JP2017140733A - 金属箔ラミネート用延伸シーラントフィルム、およびそれを含む積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤層を介さずに金属箔と直接積層できる金属箔ラミネート用延伸ポリエステルシーラントフィルム、及び、これを用いた耐熱性に優れる積層体を提供する。【解決手段】ポリブチレンテレフタレートを主体とするポリエステル(I)とポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステル(II)とを含有するフィルムであって、ポリエステル(I)と(II)の質量比(I)/(II)が80〜30/20〜70である金属箔ラミネート用延伸ポリエステルシーラントフィルム。【選択図】なし

Description

本発明はポリエステル系延伸シーラントフィルム、およびそれを用いた積層体に関し、特に、金属箔との密着性が良好で、真空断熱材の外装体のような、長期使用時での耐熱性と、ヒートシール加工性を両立可能な金属箔ラミネートフィルムのラミネート材料として有用な延伸ポリエステルフィルムに関するものである。
フィルム等を袋状に加工した包装体には、充填される内容物に応じて所望される機能を発現させるために、種々の材料を積層したフィルムが使用されている。このような積層フィルムの一例として、成形性の高いポリオレフィンフィルムにアルミ箔のようなガスバリア性の高い材料を積層したフィルム等が広く使用されている。
上記積層フィルムを得る手段としては、溶融押出加工により2種以上のフィルムを積層したり、接着剤等を介して2種以上のフィルムを積層することが行われている。
積層フィルムを袋状に加工するには、フィルム同士を重ね合わせてその端部を接着、もしくは熱融着することが行われている。
こうした包装体において、フィルム同士を接着する面、すなわち内容物と直接接触するフィルム層(以下、シーラント層)としては、一般にポリエチレン、ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン樹脂が使用されている。ポリオレフィン樹脂は、優れたヒートシール性を有し、しかもフィルムの成形性が良好なために加工作業が容易であり、生産性に優れている。
しかしながら、異種材料からなるフィルム同士を、接着剤を介して接着し包装体としたものは、接着剤成分が徐々に包装体内に溶出または揮発し、内容物を変質させる場合があり、特に、安全性やクリーン性が重視される医療用分野においては、接着剤による内容物の汚染が問題となることがあった。また、接着剤を用いたラミネート技術においては、一般的に溶剤に希釈した樹脂成分を塗布することが行われるため、ラミネートして包装体等のような最終製品となった後にも溶剤が残留してしまうことがあった。また、包装体の長期使用や高温多湿等の過酷な使用環境においては、接着剤自体が劣化することもある。
加えて、ポリオレフィン樹脂を牛乳、各種ジュースのような飲料容器のシーラント層として使用した場合、内容物中の香気成分がポリオレフィンに吸着されたり、ポリオレフィン特有の臭気が発生したりするため、内容物の味や香りが変化する問題がある。また、ポリオレフィンは、ポリアミドやポリエステルと比較して耐熱性に劣るため、例えば、真空断熱材の外装体のような、高温状況下に晒される用途においては、ポリオレフィンが劣化したり、断熱性が低下する問題がある。
上記の問題に対して、接着剤層を介さずに、金属箔に直接積層可能なシーラントフィルムとして、表面を改質したポリオレフィンフィルムとアルミ箔とを熱圧着させて得たバリア性積層体が開示されている(特許文献1)。
また、飲料用容器等のシーラントとして、共重合ポリエステルの使用が例示されており、ポリオレフィンの欠点である、保香性、異臭が改良されており、かつ、優れたヒートシール性を有している(特許文献2)。
真空断熱材の外装材に用いられる、耐熱性を有するシーラント層として、ポリエチレンナフタレートやフッ素樹脂を使用した構成を例示しており、超音波シールや高周波シールによってシーラント層を溶着可能としている(特許文献3)。
特開2012−135979号公報 特開平6−322083号公報 特開2006−118637号公報
しかしながら、特許文献1の手法では、ポリオレフィンフィルムの表面を改質するために電子線を照射する設備を導入する必要がある。また、得られた積層体に関しても、ポリオレフィンの耐熱性が低いために、真空断熱材に使用されるような高温状況下に晒された場合、シーラント樹脂の劣化を招き、結果として断熱性が低下する問題があった。また、食品包装、とりわけ飲料用容器に用いた場合、内容物中の香気成分がポリオレフィンに吸着されたり、ポリオレフィン特有の臭気が発生したりするため、内容物の味や香りが変化する問題は解消されていない。
特許文献2の構成では、ポリオレフィンよりも耐熱性は向上しているが、真空断熱材のような、高温状況下での長期間保存は想定されておらず、こうした用途に用いた場合、シーラント層の劣化を招く等、耐熱性が不十分であった。
特許文献3の手法では、耐熱性の高い樹脂をシーラント層に配した場合でもシール加工が可能だが、異種材料とのラミネート、とりわけ、金属箔との積層手法に関しては何ら記載がない。また、金属箔とのラミネートにおいて熱融着によって直接積層する場合の熱量が高くなるため、コスト面に問題があり、得られた積層体にシワが入る等、品位が低下する可能性がある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、結晶性の異なるポリエステルをブレンドすることによって、金属箔との積層において、接着剤を介することなく積層することが可能であり、特に真空断熱材の外装体に使用するシーラントフィルムとして扱った場合のシール加工適性、高温状況下における耐熱性、内容物の保味保香性を両立するに至った。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。(1)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主体とするポリエステル(I)とポリエチレンテレフタレート(PET)を主体とするポリエステル(II)とを含有するフィルムであって、ポリエステル(I)と(II)の質量比(I)/(II)が80〜30/20〜70である金属箔ラミネート用延伸ポリエステルシーラントフィルム。

(2)
(1)記載の延伸シーラントフィルムと金属箔を少なくとも一層積層させてなる積層体。
(3)
延伸シーラントフィルムが金属箔に直接積層されてなる(2)記載の積層体。
(4)(2)または(3)記載の積層体を用いた包装袋。
本発明によれば、耐熱性に優れ、接着剤層を介さずに金属箔と直接積層でき、かつヒートシールが可能な延伸ポリエステルフィルムを提供することができる。本発明のフィルムをシーラント層として用いた積層体は、耐熱性が要求される包装用途に好適に使用することができ、真空断熱材の外装体のような、高温状況下に晒される用途において特に適している。また、シーラントフィルムとして、金属箔との積層に際して接着剤層を省略することが可能であるため、製造工程の簡略化が図れ、コスト的に有利である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の金属箔ラミネート用延伸ポリエステルシーラントフィルムにおいて、ポリエステル(I)とポリエステル(II)の質量比(I)/(II)は80〜30/20〜70の範囲であることが必要であり、さらに本発明の効果を十分に得るために、70〜55/30〜45の範囲が好ましく用いられる。
ポリエステル(I)が80質量%を超えると、軟質なポリエステル(I)の特性が顕著に発現して、金属箔との熱ラミネート加工においてフィルムにシワが入りやすくなったり、得られた包装袋のコシが弱くなるため、内容物充填の際の取り回しが悪くなる。また、結晶性が高くなりすぎるため、熱ラミネート加工における接着性が低下する。ポリエステル(I)が30質量%未満の場合には高融点、かつ、硬質なポリエステル(II)の特性が顕著に発現するため、金属箔との接着性が低下する。また、ヒートシール加工の際、シーラントフィルム同士を溶着させるには、高い熱量が必要となるばかりか、基材層も同様に高温状況に晒された結果、熱劣化が生じやすくなるため、得られた包装袋にピンホール等が発生しやすくなる。
特に、ポリエステル(I)の含有量が70〜55質量%の範囲の場合、金属箔との熱ラミネート加工において、良好な接着性を得るとともに、積層体のシーラント層として、十分なヒートシール適性を得ることができる。
本発明におけるPBTを主体とするポリエステル(I)としては、PBTおよびこれに他の成分を共重合したものを挙げることができるが、ポリエステル(I)、(II)から構成されるフィルムにおいて、ポリエステル(I)由来の融点は200〜223℃の範囲であることが必要であり、210〜223℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは215〜223℃の範囲である。融点が200℃より低いとポリエステルとしての結晶性が低く、結果としてフィルムの耐熱性が低下する。
ポリエステル(I)として共重合PBTを用いる場合には、共重合割合は融点が上記範囲内となるように共重合の割合や共重合する成分の構造を選択すればよいが、全アルコール成分に対し、1,4−ブタンジオールは80モル%以上が好ましく、特に90モル%以上が好ましい。1,4−ブタンジオールが80モル%未満であると、融点が前記範囲の下限を下回る場合があり、結果として結晶性が低下し、耐熱性が低下する傾向にある。
共重合成分としては、特に限定されないが、酸成分としてイソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンや乳酸などが挙げられる。
また、アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等が挙げられる。
さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量用いてもよい。これらの共重合成分は2種以上併用してもよい。
本発明におけるPETを主体とするポリエステル(II)としては、PETおよびこれに他の成分を共重合したものを挙げることができるが、ポリエステル(I)、(II)から構成されるフィルムにおいて、ポリエステル(II)由来の融点は230〜256℃の範囲であることが必要であり、より好ましくは236〜256℃、さらに好ましくは246〜256℃の範囲である。融点が230℃未満であると、結晶性が低下し、耐熱性や耐衝撃性が低下したりする。特に、ポリエステル(II)の融点が246℃以上であると、耐熱性、および長期保存後の耐衝撃性が向上するとともに、積層体の取り扱いにおけるピンホール発生の低減に効果があるため、好ましい。
ポリエステル(II)として共重合PETを用いる場合、PETに共重合することができる成分としては特に限定されず、ポリエステル(I)の場合と同様の化合物を例示できる。
本発明のフィルムを製造するために用いられる原料ポリエステルの極限粘度は、ポリエステル(I)では0.75〜1.6dl/g、ポリエステル(II)では0.65〜1.0dl/gが好ましく、溶融混合した後の極限粘度は0.75〜1.2dl/gの範囲が好ましい。溶融混合後の極限粘度が0.75dl/gより小さいと、フィルムの強靭性が低下し、得られた積層体に対して、わずかな衝撃や屈曲によってもクラックやヴォイドが発生しやすくなり、好ましくない。
一方、溶融混合後の極限粘度が1.2dl/gを超える場合にはフィルムの生産工程において樹脂の溶融押出機にかかる負荷が大きくなり、生産速度を犠牲にせざるを得なかったり、押出機中の樹脂の溶融滞留時間が長くなりすぎてポリエステル樹脂間の反応が進みすぎたりして、フィルムの特性の劣化を招ことがあり、結果的に積層体の物性低下の傾向にある。また、極限粘度の高いものは、相対的に重合時間や重合プロセスが長く、コストを押し上げる要因ともなる。
原料のポリエステルの重合方法は特に限定されず、例えば、エステル交換法、直接重合法等で重合することができる。エステル交換触媒としては、Mg、Mn、Zn、Ca、Li、Tiの酸化物や酢酸塩等が挙げられる。また、重縮合触媒としては、Sb、Ti、Ge酸化物や酢酸塩等が挙げられる。
重合後のポリエステルは、モノマーやオリゴマー、副生成物のアセトアルデヒドやテトラヒドロフラン等を含有しているため、減圧もしくは不活性ガス流通下、200℃以上の温度で固相重合することが好ましい。
ポリエステルの重合においては必要に応じ添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を添加することができる。酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等を、熱安定剤としては、例えばリン系化合物等を、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系の化合物等を挙げることができる。また、異なるポリエステル間の反応抑制剤として、従来知られているリン系化合物を重合前、重合中、重合後に添加することが好ましい。
本発明の延伸フィルムの製造方法としては、ポリエステル(I)と(II)を適正な比率にブレンドし、押出機内250〜280℃の温度において滞留時間3〜15分間で溶融混合した後、Tダイを通じてシート状に押出す。このシートを室温以下に温度調節した冷却ドラム上に密着させて冷却し、得られた未延伸フィルムをその後同時二軸延伸機に導き、50〜150℃の温度でMDおよびTDにそれぞれ2〜4倍程度の延伸倍率となるよう二軸延伸し、さらにTDの弛緩率を5.0〜7.0%の範囲として、130〜200℃で数秒間熱処理を施すことによって製造することができる。熱処理温度は、150〜195℃の範囲が特に好ましい。また、同時延伸機に導く前に、1〜1.2倍程度の予備縦延伸を施しておいてもよい。
またこの延伸フィルムは逐次延伸法によっても製造することが出来る。その方法を概説すると、先に記述したと同様の未延伸フィルムをロール加熱、赤外線等で加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。延伸は2個以上のロール周速差を利用し、ポリエステルのガラス転移点(Tg)〜Tgより40℃高い温度の範囲で2.5〜3.6倍とするのが好ましい。縦延伸フィルムは続いて連続的に、横延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、横延伸はポリエステルのTg〜Tgより40℃高い温度で開始し、熱固定温度は130〜200℃であることが好ましく、特に好ましいのは150〜180℃である。横延伸の倍率は最終的なフィルムの要求物性に依存し調整されるが、3.0〜5.0倍、より好ましくは3.0〜4.0倍の範囲であることが好ましい。延伸に続く熱固定処理時にフィルム幅方向に2〜20%の伸張を加えてもよいが、この伸張率はトータルの延伸倍率の中に含まれることが好ましい。熱固定処理後、フィルムの熱収縮特性を調整するため、フィルムの幅を連続的に縮める処理(リラックス処理と呼ぶ)を行い、その後フィルムのTg以下に冷却して二軸延伸フィルムを得る。
延伸後の熱処理は、フィルムの寸法安定性を付与するために重要な工程であるが、その方法としては、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法等の公知の方法を用いることができる。このうち、均一に精度良く加熱できることから熱風を吹き付ける方法が最適である。
延伸フィルム製造時の工程通過性をよくするため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤を少量添加して製膜し、フィルム表面にスリップ性を付与することが望ましい。フィルムへの無機滑剤の添加量は0.001〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.3質量%である。
本発明の延伸フィルムの厚みは10〜50μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは12〜38μmの範囲内である。フィルムの厚みが10μmを下回ると、金属箔とのラミネートにより得られる、積層体の耐ピンホール性や耐屈曲性が低下しやすくなり、金属箔のバリア性能を損なう問題が起こりやすい。また、フィルムの厚みが薄いと、得られる包装袋のコシが弱くなりすぎるために、内容物の充填等の工程において取り回しが悪くなりやすい。また、フィルムの厚みが50μmを超える場合は、耐ピンホール性や耐屈曲性の向上に大きな効果が望めず、また、コスト面においても好ましくない。
本発明の延伸フィルムを金属箔上に積層するに際しては、ドライラミネート法、熱ラミネート法等、既存の方法を用いて積層することができる。特に、高温高湿下での長期保管における安定性や、工程数の低減等の観点より、金属箔上に直接熱ラミネートすることが好ましい(ダイレクト熱ラミネート)。
本発明の延伸フィルムを適用可能な金属箔としては、特に限定されないが、アルミニウム箔のほか、ステンレス箔、チタン箔、銅箔などが挙げられる。
ダイレクト熱ラミネートの方法に関しては、金属箔とフィルムとを、温度制御されたロールによって圧接して熱圧着させた後、室温まで冷却することにより連続的に製造する方法を例示することができる。
金属箔の加熱方法としては、ヒーターロール伝熱方式、誘導加熱方式、抵抗加熱方式、熱風伝達方式等があげられ、特に、設備費及び設備の簡素化を考慮した場合、ヒーターロール伝熱方式が好ましい。また、ラミネート後の冷却方法については、水等の冷媒中に浸漬する方法や冷却ロールと接触させる方法を用いることができる。
また、フィルムと金属箔とを熱圧着して積層体を得る際、金属箔の反対面に、積層体の耐衝撃性や耐屈曲性等を向上させるために、基材層として、少なくとも1層以上の熱可塑性樹脂層を設けることが好ましい。これらの層は、ドライラミネート法、共押出法等の既存の方法を用いて設けることができる。
熱可塑性樹脂層に用いられるフィルムは特に限定されるものではないが、得られる積層体の強度や耐衝撃性、耐屈曲性の観点から、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましく用いられる。
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例及び比較例におけるフィルムの原料、および、特性値の測定法は、次の通りである。
ポリブチレンテレフタレート:
固相重合を施したPBT、極限粘度1.08dl/g、Tm223℃、Ti触媒40ppm含有。
ポリエチレンテレフタレート:
固相重合を施したPET、極限粘度0.75dl/g、Tm255℃、Ge触媒40ppm含有。
A.ダイレクト熱ラミネート性
二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製エンブレットPET−12、厚み12μm)/ポリウレタン系接着剤(東洋モートン社製TM−277/CAT−10L、乾燥塗布量5.0g/m)/二軸延伸ポリアミドフィルム(ユニチカ社製エンブレムONBC−15、厚み15μm)/ポリウレタン系接着剤/アルミニウム箔(厚み7μm)の順に、順次、ドライラミネートすることにより積層体を得た。次いで、前記積層体のアルミニウム箔面と試料フィルムとを重ね合わせて、210℃に加熱した金属ロールと、シリコンゴムロールとの間に供給し、速度20m/min、線圧4.9×104N/mで加熱圧着し、冷却して金属箔ラミネートフィルムを得た。
得られた金属箔ラミネートフィルムから、長さ100mm×幅15mmの大きさの試験片を11枚切り出した。島津製作所製AG−1Sオ−トグラフを使用し、剥離界面を出した試験片について、T型剥離試験法により、剥離速度300mm/minで、アルミニウム箔と試料フィルム層との間の剥離強力を測定し、次の基準にしたがって接着性を評価し、△以上を合格とした。
○:試験片の剥離強力が3.0N/cm以上であるか、又は3.0N/以上でフィルムが破断。
△:試験片の剥離強力が3.0N/cm未満であるか、又は3.0N/cm未満でフィルムが破断。
×:試験片が手で容易に剥がれる。
B.ドライラミネート強力
二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製エンブレットPET−12、厚み12μm)/ポリウレタン系接着剤(東洋モートン社製TM−277/CAT−10L、乾燥塗布量5.0g/m)/二軸延伸ポリアミドフィルム(ユニチカ社製エンブレムONBC−15、厚み15μm)/ポリウレタン系接着剤/アルミニウム箔(厚み7μm)/ポリウレタン系接着剤/試料フィルムの順に、順次、ドライラミネートして金属箔ラミネートフィルムを得た。
得られた金属箔ラミネートフィルムから、Aと同様の手順で試験片を作成し、アルミニウム箔と試料フィルム層間の剥離強力を測定し、次の基準にしたがって接着性を評価し、○を合格とした。
○:試験片の剥離強力が3.0N/cm以上であるか、又は3.0N/以上でフィルムが破断。
×:試験片の剥離強力が3.0N/cm未満であるか、又は3.0N/cm未満でフィルムが破断。
C.ヒートシール性
Bにて得られた金属箔ラミネートフィルムを65mm×65mmに裁断し、試料フィルム面どうしで重ね合わせて、シール温度を上面240℃、下面100℃、シール圧力1kg/cm2 、シール時間5秒で熱融着させた。これを15mm幅の試験片として切り出し、引張試験機を用いて、引張速度300mm/min、チャック間距離50mm、シール部T型保持の条件で剥離強力を測定し、△以上を合格とした。
○:剥離強力が30N以上であるか、又は、30N以上でフィルムが破断。
△:剥離強力が20N以上30N未満であるか、又は、20N以上30N未満でフィルムが破断。
×:剥離強力が20N未満であるか、又は20N未満でフィルムが破断。
D.長期保存性 A及びBで得られた金属箔ラミネートフィルムを105℃で50日間保管した後の外観変化を、目視によって下記のように評価し、△以上を合格とした。
○:保管前とほとんど変化が見られない。
△:若干のムラが観測されるが、使用可能レベル。
×:気泡、剥離、ムラなどの変化が見られる。
実施例1
ポリブチレンテレフタレート60質量部とポリエチレンテレフタレート40質量部に、さらに平均粒径2.5μmの凝集シリカをフィルムに対して0.08質量%となるように添加し、280℃の温度で溶融し、Tダイ出口より押出し、急冷固化して未延伸フィルムを得た。
次いで、この未延伸フィルムの端部をテンター式同時二軸延伸機のクリップに把持し、60℃の予熱ゾーンを走行させた後、温度80℃でMDに3.0倍、TDに3.3倍で同時二軸延伸した。その後TDの弛緩率を5%として、熱固定温度160℃で4秒間の熱処理を施した後、室温まで冷却して巻き取り、厚さ25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
得られたフィルムを各種評価に供した。
実施例2〜6、比較例1
実施例1と同様の方法を用いて、表1に記載のポリエステル組成で未延伸フィルムを得たのち、表1に示す延伸倍率で、温度80℃でMD方向、次いでTD方向に逐次二軸延伸した。次いで、表1に示す熱固定条件で4秒間の熱処理を施した後、室温まで冷却して巻き取り、表1に示す厚さの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
比較例2
PBTとPETの質量比率を90/10に変更した以外は実施例1と同様の製造条件で二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
比較例3
実施例1と同様の方法を用いて、ポリエステルをPETのみとして、280℃の温度で溶融し、Tダイ出口より押出し、急冷固化して未延伸フィルムを得たのち、表1に示す延伸倍率で、温度100℃でMD方向、次いでTD方向に逐次二軸延伸した。次いで、表1に示す熱固定条件で4秒間の熱処理を施した後、室温まで冷却して巻き取り、厚さ25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
比較例4
ポリエステルフィルムとして、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、テオネックス、厚み25μm)を使用した。
比較例5
ポリエステルフィルムとして、ジカルボン酸成分に対して1,4−シクロヘキサンジカルボン酸12モル%、ジオール成分に対して1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%共重合されたPET(極限粘度0.80dl/g、Tm201℃)を280℃の温度で溶融し、Tダイ出口より押出し、急速固化して得た、厚み50μmの未延伸ポリエステルフィルムを用いた。
比較例6
無延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ社製、GHC、厚み50μm)を使用した。
比較例7
直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ社製、TUX−MCS、厚み50μm)を使用した。
実施例1〜6で得られたフィルムは、熱ラミネート性、ヒートシール性、長期保存性に優れていたが、比較例1〜7で得られたフィルムは、上記のすべての性能を満足するものではなかった。

Claims (4)

  1. ポリブチレンテレフタレートを主体とするポリエステル(I)とポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステル(II)とを含有するフィルムであって、ポリエステル(I)と(II)の質量比(I)/(II)が80〜30/20〜70である金属箔ラミネート用延伸ポリエステルシーラントフィルム。
  2. 請求項1記載の延伸シーラントフィルムと金属箔を少なくとも一層積層させてなる積層体。
  3. 延伸シーラントフィルムが金属箔に直接積層されてなる請求項2記載の積層体。
  4. 請求項2または3記載の積層体を用いた包装袋。

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