JP2017137880A - 動力伝達装置 - Google Patents

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謙次 深澤
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謙次 深澤
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Abstract

【課題】デフケースの内部に潤滑油を効果的に供給する。【解決手段】リングギヤ20と、ピニオンギヤ11と後側軸部12と前側軸部13とを有するドライブピニオンギヤ10と、ピニオンギヤ322およびサイドギヤ323を内蔵したデフケース310と、底部に潤滑油が滞留されるケース100と、外嵌部52が右テーパーローラーベアリング340を介してデフケース310を支持し、被挟持部53がケース100に固定され、胴体部51が後テーパーローラーベアリング40を介して後側軸部12を支持する円筒状のスリーブ50と、ラジアル軸受54を介してスリーブ50に同軸に支持され、一端部がサイドギヤ323に結合し、他端部が右後ドライブシャフト49に結合する中間シャフト3と、を備え、中間シャフト3に、デフケース310側の端面で開口する第1油孔4と、第1油孔4に連通し潤滑油を掬う第2油孔5とを設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
FFベースの四輪駆動車の終減速装置は車両の後部に配置されている。この終減速装置は、原動機で発生し変速機で減速されて推進軸を介して伝達された動力を再度減速し、自動車がカーブを走行する時に左右の後輪の回転数が異なることを調整し走行を円滑にする装置である。終減速装置は、推進軸と一体で回転するドライブピニオンギヤと、ドライブピニオンギヤと直角に噛合するリングギヤとからなる一対の傘歯車と、リングギヤと一体に回転するデフケースと、デフケースの内部に配置され駆動軸と一体に回転するサイドギヤと、サイドギヤに噛合しデフケースの内部に配置されるピニオンギヤと、ピニオンギヤの孔に挿通してデフケースに嵌合するピニオンシャフトとを備えて構成される差動装置と、これらを内部に収納するケース(ハウジング)と、を備えて構成されている。
ドライブピニオンギヤとリングギヤは直角に噛合するため噛合い反力がそれぞれのギヤの回転軸方向に作用する。そのため、テーパーローラーベアリングを適用して軸方向反力(スラスト荷重)を受ける構成とするのが一般的である。例えば、ドライブピニオンギヤにおいては、前後の軸方向のスラスト荷重を受けられるように、ベアリングを傘歯車部の背面とドライブピニオンギヤの略中央に対向配置している。リングギヤにおいては、一体で回転するデフケースの両端にテーパーローラーベアリングが配置されている。
終減速装置は、ケースの底部に貯留するオイルをリングギヤが掻き上げ、潤滑が必要とされる部位に飛沫油を供給するのが一般的であるが、ドライブピニオンギヤを支持するベアリングはリングギヤから離れているため十分なオイルが供給されにくい。そのため、例えば特許文献1に記載のようにリングギヤによって掻き上げられたオイルをベアリングに効率よく供給する技術が開示されている。
また、特許文献2には、デフケースのボス部の内周面(ドライブシャフト挿通孔内面)に螺旋状のオイル案内溝を形成した技術が記載されている。これによれば、リングギヤが掻き上げたオイルは、キャリアの内壁面を伝ってデフケースの端面に流れ、前記オイル案内溝によりデフケースの内部へ案内されて、ピニオンギヤ、サイドギヤ、ピニオンシャフトの噛合面や摺接面を潤滑する。
特開2010−261540号公報 特開2015−132364号公報
しかしながら、前記螺旋状のオイル案内溝によるオイルの供給手段では、デフケース内の潤滑性を維持するのが難しい場合がある。
本発明はこのような課題を解決するために創作されたものであり、デフケースの内部に潤滑油を効果的に供給できる動力伝達装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、本発明は、第1傘歯車と、前記第1傘歯車に噛合する傘歯車本体と、前記傘歯車本体の歯面側に形成された歯面側軸部と、前記傘歯車本体の背面側に形成された背面側軸部と、を有する第2傘歯車と、ピニオンギヤおよびサイドギヤを収容し、前記第1傘歯車と一体に回転するデフケースと、前記第1傘歯車、前記第2傘歯車および前記デフケースを収容し、底部に潤滑油が滞留されるケースと、一端部が第1軸受を介して前記デフケースを支持し、他端部が前記ケースに固定され、周壁部が第2軸受を介して前記歯面側軸部を支持する円筒状のスリーブと、第3軸受を介して前記スリーブに支持されて前記スリーブの内部に同軸に配され、一端部が前記サイドギヤに結合し、他端部がドライブシャフトに結合する中間シャフトと、を備え、前記中間シャフトに、前記デフケース側の端面で開口する第1油孔と、前記第1油孔と外周面とを連通し、前記スリーブの底部に滞留した潤滑油を掬う第2油孔とが形成されたことを特徴とする。
このように、中間シャフトに第1油孔と第2油孔とを形成し、スリーブの底部に滞留する潤滑油を第2油孔で掬うことで、潤滑油を第1油孔を介してデフケースの内部に供給でき、中間シャフトを利用した簡単な構造でデフケースに潤滑油を供給できる。
また、本発明は、前記スリーブの周壁部に、前記第2軸受が内嵌され、かつ前記歯面側軸部の端面が前記スリーブの内部に臨む貫通孔が形成され、前記中間シャフトに、平面視で前記貫通孔に指向するように、前記第1油孔と外周面とを連通する第3油孔が形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、中間シャフトを利用した簡単な構造で、歯面側軸部に外嵌した第2軸受に潤滑油を供給できる。
また、本発明は、前記第2傘歯車に、前記歯面側軸部の端面と前記背面側軸部の外部とを連通する第4油孔が形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、中間シャフトを利用した簡単な構造で、第2傘歯車本体の背面側に潤滑油を供給できる。
また、本発明は、前記第2油孔は、その開口部が潤滑油面よりも下方に位置するように穿孔されていることを特徴とする。
本発明によれば、スリーブの底部に滞留した潤滑油に対して第2油孔の開口部のみを浸ける構造とすることで、第2油孔および第3油孔の内で第2油孔のみに潤滑油の掬い機能を持たせることができる。
また、本発明は、前記第1油孔と前記第2油孔と前記第3油孔の各孔径がそれぞれ異なることを特徴とする。
本発明によれば、各孔の径を異ならせて、各孔の流路抵抗を異ならせることにより、潤滑油の流量を調整できる。
また、本発明は、前記第2油孔の開口部に潤滑油捕集部材を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、潤滑油捕集部材で潤滑油を効率よく掬うことができる。
本発明によれば、動力伝達装置において、デフケースの内部に潤滑油を効果的に供給するとともに、潤滑油の供給されにくい第2傘歯車の背面側に効果的に潤滑油を供給できる。
本発明に係る動力伝達装置の平断面図であり、図2のX3−X3断面図である。 図1のX1−X1断面図である。 図1のX2−X2断面図である。 第2油孔に潤滑油捕集部材を設けた場合の中間シャフトの部分斜視図である。 第2油孔の作用説明図である。 第3油孔の作用説明図である。
≪終減速装置の構成≫
図1を参照して、本実施形態に係る終減速装置1(動力伝達装置)は、FF(Front-engine Front-drive)ベースの四輪駆動車に搭載されており、プロペラシャフト(図示しない)からの動力を減速した後、左後輪及び右後輪に伝達する装置である。
終減速装置1は、ドライブピニオンギヤ(第2傘歯車)10と、リングギヤ(第1傘歯車)20と、前テーパーローラーベアリング30と、後テーパーローラーベアリング40と、スリーブ50と、中間シャフト3と、ケース100と、を備えている。また、終減速装置1は、クラッチ200と、差動装置300と、を備えている。
<ケース>
ケース100は、殻状の容器であって、前後方向において、前側に配置される第1ケース110と、中間に配置される第2ケース120と、後側に配置される第3ケース130と、を備え、これらがボルト等によって相互に締結されることで構成されている。
第1ケース110は、円筒状の部材であり、概ね、クラッチ200の前半分を収容している。第2ケース120は、概ね筒状の部材であり、前側が開口した半球殻状の前ケース部121と、前ケース部121の後側に連なり、後側が開口した半球殻状の後ケース部122と、を備えている。前ケース部121は、概ね、クラッチ200の後半分を収容している。後ケース部122は、概ね、ドライブピニオンギヤ10、スリーブ50及び差動装置300の前半分を収容している。第3ケース130は、前側が開口した半球殻状の部材であり、概ね、スリーブ50及び差動装置300の後半分を収容している。後ケース部122および第3ケース130の底部には、潤滑油が滞留される油溜まり150が形成されている。
<差動装置>
差動装置300は、左後輪と右後輪とを差動回転させる装置である。差動装置300は、軸線O2を中心として回転する略円筒状のデフケース310(回転体)と、デフケース310に固定され径方向に延びるピニオンシャフト321と、ピニオンシャフト321を中心として回転する一対のピニオンギヤ322、322と、ピニオンギヤ322、322に噛合する一対のサイドギヤ323、323と、を備えている。
デフケース310は、球形殻状のデフケース本体311と、デフケース本体311の左側に形成された円筒状の左ボス部312と、デフケース本体311の右側に形成された右ボス部313と、デフケース本体311のドライブピニオンギヤ10側である右端部から径方向外側に延びるリング状のフランジ部314と、を備えている。
左ボス部312は、左テーパーローラーベアリング330を介して、第2ケース120及び第3ケース130に回転自在に支持されている。左テーパーローラーベアリング330の端面と、第2ケース120及び第3ケース130との間には、左テーパーローラーベアリング330の予圧調整用のシム339が介装されている。
右ボス部313は、右テーパーローラーベアリング340(第1軸受)を介して、スリーブ50に回転自在に支持されている。左側のサイドギヤ323には、左後輪から延びる左後ドライブシャフト(図示しない)の右端部がスプライン結合している。右側のサイドギヤ323には、後記する中間シャフト3の左端部がスプライン結合している。そして、車両が例えばカーブを走行すると、左右のサイドギヤ323、323が差動回転し、ピニオンギヤ322、322が回転するようになっている。左ボス部312の内周面には潤滑油をデフケース310の内部に案内するための螺旋状のオイル案内溝301が形成されている。なお、右ボス部313の内周面においては、中間シャフト3の後記する第1油孔4から供給される潤滑油で十分な量が得られるため、オイル案内溝301を廃止することが可能となる。これにより、加工コストの低減も可能となる。
<ドライブピニオンギヤ>
ドライブピニオンギヤ10は、前後方向に延びる軸線O1を中心として回転する棒状の部材である。ドライブピニオンギヤ10は、後側が小径である円錐台状のピニオンギヤ11(傘歯車本体)と、ピニオンギヤ11の歯面側である後側に形成された後側軸部12(歯面側軸部)と、ピニオンギヤ11の背面側である前側に形成された前側軸部13(背面側軸部)と、を備えている。
ピニオンギヤ11は、リングギヤ20と噛合しており、リングギヤ20とで終減速ギヤ機構を構成している。ピニオンギヤ11、リングギヤ20は、例えば、ハイポイドギヤで構成されている。後側軸部12は、後テーパーローラーベアリング40を介して、スリーブ50に回転自在に支持されている。前側軸部13は、ピニオンギヤ11側である基端側(後側)から先端側(前側)に向かって、図2に示すように、基端部13aと、中間部13bと、先端部13cと、を備えている。基端部13aは、前テーパーローラーベアリング30を介して、第2ケース120(図1)に回転自在に支持されている。
中間部13bの外周面には軸スプライン13dが形成されている。軸スプライン13dは、インナーハブ220の孔スプライン221とスプライン結合している。先端部13cは、ニードルローラーベアリング246(ラジアル軸受)を介して、図1に示すように、ポンプボディ242を回転自在に支持している。そして、ポンプボディ242は、クラッチケース210に相対回転不能に支持されている。このため、先端部13cとクラッチケース210とは相対回転自在である。
ドライブピニオンギヤ10内には、後記する第3油孔6からの潤滑油をピニオンギヤ11の背面側に供給するための、後側軸部12の端面12a(図2)と前側軸部13の外部とを連通する第4油孔(第4軸方向油孔7,第4径方向油孔8)が形成されている。第4軸方向油孔7は、軸線O1上を延び後側軸部12の端面12aと前側軸部13の端面とを連通するように形成されている。第4径方向油孔8は、第4軸方向油孔7の途中から径外方向に延び、前テーパーローラーベアリング30と後記するクラッチ200のインナーハブ220との間の外周面で開口している。なお、第4軸方向油孔7の内周面に螺旋溝を形成してもよい。この場合、螺旋溝の螺旋向きは、ドライブピニオンギヤ10が車両の前進方向に対応する回転方向で回転した場合に、潤滑油が前方に移動する向きとする。
<前テーパーローラーベアリング>
前テーパーローラーベアリング30は、基端部13aを第2ケース120に対して回転自在に支持する軸受である。前テーパーローラーベアリング30及びピニオンギヤ11の間には、ピニオンギヤ11とリングギヤ20の噛み合いを調整するためのシム39が設けられている。
<後テーパーローラーベアリング>
後テーパーローラーベアリング(第2軸受)40は、後側軸部12をスリーブ50に対して回転自在に支持する軸受である。ドライブピニオンギヤ10は、ピニオンギヤ11の前側の前テーパーローラーベアリング30と、後側の後テーパーローラーベアリング40とで回転自在に支持され、後述する予圧調整ねじ2により予圧が調整される。
<リングギヤ>
リングギヤ20は、左右方向に延びる軸線O2を中心として回転するリング状の部材である。リングギヤ20は、前記したデフケース310のフランジ部314にボルト21によって締結されており、後記するスリーブ50の外嵌部52の径方向外側に配置されている。リングギヤ20の下部は油溜り150に浸かっており、リングギヤ20が回転すると、油溜り150の潤滑油が掻き揚げられるようになっている。
<スリーブ>
スリーブ50は、ドライブピニオンギヤ10の後方において、リングギヤ20と同軸で配置された円筒状の部材であって、後テーパーローラーベアリング40及び右テーパーローラーベアリング340を保持する部材である。
スリーブ50は、軸線O2を中心として左右方向に延びており、胴体部51(周壁部)と、胴体部51の左側(一端側)に形成された外嵌部52(一端部)と、胴体部51の右側(他端側)に形成された被挟持部53(他端部)と、を備えている。
<スリーブ−胴体部>
胴体部51の前側には、胴体部51の内周面において開口し、予圧調整ねじ2が螺合される雌ねじ51bと、雌ねじ51bと同軸に連通して胴体部51の外周面において開口し、後テーパーローラーベアリング40の外輪42が差し込まれる差込孔51aと、が形成されている。つまり、差込孔51aおよび雌ねじ51bは軸線O1を中心として胴体部51の前側に貫通する貫通孔として形成されている。この貫通孔は、後記するように第3油孔6から前方に飛散した潤滑油を後側軸部12に供給する役目も担っている。したがって、例えば、貫通孔周りのスリーブ50の内周面に、第3油孔6から飛散した潤滑油を受け止めて貫通孔に効率的に流し込むガイド部(図示せず)を突設するようにしてもよい。胴体部51の下部には、図2に示すように、油溜まり150の潤滑油をスリーブ50の内部に滞留させるための連通孔56が貫通形成されている。連通孔56の形成位置は特に限定されず、複数設けてもよい。
<スリーブ−外嵌部>
外嵌部52は、右テーパーローラーベアリング340に外嵌し保持する部分である。右テーパーローラーベアリング340の外輪342の端面と外嵌部52との間には、右テーパーローラーベアリング340の予圧調整用のシム344が介装されている。
<スリーブ−被挟持部>
被挟持部53は、前後方向において、第2ケース120の右側の半円筒部123と第3ケース130右側の半円筒部131とで挟持される部分である。このように、被挟持部53が挟持されることで、スリーブ50がケース100に固定されるようになっている。
<予圧調整ねじ>
予圧調整ねじ2は、リング状の部材であって、スリーブ50の雌ねじ51bに螺合する雄ねじ部2aと、差込孔51aの内部に配置されて後テーパーローラーベアリング40の外輪42の端面に当接する当接部2bと、を備えている。予圧調整ねじ2は、前側から差込孔51aに挿入されたうえで雄ねじ部2aが雌ねじ51bに螺合される。雄ねじ部2aの内周面には、図示しない調整用工具を係合させる係合部(例えば多角孔)2cが形成されている。調整用工具で予圧調整ねじ2を回転させスリーブ50に対する予圧調整ねじ2の螺合位置(前後位置)を変えることで、後テーパーローラーベアリング40と前テーパーローラーベアリング30の予圧が調整される。
<中間シャフト>
スリーブ50の内部には中間シャフト3が同軸に、つまり軸線O2を中心に配されている。中間シャフト3は、その右端部(他端部)寄りがラジアル軸受からなる第3軸受54を介して、被挟持部53よりも若干左寄りのスリーブ50の内周面に支持されている。中間シャフト3の左端部(一端部)には軸スプライン31が形成され、デフケース310の右ボス部313を挿通して右側のサイドギヤ323の孔スプライン32にスプライン結合している。中間シャフト3の右端部(他端部)には孔スプライン33が形成され、右後輪から延びる右後ドライブシャフト49の左端に形成された軸スプライン34とスプライン結合している。
中間シャフト3の中程左寄りの外周面には環状の凸部3aが形成されており、この凸部3aの左側の外周面に環状のシム55が配置されている。シム55は、デフケース310の右ボス部313の端面と凸部3aとの間に介在して、デフケース310に対する中間シャフト3の軸方向の位置調整機能を担う。
中間シャフト3には、軸線O2方向に沿いデフケース310側の端面で開口する第1油孔4と、第1油孔4と外周面とを連通する第2油孔5、第3油孔6とが形成されている。第1油孔4は軸線O2を中心に形成されており、右端側はスプライン孔の近傍まで延びている。なお、第1油孔4の内周面に螺旋溝を形成してもよい。この場合、螺旋溝の螺旋向きは、中間シャフト3が車両の前進方向に対応する回転方向(図2のP方向)に回転した場合に、潤滑油がデフケース310側に移動する向きとする。
第2油孔5は、中間シャフト3の回転に伴い、スリーブ50の底部に滞留する潤滑油を掬って第1油孔4に導くための孔であり、軸線O2の径方向に延びている。
第3油孔6は、中間シャフト3の回転に伴い、第1油孔4の潤滑油を中間シャフト3から排出してドライブピニオンギヤ10の後側軸部12の端面12a(図2)に供給するための孔であり、軸線O2の径方向に延びている。第3油孔6は、軸線O2方向に関して、第2油孔5の位置とずれるように形成されている。本実施形態では、第3油孔6は、第2油孔5よりもデフケース310側に位置している。そして、中間シャフト3が回転して、図1に示すように水平状に位置したときに、平面視でスリーブ50の貫通孔(雌ねじ51b)に指向するように形成されている。本実施形態では、第3油孔6が水平状になったときの第3油孔6の軸線は、図1に示すように平面視で軸線O1と一致する。
図3に示すように、第2油孔5は、外周面部3bよりも大径の外周面部で、開口部が潤滑油の液面レベルに浸漬する位置3cに穿孔されている。第2油孔5から掬い上げられた潤滑油を第3油孔6および第1油孔4に効率よく且つ適量に供給するために、各孔の径を異ならせて、流路抵抗により潤滑油の流量を調整してもよい。
また、例えば、図4に示すように、定径の外周面部3bに第2油孔5と第3油孔6の両方を穿孔し、第2油孔5の開口周りのみに、潤滑油を捕集する潤滑油捕集部材57を突設する構成にしてもよい。
<クラッチ>
クラッチ200は、プロペラシャフト(図示しない)とドライブピニオンギヤ10との間において、動力を断接する断接装置であって、本実施形態では油圧式の湿式多板クラッチで構成されている。クラッチ200は、プロペラシャフトと一体で回転するクラッチケース210と、ドライブピニオンギヤ10と一体で回転するインナーハブ220と、複数の外クラッチ板231と、複数の内クラッチ板232と、油圧に対応して外クラッチ板231及び内クラッチ板232の間における摩擦伝達力を可変する油圧装置240と、を備えている。
<クラッチ−クラッチケース>
クラッチケース210は、前側が閉じた有底円筒状のクラッチケース本体211と、クラッチケース本体211の前底部から前方に延びる軸部212と、を備えている。クラッチケース210は、ラジアル軸受251を介して、第1ケース110に回転自在に支持されている。
軸部212の略中間には、軸スプライン213が形成されている。軸スプライン213には、コンパニオンフランジ260の孔スプライン261がスプライン結合しており、軸部212とコンパニオンフランジ260とは一体で回転するようになっている。なお、コンパニオンフランジ260は、軸線O1方向に延びる短円筒体であり、その前端部にプロペラシャフトの後端がボルト締結されるようになっている。
軸部212の前端部には雄ねじ214が形成されている。雄ねじ214にはナット262が螺合しており、コンパニオンフランジ260が軸部212に締結されている。
軸部212の後端面には、軸線O1を中心とした油穴216が形成されており、油穴216の内周面から径外方向に沿って外周面に開口する第6油孔215が形成されている。第6油孔215の開口部はラジアル軸受251の後方に位置しており、潤滑油をラジアル軸受251に供給する。
<クラッチ−インナーハブ>
インナーハブ220は、円筒状の部材であり、その内周面に孔スプライン221が形成されている。孔スプライン221は、ドライブピニオンギヤ10の軸スプライン13dとスプライン結合している。インナーハブ220の外周面には、後記するように内クラッチ板232をスプライン結合させるための軸スプラインが形成されている。インナーハブ220には、この軸スプライン軸と後部とを連通するように第5油孔9が形成されている。第5油孔9は潤滑油を外クラッチ板231、内クラッチ板232に供給する。
<クラッチ−外クラッチ板、内クラッチ板>
外クラッチ板231は、リング板状の部材であり、その外周縁部はクラッチケース本体211の内周面とスプライン結合している。したがって、外クラッチ板231とクラッチケース本体211とは一体で回転する。
内クラッチ板232は、リング板状の部材であり、その内周縁部はインナーハブ220の外周面とスプライン結合している。したがって、内クラッチ板232とインナーハブ220とは一体で回転する。
外クラッチ板231と内クラッチ板232とは、軸方向(前後方向)において、交互に積層している。この交互に積層した積層体の前側には軸方向に移動自在であるリング状の押圧板233が配置されている。
<クラッチ−油圧装置>
油圧装置240は、リング状のピストン241と、ピストン241を軸方向(前後方向)において摺動自在に収容するリング状のポンプボディ242と、を備え、ピストン241及びポンプボディ242の間にリング状の油室243が形成されている。油室243には、ポンプ270からの油であって、ECU(Electronic Control Unit)の指令に従って圧力調整弁(図示しない)で圧力調整された圧油が供給されるようになっている。
ピストン241は、スラスト軸受244を介して押圧板233に当接すると共に、戻しばね(リターンスプリング)として機能する皿ばね245によって初期位置に戻るように付勢されている。そして、油室243の油圧が高くなると、ピストン241が皿ばね245のばね力に抗して後方に移動し、外クラッチ板231及び内クラッチ板232の間の摩擦伝達力が大きくなり、プロペラシャフトの動力がドライブピニオンギヤ10に伝達されるように構成されている。
ポンプボディ242とクラッチケース210との間にはポンプ270が配置されている。ポンプ270は例えばトロコイド(登録商標)ポンプで構成され、クラッチケース210と一体で回転するアウターロータ271と、ドライブピニオンギヤ10と一体で回転するインナーロータ272とから構成されている。
クラッチケース210はプロペラシャフトと一体に回転するため、前輪と一体に回転することとなる。また、ドライブピニオンギヤ10は後輪と一体に回転することとなる。したがって、通常の走行状態では前輪及び後輪の回転速度が等しいため、アウターロータ271とインナーロータ272は一体で回転し、ポンプ270は油圧を発生しない。しかし、例えば前輪が空転するとアウターロータ271とインナーロータ272との間で回転速度に差が生じ、ポンプ270が油圧を発生し、その油圧が油室243に供給される。
≪終減速装置の作用、効果≫
終減速装置1によれば、次の作用効果を得る。
ドライブピニオンギヤ10は、後側の後テーパーローラーベアリング40と、前側の前テーパーローラーベアリング30とで、その両側で回転自在に支持された構成であるので、前側軸部13(背面側軸部)は、片持ち構造の従来技術よりも短くなる。したがって、ドライブピニオンギヤ10及びケース100を小型化し、軽量化できる。
次に潤滑油の作用について説明すると、車両が前進し、図5(a),(b)に示すように、中間シャフト3がP方向に回転すると、潤滑油が第2油孔5に掬われ第1油孔4に流入する。第1油孔4の潤滑油は、一部は第1油孔4の右端まで流れてデフケース310の内部に供給される。デフケース310の左ボス部312、右ボス部313の内周面にオイル案内溝301が形成されている場合には、これらの潤滑油供給と相まって十分な潤滑油がデフケース310内に供給される。また、第1油孔4の潤滑油の一部は、図6に示すように第3油孔6から後側軸部12に向けて飛散され、これにより後テーパーローラーベアリング40(図1)に潤滑油が供給される。
さらに、第3油孔6から飛散した潤滑油は第4軸方向油孔7に流入する。図1において、第4軸方向油孔7の潤滑油は、第4径方向油孔8を経由した分については、前テーパーローラーベアリング30と、第5油孔9を通って外クラッチ板231、内クラッチ板232とに供給され、前端から流出して第6油孔215を経由した分については、ラジアル軸受251に供給される。
以上、本発明の好適な実施形態を説明した。説明した実施形態では、第2油孔5、第3油孔6を1つずつとしたが、それぞれ複数形成してもよい。また、第2油孔5、第3油孔6を軸線O2の径方向に延びる孔として説明したが、第1油孔4と中間シャフト3の外周面とを連通する孔であれば、必ずしも径方向に沿って形成する必要はない。
1 終減速装置(動力伝達装置)
3 中間シャフト
4 第1油孔
5 第2油孔
6 第3油孔
7 第4軸方向油孔(第4油孔)
8 第4径方向油孔(第4油孔)
9 第5油孔
10 ドライブピニオンギヤ(第2傘歯車)
11 ピニオンギヤ(傘歯車本体)
12 後側軸部(歯面側軸部)
13 前側軸部(背面側軸部)
20 リングギヤ(第1傘歯車)
40 後テーパーローラーベアリング(第2軸受)
49 右後ドライブシャフト(ドライブシャフト)
50 スリーブ
52 外嵌部(一端部)
53 被挟持部(他端部)
54 ラジアル軸受(第3軸受)
57 潤滑油捕集部材
100 ケース
310 デフケース
322 ピニオンギヤ
323 サイドギヤ
340 右テーパーローラーベアリング(第1軸受)

Claims (6)

  1. 第1傘歯車と、
    前記第1傘歯車に噛合する傘歯車本体と、前記傘歯車本体の歯面側に形成された歯面側軸部と、前記傘歯車本体の背面側に形成された背面側軸部と、を有する第2傘歯車と、
    ピニオンギヤおよびサイドギヤを収容し、前記第1傘歯車と一体に回転するデフケースと、
    前記第1傘歯車、前記第2傘歯車および前記デフケースを収容し、底部に潤滑油が滞留されるケースと、
    一端部が第1軸受を介して前記デフケースを支持し、他端部が前記ケースに固定され、周壁部が第2軸受を介して前記歯面側軸部を支持する円筒状のスリーブと、
    第3軸受を介して前記スリーブに支持されて前記スリーブの内部に同軸に配され、一端部が前記サイドギヤに結合し、他端部がドライブシャフトに結合する中間シャフトと、
    を備え、
    前記中間シャフトに、前記デフケース側の端面で開口する第1油孔と、前記第1油孔と外周面とを連通し、前記スリーブの底部に滞留した潤滑油を掬う第2油孔とが形成されたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記スリーブの周壁部に、前記第2軸受が内嵌され、かつ前記歯面側軸部の端面が前記スリーブの内部に臨む貫通孔が形成され、
    前記中間シャフトに、平面視で前記貫通孔に指向するように、前記第1油孔と外周面とを連通する第3油孔が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記第2傘歯車に、前記歯面側軸部の端面と前記背面側軸部の外部とを連通する第4油孔が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記第2油孔は、その開口部が潤滑油面よりも下方に位置するように穿孔されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記第1油孔と前記第2油孔と前記第3油孔の各孔径がそれぞれ異なることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  6. 前記第2油孔の開口部に潤滑油捕集部材を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020106046A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 車両用駆動伝達装置
CN111795137A (zh) * 2020-07-17 2020-10-20 一汽解放汽车有限公司 一种变速器
DE102021102955A1 (de) 2021-02-09 2022-08-11 Audi Aktiengesellschaft Differential für einen Antriebsstrang eines Kraftfahrzeugs

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