JP2017125452A - 電動オイルポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルシールを通過してハウジング内に流入した油による軸受の破損またはコントローラの基板の誤動作、基板上の電子回路部品の短絡故障を防止できる電動オイルポンプ装置を提供する。
【解決手段】断面がU溝状で半環状の上端が開口した樹脂製のオイル溜め溝35がポンプハウジング16の円筒部22に着脱可能に取り付けられ、円筒部22の下部にオイルシール25とオイル溜め溝35とを連通する小径のオイル抜き孔34が形成されている。オイル溜め溝35には粒状のオイル吸収部材36がオイル抜き孔34の下端部まで充填され、オイル吸収部材36の上部位置に所定の間隔で金属製の検出、アース電極37、38が配置されている。電極37,38はそれぞれリード線によりECUに接続され、電極37,38間に電圧が印加された状態で静電容量を検出し、絶縁体である油がオイル溜め溝35に流入し電極37,38が浸ると静電容量値が測定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動オイルポンプ装置に関し、特に、自動車のトランスミッション等に油圧を供給する油圧ポンプとして使用される電動オイルポンプ装置に関するものである。
従来、自動車のアイドリングストップ時にトランスミッション等に油圧供給を行う電動オイルポンプ装置の具体的一例には、油(オイル)を循環させるオイルポンプとオイルポンプを駆動する電動モータとを組み合わせたものがある。オイルポンプと電動モータとが回転軸を共用し、オイルポンプの中心軸方向に並んで配置され、モータハウジングをポンプハウジングに一体に結合して小型、軽量としている。また、この電動オイルポンプ装置には、モータハウジングのオイルポンプと反対側に電動モータを収容するとともに、モータハウジング内にモータ制御用のコントローラの基板を収容するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このモータハウジング内に収容された基板は、カバーで覆われて防水性が確保されている。
特開2011−21582号公報
上記のような電動オイルポンプ装置では、ポンプハウジングの電動モータ側の端面の中心に、モータハウジングより小径の円筒部が一体に形成され、円筒部内の電動モータ側に寄った部分に設けられた軸受により、回転軸線方向に延びる電動モータの回転軸が片持ち支持されている。この例では、軸受は、回転軸線方向前後に隣接する2個の転がり軸受である玉軸受よりなり、各軸受の内輪が回転軸に固定され、外輪が円筒部に固定されている。そして、通常、油を吐出するオイルポンプと、オイルポンプを回転させる電動モータとを、ポンプハウジングの円筒部内周の軸受よりオイルポンプ側の部分と回転軸との間に設けたオイルシールによって分離密封している。
しかしながら、オイルシールの経年劣化、または異物による磨耗等によってオイルポンプと電動モータとの密封性が失われた場合、油がオイルシールを通過して回転軸の軸受とモータハウジング内に配置されたコントローラに流入するおそれがある。これにより、異種油や不純物(異物)が混入した油が流入して軸受の潤滑不良による焼き付きや破損、あるいはコントローラの基板の誤動作および基板に搭載された電子回路部品の短絡故障が発生する可能性がある。この結果、電動オイルポンプ装置が機能停止にいたる場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、オイルシールを通過してハウジング内に流入した油による軸受の破損またはコントローラの基板の誤動作、基板上の電子回路部品の短絡故障を防止できる電動オイルポンプ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電動オイルポンプ装置において、ポンププレートとポンプハウジングとの間に形成されたポンプ室にポンプロータが回転可能に収容されたオイルポンプと、前記オイルポンプに隣接して設けられ、前記オイルポンプを回転駆動する電動モータと、前記ポンプハウジングに回転可能に軸承され、前記ポンプロータと前記電動モータのロータとを連結する回転軸と、前記電動モータに隣接して設けられ、前記電動モータを駆動制御するコントローラと、を備え、前記オイルポンプは、前記ポンプハウジングの前記電動モータ側の端面から軸方向に延びる円筒部の内周と前記回転軸の外周との間に設けられたオイルシールと、前記ポンプハウジングに隣接して設けられ、前記オイルシールを通過して漏出した油を溜めるオイル溜め溝と、前記ポンプハウジングの前記円筒部に径方向に貫通して設けられ、前記円筒部の内周と前記オイル溜め溝とを連通するオイル抜き孔と、前記オイル溜め溝に収容され、前記オイル溜め溝内の前記油を吸収するオイル吸収部材と、前記オイル溜め溝内に設けられ、前記オイル溜め溝内の前記油を電気的に検出する電極部と、を有し、前記コントローラは、前記電極部に接続され、前記オイル吸収部材の吸収量を超えた前記油の漏出を検出することを要旨とする。
上記構成によれば、磨耗したオイルシールを通過した油がポンプハウジングの円筒部に設けたオイル抜き孔を介してポンプハウジングに隣接して取り付けられたオイル溜め溝に流入する。そして、オイル溜め溝に流入した油は、オイル溜め溝内に収容されたオイル吸収部材に吸収される。このため、軸受やコントローラの基板へ油が流入するのを遅延させることができる。また、オイル溜め溝内には電極が配置されており、オイル吸収部材の吸収量を超えてオイル溜め溝内に油が溜ると油の漏出を検出することができる。さらに、警報を出力して運転者に通報し、電動オイルポンプ装置の交換を促すことができる。これにより、軸受やコントローラの基板へ油が漏出するのを抑制し、軸受の潤滑不良による焼き付きや破損、あるいはコントローラの基板の誤動作、基板に搭載された電子回路部品の短絡故障の発生を防止することができる。この結果、電動オイルポンプ装置が機能停止するのを回避することが可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動オイルポンプ装置において、前記電極部は、前記オイル溜め溝内の前記オイル抜き孔の下端部より下側に所定の間隔で配置された検出電極および接地電極からなり、前記電極間の静電容量が前記コントローラにより検出されることを要旨とする。
上記構成によれば、コントローラには検出側と接地側の電極が接続され、両電極間の静電容量を検出することができる。このため、静電容量値の変化により油の漏出が検出可能となり運転者への通報ができることで、電動オイルポンプ装置の交換を促すことが可能になる。これにより、軸受やコントローラの基板への油の漏出を抑制し、軸受の破損やコントローラの短絡故障を防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電動オイルポンプ装置において、前記回転軸が地面に対して平行になるように、車両に設けられた他の装置に固定されることを要旨とする。
上記構成によれば、オイルポンプは回転軸の軸方向が地面に対して水平方向になるように車両に取り付けられ、漏出した油は回転軸の下側に流入するので、車両に対して地面側に配置された電極部により油が検出される。このため、軸受やコントローラの基板への油の漏出を抑制し、軸受の破損やコントローラの短絡故障を防止することができる。
本発明によれば、オイルシールを通過してハウジング内に流入した油による軸受の破損またはコントローラの基板の誤動作、基板上の電子回路部品の短絡故障を防止できる電動オイルポンプ装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る電動オイルポンプ装置の概略構成を示す縦断面図。 図1におけるポンプハウジングをA−A方向から見た概略断面図。 漏出した油がオイル溜め溝へ流入する経路を示す断面図。 漏出した油の検出方法を示す概略図。
以下、本発明の実施の形態に係る電動オイルポンプ装置(EOP:Electrical Oil Pump)について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動オイルポンプ装置1の概略構成を示す縦断面図である。
図1に示すように、電動オイルポンプ装置1は、例えば自動車のトランスミッション用の油圧ポンプとして用いられ、オイルポンプ(例えば、内接ギヤポンプ)2とオイルポンプ2を回転駆動する電動モータ3とがハウジング内に一体化されている。なお、電動モータ3は、3相巻線を有するブラシレスモータが使用されている。また、電動モータ3を回転制御するコントローラ(以下、ECUという)4もハウジング内に組み込まれている。
電動オイルポンプ装置1は、回転軸線が地面に対して水平方向になるように車両内の装置に取り付けられている。オイルポンプ2のポンププレート15の端面に突出した複数のフランジ部(図示せず)を介して、図示しないトランスミッションやエンジンケースに取付孔(図示せず)を通して、回転軸線中心に対して周方向に配置された複数のボルト(図示せず)で締結して固定されている。
オイルポンプ2は、ここでは内接ギヤポンプの一例であるトロコイド曲線型ポンプを用いて、トロコイド歯形を有する内歯を備えたアウタロータ11の内周側に、外歯を備えたインナロータ12を噛み合わせてポンプロータ13を構成している。オイルポンプ2は、ポンプハウジング16内にアウタロータ11をインナロータ12に対して偏心して回転自在に配置した構成としている。
インナロータ12は、後述する電動モータ3のモータロータ(ロータ)6を形成した部分よりポンププレート15側に寄った部分に外嵌固着されて、回転軸7に接続されてモータロータ6により回転する。アウタロータ11は、インナロータ12の外歯よりも1歯多い内歯を備え、回転軸7に対して偏心した位置を中心にポンプハウジング16内で回転自在となるように配置されている。また、インナロータ12は、外歯がアウタロータ11の内歯に全周の一部で噛み合うとともに、各外歯がアウタロータ11の内面に全周の各所でそれぞれほぼ内接しながら回転する。
したがって、電動モータ3により回転軸7が回転駆動されると、オイルポンプ2のアウタロータ11およびインナロータ12の間隙の容積が回転軸7の1回転の間に拡大と縮小を繰り返す。これにより、上記間隙に通じるポンププレート15に回転軸線方向に貫通して設けられた吸入口(吸入ポート、図示せず)から吐出口(吐出ポート、図示せず)に向けて油(作動油)を送り出すポンプ動作が行われる。また、吸入口および吐出口は、図示しない外部の油圧配管と接続され、吸入油路から吐出油路を通って油が流れる。
オイルポンプ2のハウジングを構成する平板状のポンププレート15およびポンプロータ13を収容するポンプハウジング16は、金属製の非磁性材料(例えば、アルミダイカスト等)により形成されている。電動モータ3を収容するモータハウジング17およびカバー20は、熱可塑性樹脂材料(例えば、PA、PPS、PBT樹脂等)により形成されている。電動オイルポンプ装置1のハウジングは、上記ポンププレート15、ポンプハウジング16、モータハウジング17、およびカバー20により構成されている。ここで、モータハウジング17およびカバー20は、防水ハウジングとして形成されている。
なお、以下の説明において、図1の左側を前F、同右側を後Rとするがあくまで本実施形態を説明する上での便宜上の定義であり、適宜左右、上下等読み替えて差し支えないものとする。
図1に示すように、モータハウジング17は、ポンプハウジング16側の前端面がシール32を介してポンプハウジング16とシールされており、後端面がカバー20により塞がれている。
ポンプハウジング16は、回転軸7に対して径方向に広がりを持つ厚肉板状のケースであり、その中心にはポンププレート15側に向かって開口したポンプ室14が形成されている。ポンププレート15と接するポンプハウジング16の前面にOリング31が固定され、ポンプ室14の開口部がポンププレート15で塞がれている。ポンプ室14内に、ポンプロータ13を構成するアウタロータ11が回転自在に収容され、アウタロータ11の内側に、アウタロータ11と噛み合うインナロータ12が配置されている。
電動モータ3は、回転するモータロータ6と、モータロータ6の外周面の外側に固定されたステータ5とで構成されている。モータロータ6は、ロータコア10の外周面に、例えば複数個の永久磁石8を周方向に沿って並べて配置して形成したものである。回転軸7は、オイルポンプ2と電動モータ3とで共用する金属製の回転軸(シャフト)であり、ポンプハウジング16に回転可能に軸承されてポンプロータ13とモータロータ6とを連結し、電動モータ3により駆動される。
回転軸7が軸承されるポンプハウジング16は、ポンプハウジング16より小径の円筒部22が一体に形成され、ポンプロータ13前端からモータロータ6後端の前後方向に延びる回転軸7が円筒部22内の後部に設けられた軸受23,24により片持ち支持されている。本実施形態では、軸受23,24は、前後に隣接する2個の転がり軸受である玉軸受からなり、両軸受23,24の内輪が回転軸7に固定され、外輪が円筒部22に固定されている。円筒部22の内周の前側の軸受23とポンプロータ13との間をシールすべく回転軸7にオイルシール25が設けられている。また、回転軸7の前部は、ポンプハウジング16に形成された孔の部分を貫通してポンプ室14内に進入して、その先端部がインナロータ12に連結されている。
さらに、半環状に形成されたケースの上端が開口した断面がU溝状のオイル溜め溝35が、ポンプハウジング16の下部に隣接して取り付けられている。ポンプハウジング16の円筒部22の車両の地面側にはオイルシール25と軸受23との間に径方向に貫通したオイル抜き孔34が形成されている。オイル抜き孔34は、円筒部22の内周とオイル溜め溝35の開口部とを連通している。オイル溜め溝35には粉状のオイル吸収部材36がオイル抜き孔34の下端部まで充填されており、オイル吸収部材36の周方向両側に図示しない2個の電極(電極部)が配置され、ECU4の基板26に、例えばリード線等により電気的に接続されている。
円筒部22より後方に突出した回転軸7の後端に、電動モータ3を構成するモータロータ6が固定されている。モータロータ6は、回転軸7の後端から径方向に延び、かつ円筒部22の外周を囲む円筒状に形成されている。さらに詳しくは、モータロータ6は、ロータコア10の孔開き円板部27と、円板部27の外周に一体に形成されたロータ円筒部28とからなり、円板部27の孔の内周が回転軸7に固定され、ロータ円筒部28の外周に複数永久磁石8が固着されている。
ステータ5は、モータロータ6の外周面の外側にわずかなエアギャップを介してステータコア9の内向きの突極(ティース)を複数配置している。ステータコア9の各ティースには、それぞれコイル19が巻回されている。ここで、コイル19をステータコア9から絶縁するために、ステータコア9の回転軸線方向両端側から樹脂製のインシュレータ18が装着されている。
また、本実施形態の電動オイルポンプ装置1には、電動モータ3を制御するためのECU4の基板26がモータハウジング17に形成されたモータ室21に収容され、インシュレータ18のカバー20側の後端面、またはモータハウジング17の内壁に固定されている。基板26には、直流電源を交流に変換して電動モータ3の各コイル19に駆動電流を供給するインバータ(駆動)回路と、ホール素子等のセンサが検出したアウタロータ11の回転位置の情報に基づいて、インバータ回路を制御する制御回路とが実装されている。基板26の両面には、ECU4を構成する上記回路のマイコンやIC、コンデンサ、コイル等の電子回路部品33が搭載されている(図中には基板26の前面に取り付けられた電子回路部品33の一例を示す)。
そして、上記構成により、ECU4によって制御された駆動電流が電動モータ3の各コイル19に供給される。これにより、コイル19に回転磁界が発生し、永久磁石8にトルクが生じてモータロータ6が回転駆動される。このようにして、インナロータ12が回転駆動されると、アウタロータ11がインナロータ12に従動して回転し、アウタロータ11の内歯と,インナロータ12の外歯との間隙が拡縮を繰り返すので、吸入口および吐出口を通じて油を吸入・吐出するポンプ動作が行なわれる。
モータハウジング17とカバー20とは、溶着により接合されている。例えば、樹脂部材同士を加熱、加圧することにより接合する熱板溶着、超音波溶着、振動溶着、赤外線溶着等が用いられる。ここで、カバー20の中央部には、オイルポンプ2の使用環境において電動モータ3の急激な温度変化等によるモータハウジング17内外の気圧(圧力)差を調整するため、モータハウジング17の外部と内部との空間を連通し、オイルポンプ2の回転軸線方向に一方の面から反対側の面に抜ける円形の呼吸孔29が設けられている。また、カバー20の内面(前面)には呼吸孔29を覆うフィルタ30が固着されており、このフィルタ30により例えば水を遮断して空気を通過させる。
図2は、図1におけるポンプハウジング16をA−A方向から見た概略断面図である。
図2に示すように、半環状に形成され上端が開口したオイル溜め溝35がポンプハウジング16の円筒部22に着脱可能に取り付けられている。オイル溜め溝35は、合成樹脂等で形成された断面がU溝状のケースであり、例えば内周面上端に内方向に突出した突起部が円筒部22側面の凹部に係合して固定されている。また、円筒部22の下部にはオイルシール25およびオイル溜め溝35の開口部を連通する小径のオイル抜き孔34が径方向に貫通して形成されている。
また、オイル溜め溝35には、粒状の油吸着剤からなるオイル吸収部材36が底部からオイル抜き孔34のほぼ下端部まで充填されている。そして、オイル吸収部材36の上部位置に所定の間隔を有して金属製(例えば、SUS等の導電体)の板状の検出電極37、アース(接地)電極38が配置されている。両電極37,38は、例えばそれぞれリード線によりECU4の基板26(図1参照)にコネクタ接続されており、電極37,38間に電圧(例えば、交流電圧)が印加され、電極37,38間の比誘電率の変化により生じた電流変化を計測し静電容量として検出する。そして、絶縁体である油がオイル吸収部材36の許容吸収量を超えてオイル溜め溝35に流入し電極37,38が浸ると、変化した静電容量値が測定される。
以上により、油が磨耗したオイルシール25を通過した場合、オイル吸収部材36によって油が吸収され、オイル吸収部材36の許容吸収量を超えた油が電極37,38の高さまで溜る。そして、電極37,38間の比誘電率の変化により静電容量が計測され,ECU4へ油検出信号が入力されるので油の漏出を検出することができる。これにより、漏出した油が軸受23,24とECU4へ流入するのを遅延させ、電動オイルポンプ装置1の延命を図るとともに、オイルポンプ2が機能停止する前に上位のECU等に警報を出力することが可能になる。この結果、軸受グリースへの異種油および不純物(異物)の混入による潤滑不良に起因する軸受の焼き付きや破損、あるいは不純物混入によるECU4の基板26の短絡故障等を防止することができる。
次に、図3は、漏出した油がオイル溜め溝35へ流入する経路を示す断面図である。
図3に示すように、ポンプロータ13とモータロータ6とが回転軸7に固定され、ポンプハウジング16と回転軸7との間にオイルシール25および軸受23,24が配置され回転軸7が回転する。オイルシール25が磨耗して油がオイルシール25を通過してポンプハウジング16内に漏出した場合、油はオイル抜き孔34を介してオイル溜め溝35に流入し(図中、一点鎖線で示す)、オイル溜め溝35内に収容された粒状のオイル吸収部材36に徐々に吸収される。ここで、漏出した油がオイル吸収部材36の許容吸収量を超えると液状の油がオイル溜め溝35の底部から電極37,38の位置まで徐々に溜っていくことにより、電極37,38間の静電容量の変化を検知することが可能になる。このため、油が軸受23,24へ流れ出す前に油の漏出を検出することができる。
図4は、漏出した油の検出方法を示す概略図である。
図4に示すように、検出電極37およびアース電極38はECU4の基板26に、例えばリード線により接続されており、基板26に搭載されたマイコンが電極37,38によって検知した信号を静電容量測定回路において演算処理し、電極37,38間の測定対象の静電容量Coを測定する。ここで、電極37,38間に漏出した油が存在する場合、比誘電率が高くなるため、例えばブリッジ回路のバランスが崩れた結果生じた電流変化を計測し、静電容量として検出することができる。演算回路において測定された静電容量値が所定の閾値以上か以下かを判別し(例えば、空のときと油が溜ったときの比誘電率の差を検出)、閾値を超えたとき油あり(漏出)と判別し、油検出信号(例えば、オン/オフ信号)の警報を上位のECU等に出力する。
次に、上記のように構成された本実施形態である電動オイルポンプ装置1の作用および効果について説明する。
上記構成によれば、磨耗したオイルシール25を通過した油は、ポンプハウジング16の円筒部22に設けたオイル抜き孔34を介して、ポンプハウジング16に隣接して取り付けられたオイル溜め溝35に流入する。オイル溜め溝35に流入した油は、オイル溜め溝35内に収容された粒状のオイル吸収部材36に吸収される。このため、軸受23,24やECU4の基板26へ油が流入するのを遅延させることができる。また、オイル溜め溝35内のオイル抜き孔34の下端部より下側に所定の間隔で検出側の検出電極37と接地側のアース電極38とが配置され、リード線によりECU4に接続されている。オイル溜め溝35内にオイル吸収部材36の許容吸収量を超えた油が溜ると、電極37,38間の比誘電率の変化により静電容量を検出することができる。このため、静電容量値の変化により電気的に漏出した油を検出することが可能になる。
さらに、オイルポンプ2は回転軸7の軸方向が地面に対して水平方向になるように車両に取り付けられ、漏出した油は回転軸7の下側に流入するので、車両に対して地面側に配置された電極37,38により確実に油が検出される。そして、静電容量値が所定の閾値を超えたときECU4において油が漏出したと判別し、警報を出力する。この警報出力により運転者に通報し、電動オイルポンプ装置の交換を促すことができる。
これにより、軸受23,24やECU4への油の流入を抑制し、軸受23,24の潤滑不良による焼付きや破損、あるいはECU4の基板26の誤動作、基板26に搭載された電子回路部品33の故障の発生を防止することができる。この結果、電動オイルポンプ装置1が機能停止するのを回避することが可能になる。
以上のように、本実施形態によれば、オイルシールを通過してハウジング内に流入した油による軸受の破損またはECUの基板の誤動作、基板上の電子回路部品の短絡故障を防止できる電動オイルポンプ装置を提供できる。
以上、本発明に係る一実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
上記実施形態では、粒状のオイル吸収部材36を用いて油を吸収する例について示したが、これに限定されるものでなく、他の吸収部材、例えばスポンジやシート状の吸着剤等により油を吸収してもよい。また、吸収部材を用いないで直接油を溜めて電極37,38を浸して検出するようにしてもよい。
上記実施形態では、電極37,38間の静電容量値の変化により油の漏出を検出する例を示したが、これに限定されるものでなく、他の検出方法、例えば電極間にある液体の比誘電率の測定、電極間の抵抗測定等により油の漏出の判別を行うようにしてもよい。
上記実施形態では、オイル溜め溝35に配置された電極37,38をリード線によりECU4の基板26にコネクタ接続する例を示したが、これに限定されるものでなく、導電性のリードやバスバー等を用いてステータ5またはインシュレータ18を介して基板26に接続するようにしてもよい。
上記実施形態では、オイルポンプ2として内接ギヤ式ポンプを用いる場合を示したが、これに限定されるものでなく、ベーン駆動や外接ギヤ等を用いた回転ポンプであってもよい。また、内接ギヤポンプとして、必ずしも上述のようなトロコイド曲線型ポンプには限定されない。
上記実施形態では、電動モータ3のモータロータ6として、ロータコア10の外周部に複数個の永久磁石8を配置し固着する場合を示したが、これに限定されるものでなく、リング形状の永久磁石を固着したものを用いるようにしてもよい。
1:電動オイルポンプ装置、2:オイルポンプ、3:電動モータ、
4:ECU(コントローラ)、5:ステータ、6:モータロータ、7:回転軸、
8:永久磁石、9:ステータコア、10:ロータコア、11:アウタロータ、
12:インナロータ、13:ポンプロータ、14:ポンプ室、15:ポンププレート、
16:ポンプハウジング、17:モータハウジング、18:インシュレータ、
19:コイル、20:カバー、21:モータ室、22:円筒部、23,24:軸受、
25:オイルシール、26:基板、27:円板部、28:ロータ円筒部、29:呼吸孔、30:フィルタ、31:Oリング、32:シール、33:電子回路部品、
34:オイル抜き孔、35:オイル溜め溝、36:オイル吸収部材、37:検出電極、
38:アース(接地)電極

Claims (3)

  1. ポンププレートとポンプハウジングとの間に形成されたポンプ室にポンプロータが回転可能に収容されたオイルポンプと、
    前記オイルポンプに隣接して設けられ、前記オイルポンプを回転駆動する電動モータと、
    前記ポンプハウジングに回転可能に軸承され、前記ポンプロータと前記電動モータのロータとを連結する回転軸と、
    前記電動モータに隣接して設けられ、前記電動モータを駆動制御するコントローラと、を備え、
    前記オイルポンプは、
    前記ポンプハウジングの前記電動モータ側の端面から軸方向に延びる円筒部の内周と前記回転軸の外周との間に設けられたオイルシールと、
    前記ポンプハウジングに隣接して設けられ、前記オイルシールを通過して漏出した油を溜めるオイル溜め溝と、
    前記ポンプハウジングの前記円筒部に径方向に貫通して設けられ、前記円筒部の内周と前記オイル溜め溝とを連通するオイル抜き孔と、
    前記オイル溜め溝に収容され、前記オイル溜め溝内の前記油を吸収するオイル吸収部材と、
    前記オイル溜め溝内に設けられ、前記オイル溜め溝内の前記油を電気的に検出する電極部と、を有し、
    前記コントローラは、前記電極部に接続され、前記オイル吸収部材の吸収量を超えた前記油の漏出を検出することを特徴とする電動オイルポンプ装置。
  2. 請求項1に記載の電動オイルポンプ装置において、
    前記電極部は、前記オイル溜め溝内の前記オイル抜き孔の下端部より下側に所定の間隔で配置された検出電極および接地電極からなり、前記電極間の静電容量が前記コントローラにより検出されることを特徴とする電動オイルポンプ装置。
  3. 請求項1または2に記載の電動オイルポンプ装置において、
    前記回転軸が地面に対して平行になるように、車両に設けられた他の装置に固定されることを特徴とする電動オイルポンプ装置。
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