JP2017150564A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 弁体が摩耗することによる減衰力の低下を抑制することができる緩衝器を提供する。
【解決手段】 油圧緩衝器1の弁機構13は、弁体14とばね15とスクリュー16とを含んで構成されている。弁体14は、一端に流入通路11A内を摺動する第1軸部14Aと、流入通路11Aを開閉する開閉部14Cとが一体に形成されている。弁体14の第1軸部14Aと流入通路11Aとの間には、弁体14の閉弁時に弁体収容室12に対して遮断され、開弁時には弁体収容室12に対して連通し、かつ、第1軸部14Aと流入通路11Aとを非接触状態に保つ環状の空間部14A2が形成されている。第1軸部14Aの外周側には、流入通路11Aと弁体収容室12内とを空間部14A2を介して連通する軸部通路14A3が軸方向に延びて形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば鉄道車両に搭載され、車両の振動を緩衝するのに好適に用いられる緩衝器に関する。
一般に、鉄道車両の各台車と車体との間には、シリンダ装置としての油圧緩衝器が設けられ、鉄道車両の振動を緩衝するようにしている(例えば、特許文献1参照)。この種の従来技術による油圧緩衝器には、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内をロッド側油室と反ロッド側油室とに分画するピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延びるピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって作動流体の流れが生じる流路と、前記流路に設けられ前記ピストンの移動に伴って前記流路を通過する作動流体の流量を調整する弁機構と、を備えている。
特開2009−287609号公報
ところで、従来の油圧緩衝器では、シリンダ内のピストンが摺動変位したときに、流路に設けられた弁機構の弁体が流路を開閉させて減衰力を発生させる。この場合、弁体は流路内を摺動するので、摺動により弁体が摩耗し流路面積が変化して、減衰力が低下してしまうという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、弁体が摩耗することによる減衰力の低下を抑制することができる緩衝器を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内をロッド側油室と反ロッド側油室とに分画するピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延びるピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって作動流体の流れが生じる流路と、前記流路に設けられ前記ピストンの移動に伴って前記流路を通過する作動流体の流量を調整する弁機構と、を備えてなる緩衝器において、前記弁機構は、前記作動流体の流入通路および流出通路が形成された弁体収容室内に移動可能に収容され、前記弁体収容室の前記流入通路を開閉する弁体と、前記弁体を前記流入通路が閉塞する方向に付勢するばね手段と、を有し、前記弁体は、一端に前記流入通路内を摺動する摺動軸部と、前記流入通路を開閉する開閉部とが一体に形成され、前記弁体の前記摺動軸部と前記流入通路との間には、前記弁体の閉弁時に前記弁体収容室に対して遮断され、開弁時には前記弁体収容室に対して連通し、かつ、前記摺動軸部と前記流入通路とを非接触状態に保つ環状の空間部が形成され、前記摺動軸部の外周側には、前記流入通路と前記弁体収容室内とを前記空間部を介して連通する軸部通路が軸方向に延びて形成されることを特徴とする。
本発明によれば、弁体が摩耗することによる減衰力の低下を抑制することができる。
本発明の実施の形態による緩衝器を示す断面図である。 図1中のII部の拡大図である。 図2中の弁体を単体で示す斜視図である。 弁体が開弁したときの弁機構を示す断面図である。 弁機構を図4中のV−V方向からみた断面図である。 弁体が摩耗した後の弁機構を示す図4と同様な断面図である。 変形例による弁体を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る緩衝器を、鉄道車両等の油圧緩衝器に適用した場合を例に挙げて、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態による油圧緩衝器1について、図1ないし図6を参照しつつ説明する。この油圧緩衝器1は、その外殻をなす筒状の外筒2、内筒6、ピストン8、ピストンロッド9、ロッドガイド10、流路11、弁機構13を含んで構成されている。この油圧緩衝器1は、例えば鉄道車両の車体と台車(いずれも図示せず)との間に横置き状態で取付けられている。
油圧緩衝器1の外筒2は、内筒6の外周側に位置して内筒6と同軸に設けられている。外筒2の一端側(図1中の左端)はボトムキャップ3によって閉塞され、他端側(図1中の右端)は後述のロッドガイド10によって閉塞されている。外筒2の他端側には、後述のピストンロッド9を覆う筒状カバー4が取付けられている。ここで、ボトムキャップ3と筒状カバー4とには、例えば鉄道車両の車体と台車とに取付けられる取付けアイ5A,5Bがそれぞれ設けられている。
油圧緩衝器1の内筒6は、シリンダを構成し、外筒2内に同軸をなして設けられている。内筒6の一端側はボトムキャップ3側にボトムバルブ7を介して嵌合し、固定されている。内筒6の他端側はロッドガイド10が嵌合して取付けられている。内筒6内には、作動流体としての作動液が封入されている。この作動流体としては、作動油、オイルに限らず、例えば添加剤を混在させた水等を用いることができる。
この場合、内筒6と外筒2との間には環状のリザーバ室Aが形成され、このリザーバ室A内には、前記作動液と共にガスが封入されている。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。リザーバ室A内のガスは、ピストンロッド9の縮小時(縮み行程)に当該ピストンロッド9の進入体積分を補償すべく圧縮される。
ボトムバルブ7は、図1に示すように、内筒6の一端側に位置してボトムキャップ3と内筒6との間に設けられている。このボトムバルブ7には、リザーバ室A内の作動液が内筒6内のボトム側油室Cに向けて流通するのを許し逆向きの流れを阻止するボトム側弁としての吸込み弁7Aが設けられている。
ここで、吸込み弁7Aは、内筒6内でピストン8が軸方向(ロッド伸長側)に摺動変位するときに、内筒6内が常に作動液で満たされた状態に保持するように開,閉弁する。即ち、ピストンロッド9の伸長行程でピストン8が内筒6内をロッド側油室Bの方向に摺動変位するときには、吸込み弁7Aが開弁してリザーバ室A内の作動液がボトム側油室Cへと流入または吸込まれる。
ピストン8は、内筒6内に摺動可能に挿入(挿嵌)された可動隔壁である。このピストン8は、内筒6内を一側油室としてのボトム側油室Cと、他側油室(反ロッド側油室)としてのロッド側油室Bとの2つの圧力室に分画(画成)している。ピストン8には、ボトム側油室Cからロッド側油室Bへと作動液が流通するのを許し逆向きの流れを阻止するピストン弁としての逆止弁8Aが設けられている。
ここで、逆止弁8Aは、内筒6内でピストン8が軸方向(ロッド縮小側)に摺動変位するときに、内筒6内が常に作動液で満たされた状態に保持するように開,閉弁する。即ち、ピストンロッド9の縮小行程でピストン8が内筒6内をボトム側油室Cの方向に摺動変位するときには、逆止弁8Aが開弁してボトム側油室C内の作動液がロッド側油室Bへと吸込まれる。
ピストンロッド9は、その一端側が内筒6内でピストン8に連結されている。一方、ピストンロッド9の他端側(突出端側)は、ロッドガイド10等を介して内筒6の外部へと延びるように伸縮可能に突出している。このピストンロッド9の他端側は、取付けアイ5Bを介して、例えば鉄道車両の台車等に取付けられている。
ロッドガイド10は、外筒2および内筒6の他端側に位置して、段付円筒状に形成されている。ロッドガイド10は、内筒6の他側部分を外筒2の中央に位置決めすると共に、その内周側でピストンロッド9を軸方向に摺動可能にガイド(案内)している。ここで、ロッドガイド10には、内筒6内のピストン8の摺動によって作動液の流れが生じる流路11と、弁機構13を収容する弁体収容室12と、流路11に設けられ作動液の流量を調整する弁機構13とが設けられている。
流路11は、ロッドガイド10内に位置して、リザーバ室Aとロッド側油室Bとの間に設けられている。流路11は、ロッドガイド10内をL字状に穿設することにより形成された流入通路11Aと、ロッドガイド10内を軸方向に穿設することにより形成された流出通路11Bと、流出通路11Bに接続された流出パイプ11Cとにより構成されている。この流路11は、ピストン8の摺動により作動液の流れを生じさせ、ロッド側油室B内の作動液をリザーバ室Aに向けて流通させるものである。
ここで、流出パイプ11Cは、例えば、可撓性パイプにより形成されている。流出パイプ11Cの基端側は流出通路11Bに接続され、流出パイプ11Cの先端側はリザーバ室A内の作動液中に沈漬(浸漬)されている。これにより、ロッド側油室Bから吸込んだ作動液を、流路11を介して、リザーバ室A内の作動液中に供給することができる。
弁体収容室12は、ロッドガイド10内に位置して、流入通路11Aと流出通路11Bとの間に設けられ、流路11の一部を構成している。弁体収容室12は、ロッドガイド10の外周側から内周側に向けて径方向に穿設された段付きの環状孔として形成されている。この弁体収容室12は、流入通路11Aと流出通路11Bとを連通させるとともに、弁機構13を収容するためのものである。
ここで、弁体収容室12の一側(ピストンロッド9側)は、流入通路11Aと連通し、後述の弁体14の開閉部14Cが着座するテーパ状のシート面12Aが形成されている。また、弁体収容室12の他側(外筒2側)には、後述のスクリュー16を弁体収容室12内に埋設するための座ぐり孔12Bが形成されている。一方、弁体収容室12の下流側(ボトムキャップ3側)は、流出通路11Bと連通している。
弁機構13は、弁体収容室12に位置して、流路11内に設けられている。弁機構13は、流入通路11Aを流出通路11Bに対して開閉する弁体14と、弁体14を常時閉弁方向に付勢するばね15と、ばね15を支承するスクリュー16とを含んで構成されている。この弁機構13は、ピストン8の移動に伴って流路11内を通過する作動液の流量を調整して、減衰力を発生させるものである。即ち、弁機構13は、予め定められた圧力で開弁して、ピストン8の移動速度に応じて開口面積(開度)が変化する調圧弁として構成されている。
弁体14は、弁体収容室12内に収容され、弁体収容室12内を移動可能に設けられている。この弁体14には、弁体14の軸方向一端に形成された小径の第1軸部14Aと、弁体14の軸方向他端に形成された大径の第2軸部14Bと、第1軸部14Aと第2軸部14Bとの間に配置された環状の開閉部14Cとが一体に形成されている。弁体14は、図3に示すように、段付円筒状のポペット弁として形成され、弁体収容室12内を弁体収容室12の軸方向に移動することにより、流入通路11Aを流出通路11Bに対して開閉するものである。
第1軸部14Aは、流入通路11A内を摺動する摺動軸部として、弁体14の軸方向一側に形成されている。この第1軸部14Aは、開閉部14Cからピストンロッド9側に向けて延びる円柱状の突出部材として形成されている。第1軸部14Aの軸方向一端には、流入通路11A内を摺動する摺動部14A1が設けられ、第1軸部14Aの軸方向他端には、第1軸部14Aの外周側を切欠くことにより形成された環状の空間部14A2が形成されている。
ここで、空間部14A2は、弁体14の開閉部14Cに隣接して、第1軸部14Aの外周側に設けられている。この空間部14A2は、第1軸部14Aおよび開閉部14Cと流入通路11Aとの間に位置して、第1軸部14Aと流入通路11Aの内周面とを非接触状態に保つものである。空間部14A2の軸方向寸法(S+H)は、後述の第2軸部14Bと凸部16Bとの間の寸法である寸法Sよりも大きく設定されている。この場合、空間部14A2は、弁体14の閉弁時には、後述の開閉部14Cの着座面14C1が弁体収容室12のシート面12Aに着座することにより弁体収容室12に対して遮断される(図2参照)。一方、空間部14A2は、弁体14の開弁時には、着座面14C1がシート面12Aから離座することにより弁体収容室12に対して連通する(図4参照)。
また、図3に示すように、第1軸部14Aには、その外周面に開口する一対のすり割り溝からなる軸部通路14A3が径方向に対面して設けられている。この軸部通路14A3は、第1軸部14Aの先端から第1軸部14Aの長さ方向の略中央位置までを円弧状に切欠くことにより、軸方向に延びて形成されている。軸部通路14A3は、流入通路11Aと弁体収容室12内とを空間部14A2を介して連通し、流入通路11Aを流れる作動液の流路面積を調整するものである。ここで、軸部通路14A3を流通する作動液の流路面積と空間部14A2を流通する作動液の流路面積とは、両者をほぼ等しい流路面積に形成するのが好ましい。これにより、両者をほぼ等しい絞り通路(流路面積)として形成することができる。
第2軸部14Bは、弁体14の軸方向他側に形成されている。この第2軸部14Bは、第1軸部14Aよりも径方向寸法が大きく、開閉部14Cから外筒2側に向けて延びる円柱状の突出部材として形成されている。第2軸部14Bの軸方向他端は、弁体14の開弁時にスクリュー16の凸部16Bと当接して、弁体14の移動を規制するものである。
開閉部14Cは、第1軸部14Aと第2軸部14Bとの間に位置して形成されている。開閉部14Cは、第2軸部14Bの外周側から、全周にわたって径方向外側に突出する鍔部として形成されている。この開閉部14Cの軸方向一端面は、弁体14の閉弁時に弁体収容室12のシート面12Aに着座する着座面14C1をなしている。一方、開閉部14Cの軸方向他端面は、ばね15の軸方向一側を支承する支承面14C2をなしている。
また、開閉部14Cには、その外周面に開口する一対のすり割り溝からなる開閉部通路14C3が径方向に対面して設けられている。この開閉部通路14C3は、着座面14C1から支承面14C2までを円弧状に切欠くことにより、軸方向に延びて形成されている。具体的には、図5に示すように、開閉部通路14C3と空間部14A2とは、弁体14の周方向で同一となる位置に設けられ、作動液が流通しやすい形状に形成されている。この開閉部通路14C3は、流入通路11Aと弁体収容室12内とを空間部14A2を介して連通するものである。
これにより、開閉部14Cは、ピストン8の摺動変位に連動して流入通路11Aを開閉する。即ち、弁体14の閉弁時には、開閉部14Cの着座面14C1がシート面12Aに着座して、流入通路11Aを弁体収容室12に対して遮断する。一方、弁体14の開弁時には、開閉部14Cの着座面14C1がシート面12Aから離座して、流入通路11Aを弁体収容室12に対して連通させる。
ばね15は、ばね手段として、弁体14の開閉部14Cとスクリュー16との間に位置して、弁体14の第2軸部14Bを取囲むように設けられている。このばね15は、例えばコイルばねにより構成され、弁体14を流入通路11Aが閉塞する方向に常時付勢している。即ち、ばね15は、弁体14をスクリュー16からピストンロッド9側に離間する方向に付勢している。
スクリュー16は、弁体収容室12の軸方向他側に位置して、弁体収容室12の内周面に螺合して設けられている。スクリュー16は、全体として段付円筒状に形成され、ばね15を支承するばね受部16Aと、該ばね受部16Aからピストンロッド9側に突出する凸部16Bとにより構成されている。この凸部16Bは、弁体14の開弁時に第2軸部14Bの他端側が当接することにより、弁体14の移動を規制するものである。
本実施の形態によるシリンダ装置としての油圧緩衝器1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
油圧緩衝器1は、その一端側に位置するボトムキャップ3の取付けアイ5Aが、例えば鉄道車両の車体に取付けられる。また、ピストンロッド9の他端側の取付けアイ5Bが、例えば鉄道車両の台車に取付けられる。これにより、ピストンロッド9が内筒6から軸方向に伸長したり、内筒6内へと軸方向に縮小したりして鉄道車両の振動を減衰するように緩衝することができる。
即ち、ピストンロッド9が伸長行程にある場合、ピストン8が軸方向(ロッド伸長側)に摺動変位するときには、ロッド側油室B内が高圧状態となるから、ロッド側油室B内の圧力が予め決められた開弁圧を越えると弁機構13の弁体14が開弁し、作動液が流入通路11Aから弁体収容室12内へと流入して、流出通路11B、流出パイプ11Cを介してリザーバ室Aに向けて流出する。これにより、弁機構13によりピストンロッド9の伸長動作を抑えるように緩衝することができる。
また、ピストンロッド9の伸長行程では、内筒6から進出したピストンロッド9の進出体積分に相当する分量の作動液が、リザーバ室A内からボトムバルブ7の吸込み弁7Aを介してボトム側油室C内に流入する。この場合、ピストン8に設けられた逆止弁8Aは、ボトム側油室C内の作動液がロッド側油室Bへと流通するのを許し逆向きの流れを阻止するので、ロッド側油室Bからボトム側油室C内へと作動液が流入することはない。
ここで、ロッド側油室B内の圧力が予め決められた開弁圧を越えると、弁機構13の弁体14が開弁し、ロッド側油室B内の作動液が流入通路11Aから弁体14の軸部通路14A3、空間部14A2を介して、弁体収容室12内に流入する。弁体収容室12内に流入した作動液は、開閉部通路14C3を介して流出通路11B、流出パイプ11Cに向けて流通し、リザーバ室A内に流出する。この場合、弁体14のストローク寸法は、第2軸部14Bと凸部16Bとの間の寸法である寸法Sに設定されているので、流入通路11A内で摺動が生じる摺動寸法も寸法Sとなる(図2参照)。一方、流入通路11A内で摺動が生じない非摺動寸法は、空間部14A2の軸方向寸法(S+H)から寸法Sを減算した寸法Hとなる。
このとき、図4に示すように、軸部通路14A3および空間部14A2を流通する作動液には、オリフィス作用により、ピストン8の移動速度に応じて徐々に減衰力が増加する、例えば二次曲線のような減衰力が発生する。また、弁体14の第2軸部14Bがスクリュー16の凸部16Bに当接した場合には、それ以上弁体収容室12内を流通する作動液の流路面積は変わらないため、発生する減衰力は増加する。具体的には、図5に示すように、流入通路11Aから弁体収容室12内に流入する作動液の流路面積は、空間部14A2および軸部通路14A3の断面積を合わせた面積となる。
一方、ピストンロッド9が縮小行程にある場合、ピストン8が軸方向(ロッド縮小側)に摺動変位するときには、ボトム側油室C内が高圧状態となるから、ボトム側油室C内の作動液がピストン8に設けられた逆止弁8Aを介してロッド側油室B内へと流入する。この場合、ボトムバルブ7に設けられた吸込み弁7Aは、リザーバ室A内の作動液が内筒6内のボトム側油室Cへと流通するのを許し逆向きの流れを阻止するので、ボトム側油室Cからリザーバ室A内へと作動液が流入することはない。
そして、ロッド側油室B内の圧力が予め決められた開弁圧を越えると、弁機構13の弁体14が開弁し、ロッド側油室B内の作動液が流入通路11Aから弁体収容室12内へと流入して流出通路11B、流出パイプ11Cを介してリザーバ室Aに向けて流出する。これにより、ピストンロッド9の伸長行程と同様に、弁機構13によりピストンロッド9の縮小動作を抑えるように緩衝することができる。
ここで、油圧緩衝器1は、ユニフロー構造となっている。即ち、内筒6内の作動液は、ピストンロッド9の伸び行程と縮み行程との両行程で、ロッド側油室Bから流路11を介してリザーバ室Aに向けて常に一方向に流通する。これにより、ピストン8の軸方向への移動距離が同一であれば、同一量の作動液がロッド側油室Bから弁機構13を通過するので、同一の減衰力が発生する。
ところで、ピストンロッド9の伸縮動作により、流入通路11A内の作動液が弁機構13の弁体14を摺動させるので、流入通路11Aの内周面および弁体14の摺動部14A1の外周面が摩耗する。この場合、空間部14A2は、流入通路11Aの内周面とは非接触状態を保っているので、摩耗は生じない。即ち、図6に示すように、摺動部14A1の外周側は摩耗して径方向寸法が小さくなるが、空間部14A2の径方向寸法は変化しない。そして、弁体14の摩耗後においても、流入通路11Aから弁体収容室12内に流入する作動液の流路面積は、図5に示すように、空間部14A2および軸部通路14A3の断面積を合わせた面積となる。これにより、流入通路11Aを流通する作動液の流路面積を、弁体14の摩耗後においても同一とすることができる。
かくして、本実施の形態によれば、弁体14の第1軸部14Aと流入通路11Aとの間に位置して、弁体14の開閉部14Cに隣接する第1軸部14Aの外周側には、弁体14の閉弁時に弁体収容室12に対して遮断され、開弁時には弁体収容室12に対して連通し、かつ、第1軸部14Aと流入通路11Aとを非接触状態に保つ環状の空間部14A2が形成されている。これにより、ピストンロッド9の伸縮に合わせて、弁体14の第1軸部14Aが流入通路11A内を摺動する場合においても、空間部14A2と流入通路11Aの内周面とを非接触に保つことができる。この結果、弁体14の摺動により第1軸部14Aの摺動部14A1が摩耗する場合でも、空間部14A2は摩耗しないので、弁機構13が発生する減衰力の低下を抑えることができる。
即ち、弁体14の摺動部14A1が摩耗した場合であっても、空間部14A2が摩耗することはないので、流入通路11Aから弁体収容室12に向けて流通する作動液の流路面積は一定となる。これにより、弁体14の摩耗前と弁体14の摩耗後とにおいて、流路面積は一定であるので、弁機構13が発生する減衰力も一定となる。この結果、弁体14が摩耗した場合でも、減衰力の低下を抑えることができる。
また、第1軸部14Aの外周側には、流入通路11Aと弁体収容室12内とを空間部14A2を介して連通する軸部通路14A3が軸方向に延びて形成されている。これにより、流入通路11Aから弁体収容室12に向けて流通する作動液の流路面積を調節することができるので、所望の減衰力を生じさせることができる。
また、弁体14が摩耗した場合でも減衰力の低下を抑えることができるので、弁体14を交換する頻度を少なくできる。これにより、弁体14を長期にわたって使用することができるので、部品の交換コストを抑制することができる。
なお、前記実施の形態では、第1軸部14Aと流入通路11Aとを非接触状態に保つ空間部14A2を、第1軸部14Aの外周側に設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図7に示す変形例のように構成してもよい。即ち、空間部21を、弁体14の開閉部14Cに隣接して、流入通路11Aの外周側に設ける構成としてもよい。これにより、空間部21と対面する第1軸部14Aの一部は、流入通路11Aの外周面と非接触状態を保つことができるので、摩耗が生じず、減衰力の低下を抑えることができる。
また、前記実施の形態では、ボトムバルブ7に吸込み弁7Aを設け、ピストン8には逆止弁8Aを設けて、ロッド側油室Bからリザーバ室Aに向けて作動液が一方向に流れるユニフロー型の油圧緩衝器1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、ボトムバルブ、ピストン、ロッドガイドに逆止弁を設けて、ピストンロッドの伸び行程と縮み行程との両行程で、作動液の流れが正逆の両方向となるバイフロー型の油圧緩衝器に弁機構13を設ける構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、弁機構13をロッドガイド10に配置した流路11に設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、弁機構を、ピストンに形成した流路に設けてもよいし、ボトムバルブに形成した流路に設ける構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、油圧緩衝器1を、鉄道車両の車体と台車との間に横置き状態で取付ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧緩衝器を鉄道車両の車体と台車との間に縦置き状態で取付ける構成としてもよい。
さらに、前記実施の形態では、油圧緩衝器1を鉄道車両に設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、4輪自動車および2輪車に用いる緩衝器、一般産業機器を含む各種の機械機器に用いる緩衝器、建築物に用いる緩衝器等、緩衝すべき対象を緩衝する各種の緩衝器(シリンダ装置)にも適用することができる。
次に、前記実施の形態に含まれる発明について記載する。本発明によれば、空間部は、弁体の開閉部に隣接して、摺動軸部の外周側に形成される構成としている。これにより、摺動軸部に設けた空間部を流入通路の内周面に対して非接触に保つことができる。
また、本発明によれば、空間部は、弁体の開閉部に隣接して、流入通路に形成される構成としている。これにより、流入通路に設けた空間部を摺動軸部の外周面に対して非接触に保つことができる。
以上説明した実施形態に基づく緩衝器として、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
緩衝器の第1の態様としては、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内をロッド側油室と反ロッド側油室とに分画するピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延びるピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって作動流体の流れが生じる流路と、前記流路に設けられ前記ピストンの移動に伴って前記流路を通過する作動流体の流量を調整する弁機構と、を備えてなる緩衝器において、前記弁機構は、前記作動流体の流入通路および流出通路が形成された弁体収容室内に移動可能に収容され、前記弁体収容室の前記流入通路を開閉する弁体と、前記弁体を前記流入通路が閉塞する方向に付勢するばね手段と、を有し、前記弁体は、一端に前記流入通路内を摺動する摺動軸部と、前記流入通路を開閉する開閉部とが一体に形成され、前記弁体の前記摺動軸部と前記流入通路との間には、前記弁体の閉弁時に前記弁体収容室に対して遮断され、開弁時には前記弁体収容室に対して連通し、かつ、前記摺動軸部と前記流入通路とを非接触状態に保つ環状の空間部が形成され、前記摺動軸部の外周側には、前記流入通路と前記弁体収容室内とを前記空間部を介して連通する軸部通路が軸方向に延びて形成される。
第2の態様としては、第1の態様において、前記空間部は、前記弁体の開閉部に隣接して、前記摺動軸部の外周側に形成される。
第3の態様としては、第1の態様において、前記空間部は、前記弁体の開閉部に隣接して、前記流入通路に形成される。
1 油圧緩衝器(緩衝器)
6 内筒(シリンダ)
8 ピストン
9 ピストンロッド
11 流路
11A 流入通路
11B 流出通路
12 弁体収容室
13 弁機構
14 弁体
14A 第1軸部(摺動軸部)
14A2,21 空間部
14A3 軸部通路
14C 展開部
15 ばね(ばね手段)

Claims (3)

  1. 作動流体が封入されたシリンダと、
    前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内をロッド側油室と反ロッド側油室とに分画するピストンと、
    前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延びるピストンロッドと、
    前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって作動流体の流れが生じる流路と、
    前記流路に設けられ前記ピストンの移動に伴って前記流路を通過する作動流体の流量を調整する弁機構と、を備えてなる緩衝器において、
    前記弁機構は、
    前記作動流体の流入通路および流出通路が形成された弁体収容室内に移動可能に収容され、前記弁体収容室の前記流入通路を開閉する弁体と、
    前記弁体を前記流入通路が閉塞する方向に付勢するばね手段と、を有し、
    前記弁体は、一端に前記流入通路内を摺動する摺動軸部と、前記流入通路を開閉する開閉部とが一体に形成され、
    前記弁体の前記摺動軸部と前記流入通路との間には、前記弁体の閉弁時に前記弁体収容室に対して遮断され、開弁時には前記弁体収容室に対して連通し、かつ、前記摺動軸部と前記流入通路とを非接触状態に保つ環状の空間部が形成され、
    前記摺動軸部の外周側には、前記流入通路と前記弁体収容室内とを前記空間部を介して連通する軸部通路が軸方向に延びて形成されることを特徴とする緩衝器。
  2. 前記空間部は、前記弁体の開閉部に隣接して、前記摺動軸部の外周側に形成されることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記空間部は、前記弁体の開閉部に隣接して、前記流入通路に形成されることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
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