本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は部品実装機10の斜視図、図2はヘッド18の斜視図、図3はマークカメラ34とノズル40との位置関係を模式的に示す説明図、図4はコントローラ38の電気的接続を示す説明図、図5はリール70の斜視図である。なお、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、図1に示した通りとする。
部品実装機10は、図1に示すように、基板搬送装置12と、ヘッド18と、マークカメラ34と、パーツカメラ36と、各種制御を実行するコントローラ38と、リールユニット50とを備えている。
基板搬送装置12は、左右一対の支持板14,14にそれぞれ取り付けられたコンベアベルト16,16(図1では片方のみ図示)により基板Sを左から右へと搬送する。また、基板搬送装置12は、基板Sの下方に配置された支持ピン17により基板Sを下から持ち上げて支持板14,14の屋根部に押し当てることで基板Sを固定し、支持ピン17を下降させることで基板Sの固定を解除する。
ヘッド18は、X軸スライダ20の前面に着脱可能に取り付けられている。X軸スライダ20は、Y軸スライダ24の前面に設けられた左右方向(X軸方向)に延びるガイドレール22,22にスライド可能に取り付けられている。Y軸スライダ24は、前後方向(Y軸方向)に延びるガイドレール26,26にスライド可能に取り付けられている。そのため、ヘッド18は、X軸スライダ20がX軸方向に移動するのに伴ってX軸方向に移動し、Y軸スライダ24がY軸方向に移動するのに伴ってY軸方向に移動する。ヘッド18は、部品を吸着するノズル40を複数本(ここでは8本)有するオートツール42を備えている。図2及び図3に示すように、ノズル40は、オートツール42の円筒体の円周に沿って等間隔(ここでは45°)おきに設けられている。ノズル40は、上下に延びるスリーブ41の中を摺動するように構成され、図示しないバネによって通常は所定の上方位置(図2の実線参照)に位置決めされている。ノズル40は、圧力を利用して、ノズル先端に部品を吸着したり、ノズル先端に吸着している部品を放したりするものである。オートツール42は、ノズル作動機構44を備えている。ノズル作動機構44は、オートツール42の円筒体を軸回転させることでノズル40を公転させる機能やノズル40自身を自転させる機能、所定のノズル昇降位置40pに位置決めされたノズル40をZ軸方向に押下する機能、ノズル40の先端の圧力を調整する機能などを有している。複数のノズル40は、オートツール42の円筒体が45°回転するごとに、順次、ノズル昇降位置40pに位置決めされる。ノズル昇降位置40pに位置決めされたノズル40は、ノズル作動機構44に押下されると上方位置から下方位置(図2の点線)まで下降する。また、下降したノズル40は、ノズル作動機構44による押下が解除されると、図示しないバネによって元の上方位置に戻る。オートツール42は、必要に応じて別のオートツール(例えば4本のノズルを備えたオートツールや12本のノズルを備えたオートツール)に交換される。
マークカメラ34は、X軸スライダ20の下端に、撮像方向が基板Sに対向する向きとなるように設置されている。そのため、マークカメラ34は、ヘッド18がXY方向に移動するのに伴って移動する。図3に示すように、マークカメラ34とオートツール42のノズル昇降位置40pに位置決めされたノズル40とは、X軸方向に並んでおり、ここではマークカメラ34がノズル昇降位置40pに位置決めされたノズル40の右側に設けられている。このマークカメラ34は、基板Sに設けられた図示しない基板位置決め用の基準マークを撮像したり、フィーダ60によって所定の部品取り出し位置60p(図4参照)に繰り出された部品Pを撮像したりする。マークカメラ34とノズル昇降位置40pに位置決めされたノズル40との間隔は、後述するスロット間距離Dの整数倍(ここでは2倍)である。
パーツカメラ36は、リールユニット50と基板搬送装置12との間であって左右方向の長さの略中央にて、撮像方向が上向きとなるように設置されている。このパーツカメラ36は、その上方を通過するノズル40に吸着された部品を撮像する。
コントローラ38は、図4に示すように、CPU38aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶するROM38b、各種データを記憶するHDD38c、作業領域として用いられるRAM38dなどを備えている。また、コントローラ38には、マウスやキーボードなどの入力装置38e、液晶ディスプレイなどの表示装置38fが接続されている。このコントローラ38は、フィーダ60に内蔵されたフィーダコントローラ68や管理コンピュータ80と双方向通信可能なように接続されている。また、コントローラ38は、基板搬送装置12やX軸スライダ20、Y軸スライダ24、ノズル作動機構44、マークカメラ34、パーツカメラ36へ制御信号を出力可能なように接続されている。また、コントローラ38は、マークカメラ34やパーツカメラ36から画像を受信可能に接続されている。例えば、コントローラ38は、マークカメラ34で撮像された基板Sの画像を処理して基準マークの位置を認識することにより基板Sの位置(座標)を認識する。また、コントローラ38は、パーツカメラ36で撮像された画像に基づいてノズル40に部品が吸着されているか否かの判断やその部品の形状、大きさ、吸着位置などを判定する。
リールユニット50は、図1に示すように、デバイスパレット52と、フィーダ60とを備えている。デバイスパレット52は、部品実装機10に取り外し可能に装着され、上面にスロット54を有している。スロット54は、フィーダ60を差し込み可能な溝であり、左右方向に複数並設されている。隣り合うスロット54同士の間隔(スロット間距離D)はすべて等しい。フィーダ60は、スロット54に差し込まれている。フィーダ60は、テープ72が巻回されたリール70(図5参照)を回転可能に保持している。テープ72には、複数の凹部74がテープ72の長手方向に沿って並ぶように形成されている。各凹部74には、部品Pが収容されている。これらの部品Pは、テープ72の表面を覆うフィルム75によって保護されている。フィーダ60には、部品取り出し位置60pが定められている。部品取り出し位置60pは、ノズル40が部品Pを吸着する設計上定められた位置である。テープ72がフィーダ60によって所定量後方へ送られるごとに、テープ72に収容された部品Pが順次、部品取り出し位置60pへ配置されるようになっている。部品取り出し位置60pに至った部品Pは、フィルム75が剥がされた状態になっており、ノズル40によって吸着される。
管理コンピュータ80は、図4に示すように、パソコン本体82と入力デバイス84とディスプレイ86とを備えており、オペレータによって操作される入力デバイス84からの信号を入力可能であり、ディスプレイ86に種々の画像を出力可能である。パソコン本体82のメモリには、生産ジョブデータが記憶されている。生産ジョブデータには、各部品実装機10においてどの部品Pをどういう順番で基板Sへ装着するか、また、そのように装着した基板Sを何枚作製するかなどが定められている。
次に、部品実装機10のコントローラ38が、管理コンピュータ80から受信した生産ジョブに基づいて基板Sへ部品Pを装着する動作について説明する。図6は、生産ジョブ処理ルーチンのフローチャートである。まず、コントローラ38は、基板搬送装置12を制御して基板Sを部品実装機10内の所定位置まで搬入し位置決めする(ステップS100)。次に、コントローラ38は、X軸スライダ20、Y軸スライダ24及びノズル作動機構44を制御して、オートツール42の各ノズル40にフィーダ60から供給される部品Pを吸着させる(ステップS200)。その後、コントローラ38は、X軸スライダ20、Y軸スライダ24及びノズル作動機構44を制御して、各ノズル40に吸着された部品Pを基板S上に順次装着する(ステップS300)。次に、コントローラ38は、基板S上に装着すべき部品Pがすべて装着されたか否かを判定し(ステップS400)、基板S上に装着すべき部品Pがまだ残っていたならば、再びステップS200へ戻る。一方、S400で基板S上に装着すべき部品Pがすべて装着されたならば、コントローラ38は、基板搬送装置12を制御して基板Sを搬出する(ステップS500)。その後、コントローラ38は、生産ジョブに定められた生産枚数の処理が完了したか否かを判定し(ステップS600)、完了していなければ、再びS100に戻り、新たな基板SについてS100〜S500の処理を実行する。一方、生産ジョブに定められた生産枚数の処理が完了したならば、コントローラ38は本ルーチンを終了する。その後、コントローラ38は、別の生産ジョブがある場合には、その生産ジョブについても同様の処理を行う。
ここで、上述したステップS200の部品吸着処理の基本的な手順について、以下に説明する。コントローラ38は、これからノズル40に吸着される部品Pの画像を予めマークカメラ34に撮像させる。この部品Pはフィーダ60の部品取り出し位置60pに配置されている。コントローラ38は、この部品Pの画像に基づいてその部品Pの目標吸着位置(例えば部品Pの重心位置)の座標を補正し、補正後の目標吸着位置の座標にノズル昇降位置40pのノズル40の先端が配置されるようにX軸スライダ20やY軸スライダ24を制御する。続いて、コントローラ38は、ノズル作動機構44を制御して、ノズル昇降位置40pのノズル40を下降すると共にそのノズル40の先端に負圧を供給してノズル40に部品Pを吸着させ、その後そのノズル40を上方位置に戻す。続いて、コントローラ38は、ノズル作動機構44を制御して、ノズル40を公転させて次のノズル40をノズル昇降位置40pに位置決めする。コントローラ38は、オートツール42に備えられたすべてのノズル40について、このような手順により部品Pを吸着させる。
ところで、生産ジョブを作成する際には、基板Sに装着する全部品の装着順序や各部品を供給するフィーダ60のスロット位置などを決定することになる。その場合、オートツール42の1番目〜8番目(#1〜#8)のノズル40に吸着される部品P1〜P8が、#1〜#8のスロット54に差し込まれたフィーダ60によってこの順に供給されるように設定できるのであれば、そのように設定する。
このように設定した場合のオートツール42の各ノズル40への部品吸着処理について、図7を参照しつつ以下に説明する。複数のフィーダ60に設けられた部品取り出し位置60pはX軸方向に並んでいる。コントローラ38は、まず、マークカメラ34が#1のフィーダ60の部品取り出し位置60pに配置された部品P1の真上に配置されるように位置決めし、その部品P1の画像をマークカメラ34に撮像させる(図7(a)参照)。次に、コントローラ38は、X軸スライダ20をX軸方向に沿ってスロット間距離Dだけ右に移動させる。すると、マークカメラ34は#2のフィーダ60の部品取り出し位置60pに配置された部品P2の真上に配置される。この状態で、コントローラ38は、その部品P2の画像をマークカメラ34に撮像させる(図7(b)参照)。
次に、コントローラ38は、ノズル作動機構44を制御してノズル40を公転させてノズル昇降位置40pに#1のノズル40を配置させ、X軸スライダ20をX軸方向に沿ってスロット間距離Dだけ右に移動させる。すると、マークカメラ34は#3のフィーダ60の部品取り出し位置60pに配置された部品P3の真上に配置されると共に、ノズル昇降位置40pに位置決めされた#1のノズル40は部品P1の真上に配置される。コントローラ38は、撮像済みの部品P1の画像に基づいて部品P1の目標吸着位置の座標を補正し、補正後の目標吸着位置の真上に#1のノズル40の先端が配置されるようにX軸スライダ20及びY軸スライダ24を制御する。この状態で、コントローラ38は、#1のフィーダ60の部品取り出し位置60pに配置された部品P1を#1のノズル40に吸着させるのと並行して、#3のフィーダ60の部品取り出し位置60pに配置された部品P3の画像をマークカメラ34に撮像させる(図7(c)参照)。なお、マークカメラ34は、視野が十分広いため、部品P1の補正後の目標吸着位置の真上に#1のノズル40の先端が配置されるように位置を調整したとしても、部品P3の撮像に支障は生じない。その後、コントローラ38は、これと同様にして、部品P2の#2のノズル40による吸着と部品P4の撮像とを並行して実施し、部品P3の#3のノズル40による吸着と部品P5の撮像とを並行して実施し、部品P4の#4のノズル40による吸着と部品P6の撮像とを並行して実施し、部品P5の#5のノズル50による吸着と部品P7の撮像とを並行して実施し、部品P6の#6のノズル40による吸着と部品P8の撮像とを並行して実施する(図7(d)参照)。
次に、コントローラ38は、ノズル40を公転させてノズル昇降位置40pに#7のノズル40を配置させ、X軸スライダ20をX軸方向に沿ってスロット間距離Dだけ右に移動させる。また、コントローラ38は、撮像済みの部品P7の画像に基づいて補正した後の部品P7の目標吸着位置の真上に#7のノズル40の先端が配置されるようにする。この状態で、コントローラ38は、部品P7を#7のノズル40に吸着させる(図7(e)参照)。最後に、コントローラ38は、これと同様にして、部品P8を#8のノズル40に吸着させる(図7(f)参照)。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の部品実装機10が本発明の部品実装装置に相当し、リールユニット50が部品供給装置に相当し、ノズル昇降位置40pに位置決めされたノズル40が昇降ノズルに相当し、マークカメラ34がカメラに相当し、ヘッド18及びX軸スライダ20がヘッドユニットに相当し、コントローラ38が制御手段に相当する。また、n番目(nは1〜6の整数)の部品取り出し位置60pが第1の部品取り出し位置に相当し、(n+2)番目の部品取り出し位置60pが第2の部品取り出し位置に相当する。
以上説明した部品実装機10では、ノズル昇降位置40pに位置決めされたノズル40とマークカメラ34との間隔(=2D)は、n番目の部品取り出し位置60pと(n+2)番目の部品取り出し位置60pとの間隔と一致している。また、コントローラ38は、ノズル昇降位置40pに位置決めされたノズル40がn番目の部品取り出し位置60pの上方に位置すると共にマークカメラ34が(n+2)番目の部品取り出し位置60pの上方に位置するようにX軸スライダ20を移動させ、その状態で部品吸着動作と並行して部品撮像動作を実施する。そのため、複数の部品取り出し位置60pの部品Pを順次マークカメラ34で撮像したあと複数の部品取り出し位置60pの部品Pを順次ノズル40に吸着する場合に比べて、X軸スライダ20の移動距離が短くなり、その分、部品実装時間を短縮することができる。
また、ヘッド18のオートツール42は、同一円周上に配置された複数のノズル40をその円周上で移動可能に保持すると共に、その円周上の所定のノズル昇降位置40pに停止したノズル40を昇降ノズルとして昇降可能に保持している。これにより、複数のノズル40が順次昇降ノズルとなるため、吸着動作と撮像動作とを並行実施できる機会が増える。そのため、部品実装時間をより短縮することができる。
更に、例えば図7の例では、吸着動作と撮像動作とを並行して実施できる機会が複数回(6回)ある。そのため、こうした機会が1回しかない場合に比べて、部品実装時間をより短縮することができる。
更にまた、マークカメラ34は、基板S上の基板マークを読み取るのに兼用されるため、部品取り出し位置60pにある部品Pを撮像するカメラと基板マークを読み取るカメラとを別々に設ける場合に比べて、コストを軽減することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態において、ノズル昇降位置40pに位置決めされたノズル40とマークカメラ34との距離をスロット間距離Dの2倍としたが、スロット間距離Dの1倍としてもよい。このように設定した場合のオートツール42の各ノズル40への部品吸着処理について、図8を参照しつつ以下に説明する。コントローラ38は、まず、マークカメラ34が部品P1の真上に配置されるように位置決めし、その部品P1の画像をマークカメラ34に撮像させる(図8(a)参照)。次に、コントローラ38は、ノズル昇降位置40pに#1のノズル40を配置させ、X軸スライダ20をX軸方向に沿ってスロット間距離Dだけ右に移動させる。すると、マークカメラ34は部品P2の真上に配置されると共に、#1のノズル40は部品P1の真上に配置される。コントローラ38は、部品P1の画像に基づいて補正した後の部品P1の目標吸着位置の真上に#1のノズル40の先端が配置されるようにする。この状態で、コントローラ38は、部品P1を#1のノズル40に吸着させるのと並行して、部品P2の画像をマークカメラ34に撮像させる(図8(b)参照)。その後、コントローラ38は、これと同様にして、部品P2の吸着と部品P3の撮像とを並行して実施し、部品P3の吸着と部品P4の撮像とを並行して実施し、部品P4の吸着と部品P5の撮像とを並行して実施し、部品P5の吸着と部品P6の撮像とを並行して実施し、部品P6の吸着と部品P7の撮像とを並行して実施し、部品P7の吸着と部品P8の撮像とを並行して実施する(図8(c)参照)。次に、コントローラ38は、ノズル昇降位置40pに#8のノズル40を配置させ、X軸スライダ20をX軸方向に沿ってスロット間距離Dだけ右に移動させる。また、コントローラ38は、撮像済みの部品P8の画像に補正した後の部品P8の目標吸着位置の真上に#7のノズル40の先端が配置されるようにする。この状態で、コントローラ38は、部品P8を#8のノズル40に吸着させる(図8(d)参照)。このようにすれば、上述した実施形態と比べて、吸着動作と撮像動作とを並行実施できる機会が一層増える。
上述した実施形態において、生産ジョブを作成する際、オートツール42の#1〜#8のノズル40に吸着される8個の部品が、#1,#3,#5,…のスロット54に差し込まれたフィーダ60によって供給されるように設定できるのであれば、そのように設定してもよい。このように設定した場合のオートツール42の各ノズル40への部品吸着処理について、図9を参照しつつ以下に説明する。図9(a)は図7(a)と同じであるため説明を省略する。コントローラ38は、図9(a)の状態から、ノズル昇降位置40pに#1のノズル40を配置させ、X軸スライダ20をX軸方向に沿ってスロット間距離Dの2倍だけ右に移動させる。すると、マークカメラ34は部品P3の真上に配置されると共に、#1のノズル40は部品P1の真上に配置される。コントローラ38は、撮像済みの部品P1の画像に基づいて補正した後の部品P1の目標吸着位置の真上に#1のノズル40の先端が配置されるようにする。この状態で、コントローラ38は、部品P1を#1のノズル40に吸着させるのと並行して、部品P3の画像をマークカメラ34に撮像させる(図9(b)参照)。その後、コントローラ38は、これと同様にして、部品P3の#2のノズル40による吸着と部品P5の撮像とを並行して実施し(図9(c)参照)、部品P5の#3のノズル40による吸着と部品P7の撮像とを並行して実施する(図9(d)参照)。つまり、k番目(kは奇数)のフィーダ60の部品取り出し位置60pに配置された部品Pkの吸着と(k+2)番目のフィーダ60の部品取り出し位置60pに配置された部品P(k+2)の撮像とを並行して実施していく。このようにしても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
上述した実施形態では、同一円周上に配置された複数のノズル40をその円周上で移動可能に保持するオートツール42を備えたヘッドを使用したが、図10に示すように、#1〜#3のノズル140をX軸方向に沿って右から左へ並べたヘッド118を使用してもよい。なお、マークカメラ34と#1のノズル140との距離や隣り合うノズル140同士の距離はスロット間距離Dと同じに設定されている。その場合、コントローラ38は、まず、マークカメラ34が#1の部品P1の真上に配置されるように位置決めし、その部品P1の画像をマークカメラ34に撮像させる(図10(a)参照)。次に、コントローラ38は、マークカメラ34及びヘッド118をX軸方向に沿ってスロット間距離Dだけ右に移動させる。すると、マークカメラ34は部品P2の真上に配置されると共に、#1のノズル140は部品P1の真上に配置される。コントローラ38は、撮像済みの部品P1の画像に基づいて補正した後の部品P1の目標吸着位置の真上に#1のノズル140の先端が配置されるようにする。この状態で、コントローラ38は、部品P1を#1のノズル140に吸着させるのと並行して、部品P2の画像をマークカメラ34に撮像させる(図10(b)参照)。その後、コントローラ38は、マークカメラ34及びヘッド118をX軸方向に沿ってスロット間距離Dの2倍だけ右に移動させる。すると、マークカメラ34は部品P4の真上に配置されると共に、#2のノズル140は部品P2の真上に配置される。コントローラ38は、撮像済みの部品P2の画像に基づいて補正した後の部品P2の目標吸着位置の真上に#2のノズル140の先端が配置されるようにする。この状態で、コントローラ38は、部品P2を#2のノズル140に吸着させるのと並行して部品P4の画像をマークカメラ34に撮像させる(図10(c)参照)。その後、コントローラ38は、マークカメラ34及びヘッド118をX軸方向に沿ってスロット間距離Dの3倍だけ右に移動させる。すると、#3のノズル140は部品P4の真上に配置される。コントローラ38は、撮像済みの部品P4の画像に基づいて補正した後の部品P4の目標吸着位置の真上に#4のノズル140の先端が配置されるようにする。この状態で、コントローラ38は、部品P4を#3のノズル140に吸着させる(図10(d)参照)。このようにしても、吸着動作と撮像動作を並行して実施することができる。
上述した実施形態では、オートツール42の右側にマークカメラ34を配置したが、オートツール42の左側にマークカメラ34を配置してもよい。その場合、コントローラ38はX軸スライダ20を右から左へ順次移動するように制御すればよい。また、マークカメラ34とヘッド18とを共に公転する回転機構をヘッドユニットに設け、次に吸着する部品の取出し位置と、その次に吸着する部品の取出し位置との並び方向にあわせてこの回転機構を回転させるように制御してもよい。こうすれば、部品の撮像と取出しとを並行実施できる機会が増え、より時間を短縮できる。