JP2017133400A - 車両の停止維持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アイドルストップ装置2と、DSC装置4と、ブレーキペダル10の踏込操作に応じたブレーキ液圧Pbが閾値t1を超えたときにアイドルストップ装置2を作動させてエンジン7を停止すると共にブレーキ液圧Pbが閾値t3を超えたときにDSC装置4を作動させてホートホールド制御を実行するECU6と、DSC装置4を介したオートホールド制御を許可する許可モードと許可しない禁止モードとを切り替え可能なオートホールドスイッチ60とを有し、ECU6は、DSC装置4を介したオートホールド制御が許可モードのとき、閾値t1に代えて閾値t1よりも低い閾値t2を設定するように構成される。
【選択図】 図2
Description
また、車両の停止状態が検出されたとき、アンチロックブレーキシステム(ABS)やダイナミックスタビリティコントロールシステム(DSC)に代表される制動力制御装置を作動させることによって、乗員によるブレーキペダルの踏込操作に伴う負荷を軽減する技術が提案されている。
このような自動停止再始動機構を備えた車両では、走行時、信号待ち等の車両の停止状態が検出されたときには、エンジンへの燃料供給を停止してエンジンを停止させ、アクセルペダルの踏込操作が検出されたときには、エンジンへの燃料供給を開始してエンジンを再始動させるように制御している。
特に、アイドルストップ中、乗員によるブレーキペダルの踏力変動及びエンジン再始動時に発生するトルク変動が生じた場合、保持されているブレーキ液圧によっては、乗員が予測することができない車両の飛び出しが懸念されるため、ブレーキ液圧のアイドルストップ実行閾値を高い値に設定し、車両の停止状態維持に必要な制動力を確保している。
それ故、安全性の観点から、運転領域全般に対して限られた作動領域でしかアイドルストップ制御を実行することができず、十分な燃費改善効果を期待することができない。
しかし、ブレーキ液圧のアイドルストップ実行閾値についての検討が成されていないことから、アイドルストップ制御を実行可能な作動領域を拡大することは不可能であり、燃費改善効果に関して改善の余地が存在している。
この構成によれば、エンジン再始動時からの車両の発進特性を高くすることができる。
この構成によれば、車両の不測の飛び出しを防止することができる。
この構成によれば、乗員の発進意思に適合した車両の発進特性を得ることができる。
以下の説明は、本発明を車両の停止維持装置に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
本発明の車両Vには、停止維持装置1が搭載されている。
図1,図2に示すように、停止維持装置1は、アイドルストップ装置2(自動停止再始動機構)と、フットブレーキ装置3と、DSC(Dynamic Stability Control System)装置4(制動力制御機構)と、EPB(Electric Parking Brake)装置5と、ECU(Electronic Control Unit)6(制御手段)等を備えている。
アイドルストップ装置2は、エンジン7の駆動トルクが駆動輪に伝達可能な状態で車両Vの運転状態に応じてエンジン7を自動停止再始動可能に構成されている。
図2に示すように、アイドルストップ装置2は、Eng制御部6aと、エンジン7等によって構成されている。
このエンジン7は、Eng制御部6aからエンジン停止実行指令を受信したとき、燃料噴射を停止し、エンジン再始動実行指令を受信したとき、再始動動作を実行する。
自動変速機8は、各センサからの入力信号を受けて、エンジン7から入力された駆動力を走行状態及び乗員が選択したシフトレンジに応じて所定のトルク及び回転数に変換し、ギアトレイン及び差動装置(何れも図示略)を介して駆動輪に伝達している。
Eng制御部6aは、エンジン回転速度センサ57からの入力信号を受けて、エンジン再始動時、セルモータ(図示略)によって回転駆動されるクランキング状態と、エンジン7の駆動力がハンチングしている不安定状態を経て駆動力が安定した駆動力安定状態とを夫々判定可能に構成されている。
このEng制御部6aは、過去実行されたエンジン再始動からクランキング完了状態及び駆動力安定状態までの夫々の移動平均によって求めた時間をクランキング完了状態判定用時間及び駆動力安定状態判定用時間として予め保有し、エンジン7の再始動時、エンジン再始動からの経過時間によってクランキング完了状態及び駆動力安定状態を夫々判定している。
フットブレーキ装置3は、ブレーキペダル10の踏込操作に応じて加圧されたブレーキ液(以下、ブレーキ液圧Pbという)を前後2対の液圧ブレーキ機構20に供給して前後2対の車輪11を制動可能に構成されている。
図1,図3に示すように、フットブレーキ装置3は、ブレーキペダル10と、マスタシリンダ12と、ブースタ13と、液圧ブレーキ機構20等を備えている。
ブースタ13は、ブレーキペダル10に連動して軸方向に移動可能な可動壁(図示略)を有し、この可動壁によって区画された負圧室と大気室との差圧を利用してブレーキペダル10の踏込み力を倍力している。車輪11に夫々設けられた液圧ブレーキ機構20は、管路27によってマスタシリンダ12に接続され、乗員によるブレーキペダル10の踏込操作に応じて各車輪11に制動力を付与している。
乗員がブレーキペダル10を踏込操作すると、ブレーキ液圧が管路27を流れてシリンダ孔23aに供給され、ピストン26を軸心方向外側に向けて前進させる。
これに伴いインナ側ブレーキパッド25がロータディスク21の内側に押し付けられ、この反力により、キャリパ本体23が内側に移動し、アウタ側ブレーキパッド24がロータディスク21の外側に押し付けられる。以上により、フットブレーキ装置3の制動力を発生させている。
DSC装置4は、ブレーキペダル10の踏込操作と独立して車輪11を制動可能に構成され、DSC制御やABS制御のような姿勢制御機能に加えて、車両Vの停止状態を維持するオートホールド制御を実行可能に構成されている。
また、このDSC装置4は、オートホールド実行条件が成立していると判定されたときにオートホールド制御を開始し、オートホールド解除条件が成立するまで車両Vの停止状態を継続して維持するように形成されている。
図2に示すように、DSC装置4は、DSC制御部6bと、加圧ユニット30(加圧手段)等によって構成されている。
また、DSC制御部6bは、各センサからの入力信号を受けて、各車輪11のホイールロックを防止するためにABS制御を実行する。具体的には、DSC制御部6bは、車輪速センサ56の検出信号に基づき、各車輪11のスリップ率を算出し、算出したスリップ率が所定の閾値を超えた車輪11を検出したとき、加圧ユニット30の作動を制御して該当する車輪11に作用する制動力を低下させてホイールロックを防止している。
液圧ポンプ31は、管路27から分岐された第1分岐路27aに配置され、電動モータを駆動源とした電動式ポンプによって構成されている。この液圧ポンプ31は、エンジン運転中はオルタネータから電力供給を受け、エンジン停止中は車載バッテリ(図示略)から電力供給を受け、DSC制御部6bによって制御されている。
加圧用バルブ32は、液圧ポンプ31と管路27の間において第1分岐路27aに配置され、リターン用バルブ33は、管路27から分岐された第2分岐路27bに配置されている。バルブ32,33は、電磁開閉バルブによって構成され、DSC制御部6bにより制御されている。
EPB装置5は、ブレーキペダル10の踏込操作と独立して駆動され、所定の条件が成立したときに車両Vの停止状態を維持するオートパーキング制御を実行するように形成されている。
図2に示すように、EPB装置5は、EPB制御部6cと、電動ブレーキ機構40等によって構成されている。
ピストン41の内端側部分には雄ねじ部41aが形成され、この雄ねじ部41aと円環状部材42の内面部に形成された雌ねじ部42aとが螺合されている。円環状部材42の外面部にはギヤ面部42bが形成され、電動モータ43の駆動軸に一体回転可能に取り付けられたピニオン44と螺合されている。これにより、電動モータ43を駆動することで、円環状部材42が回転駆動され、ピストン41を軸心方向に対して進退移動させている。
ECU6は、CPU(Central Processing Unit)と、ROMと、RAMと、イン側インタフェースと、アウト側インタフェース等によって構成されている。
ROMには、制動力制御するための種々のプログラムやデータが格納され、RAMには、CPUが一連の処理を行う際に使用される処理領域が設けられている。
ECU6は、エンジン7の自動停止再始動、オートホールド及びオートパーキング可能に構成され、ブレーキペダル10の踏込操作に応じたブレーキ液圧Pbがアイドルストップ実行閾値t1を超えたときにアイドルストップ装置2を作動させてエンジン7を停止させ、オートホールドスイッチ60がオン操作された許可モードのとき、閾値t1に代えて閾値t1よりも低い閾値t2を設定するように形成されている。
エンジン回転速度センサ57は、エンジンの回転速度(回転数)に応じた信号を出力し、勾配センサ58は、車両Vが停車している路面の傾斜角度に応じた信号を出力し、ブレーキ液圧センサ34は、管路27内のブレーキ液圧に応じた信号を出力する。
シフトポジションセンサ61は、乗員によって選択されたシフトレンジを検出して検出信号を出力し、イグニッションスイッチ62は、イグニッションスイッチのオンオフ状態を検出して検出信号を出力する。
オートホールドスイッチ60は、乗員によって切替操作されたときのみHレベルの信号が出力され、それ以外のときはLレベルの信号が出力されるモーメンタリ式切替スイッチによって構成されている。オフ状態に操作された禁止モードのとき、乗員がオートホールドスイッチ60をオン状態に切替操作した場合、オートホールド制御の実行を許可する許可モードが設定され、オン状態に操作された許可モードのとき、乗員がオートホールドスイッチ60をオフ状態に切替操作した場合、オートホールド制御の実行を禁止する禁止モードが設定される。
Eng制御部6aは、ECU6に予め記憶されたマップMに基づいて、オートホールドスイッチ60がオン状態である許可モードとオフ状態である禁止モードとでエンジン停止条件及びエンジン再始動条件を変更するように構成されている。
図4に示すように、マップMには、ブレーキペダル10の踏力Fとこの踏力Fに対応したブレーキ液圧Pbとが規定され、アイドルストップ実行閾値t1(第1閾値),t2(第2閾値)及びオートホールド実行閾値t3(第3閾値)が夫々設定されている(t3<t2<t1)。
閾値t3は、乗員による車両Vの停止意思を反映した踏力F3に対応し、閾値t2は、踏力F3の停止意思よりも強い停止意思を反映した踏力F2に対応し、閾値t1は、踏力F2よりも大きい踏力F1に対応するように設定されている。これら踏力F1〜F3は、乗員が意識的に夫々踏み分け可能な踏力値である。
オートホールドスイッチ60がオン状態である許可モードのとき、エンジン停止条件はブレーキ液圧Pbが踏力F2に対応する閾値t2を超えることであり、エンジン再始動条件はギヤイン状態でアクセルペダル14の踏込操作である。
尚、本実施例では、ブレーキ液圧Pbのみをエンジン停止条件としたが、ブレーキ液圧Pbの他に車速、アクセル開度、バッテリ電圧、シフトレンジ等の判定条件を選択的に加え、全ての条件が成立したとき、エンジン停止を実行させても良い。
そして、DSC制御部6bは、オートホールド実行時、乗員によるブレーキペダル10の踏力Fに応じたブレーキ液圧Pbを継続的に保持するように加圧ユニット30を制御し、オートホールド解除時、保持されているブレーキ液圧Pbを所定の開放速度で開放するように加圧ユニット30を制御している。
このEPB制御部6cは、パーキングスイッチ59のオン信号又はオートパーキング制御の実行信号に基づき、電動ブレーキ機構40の車輪制動力を所定の荷重になるように制御している。
図5のフローチャートに示すように、停止維持制御処理では、まず、S1にて、各センサの検出値や閾値t1〜t3等の情報を読み込み、S2へ移行する。
S2では、フラグf1〜f3が何れも初期値0か否か判定している。
尚、フラグf1は、アイドルストップ制御及びオートホールド制御の実行で1が設定され、フラグf2は、オートホールド制御のみの実行で1が設定され、フラグf3は、アイドルストップ制御のみの実行で1が設定される。
S3の判定の結果、車両Vが停止状態の場合、S4に移行して、ブレーキ液圧Pbが閾値t3を超えているか否か判定する。これにより、乗員による車両Vの停止意思を判定している。S3の判定の結果、車両Vが停止状態ではない場合、リターンする。
S4の判定の結果、ブレーキ液圧Pbが閾値t3以下の場合、リターンする。
S5の判定の結果、乗員によってオートホールドスイッチ60がオン操作された場合、オートホールド実行条件が成立しているため、S6に移行して、オートホールド制御を実行する。
S7の判定の結果、ブレーキ液圧Pbが閾値t2を超えている場合、S8に移行して、フラグf1を1に設定した後、エンジン7が停止され(S9)、リターンする。
S7の判定の結果、ブレーキ液圧Pbが閾値t2以下の場合、乗員による強い停止意思を反映した踏力ではないため、フラグf2を1に設定した後(S10)、エンジン7を停止することなく、リターンする。これにより、例えば、右折時、高い発進特性を得ることができる。
S11の判定の結果、ブレーキ液圧Pbが閾値t1を超えている場合、オートホールド制御が実行されていないため、フラグf3を1に設定した後(S12)、S9に移行してエンジン7を停止する。これにより、禁止モードのアイドルストップであっても、車両Vの不測の飛び出しを回避でき、高い安全性を確保することができる。
まず、S21にて、ブレーキペダル10が踏戻操作されたか否か判定する。
S21の判定の結果、ブレーキペダル10が踏戻操作された場合、S22に移行し、フラグf3が1に設定されているか否か判定する。
S21の判定の結果、ブレーキペダル10が踏戻操作されていない場合、終了する。
次に、S24に移行し、フラグf3を0に設定し、終了する。
S25の判定の結果、アクセルペダル14が踏込操作された場合、S26に移行し、フラグf2が1に設定されているか否か判定する。
S26の判定の結果、フラグf2が1に設定されている場合、オートホールドのみが実行中で且つオートホールド解除条件が成立しているため、フラグf2を0に設定し(S27)、オートホールドを解除した後(S28)、終了する。
S29の判定の結果、Dレンジ又はRレンジが選択されている場合、許可モードのアイドルストップにおけるエンジン7の再始動条件が成立しているため、S30に移行し、エンジン7が停止中か否か判定する。
S30の判定の結果、エンジン7が停止中の場合、S31に移行し、エンジン7を再始動させる。
S32の判定の結果、駆動力安定状態の場合、オートホールド解除条件が成立しているため、フラグf1を0に設定し(S33)、S28に移行する。
S30の判定の結果、エンジン7が停止中ではない場合、既にエンジン7を再始動して駆動力安定を待っている状態であるため、S32に移行する。
S25の判定の結果、アクセルペダル14が踏込操作されていない場合、S29の判定の結果、Dレンジ又はRレンジが選択されていない場合、S32の判定の結果、駆動力安定状態ではない場合、終了する。
本停止維持装置1によれば、ECU6は、DSC装置4が許可モードのとき、閾値t1に代えて閾値t1よりも低い閾値t2を設定するため、乗員によるブレーキペダル10の踏込操作と独立してブレーキ液圧Pbを保持することができ、車両Vの停止状態維持機能を確保しつつアイドルストップ装置2のアイドルストップ作動領域を拡大することができ、燃費改善効果を高くすることができる。
1〕前記実施形態においては、アイドルストップ制御を標準的に実行する車両を例に説明したが、オートホールド制御を許可モードと禁止モードに選択的に切り替えるオートホールドスイッチと同様に、アイドルストップ制御を許可モードと禁止モードに選択的に切り替えるアイドルストップスイッチを設けても良い。
例えば、ブレーキペダル10の踏込速度が速い程、閾値t2を大きくなるように設定することで、一層発進特性を高くすることができる。ブレーキペダル10の踏込速度が速い程、閾値t2を小さくなるように設定することで、一層燃費改善を図ることができる。
また、路面の勾配によって、閾値t2を変動値としても良い。
具体的には、前下り停車の場合、勾配が大きい程、閾値t2を大きくなるように設定することで、飛び出しを回避し、安全性を高めることができる。
また、加圧ユニットとDSC制御部とを一体化形成し、第1停止モードの実行指令をECUから加圧ユニットに直接出力することも可能である。
1 停止維持装置
2 アイドルストップ装置
4 DSC装置
6 ECU
6a Eng制御部
10 ブレーキペダル
11 車輪
14 アクセルペダル
52 アクセルセンサ
60 オートホールドスイッチ
61 シフトポジションセンサ
Pb ブレーキ液圧
t1〜t3 閾値
Claims (4)
- エンジンの駆動トルクが駆動輪に伝達可能な状態で車両の運転状態に応じてエンジンを自動停止・自動再始動可能な自動停止再始動機構と、ブレーキ液圧を制御して車輪を制動可能で且つブレーキペダルの操作に応じてブレーキ液圧を保持する制動力制御機構と、前記ブレーキペダルの踏込操作に応じたブレーキ液圧が第1閾値を超えたときに前記自動停止再始動機構を作動させてエンジンを停止する制御手段とを備えた車両の停止維持装置において、
前記制動力制御機構の作動を許可する許可モードと許可しない禁止モードとを切り替え可能な切替手段を有し、
前記制御手段は、前記制動力制御機構が許可モードのとき、前記第1閾値に代えて第1閾値よりも低い第2閾値を設定することを特徴とする車両の停止維持装置。 - エンジンの駆動トルクが駆動輪に伝達可能なギヤイン状態を検出するギヤイン状態検出手段と、
アクセルペダルの踏込操作を検出するアクセルペダル操作検出手段とを有し、
前記制御手段は、ギヤイン状態で且つアクセルペダルの踏込操作が検出されたときに前記自動停止再始動機構を介してエンジンを再始動させることを特徴とする請求項1に記載の車両の停止維持装置。 - 前記エンジンの駆動力の安定状態を判定可能な駆動力状態判定手段を有し、
前記制御手段は、駆動力安定状態で且つアクセルペダルの踏込操作が検出されたときに前記制動力制御機構を介して前記ブレーキ液圧を開放することを特徴とする請求項2に記載の車両の停止維持装置。 - 前記制動力制御機構は、ブレーキペダルの踏込操作に応じたブレーキ液圧が前記第2閾値よりも低く設定された第3閾値を超えたときにブレーキ液圧を保持することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の停止維持装置。
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