JP2017143292A - 貼り合わせウェーハの製造方法および貼り合わせウェーハ - Google Patents

貼り合わせウェーハの製造方法および貼り合わせウェーハ Download PDF

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【課題】より高いゲッタリング能力を発揮することで金属汚染を抑制することが可能な貼り合わせウェーハおよびその製造方法を提供する。【解決手段】シリコン単結晶からなる活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12の少なくとも活性層用ウェーハ11の表面11Aにクラスターイオン15を照射して、照射されたウェーハの表面に、前記クラスターイオン15の構成元素が固溶してなる改質層16を形成するクラスターイオン照射工程と、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12の少なくとも一方の表面に絶縁膜17を形成する絶縁膜形成工程と、活性層用ウェーハ11の改質層16側表面を絶縁膜17を介して支持基板用ウェーハ12と貼り合わせる貼り合わせ工程とを有し、該貼り合わせ工程後の改質層における前記構成元素の深さ方向の濃度プロファイルの半値幅が100nm以下である貼り合わせウェーハを得ることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は貼り合わせウェーハの製造方法および貼り合わせウェーハに関し、特に、より高いゲッタリング能力を発揮することで金属汚染を抑制することが可能な貼り合わせウェーハを製造する方法に関する。
近年、高集積CMOS素子や高耐圧素子、さらにはイメージセンサ分野において、SOI(Silicon on Insulator)構造を有するSOIウェーハが注目されている。このSOIウェーハは、支持基板上に、酸化シリコン(SiO)等の絶縁膜、およびデバイス活性層として使用される単結晶シリコン層が順次形成された構造を有しており、通常のシリコン基板を用いた場合に、素子と基板との間に発生していた寄生容量が低減されるため、デバイスの高速化、高耐圧化、低消費電力化等を実現することができる。
こうしたSOIウェーハを製造する方法の代表的なものの1つに貼り合わせ法がある。この貼り合わせ法は、支持基板用ウェーハおよび活性層用ウェーハの少なくとも一方に絶縁膜を形成し、次いで、これらのウェーハを絶縁膜を介して貼り合わせた後、1200℃程度の高温にて熱処理を施すことによりSOIウェーハを製造する方法である(以下、貼り合わせ法により製造されたSOIウェーハを「貼り合わせウェーハ」と称する)。
こうして得られる貼り合わせウェーハは、電気的特性の観点や、均質なシリコン層を形成できる等のメリットを有する一方で、金属汚染に対しては、構造的なデメリットを有している。すなわち、多くの金属不純物の拡散係数は、シリコン中よりも酸化シリコン膜中の方が小さい。従って、活性層用ウェーハの表面側から金属不純物が侵入する場合、金属不純物が酸化シリコン層を通過しにくいため、活性層用ウェーハ中に蓄積されることになる。
この問題に対して、貼り合わせウェーハのゲッタリング能力を向上させる幾つかの技術が提案されている。例えば、特許文献1には、支持基板用ウェーハまたは活性層用ウェーハのいずれか一方の表面から、シリコン中において電気的に不活性な中性元素をイオン注入してイオン注入ダメージ層を形成することにより、リーク電流の発生や絶縁膜耐圧の劣化等を抑制しつつ、十分なゲッタリング能力を有する貼り合わせウェーハの製造方法について記載されている。
また、特許文献2には、支持基板用ウェーハ上に単結晶シリコン層と、酸素、炭素、窒素のうち、少なくとも酸素を含むシリコンからなるゲッタリング層とを順次形成するとともに、単結晶シリコンからなる活性層用ウェーハの表面にシリコン絶縁膜からなる絶縁層を形成し、支持基板用ウェーハ上のゲッタリング層の表面と、活性層用ウェーハにおける絶縁層の表面とを貼り合わせることにより、高いゲッタリング能力を有する貼り合わせウェーハを製造する方法について記載されている。
特開2007−318102 特開2010−258083
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載された技術では、金属不純物に対するゲッタリング能力が依然として不十分であることが判明した。すなわち、特許文献1および特許文献2に記載された技術は、いずれもモノマーイオン(シングルイオン)をシリコンウェーハに注入するものである。しかしながら、本発明者らの検討によれば、モノマーイオン注入を施した貼り合わせウェーハは、ゲッタリング能力が十分ではなく、金属汚染の低減効果が低いため、より高いゲッタリング能力を有する貼り合わせウェーハを製造する方法の確立が希求されていた。
そこで本発明の目的は、より高いゲッタリング能力を発揮することで金属汚染を抑制することが可能な貼り合わせウェーハおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らの更なる検討によれば、シリコンウェーハにクラスターイオンを照射することにより、モノマーイオンを注入する場合に比べて、以下の有利な点があることを知見した。すなわち、クラスターイオンを照射した場合、モノマーイオンと同等の加速電圧で照射しても、1原子または1分子あたりのエネルギーは、モノマーイオンの場合より小さくしてシリコンウェーハに衝突するため、照射した元素の深さ方向プロファイルのピーク濃度を高濃度とすることができる。その結果、ゲッタリング能力が向上することを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法は、シリコン単結晶からなる活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハのうち、少なくとも前記活性層用ウェーハの表面にクラスターイオンを照射して、照射されたウェーハの表面に、前記クラスターイオンの構成元素が固溶してなる改質層を形成するクラスターイオン照射工程と、前記活性層用ウェーハおよび前記支持基板用ウェーハの少なくとも一方の表面に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記活性層用ウェーハの前記改質層側表面を前記絶縁膜を介して前記支持基板用ウェーハと貼り合わせる貼り合わせ工程とを有することを特徴とするものである。
ここで、前記活性層用ウェーハが、シリコンウェーハの表面にシリコンエピタキシャル層が形成されたエピタキシャルシリコンウェーハとしてもよく、この場合、前記クラスターイオン照射工程において前記改質層は前記シリコンエピタキシャル層の表面に形成される。
また、前記クラスターイオンが、構成元素として炭素を含むことが好ましく、構成元素として炭素を含む2種以上の元素を含むことがより好ましい。また、前記クラスターイオンが、さらにドーパント元素を含み、該ドーパント元素がホウ素、リン、ヒ素およびアンチモンからなる群から選ばれた1以上の元素とすることもできる。
さらに、前記クラスターイオン照射工程は、炭素1原子あたりの加速電圧が50keV/atom以下、クラスターサイズが2個以上、炭素のドーズ量が2×1013atoms/cm以上の条件で行うことが好ましい。
さらにまた、前記クラスター照射工程を前記活性層用ウェーハおよび前記支持基板用ウェーハの双方に行うことが好ましい。
さらにまた、前記貼り合わせ工程の後に、前記活性層用ウェーハと前記支持基板用ウェーハとの結合を強化するための熱処理を行うこともできる。
次に、本発明の貼り合わせウェーハは、シリコン単結晶からなる支持基板用ウェーハと、該支持基板用ウェーハ上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成された、シリコン単結晶からなる活性層用ウェーハとを有する貼り合わせウェーハにおいて、前記絶縁膜と前記活性層用ウェーハとの間に、前記活性層用ウェーハに所定元素が固溶してなる改質層を備え、該改質層における前記所定元素の深さ方向の濃度プロファイルの半値幅が100nm以下であることを特徴とするものである。
ここで、前記改質層における前記所定元素のピーク濃度が、1.0×1017atoms/cm以上であることが好ましい。
また、前記活性層用ウェーハが、シリコンウェーハの表面にシリコンエピタキシャル層が形成されたエピタキシャルシリコンウェーハとしてもよく、この場合、前記改質層は前記シリコンエピタキシャル層の表面に位置する。
さらに、前記所定元素が炭素を含むことが好ましく、炭素を含む2種以上の元素を含むことがより好ましい。また、所定元素がドーパント元素を含み、該ドーパント元素がホウ素、リン、ヒ素およびアンチモンからなる群から選ばれた1以上の元素とすることもできる。
さらにまた、前記支持基板用ウェーハと前記絶縁膜との間に、前記支持基板用ウェーハに前記所定元素が固溶してなる改質層をさらに備えることが好ましい。
本発明によれば、少なくとも活性層用ウェーハにクラスターイオンを照射して、照射されたウェーハの表面にクラスターイオンの構成元素を固溶してなる改質層を形成したので、より高いゲッタリング能力を発揮することで金属汚染を抑制することが可能な貼り合わせウェーハを製造することができる。
本発明の第1実施形態による貼り合わせウェーハ100の製造方法を説明する摸式断面図である。 本発明の第2実施形態による貼り合わせウェーハ200の製造方法を説明する摸式断面図である。 (A)はクラスターイオンを照射する場合の照射メカニズムを説明する模式図、(B)はモノマーイオンを注入する場合の注入メカニズムを説明する模式図である。 本発明例1および比較例1について、活性層用ウェーハの表面からの深さに対する炭素濃度の分布を表すグラフである。 本発明例1および比較例1について、Niのゲッタリング能力を比較したグラフである。
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。本発明の第1実施形態による貼り合わせウェーハの製造方法は、図1に示すように、シリコン単結晶からなる活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12のうち(図1(A))、少なくとも活性層用ウェーハ11の表面11Aにクラスターイオン15を照射して(図1(B))、照射されたウェーハの表面に、クラスターイオン15の構成元素が固溶してなる改質層16を形成するクラスターイオン照射工程と(図1(C))、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12の少なくとも一方の表面に絶縁膜17を形成する絶縁膜形成工程と(図1(D))、活性層用ウェーハ11の改質層16側表面を絶縁膜17を介して支持基板用ウェーハ12と貼り合わせる貼り合わせ工程とを有することを特徴とする(図1(E))。図1(E)は、この製造方法の結果得られた貼り合わせウェーハ100の模式断面図である。以下、各工程を具体的に説明する。
まず、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12を用意し、これらのウェーハのうち、少なくとも活性層用ウェーハの表面11Aにクラスターイオン15を照射する。これにより、照射されたウェーハの表面11Aに、前記クラスターイオン15の構成元素が固溶してなる改質層16が形成される。なお、図1においては、活性層用ウェーハ11のみにクラスターイオン15の照射を行っている。
活性層用ウェーハ11は、デバイス活性層として利用されるウェーハであり、この活性層用ウェーハ11として、シリコン単結晶からなる単結晶シリコンウェーハを用いる。単結晶シリコンウェーハは、チョクラルスキー法(CZ法)や浮遊帯域溶融法(FZ法)により育成された単結晶シリコンインゴットをワイヤーソー等でスライスしたものを使用することができる。また、より高いゲッタリング能力を得るために、炭素および/または窒素を添加してもよい。さらに、任意の不純物を添加して、n型またはp型としてもよい。
支持基板用ウェーハ12としては、活性層用ウェーハ11と同様に、シリコン単結晶からなる単結晶シリコンウェーハを用いることが望ましい。
また、活性層用ウェーハ11としては、図2(A)に示すように、バルクシリコンウェーハ13の表面にシリコンエピタキシャル層14が形成されたエピタキシャルシリコンウェーハを用いることができる。シリコンエピタキシャル層14は、CVD法により一般的な条件で形成することができる。シリコンエピタキシャル層14は、厚さが0.1〜10μmの範囲内とすることが好ましく、0.2〜5μmの範囲内とすることがより好ましい。
この例として、本発明の第2実施形態による貼り合わせウェーハ200の製造方法は、図2に示すように、バルクシリコンウェーハ13の表面(少なくとも片面)にシリコンエピタキシャル層14が形成された活性層用ウェーハ11にクラスターイオン15を照射して(図2(A),(B))、活性層用ウェーハ11の表面11A(本実施形態ではシリコンエピタキシャル層14の表面)に、クラスターイオン15の構成元素が固溶してなる改質層16を形成するクラスターイオン照射工程と(図2(C))、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12の少なくとも一方の表面に絶縁膜17を形成する絶縁膜形成工程と(図2(D))、活性層用ウェーハ11の改質層16側表面を絶縁膜17を介して支持基板用ウェーハ12と貼り合わせる貼り合わせ工程とを有することを特徴とする。図2(E)は、この製造方法の結果得られた貼り合わせウェーハ200の模式断面図である。
ここで、本発明の特徴的工程であるクラスターイオン照射工程について、この工程を採用することの技術的意義を、作用効果とともに説明する。クラスターイオン15を照射した結果形成される改質層16は、クラスターイオン15の構成元素が、活性層用ウェーハ11(および支持基板用ウェーハ12)としてのシリコンウェーハの表面の結晶の格子間位置または置換位置に固溶して局所的に存在する領域であり、ゲッタリングサイトとして働く。その理由は、以下のように推測される。すなわち、クラスターイオンの形態で照射された炭素やホウ素などの元素は、単結晶シリコンの置換位置・格子間位置に高密度で局在する。そして、単結晶シリコンの平衡濃度以上にまで炭素やホウ素などを固溶させると、重金属の固溶度(遷移金属の飽和溶解度)が極めて増加することが実験的に確認された。つまり、平衡濃度以上にまで固溶した炭素やホウ素などにより重金属の固溶度が増加し、これにより重金属に対する捕獲率が顕著に増加したものと考えられる。
こうして、本発明ではクラスターイオン15を照射するため、モノマーイオンを注入する場合に比べて、より高いゲッタリング能力を得ることができる。なお、本明細書において「クラスターイオン」とは、原子または分子が複数集合して塊となったクラスターに正電荷または負電荷を与え、イオン化したものを意味する。クラスターは、複数(通常2〜2000個程度)の原子または分子が互いに結合した塊状の集団である。
本発明者らは、このような効果が得られる作用を以下のように考えている。
シリコンウェーハに、例えば炭素のモノマーイオンを注入する場合、図3(B)に示すように、モノマーイオンは、シリコンウェーハを構成するシリコン原子を弾き飛ばし、シリコンウェーハ中の所定深さ位置に注入される。注入深さは、注入イオンの構成元素の種類およびイオンの加速電圧に依存する。この場合、シリコンウェーハの深さ方向における炭素の濃度プロファイルは、比較的ブロードになり、注入された炭素の存在領域は概ね0.5〜1μm程度となる。複数種のイオンを同一エネルギーで同時照射した場合には、軽い元素ほど深く注入され、すなわち、それぞれの元素の質量に応じた異なる位置に注入されるため、注入元素の濃度プロファイルはよりブロードになる。
また、貼り合わせSOIウェーハの製造にあっては、後述するように、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12とを絶縁膜を介して貼り合わせた後に、両ウェーハ間の結合を強化する結合強化熱処理を行うことができるが、貼り合わせられるウェーハ表面の結晶性が乱れていると、両ウェーハの結合力が低下するおそれがある。ところが、モノマーイオンは一般的に150〜2000keV程度の加速電圧で注入するが、各イオンがそのエネルギーをもってシリコン原子と衝突するため、モノマーイオンが注入されたシリコンウェーハ表面部の結晶性が乱れる。また、加速電圧が大きいほど、結晶性が大きく乱れる。そのため、イオン注入後に乱れた結晶性を回復させるための熱処理(回復熱処理)が必要であり、回復熱処理を高温かつ長時間で行う必要がある。
一方、シリコンウェーハに、例えば炭素とホウ素からなるクラスターイオン15を照射する場合、図3(A)に示すように、クラスターイオン15は、シリコンウェーハに照射されるとそのエネルギーで瞬間的に1350〜1400℃程度の高温状態となり、シリコンが融解する。その後、シリコンは急速に冷却され、シリコンウェーハ中の表面近傍に炭素およびホウ素が固溶する。すなわち、本明細書における「改質層」とは、照射するイオンの構成元素がシリコンウェーハ表面の結晶の格子間位置または置換位置に固溶した層を意味する。シリコンウェーハの深さ方向における炭素およびホウ素の濃度プロファイルは、クラスターイオン15の加速電圧およびクラスターサイズに依存するが、モノマーイオンの場合に比べてシャープになり、照射された炭素およびホウ素が局所的に存在する領域(すなわち、改質層)の厚みは、概ね500nm以下の領域(例えば50〜400nm程度)となる。その結果、炭素およびホウ素の析出領域を局所的にかつ高濃度にすることができ、より高いゲッタリング能力を得ることができるものと考えられる。なお、クラスターイオンの形態であれば、複数種のイオンを同時に照射することができる。
また、クラスターイオン15は、一般的に10〜100keV/Cluster程度の加速電圧で照射するが、クラスターは複数の原子または分子の集合体であるため、1原子または1分子あたりのエネルギーを小さくして打ち込むことができ、シリコンウェーハの結晶に与えるダメージは小さい。このため、クラスターイオンを照射した場合は、シリコンウェーハ表面のダメージを回復させる回復熱処理を省略することができる。使用するクラスターサイズやドーズ量によっては、回復熱処理を行うことが望ましい場合もあるが、回復熱処理が必要な場合であっても、極短時間の熱処理で回復させることができる。
回復熱処理を行う場合には、具体的には、900℃以上1200℃以下で10秒以上1時間以下行えばよい。ここで、熱処理温度を900℃以上1200℃以下とするのは、900℃未満では、結晶性の回復効果が得られにくいためであり、一方、1200℃を超えると、高温での熱処理に起因するスリップが発生し、また、装置への熱負荷が大きくなるためである。また、熱処理時間を10秒以上1時間以下とするのは、10秒未満では回復効果が得られにくいためであり、一方、1時間超えでは、生産性の低下を招き、装置への熱負荷が大きくなるためである。
このような回復熱処理は、例えば、RTAやRTOなどの急速昇降温熱処理装置や、バッチ式熱処理装置(縦型熱処理装置、横型熱処理装置)を用いて行うことができる。前者は、ランプ照射加熱方式のため、装置構造的に長時間処理には適しておらず、15分以内の熱処理に適している。一方、後者は、所定温度までに温度上昇させるために時間がかかるものの、一度に多数枚のウェーハを同時に処理できる。また、抵抗加熱方式のため、長時間の熱処理が可能である。使用する熱処理装置は、クラスターイオン15の照射条件を考慮して適切なものを選択すればよい。
クラスターイオン15は結合様式によって多種のクラスターが存在し、例えば以下の文献に記載されるような公知の方法で生成することができる。ガスクラスタービームの生成法として、(1)特開平9−41138号公報、(2)特開平4−354865号公報、イオンビームの生成法として、(1)荷電粒子ビーム工学:石川 順三:ISBN978-4-339-00734-3 :コロナ社、(2)電子・イオンビーム工学:電気学会:ISBN4-88686-217-9 :オーム社、(3)クラスターイオンビーム基礎と応用:ISBN4-526-05765-7:日刊工業新聞社。また、一般的に、正電荷のクラスターイオンの発生にはニールセン型イオン源あるいはカウフマン型イオン源が用いられ、負電荷のクラスターイオンの発生には体積生成法を用いた大電流負イオン源が用いられる。
以下で、クラスターイオン15の照射条件について説明する。まず、照射する元素は特に限定されず、炭素、ホウ素、リン、ヒ素などを挙げることができる。しかし、より高いゲッタリング能力を得る観点から、クラスターイオン15が、構成元素として炭素を含むことが好ましい。格子位置の炭素原子は共有結合半径が単結晶シリコンと比較して小さいため、シリコン結晶格子の収縮場が形成されるため、格子間の不純物を引き付けるゲッタリング能力が高い。
また、構成元素として炭素を含む2種以上の元素を含むことがより好ましい。析出元素の種類により効率的にゲッタリング可能な金属の種類が異なるため、2種以上の元素を固溶させることにより、より幅広い金属汚染に対応できるからである。例えば、炭素の場合、ニッケルを効率的にゲッタリングすることができ、ホウ素の場合、銅、鉄を効率的にゲッタリングすることができる。
さらに、構成元素として炭素、あるいは炭素を含む2種以上の元素に加えて、ドーパント元素をさらに含むことができる。このドーパント元素としては、ホウ素、リン、ヒ素およびアンチモンからなる群から選ばれた1以上の元素を用いることができる。
イオン化させる化合物も特に限定されないが、イオン化に適した化合物を列挙すると、炭素源としては、エタン、メタン、プロパン、ジベンジル(C1414)、二酸化炭素(CO)などが挙げられ、ホウ素源としては、ジボラン、デカボラン(B1014)などを挙げることができる。例えば、ジベンジルとデカボランを混合したガスを材料ガスとした場合、炭素、ホウ素および水素が集合した水素化合物クラスターを生成することができる。また、シクロヘキサン(C12)を材料ガスとすれば、炭素および水素からなるクラスターイオン15を生成することができる。また、炭素源化合物としては、特に、ピレン(C1610)、ジベンジル(C1414)などより生成したクラスターC(3≦n≦16,3≦m≦10)を用いることが好ましい。これは、小サイズのクラスターイオンビームを形成しやすいためである。
さらに、クラスターイオン15の加速電圧およびクラスターサイズを制御することにより、改質層16における構成元素の深さ方向の濃度プロファイルのピークの位置を制御することができる。クラスターイオン15の照射により、濃度ピークの位置は、モノマーイオンの注入に比べて、活性層用ウェーハ表面11Aに近い位置(貼り合わせウェーハ100の表面から遠い位置)に位置させることができる。
すなわち、貼り合わせSOIウェーハの製造においては、活性層用ウェーハ厚みを厚くした厚膜SOIウェーハや、活性層用ウェーハ厚みを薄くした薄膜SOIウェーハの提供が求められる。このため、例えば、1μm以下の薄膜SOIウェーハの製造を行う場合、モノマーイオンの注入では、深さ方向の注入元素の濃度プロファイルがブロードになるため、デバイス作製領域として使用される活性層領域内に炭素が拡散してしまうおそれがあり、この場合、デバイスの電気特性を悪化させることになる。クラスターイオン照射では、深さ方向の濃度プロファイルは局所的に極浅い表面位置(絶縁膜側により近い位置)に濃度ピークが形成されるため、デバイス作製領域として使用される活性層領域への炭素拡散のおそれを解消でき、活性層の使用領域を深さ方向に拡大することができる。なお、本明細書において「クラスターサイズ」とは、1つのクラスターを構成する原子または分子の個数を意味する。
本発明のクラスターイオン照射工程では、より高いゲッタリング能力を得る観点から、改質層16におけるクラスターイオン15の構成元素のピーク濃度が、1.0×1017atoms/cm以上となるように、クラスターイオン15を照射することが好ましく、1.0×1018atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下となるように照射することがより好ましい。なお、本明細書において、「構成元素の深さ方向の濃度プロファイル」は、構成元素が2種以上の元素を含む場合は、合計ではなく、それぞれ単独の元素についてのプロファイルを意味するものとする。
構成元素のピーク濃度を上記範囲に設定するために必要な条件として、クラスターイオン照射工程は、クラスターイオン15の加速電圧は、0keV/atom超え50keV/atom以下とし、40keV/atom以下の条件の下で行うことが好ましい。また、クラスターサイズは2個以上とし、好ましくは50個以下とする。さらに、炭素のドーズ量は、2×1013atoms/cm以上とし、好ましくは1×1017atoms/cm以下とする。
ここで、加速電圧の調整には、(1)静電加速、(2)高周波加速の2方法が一般的に用いられる。前者の方法としては、複数の電極を等間隔に並べ、それらの間に等しい電圧を印加して、軸方向に等加速電界を作る方法がある。後者の方法としては、イオンを直線状に走らせながら高周波を用いて加速する線形ライナック法がある。また、クラスターサイズの調整は、ノズルから噴出されるガスのガス圧力および真空容器の圧力、イオン化する際のフィラメントへ印加する電圧などを調整することにより行うことができる。なお、クラスターサイズは、四重極高周波電界による質量分析またはタイムオブフライト質量分析によりクラスター個数分布を求め、クラスター個数の平均値をとることにより求めることができる。さらに、炭素のドーズ量は、イオン照射時間を制御することにより調整することができる。
なお、上述のように、クラスターイオン照射工程の後、活性層用ウェーハ11に対して回復熱処理を行うことなく、絶縁膜形成工程あるいは貼り合わせ工程を行うことができるが、クラスターイオン照射工程の後に、急速昇降温熱処理装置やバッチ式熱処理装置を用いて回復熱処理を行ってもよい。その場合、上述のように、本発明におけるクラスターイオン15の照射は、従来のモノマーイオンの注入よりもシリコンウェーハの結晶性を乱さないため、900℃以上1200℃以下かつ10秒以上という条件で結晶性を十分に回復させることができる。
こうして、クラスターイオン15が照射されたウェーハの表面に、クラスターイオン15の構成元素が固溶してなる改質層16を形成することができる。
次に、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12の少なくとも一方の表面に絶縁膜17を形成する絶縁膜形成工程を行う(図1(D))。ここで、絶縁膜としては、酸化シリコン(SiO)膜や窒化膜等を用いることができ、例えばSiO膜を用いる場合には、周知の熱酸化により行うことができる。なお、図1においては、支持基板用ウェーハ12のみに絶縁膜17を形成しているが、改質層16が形成された活性層用ウェーハ11に酸化膜を形成することも、あるいは両ウェーハに形成することもできる。
ここで、形成する絶縁膜17の厚さは、0.01μm以上30μm以下の範囲内に設定すればよく、この絶縁膜17の厚さは、熱処理の温度および処理時間、雰囲気ガス流量などを調整して調整することができる。
ここで、活性層用ウェーハ11の表面に絶縁膜17を形成する場合には、改質層16側表面においては、この場合、絶縁膜17は、改質層16中に形成される。
続いて、活性層用ウェーハ11の改質層16側表面を絶縁膜17を介して支持基板用ウェーハ12と貼り合わせる貼り合わせ工程を行う(図1(E))。これにより、本発明の貼り合わせウェーハを製造することができる。この貼り合わせ工程は、これは、周知の任意のウェーハ貼り合わせ装置を用いて行うことができる。
なお、上記絶縁膜形成工程は、クラスターイオン注入工程の前に行うことができるが、この場合、クラスターイオン15の照射が行われないウェーハに限られる。すなわち、絶縁膜形成工程をクラスターイオン注入工程の前に行う場合には、支持基板用ウェーハ12に対して行うようにする。
こうして、従来に比べ高いゲッタリング能力を発揮することで、金属汚染をより抑制することが可能な貼り合わせウェーハ100および200を得ることができる。
なお、上記クラスターイオン照射工程は、図1および2においては活性層用ウェーハ11の表面11Aのみに行っているが、この表面11Aに加えて、支持基板用ウェーハ12の表面12Aに対して行ってもよい。その際、クラスターイオン15の構成元素は、活性層用ウェーハ11の表面11Aに照射した場合と同じにすることも、変更することもできる。この支持基板用ウェーハ12への照射により、支持基板用ウェーハ12と絶縁膜17との間に、支持基板用ウェーハ12にクラスターイオン15の構成元素が固溶してなる改質層(図示せず)をさらに設けることができる。これにより、ゲッタリング能力をさらに向上させることができる。
また、上記貼り合わせ工程の後に、図1(F)および図2(F)に示すように、結合強化熱処理工程を行い、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12との間の貼り合わせ面の結合を強化することができる。この結合強化熱処理工程は、例えば、酸化性ガスまたは不活性ガス雰囲気中において、800℃以上1200℃以下、10分以上6時間以下の条件下を行うことができ、これによって、ウェーハ間の結合を強化することができる。
さらに、図1(G)および図2(G)に示すように、活性層用ウェーハ11の厚さを低減する薄膜化する薄膜化工程を行うこともできる。これにより、所望の厚さの活性層を有する貼り合わせウェーハを得ることができる。この薄膜化工程は、例えば、周知の平面研削および鏡面研磨法を好適に用いることができる。また、薄膜化工程を周知のスマートカット法など、他の薄膜化技術を用いて行ってもよい。
次に、上記製造方法により得られる貼り合わせウェーハ100および200について説明する。第1実施形態による貼り合わせウェーハ100および第2実施形態による貼り合わせウェーハ200は、図1(E)および図2(E)に示すように、シリコン単結晶からなる支持基板用ウェーハ12と、該支持基板用ウェーハ12上に形成された絶縁膜17と、該絶縁膜17上に形成された、シリコン単結晶からなる活性層用ウェーハ11とを有する貼り合わせウェーハにおいて、絶縁膜17と活性層用ウェーハ11との間に、活性層用ウェーハ11に所定元素が固溶してなる改質層16を備え、該改質層16における所定元素の深さ方向の濃度プロファイルの半値幅が100nm以下であることを特徴とする。すなわち、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法によれば、モノマーイオン注入に比べて、クラスターイオンを構成する元素の析出領域を局所的かつ高濃度にすることができ、その結果、上記半値幅を100nm以下とすることが可能となった。
なお、本明細書における「深さ方向の濃度プロファイル」は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)にて測定した深さ方向の濃度分布を意味する。また、「所定元素の深さ方向の濃度プロファイルの半値幅」とは、測定精度を考慮して、貼り合わせ後に支持基板およびBOX層(絶縁膜)を除去し、クラスターイオンの照射面より測定した結果とする。
また、上記濃度プロファイルにおける濃度ピークの位置は、ウェーハ表面に近い位置、例えば、ウェーハ表面から150nmまでに位置している。そのため、モノマーイオン注入の場合に比べて、デバイスで使用される活性層領域へ炭素が混入するのを抑制することができる。また、活性層の使用領域を深さ方向に拡大することができる。
所定元素としては、シリコン以外の元素であれば特に限定されないが、炭素または炭素を含む2種以上の元素とすることが好ましいのは既述のとおりである。また、所定元素がさらにドーパント元素を含むことができ、このドーパント元素としては、ホウ素、リン、ヒ素およびアンチモンからなる群から選ばれた1以上の元素を用いることができる。
より高いゲッタリング能力を得る観点から、貼り合わせウェーハ100および200のいずれも、濃度プロファイルのピーク濃度が、1×1017atoms/cm以上であることが好ましく、1.0×1018atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下がより好ましく、1.0×1018atoms/cm以上1.0×1021atoms/cm以下がさらに好ましい。
また、改質層16の深さ方向厚みは、概ね30〜400nmの範囲内とすることができる。
絶縁膜17としては、酸化シリコン(SiO)膜や窒化膜等を用いることができる。なお、図1および2においては、支持基板用ウェーハ12上のみに絶縁膜17が設けられているが、改質層16が形成された活性層用ウェーハ11上に絶縁膜17を設けることも、あるいは両ウェーハ上に設けることもできる。
こうして、本発明の半導体エピタキシャルウェーハ100および200によれば、従来に比べ高いゲッタリング能力を発揮することで、金属汚染をより抑制することが可能となる。
なお、支持基板用ウェーハ12と絶縁膜17との間に、支持基板用ウェーハ12に所定元素が固溶してなる改質層(図示せず)をさらに備えることができる。これにより、ゲッタリング能力をさらに向上させることができる。
(本発明例1〜3)
活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハとして、CZ法により得られた単結晶シリコンインゴットから採取されたn型のシリコンウェーハ(直径:300mm、厚さ:775μm、ドーパント種類:リン、ドーパント濃度:5.0×1014atoms/cm)を用意した。次いで、クラスターイオン発生装置(日新イオン機器社製、型番:CLARIS)を用いて、クラスターイオンとしてCクラスターを生成し、ドーズ量1.0×1015Clusters/cm(炭素のドーズ量5.0×1015atoms/cm:本発明例1)、6.0×1014Clusters/cm(炭素のドーズ量3.0×1015atoms/cm:本発明例2)、4.0×1014Clusters/cm(炭素のドーズ量2.0×1015atoms/cm:本発明例3)、炭素1原子当たりの加速電圧14.80keV/atomの条件で、活性層用ウェーハの表面に照射した。続いて、支持基板用ウェーハの表面に10nmの絶縁膜を形成した後、活性層用ウェーハの改質層16側表面を絶縁膜17を介して支持基板用ウェーハと貼り合わせた。その後、貼り合わせたウェーハを、水素および酸素混合ガス雰囲気下とした縦型熱処理装置内に搬送し、装置内を800℃まで昇温して2時間保持した後、1200℃まで昇温して1時間保持する結合強化熱処理施した。その後、活性層用ウェーハの表面側から研削処理を施して活性層用ウェーハ厚みを薄膜化した後、その表面を鏡面研磨して、活性層厚み3μmの貼り合わせウェーハを作製した。
(比較例1〜3)
クラスターイオン照射工程に替えて、COを材料ガスとして、炭素のモノマーイオンを生成し、ドーズ量1.0×1015atoms/cm(比較例1)、6.0×1014atoms/cm(比較例2)、4.0×1014atoms/cm(比較例3)、加速電圧80keV/atomの条件でモノマーイオン注入工程を行った以外は、本発明例1と同様にして、比較例1〜3の貼り合わせウェーハを製造した。
上記本発明例および比較例で作製した各サンプルについて評価を行った。評価方法を以下に示す。
(1)SIMS測定
まず、クラスターイオンの照射直後と、モノマーイオンの注入直後における、炭素の分布の相違を明らかにするため、本発明例1および比較例1について、クラスターイオン注入後の活性層用ウェーハについて、SIMS測定を行った。得られた炭素濃度プロファイルを図4に参考に示す。ここで、図4の横軸の深さは活性層用ウェーハの表面をゼロとしている。
次に、本発明例1および比較例1の貼り合わせウェーハについて、SIMS測定を行った。得られた炭素濃度プロファイルを図5(A),(B)にそれぞれに示す。図5の横軸の深さは貼り合わせウェーハの活性層用ウェーハ側表面をゼロとしている。
また、各本発明例および比較例で作製した各サンプルについて、支持基板およびBOX層(絶縁膜)を除去した後にSIMS測定したときの炭素濃度プロファイルの半値幅を表1に示す。なお、既述のとおり、表1に示す半値幅は支持基板およびBOX層を除去した後にSIMS測定したときの半値幅であるため、表1に示す半値幅と、図5(A),(B)の半値幅とは異なる。また、薄膜化した後にSIMS測定したときの濃度のピーク濃度値についても表1に示す。
Figure 2017143292
(2)ゲッタリング能力評価
本発明例および比較例で作製した各サンプルの貼り合わせウェーハ表面を、Ni汚染液(1.0×1012/cm)で、それぞれスピンコート汚染法を用いて故意に汚染し、引き続き900℃、30分の熱処理を施した。その後、SIMS測定を行った。測定結果を代表して、本発明例1および比較例1についてのNi濃度プロファイルを、それぞれ炭素濃度プロファイルとともに示す(図5(A),(B))。他の本発明例および比較例については、ゲッタリング能力評価の結果を表1に示す。なお、評価基準をNi濃度プロファイルのピーク濃度の値によって以下のとおりに分類した。
◎:3.0×1017atoms/cm以上
○:2.0×1017atoms/cm以上3.0×1017atoms/cm未満
△:2.0×1017atoms/cm未満
まず、クラスターイオン照射に替えてモノマーイオン注入を行った点のみで異なる本発明例1と比較例1とを用いて比較する。図4に示すように、クラスターイオンの照射直後と、モノマーイオンの注入直後における中間製造物である貼り合わせ工程前の活性層用ウェーハの炭素濃度プロファイルを比較すると、クラスターイオン照射の場合は炭素濃度プロファイルがシャープであり、モノマーイオン注入の場合は炭素濃度プロファイルがブロードである。このことから、貼り合わせ工程後も、炭素濃度プロファイルの傾向は同様となることが推定される。実際に、貼り合わせウェーハにおける炭素濃度プロファイル(図5(A),(B))からもわかるように、クラスターイオン照射により、モノマーイオン注入よりも局所的かつ高濃度の改質層が形成されている。さらに、図5(A),(B)に示したNiの濃度プロファイルから、本発明例1と比較例1とを比較すると、本発明例1ではクラスターイオン照射により形成された改質層が多量のNiを捕獲して、高いゲッタリング能力を発揮していることがわかる。
また、表1に示すとおり、クラスターイオン照射した本発明例1〜3は、全て半値幅が100nm以下であり、全て十分なゲッタリング能力を備えていることがわかる。一方、モノマーイオン注入した比較例1〜3は、いずれも半値幅が100nm超であり、ゲッタリング能力が不足している。このように、クラスターイオンを照射した本発明例1〜3は、モノマーイオンを注入した比較例1〜3に比べ、炭素濃度プロファイルの半値幅が小さくなるために、より高いゲッタリング能力を得ることができていると言える。
本発明によれば、より高いゲッタリング能力を発揮することで金属汚染を抑制することができるため、半導体ウェーハ製造業において有用である。
11 活性層用ウェーハ
11A 活性層用ウェーハの表面
12 支持基板用ウェーハ
12A 支持基板用ウェーハの表面
13 バルクシリコンウェーハ
14 シリコンエピタキシャル層
15 クラスターイオン
16 改質層
17 絶縁膜
100,200 貼り合わせウェーハ

Claims (8)

  1. シリコン単結晶からなる活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハのうち、少なくとも前記活性層用ウェーハの表面にクラスターイオンを照射して、照射されたウェーハの表面に、前記クラスターイオンの構成元素が固溶してなる改質層を形成するクラスターイオン照射工程と、
    前記活性層用ウェーハおよび前記支持基板用ウェーハの少なくとも一方の表面に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
    前記活性層用ウェーハの前記改質層側表面を前記絶縁膜を介して前記支持基板用ウェーハと貼り合わせる貼り合わせ工程と、
    を有し、該貼り合わせ工程後の改質層における前記構成元素の深さ方向の濃度プロファイルの半値幅が100nm以下である貼り合わせウェーハを得ることを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。
  2. 前記活性層用ウェーハが、シリコンウェーハの表面にシリコンエピタキシャル層が形成されたエピタキシャルシリコンウェーハであり、前記クラスターイオン照射工程において前記改質層は前記シリコンエピタキシャル層の表面に形成される、請求項1に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  3. 前記クラスターイオンが構成元素として炭素を含む、請求項1または2に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  4. 前記クラスターイオンが構成元素として炭素を含む2種以上の元素を含む、請求項3に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  5. 前記クラスターイオンが、さらにドーパント元素を含み、該ドーパント元素がホウ素、リン、ヒ素およびアンチモンからなる群から選ばれた1以上の元素である、請求項3または4に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  6. 前記クラスターイオン照射工程は、炭素1原子あたりの加速電圧が50keV/atom以下、クラスターサイズが2個以上、炭素のドーズ量が2×1013atoms/cm以上の条件で行う請求項1〜5のいずれか一項に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  7. 前記クラスター照射工程を前記活性層用ウェーハおよび前記支持基板用ウェーハの双方に行う、請求項1〜6のいずれか一項に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  8. 前記貼り合わせ工程の後に、前記活性層用ウェーハと前記支持基板用ウェーハとの結合を強化するための熱処理を行う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
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