JP2017133575A - 真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

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Yushi Arai
祐志 新井
越後屋 恒
Hisashi Echigoya
恒 越後屋
一輝 柏原
Kazuteru Kashiwabara
一輝 柏原
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Abstract

【課題】強度が高く取り扱い性の良いグラスウールシートを用いつつ、熱伝導率の良好な真空断熱材を提供する。
【解決手段】繊維集合体で形成される芯材51と、ガスを吸着する吸着剤と、前記芯材51を収納する外被材52と、を備えた真空断熱材において、前記芯材51は、湿式抄造方式によって得られる複数のグラスウールシートで形成し、短繊維54と長繊維53を合わせたグラスウールシートを用いる。これにより、グラスウールシートに配置した長繊維53がグラスウールシートの強度を強くすることができ、真空断熱材とするときの取扱い性だけでなく、性能を向上させることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は真空断熱材及び真空断熱材を適用した冷蔵庫に関するものである。
地球温暖化防止に対する社会の取り組みとして、COの排出抑制を図るため、様々な分野で省エネ化が推進されている。近年の電気製品、特に冷熱関連の家電製品においては消費電力量低減の観点から、真空断熱材を採用して断熱性能を強化したものが主流になっている。また、各種原材料から製品の製造工程に至るまでのあらゆるエネルギー消費量を抑制するため、原材料についてはリサイクル化の推進、製造工程においては燃料代や電気代の抑制等、省エネ化が推進されている。そのため、より断熱性能の高い断熱材が求められる他、製品に組込んだ真空断熱材が長期に割ったって性能を維持する長期寿命が求められ、また、真空断熱材を配置する場所においても、製品に組込むスペースが小さく、使用する用途に沿った形状の断熱材を用いることにより、断熱面積を大きくすることができる優れた真空断熱材が求められている。
そのため、限られた断熱面積に真空断熱材を配置するためには、寸法精度の高い真空断熱材が求められている。真空断熱材に用いられる芯材には火炎法または遠心法によって得られる乾式芯材と、乾式芯材を湿式抄造して得られる湿式芯材がある。真空断熱材の寸法精度を高く製造するためには、真空断熱材の芯材に用いるグラスウールを精度良くカットする必要があるため、密度が高く大気圧状態でも厚みの薄い湿式抄造で得られた芯材を用いられる。これは、湿式抄造で得られるグラスウールは密度を高いことから指定寸法にカットしやすく、カット後にも大気圧状態での厚み方向への復元が少ないことから寸法精度の良い芯材を得ることができるためである。
特開2007−239931号公報
特許文献1においては、湿式抄造方式によって得られたグラスウールシートを積層し、芯材として用いることで寸法精度の高い真空断熱材を得ている。真空断熱材の性能を向上させるために、芯材のグラスウール坪量(目付量)を小さくすることで水分除去効率を良くし熱伝導率向上を図っている。しかし、真空断熱材の芯材に目付量の小さい湿式抄造を用いた場合には、湿式抄造時において乾式グラスウールを溶液に入れ攪拌するため、繊維が分断され短くなってしまう。湿式芯材を真空断熱材とするときに繊維同士のからみが少ないことから、強度が弱く取り扱い性が困難という課題があった。そのため、湿式芯材を真空断熱材に用いた場合、湿式芯材のグラスウールシート層は薄いほど断熱方向の繊維が少なくなり真空断熱材の性能が向上するが、湿式抄造方式で得られるグラスウールシート層は、厚みを薄くするのが困難であるという課題があった。
本発明は、上述を鑑みてなされたものであり、強度が高く取り扱い性の良いグラスウールシートを用いつつ、熱伝導率の良好な真空断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、繊維集合体で形成される芯材と、ガスを吸着する吸着剤と、前記芯材を収納する外被材と、を備えた真空断熱材において、前記芯材は、湿式抄造方式で得られた複数のグラスウール層が用いられ、前記グラスウール層に短繊維だけでなく長繊維を含ませた。
本発明によれば、強度が高く取り扱い性の良い湿式グラスウールシートを得ることができる。また、このグラスウールシートを用いた真空断熱材は、断熱方向の繊維が少なくなり、真空断熱材の性能を向上させることができる。さらに、この真空断熱材を用いることで、箱体の熱漏洩を抑制した冷蔵庫を提供できる。
本発明の実施例及び比較例における冷蔵庫の正面図である。 本発明の実施例1を示す冷蔵庫の縦断面図(図1のA−A断面図)である。 本発明の実施例1を示す真空断熱材の概略断面図である。 本発明の実施例1を示す湿式芯材の製造概略図である。 本発明の実施例1を示す湿式芯材の上面図である。 本発明の実施例2を示す湿式芯材の断面図である。 本発明の実施例、比較例を示す表である。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は本実施形態を示す冷蔵庫の正面図であり、図2は図1のA−A断面図を示している。
図1に示す本実施形態を備えた冷蔵庫1は、図2に示すように、上から冷蔵室2、貯氷室3(と切替え室)、冷凍室4、野菜室5を有している。図1の符号は、上記各室の前面開口部を閉塞する扉であり、上からヒンジ10等を中心に回動する冷蔵室扉6a、6b、冷蔵室扉6a、6b以外は全て引き出し式の扉であり、貯氷室扉7aと上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9を配置する。これらの引き出し式扉6〜9は扉を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。各扉6〜9には冷蔵庫本体1と密閉するためのパッキン11を備え、各扉6〜9の室内側外周縁に取り付けられている。
また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために仕切断熱壁12を配置している。この仕切断熱壁12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため区画断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。下段冷凍室4と野菜室5の間には区画断熱するための仕切断熱壁14を設けており、仕切断熱壁12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、これまたスチロフォーム、或いは発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等で作られている。基本的に冷蔵、冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには仕切断熱壁を設置している。
尚、箱体20内には上から冷蔵室2、製氷室3a及び上段冷凍室3b、下段冷凍室4、野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a、6b、製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9に関しても回転による開閉、引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21と内箱22の間の空間に真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。真空断熱材50については図3で説明するが、後述する固定部材70、支持部材80等で固定支持されている。
また、冷蔵庫の冷蔵室2、冷凍室3a、4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a、4の背側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機30a、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
また、冷蔵庫の冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3b、冷凍室4と野菜室5を区画する断熱材として、それぞれ断熱仕切り12、14を配置し、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cで構成されている。この断熱仕切り12、14については硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cに限定するものではない。
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されており、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するため必然的に内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の断熱材23の厚さが薄くなってしまう。このため、凹部40の断熱材23中に真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保、強化している。本実施例では、真空断熱材50aを前述の庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材50aとしている。尚、前記カバー42は外部からのもらい火や何らかの原因で発火した場合等を考慮し鋼板製としている。
また、箱体20の背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に真空断熱材50dを配置している。
ここで、真空断熱材50について、図3を用いてその構成を説明する。真空断熱材50は、芯材51と、芯材51を被覆するガスバリヤ層を有する外被材52とで構成してある。外被材52は、真空断熱材50の両面に配置され、同じ大きさのラミネートフィルムの稜線から一定の幅の部分を熱溶着により貼り合わせた袋状で構成されている。なお、本実施例において、外被材52のラミネート構成については、ガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、本実施形態においては、表面保護層、ガスバリヤ層1、ガスバリヤ層2、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとしている。表面層は保護材の役割を持つ樹脂フィルムとし、ガスバリヤ層1は樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、ガスバリヤ層2は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、ガスバリヤ層1とガスバリヤ層2は金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。
具体的には、表面層を二軸延伸タイプのポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の各フィルム、ガスバリヤ層1をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ガスバリヤ層2をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリビニルアルコール樹脂フィルム、或いはアルミ箔とし、熱溶着層を未延伸タイプのポリエチレン、ポリプロピレン等の各フィルムとした。
この4層構成のラミネートフィルムの層構成や材料については特にこれらに限定するものではない。例えばガスバリヤ層1や2として、金属箔、或いは樹脂系のフィルムに無機層状化合物、ポリアクリル酸等の樹脂系ガスバリヤコート材、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等によるガスバリヤ膜を設けたものや、熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルム等を用いても良い。表面層についてはガスバリヤ層1の保護材であるが、真空断熱材の製造工程における真空排気効率を良くするためにも、好ましくは吸湿性の低い樹脂を配置するのが良い。また、通常ガスバリヤ層2に使用する金属箔以外の樹脂系フィルムは、吸湿することによってガスバリヤ性が著しく悪化してしまうため、熱溶着層についても吸湿性の低い樹脂を配置することで、ガスバリヤ性の悪化を抑制すると共に、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。
これにより、先に述べた真空断熱材50の真空排気工程においても、外被材53が持ち込む水分量を小さくできるため、真空排気効率が大幅に向上し、断熱性能の高性能化につながっている。尚、各フィルムのラミネート(貼り合せ)は、二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせるのが一般的であるが、接着剤の種類や貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではなく、ウェットラミネート法、サーマルラミネート法等の他の方法によるものでも何ら構わない。
(実施例1)
本発明の実施の形態1について図3から図5を参照しながら説明する。
図3は本発明の実施形態の冷蔵庫1に設けた真空断熱材50の断面図である。真空断熱材50は、芯材51を形成する繊維集合体のグラスウール繊維層と、この芯材51およびその中間に配置されガスを吸着する吸着剤(芯材51の中間層に配置しているが図示なし)を包む外被材52と、で構成されている。このように外被材52に芯材51を収納したものを、真空包装機によって芯材51を真空引きした状態のままで、外被材52をヒートシールすることで真空断熱材50とすることができる。
芯材51は、グラスウール繊維を湿式抄造方式でグラスウールシートとしたものを用いている。ここで、本実施例のグラスウール繊維は、火炎法あるいは遠心法で得られるグラスウール繊維を用いている。
本実施例においては、芯材51に繊維径3〜5μmの繊維を用いているが、繊維径0.1〜10μmの繊維を用いても良い。繊維が細くなるほど、繊維間の空間が多くなり空隙率が増加することで、真空断熱材としたときに、熱伝導率を低減できる。また、繊維径が細いほど繊維の目付ばらつきを低減できることから、真空断熱材としたときの表面性を良くすることができる。しかし、繊維径が細くなるほど、繊維同士のからみが弱くなり、グラスウールシートとしての強度が弱くなることから、グラスウールの繊維径は、好ましくは2〜6μm、更に好ましくは3〜5μmとしている。
また、本実施例のグラスウールシートに用いられる繊維は、繊維長約3mm〜50mmの繊維を用いているが、繊維長1〜300mmの繊維を用いることもできる。繊維長においては、繊維長が短いほど、真空断熱材としたときに、目付ばらつきを低減できる。一方、繊維長が短いと、真空断熱材としたときに、断熱方向に芯材が向いてしまい、断熱方向に向いた繊維から熱が伝わり断熱性能が低下するため、熱伝導率が低下してしまう。また、繊維長が短いと、繊維同士のからみが無くなり、グラスウールシートの強度が低下してしまう。このことから、5〜100mmの繊維長とすることが好ましく、さらに好ましくは10〜100mmとする方が良い。
次に湿式抄造方式について図4を用いて説明する。
図4は芯材を作るための湿式方式の漉く設備の概要を示している。湿式抄造によれば、繊維を分散させる分散液61に繊維を入れて攪拌したものを、網目状の板62等で漉くことで、網目から落ちずに残った繊維からシート状の繊維層を得ることができる。漉いたシート状繊維層をローラプレス63と吸引器64を通過させることで水分を除去し、芯材51となるグラスウールシート層を得ることができる。分散液61を用いる理由としては、繊維集合体のグラスウールを分散液61に入れて攪拌することで、繊維間に分散液61に含まれる分散剤が付着し、繊維同士が反発し合うことで溶液内に繊維を分散させることができるためである。分散液61は水に分散剤を混ぜたものを用いているが、分散液61の水に分散剤を用いないと、繊維同士がばらけずに網目状の板62で漉くと玉状になってしまう。そのため、分散液61に分散剤を入れることが必要である。本実施例における分散剤は硫酸を用いており、分散液61の硫酸濃度はPH2〜3に調整している。なお、分散剤に硫酸を用いているが、これに限定するものではない。酸性の分散剤としては硫酸の他に、硝酸や乳酸等があり、これらを分散剤として用いても繊維を分散させることができる。
分散液61に用いることの可能な硫酸や硝酸は、強酸であるため安全性の面で不安があるが、本実施例における硫酸濃度はPH2〜3に調整しているため、硫酸の濃度は実質0.2〜0.3wt%程度と非常に薄い濃度となっている。硫酸のPHを酸性にして濃度を高くするほど、繊維を分散液61に入れたときの分散性は良くなるが、硫酸を入れた分散液61のPH1とPH2を比較しても分散性に大きな差は見られないことから、分散液61のPHは取扱い性も考慮したPH2〜3とすることが好ましい。また、分散液61のPHをPH4以上としても分散性があることから、安全性を考慮して硫酸の濃度を低くして使用することもできる。より安全性を考慮した酸性の分散剤としては、ビタミンCとして知られるアスコルビン酸がある。アスコルビン酸はビタミンCとして食品にも用いられることから、安全性においては問題なく使用することができ、アスコルビン酸を分散剤として用いても繊維を十分に分散させることができる。
また、アルカリ性の分散剤や中性分散剤、或いは、樹脂系分散剤を用いても分散させることができる。たとえば、アルカリ性分散剤としては水酸化ナトリウム、中性ではエタノール等でも分散させることができる。樹脂系分散剤としてはポリビニルアルコール等があげられる。樹脂系分散剤にポリビニルアルコールを用いることができる理由は、親水性であるため容易に水に溶かすことができるからである。そのため、ポリビニルアルコールを用いると、分散液61を製造しやすいという利点がある。ただし、樹脂系分散剤を用いた場合、分散液61を長期間保存すると、微生物やカビが発生し腐敗する虞があることから、防腐剤や防カビ剤を添加する必要がある。また、分散液61に繊維を投入後攪拌を行うことから、攪拌時に発泡する虞もある。そのため、発泡を発生させないために消泡剤を添加することが好ましい。
分散液61に硫酸を用いている理由として、濃度管理がしやすいことも挙げられる。分散液61に繊維を入れ生産をつづけると、液の蒸発、漉き後にグラスシートに分散剤が付着し、分散液61の分散剤濃度が変わってきてしまう。そこで、硫酸を用いると、PHで濃度を管理できることから、PH測定で容易に濃度管理ができる。また、アルカリ性分散剤も同様にPHで測定できる。一方、樹脂系分散剤においては、PHが変わらないものがありPHでの管理はできない。そこで、光度計を用いることで分散液61の分散剤濃度を測定することが可能である。
上記で得られた分散液61に、火炎法または遠心法によって得られたグラスウール繊維を投入して、攪拌を行う。本実施例においては、ガラスのグラスウール繊維を用いているが、これに限定するものではなく、ロックウールや樹脂繊維を用いることも可能である。繊維を分散する条件は、50Lの分散液61の中に1層の目付量を50g/m2とするためグラスウール繊維7gを投入し、プロペラ状の攪拌機用い回転速度2000rpmで15分攪拌することで繊維を分散させることができる。プロペラ形状、攪拌速度、攪拌時間、分散液61量と投入繊維量によって、攪拌後の繊維分散が異なってくる。また、攪拌時間を長くすることにより繊維分散をよくできるが、攪拌時間を長くするほど、繊維が分断され漉いた後の繊維強度が低下してしまう。これにより得られた、繊維を分散させた分散液61を、285mm×485mmの網状の板に通過させることで、板に繊維が残りグラスウールシートを得ることができる。このときに、網状の板に長繊維53を配置しておくことで、図5と図6に示すような分散した繊維(短繊維54)が長繊維53と絡み合いながら、上面に配置できる。長繊維53は、グラスウール寸法の端から端まで配置されるような繊維長を有しており、繊維径4〜5μmの複数の繊維が束となったものを用いている。
これにより得られたグラスウールシートは、強度が強く取扱い性の良いシートとなる。網状の板に配置した長繊維53は互いにほぼ平行に複数配置しており、長繊維53の間隔は10mm設けている。長繊維53の間隔は短いほどグラスウールシートの強度も高くすることができる。ただし、長繊維53と長繊維53との間が短くなるほど網状の板の穴が塞がれてしまうため、繊維を分散させた分散液61を通過させるときに液が通過し難くなってしまう。そのため、長繊維53の間隔は網状の板の穴よりも大きくする方が好ましく、1mm以上間隔がある方が好ましい。分散液61が一定の箇所で通過しに難くなると、分散液61は抵抗の少ない通過しやすい場所から通過してしまい、よって分散液61の通過が多い場所ほど繊維が多くなり凹凸状のグラスウールシートとなってしまう。長繊維53を網状の板に配置して分散液61を通過させることにより、グラスウールシートの強度を高くできることから、グラスウールシートの単位面積あたりの重量が50g/mとしても十分に強度を得ることが可能である。
引張強度は、グラスウールシートを50mm×200mmにカットしたものを10枚重ね、引張試験機で100mm/minで引張り試験を行ったときの最大引張り強度としている。以上により得られたグラスウールシートは、引張り試験強度が比較例1の引張り強度100に対して74の引張り強度を得ることができた。つまり、比較例1の条件で目付量を120g/mから50g/mとしたときには引張強度が100から12へと低下したのに対し、本実施例のように長繊維53を配置することで引張強度の低下を抑制できた。これは、長繊維53がグラスウールシートに配置されることにより、繊維が引張られても長繊維53と繊維が絡みつき強度を向上させることができるためである。また、これにより得られたグラスウールシートを、長繊維53の方向が交互となるように積層し、外被材52で包み真空引きをして真空断熱材50としている。グラスウールシートの長繊維53の方向が縦と横に層ごとで交互に配置することで、真空断熱材50の断熱方向と格子状になることから、熱伝達を低減できる。その結果、真空断熱材50の熱伝導率は、比較例1を100としたときに92と良好な値を得ることができた。これは、真空断熱材に用いられるグラスウールの積層数を増やすことにより、断熱方向へ向いている繊維が少なくなり、熱の伝わりが少なくなるためである。
(実施例2)
実施例2では、芯材51に繊維径3〜5μmの繊維を用い、繊維長は約3mm〜50mmの繊維を用いている。分散剤は硫酸を用いており、分散液61の硫酸濃度はPH2〜3に調整している。繊維を分散する条件は、50Lの分散液61の中に1層の目付量を120g/m2とするためグラスウール繊維17gを投入し、プロペラ状の攪拌機を用い回転速度2000rpmで15分攪拌することで繊維を分散させることができる。これにより得られた、繊維を分散させた分散液61を、285mm×485mmの網状の板に通過させることで、板に繊維が残りグラスウールシートを得ることができる。このときに、網状の板に長繊維53を配置しておくことで、分散した繊維が長繊維53と絡み合いながら、上面に配置できる。これにより得られたグラスウールシートは、強度が強く取扱い性の良いシートとなる。網状の板に配置した長繊維53は複数配置しており、長繊維53との間は10mm設けている。
以上により得られたグラスウールシートは、引張り試験強度が比較例1の引張り強度100に対して127の引張り強度を得ることができた。このように、ベースとなる繊維長3mm〜50mmの短繊維54に加えて、長繊維53がグラスウールシートに配置されることにより、繊維が引張られても長繊維53と繊維が絡みつき強度を向上させることができる。また、これにより得られたグラスウールシートを積層し、外被材52で包み真空引きをして真空断熱材50としたときの熱伝導率は、比較例1を100としたときに96と同等の値を得ることができた。
(比較例1)
比較例1では、芯材51に繊維径3〜5μmの繊維を用い、繊維長は約3mm〜50mmの繊維を用いている。分散剤は硫酸を用いており、分散液61の硫酸濃度はPH2〜3に調整している。繊維を分散する条件は、50Lの分散液61の中に1層の目付量を120g/m2とするためグラスウール繊維17gを投入し、プロペラ状の攪拌機を用い回転速度2000rpmで15分攪拌することで繊維を分散させることができる。これにより得られた、繊維を分散させた分散液61を、285mm×485mmの網状の板に通過させることで、板に繊維が残りグラスウールシートを得ることができる。以上により得られたグラスウールシートの引張り試験強度を100としている。
(比較例2)
比較例2では、芯材51に繊維径3〜5μmの繊維を用い、繊維長は約3mm〜50mmの繊維を用いている。分散剤は硫酸を用いており、分散液61の硫酸濃度はPH2〜3に調整している。繊維を分散する条件は、50Lの分散液61の中に1層の目付量を120g/m2とするためグラスウール繊維7gを投入し、プロペラ状の攪拌機を用い回転速度2000rpmで15分攪拌することで繊維を分散させることができる。これにより得られた、繊維を分散させた分散液61を、285mm×485mmの網状の板に通過させることで、板に繊維が残りグラスウールシートを得ることができる。以上により得られたグラスウールシートの引張り試験強度は比較例1に対し、12と引張強度が低い値であった。また、引張強度が低く、取扱い性が困難なため真空断熱材50とすることもできない。
1 冷蔵庫 2 冷蔵室 3a 製氷室
3b 上段冷凍室 4 下段冷凍室 5 野菜室
6a 冷蔵室扉 6b 冷蔵室扉 7a 製氷室扉
7b 上段冷凍室扉 8 下段冷凍室扉 9 野菜室扉
10 扉用ヒンジ 11 パッキン
12,14 断熱仕切り 13 仕切り部材
20 箱体 21 外箱 21a 天板
21b 後板 21d 底板 21e 側面
21f 前面 22 内箱23 断熱材
23a 注入方向 23b 発泡方向 25 注入孔
27 送風機 28 冷却器 30 圧縮機
31 凝縮機 33 発泡ポリスチレン 40 凹部
41 電気部品 42 カバー
50 真空断熱材 51 芯材 52 外被材
53 長繊維 54 短繊維
61 分散液 62 網目状の板 63 ローラプレス
64 吸引器

Claims (5)

  1. 繊維集合体で形成される芯材と、ガスを吸着する吸着剤と、前記芯材を収納する外被材と、を備えた真空断熱材において、前記芯材は、湿式抄造方式で得られた複数のグラスウール層が用いられ、前記グラスウール層に短繊維と長繊維が含まれることを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1記載の真空断熱材において、前記グラスウール層に含まれる前記長繊維の繊維長が、前記グラスウール層の寸法の端から端までの長さ以上であることを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項1または2記載の真空断熱材において、前記グラスウール層に含まれる複数の前記長繊維が、互いに平行に配置されることを特徴とする真空断熱材。
  4. 請求項1記載の真空断熱材において、前記グラスウール層の前記長繊維方向が縦と横に層ごとで交互に配置されていることを特徴とする真空断熱材。
  5. 繊維集合体で形成される芯材と、前記芯材を収納する外被材と、を備えた真空断熱材を用いた冷蔵庫において、前記芯材が湿式抄造方式で得られた複数のグラスウール層が用いられ、前記グラスウール層に、5mm〜100mmの繊維長を有する繊維と、少なくとも前記グラスウール層の寸法の端から端までの繊維長を有する繊維と、が含まれることを特徴とする冷蔵庫。
JP2016012928A 2016-01-27 2016-01-27 真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫 Pending JP2017133575A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107631129A (zh) * 2017-10-31 2018-01-26 湖南国盛石墨科技有限公司 一种连续式石墨石棉板材生产用物料混碾输送***

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CN107631129A (zh) * 2017-10-31 2018-01-26 湖南国盛石墨科技有限公司 一种连续式石墨石棉板材生产用物料混碾输送***

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