JP2017154251A - 液体供給装置、および、液体噴射システム - Google Patents
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Abstract
【課題】液体供給装置の使用条件に応じた空気収容室を有する液体供給装置を容易に提供できる技術を提供する。【解決手段】液体供給装置は、前記液体を収容可能な液体収容室と、前記液体収容室に前記液体を注入可能な液体注入部と、を有する第1外殻と、前記第1外殻とは異なる部材である第2外殻と、前記第1外殻と前記第2外殻との相互の位置関係を一定に保持するための保持部材と、外部と前記液体収容室とを連通させる大気連通路と、を備える。【選択図】図5
Description
本発明は、液体供給装置についての技術に関する。
従来、液体噴射装置が有する液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給装置が知られている(例えば、特許文献1,2)。従来の液体供給装置は、液体を収容する液体収容室と、液体収容室と大気とを連通させる大気連通路と、大気連通路の途中に隔壁で仕切られた空気収容室とを有する。
従来の液体供給装置では、液体収容室と空気収容室とは一体的に形成されていた。空気収容室は、液体収容室の液体が大気連通路を通って外部に流出することを抑制するために、液体収容室から流出した液体を収容する収容機能を有する。空気収容室は、液体収容室に収容される液体の量や使用環境下などの使用条件によって、収容機能を発揮するために必要な容積が異なる。従来、液体供給装置の使用条件が変更となり、必要とされる空気収容室の容積が変更になった場合は、液体供給装置全体の設計変更を行う必要がある。よって、液体供給装置の使用条件に応じた空気収容室を有する液体供給装置を容易に提供できる技術が望まれている。
また、液体供給装置の姿勢の変化などに起因して液体供給装置が有する流路が閉塞し、液体供給装置から液体噴射ヘッドに安定して液体を供給できない場合があった。よって、従来から、液体供給装置から液体噴射ヘッドに安定して液体を供給できる技術が望まれている。また、従来の技術において、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、液体供給装置が提供される。この液体供給装置は、前記液体を収容可能な液体収容室と、前記液体収容室に前記液体を注入可能な液体注入部と、を有する第1外殻と、前記第1外殻とは異なる部材である第2外殻と、前記第1外殻と前記第2外殻との相互の位置関係を一定に保持するための保持部材と、外部と前記液体収容室とを連通させる大気連通路と、を備え、前記大気連通路は、前記液体収容室を区画する壁に形成され、前記液体収容室に空気を導入するための一端としての空気導入口と、前記第2外殻に設けられ、外部に向かって開口する他端としての大気開放口と、前記第2外殻が有する空気収容室であって、前記大気開放口と前記空気導入口との間に位置する空気収容室と、前記第1外殻と前記第2外殻とを接続する接続路であって、前記流れ方向において前記空気収容室と前記液体収容室との間に位置する接続路と、を有する。
この形態によれば、液体収容室を有する第1外殻と空気収容室を有する第2外殻とは別部材である。これにより、液体収容室の液体の量や使用環境などの液体供給装置の使用条件に変更が生じて、空気収容室の構成(例えば、容積)が変更になった場合でも、液体供給装置全体の構成を変更する必要がない。つまり、第1外殻とは別部材の第2外殻の構成を変更することで使用条件に応じた空気収容室を有する液体供給装置を容易に提供できる。また、保持部材によって第1外殻と第2外殻との相互の位置関係が一定に保持されているので、液体供給装置の姿勢の変化などに起因して接続路が変形することを抑制できる。これにより、空気収容室から液体収容室に空気を安定して導入できるので、液体収容室から液体噴射ヘッドに安定して液体を供給できる。
この形態によれば、液体収容室を有する第1外殻と空気収容室を有する第2外殻とは別部材である。これにより、液体収容室の液体の量や使用環境などの液体供給装置の使用条件に変更が生じて、空気収容室の構成(例えば、容積)が変更になった場合でも、液体供給装置全体の構成を変更する必要がない。つまり、第1外殻とは別部材の第2外殻の構成を変更することで使用条件に応じた空気収容室を有する液体供給装置を容易に提供できる。また、保持部材によって第1外殻と第2外殻との相互の位置関係が一定に保持されているので、液体供給装置の姿勢の変化などに起因して接続路が変形することを抑制できる。これにより、空気収容室から液体収容室に空気を安定して導入できるので、液体収容室から液体噴射ヘッドに安定して液体を供給できる。
(2)上記形態であって、前記保持部材は、前記第1外殻の一部と前記第2外殻の一部とに接続された部材であってもよい。
この形態によれば、保持部材によって第1外殻と第2外殻とを直接に接続することで、第1外殻と第2外殻との相互の位置関係を一定に保持できる。
この形態によれば、保持部材によって第1外殻と第2外殻とを直接に接続することで、第1外殻と第2外殻との相互の位置関係を一定に保持できる。
(3)上記形態であって、前記保持部材は、前記第1外殻から前記第2外殻を取り外し可能なように前記第1外殻の一部と前記第2外殻の一部とを接続する部材であってもよい。
の形態によれば、第1外殻から第2外殻を取り外して新たな第2外殻を取り付けることで使用条件に応じた空気収容室を有する液体供給装置を容易に提供できる。
の形態によれば、第1外殻から第2外殻を取り外して新たな第2外殻を取り付けることで使用条件に応じた空気収容室を有する液体供給装置を容易に提供できる。
(4)上記形態であって、前記保持部材は、前記第1外殻と前記第2外殻とを前記液体供給装置とは異なる他の部材に固定するための部材であってもよい。
この形態によれば、第1外殻と第2外殻とを保持部材によって他の部材に固定することで、第1外殻と第2外殻との相互の位置関係を一定に保持できる。
この形態によれば、第1外殻と第2外殻とを保持部材によって他の部材に固定することで、第1外殻と第2外殻との相互の位置関係を一定に保持できる。
(5)上記形態であって、前記他の部材は、前記液体供給装置を収容する収容部材であってもよい。
この形態によれば、第1外殻と第2外殻とを保持部材によって収容部材に固定することで、第1外殻と第2外殻との相互の位置関係を一定に保持できる。
この形態によれば、第1外殻と第2外殻とを保持部材によって収容部材に固定することで、第1外殻と第2外殻との相互の位置関係を一定に保持できる。
(6)上記形態であって、前記第1外殻は、前記大気連通路の一部を構成し、前記空気を収容するための内側空気収容室であって、前記流れ方向において、前記空気収容室と前記空気導入口との間に位置する内側空気収容室を有してもよい。
この形態によれば、第1外殻が内側空気収容室を有することで、液体収容室の液体が大気連通路を通って外部に漏れ出す可能性を低減できる。
この形態によれば、第1外殻が内側空気収容室を有することで、液体収容室の液体が大気連通路を通って外部に漏れ出す可能性を低減できる。
(7)上記形態であって、前記大気開放口から前記空気導入口に至る前記空気の流れ方向において、前記空気収容室は、上流側部分と下流側部分とを区画し、気体が透過すると共に液体が透過しないシート部材を有してもよい。
この形態によれば、液体収容室の液体が大気連通路を通って外部に漏れ出す可能性を更に低減できる。また、第2外殻が第1外殻とは別部材によって構成されているので、シート部材を交換する場合に、第2外殻を第1外殻から取り外して交換作業を行えるので、シート部材の交換を容易にできる。
この形態によれば、液体収容室の液体が大気連通路を通って外部に漏れ出す可能性を更に低減できる。また、第2外殻が第1外殻とは別部材によって構成されているので、シート部材を交換する場合に、第2外殻を第1外殻から取り外して交換作業を行えるので、シート部材の交換を容易にできる。
(8)上記形態であって、前記空気導入口は、前記液体収容室のうち鉛直方向下側の領域に位置してもよい。
この形態によれば、液体収容室の液面位置が変化しても液体噴射ヘッドに液体を安定して供給できる。
この形態によれば、液体収容室の液面位置が変化しても液体噴射ヘッドに液体を安定して供給できる。
(9)本発明の他の一形態によれば、液体噴射システムが提供される。この液体噴射システムは、上記形態の液体供給装置と、前記液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドと前記液体供給装置とを連通させる液体供給流路と、を備える。
この形態によれば、液体収容室を区画する第1外殻と空気収容室を区画する第2外殻とは別部材であるので、液体収容室の液体の量や使用環境などの液体供給装置の使用条件に応じた空気収容室を区画する第2外殻を用意して液体供給装置の構成部材とすることができる。つまり、液体供給装置全体の構成を変更することなく、第2外殻の構成を変更することで使用条件に応じた空気収容室を有する液体供給装置を容易に提供できる。また、保持部材によって第1外殻と第2外殻との相互の位置関係が一定に保持されているので、液体供給装置の姿勢の変化などに起因して接続路が変形することを抑制できる。これにより、空気収容室から液体収容室に空気を安定して導入できるので、液体収容室から液体噴射ヘッドに安定して液体を供給できる。
この形態によれば、液体収容室を区画する第1外殻と空気収容室を区画する第2外殻とは別部材であるので、液体収容室の液体の量や使用環境などの液体供給装置の使用条件に応じた空気収容室を区画する第2外殻を用意して液体供給装置の構成部材とすることができる。つまり、液体供給装置全体の構成を変更することなく、第2外殻の構成を変更することで使用条件に応じた空気収容室を有する液体供給装置を容易に提供できる。また、保持部材によって第1外殻と第2外殻との相互の位置関係が一定に保持されているので、液体供給装置の姿勢の変化などに起因して接続路が変形することを抑制できる。これにより、空気収容室から液体収容室に空気を安定して導入できるので、液体収容室から液体噴射ヘッドに安定して液体を供給できる。
例えば、本発明の一形態において、第1外殻と、第2外殻と、保持部材と、大気連通路と、の複数の要素の内の1つ以上の要素を備えた装置としても実現可能である。すなわち、この装置は、第1外殻を有していてもよく、有していなくてもよい。また、この装置は、第2外殻を有していてもよく、有していなくてもよい。また、この装置は、保持部材を有していてもよく、有していなくてもよい。また、この装置は、大気連通路を有していてもよく、有していなくてもよい。このような各種形態によれば、装置の小型化、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等の種々の課題の少なくとも1つを解決できる。また前述した液体供給装置の各形態の技術的特徴の一部又は全部は、いずれもこの装置に適用することが可能である。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、液体供給装置、液体噴射システムの他に、これら装置の製造方法、これら装置の製造装置、これら装置によって液体が噴射された対象物等の態様で実現できる。また、本発明の液体供給装置は、サブタンク等を介して液体噴射ヘッドに液体を供給する態様でも実施できる。
A.第1実施形態:
A−1:液体噴射システムの構成:
図1および図2は、本発明の第1実施形態としての液体噴射システム1の概略図である。図1は、液体噴射システム1の使用状態における外観を表す。図2は、液体噴射システム1の注入状態における外観および内部構造(破線)の一部を表す。図1および図2には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。X軸は、プリンター10の「幅方向」に対応する。同様に、Y軸はプリンター10の「奥行き方向」に対応し、Z軸はプリンター10の「高さ方向」に対応する。すなわち、プリンター10は、X軸方向とY軸方向とによって規定される水平な設置面に設置されている。また、図1および図2において+Z軸方向(すなわち紙面上側)を鉛直上方向とも呼び、−Z軸方向(すなわち紙面下側)を鉛直下方向とも呼ぶ。なお、図3以降の図においても、必要に応じて図1,2と対応する方向のXYZ軸が描かれている。
A−1:液体噴射システムの構成:
図1および図2は、本発明の第1実施形態としての液体噴射システム1の概略図である。図1は、液体噴射システム1の使用状態における外観を表す。図2は、液体噴射システム1の注入状態における外観および内部構造(破線)の一部を表す。図1および図2には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。X軸は、プリンター10の「幅方向」に対応する。同様に、Y軸はプリンター10の「奥行き方向」に対応し、Z軸はプリンター10の「高さ方向」に対応する。すなわち、プリンター10は、X軸方向とY軸方向とによって規定される水平な設置面に設置されている。また、図1および図2において+Z軸方向(すなわち紙面上側)を鉛直上方向とも呼び、−Z軸方向(すなわち紙面下側)を鉛直下方向とも呼ぶ。なお、図3以降の図においても、必要に応じて図1,2と対応する方向のXYZ軸が描かれている。
液体噴射システム1(図2)は、液体噴射装置としてのプリンター10と、4つの液体供給装置50とを備える。プリンター10は、いわゆるインクジェットプリンターである。プリンター10は、用紙等の記録媒体上に液体(液滴)としてのインクを吐出することで、記録媒体に対して印刷を行う。
液体噴射システム1の使用状態では、液体供給装置50は、図1に示すようにプリンター10の内部に収納される。また、液体噴射システム1の使用状態では、プリンター10は印刷動作が可能な状態となっている。液体噴射システム1の注入状態では、液体供給装置50は、図2に示すようにプリンター10の外部に露出され、液体供給装置50にインクを注入可能な状態となっている。以降、使用状態の際に液体供給装置50がとる姿勢を「使用姿勢」とも呼ぶ。一方、注入状態の際に液体供給装置50がとる姿勢を「注入姿勢」とも呼ぶ。使用姿勢と注入姿勢とでは、液体供給装置50が有する液体注入部68の向きが異なる。使用姿勢では液体注入部68は水平方向を向いて開口し、注入姿勢では液体注入部68は鉛直上方向を向いて開口する。なお、他の実施形態によれば、使用姿勢では液体注入部68は水平方向成分を有する方向を向いて開口し、注入姿勢では液体注入部68は鉛直上方向成分を有する方向に開口してもよい。
プリンター10(図2)は、操作パネル11と、筐体12と、排出部16と、制御部19と、キャリッジユニット25と、収容部材30と、を備える。キャリッジユニット25は、キャリッジ18および4つのサブタンク20を含む。4つのサブタンク20は色の異なるインクを収容している。具体的には、4つのサブタンク20は、ブラックインクを収容するサブタンク20Kと、シアンインクを収容するサブタンク20Cと、マゼンタインクを収容するサブタンク20Mと、イエローインクを収容するサブタンク20Yである。インクは顔料インクや染料インクなどの各種インクを用いることができる。4つのサブタンク20は、キャリッジ18に搭載されている。本明細書において、4つのサブタンク20K〜20Yを区別することなく用いる場合には、符号「20」を用いている。
筐体12は、略直方体形状である。筐体12は、前面(第1面、第1壁)101と、背面(第2面、第2壁)102と、左側面(第1側面、第1側壁)103と、右側面(第2側面、第2側壁)104と、上面(第3面、第3壁)105と、底面(第4面、第4壁)106と、を備えている。6つの各面101〜106によって、プリンター10の外殻である筐体12が構成されている。前面101と背面102とは対向する。同様に、左側面103と右側面104とは対向する。前面101、背面102、左側面103、右側面104は、プリンター10の設置面に対して略垂直な面である。左側面103と右側面104とは、それぞれ、前面101と背面102と交差している。一方、上面105と底面106とは対向する。上面105、底面106は、プリンター10の設置面に対して略水平な面である。なお、本明細書において「略垂直」や「略水平」とは、完全に「垂直」又は「水平」である意味に加え、概ね「垂直」又は「水平」である意味を含む。つまり、各面101〜106は、完全な平面ではなく凹凸等を許容し、外観において概ね「垂直」又は概ね「水平」であればよい。
上述したX軸方向は、左側面103と右側面104とが対向する方向である。同様に、Y軸方向は、前面101と背面102とが対向する方向である。Z軸方向は、上面105と底面106とが対向する方向である。
操作パネル11と排出部16とは、筐体12の前面101に設けられている。操作パネル11は、プリンター10の各部を操作するための複数のボタンと、プリンター10の状態を表す表示部(LED等)と、を含んでいる。操作パネル11の操作により、例えば、プリンター10の電源ON/OFF等が切り替えられる。排出部16は、印刷済みの記録媒体を排出する。
キャリッジ18は、筐体12の内部に設けられている。キャリッジ18は、主走査方向(紙巾方向、X軸方向)に移動可能である。この移動は、ステッピングモーター(図示せず)の駆動によりタイミングベルト(図示さず)を介して行われる。キャリッジ18の下面には、液体噴射ヘッド14が備え付けられている。この液体噴射ヘッド14が有する複数のノズルからインクが用紙などの記録媒体上に噴射されて印刷が行われる。なお、タイミングベルトやキャリッジ18等のプリンター10を構成する各種部品は、ケース12内部に収容されることで保護される。本実施形態では、液体噴射ヘッド14は主走査方向に移動される構成としたが、他の態様を採用することもできる。例えば、液体噴射ヘッド14は、主走査方向(X軸方向)の全体に亘って伸び、位置が固定されたラインヘッドであってもよい。
収容部材30は、使用状態において液体供給装置50を筐体12の内部に収容する。なお、他の実施形態では、収容部材30は、使用状態において筐体12の外部の位置で液体供給装置50を内部に収容してもよい。収容部材30は、筐体12の前面101の右側部分に設けられている。収容部材30は、図2に示すように、前面101の一部を構成する板状の前面ケース40と、前面ケース40の−X軸方向側端部に接続された板状の側面ケース45と、を有する。前面ケース40および側面ケース45は矩形状である。前面ケース40の下部には前面ケース40を筐体12に固定すると共に下部を支点として矢印YR方向に回転可能とするためのヒンジ41が設けられている。前面ケース40には、液体供給装置50が着脱可能に取り付けられている。前面ケース40は、図1に示す使用状態(使用姿勢)において設置面に対して略垂直であり、図2に示す注入状態(注入姿勢)において設置面と略平行となる。利用者は、液体供給装置50にインクを注入するときには、ヒンジ41を支点として前面ケース40および側面ケース45を図1に示す矢印YR方向に回転させることで、液体供給装置50を使用姿勢から注入姿勢へと変化させる。利用者は、注入姿勢において、後述する液体注入部68からインクを液体供給装置50内に注入する。側面ケース45は、使用姿勢および注入姿勢において設置面に対して略垂直である。
4つの液体供給装置50(図2)は、4つのサブタンク20が収容する色に対応したインクを収容している。すなわち、液体供給装置50Kはブラックインクを収容し、液体供給装置50Cはシアンインクを収容し、液体供給装置50Mはマゼンタインクを収容し、液体供給装置50Yはイエローインクを収容する。インクは顔料インクや染料インクなどの各種インクを用いることができる。液体供給装置50は、サブタンク20よりも多くの量のインクを収容できる。本明細書では、4つの液体供給装置50K〜50Yを区別することなく用いる場合には、符号「50」を用いている。
4つの液体供給装置50(図2)は、X軸方向に沿って並んで配置されている。液体供給装置50は、インクを内部(後述する液体収容室)に注入するための液体注入部68と、インクの消費に伴って内部に空気を導入する大気開放口79と、後述するチューブ99に接続されキャリッジユニット25に向けてインクを導出するための液体導出部と、を備える。
各色のインクを収容した液体供給装置50は、対応した色のインクを収容するためのサブタンク20に液体供給流路としてのチューブ99によって接続されている。チューブ99は合成ゴム等の可撓性を有する部材で形成されている。液体噴射ヘッド14からインクが噴射されサブタンク20のインクが消費されると、チューブ99を介して液体供給装置50のインクがサブタンク20に供給される。サブタンク20は液体噴射ヘッド14と連通している。これにより、液体噴射システム1は、長時間に亘って中断動作なしに連続して印刷を続けることができる。以上のように、チューブ99は、液体噴射ヘッド14と液体供給装置50とを連通させる。なお、サブタンク20を設けずにチューブ99を介して液体供給装置50から液体噴射ヘッド14に直接にインクを供給してもよい。
A−2.液体供給装置の概略:
液体供給装置50の詳細な構成を説明する前に、理解の容易のために、液体供給装置50からプリンター10へとインクが供給される仕組みについて説明する。図3は、大気開放口79から液体導出部63に至る経路を概念的に示す図である。以下の説明における「上流」、「下流」は、大気開放口79から液体導出部63へと向かう流体である空気の流れ方向を基準とする。
液体供給装置50の詳細な構成を説明する前に、理解の容易のために、液体供給装置50からプリンター10へとインクが供給される仕組みについて説明する。図3は、大気開放口79から液体導出部63に至る経路を概念的に示す図である。以下の説明における「上流」、「下流」は、大気開放口79から液体導出部63へと向かう流体である空気の流れ方向を基準とする。
大気開放口79から液体導出部63に至る経路(流路)は、大気連通路56と、液体収容室62とに大きく分けられる。大気連通路56は、液体収容室62に接続された一端としての空気導入口668と、大気に開放された他端である大気開放口79とを有する。また、液体収容室62には、液体注入部68が形成されている。
大気連通路56は、液体供給装置50の外部と液体収容室62とを連通させる。大気連通路56は、上流側から順に、大気開放部77と、空気収容室72と、接続路562と、を有する。
大気開放部77は、外部の大気(空気)を空気収容室72に導入する。大気開放部77は、一端に形成された大気側接続部764と、他端に形成された大気開放口79とを有する。大気開放口79は、外部に向かって開口する。大気開放口79は、大気連通路56の一端(上流端)を形成する。大気側接続部764は、空気収容室72に接続されている。大気側接続部764は、流体が流通可能な開口である。大気側接続部764は空気収容室72で開口している。
空気収容室72は、大気開放口79と空気導入口668との間に位置する。空気収容室72は、接続路562よりも流路断面積が大きい。空気収容室72は、液体収容室62から大気連通路56に流入したインクを収容して大気開放口79側へとインクが流入することを抑制するために、所定の容積を有する。空気収容室72の容積は、液体供給装置50が使用される使用条件に基づいて、液体収容室62のインクが大気連通路56側に流入する量(流入量)を算出し、流入量以上の容積としてもよい。使用条件とは、液体収容室62に収容されるインクの量や、液体供給装置50が配置される環境下において想定される温度変化量や気圧変化量である。
接続路562は、空気収容室72と液体収容室62とを接続する。接続路562は、上流端に形成された空気側接続口766と、下流端に形成された空気導入口668と、を有する。接続路562は、液体収容室62のインクの消費に伴って空気収容室72の空気を液体収容室62に導入する。使用姿勢において、空気導入口668には、大気と直接に接する液面が形成され、空気導入口668から液体収容室62のインク中に空気(気泡)を導入することで、液体収容室62に空気が導入される。つまり、空気導入口668は、液体収容室62に空気を導入するための大気連通路56の一端を形成している。空気導入口668を含む接続路562は、メニスカス(液面架橋)を形成可能な程度に流路断面積が小さいことが好ましい。
液体収容室62は、液体噴射ヘッド14に供給するためのインクを収容可能である。液体収容室62には、液体導出部63が接続されている。液体導出部63は、チューブ99が接続される部分である。液体導出部63の一端667は外部に向かって開口し、他端669は液体収容室62で開口している。液体収容室62のインクは液体導出部63およびチューブ99を介して液体噴射ヘッド14に供給される。液体供給装置50がチューブ99(図2)に接続される前の未使用状態では、一端667は剥離可能なフィルムなどによって封止されている。
液体注入部68は、液体収容室62にインクを注入可能である。液体注入部68は筒状の部材であり、一端が液体収容室62に接続され、他端は外部に向かって開口する。液体注入部68の他端は、使用状態では栓部材が着脱可能に取り付けられている。利用者は、液体収容室62にインクを注入する際には、液体注入部68から栓部材を取り外す。
なお、以上説明した経路はあくまで一例であり、種々の変形が可能である。例えば、大気連通路56の途中には、流路と流路とを接続する接続部材や、上流への液体の流入を抑制するための透湿防水部材(例えば、気液分離膜)等を設けてもよい。また、大気開放口79から液体導出部63に至る経路において、さらに上述しない他の経路を設けてもよい。
さらに理解の容易のために、図4を用いて液体供給装置50がサブタンク20にインクを供給する原理について説明する。図4は、液体供給装置50からサブタンク20へのインク供給の原理について説明するための図である。図4には、使用姿勢における液体供給装置50を+X軸方向側から見た場合の液体供給装置50の模式図が示されている。また、図4では、チューブ99及びキャリッジユニット25の内部の様子を模式的に示している。
本実施形態の液体供給装置50は、マリオットの瓶の原理を利用してインクをプリンター10に供給する。
液体供給装置50の液体導出部63と、サブタンク20の液体受入部202は、チューブ99を介して接続されている。サブタンク20は、ポリスチレンやポリエチレン等の合成樹脂により成形されている。サブタンク20は、液体貯留室204と、液体流動路208と、フィルター206とを備える。液体流動路208には、キャリッジ18の液体供給針18aが挿入されている。フィルター206は、インクに異物等の不純物が混入していた場合に、その不純物を捕捉することで液体噴射ヘッド14への不純物の流入を防止する。液体貯留室204のインクは、液体噴射ヘッド14からの吸引によって、液体流動路208、液体供給針18aを流れて、液体噴射ヘッド14に供給される。液体噴射ヘッド14に供給されたインクは、ノズルを介して外部(記録媒体)へ向かって噴射される。
注入姿勢で液体注入部68からインクを液体収容室62に注入した後に、液体注入部68を栓部材681で密封し使用姿勢にした場合、液体収容室62内の空気が増加し、液体収容室62は負圧になる。さらに、液体噴射ヘッド14から液体収容室62のインクが吸引されることで液体収容室62は負圧に維持されている。
使用姿勢において、空気導入口668は、液体収容室62のうち鉛直方向下側の領域に位置する。つまり、使用姿勢において、空気導入口668は、液体収容室62のZ軸方向における高さの半分以下の位置に設けられている。本実施形態では、空気導入口668は、液体収容室62の底面を構成する壁602の近傍に形成されている。こうすることで、液体収容室62のインクが消費され、液体収容室62の液面LFが低下しても、大気と直接に接触する液面(大気接触液面)LAが長時間に亘り一定の高さに維持される。また、使用姿勢において、空気導入口668は、液体噴射ヘッド14よりも低い位置になるように配置される。
液体貯留室204のインクが液体噴射ヘッド14によって吸引されることで、液体貯留室204は所定の負圧以上となる。液体貯留室204が所定の負圧以上になると、液体収容室62のインクがチューブ99を介して液体貯留室204に供給される。すなわち、液体貯留室204には、液体噴射ヘッド14に流出した量のインクが液体収容室62から自動的に補充されることになる。言い換えれば、インク液面(大気接触液面)LAと、液体噴射ヘッド14との鉛直方向の高さの差によって発生する水頭差d1よりも、プリンター10側からの吸引力(負圧)がある程度大きくなることでインクが液体収容室62から液体貯留室204へ供給される。
液体収容室62のインクが消費されると、空気収容室72の空気が接続路562を介して液体収容室62に気泡Gとして導入される。これにより液体収容室62の液面は低下する。一方で、大気と直接に接する大気接触液面LAの高さは一定に維持されていることから、水頭差d1は一定に維持される。すなわち、液体噴射ヘッド14の所定の吸引力により、液体供給装置50から液体噴射ヘッド14に安定してインクを供給できる。
A−3.液体供給装置の構成:
図5は、液体供給装置50の模式図である。図5には、使用状態におけるXYZ軸が描かれている。液体供給装置50は、第1外殻60と、第1外殻60とは異なる部材である第2外殻70と、保持部材55と、接続路562とを備える。
図5は、液体供給装置50の模式図である。図5には、使用状態におけるXYZ軸が描かれている。液体供給装置50は、第1外殻60と、第1外殻60とは異なる部材である第2外殻70と、保持部材55と、接続路562とを備える。
第1外殻60の外形は、略直方体形状である。第1外殻60は、液体供給装置50の外表面の一部を形成する。第1外殻60は、インクを収容可能な液体収容室62と、液体収容室62にインクを注入可能な液体注入部68とを有する。本実施形態では、第1外殻60によって液体収容室62が区画されている。第1外殻60は、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体成形されている。なお、他の実施形態では、第1外殻60は、一体成形された凹形状の合成樹脂と、凹形状の開口を封止するフィルムとによって形成してもよい。また、第1外殻60は、複数の部材を組み合わせて形成してもよい。
第1外殻60は、液体収容室62の液面が外部から視認可能となるように半透明または透明である。なお、他の実施形態では、第1外殻60は、使用姿勢および注入姿勢において液体収容室62のインクの状態を外部から確認可能なように液体収容室62を区画形成する壁部の一部が半透明または透明であってもよい。また、他の実施形態では、第1外殻60は半透明または透明でなくてもよい。この場合は、液体収容室62に液体残量を検出するためのセンサー機構を配置することが好ましい。センサー機構としては、インクに浸っている状態とインクに浸っていない状態とで出力する信号が異なる、一対の電極やプリズムや圧電振動素子などの機構が挙げられる。
第1外殻60は、第1液体収容室壁(第1液体収容室面)601と、第2液体収容室壁(第2液体収容室面)602と、第3液体収容室壁(第3液体収容室面)603と、第4液体収容室壁(第4液体収容室面)604と、第5液体収容室壁(第5液体収容室面)605と、第6液体収容室壁(第6液体収容室面)606と、コーナー部607によって形成されている。第1〜第6液体収容室壁601〜606およびコーナー部607によって略直方体形状の第1外殻60が形成されている。第6液体収容室壁606は、紙面奥側に位置する壁であり、図5では第5液体収容室壁605によって隠れている。
第1液体収容室壁601と第2液体収容室壁602とは対向する。第3液体収容室壁603と第4液体収容室壁604とは対向する。第5液体収容室壁605と第6液体収容室壁606とは対向する。コーナー部607は、第2液体収容室壁602のうち第4液体収容室壁604側の部分から外方に突出する壁部である。使用姿勢において、コーナー部607は第2液体収容室壁602から鉛直下方向側に突出する。本明細書では、「対向する」とは間に他の部材が配置されておらず直接に向かい合う態様と、間に他の部材が配置されている態様と、を含む概念である。第3液体収容室壁603〜第6液体収容室壁606は、第1液体収容室壁601および第2液体収容室壁602と交差する。本明細書では、2つの要素(例えば、壁や面)が「交差する」とは、2つの要素が相互に実際に交差する状態と、一方の要素を延長した場合に他方の要素に交差する状態と、相互に延長した場合に延長した部分が交差する状態と、のいずれかの状態であることを意味する。
使用姿勢において、第1液体収容室壁601は液体収容室62の上面を構成し、第2液体収容室壁602は液体収容室62の底面を構成する。また、使用姿勢において、第3〜第6液体収容室壁603〜606は、液体収容室62の側面を構成する。
注入姿勢において、第3液体収容室壁603は液体収容室62の上面を構成し、第4液体収容室壁604は液体収容室62の底面を構成する。また、注入姿勢において、第1,第2,第5,第6液体収容室壁601,602,605,606は、液体収容室62の側面を構成する。
液体注入部68の一端は液体収容室62に接続され、他端は外部に向かって開口する。使用姿勢では、液体注入部68は水平方向に向かって開口する。液体注入部68は、第3液体収容室壁603から突出する筒状部材である。本実施形態では、液体注入部68は、第3液体収容室壁603のうち第2液体収容室壁602よりも第1液体収容室壁601に近い側に設けられている。
液体供給装置50は、接続路562の一部を形成する第1外殻側流路部66を有する。第1外殻側流路部66は、第3液体収容室壁603から外方に突出する筒状の部材である。第1外殻側流路部66は、第1外殻60と一体成形によって形成されている。第1外殻側流路部66の一端668は液体収容室62で開口し、第1外殻側流路部66の他端669は外部に向かって開口している。第1外殻側流路部66は、第3液体収容室壁603のうち第2液体収容室壁602近傍から突出している。第1外殻側流路部66は、後述する接続形成部材568の一端部が接続される。第1外殻側流路部66の一端668は、上述した空気導入口668となる。空気導入口668は、第1外殻60のうち液体収容室62を区画する壁(第3液体収容室壁603)に形成されている。
液体収容室62にインクが注入された直後のインクの上限量では、点線で示す上限ラインLLAまでインクが収容される。液体収容室62のインクが消費されたときの液体収容室62のインクの下限量では、点線で示す下限ラインLLBにインク面が到達する。インクの上限量とは、注入姿勢において、利用者が液体注入口58からインクを注入する際に液体収容室62に形成された目印などによって定められた時点までインクを注入したときの量である。本実施形態では、インクの上限量は、注入姿勢から使用姿勢に変化させたときに、インクの液面が液体注入口68のやや下側に位置する程度に設定されている。また、インクの下限量とは、使用姿勢において、液体収容室62に形成された目印などによって定められたインク注入が必要になったときの量である。本実施形態では、インクの下限量は、使用姿勢において空気導入口668および液体導出部63よりもやや上側にインクの液面が位置する程度の量に設定されている。
第2外殻70の外形は、略直方体形状である。第2外殻70は、液体供給装置50の外表面の一部を形成する。第2外殻70は、空気収容室72を有する。本実施形態では、空気収容室72は、第2外殻70によって区画されている。第2外殻70は、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体成形されている。第2外殻70は、第1外殻60に対して着脱可能に接続されている。なお、他の実施形態では、第2外殻70は、一体成形された凹形状の合成樹脂と、凹形状の開口を封止するフィルムとによって形成してもよい。また、第2外殻70は、複数の部材を組み合わせて形成してもよい。
第2外殻70は、外部から内部を視認可能となるように半透明または透明であってもよいし、半透明または透明でなくてもよい。
第2外殻70は、第1空気収容室壁(第1空気収容室面)701と、第2空気収容室壁(第2空気収容室面)702と、第3空気収容室壁(第3空気収容室面)703と、第4空気収容室壁(第4空気収容室面)704と、第5空気収容室壁(第5空気収容室面)705と、第6空気収容室壁(第6空気収容室面)706とによって形成されている。第1〜第6空気収容室壁701〜706によって略直方体形状の第1外殻60が形成されている。第6空気収容室壁706は、紙面奥側に位置する壁であり、図5では第5空気収容室壁705によって隠れている。
第1空気収容室壁701と第2空気収容室壁702とは対向する。第3空気収容室壁703と第4空気収容室壁704とは対向する。第5空気収容室壁705と第6空気収容室壁706とは対向する。第3空気収容室壁703〜第6空気収容室壁706は、第1空気収容室壁701および第2空気収容室壁702と交差する。
使用姿勢において、第1空気収容室壁701は空気収容室72の上面を構成し、第2空気収容室壁702は空気収容室72の底面を構成する。また、使用姿勢において、第3〜第6空気収容室壁703〜706は、空気収容室72の側面を構成する。
注入姿勢において、第3空気収容室壁703は空気収容室72の上面を構成し、第4空気収容室壁704は空気収容室72の底面を構成する。また、注入姿勢において、第1,2,5,6空気収容室壁701,702,705,706は、空気収容室72の側面を構成する。
大気開放部77は、筒状の部材である。大気開放部77は、使用姿勢において、第3空気収容室壁703のうち第2空気収容室壁702よりも第1空気収容室壁701に近い位置に配置されている。本実施形態では、大気開放部77は、第3空気収容室壁703のうち第1空気収容室壁701近傍に配置されている。なお、大気開放部77の形状は筒状に限定されるものではなく、例えば、第3空気収容室壁703に形成された貫通孔であっても良い。また、大気開放部77の形成位置は第3空気収容室壁703に限定されるものではなく、例えば、第1空気収容室壁701などの他の壁であっても良い。以上のように、大気開放口79を含む大気開放部77は、第2外殻70に設けられている。
液体供給装置50は、接続路562の一部を形成する第2外殻側流路部76を有する。第2外殻側流路部76は、第4空気収容室壁704から外方に突出する筒状の部材である。第2外殻側流路部76は、第2外殻70と一体成形によって形成されている。第2外殻側流路部76の一端768は空気収容室72で開口し、第2外殻側流路部76の他端769は外部に向かって開口している。第2外殻側流路部76は、第4空気収容室壁704のうち第2空気収容室壁702近傍から突出している。第2外殻側流路部76には、後述する接続形成部材568の他端部が接続される。
接続形成部材568は、可撓性を有するチューブである。接続形成部材568の一端部は第1外殻側流路部66に取り外し可能に接続され、他端部は第2外殻側流路部76に取り外し可能に接続されている。第1外殻側流路部66と、接続形成部材568と、第2外殻側流路部76によって接続路562が形成されている。以上のように、接続路562は、第1外殻60と第2外殻70とを接続する。また、接続路562は、空気の流れ方向において空気収容室72と液体収容室62の間に位置する。
保持部材55は、第1外殻60と第2外殻70との相互の位置関係を一定に保持する。保持部材55によって、第1外殻60と第2外殻70とは連結される。保持部材55は、第1外殻60の一部と第2外殻70の一部とを接続する部材である。また、保持部材55は、第1外殻60から第2外殻70を取り外し可能なように構成されている。
保持部材55は、第1保持部材502と第2保持部材503とを有する。第1保持部材502は、第1外殻60に取り付けられた面ファスナーである。本実施形態では、第1保持部材502は、第3液体収容室壁603に取り付けられている。第2保持部材503は、第2外殻70に取り付けられた面ファスナーである。本実施形態では、第2保持部材503は、第3液体収容室壁603と対向する第4空気収容室壁704に取り付けられている。第1保持部材502と第2保持部材503とは、互いに剥離可能に貼り付けられている。第1保持部材502を第2保持部材503から剥がすことで、第1外殻60から第2外殻70の連結を解除できる。つまり、保持部材55は、第1外殻60から第2外殻70を取り外し可能なように構成されている。
A−4.効果:
上記実施形態によれば、液体収容室62を有する第1外殻60と空気収容室72を有する第2外殻70とは別部材である(図5)。これにより、液体収容室62のインクの量や使用環境などの液体供給装置50の使用条件に変更が生じて、空気収容室72の構成(例えば、容積)が変更になった場合でも、液体供給装置50全体の構成を変更する必要がない。つまり、第1外殻60とは別部材の第2外殻70の構成を変更して、変更後の第2外殻70(つまり、新たな第2外殻70)を第1外殻60に接続することで使用条件に応じた空気収容室72を有する液体供給装置50を容易に提供できる。
上記実施形態によれば、液体収容室62を有する第1外殻60と空気収容室72を有する第2外殻70とは別部材である(図5)。これにより、液体収容室62のインクの量や使用環境などの液体供給装置50の使用条件に変更が生じて、空気収容室72の構成(例えば、容積)が変更になった場合でも、液体供給装置50全体の構成を変更する必要がない。つまり、第1外殻60とは別部材の第2外殻70の構成を変更して、変更後の第2外殻70(つまり、新たな第2外殻70)を第1外殻60に接続することで使用条件に応じた空気収容室72を有する液体供給装置50を容易に提供できる。
図6は、参考例の液体供給装置50Tを説明するための図である。図6の左側の図は注入姿勢における液体供給装置50Tの図であり、右側の図は使用姿勢における液体供給装置50Tの図である。参考例の液体供給装置50Tと上記第1実施形態の液体供給装置50との異なる点は、液体供給装置50Tが保持部材55を有さない点と、第2外殻70は注入姿勢と使用姿勢とにおいて同じ姿勢である点である。その他の構成については同様の構成であるため同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
液体供給装置50Tは、保持部材55を有さないので第1外殻60と第2外殻70との相互の位置関係が一定に維持されない。つまり、第1外殻60と第2外殻70とを独立して動かすことができる。例えば、使用姿勢と注入姿勢とでは、液体収容室62を区画する第1外殻60の姿勢のみが変化し、空気収容室72を区画する第2外殻70の姿勢は変化しない。この場合、使用姿勢と注入姿勢との2つの姿勢の変化を繰り返すことで、接続路562を構成する接続形成部材568が絡まったり、他の部材(例えば、第1外殻60や第2外殻70や図1に示す筐体12)に挟み込まれたりする事態が生じえる。これにより、接続形成部材568が想定しない小さい曲率を有して折れ曲がったり、押し潰されたりして大きく変形し、空気収容室72から空気導入口668を介して液体収容室62への空気の供給が円滑に行えない場合がある。これにより、液体収容室62のインクの消費に伴って液体収容室62へ空気の導入を行うことができず、液体収容室62から液体噴射ヘッド14へ向けてインクの供給を安定に行えない場合がある。
上記第1実施形態によれば、保持部材55によって第1外殻60と第2外殻70との相互の位置関係が一定に保持されている。これにより、液体供給装置50の姿勢の変化などに起因して接続路562が変形することを抑制できる。これにより、空気収容室72から液体収容室62に空気を安定して導入できるので、液体収容室62から液体噴射ヘッドに安定してインクを供給できる。
また上記第1実施形態によれば、保持部材55は、第1外殻60の一部と第2外殻70の一部とに接続された部材である(図5)。これにより、保持部材55によって第1外殻60と第2外殻70とを直接に接続することで、第1外殻60と第2外殻70との相互の位置関係を一定に保持できる。
また上記第1実施形態によれば、保持部材55は、第1外殻60から第2外殻70を取り外し可能なように第1外殻60の一部と第2外殻70の一部とに接続された部材である(図5)。これにより、第1外殻60から第2外殻70を取り外して新たな第2外殻70を取り付けることで使用条件に応じた空気収容室72を有する液体供給装置50を容易に提供できる。
A−5.保持部材55の変形態様:
上記第1実施形態において、保持部材55は面ファスナーとしての第1保持部材502および第2保持部材503を有していたが、第1外殻60と第2外殻70との相互の位置関係を一定に保持する部材であれば、面ファスナーに限定されるものではない。
上記第1実施形態において、保持部材55は面ファスナーとしての第1保持部材502および第2保持部材503を有していたが、第1外殻60と第2外殻70との相互の位置関係を一定に保持する部材であれば、面ファスナーに限定されるものではない。
A−5−1.第1種の変形態様:
以下に、第1外殻60から第2外殻70を取り外し可能なように第1外殻60の一部と第2外殻70の一部とに接続された保持部材の変形態様を以下に説明する。
以下に、第1外殻60から第2外殻70を取り外し可能なように第1外殻60の一部と第2外殻70の一部とに接続された保持部材の変形態様を以下に説明する。
図7は、変形態様の保持部材55Aを説明するための図である。保持部材55Aは、ネジ機構であってもよい。保持部材55Aは、ブラケット504と、2つのネジ505と、2つのネジ穴506とを有する。ブラケット504は、第1外殻60に取り付けられている。ブラケット504は第4空気収容室壁704と向かい合う板状部材を有し、板状部材にネジ505が挿通される貫通孔が形成されている。第4空気収容室壁704にはネジ505が締め付けられるネジ穴506が形成されている。ネジ505をブラケット504の貫通孔に挿通した状態でネジ穴506に締め付けることで、第1外殻60と第2外殻70とは連結される。これにより、第1外殻60と第2外殻70との相互に位置関係が一定に保持できる。また、ネジ505をネジ穴506から取り外すことで第1外殻60から第2外殻70を取り外すことができる。
また、別の変形態様では、保持部材55は接着剤であってもよい。具体的には、加熱などによって剥離可能な接着剤によって第1外殻60と第2外殻70とが接続されてもよい。
また、保持部材55は、材料の弾性を利用してはめ込むことにより第1外殻60と第2外殻70とを固定するスナップフィットを用いた機構であってもよい。例えば、爪部を有する弾性変形する第1部材を第3液体収容室壁603に取り付け、爪部がはめ込まれる嵌合部を第4空気収容室壁704に設けてもよい。
また、保持部材55は、磁石であってもよい。第1磁石を第3液体収容室壁603に配置し、第4空気収容室壁704のうち第1磁石と向かい合う位置に第2磁石を配置すればよい。第1磁石と第2磁石とは異極同士が向かい合うように配置されている。また、保持部材55は、第1外殻60の一部と第2外殻70の一部とを貼り付けるための両面テープであってもよい。
A−5−2.保持部材の第2種の変形態様:
上記第1実施形態および第1種の変形態様では、保持部材55,55Aは、第1外殻60の一部と第2外殻70の一部とを直接に接続する部材であったが、これに限定されるものではなく、保持部材は液体供給装置50とは異なる他の部材に第1外殻60と第2外殻70を固定する部材であってもよい。以下にこの具体例を説明する。
上記第1実施形態および第1種の変形態様では、保持部材55,55Aは、第1外殻60の一部と第2外殻70の一部とを直接に接続する部材であったが、これに限定されるものではなく、保持部材は液体供給装置50とは異なる他の部材に第1外殻60と第2外殻70を固定する部材であってもよい。以下にこの具体例を説明する。
図8は、第2種の変形態様の保持部材55Bを説明するための図である。保持部材55Bは、第1保持部材55B1と第2保持部材55B2とを有する。
第1保持部材55B1は、第1ブラケット510とネジ512とネジ穴514とを有する。第1ブラケット510は、第1外殻60(詳細には、第3液体収容室壁603)に取り付けられている。第1ブラケット510には、ネジ512が挿通される貫通孔が形成されている。ネジ穴514は、収容部材30の側面ケース45に形成されている。ネジ512を第1ブラケット510の貫通孔に挿通した状態でネジ穴514に締め付けることで、第1外殻60が側面ケース45に固定される。
第2保持部材55B2は、第2ブラケット520とネジ522とネジ穴524とを有する。第2ブラケット520は、第2外殻70(詳細には、第1空気収容室壁701)に取り付けられている。第2ブラケット520には、ネジ522が挿通される貫通孔が形成されている。ネジ穴524は、収容部材30の側面ケース45に形成されている。ネジ522を第2ブラケット520の貫通孔に挿通した状態でネジ穴524に締め付けることで、第2外殻70が側面ケース45に固定される。
上記の第2種の変形態様の保持部材55Bは、第1外殻60と第2外殻70とを液体供給装置50とは異なる他の部材(ここでは、側面ケース45)に固定するための部材である。保持部材55Bによって、第1外殻60と第2外殻70との相互の位置関係は一定に保持される。この保持部材55Bにおいても、第1保持部材55B1が第1外殻60の一部に接続され、第2保持部材55B2が第2外殻70の一部に接続されている。また、この保持部材55Bにおいても、第1外殻60から第2外殻70を取り外し可能である。
なお、第2種の変形態様では、第1外殻60と第2外殻70とが保持部材55Bによって固定される他の部材は、収容部材30の側面ケース45であったがこれに限定されるものではない。例えば、筐体12(図1)の一部であっても良いし、筐体12や収容部材30とは異なる他の部材であってもよい。
B.第2実施形態:
図9は、本発明の第2実施形態における液体供給装置50aの大気開放口79から液体導出部63に至る流路を概念的に示す図である。第2実施形態の液体供給装置50aと第1実施形態の液体供給装置50との異なる点は、大気連通路56aが直列に2つの空気収容室(空気収容室72aおよび内側空気収容室64)を有する点と、空気収容室72a,64間を接続する新たな第2接続路564を有する点である。その他の構成については液体供給装置50aと液体供給装置50とで同様であるため、同様の構成については同一の符号を付すと共に説明を省略する。
図9は、本発明の第2実施形態における液体供給装置50aの大気開放口79から液体導出部63に至る流路を概念的に示す図である。第2実施形態の液体供給装置50aと第1実施形態の液体供給装置50との異なる点は、大気連通路56aが直列に2つの空気収容室(空気収容室72aおよび内側空気収容室64)を有する点と、空気収容室72a,64間を接続する新たな第2接続路564を有する点である。その他の構成については液体供給装置50aと液体供給装置50とで同様であるため、同様の構成については同一の符号を付すと共に説明を省略する。
大気連通路56aは、上流側から順に、空気収容室72aと、第1接続路562aと、内側空気収容室64と、第2接続路564とを有する。液体収容室62aは、液体噴射ヘッド14に供給するためのインクを収容可能である。
空気収容室72aは、上流側部分と下流側部分とを区画し、気体が透過すると共に液体が透過しないシート部材(気液分離膜)772を有する。シート部材772には、例えばゴアテックス(登録商標)を用いることができる。
第1接続路562aは、空気収容室72aと内側空気収容室64とを接続する。第1接続路562aは、上流端に形成された第1上流側接続口766aと、下流端に形成された第1下流側接続口692とを有する。第1上流側接続口766aは、空気収容室72aで開口する。第1下流側接続口692は、内側空気収容室64で開口する。ここで第1接続路562aが、課題を解決するための手段に記載の「接続路」に相当する。
第2接続路564は、内側空気収容室64と液体収容室62aとを接続する。第2接続路564は、上流端に形成された第2上流側接続口690と、下流端に形成された空気導入口668aとを有する。第2上流側接続口690は、内側空気収容室64で開口する。空気導入口668aは、液体収容室62aを区画する壁615に形成されている。液体導入口668aは、液体収容室62aで開口する。使用姿勢において、空気導入口668aには、大気と直接に接する液面が形成され、空気導入口668aから液体収容室62aのインク中に空気(気泡)を導入することで、液体収容室62aに空気が導入される。つまり、空気導入口668aは、液体収容室62aに空気を導入するための大気連通路56aの一端を形成している。空気導入口668aを含む第2接続路564は、メニスカス(液面架橋)を形成可能な程度に流路断面積が小さいことが好ましい。
図10は、液体供給装置50aを説明するための図である。第1実施形態の液体供給装置50(図5)と同様の構成については同一の符号を付すと共に説明を省略する。
液体供給装置50aは、第1外殻60aと、第1外殻60aとは異なる部材である第2外殻70aと、保持部材55Bと、を備える。
第1外殻60aと第1実施形態の第1外殻60との異なる点は、第1外殻60aが内側空気収容室64と第2接続路564とを有する点であり、その他の構成については第1外殻60と同様であるため同様の構成については同一の符号を付す共に説明を省略する。第1外殻60aの外形は柱状である。液体収容室62と内側空気収容室64と第2接続路564とは第1外殻60aによって区画されている。つまり、第1外殻60aは、液体収容室62と内側空気収容室64と第2接続路564とを有する。液体収容室62と内側空気収容室64とは、第1外殻60aの内側に設けられた仕切り壁615で区画されている。第2接続路564の流路断面積は、内側空気収容室64や空気収容室72aの流路断面積よりも小さい。
空気導入口668aは、使用姿勢において、液体収容室62aのうち鉛直方向下側の領域に位置する。つまり、使用姿勢において、空気導入口668aは、液体収容室62aのZ軸方向における高さの半分以下の位置に設けられている。本実施形態では、空気導入口668aは、液体収容室62の底面を構成する壁602の近傍に形成されている。
第2外殻70aと第2実施形態の第2外殻70との異なる点は、第2外殻70aによって区画された空気収容室72aの容積が第2外殻70によって区画された空気収容室72の容積よりも小さい点である。その他の構成については第2外殻70と同様であるため同様の構成については同一の符号を付すと共に説明を省略する。第2外殻70aの外形は、略直方体形状である。空気収容室72aは第2外殻70aによって区画されている。空気収容室72aは、液体供給装置50aが内側空気収容室64を有する分、第1実施形態の空気収容室72に比べ容積が小さい。
第1接続路562aは、第1外殻60aと第2外殻70aとを接続する。第1接続路562aは、第1外殻60aから外方に突出する第1外殻側流路部66aと、第2外殻70aから外方に突出する第2外殻側流路部76aと、接続形成部材568とを有する。第1外殻側流路部66aおよび第2外殻側流路部76aは筒状の部材である。
第1外殻60aと第2外殻70aとは、保持部材55Bによって相互の位置関係を一定に保持されている。保持部材55Bは、上記第1実施形態の第2種の変形態様(図8)と同様の構成である。なお、第1外殻60aと第2外殻70aとの相互の位置関係を一定に保持するための保持部材としては、上記第1実施形態の保持部材55(図5)や、上記第1実施形態の変形態様で記載した保持部材(例えば、磁石)を用いてもよい。
上記第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の構成を有する点において同様の効果を奏する。例えば、液体収容室62aを有する第1外殻60aと空気収容室72aを有する第2外殻70aとは別部材である。これにより、液体収容室62aのインクの量や使用環境などの液体供給装置50aの使用条件に変更が生じて、空気収容室72aの構成(例えば、容積)が変更になった場合でも、液体供給装置50a全体の構成を変更する必要がない。つまり、第1外殻60aとは別部材の第2外殻70aの構成を変更して、変更後の第2外殻70a(つまり、新たな第2外殻70a)を第1外殻60aに接続することで使用条件に応じた空気収容室72aを有する液体供給装置50aを容易に提供できる。
また、上記第2実施形態によれば、空気収容室72aは、シート部材772を有する。これにより、液体収容室62aのインクが大気連通路56aを通って外部に漏れ出す可能性を更に低減できる。ここで、シート部材772の寿命が過ぎたり、シート部材772がインクに濡れたりした場合に、シート部材772を新たなシート部材772に交換する必要が生じえる。上記第2実施形態によれば、第2外殻70aが第1外殻60aとは別部材によって構成されているので、シート部材772を交換する場合に、第2外殻70aを第1外殻60aから取り外して交換作業を行えるので、シート部材772またはシート部材772を有する第2外殻70aの交換を容易にできる。
また、上記第2実施形態によれば、第1外殻60aは、大気連通路56aの一部を構成し、空気を収容するための内側空気収容室64を有する。この内側空気収容室64は、空気収容室72aと空気導入口668aとの間に位置するこれにより、液体収容室62aのインクが大気連通路56aを通って外部に漏れ出す可能性を低減できる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C−1.第1変形例:
上記第1,第2実施形態では、第1外殻60,60aの外形および第2外殻70、70aの外形は、略直方体形状や柱状であったが、これに限定されるものではない。側面視(+X軸方向側から見たとき)において楕円や円形であってもよいし、多角形であってもよい。また、第1外殻60,60aの外形および第2外殻70、70aの外形は球状や球面を有していてもよい。
上記第1,第2実施形態では、第1外殻60,60aの外形および第2外殻70、70aの外形は、略直方体形状や柱状であったが、これに限定されるものではない。側面視(+X軸方向側から見たとき)において楕円や円形であってもよいし、多角形であってもよい。また、第1外殻60,60aの外形および第2外殻70、70aの外形は球状や球面を有していてもよい。
C−2.第2変形例:
上記第1,第2実施形態では、保持部材55,55A,55Bは、第1外殻60,60aから第2外殻70,70aを取り外し可能に構成されていたがこれに限定されるものではない。例えば、保持部材55,55A,55Bは、第1外殻60,60aから第2外殻70,70aを取り外しできないように構成されていてもよい。例えば、保持部材は、第1外殻60,60aと第2外殻70,70aに溶着によって取り付けられる部材であってもよい。
上記第1,第2実施形態では、保持部材55,55A,55Bは、第1外殻60,60aから第2外殻70,70aを取り外し可能に構成されていたがこれに限定されるものではない。例えば、保持部材55,55A,55Bは、第1外殻60,60aから第2外殻70,70aを取り外しできないように構成されていてもよい。例えば、保持部材は、第1外殻60,60aと第2外殻70,70aに溶着によって取り付けられる部材であってもよい。
C−3.第3変形例:
上記第2実施形態では、空気収容室72aはシート部材772を有していたが、有していなくてもよい。
上記第2実施形態では、空気収容室72aはシート部材772を有していたが、有していなくてもよい。
C−4.第4変形例:
上記第1,第2実施形態では、液体供給装置50,50aはマリオットの原理を用いたインク供給を行っていたがこれに限定されるものではない。例えば、液体収容室62,62aの液面が大気と接触する液面であってもよい。つまり、液体収容室62,62aのインクの消費に伴って水頭差d1は変化してもよい。
上記第1,第2実施形態では、液体供給装置50,50aはマリオットの原理を用いたインク供給を行っていたがこれに限定されるものではない。例えば、液体収容室62,62aの液面が大気と接触する液面であってもよい。つまり、液体収容室62,62aのインクの消費に伴って水頭差d1は変化してもよい。
C−5.第5変形例:
本発明は、インクジェットプリンター、及び、インクジェットプリンターにインクを供給するための液体供給装置に限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置及びその液体を収容するための液体供給装置にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置及びその液体供給装置に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置
本発明は、インクジェットプリンター、及び、インクジェットプリンターにインクを供給するための液体供給装置に限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置及びその液体を収容するための液体供給装置にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置及びその液体供給装置に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…液体噴射システム、10…プリンター、11…操作パネル、12…筐体、14…液体噴射ヘッド、16…排出部、18…キャリッジ、18a…液体供給針、19…制御部、20,20C,20M,20Y,20K…サブタンク、25…キャリッジユニット、30…収容部材、40…前面ケース、41…ヒンジ、45…側面ケース、50,50C,50M,50Y,50K,50T,50a…液体供給装置、55,55A,55B…保持部材、55B1…第1保持部材、55B2…第2保持部材、56,56a…大気連通路、60,60a…第1外殻、62,62a…液体収容室、63…液体導出部、64…内側空気収容室、66,66a…第1外殻側流路部、68…液体注入部、70,70a…第2外殻、72,72a…空気収容室、76,76a…第2外殻側流路部、77…大気開放部、79…大気開放口、99…チューブ、101…前面、102…背面、103…左側面、104…右側面、105…上面、106…底面、202…液体受入部、204…液体貯留室、206…フィルター、208…液体流動路、502…第1保持部材、503…第2保持部材、504…ブラケット、505…ネジ、506…ネジ穴、510…第1ブラケット、512…ネジ、514…ネジ穴、520…第2ブラケット、522…ネジ、524…ネジ穴、562…接続路、562a…第1接続路、564…第2接続路、568…接続形成部材、601…第6液体収容室壁、602…第2液体収容室壁、603…第3液体収容室壁、604…第4液体収容室壁、605…第5液体収容室壁、606…第6液体収容室壁、607…コーナー部、615…仕切り壁、667…一端、668,668a…空気導入口、669…他端、681…栓部材、690…第2上流側接続口、692…第1下流側接続口、701…第1空気収容室壁、702…第2空気収容室壁、703…第3空気収容室壁、704…第4空気収容室壁、705…第5空気収容室壁、706…第6空気収容室壁、764…大気側接続部、766…空気側接続口、766a…第1上流側接続口、768…一端、769…他端、772…シート部材、d1…水頭差
Claims (9)
- 液体噴射ヘッドに液体を供給するための液体供給装置であって、
前記液体を収容可能な液体収容室と、前記液体収容室に前記液体を注入可能な液体注入部と、を有する第1外殻と、
前記第1外殻とは異なる部材である第2外殻と、
前記第1外殻と前記第2外殻との相互の位置関係を一定に保持するための保持部材と、
外部と前記液体収容室とを連通させる大気連通路と、を備え、
前記大気連通路は、
前記液体収容室を区画する壁に形成され、前記液体収容室に空気を導入するための一端としての空気導入口と、
前記第2外殻に設けられ、外部に向かって開口する他端としての大気開放口と、
前記第2外殻が有する空気収容室であって、前記大気開放口と前記空気導入口との間に位置する空気収容室と、
前記第1外殻と前記第2外殻とを接続する接続路であって、前記空気収容室と前記液体収容室との間に位置する接続路と、を有する、液体供給装置。 - 請求項1に記載の液体供給装置であって、
前記保持部材は、前記第1外殻の一部と前記第2外殻の一部とに接続された部材である、液体供給装置。 - 請求項2に記載の液体供給装置であって、
前記保持部材は、前記第1外殻から前記第2外殻を取り外し可能なように前記第1外殻の一部と前記第2外殻の一部とを接続する部材である、液体供給装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の液体供給装置であって、
前記保持部材は、前記第1外殻と前記第2外殻とを前記液体供給装置とは異なる他の部材に固定するための部材である、液体供給装置。 - 請求項4に記載の液体供給装置であって、
前記他の部材は、前記液体供給装置を収容する収容部材である、液体供給装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の液体供給装置であって、
前記第1外殻は、前記大気連通路の一部を構成し、前記空気を収容するための内側空気収容室であって、前記空気収容室と前記空気導入口との間に位置する内側空気収容室を有する、液体供給装置。 - 請求項6に記載の液体供給装置であって、
前記大気開放口から前記空気導入口に至る前記空気の流れ方向において、前記空気収容室は、上流側部分と下流側部分とを区画し、気体が透過すると共に液体が透過しないシート部材を有する、液体供給装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の液体供給装置であって、
前記空気導入口は、前記液体収容室のうち鉛直方向下側の領域に位置する、液体供給装置。 - 液体噴射システムであって、
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の液体供給装置と、
前記液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドと前記液体供給装置とを接続する液体供給流路と、を備える、液体噴射システム。
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