JP2017122837A - 光拡散体及び面光源装置 - Google Patents

光拡散体及び面光源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017122837A
JP2017122837A JP2016001771A JP2016001771A JP2017122837A JP 2017122837 A JP2017122837 A JP 2017122837A JP 2016001771 A JP2016001771 A JP 2016001771A JP 2016001771 A JP2016001771 A JP 2016001771A JP 2017122837 A JP2017122837 A JP 2017122837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
particle size
component
diffuser
scattering efficiency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016001771A
Other languages
English (en)
Inventor
小池 康博
Yasuhiro Koike
康博 小池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2016001771A priority Critical patent/JP2017122837A/ja
Publication of JP2017122837A publication Critical patent/JP2017122837A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)

Abstract

【課題】PCからなる樹脂マトリックスを用いた光拡散体において黄ばみを抑えた出力光を得る。【解決手段】白色光源Lからの光はマイナー面1から光拡散体3内に導入されそこから離れるように進行しその過程で光拡散粒子5で散乱されメジャー面2から黄ばみを抑えた拡散光として出力される。光拡散粒子5は所定粒径を持ち、0.01wt%〜1wt%の濃度でPC樹脂マトリックス中に分散される。所定粒径につき、粒径分布のピークを与える最頻粒径R1が存在する。R1は、青色光成分の散乱効率が赤色光成分や緑色光成分の散乱効率を下回る範囲にある。そして、最頻粒径からのずれが20%以内に収まる光拡散粒子5の個数割合が60%以上となるようにする。各散乱子の屈折率は1.47〜1.58の範囲にある。【選択図】図1

Description

本発明は、光拡散体と同光拡散体を用いた面光源装置に関し、さらに詳しく言えば、ポリカーボネート(以下、「PC」と略称)を樹脂マトリックスとして用いた光拡散体、ならびに同光拡散体と白色光源とを組み合わせて白色の拡散出力光を得るようにした面光源装置に関する。
樹脂マトリックス中に光拡散子として所定濃度で前記樹脂マトリックスと異なる屈折率を持つ多数の微粒子を分散させたものは、バックライトと種々の分野で光拡散体として用いられている。マトリックスに用いる樹脂として広く知られているのは、PMMA(ポリメチルメタクリレート)である。このPMMAは、その透明性、耐候性、低価格性のためよく使われている。しかし、PMMAには耐熱性の不足という問題があり、これに代わる樹脂材料としてポリカーボネート(PC)を採用する事が考えられる。
このPCは、PMMAに比べて耐熱性に優れ機械的強度も高い。ところが、このPCを光拡散体の樹脂マトリックスに採用した場合、出力光に黄ばみが生じるという問題があった。特に光出力部のうち、光入力部から離れた側(遠い側)で出射される光に黄ばみが生じ易い。なお、このような現象は黄変と呼ばれることもある。
このような現象が生ずる主たる原因は、PC中に含まれるベンゼン環による青色光成分の吸収にあるものと思われる。即ち、ベンゼン環が存在することにより紫外光の波長領域から可視光中の青色光成分の波長領域にかけてかなりはっきりした吸収特性が認められる。拡散出力光の黄ばみの問題は、PMMAを樹脂マトリックスに用いた光拡散体においても無いわけではなく、その解決策として下記特許文献1がその一例である。同特許文献によれば、2種類の粒径(平均粒径)を持つ光拡散粒子を組み合わせてこの問題を解決している。一方、PCを樹脂マトリックスに用いて光拡散体を構成した場合の上記黄ばみの問題について光拡散粒子に工夫を加えてこれを解決した例は見当たらない。
特開2004−341446号公報
上述したように、PCを樹脂マトリックスに採用し同マトリックス中に光拡散粒子を所定濃度で一様に分散させて光拡散体を構成した場合、優れた耐熱性や機械的強度は得られるが、出力として得られる拡散光の黄ばみの問題はこれまでのところ未解決となっていた。本発明の目的は、この出力光の黄ばみの問題を解決した光拡散体及び同光拡散体を板状の光散乱導光体として用いた改良された面光源装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、上記課題を解決するための基本的な手段を提供している。即ち、同発明によれば、ポリカーボネートからなる樹脂マトリックス中に所定の屈折率を有する光拡散粒子を所定の濃度で分散させた光拡散体が提供される。ここで、この光拡散体には白色光を入力するための光入力部と、前記光入力部から前記光拡散体内に入力された光が前記光入力部から離れるように前記光拡散体中を伝播する過程で拡散光を出力する面状の光出力部が設けられており、前記所定の屈折率は1.47〜1.58の範囲の値を持つ。なおこの屈折率値の上限値1.58は、PCの屈折率(1.59)を僅かに下回る値を意味する。一方下限値1.47は、後述する例で述べるPMMA系粒子の屈折率1.49を僅かに下回ると共に後述する参考例で取り上げるシリコーン系粒子の屈折率1.44を上回る値である。
前記所定の濃度は、0.01wt%〜11wt%の範囲にある。また、前記光拡散粒子の粒径に対する個数分布について該分布のピークを与える最頻径R1を有する。そして、前記第1の最頻径R1に対し、0.8R1〜1.2R1の大きさの範囲内に60%以上の個数を含む光拡散粒子が使用される。更にこの前記R1は、青色光成分の散乱効率が赤色光成分の散乱効率及び緑色光成分の散乱効率の内の少なくとも一方を下回る範囲のうち、最も小粒径側に存在する一つの連続的な粒径範囲内に収まるように選択される。
ここで上記R1の粒径範囲については、前記青色光成分の散乱効率が、前記赤色光成分の散乱効率及び前記緑色光成分の散乱効率の両方を下回るようにすることがより好ましい(請求項2に係る発明)。
本発明に係る光拡散体の典型的形状として板状形状がある。この板状の光拡散体の場合、マイナー面によって光入力部を提供し、メジャー面によって光出力部を提供することができる(請求項3に係る発明)。
このような、板状の光拡散体の上記マイナー面に対して白色光を供給する一次光源を同光拡散体に組み合わせて配置すれば面光源装置を構成することができる(請求項4に係る発明)。なお、白色光源としては青色、緑色、赤色の発光色を持つLEDを組み合わせた周知のものを採用することができる。また、本明細書に於いて青色光成分、緑色光成分、赤色光成分を代表する各波長として通例にならい435nm、545nm、615nmを採用するものとする。
本発明に係る光拡散体によれば、上記最頻粒径R1の粒径値範囲について、青色光成分の散乱効率が、赤色光成分や緑色光成分の散乱効率よりも小さくなるひとつの連続的な粒径範囲内に収まるように選択されているという条件と、±20%以内の粒径ばらつき程度に収まる粒子数割合が、60%を下回らないという粒子径の揃い方に関する条件とを通してベンゼン環による青色光成分の吸収の効果(黄ばみの主因)を相当程度緩和することができる。板状の光拡散体の場合、光出力部を提供するメジャー面から出力される拡散光について光入力部(マイナー面)から離れた位置においても黄ばみが目立たなくなる。このような光拡散体のマイナー面に白色光を供給する一次光源を配置すれば、黄ばみの抑えられた照明光を提供する面光源装置を構成することができる。
本発明に従った光拡散体を用いた面光源装置の基本構成図である。 PC樹脂に対して屈折率1.49を有するPMMA系粒子を分散させた場合の色別散乱効率の理論値を光拡散粒子の粒径に対してプロットしたグラフである。 PC樹脂に対して屈折率1.54を有する光拡散粒子を分散させた場合の色別散乱効率の理論値を光拡散粒子の粒径に対してプロットしたグラフである。 PC樹脂に対して屈折率1.44を有するシリコーン系粒子を分散させた場合の色別散乱効率の理論値を光拡散粒子の粒径に対してプロットしたグラフである。 PC樹脂マトリックス中に2μm、5μm、10μmの各最頻粒径を持つ光散乱子を1wt%の濃度で一様に分散させたフィルムについて相対分光透過率を実測して得られたグラフである。 PC樹脂マトリックス中に2μm、5μm、10μmの各最頻粒径を持つ光散乱子を0.5wt%の濃度で一様に分散させたフィルムについて相対分光透過率を実測して得られたグラフである。 PC樹脂マトリックス中に2μm、5μm、10μmの各最頻粒径を持つ光散乱子を0.2wt%の濃度で一様に分散させたフィルムについて相対分光透過率を実測して得られたグラフである。 図5から図7のグラフにおいて最頻粒径5μmの光拡散粒子として用いた製品の粒径範囲別個数分布を示すグラフである。 図8に示した粒径範囲別グラフに対応する粒径分布を持つ製品(最頻粒径=5μm)に加えて、10μm及び15μmの最頻粒径(公称粒子サイズ)を持つ製品について最頻粒径R1±20%の範囲に収まる粒子個数割合を表形式で示したものである。
先ず、図1を参照すると本発明に従った光拡散体を用いた面光源装置の基本構成が示されている。光拡散体全体は、符号3で示されており板状の形状を有している。光拡散体3の一つのマイナー面(側面)1が光入力部を提供しており、一つのメジャー面(表面)2が光出力部を提供している。但し、メジャー面2についてその一部のみを光出力部として利用する場合もある。例えばメジャー面2の枠状外縁部を除いた矩形領域を面光源装置の光出力部としてもよい。符号Lは、マイナー面1のほぼ全体にわたって一様な白色光を供給するために配置された一次光源を表している。一次光源Lとしては、3色(青、赤、緑)の光を出射するLEDを利用した周知の白色光LEDが利用できる。
光拡散体3は、PCからなる樹脂マトリックス中に所定濃度で光拡散粒子5を一様に分散させたものである。一次光源Lから出射された白色光は、マイナー面1から光拡散体3内に導入される。この光は、光拡散体3内をマイナー面1から離れるように伝播する(以下この光拡散体3内を伝播する光を内部伝播光と呼ぶことにする)。内部伝播光は、その伝播過程で光拡散粒子による散乱作用を繰り返し受ける。この散乱作用によってメジャー面に内部入射する光成分が少しずつ生成され、更にこの内部入射光の内、臨界角未満の内部入射角を持つ成分がメジャー面2から外部に出射され、この光の全部または一部が、面光源装置の照明出力光として利用される。
なお、板状の光拡散体3の厚さは、例えば0.3mmであり、幅(マイナー面1の長手方向の長さ)は8cm、奥行き(メジャー面2の長手方向の長さ)は、15cmである。但し、これら諸サイズについては用途(例えばスマートフォンのディスプレイ用バックライト)等に応じて適宜選択することができる。実際的な観点から言えば、光拡散体の厚さは0.1mmから1cm程度、メジャー面サイズは5cm×8cmから50cm×80cm程度とする事が考えらえる。また場合によっては、光出力部を光拡散体3の表裏両面に設けてそれらから出射される光を出力照明光として利用することもあり得る。更に、光拡散体3の裏面に沿って反射体(例えばAl箔)を配置してもよい。また、光拡散体3の裏面にプリズム状の凹凸等を設けることもある。
光拡散体3の樹脂マトリックスを構成するPC中に、一様に分散されている光拡散粒子5の含有濃度(以下単に濃度とも言う)は、0.01wt%(重量%)から1wt%(重量%)の範囲とする。光拡散粒子5には屈折率が1.47から1.58の範囲にあるものが採用される。いうまでもなく、光拡散粒子5に内部伝播光を散乱する機能を発揮させるためには、光拡散粒子5の屈折率がマトリックス樹脂を構成するPCの屈折率(1.59)と異なっていることが最低限の条件となる。本発明では、これを前提にしたうえで既述した趣旨に従って光拡散粒子の屈折率の範囲を1.47〜1.58としている。
光拡散粒子の濃度については、過剰に大きいと光入力部から離れた位置まで内部伝播光を充分に送り届ける事が困難になる。逆に、濃度が小さすぎると光拡散能力の不足を生ずる。従って光拡散体3の奥行サイズ(内部伝播光を送り届ける必要のある距離)等を考慮して好ましい値を選べばよい訳であるが、本発明においては現実的な範囲として0.01wt%から1wt%の範囲を選択している。
光拡散粒子の具体的な例として、JX日鉱日石エネルギー株式会社製の「ユニパウダー(登録商標)」があり、公称粒径公称粒子サイズとしては、例えば2μm、3μm、5μm、10μm、及び15μm等多様なものがある。これらの製品のうち5μmのものは本実施例において採用可能な例となっている。
ところで、実際の製品における公称粒径は、最頻粒径を実質的に意味していると考えられる。即ち、実際の製品においては全粒が公称粒径に正確に一致する粒径を持っているわけではなく最頻粒径(公称粒径)をピークとしてある程度の粒子径のばらつきを持って分布している。例えば上記した製品のうち5μm、10μm、及び15μmの粒子について、その仕様書に基づいて最頻粒径とその周辺±20%の粒径の範囲に収まる粒子個数の割合(個数分率)を示せば図9に記した表のとおりである。
同表から判るように、粒径の揃い方として最頻粒径(以下記号R1で表記)から±20%の範囲内の粒径ばらつきに収まる個数の割合が60%以上であるような光拡散粒子を入手することは一般に困難でない。ちなみに、図9の表中に挙げた最頻粒径5μmの光拡散粒子について1μmきざみで個数分布を棒グラフで図8に示した。なお、本明細書において最頻粒径とは図8の例に描かれているように1μm、2μm、3μm、・・・・・・・・という具合に1μm刻みで粒径目盛りを取った時に各目盛り1μm、2μm、3μm、・・・・・・・・のそれぞれを中心として±0.5μmの粒子径領域に収まる粒子の数ごとに棒グラフを考え最も大きな個数割合を与えるマイクロメーター刻みの目盛値を最頻粒径と言う事にする。この定義に照らして図8に示した例は正に最頻粒径5μmにあてはまるものとなっている。
さて、光拡散粒子5は前述した通り内部伝播光を散乱し方向転換させるものであるがこの散乱は、粒子径が本発明で想定しているような大きさの範囲においては、ミー散乱と呼ばれる現象として扱うことができる。このミー散乱理論によれば各散乱における散乱効率は、光拡散粒子の粒径に応じて変化する。またその変化の仕方は、散乱される光の波長及び光拡散粒子と樹脂マトリックスの屈折率の関係によっても異なったものとなる。
粒子径に応じた散乱効率(ミー散乱)の効率の変化の例を図2から図4に示した。まず、図2に示した例は、PC樹脂マトリックス(屈折率=1.59)中に分散された屈折率1.49の光拡散粒子について青色光成分(435nm)、緑色光成分(545nm)、赤色光成分(615nm)の散乱効率の理論値を光散乱子の粒径に対してプロットしたグラフである。このグラフから明らかなように、3色それぞれの散乱効率推移を表す曲線はいずれも粒径の増大に従って繰り返し波うつ形をしており、短波長のものほど粒径変化に対する立上り及び立下りが急になっている。
本発明では、青色光成分のグラフについて最初の立上りピーク(粒径2.5μm付近に対応)に続いて到来する最初の立下りからその下限ピーク(粒径5μm付近に対応)を経て2回目の立上りのピーク(粒径7μm付近に対応)の範囲に注目する。この範囲(粒径2.5μm〜7μm)において、残りの2色の光のグラフとの関係を考察してみると、まず粒径3μm付近で緑色光成分の曲線と交差し更に同じく緑色光成分の曲線と粒子径5.7μm付近で再度交差する。つまり粒径3μm〜5.7μmの連続的範囲については青色光成分の散乱効率が緑色光成分の散乱効率を下回っている。このような緑色光成分の散乱が青色光成分の散乱に比べて優勢であってかつ最も小粒子径側にある連続粒子径領域を便宜上「緑優勢区間」と呼ぶことにする。したがって本例では緑優勢区間は3μm〜5.7μmの範囲となるわけである。
次に同様の考察から、粒径3.2μmから6.3μmの連続的範囲おいて青色光成分の散乱効率が、赤色光成分の散乱効率を下回っている。そこで、このような最も小粒子径側で赤色光成分の散乱が青色光成分の散乱に比べて優勢となる連続粒子径領域を「赤優勢区間」と呼ぶことにする。したがってこの場合の赤優勢区間は3.2μm〜6.3μmとなる。
次に、別の例としてPC樹脂マトリックス(屈折率=1.59)中に屈折率1.54の光拡散粒子が分散されている場合について青色光成分(435nm)、緑色光成分(545nm)、赤色光成分(615nm)の散乱効率の理論値を光拡散粒子の粒径に対してプロットしたグラフを図3として示した。図2のグラフの場合と同様に、3色それぞれの散乱効率推移を表す曲線はいずれも波型であり、短波長のものほど粒径変化に対する立上り及び立下りが急になっている。この例においても、図2のグラフと同様の考察を行い上記の便宜的呼称を用いてこのグラフの特徴を記せば次のようになる。すなわち、本例においては緑優勢区間は粒径5.5μm〜10.5μmの粒子径範囲となる。そして、赤優勢区間については、粒径6.0μm〜11.8μmの粒子径範囲となる。
本発明では、上記2つの例で示したような緑優勢区間及び赤優勢区間の合併区間(集合論的な意味における和)、あるいは両優勢区間の共通区間(集合論的な意味で積)内に最頻粒径R1を持つ光拡散粒子を使用することを基本的コンセプトとして採用する。このコンセプトの採用により、青色光成分の散乱が、光拡散体3の光入力部(図1の例ではマイナー面1)から近い位置で過剰に生じて光出力部(図1の例ではメジャー面2)から出力されてしまうことが抑制される。言い換えれば、光入力部から遠い位置まで青色光成分を伝播させた後に、光拡散粒子による散乱作用を通して光出力部から出射されるようにすることが容易になる。このことは、PC特有の事情であるベンゼン環による青色光成分の吸収の効果を考慮すると非常に意義のある事である。
ちなみに図2の両優勢区間の合併区間は3μm〜6.3μmの区間となり、共通区間はそれよりも短波長側、長波長側双方で若干絞られた区間、3.2μm〜5.7μmの区間となる。また、図3の例では合併区間は5.5μm〜11.8μmの区間となり、共通区間は6.0μm〜10.5μmの区間となる。
本発明では、このような合併区間内、更に好ましくは共通区間内に最頻粒径R1をもつ光拡散粒子を使用する訳である。ところが実際に使用される光拡散粒子においては既述したような粒子径バラつきがある。したがって一見したところでは合併区間あるいは共通区間の各両端付近にR1が存在するケースにおいては、本発明の上述した基本コンセプトに疑義を生ずるようにも思われる。
然るに図2、図3の両図において合併区間及び共通区間の各両端付近における各曲線の挙動を詳細にみてみると、各区間の中央付近(図2においては5μm付近、図3においては9μm付近)側に向かって青色光成分の散乱効率と緑色光成分および赤色光成分の各散乱効率との差異が急激に大きくなっている。一方、合併区間あるいは共通区間の各両端付近の外側の粒径領域における3色成分の曲線の挙動をみてみると、そのような大きな差異はみられない(青色光成分の散乱効率と緑赤各光成分の散乱効率との大小関係は逆転していることに注意)。
このことから最頻粒径R1が合併区間あるいは共通区間のいずれの端部付近にあっても青色光成分の散乱効率の相対的な落ち込みの効果が勝り本発明の基本コンセプトは保たれる。もちろん図2、図3の各例において各区間の中央付近すなわち5μm付近(図2のケース)や9μm(図3のケース)に最頻粒径を持つ光拡散粒子を使用することは非常に好ましいことである。
次に、光散乱粒子の屈折率と樹脂マトリックスであるPCの屈折率(1.59)の関係について考えてみる。上記説明した図2の例では光拡散粒子の屈折率は1.49であり、図3の例では光拡散粒子の屈折率は1.54である。つまり図3のケースの方が図2のケースよりも光拡散粒子−樹脂マトリックス間の屈折率差は小さい。
ここで図2、図3の各曲線群の波打ち挙動を比較してみると明らかに図2における曲線群の波打ちの方が図3における曲線群の波打ちよりも短い粒子径間隔で起こっている。そして、これに対応した結果として上記した合併区間及び共通区間が図3の方が大きくなっている。これらのことは次のことを示唆している。すなわち樹脂マトリックスと光拡散粒子の屈折率差が大きいほど散乱効率推移を表す曲線の波打ちが短周期的に起こると推測される。
この推測はここでは省略するが、ミー散乱理論の詳細から得られる結論に適合しているところでもある。この事実の一つの証左といえる例としてPC樹脂マトリックス中に屈折率1.44を有するシリコーン系粒子を光拡散粒子として分散させた場合の色別散乱効率を図2及び図3と同じ形式で図4に示した。このケースにおける3色光成分の各曲線の挙動の様子をみればただちにわかるように波打ちの頻度が図2のケースより更に激しくなっている。その結果上述した合併区間及び共通区間に相当する区間がいずれも非常に狭いものとなっている。数値でいえば、合併区間に相当しているのは2.0μm〜4.2μmであり、共通区間に相当しているのは2.2μm〜3.7μmである。つまりこのようにPC樹脂マトリックスとの屈折率差が大きくなると急速に合併区間や共通区間が狭くなってしまう。そのため上述した最頻粒径のまわりの粒子径のバラつきの効果によって最頻粒径R1をそのような区間内のどこにとっても本発明の先述した基本コンセプトを保つことが難しくなる。
以上図2から図4のグラフについての議論を踏まえて本発明で採用できる光拡散粒子の屈折率の下限を1.49と1.44の中央値よりも若干高めの1.47とすることにした。
ここで、これまで説明してきた青色光成分の散乱効率が相対的に低い粒子径区間に最頻粒径R1を持ってくることによって黄ばみの抑制の効果が得られることの確認のために行った簡単な分光透過率測定について図5〜図7を参照して説明しておく。図5〜図7はいずれも3種の最頻粒径R1(2μm、5μm、10μm)を持つ光拡散粒子を順に1wt%、0.5wt%、0.2wt%の濃度で一様にPC樹脂マトリックス中に分散させた光拡散体フィルム(板状の光拡散体の一つの形態)をそれぞれ用意し(9種類のフィルム)について周知の手法にしたがって分光透過率スペクトルを得たものである。光拡散粒子としては屈折率1.49を持つPMMA系粒子(先述したユニパウダー(登録商標))を使用した。なお、図5〜図7のいずれにおいても縦軸は相対分光透過率を表している。ここで相対分光透過率とは500nmにおける分光透過率を1とする規格化を行った場合の各光波長における透過率を表したものである。
図5〜図7のいずれのケースにおいても、最頻粒径R1=2μmとしたフィルムに対する測定で得られた相対分光透過率のスペクトルは明瞭な右肩上がりの推移を示している。換言すれば長波長側(赤色光側)ほど透過率が高くなっている傾向を表している。このことは、赤色光成分に比べて青色光成分を内部伝播させることが相対的に困難であることを明瞭に示している。さらに、詳しくみてみると濃度が高い順に右肩上がりの傾向が強いことがわかる。これは2μmという最頻粒径を持つ光拡散粒子による散乱効果により青色光成分の相対的な伝播能力の低下を招いている一つの証左と考えられる。
ただし、樹脂マトリックスであるPC中に含まれるベンゼン環の青色光成分吸収効果が図5〜図7のいずれのケースにおいてもほぼ等しくベースとして乗っていることはいうまでもない。このようにR1=2μmの光拡散粒子を使用した場合では、本発明が目指している光拡散体が得られ難いことは明白である。またこのことは図2〜図4を参照して明らかにした本発明の基本コンセプトに照らして当然のことでもある。
次にR1=5μmの光拡散粒子を使用したケースでは、図5〜図7のいずれの濃度においても相対分光透過率のカーブは概ねフラットとなっている。ただし、より詳しくみてみると図5のケース(濃度1.0wt%)においては青色光成分の代表波長435nmに近い410nm付近から緑色光成分及び赤色光成分の全体にわたる波長領域においてゆるい右肩下がりの推移を示している。つまり、青色光成分が緑色光成分や赤色光成分よりもむしろやや伝播し易くなっていることを示している。
また、図6及び図7のケースでは右肩下がりとはいえないが、はっきりした右肩上がりでもなくほぼ平坦といえる。したがって、図6及び図7のケースにおいても青色光成分の内部伝播の能力が緑色光成分や赤色光成分の内部伝播能力に比べて特に劣っているとはいえない。これらの事実は先述したとおり5μmという最頻粒径が、図2を参照して説明した合併区間及び共通区間のほぼ中央値に相当していることと符合する。
次にR1=10μmの光拡散粒子を使用したケースについて考察してみる。まず、図5〜図7いずれのケースについてもいえることはR1=5μmの分光透過率を表す曲線と比較的類似しているとはいえ、より詳しくみてみると青色光成分の波長領域において10μmの曲線の方が5μmの曲線よりも下側にある。つまり、青色光成分について若干ではあるが5μmのケースに比して10μmの方が内部伝播能力が劣ると解釈できる。そして、緑色光成分及び赤色光成分の波長領域まで含めて考察してみると、特に図5のグラフにおいてR1=10μmの曲線は右肩上がりの傾向を示している。さらに、図6、図7のケースにおいても勾配はやや小さくなるが、やはり右肩上がりの推移をR1=10μmの曲線は表している。
これらを総合的に解釈すると、上記図2に関連した説明においてR1=10μmという値が合併区間及び共通区間の域外に相当することと矛盾しない。更にいえば、濃度が比較的高い図5のケースにおいて青色光成分の相対分光透過率がR1=5μmの曲線よりもはっきり下回っているという傾向があり、この傾向は図6、図7のケースのように濃度が低くなるにしたがって弱まっていることが読み取れる。この傾向の強弱がみられる原因は光拡散粒子の濃度が薄くなるほど単位光路距離あたりの散乱機会が比例的に低下するためであると推測される。
最後に、光拡散体製造方法についてごく簡単に説明する。本発明にしたがった光拡散体を製造するにあたり特に新しい製造手法は必要とされない。すなわち従来より一般的に用いられている手法がほぼそのまま適用できる。典型的な手法においては、まず市販のPCペレットあるいはPC粉末と希望する最頻粒子径(例えば上述した例にあるR1=5μmの光拡散粒子)を用意する。そして、PCペレットまたはPC粉末と光拡散粒子とを二軸押出成形機のホッパー中に投入し所定温度(例えば280℃)まで昇温する。この加熱状態を数十分保ちながら両者を混練により均等に混ぜ合わせる。この混練は二軸押出成形機が有している混練機能を作動させて行う。次いで、同成形機の押出機能を作動させて光拡散体の原材料となるペレットを作成する。このようにして作成された原材料ペレットを射出成形機の原材料投入ホッパー内に投入し、この射出成形機により所望の形状(例えば板状)の光拡散体を得る。
いうまでもないことであるが、上記混練時に添加する光拡散粒子の量は希望する重量%の光拡散体が得られるように選択すれば良い。
1 光入力部(マイナー面)
2 光出力部(メジャー面)
3 光拡散体(光散乱導光体)
4 樹脂マトリックス
5 光拡散粒子
L 一次光源

Claims (4)

  1. ポリカーボネートからなる樹脂マトリックス中に所定の屈折率を有する光拡散粒子を所定の濃度で分散させた光拡散体であって、
    白色光を入力するための光入力部と、前記光入力部から前記光拡散体内に入力された光が前記光入力部から離れるように前記光拡散体中を伝播する過程で拡散光を出力する面状の光出力部を有し、
    前記所定の屈折率は1.47〜1.58の範囲の値を持ち、
    前記所定の濃度は0.01wt%〜1wt%の範囲にあり、
    前記光拡散粒子の粒径に対する個数分布について該分布のピークを与える最頻粒径R1を有するとともに、前記第1の最頻粒径R1に対し、0.8R1〜1.2R1の大きさの範囲内に60%以上の個数を含み更に前記R1は、青色光成分の散乱効率が赤色光成分の散乱効率及び緑色光成分の散乱効率の内の少なくとも一方を下回る範囲のうち、最も小粒径側に存在する一つの連続的な粒径範囲内にあることを特徴とする前記光拡散体。
  2. 前記青色光成分の散乱効率は、前記赤色光成分の散乱効率及び前記緑色光成分の散乱効率の両方を下回ることを特徴とする、請求項1に記載の光拡散体。
  3. 板状の形状を有し、前記光出力部を提供するメジャー面と前記光入力部を提供するマイナー面を備えることを特徴とする請求項1または2に記載された光拡散体。
  4. 請求項3に記載された光拡散体と、該光拡散体の前記マイナー面に白色光を供給する一次光源を備えたことを特徴とする面光源装置。
JP2016001771A 2016-01-07 2016-01-07 光拡散体及び面光源装置 Pending JP2017122837A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016001771A JP2017122837A (ja) 2016-01-07 2016-01-07 光拡散体及び面光源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016001771A JP2017122837A (ja) 2016-01-07 2016-01-07 光拡散体及び面光源装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017122837A true JP2017122837A (ja) 2017-07-13

Family

ID=59305459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016001771A Pending JP2017122837A (ja) 2016-01-07 2016-01-07 光拡散体及び面光源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017122837A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018225463A1 (ja) * 2017-06-06 2018-12-13 恵和株式会社 上用光拡散シートおよびそれを備えたバックライトユニット

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06324215A (ja) * 1993-05-11 1994-11-25 Sumitomo Chem Co Ltd 光源装置
JPH0790167A (ja) * 1993-09-22 1995-04-04 Teijin Ltd 光拡散性樹脂組成物
JPH11153963A (ja) * 1997-11-19 1999-06-08 Enplas Corp 光源装置
JP2001250410A (ja) * 2000-03-02 2001-09-14 Nichia Chem Ind Ltd 面状発光装置
JP2005347010A (ja) * 2004-06-01 2005-12-15 Minebea Co Ltd 面状照明装置
JP2006502442A (ja) * 2002-10-03 2006-01-19 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ フラットパネルディスプレイ用バルクディフューザー
JP2011029006A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Kuraray Co Ltd 発光体
JP2011134620A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Hitachi Consumer Electronics Co Ltd バックライト装置及びこれを用いた液晶表示装置
JP2013114876A (ja) * 2011-11-28 2013-06-10 Sharp Corp 照明装置、及びそれを備えた液晶表示装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06324215A (ja) * 1993-05-11 1994-11-25 Sumitomo Chem Co Ltd 光源装置
JPH0790167A (ja) * 1993-09-22 1995-04-04 Teijin Ltd 光拡散性樹脂組成物
JPH11153963A (ja) * 1997-11-19 1999-06-08 Enplas Corp 光源装置
JP2001250410A (ja) * 2000-03-02 2001-09-14 Nichia Chem Ind Ltd 面状発光装置
JP2006502442A (ja) * 2002-10-03 2006-01-19 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ フラットパネルディスプレイ用バルクディフューザー
JP2005347010A (ja) * 2004-06-01 2005-12-15 Minebea Co Ltd 面状照明装置
JP2011029006A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Kuraray Co Ltd 発光体
JP2011134620A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Hitachi Consumer Electronics Co Ltd バックライト装置及びこれを用いた液晶表示装置
JP2013114876A (ja) * 2011-11-28 2013-06-10 Sharp Corp 照明装置、及びそれを備えた液晶表示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018225463A1 (ja) * 2017-06-06 2018-12-13 恵和株式会社 上用光拡散シートおよびそれを備えたバックライトユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5528709A (en) Corner supply type plane light source device
JP3874222B2 (ja) 光源装置
CN100349027C (zh) 发光装置
US8848136B2 (en) Display device having enlarged viewing angle
JP3429384B2 (ja) サイドライト型面光源装置
US7954989B2 (en) Backlight module with diffusing particles and prism refractive structure
US8622601B2 (en) Backlight module and display apparatus
JP2011501219A5 (ja)
JPH07169311A (ja) 光散乱導光光源装置及び液晶表示装置
RU2013124376A (ru) Осветительное устройство с волноводной пластинкой
KR101731762B1 (ko) 발광체 분말을 이용한 확산판 제조기술
US20210364676A1 (en) Diffuser film and method for manufacturing same
JP3830982B2 (ja) 楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置
US8477266B2 (en) Display backlight module and method for the same
JP2017122837A (ja) 光拡散体及び面光源装置
JP2012212612A (ja) 導光部材及びバックライト装置
WO2012145978A1 (zh) 背光模组及液晶显示装置
TW201425821A (zh) 背光模組
JP2012146680A (ja) 光源モジュール
WO2015151255A1 (ja) 導光板及び導光板を用いた装置
JP2013246925A (ja) 導光板
US9169995B2 (en) Lighting system
US8858055B2 (en) Backlight module and display apparatus
US10488014B2 (en) Display including switchable backlight and front surface film
CN102322612B (zh) 一种led一次透镜、背光模组及液晶显示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200219

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201006

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20201006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20201007

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20201026

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20201027

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20201218

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20201222

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210209

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20210615

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210706

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210921

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20211026

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20211026