有機高分子繊維にPd/Sn触媒を付着させる第二工程と、有機高分子繊維表面に付着したPd/Sn触媒を還元して活性化処理する第三工程と、この活性化処理された有機高分子繊維をめっき液に浸漬して無電解めっき処理を行い、金属めっき層を形成する第四工程を含み、無電解めっき処理におけるめっき金属は銀であり、かつ、めっき液中における銀の濃度が50〜500mg/Lであるめっき繊維の製造方法。前記銀が硝酸銀又は硫酸銀であり、前記無電解めっき処理の温度が50〜65℃であるめっき繊維の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、めっき繊維の製造方法に関する。
通常の高分子材料へめっきする工程は、脱脂工程(表面に付着している油脂成分を除去し、濡れ性の改善をする)、エッチング工程(クロム酸等で表面を化学的に粗化(凹凸)した後、残ったクロム化合物を塩酸等で除去する)キャタリスト工程(Pd−Sn錯体等の触媒金属を吸着させる)、アクセレーター工程(酸化還元反応により活性化処理する)、めっき工程(金属被膜を生成する)からなっている。
また、高分子繊維材料へめっきする工程も、高分子材料へめっきする工程とほぼ同様な工程を経て製造されるが、特許文献1では、フィラメント束にプラズマ処理又は電子線照射する第一工程と、有機金属錯体を含む超臨界流体に浸漬しフィラメント表面に有機金属錯体を付着させる第二工程と、フィラメント表面に付着した有機金属錯体を還元して活性化する第三工程と、このフィラメントをめっき液に浸漬して無電解めっき処理を行い、金属めっき層を形成する第四工程を含むことを特徴とする導電繊維糸の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献2では、有機高分子繊維にシランカップリング剤を繊維表面に固着させる工程、繊維表面に固着したシランカップリング剤をメタライズ処理して金属粒子がシランカップリング剤を介して繊維表面に固着した有機高分子繊維を造る工程、そしてメタライズ処理した有機高分子繊維を上記金属よりもイオン化傾向が大であるめっき金属の化合物を用いて無電解めっき処理する工程を含むことを特徴とする金属めっきの施された有機高分子繊維の製造方法が開示されている。
また、特許文献3では、超臨界状態となった二酸化炭素流体に有機金属錯体を溶解し、高分子繊維材料に含浸させ、その後ヒーターで還元温度に設定することで含浸した有機金属錯体が還元されて材料表面にめっき用金属触媒を析出せしめ、これをめっきの核としてめっきする技術が開示されている。
しかしながら、これらの技術では、繊維と金属被膜の密着性が悪く、金属被膜が容易に剥がれたり、繊維の強度が低下することもあり改善が求められている。
そこで、出願人は特許文献4を出願しており、高分子繊維材料の強度を低下させずに、繊維と金属被膜の密着性に優れた無電解めっき被膜を形成することができるめっき繊維及びその製造方法を開示している。
特開2010−100934
特開2003−171869
特開2007−56287
特開2015−214735
上記特許文献4に記載の技術は、繊維と金属被膜の密着性に優れた無電解めっき被膜を形成させることができる。しかしながら、無電解めっき処理工程における無電解めっき液の安定性には、さらなる改善が求められている。
また、上記特許文献4に記載の技術は、無電解めっきの処理時間が15分と短い時間で処理できるめっき繊維の製造方法であるが、さらに無電解めっきの処理時間を短縮することができる技術開発が求められている。
本発明は、かかる技術的背景を鑑みてなされたものであって、無電解めっき液の安定性に優れると共に、無電解めっきの処理時間を短縮することができるめっき繊維の製造方法を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1] 有機高分子繊維に電子線照射処理して窒素含有モノマーをグラフト重合させる第一工程、前記窒素含有モノマーをグラフト重合された有機高分子繊維にPd/Sn触媒を付着させる第二工程と、前記有機高分子繊維表面に付着したPd/Sn触媒を還元して活性化処理する第三工程と、この活性化処理された有機高分子繊維をめっき液に浸漬して無電解めっき処理を行い、金属めっき層を形成する第四工程を含み、前記無電解めっき処理におけるめっき金属は銀であり、かつ、前記めっき液中における前記銀の濃度が50mg/L〜500mg/Lであることを特徴とするめっき繊維の製造方法。
[2] 前記銀が硝酸銀又は硫酸銀である前項1に記載のめっき繊維の製造方法。
[3] 前記無電解めっき処理における温度が50℃〜65℃であり、時間が5分〜13分である前項1又は2に記載のめっき繊維の製造方法。
[1]の発明では、有機高分子繊維に電子線照射処理して窒素含有モノマーをグラフト重合させる第一工程であるから、導入された官能基は繊維に対して共有結合しているため、結合力が強く、繊維と金属被膜の密着性の優れ、耐久性の高い無電解めっき被膜を形成させることができる。
さらに、窒素含有モノマーをグラフト重合された有機高分子繊維にPd/Sn触媒を付着させる第二工程であるから、後の工程で生成されるめっき被膜と有機高分子繊維表面との密着性を改善することができる。また、導入された官能基がPd/Sn触媒を選択的に吸着できるため、有機高分子繊維を浸漬するPd/Snのコロイドの分散液の濃度は、未加工の有機高分子繊維に対して無電解めっき加工を行う場合と比べて、グラフト重合した有機高分子繊維ではより低濃度で可能である。
さらに、有機高分子繊維表面に付着したPd/Sn触媒を還元して活性化処理する第三工程であるから、後のめっき処理によりめっき被膜を形成することができる。
さらに、この活性化処理された有機高分子繊維をめっき液に浸漬して無電解めっき処理を行い、金属めっき層を形成する第四工程を含み、密着性と耐久性に優れ、軽量で導電性のよい無電解めっき被膜を生産性よく形成させることができる。また、無電解めっき処理におけるめっき金属は銀であり、かつ、めっき液中における前記銀の濃度が50mg/L〜500mg/Lであるから、無電解めっき液の安定性に優れると共に、無電解めっきの処理時間の短縮することができる。
[2]の発明では、銀が硝酸銀又は硫酸銀であるから、無電解めっき液をより安定にさせることができる。
[3]の発明では、無電解めっき処理における温度が50℃〜65℃であり、時間が5分〜13分であるから、無電解めっき液のより一層安定性させることができると共に、無電解めっきの処理時間の短縮することができる。
本発明のめっき繊維の製造方法について詳しく説明する。本発明のめっき繊維の製造方法は、有機高分子繊維に電子線照射処理して窒素含有モノマーをグラフト重合させる第一工程と、前記窒素含有モノマーをグラフト重合された有機高分子繊維にPd/Sn触媒を付着させる第二工程と、前記有機高分子繊維表面に付着したPd/Sn触媒を還元して活性化処理する第三工程と、この活性化処理された有機高分子繊維をめっき液に浸漬して無電解めっき処理を行い、金属めっき層を形成する第四工程を含み、前記無電解めっき処理におけるめっき金属は銀であり、前記めっき液中における前記銀の濃度が50mg/L〜500mg/Lであることを特徴とする。
本発明における有機高分子繊維としては、例えば、芳香族ポリアミド繊維、ポリアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ナイロン、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ビニロン等のポリアルコール系繊維、フッ素系繊維等の有機繊維をあげることができる。中でも、汎用繊維であるナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンに本発明のめっき繊維の製造方法を適用するのは有効であり、さらにナイロンであることが特に好ましい。
窒素含有モノマーとしては、特に限定されるものではないが、ビニル基および窒素を含有する官能基を持つ化合物であることが好ましい。具体的には、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N,N−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレート塩化物、N−ビニル2−ビニルピロリドン、アクリルアミン等をあげることができる。グラフト重合は、有機高分子繊維の周囲に窒素含有ポリマーを共重合せしめ、次工程でPd/Snの付着量を安定的に大量に付着させるために行う。
まず、第一工程では、有機高分子繊維に電子線照射処理して窒素含有モノマーをグラフト重合させる。常温において、有機高分子繊維に電子線照射処理をして窒素含有モノマー溶液に浸漬し加熱してもよいし、窒素含有モノマー溶液に有機高分子繊維を浸漬した後に、電子線照射処理し、加熱してグラフト重合させてもよい。電子線照射は、コーン状に巻き上げた状態の糸に行ってもよいが、電子線照射処理が均一に行われるように、一本の糸あるいは平行に並んで走行する糸で、少し引き伸ばされた状態で電子線照射されるのが好ましく、巻き取りリールに若干の負荷をかけて一定速度で巻き取りながら電子線照射処理するのが好ましい。また、グラフト重合は、電子線照射、モノマー付与、加熱反応を窒素雰囲気下で行うのが好ましい。
次に、第二工程では、前記窒素含有モノマーをグラフト重合された有機高分子繊維にPd/Sn触媒を付着させる。方法としては、グラフト重合された有機高分子繊維をPd/Sn触媒溶液に浸漬させればよいが、PdとSnのコロイド溶液が好ましく、例えば、塩化スズと塩化パラジウムをそれぞれ塩酸溶液で溶解させ、これらを攪拌しながら加熱し混合したものが好ましい。浸漬温度は20℃〜60℃が好ましく、浸漬時間は1分〜10分程度でよい。これにより、PdとSnを有機高分子繊維の表面に吸着・結合させることができる。また、第一工程と同様にPdとSnのコロイド溶液中を巻き取りリールに若干の負荷をかけて一定速度で巻き取りながらPd/Sn触媒を付着させるのが好ましい。
第三工程では、前記有機高分子繊維表面に付着したPd/Sn触媒を還元して活性化処理する。処理溶液は、例えばSnを溶解させるがPdは溶解しない酸あるいはアルカリの溶液が好ましい。酸溶液として例えば、硫酸、塩酸、フッ化水素酸等が挙げられる。アルカリ溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。これにより、前記第二工程で吸着させたPd及びSnのうちSnを溶解除去し、Pdのみを有機高分子繊維の表面に吸着・結合させることができる。第三工程も、第一工程、第二工程同様にリールに一定速度で巻き取りながら活性化処理するのが好ましい。
第四工程では、前記第三工程で得られた有機高分子繊維をめっき液に浸漬し、無電解めっき処理を行い金属被膜を形成する。無電解めっきは、有機高分子繊維の表面に吸着・結合した触媒活性の強いPd表面に、めっき液に含まれる還元剤が酸化されるときに放出する電子により、めっき液にある金属イオンが還元され、該金属を金属被膜として有機高分子繊維の表面に析出させるものである。
無電解めっき処理に用いられるめっき金属としては、銀であることが必要であり、前記めっき液中における前記銀の濃度が50mg/L〜500mg/Lであることが必要である。50mg/L未満では、めっき処理時間が長くなるため好ましくなく、500mg/Lを超えても、めっき液の安定性が悪くなり、好ましくない。中でも200mg/L〜400mg/Lであることがより好ましい。
前記銀としては、硝酸銀、硫酸銀等が挙げられ、中でも硝酸銀であることがより好ましい。
無電解めっき処理における温度が50℃〜65℃であることが好ましい。50℃未満では、めっき処理時間が長くなるため好ましくなく、65℃を超えても、めっき液の安定性が悪くなり、好ましくない。中でも50℃〜60℃であることがより好ましい。
無電解めっき処理における時間が5分〜13分であることが好ましい。5分未満では、反応が途中までとなってしまい好ましくなく、13分を超えても、めっき液の銀イオンがなくなってしまい好ましくない。中でも5分〜10分であることがより好ましい。
めっき被膜の厚さは、0.2μm以上あることが好ましく、さらに好ましくは0.4μm以上がよい。0.5μm〜3.0μmが最も好適で、0.2μm未満では十分な導電性や密着性が得られず、3.0μmを超えると繊維の柔軟性が失われ、硬くなるので好ましくない。
第四工程も前工程と同様にリールに一定速度で巻き取りながら行うのが好ましい。もちろん、第一工程から第四工程の各間には水洗工程や乾燥工程等があるが、ここでは記載していない。また、巻き取りながら第一工程から第四工程までを含んだ加工をすることで、連続工程として加工することも可能である。
また、電気めっきは、触媒活性の強いPd表面で、被めっき物を電極として通電することにより、めっき液に含まれる金属イオンが還元され、該金属を金属被膜として被めっき物に析出させる方法である。電気めっきは無電解めっきに比べめっき被膜の厚さを制御しやすいので、本発明において、無電解めっきの後に電気めっきを行ってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
有機高分子繊維として、ナイロン繊維糸条(2800dtex192f)を用意した。次に、各工程を以下のように実施した。
(第一工程:電子線グラフト重合工程)
窒素雰囲気下において、アイ・エレクトロンビーム社製の電子線照射装置を用い、窒素雰囲気下において、ナイロン繊維糸条に照射線量50kGyで電子線照射を行った。その後の、電子線照射したナイロン繊維糸条をアクリルアミドのモノマー濃度10%溶液に浸漬し、70℃8分間加熱して、連続的に処理する方法で行った。グラフト率は21%であった。
(第二工程:触媒付与工程)
電子線グラフト重合処理を行った有機高分子繊維をPd/Sn触媒液(OPC−80キャタリストML:奥野製薬工業株式会社製品)の0.15%溶液に25℃で30分間浸漬し、触媒を付与した。その後、イオン交換水で十分に洗浄した。
(第三工程:活性化処理工程)
Pd/Sn触媒を付与した有機高分子繊維をフッ素系化合物溶液(OPC−555アクセレータM:奥野製薬工業株式会社製品)の10%溶液に25℃で30分間浸漬し、活性化した。その後、イオン交換水で十分に洗浄した。
(第四工程:無電解めっき工程)
無電解めっき溶液として、ムデンシルバーSS(硝酸銀、奥野製薬工業株式会社製品)を用いて、銀の濃度が300mg/Lになるようイオン交換水で調整を行った。活性化処理をした有機高分子繊維を銀の濃度が300mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃、で10分間浸漬し、有機高分子繊維上に金属被膜を形成した。金属被膜を形成した繊維をイオン交換水で洗浄した後、加熱して乾燥した。
有機高分子繊維として、ナイロン繊維糸条(2800dtex192f)を用意した。次に、各工程を以下のように実施した。
(第一工程:電子線グラフト重合工程)
窒素雰囲気下において、アイ・エレクトロンビーム社製の電子線照射装置を用い、窒素雰囲気下において、ナイロン繊維糸条に照射線量50kGyで電子線照射を行った。その後の、電子線照射したナイロン繊維糸条をアクリルアミドのモノマー濃度10%溶液に浸漬し、70℃8分間加熱して、連続的に処理する方法で行った。グラフト率は21%であった。
(第二工程:触媒付与工程)
電子線グラフト重合処理を行った有機高分子繊維をPd/Sn触媒液(OPC−80キャタリストML:奥野製薬工業株式会社製品)の0.15%溶液に25℃で30分間浸漬し、触媒を付与した。その後、イオン交換水で十分に洗浄した。
(第三工程:活性化処理工程)
Pd/Sn触媒を付与した有機高分子繊維をフッ素系化合物溶液(OPC−555アクセレータM:奥野製薬工業株式会社製品)の10%溶液に25℃で30分間浸漬し、活性化した。その後、イオン交換水で十分に洗浄した。
(第四工程:無電解めっき工程)
無電解めっき溶液として、ムデンシルバーSS(硝酸銀、奥野製薬工業株式会社製品)を用いて、銀の濃度が300mg/Lになるようイオン交換水で調整を行った。活性化処理をした有機高分子繊維を銀の濃度が300mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃、で10分間浸漬し、有機高分子繊維上に金属被膜を形成した。金属被膜を形成した繊維をイオン交換水で洗浄した後、加熱して乾燥した。
<実施例2>
銀の濃度を70mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃で13分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
銀の濃度を70mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃で13分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
<実施例3>
銀の濃度を450mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃で10分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
銀の濃度を450mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃で10分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
<実施例4>
無電解めっき溶液として、ムデンシルバーKSS(硫酸銀、奥野製薬工業株式会社製品)を用いて、銀の濃度が300mg/Lになるようイオン交換水で調整を行った。活性化処理をした有機高分子繊維を銀の濃度が300mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃、で10分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
無電解めっき溶液として、ムデンシルバーKSS(硫酸銀、奥野製薬工業株式会社製品)を用いて、銀の濃度が300mg/Lになるようイオン交換水で調整を行った。活性化処理をした有機高分子繊維を銀の濃度が300mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃、で10分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
<比較例1>
第一工程の電子線グラフト重合工程を含まない設定にした以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
第一工程の電子線グラフト重合工程を含まない設定にした以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
<比較例2>
第二工程の触媒付与工程を含まない設定にした以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
第二工程の触媒付与工程を含まない設定にした以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
<比較例3>
第三工程の活性化処理工程を含まない設定にした以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
第三工程の活性化処理工程を含まない設定にした以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
<比較例4>
第四工程の無電解めっき工程を含まない設定にした以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
第四工程の無電解めっき工程を含まない設定にした以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
<比較例5>
銀の濃度を30mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃で30分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
銀の濃度を30mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃で30分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
<比較例6>
銀の濃度を550mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃で10分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
銀の濃度を550mg/Lに調整した無電解めっき溶液に50℃で10分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして、めっき繊維を得た。
<繊維と金属被膜の密着性試験と評価 磨耗試験法>
作製した無電解めっき繊維について被膜の密着(剥離)強度をJIS L 0849−2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」に準じておこなった。具体的には、試験資料の無電解めっき繊維に白色布を重ね、200gの荷重を加え、毎分30回の往復速度で摩擦を行った。100往復の摩擦後の導電率を測定した。評価基準として、摩擦後の導電率が101Ω/cm未満のものを「◎」、101Ω/cm以上103Ω/cm未満のものを「○」、103Ω/cm以上105Ω/cm未満のものを「△、」105Ω/cm以上のものを「×」とし、「○」以上を合格とした。さらに、金属めっき層を形成することができず、評価することさえできなかったものを「−」とした。
作製した無電解めっき繊維について被膜の密着(剥離)強度をJIS L 0849−2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」に準じておこなった。具体的には、試験資料の無電解めっき繊維に白色布を重ね、200gの荷重を加え、毎分30回の往復速度で摩擦を行った。100往復の摩擦後の導電率を測定した。評価基準として、摩擦後の導電率が101Ω/cm未満のものを「◎」、101Ω/cm以上103Ω/cm未満のものを「○」、103Ω/cm以上105Ω/cm未満のものを「△、」105Ω/cm以上のものを「×」とし、「○」以上を合格とした。さらに、金属めっき層を形成することができず、評価することさえできなかったものを「−」とした。
<めっき液の安定性の評価>
無電解めっき処理工程時にめっき液の状態を目視で確認した。評価基準として、めっき液が濁っていなかったものを「○」とし、めっき液が黒色に濁って見えたものを「×」とし、「○」以上を合格とした。
無電解めっき処理工程時にめっき液の状態を目視で確認した。評価基準として、めっき液が濁っていなかったものを「○」とし、めっき液が黒色に濁って見えたものを「×」とし、「○」以上を合格とした。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4のめっき繊維は、めっき液の安定性に優れると共に、無電解めっき処理の時間が短く、優れていた。
これに対して、比較例1は、第一工程の電子線グラフト重合工程を行っていないため、触媒を付与させることができず、有機高分子繊維に金属めっき層を形成させることができなかった。比較例2は、第二工程の触媒付与工程を行っていないため、無電解めっき反応が起こらず、有機高分子繊維にめっき金属層を形成させることができなかった。比較例3は、第三工程の活性化処理工程を行っていないため、めっき処理工程において本来取り除けていたSnイオンが存在することで、めっき液の安定性が悪くなり、有機高分子繊維にめっき金属層を形成させることができなかった。比較例4は、第四工程の無電解めっき処理工程を行っていないため、有機高分子繊維に金属めっき層を形成させることができなかった。比較例5は、めっき処理に時間がかかってしまい、さらに摩耗性も劣っていた。比較例6は、めっき処理液中の銀イオンが過剰に析出してしまい、めっき液の安定性が悪く、さらに摩耗性にも劣っていた。
本発明に係るめっき被膜された高分子繊維材料は、例えば製編あるいは製織し布帛に組み込むことで、通電性能のある布帛として好適であり、その応用範囲は広く、様々な分野で用いることができる。
Claims (3)
- 有機高分子繊維に電子線照射処理して窒素含有モノマーをグラフト重合させる第一工程と、前記窒素含有モノマーをグラフト重合された有機高分子繊維にPd/Sn触媒を付着させる第二工程と、前記有機高分子繊維表面に付着したPd/Sn触媒を還元して活性化処理する第三工程と、この活性化処理された有機高分子繊維をめっき液に浸漬して無電解めっき処理を行い、金属めっき層を形成する第四工程を含み、前記無電解めっき処理におけるめっき金属は銀であり、かつ、前記めっき液中における前記銀の濃度が50mg/L〜500mg/Lであることを特徴とするめっき繊維の製造方法。
- 前記銀が硝酸銀又は硫酸銀である請求項1に記載のめっき繊維の製造方法。
- 前記無電解めっき処理における温度が50℃〜65℃であり、時間が5分〜13分である請求項1又は2に記載のめっき繊維の製造方法。
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JP2021532289A (ja) * | 2018-08-03 | 2021-11-25 | エレクトロニンクス インコーポレイテッド | 金属錯化伝導性インク組成物を用いた金属化による伝導性材料およびその調製方法 |
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